特許 5961797 循環式遊技機

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】5961797

(24)【登録日】2016年7月8日

(45)【発行日】2016年8月2日

(54)【発明の名称】循環式遊技機

(51)【国際特許分類】

   A63F 7/02 20060101AFI20160719BHJP

【ＦＩ】

   A63F7/02 301C

   A63F7/02 320

【請求項の数】1

【全頁数】30

(21)【出願番号】特願2014-208237(P2014-208237)

(22)【出願日】2014年10月9日

(62)【分割の表示】特願2013-188106(P2013-188106)の分割

【原出願日】2013年9月11日

(65)【公開番号】特開2015-6572(P2015-6572A)

(43)【公開日】2015年1月15日

【審査請求日】2014年10月10日

(31)【優先権主張番号】特願2012-204232(P2012-204232)

(32)【優先日】2012年9月18日

(33)【優先権主張国】JP

(73)【特許権者】

【識別番号】395018239

【氏名又は名称】株式会社高尾

(72)【発明者】

【氏名】安藤 繁光

【審査官】 小河 俊弥

(56)【参考文献】

【文献】 特許第５６８１８８４（ＪＰ，Ｂ２）

【文献】 特開２００８−２００２６７（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００３−１８１１０８（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開平０３−１５５８８９（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開平１０−００５４１８（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ａ６３Ｆ ７／０２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

挿入された記録媒体に記録されている有価価値情報とユニット側持球数情報との読取りを行なうユニットと相互通信が可能に接続され、所定数の遊技球を内部に封入し該遊技球を循環的に使用して遊技を行い、該遊技の進行に応じて発射可能な遊技機側持球数情報を更新する循環式遊技機において、
始動口への入球に起因した抽選の結果を報知する演出図柄を表示する演出図柄表示装置と、
遊技者により精算操作がなされると、前記遊技機側持球数情報を前記ユニットに移行させる精算手段と、
遊技者により排出操作がなされると、前記ユニットに挿入されている前記記録媒体を排出させる排出手段と
遊技者により離席操作がなされると、離席モードに移行させる離席モード移行手段と、
前記遊技機側持球数を確認する持球確認手段と、を備え、
前記排出手段操作時は、前記持球確認手段により前記遊技機側持球数情報が存在しなければ前記ユニットからの前記記録媒体の排出を行い、前記遊技機側持球数情報が存在すると、前記ユニットからの前記記録媒体の排出は行わず前記精算手段の実施を促す報知を行い
前記離席モード移行手段操作時は、前記持球確認手段により前記遊技機側持球数情報が存在しなければ前記ユニットからの前記記録媒体の排出を行うとともに、該排出された前記記録媒体が再び前記ユニットに挿入されるか又は所定時間が経過するまで離席中報知を行う離席モードに移行し、前記遊技機側持球数情報が存在すると、前記ユニットからの前記記録媒体の排出と前記離席モードへの移行とは行わず前記精算手段の実施を促す報知を行い、
前記離席モード中の前記演出図柄表示装置は、前記演出図柄の表示は行わず前記離席モードが継続中であることを示す態様を表示し、
前記離席モードの開始から前記所定時間が経過すると、前記離席モードの終了を指示するとともに離席モード無効報知を指示する構成とし、
該離席モード無効報知は、前記演出図柄表示装置に前記演出図柄の表示を再開するとともに前記離席モードが無効になったことを示す無効表示を行い、該無効表示は、前記記録媒体が挿入されるまで表示を継続する
ことを特徴とする循環式遊技機。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、発射した遊技球を遊技機内で回収して再度発射位置へ誘導する循環式遊技機に関する。

【背景技術】

【0002】

現在の一般的なパチンコ遊技機は、有価価値情報が記憶されたカードをパチンコ遊技機に隣接されたＣＲユニットに挿入し、パチンコ遊技機に配置された貸出ボタンを操作することで、パチンコ遊技機内に設けられた払出装置から遊技球を上皿に排出され、排出された遊技球を遊技領域に設けられた入賞口に入球させることで賞球として払出装置から当該入賞口に設定されている分の遊技球が払出される。なお、上皿に遊技球が無くなると、再び、遊技者は貸出ボタンを操作して、上皿に遊技球を払出させる構成になっている。

【0003】

また、近年、不正対策を強化するために、ＩＣカードリードライターを搭載した台間機と接続し、内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う循環式遊技機（封入式遊技機ともいう）が注目を集めている。この循環式遊技機では、遊技者が遊技球に触れることができないように所定数の遊技球が封入されており、発射装置により遊技盤に向けて発射（遊技に使用）された遊技球が遊技機内部で回収されて再び発射装置により発射されると共に、遊技者の持球の数がデータとして管理され、発射可能な遊技球数は循環式遊技機自体が記憶する構成となっている。

【0004】

このような循環式遊技機において、遊技を一時的に中断するための中断ボタンを備え、該中断ボタンの操作に基づき発射制御基板への発射許可信号の出力を停止して打球操作ハンドルの操作を無効とするとともに、記憶された持球データ（クレジット球数）を含む中断情報を接続したカードユニットに対して送信する構成が開示されている＜特許文献１＞。

【0005】

特許文献１のような構成にすれば、トイレ休憩などで一時的に席を離れる際にも、中断ボタンを操作すれば自動で発射停止と持球データをカードに移行（カードユニットにデータを送信）させることができ、即座に離席することを可能としている。また、精算ボタンの操作のみで、打球待機皿に待機している待機球が自動的にクレジット球数として精算される。このようにすれば、精算操作を簡素化することができ、遊技機が記憶する持球データの精算忘れを防止することもできる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【特許文献1】特開２００３−１０２９９９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

しかしながら、特許文献１の発明では、誤って中断ボタンを押した場合は、遊技中にもかかわらず発射停止や持球データの移行が行われるため、遊技を再開する場合は、カードから遊技機へデータを移行させる必要があり手間取ってしまう。また、誤って精算ボタンを操作した場合でも、発射は停止されないが持ち球データはユニットに移行してしまうため、遊技を再開するのに手間取ってしまう。

【0008】

そこで、本発明は上記事情に鑑み、誤って中断ボタンを操作してしまった場合でも、その後はスムーズに遊技を進行することが可能な循環式遊技機を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0009】

請求項１記載の弾球遊技機は、
挿入された記録媒体に記録されている有価価値情報とユニット側持球数情報との読取りを行なうユニットと相互通信が可能に接続され、所定数の遊技球を内部に封入し該遊技球を循環的に使用して遊技を行い、該遊技の進行に応じて発射可能な遊技機側持球数情報を更新する循環式遊技機において、
始動口への入球に起因した抽選の結果を報知する演出図柄を表示する演出図柄表示装置と、
遊技者により精算操作がなされると、前記遊技機側持球数情報を前記ユニットに移行させる精算手段と、
遊技者により排出操作がなされると、前記ユニットに挿入されている前記記録媒体を排出させる排出手段と
遊技者により離席操作がなされると、離席モードに移行させる離席モード移行手段と、
前記遊技機側持球数を確認する持球確認手段と、を備え、
前記排出手段操作時は、前記持球確認手段により前記遊技機側持球数情報が存在しなければ前記ユニットからの前記記録媒体の排出を行い、前記遊技機側持球数情報が存在すると、前記ユニットからの前記記録媒体の排出は行わず前記精算手段の実施を促す報知を行い
前記離席モード移行手段操作時は、前記持球確認手段により前記遊技機側持球数情報が存在しなければ前記ユニットからの前記記録媒体の排出を行うとともに、該排出された前記記録媒体が再び前記ユニットに挿入されるか又は所定時間が経過するまで離席中報知を行う離席モードに移行し、前記遊技機側持球数情報が存在すると、前記ユニットからの前記記録媒体の排出と前記離席モードへの移行とは行わず前記精算手段の実施を促す報知を行い、
前記離席モード中の前記演出図柄表示装置は、前記演出図柄の表示は行わず前記離席モードが継続中であることを示す態様を表示し、
前記離席モードの開始から前記所定時間が経過すると、前記離席モードの終了を指示するとともに離席モード無効報知を指示する構成とし、
該離席モード無効報知は、前記演出図柄表示装置に前記演出図柄の表示を再開するとともに前記離席モードが無効になったことを示す無効表示を行い、該無効表示は、前記記録媒体が挿入されるまで表示を継続する
ことを特徴とする循環式遊技機である。

【0010】

「遊技の進行に応じて発射可能な遊技機側持球数情報を更新する」とは、遊技球の消費（発射）と獲得とを、遊技媒体（遊技球）の数を増減させるのではなく、該遊技媒体の数を示す情報を変化させる構成となり、循環式遊技機側が記憶する遊技機側持球数情報（遊技者の持球の数）を、遊技球の発射及び入賞口への入賞に応じて加減算する構成としてもよく、機内に封入した遊技球数を確認可能としたうえで、発射した遊技球数と、入賞口又はアウト口へ入球した遊技球数とを計数し、機内を循環する遊技球を管理する構成が望ましい。

【0011】

精算手段は、その操作により発射可能な遊技球数（持球の数情報）から所定数を減算し、減算した値をユニットへ移行する構成となる。なお、１回の精算手段操作で、全ての発射可能な遊技球数を減算し（減算した値をユニットへ移行し）、発射可能な遊技球数を０にする構成としてもよい。また、状況によって、所定数を減算する処理と全てを減算する処理とが切り替わる構成でもよい。特に返却操作時や離席操作時には１回の精算手段操作で全て減算される構成が望ましい。また、精算操作部は、ユニットに設けられていてもよいし、循環式遊技機に設けられていてもよい。

【0012】

排出手段は、遊技者がその操作を実施すると循環式遊技機が記憶管理する遊技機側持球数情報（発射可能な遊技球）が０（存在しない）であれば該操作に応じてユニットから記録媒体を排出し、循環式遊技機が記憶管理する遊技機側持球数情報が０よりも大きければ（存在する）、精算手段の実施、即ち、遊技者による精算操作によって循環式遊技機が記憶管理する遊技機側持球数情報をユニットに移行するように促す報知を実施するだけで、排出操作に応じたユニットからの記録媒体の排出は行わない。

【0013】

離席モード移行手段は、遊技が中断状態（離席モード）であることを遊技機に報知させる手段であり、遊技者が操作を実施すると循環式遊技機が記憶管理する遊技機側持球数情報（発射可能な遊技球）が０であればユニットから記録媒体を排出して、該記録媒体が再びユニットに挿入されるまで又は所定時間が経過するまで遊技が中断状態であることを報知し、循環式遊技機が記憶管理する遊技機側持球数情報が０よりも大きければ、精算手段の実施、即ち、遊技者による精算操作によって循環式遊技機が記憶管理する遊技機側持球数情報をユニットに移行するように促す報知を実施するだけで、排出操作に応じたユニットからの記録媒体の排出も、離席モードへの移行も行わない。

【0014】

循環式遊技機は、排出手段及び離席モード移行手段がなされたか否かは、ユニットから受信する排出確認信号と離席確認信号とによって確認する構成となり、排出確認信号又は離席確認信号の受信時に実施する持球確認手段の確認結果に応じて、遊技機側持球情報が０であればユニットに記録媒体排出を許可する排出（離席）許可信号を送信する。また、ユニットが循環式遊技機から離席確認信号の受信に応じた離席許可信号を受信した場合は、離席状態を指示する離席状態信号を循環式遊技機に送信する。なお、循環式遊技機は、ユニットから離席確認信号を受信した場合に持球確認手段の確認結果として遊技機側持球情報が０であれば、該離席確認信号を離席状態信号として捉える構成としてもよい。

【0015】

識別信号は、ユニットが離席状態の指示中に限り出力される信号であってもよいし、離席状態の指示中に限らず記録媒体がユニットへ挿入されるごとに循環式遊技機に出力されてもよいし、循環式遊技機の要求に応じて出力されてもよい。また、識別信号はユニットへの記録媒体の挿入時に循環式遊技機に出力される信号（挿入信号）と組合せ１つの信号としてもよい。

【発明の効果】

【0016】

請求項１に記載の循環式遊技機では、遊技者による排出操作や離席操作は誤操作の可能性もあり、遊技機側持球数情報（循環式遊技機が記憶する発射可能な遊技球数）が０でない場合は、排出操作又は離席操作を無効とし、精算操作を促すことによって排出操作や離席操作を再確認させる効果を奏し、誤操作によって遊技機側持球情報がユニットに移行してしまうことを防いで遊技をそのまま続行することを可能とし、誤操作ではない場合は、報知に応じた精算操作により（遊技機側持球数情報を０にさせることにより）、不正（球を持っていかれる。他人が発射してしまう）を防止した状態を確保した上でカードを排出して離席（遊技の中断）を行わせることができる。

【0017】

また、離席モードを保持する時間には上限があるため、離席操作を用いた悪戯をされても被害を最小限におさえることができる。

【図面の簡単な説明】

【0018】

【図1】循環式遊技機５０の正面図。

【図2】循環式遊技機５０における遊技球の循環の仕組みを背面から模式的に示した説明図。

【図3】循環式遊技機５０の電気的構成を示すブロック図１。

【図4】循環式遊技機５０の電気的構成を示すブロック図２。

【図5】実施例１において台間ユニット１００が実行するカード処理１の流れを示すフローチャート１。

【図6】実施例１において台間ユニット１００が実行するカード処理１の流れを示すフローチャート２。

【図7】実施例１において台間ユニット１００が実行するカード処理１の流れを示すフローチャート３。

【図8】払出発射制御装置８４が実行する排出確認信号受信処理を示すフローチャート。

【図9】実施例１において払出発射制御装置８４が実行する離席確認信号受信処理１を示すフローチャート２。

【図10】実施例１において払出発射制御装置８４が実行する離席状態信号受信処理を示すフローチャート。

【図11】実施例１において払出発射制御装置８４が実行する比較結果信号受信処理を示すフローチャート。

【図12】払出発射制御装置８４が実行する精算処理を示すフローチャート。

【図13】実施例１において払出発射制御装置８４が実行する離席報知指示信号受信処理を示すフローチャート。

【図14】演出図柄表示装置６に表示する報知の内容を示す図１。

【図15】演出図柄表示装置６に表示する報知の内容を示す図２。

【図16】実施例２において台間ユニット１００が実行するカード処理２の流れを示すフローチャート１。

【図17】実施例２において台間ユニット１００が実行するカード処理２の流れを示すフローチャート３。

【図18】実施例２において払出発射制御装置８４が実行する離席確認信号受信処理２を示すフローチャート。

【図19】実施例２において払出発射制御装置８４が実行する離席状態処理を示すフローチャート。

【発明を実施するための形態】

【0019】

以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。

【実施例1】

【0020】

図１は、遊技球の機外へ払出しを行わず、機内に遊技球を封入して遊技を行う循環式遊技機５０（本発明の循環式遊技機に該当）の正面図である。図１に示すように、循環式遊技機５０は、台間ユニット１００（本発明のユニットに該当）と隣り合わせで配置されている。台間ユニット１００には、カード挿入口１００ａと、現金挿入口１００ｂとが設けられており、カード挿入口１００ａにＩＣカード（本発明の記録媒体に該当）を挿入するか現金挿入口１００ｂに現金を挿入することで、循環式遊技機５０に設けた球貸しボタン１０２ａの操作が可能となる。

【0021】

循環式遊技機５０は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠５１にて各部を保持する構造を有している。外枠５１の左側上下には、ヒンジ５３が設けられていると共に、該ヒンジ５３には内枠７０が取り付けられており、内枠７０は外枠５１に対して開閉可能な構成になっている。

【0022】

また、内枠７０には、ヒンジ５３等により前枠５２が開閉可能に取り付けられていると共に、この前枠５２には、板ガラス６１が取り外し自在に設けられており、板ガラス６１の奥には、内枠７０に取り付けられた遊技盤１が配されている。前枠５２の上部左右には、スピーカ（図示無し）が設けられており、循環式遊技機５０から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠５２に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ（図示無し）も複数設けられている。また、前枠５２の右下部には入賞表示装置２０が配置され、後述する入賞口に遊技球が入賞すると、入賞口毎に設定された獲得遊技球数を表示する。

【0023】

前枠５２の下方右側には遊技球の発射操作を行う発射操作ユニット１０７が配置され、その下には手置き台７１が取付けられている。手置き台７１は、常時発射操作を行う遊技者の手を乗せておく台となる。発射操作ユニット１０７は、発射強度調整スイッチ部１０８と、遊技者が遊技球を発射するために操作する摺動操作部１０７ａと、摺動操作部１０７ａの上部に配置した発射停止スイッチ１１１と、発射強度を固定する場合に操作する発射強度固定スイッチ１１０と、発射強度を数値で示す発射強度表示部１０７ｂと、遊技者の操作を感知する図示しないタッチセンサ１１２とで構成されている。摺動操作部１０７ａは右方向に操作するほど発射強度が強くなる。本実施例では、摺動スイッチを用いて発射強度の調節を行っているが、これに限るわけではなく、所謂発射ハンドルの回動量に応じて発射強度を調節する構成でも何ら差し支えない。

【0024】

発射操作ユニット１０７の右上（循環式遊技機５０の右端）には、内枠７０と前枠５２の両方の枠の開放が規制できるスライド錠を操作するシリンダ錠３６が配置され、鍵が挿入可能となっている。このシリンダ錠３６は、解錠するための鍵の種類を変更自在に行い得る可変式錠になっており、このような可変式錠を循環式遊技機５０に使用することで、遊技店は、店に配置される全ての遊技機を店独自の鍵（１種類）に設定することが出来る。

【0025】

発射操作ユニット１０７の左には、遊技者とのインターフェースとなるコントロール部８が設けられている。このコントロール部８には、タッチパネル式の液晶表示器となる操作部装置１０２（タッチパネル式液晶表示器）と、計数スイッチ１０５（本発明の精算手段に該当）と、遊技球数表示装置１０６が配置されている。操作部装置１０２のタッチパネル上には、球貸しスイッチ１０２ａと、返却スイッチ１０２ｂ（本発明の排出手段に該当）と、画面切換スイッチ１０２ｃと、球貸しスイッチ１０２ａ及び返却スイッチ１０２ｂの操作結果を示す操作結果表示部１０２ｄと、遊技を一時中断するために離席状態への移行を希望する場合に操作する離席スイッチ１０２ｅ（本発明の離席モード移行手段に該当）とが設けられている。

【0026】

なお、ＩＣカードからの球貸し、持球の精算、及びＩＣカードの返却、離席等を行うボタン類（球貸しスイッチ１０２ａ、計数スイッチ１０５、返却スイッチ１０２ｂ、離席スイッチ１０２ｅ）を台間ユニット１００に配置する構成としてもよく、これにより、球貸しや精算などの操作を台間ユニット１００にまとめることで、遊技に係る演出関連の操作と明確に区別することが可能となる。また、本実施例ではタッチパネル式液晶パネルに上記したスイッチを備える構成としているが、タッチパネル式液晶パネルに限るわけではなく、機械式のスイッチを用いても何ら差し支えない。

【0027】

コントロール部８を備える前板部も、ヒンジ５３等によって内枠７０から開閉可能となっているが、前枠５２が前板部に被さる様に設置されているため、前枠５２の開放時のみ前板部の開放も可能となる。

【0028】

また、図１は、板ガラス６１の奥に位置する遊技盤１の遊技領域３の様子を概略的に示している。遊技領域３は、ガイドレール１６によって囲まれた略円形の領域であると共に、多数の遊技釘が植設されており、遊技盤１の左上に配置した発射装置から発射された遊技球は、発射直後に遊技領域３を流下する構成となっている。

【0029】

遊技領域３のほぼ中央部には、ワープ通路やステージ等が形成されたセンターケースや窓が設けられており、この窓の奥には、演出図柄表示装置６の液晶画面が配置される。また、これら以外にも、遊技領域３には、常時入賞可能な普通図柄作動ゲート１７や、第１始動口１１や、普通電動役物として構成された第２始動口１２や、一般入賞口１３、アタッカー式の大入賞口１４等の役物（入賞口）や、アウト口１５が設けられ、遊技領域３の右下には第１特図表示装置、第２特図表示装置、普通図柄表示装置、第１特図保留数表示装置、第２特図保留数表示装置、普図保留数表示装置等が設けられている。

【0030】

上記のように遊技盤１を構成することによって、普通図柄作動ゲート１７に遊技球が入球（普通図柄作動スイッチ１７ａ（図３参照）が遊技球を検出）すると、普通図柄表示装置で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド１２ｂ（図３参照）を駆動させる。普通電役ソレノイド１２ｂが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物の羽根部材が開放して、第２始動口１２への入球（第２始動口スイッチ１２ａ（図３参照）の検出）が可能となるように構成されている。尚、本実施形態におけるパチンコ機では、普通電動役物の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時は０．２秒（１回）、時短状態（開放延長状態）では１．８秒（２回）である。また、第２始動口１２は、普通電動役物の羽根部材が駆動しなければ遊技球が入球不可能な構成となっている。

【0031】

第１始動口１１に遊技球が入球（第１始動口スイッチ１１ａ（図３参照）が遊技球を検出）すると、第１特図表示装置において第１特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第２始動口１２である普通電動役物に遊技球が入球（第２特図始動スイッチ１２ａ（図３参照）が遊技球を検出）すると、第２特図表示装置において第２特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。

【0032】

第１特別図柄及び第２特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置６において各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第１特別図柄と第２特別図柄は、第１始動口と第２始動口への入球順に関係なく、第２特別図柄の変動停止を優先して実施する。具体的には、第１特別図柄の保留記憶がある場合、第２特別図柄の変動が停止し且つ第２特別図柄保留記憶が無い状態となって、第１特別図柄保留記憶分の変動を開始する。

【0033】

第１特別図柄及び第２特別図柄の確定表示した態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド１４ｂ（図３参照）が駆動する。大入賞口ソレノイド１４ｂが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口１４の扉部材が開放し、大入賞口１４への遊技球の入球（カウントスイッチ１４ａ（図３参照）が遊技球を検出）が可能となるように構成されている。

【0034】

また、第１始動口１１、第２始動口１２に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート１７を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置５０に格納（記憶）するとともに、第１始動口１１及び第２始動口１２への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置８３（図３参照）に送信する処理を行う。以後、第１始動口１１に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第１保留記憶、第２始動口１２に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第２保留記憶、普通図柄作動ゲート１７を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。

【0035】

本実施形態においては、普図保留数表示装置、第１特図保留数表示装置、第２特図保留数表示装置による各々の点灯数の最大個数は４個（最大保留記憶数が４個）となっている。また、それぞれの保留記憶数が０であっても、第１始動口１１、第２始動口１２に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート１７を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置５０に格納される。

【0036】

第１特図始動スイッチ１１ａ又は第２特図始動スイッチ１２ａが遊技球を検出し、その場合の第１保留記憶又は第２保留記憶の数が４個未満であれば、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第１又は第２保留記憶として記憶領域に格納する。

【0037】

保留記憶された各種乱数は、当否判定処理（大当り判定）によって予め設定されている値との比較判定（本発明の抽選に該当）が行われ、大当り判定用乱数の当否判定結果が大当り図柄決定用乱数の値に基づいて第１特図表示装置、第２特図表示装置、演出図柄表示装置６に表示される。

【0038】

尚、本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成されている。具体的に説明すると、本実施形態のパチンコ機による遊技は、大入賞口１４を閉鎖した遊技と大入賞口１４を開放する大当たり遊技とに大別され、大入賞口１４を閉鎖した遊技には、大きく分類して、通常確率状態（以下、通常状態）と、該通常状態に比べて遊技者にとって有利な状態（大当りとなる確率が甘く、大当りし易い）となる高確率状態(以下、確率変動状態)とが存在する。

【0039】

特別図柄は、確率変動図柄及び非確率変動図柄とからなり、確率変動状態は確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも確率変動図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後、確率変動状態に移行する。同様に通常状態は、非確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも非確率変動図柄で大当たりすれば、大当たり遊技終了後、通常状態に移行する。

【0040】

通常状態に移行後は、規定回数（例えば、１００回）だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ普通電動役物の開放延長機能が作動する時短状態となる。特別図柄及び普通図柄の変動時間（変動開始から結果が表示されるまでの時間）が短縮されると、一定時間内に変動表示が行なわれる回数が増大される。

【0041】

具体的には、本実施形態の時短状態では、特別図柄の変動時間の短縮とともに、普通図柄表示装置に表示される普通図柄の時間短縮も行われるが、この普通図柄の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回普通図柄の確定表示を行う。従って、一定時間内での普通図柄が当りとなる回数が増大し、これにより普通電動役物の作動回数も増大する。また、普通電動役物の開放時間が長くなるように設定されている（開放延長機能）ので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、特別図柄の変動表示回数が更に増大されるとともに、普通電動役物入賞で得る賞球により、遊技者の持ち玉が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。

【0042】

尚、確率変動状態では、時短状態と同様に特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、普通電動役物の開放延長機能が作動する。各種図柄の短縮と普通電動役物開放延長機能に関わる設定は時短状態と同一であるが、確率変動状態は時短状態に加えて特別図柄の大当り確率が高くなる（大当りし易い状態）ため、更に遊技者に有利な遊技状態となる。

【0043】

次に、図２を用いて、本実施例における循環式遊技機５０の遊技球の循環の仕組みを説明する。図２は循環の仕組みを背面から模式的に示した説明図となる。図２には、遊技球を循環させるための主な装置と、遊技球を揚上させる経路と、主な制御装置とが記載されている。遊技球が発射されてから循環する流れを順を追って説明する。

【0044】

少なくとも、発射可能な遊技球（本発明の遊技機側持球数に該当）を循環式遊技機５０が管理（記憶）している状態で、摺動操作部１０７ａが操作されると、発射装置８７に配置された球送りソレノイド１３０が作動し、遊技球を発射位置に送り出す。その際、本実施例の循環式遊技機５０では、発射位置に送り出された遊技球は、必ず遊技領域３を転動する構成（発射位置に送り出された遊技球は、必ず発射され、且つ、ファール球とならず遊技領域３に到達する）であるため、発射装置８７内に設けられた減算センサ１３１は、送り出した遊技球を発射球として検出し、持球カウンタ（発射可能な遊技球数）から１を減算する。発射可能な遊技球数は、遊技球数表示装置１０６に表示され、減算センサ１３１の遊技球検出に応じて１を減算して表示する。

【0045】

発射位置に送り出された遊技球は、摺動操作部１０７ａの位置に応じた発射強度で発射ソレノイド１２９の作動により遊技領域３に発射される。本実施例における循環式遊技機５０では、発射装置８７の位置（遊技球を発射する位置）が遊技領域３を表から見て左上部（図は背面であるため右上部）となるため、従来機のように、発射された遊技球がガイドレールで形成された発射経路によって打ち上げられることがなく、発射ソレノイド１２９によって弾球された遊技球は、弾球直後に遊技領域３に到達する。

【0046】

遊技領域３に到達した遊技球は、遊技領域３を流下し、第１始動口１１、第２始動口１２等の入賞口に入球するか、或いは、アウト口１５に入球する。いずれかの入賞口に入賞した遊技球は、遊技盤１の裏面を流下し誘導経路に配置された入賞検出センサ１２４に検出され、アウト口１５に入球した遊技球は非入賞検出センサ１２５に検出される。

【0047】

入賞検出センサ１２４、又は非入賞センサ１２５が遊技球を検出するとアウト球数として加算される。アウト球数と発射球数（減算センサ１３１検出球数）とにより遊技球循環の管理が行われる。本実施例では、上記した各センサは払出発射制御装置８４に接続され、封入された遊技球の循環は払出発射制御装置８４によって管理されるが、払出発射制御装置８４と相互通信が可能に接続された主制御装置８０で管理する構成としてもよい。

【0048】

入賞検出センサ１２４、非入賞センサ１２５が検出した遊技球は玉磨き装置８５に繋がる誘導経路を流下する。玉磨き装置８５では、カセットモータ１１４、研磨モータ１１５、カセットスイッチ１１６、研磨モータセンサ１１７を備え、研磨布を搭載したカセットを使用し、遊技球の研磨を実施する。また、研磨布を搭載したカセットの検知が行われる。

【0049】

遊技球の研磨は、研磨モータ１１５を動作させて遊技球を研磨布に押し付けるように動かすことにより実施される。研磨布はカセットに搭載した構造で交換可能となっており、カセットモータ１１４を使用して一定周期で布を巻き取るように作動させる。また、カセットスイッチ１１６により、研磨布を搭載したカセットの有無を検知する。

【0050】

研磨された遊技球は、球磨き装置８５から誘導経路を経て揚上装置８６に誘導される。揚上装置８６は、揚上発射モータ１１９、揚上発射モータ監視センサ１２１、揚上入口センサ１２０を備え、封入式遊技機５０の下部まで流下した遊技球を、発射装置８７を配置した上部（発射球タンク４０）まで揚上させる。

【0051】

本実施例の循環式遊技機５０では、揚上装置８６まで誘導された遊技球を、揚上発射モータ１１９を用いて、循環式遊技機５０の上部に配置されている発射球タンク４０まで打ち上げる構成となっている。揚上装置８６では、揚上入口センサ１２０、発射入口センサ１３１により、揚上発射モータ１１９の遊技球発射位置と揚上経路の出口（発射球タンク４０の入口）とに遊技球が存在するか否かを検出し、該検出結果に応じて揚上発射モータ１１９を駆動させる。揚上発射モータ１１９の駆動によって発射された遊技球は、図に示す封入球打上げ揚上経路の最上部の曲面に接触することより飛球経路が変化し、飛球速度が減速して発射球タンク４０に達する。揚上発射モータ監視センサ１２１は、揚上モータ１１９が正常な発射動作を行っているか検出する。

【0052】

上記した構成により、本実施例の循環式遊技機５０では、揚上装置８６に誘導された遊技球は、揚上動作（揚上発射モータ１１９による球の打ち上げ）の実施直後に発射球の待機する発射球タンク４０に移動する。従って、螺旋構造の揚上装置や、ベルトによる揚上装置のように揚上経路上に複数の遊技球が存在することがないため、遊技を待機せざるを得ない遊技球の数を減少させ、結果的に循環式遊技機５０内で循環させる封入球数を減らすことが可能となっている。

【0053】

発射球タンク４０まで揚上された遊技球は、転動して発射装置８７に至るが、発射装置８７への誘導を兼ねる封入球数計数経路に配置された適正量センサ１２３と満タンセンサ１２６とで遊技球を検出し、循環に必要な遊技球数を管理して過不足を検出すると報知を行う構成となっている。この場合の報知は、台間ユニット１００を介して機外の管理装置（ホールコンピュータ８７）に信号を出力すると共に、循環式遊技機５０が備える表示装置（演出図柄表示装置６およびタッチパネル式液晶表示器１０２）に遊技球の過不足を表示する。

【0054】

次に、台間ユニット１００について説明する。遊技客は、封入式遊技機５０で遊技を行う場合、ＩＣカード（又は会員カード）又は現金を封入式遊技機５０と１対１で接続された台間ユニット１００に挿入し、球貸し操作を実施することによって循環式遊技機５０で発射可能な遊技球が払出され遊技が可能となる。この場合の払出しは、発射可能な遊技球数を記憶する持球カウンタに発射可能な遊技球数を加算することによって行われる。従って、この持球カウンタが本発明の遊技機側持球数情報を記憶する装置となる。

【0055】

遊技の際に、入金により消費された（貸し出された）遊技球と、大当り等の入賞によって獲得された払出球情報（遊技者ごとの（当日の）獲得球情報）は、ＩＣカードとの関連付けが行われたうえで店内の管理装置（ホールコンピュータ８７）で一旦保管された後、外部に設けられた第三者管理のデータ管理センタで管理することにより、入球数と出球数とが厳重に管理される。さらに、貯球は、外部の貯球第三者管理サーバーで保管され、遊技者の貯球を保障するシステムとなっている。

【0056】

遊技者は遊技を終了する場合、台間ユニット１００からカードを取り出し（循環式遊技機５０に持球が残っている場合には、計数スイッチ１０５の操作によって遊技球数（本発明の遊技機側持球情報に該当）を台間ユニット１００に移行させてからカードを取り出す）、残金を精算する。その際ＰＯＳ管理コンピュータでデータを保存管理する。

【0057】

循環式遊技機５０に接続する台間ユニット１００は、従来のＣＲユニットの機能に加えて、循環式遊技機５０が発射した遊技球数、払出した遊技球数や遊技状態などの情報を受信して不正行為を監視する機能、不正基板の監視機能ならびに各種遊技情報を一括する機能を搭載している。これらの追加機能を実現するために、台間ユニット１００と循環式遊技機５０は従来とは異なる新たなインターフェースケーブルで接続されている。

【0058】

さらに、セキュリティー情報を共有して不正改造を防止するために、パチンコ遊技機製造メーカーと直結した遊技機管理センタ（機歴管理センタ）で台間ユニット１００の不正監視機能と照合することで、営業所内に設置されている遊技機の基板の固有ＩＤを常時監視して、異常を検知した際には報知することが可能となっている。

【0059】

次に、循環式遊技機５０の電気的構成を図３、４に示したブロック図を用いて説明する。詳細な図示は省略するが、主制御装置８０、払出発射制御装置８４、演出図柄制御装置８２、サブ統合制御装置８３、はいずれもＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、入力ポート、出力ポート等を備えている。

【0060】

図３に示す主制御装置８０を中心にしたブロックでは、主制御装置８０には、遊技盤中継端子板７４を介して、第１始動口１１に入球した遊技球を検出する第１始動口スイッチ１１ａ、第２始動口１２に入球した遊技球を検出する第２始動口スイッチ１２ａ、普通図柄作動ゲート１７に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ１７ａ、大入賞口１４に入球した遊技球を検出するためのカウントスイッチ１４ａ、一般入賞口１３に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ１３ａ、遊技球の流下方向に影響を与える磁力を検出する磁力センサ９１、同様に遊技球の流下方向に影響を与える振動を検出する振動センサ９２、上記した入賞口の検出スイッチを誤動作させる電波を検出する電波センサ９３等の検出信号が入力される。

【0061】

主制御装置８０は、搭載しているプログラムに従って動作し、上記した検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成してサブ統合制御装置８３に出力する。また、主制御装置８０は、図柄表示装置中継端子板９０を介して、遊技領域１の右下に配置されている第１特図表示装置９、第２特図表示装置１０及び普通図柄表示装置７の表示、第１特図保留数表示装置９a、第２特図保留数表示装置１０a、普図保留数表示装置８の点灯を制御する。

【0062】

更に、主制御装置８０は、大入賞口ソレノイド１４ｂを制御することで大入賞口１４の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド１２ｂを制御することで第２始動口１２の開閉を制御し、入賞口への入賞を検出すると入賞口毎に設定された獲得遊技球数を入賞表示装置２０に表示する。また、各入賞口への入賞に応じて賞球数指示信号を払出発射制御装置８４に送信する。

【0063】

また、主制御装置８０からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動、遊技状態、大当り（特別遊技ともいう）等の管理用の信号が、払出発射制御装置８４と台間ユニット１００を介してホールコンピュータに送られる。

【0064】

サブ統合制御装置８３は、主制御装置８０から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し（払出発射制御装置８４から出力され、主制御装置５０を介して受信するコマンドもある）、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置８２に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位（音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部）に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音ＬＳＩを作動させることによってスピーカか６６らの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種ＬＥＤ、ランプ２６を制御する。

【0065】

演出図柄制御装置８２は、サブ統合制御装置８３から受信したデータ及びコマンド（共に主制御装置８０、又は主制御装置８０を介して払出発射制御装置８４から送信されてきたものとサブ統合制御装置８３が主制御装置８０からの入力に基づいて生成したものとがある）に基づく制御を行い、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置６の画面に表示させる。尚、サブ統合制御装置８３と主制御装置８０とは間に演出中継端子板６５を介した主制御装置８０からサブ統合制御装置８３への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置８３と演出図柄制御装置８２とはサブ統合制御装置８３から演出図柄制御装置８２への一方向通信回路として構成されている。

【0066】

次に、図４を用いて、主制御装置８０と双方向通信が可能に接続された払出発射制御装置８４を中心としたブロックを説明する。払出発射制御装置８４は、搭載しているプログラムに従って動作し、主制御装置８０から上述した獲得遊技球数の要求を示すコマンドを受信すると、要求された獲得遊技球数を発射可能な遊技球数（持球カウンタ）へ加算し、加算した値を遊技球数表示装置１０６に表示する。また、後述する操作に応じた信号又は、センサの検出に応じた信号に基づいて、貸球の加算、台間ユニット１００への持球データの移行、遊技球の発射、遊技球の研磨、遊技球（封入球）の循環、等を制御する。

【0067】

払出発射制御装置８４に台間ユニット１００及び操作部接続基板１０１を介して接続された操作部装置１０２となるタッチパネル式の液晶表示器には、前述したように球貸しスイッチ１０２ａと、返却スイッチ１０２ｂと、画面切換スイッチ１０２ｃと、球貸しスイッチ１０２ａ及び返却スイッチ１０２ｂの操作結果を示す操作結果表示部１０２ｄと、離席スイッチｅとが設けられている。この循環式遊技機５０に設けられたタッチパネル式の液晶表示器の電源は、台間ユニット１００から供給される。

【0068】

また、タッチパネル式液晶表示器には、台間ユニット１００に挿入されたＩＣカード（又は会員カード）に記録されているカード情報や循環式遊技機５０の遊技情報（遊技履歴等）を表示する機能も備えている。

【0069】

操作部装置１０２の球貸しスイッチ１０２ａを操作すると、タッチパネル操作情報として貸球数の加算を要求する信号が台間ユニット１００を介して払出発射制御装置８４に入力され、払出発射制御装置８４は、該入力によって要求された貸球数を持球カウンタに加算し、加算後の持球カウンタの値を遊技球数表示装置１０６に表示する。この時、遊技球数表示装置１０６の加算状況に応じて貸球動作の結果内容を操作結果表示部１０２ｄに表示する。なお、一回の球貸しスイッチ１０２ａの操作に対しては、予め設定された所定額（例えば、５００円）に応じた貸球数（例えば、１２５個）を要求する。

【0070】

操作部装置１０２の返却スイッチ１０２ｂ（本発明の排出手段に該当）を操作すると、タッチパネル操作情報としてＩＣカードの返却動作を要求する信号が台間ユニット１００に入力され、台間ユニット１００から払出発射制御装置８４に排出確認信号が入力される。その時の循環式遊技機５０の状態がＩＣカードの返却が可能な状態であるか否かに応じて返却の可否と返却結果を操作結果表示部１０２ｄに表示する。返却可能な状態であれば、操作結果表示部１０２ｄに返却が可能であることが表示され、ＩＣカードが台間ユニット１００から排出される。返却不可能な状態であれば、操作結果表示部１０２ｄに返却が不可能であることが表示されるとともに、主制御装置８０を介してサブ統合制御装置８３に指示信号を送信することにより、演出図柄表示装置６において計数スイッチ１０５の操作を促す報知を実施する（詳細については図を用いて後述）。

【0071】

操作部装置１０２の離席スイッチ１０２ｅ（本発明の離席モード移行手段に該当）を操作すると、タッチパネル操作情報として離席を要求する信号が台間ユニット１００に入力され、台間ユニット１００から払出発射制御装置８４に離席確認信号が入力される。その時の循環式遊技機５０の状態が離席可能な状態であるか否かに応じて離席の可否を操作結果表示部１０２ｄに表示する。離席可能な状態であれば、操作結果表示部１０２ｄに離席が可能であることが表示され、ＩＣカードが台間ユニット１００から排出される。加えて、主制御装置８０を介してサブ統合制御装置８３に指示信号を送信することにより、演出図柄表示装置６において離席モードの報知を所定時間実施する。離席が不可能な状態であれば、操作結果表示部１０２ｄに離席が不可能であることが表示されるとともに、主制御装置８０を介してサブ統合制御装置８３に指示信号を送信することにより、演出図柄表示装置６において計数スイッチ１０５の操作を促す報知を実施する（詳細については図を用いて後述）。

【0072】

操作部装置１０２の画面切換スイッチ１０２ｃを操作すると切換回路１０１ａが作動し、タッチパネル式液晶表示器に表示する情報を、台間ユニット１００から受信した情報から封入式遊技機５０の演出図柄制御装置８２から受信した情報（画像含む）へ切り替える。この切り替えに応じて、演出図柄表示装置６には台間ユニット１００からの情報が表示される。

【0073】

台間ユニット１００と操作部接続基板１０１とは相互通信が可能に接続され、演出図柄制御装置８２と操作部装置１０２とは、互いに操作部接続基板１０１と相互通信が可能に接続されている。なお、循環式遊技機５０からホールコンピュータ８７への全ての出力は、台間ユニット１００を介して行われるため、台間ユニット１００も循環式遊技機５０を管理することが可能な構成となっている。但し、この構成に限らず、台間ユニット１００を介さずにホールコンピュータ８７に出力する構成も考えられる。

【0074】

循環式遊技機５０内においては、払出発射制御装置８４には操作部中継基板１０３が相互通信可能に接続され、操作部中継基板１０３には相互通信可能に遊技球数表示基板１０４が接続されている。遊技球数表示基板１０４には、計数スイッチ１０５と遊技球数表示装置１０６が配置され、計数スイッチ１０５の操作信号が払出発射制御装置８４に入力される。また、払出発射制御装置８４の出力に応じて遊技球数表示装置１０６に発射可能な遊技球数が表示される。

【0075】

計数スイッチ１０５が操作されると、持球カウンタが記憶している全ての値を持球カウンタから減算し、台間ユニット１００に減算した値を送信する。よって持球カウンタの値を表示する遊技球数表示装置１０６の数値も減算される。計数スイッチ１０５の操作によって発射可能な遊技球数が０になると、台間ユニット１００に挿入されているＩＣカードの返却が可能となる。

【0076】

払出発射制御装置８４には、裏配線中継端子板７５を介して、前枠閉鎖スイッチ１８、内枠閉鎖スイッチ１９からの検出信号が入力され、操作部中継基板１０３を介して、発射操作ユニット１０７が相互通信が可能に接続され、発射操作ユニット１０７では、前述したように、発射強度調節スイッチ１０８、発射強度固定スイッチ１１０、発射停止スイッチ１１１、タッチセンサ１１２、からの信号が払出発射制御装置８４へ入力され、発射強度表示装置１０９の表示が払出発射制御装置８４によって制御される。

【0077】

また、払出発射制御装置８４には、相互通信可能に接続された研磨中継基板１１３を介して、カセットスイッチ１１６、研磨モータセンサ１１７の検出信号が入力され、払出発射制御装置８４は研磨中継基板１１３を介してカセットモータ１１４、研磨モータ１１５の駆動を制御する。

【0078】

また、研磨中継基板１１３と相互通信可能に接続された揚上中継基板１１８を介して、払出発射制御装置８４には、揚上入口センサ１２０、揚上モータ監視センサ１２１からの検出信号が入力され、払出発射制御装置８４は前述した揚上発射モータ１１９の駆動を制御する。

【0079】

また、内枠中継基板１２２は、内枠中継基板１２２から研磨中継基板１１３へと一方向通信が可能に接続され、内枠中継基板１２２には、前述した、適正量センサ１２３、入賞検出センサ１２４、非入賞検出センサ１２５、満タンセンサ１２６と、夜間監視スイッチ１２７とが接続され、各センサ又はスイッチからの信号が払出発射制御装置８４に入力される。

【0080】

夜間監視スイッチ１２７は、夜間（営業時間外）の扉開放を伴う不正を判断するための装置であり、電源基板に搭載されたバックアップ電源により、電源がオフの状態であっても内枠７０の開放を監視可能とし、払出発射制御装置８４が夜間の内枠７０の開放回数情報を記憶し、電源投入時に開放回数情報を主制御装置８０を介して機外に出力する構成となっている。

【0081】

また、研磨中継基板１１３と相互通信が可能に接続された発射中継基板１２８を介して、払出発射制御装置８４には、減算センサ１３１、発射入口センサ１３２の検出信号が入力され、同様に発射中継基板１２８を介して払出発射制御装置８４は、球送りソレノイド１３０と発射ソレノイド１２９の駆動を制御する。

【0082】

次に、図５、６、７を用いて、実施例１において台間ユニット１００が実行するユニット処理１を説明する。この処理では、台間ユニット１００へのカードの挿入と排出に応じて払出発射制御装置８４に信号（挿入信号、排出信号）を出力するとともに、払出発射制御装置８４から受信する排出許可信号、離席許可信号、排出不許可信号、離席不許可信号に応じて台間ユニット１００からのカードの排出を制御するとともに離席状態であることを管理する処理となる。従って本発明の「前記排出許可信号を受信することにより前記記録媒体を排出し、前記離席許可信号を受信することにより前記記録媒体を排出するとともに、離席状態を指示するために離席状態信号を前記循環式遊技機に送信し」の構成を含む。

【0083】

図５において、ユニット処理１を開始すると、台間ユニット１００にＩＣカード（本発明の記録媒体に該当）が挿入されている状態か否か判定する（Ｓ５）。肯定判定なら（Ｓ５：ｙｅｓ）、排出確認フラグが１か否か判定する（Ｓ１０）。排出確認フラグは、台間ユニットが記憶する値であり、値が１であれば、接続された返却スイッチ１０２ｂからの操作信号受信に応じて排出確認信号を払出発射制御装置８４に送信した状態であることを、値が０であれば、該排出確認信号を払出発射制御装置８４に送信していない状態であることを、台間ユニット１００が判断する。

【0084】

Ｓ１０が肯定判定なら（Ｓ１０：ｙｅｓ）、払出発射制御装置８４から払出許可信号を受信したか否か判定し（Ｓ１５）、肯定判定なら（Ｓ１５、ｙｅｓ）、排出確認フラグに０をセットし（Ｓ２０）、台間ユニット１００内に備えられたモータを作動させることによってカード排出処理を行い（Ｓ２５）、払出発射制御装置８４に排出信号を出力し（Ｓ３０）リターンする。Ｓ１５が否定判定なら（Ｓ１５：ｎｏ）、排出不許可信号を受信したか否か判定し（Ｓ３５）、否定判定なら（Ｓ３５：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ３５：ｙｅｓ）、排出確認フラグに０をセットして（Ｓ４０）リターンする。

【0085】

Ｓ１０が否定判定、即ち、払出発射制御装置８４へ返却スイッチ１０２ｂの操作信号受信に応じた排出確認信号を送信した状態ではないなら（Ｓ１０：ｎｏ）、離席確認フラグが１か否か判定する（Ｓ４５）。離席確認フラグは、台間ユニットが記憶する値であり、値が１であれば、接続された離席スイッチ１０２ｅからの操作信号受信に応じて離席確認信号を払出発射制御装置８４に送信した状態であることを、値が０であれば、該離席確認信号を払出発射制御装置８４に送信していない状態であることを、台間ユニット１００が判断する。

【0086】

Ｓ４５が肯定判定なら（Ｓ４５：ｙｅｓ）、払出発射制御装置８４から離席許可信号を受信したか否か判定し（Ｓ５０）、肯定判定なら（Ｓ５０：ｙｅｓ）、離席確認フラグに０をセットし（Ｓ５５）、払出発射制御装置８４に離席状態信号を出力し（Ｓ６０）、台間ユニット１００に挿入されているＩＣカードの識別情報を記憶し（Ｓ６５）、ＩＣカードの識別を可能とする期間（離席モード期間となる）を設定する識別タイマを設定し（Ｓ７０）、識別フラグに１をセットし（Ｓ７５）、Ｓ２５に進む。なお、Ｓ６０の離席状態信号出力が、本発明の「離席許可信号を受信することにより、離席状態を指示するために離席状態信号を前記循環式遊技機に送信し」の構成に該当する。また、Ｓ６０では払出発射制御装置８４に離席状態信号を出力するが、台間ユニット１００に接続されたホールコンピュータにも同様の信号を送信する構成が好適である。

【0087】

ＩＣカードの識別情報は、記憶された有価価値情報や遊技媒体に関する情報（ユニット側持球数情報）に拘らず個々のＩＣカードが識別可能な情報であればよい。ＩＣカードの識別を可能とする期間とは、後述する離席モード報知時間に該当する期間となる。識別フラグは、台間ユニットが記憶する値であり、値が１であれば、台間ユニット１００が記憶しているＩＣカードの識別情報と、新に台間ユニット１００に挿入されたＩＣカードの識別情報とを比較して比較結果を循環式遊技機５０に出力する期間（離席モード期間）であることを、値が０であれば、台間ユニット１００が記憶しているＩＣカードの識別情報と、新に台間ユニット１００に挿入されたＩＣカードの識別情報とを比較し結果を出力する期間（離席モード期間）ではないことを、台間ユニット１００が判断する。従って、台間ユニット１００は、識別フラグが１であれば接続された循環式遊技機５０が離席モード中であることが判断可能となる。

【0088】

Ｓ５０が否定判定、即ち、離席許可信号を受信していなければ（Ｓ５０：ｎｏ）、循環式遊技機５０から離席不許可信号を受信したか否か判定し（Ｓ８０）、否定判定なら（Ｓ８０：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ８０：ｙｅｓ）、離席確認フラグに０をセットして（Ｓ８５）リターンする。

【0089】

Ｓ４５が否定判定、即ち、カードが挿入されていて排出確認フラグも離席確認フラグも立っていないなら（Ｓ４５：ｎｏ）、図６のフローチャートに進み、識別フラグが１か否か判定する（Ｓ１００）。肯定判定、即ち、接続した循環式遊技機５０が離席モード中なら（Ｓ１００：ｙｅｓ）、識別タイマに＋１（−１でもよい）し（Ｓ１０５）、識別タイマが所定値（０でもよい）か否か判定する（Ｓ１１０）。否定判定なら（Ｓ１１０：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ１１０：ｙｅｓ）、記憶している識別情報をクリアし（Ｓ１１５）、識別フラグに０をセットして（Ｓ１２０）リターンする。Ｓ１１０の肯定判定からＳ１２０までの処理は、離席モードの終了判定に応じて実施される処理となる。本実施例では、Ｓ１１５で記憶した識別情報をクリアしたが、クリアせずに記憶する構成としてもよく、記憶を続けることで、随時新に挿入されたＩＣカードとの識別が可能となる。

【0090】

Ｓ１００が否定判定なら（Ｓ１００：ｎｏ）、台間ユニット１００に接続された返却スイッチ１０２ｂからの操作信号を受信したか否か判定し（Ｓ１２５）、肯定判定なら（Ｓ１２５：ｙｅｓ）、排出確認信号を循環式遊技機５０（払出発射制御装置８４）に送信し（Ｓ１３０）、排出確認フラグに１をセットして（Ｓ１３５）リターンする。Ｓ１２５が否定判定なら（Ｓ１２５：ｎｏ）、台間ユニット１００に接続された離席スイッチ１０２ｅからの操作信号を受信したか否か判定し（Ｓ１４０）、否定判定なら（Ｓ１４０：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ１４０：ｙｅｓ）、離席確認信号を払出発射制御装置８４に送信し（Ｓ１４５）、離席確認フラグに１をセットして（Ｓ１５０）リターンする。この段落に記載した処理が、台間ユニット１００が返却スイッチ１０２ｂ（本発明の排出手段に該当）と離席スイッチ１０２ｅ（本発明の離席モード移行手段に該当）との操作を受けて、循環式遊技機５０が各操作に応じた処理が可能な状態か否かを確認する信号を循環式遊技機５０（払出発射制御装置８４）に送信する処理となる。

【0091】

図５に戻り、Ｓ５が否定判定、即ち、台間ユニット１００にＩＣカードが未挿入状態なら（Ｓ５：ｎｏ）、図７に進み、カード挿入動作中（モータ引込み動作中）か否か判定し（Ｓ１５０）、否定判定なら（Ｓ１５０：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ１５０：ｙｅｓ）、カード挿入操作が完了したか否か判定し（Ｓ１５５）、否定判定なら（Ｓ１５５：ｎｏ）リターンする。肯定判定なら（Ｓ１５５：ｙｅｓ）、払出発射制御装置８４に台間ユニット１００にＩＣカードが挿入されたことを示す挿入信号を出力し（Ｓ１６０）、挿入したＩＣカードが正常なものか否か判定し（Ｓ１６５）、否定判定なら（Ｓ１６５：ｎｏ）、図５のＳ２５に進んでカードの排出を行う。

【0092】

Ｓ１６５が肯定判定なら（Ｓ１６５：ｙｅｓ）、識別フラグが１か否か判定する（Ｓ１７０）。否定判定なら（Ｓ１７０：ｎｏ）リターンし、肯定判定、即ち、離席モード中なら（Ｓ１７０：ｙｅｓ）、カード識別情報比較処理として、Ｓ６５で記憶した前回排出したＩＣカードの識別情報と新に挿入されたＩＣカードの識別情報との比較を行い（Ｓ１７５）、同一のカードか異なるカードかが判別可能な比較結果信号を払出発射制御装置８４に出力する（Ｓ１８０）（本発明の識別出力手段に該当）。

【0093】

Ｓ１８０に続いては、Ｓ１７５の比較結果が同一カードか否か判定し（Ｓ１８５）、否定判定なら（Ｓ１８５：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ１８０：ｙｅｓ）、記憶していた識別情報をクリアし（Ｓ１９０）、識別フラグに０をセットして（Ｓ１９５）リターンする。

【0094】

以上が実施例１で台間ユニット１００が実行するユニット処理１となる。本実施例では、接続した循環式遊技機５０が離席モード中か否かを台間ユニット１００自身が判断し、離席モード中に限り新に挿入されたＩＣカードとの識別情報を循環式遊技機５０に送信する構成とした。これにより、台間ユニット１００においても接続した循環式遊技機５０の状態が把握可能となるが、台間ユニット１００は随時挿入されたＩＣカードと前回排出したＩＣカードとの識別を行う構成とし、循環式遊技機５０が台間ユニット１００から挿入信号を受信した場合に、該受信時が離席モード中なら、台間ユニット１００に識別結果を要求する信号を送信し、台間ユニット１００は、該要求信号の受信に応じて循環式遊技機５０に識別結果を送信する構成としてもよい（循環式遊技機５０から要求された場合のみＩＣカードの識別結果を送信する）。この構成では、循環式遊技機の仕様が異なる（離席モード期間が異なる）場合でも対応でき、台間ユニット１００の汎用性が増すとともに制御負担を減らすことが可能となる。

【0095】

次に、図８を用いて、循環式遊技機５０が備える払出発射制御装置８４が実行する排出確認信号受信処理を説明する。排出確認信号受信処理を開始すると、排出確認信号（台間ユニット１００が返却スイッチ１０２ｂの操作に応じてＳ１３０で出力）を受信したか否か判定する（Ｓ２００）。否定判定なら（Ｓ２００：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ２００：ｙｅｓ）、払出発射制御装置８４が発射可能な遊技球数を計数するための持球カウンタの値が０か否か、即ち、循環式遊技機５０に発射可能な遊技球数データ（本発明の遊技機側持球数情報に該当）が残っていないか否か判定し（Ｓ２０５）（本発明の持球確認手段に該当）、肯定判定なら（Ｓ２０５：ｙｅｓ）、台間ユニット１００に排出許可信号を出力し（Ｓ２１０）リターンする。

【0096】

Ｓ２０５が否定判定、即ち、循環式遊技機５０に発射可能な遊技球数を示すデータが残っていれば（Ｓ２０５：ｎｏ）、台間ユニット１００に排出不許可信号を出力し（Ｓ２１５）、演出図柄表示装置６で計数スイッチ１０５の操作を促す報知の実施を指示する精算報知指示信号を、主制御装置８０を介してサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ２２０）リターンする。

【0097】

以上が払出発射制御装置８４が実行する排出確認信号受信処理となり、本発明の「前記ユニットから前記排出操作信号の受信に応じた排出確認信号を受信すると、前記持球確認手段により、前記遊技機側持球情報が存在しないことを条件に前記ユニットに排出許可信号を送信し」及び「遊技機側持球数情報が存在すると、前記ユニットからの前記記録媒体の排出は行わず前記精算手段の実施を促す報知を行い」の構成に該当する処理となる。また、Ｓ２０５の判定（持球カウンタの値０の確認）が、本発明の持球確認処理に該当する。

【0098】

次に、図９を用いて、実施例１において払出発射制御装置８４が実行する離席確認信号受信処理１を説明する。離席確認信号受信処理１を開始すると、離席確認信号（台間ユニット１００が離席スイッチ１０２ｅの操作に応じてＳ１４５で出力）を受信したか否か判定する（Ｓ２５０）。否定判定なら（Ｓ２５０：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ２５０：ｙｅｓ）、払出発射制御装置８４が発射可能な遊技球数を計数するための持球カウンタの値が０か否か、即ち、循環式遊技機５０に発射可能な遊技球数データ（本発明の遊技機側持球数情報に該当）が残っていないか否か判定し（Ｓ２５５）（本発明の持球確認手段に該当）、肯定判定なら（Ｓ２５５：ｙｅｓ）、台間ユニット１００に離席許可信号を出力し（Ｓ２６０）リターンする。

【0099】

Ｓ２５５が否定判定、即ち、循環式遊技機５０に発射可能な遊技球数を示すデータが残っていれば（Ｓ２５５：ｎｏ）、台間ユニット１００に離席不許可信号を出力し（Ｓ２６５）、演出図柄表示装置６で計数スイッチ１０５の操作を促す報知の実施を指示する精算報知指示信号を、主制御装置８０を介してサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ２７０）リターンする。

【0100】

以上が実施例１において払出発射制御装置８４が実行する排出確認信号受信処理１となり、本発明の「前記ユニットから前記離席操作信号の受信に応じた離席確認信号を受信すると前記持球確認手段により前記遊技機側持球情報が存在しないことを条件に前記ユニットに離席許可信号を送信し」及び「前記遊技機側持球数情報が存在すると、前記ユニットからの前記記録媒体の排出は行わず前記精算手段の実施を促す報知を行う」の構成に該当する処理となる。また、Ｓ２５５の判定（持球カウンタの値０の確認）も、本発明の持球確認処理に該当する。

【0101】

次に、図１０を用いて、実施例１において払出発射制御装置８４が実行する離席状態信号受信処理を説明する。この処理は、台間ユニット１００からの離席状態信号（払出発射制御装置８４からの離席許可信号の受信に応じてＳ６０で出力）の受信に応じて、演出図柄表示装置６上で離席モード報知の実施を指示する処理となり、本発明の「前記離席状態信号を受信すると前記演出手段にて前記離席中報知を行う」に該当する構成となる。離席状態信号受信処理を起動すると、台間ユニット１００から離席状態信号を受信したか否か判定し（Ｓ２８０）、否定判定なら（Ｓ２８０：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ２８０：ｙｅｓ）、離席報知指示信号を主制御装置８０を介してサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ２８５）リターンする。なお、払出発射制御装置８４が直接サブ統合制御装置８３に送信する構成も考えられるし、遊技球数表示装置１０６にて離席状態を示す表示が可能な構成ならば遊技球数表示装置１０６に指示することも考えられる。

【0102】

次に、図１１を用いて、実施例１において払出発射制御装置８４が実行する比較結果信号受信処理を説明する。この処理は、台間ユニット１００からの比較結果信号（台間ユニット１００にＩＣカードが挿入された時点で識別情報を比較してＳ１８０で出力）の受信に応じて、演出図柄表示装置６上で実施している離席モード報知を終了させる指示、又は離席モード中に異なるカードが挿入されたことに対する警告の実施を指示する処理となる。

【0103】

比較結果信号受信処理を起動すると、台間ユニット１００から比較結果信号を受信したか否か判定する（Ｓ３００）。否定判定なら（Ｓ３００：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ３００：ｙｅｓ）、受信した比較結果信号が、離席モード開始時に台間ユニット１００から排出されたＩＣカードと同一のカードが挿入されたことを示す信号か否か判定する（Ｓ３０５）。肯定判定なら（Ｓ３０５：ｙｅｓ）、離席報知終了指示信号を主制御装置８０を介してサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ３１０）リターンする。否定判定なら（Ｓ３０５：ｎｏ）、演出図柄表示装置６において他の遊技者が遊技中であることを警告する報知の実施を指示する警告報知指示信号を、主制御装置８０を介してサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ３１５）リターンする。

【0104】

この比較結果信号受信処理のＳ３１０によって循環式遊技機５０の離席モード報知が終了することになり、台間ユニット１００からの信号受信を契機に離席モードが終了する構成となる。これは、本発明の「識別信号が前記離席中報知の開始時に前記ユニットから排出された前記記録媒体と同一であることを示す場合は、離席状態終了を指示し」の構成に該当し、Ｓ３１５の指示信号送信が本発明の「前記識別信号が前記離席中報知の開始時に前記ユニットから排出された前記記録媒体と異なることを示す場合は警告報知を指示する」の構成に該当する。

【0105】

次に、図１２を用いて、払出発射制御装置８４が実行する精算処理を説明する。この処理は、遊技者が遊技を終了、又は離席モードに移行する際に、発射可能な遊技球（本発明の遊技機側持球数情報に該当）を循環式遊技機５０が記憶している場合に必要となる計数スイッチ１０５の操作（本発明の精算手段に該当）に応じて実行する処理となる。

【0106】

精算処理を開始すると、計数スイッチ１０５の操作に応じた信号を受信したか否か判定する（Ｓ３５０）。否定判定なら（Ｓ３５０:ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ３５０：ｙｅｓ）、持球カウンタの値が０よりも大きいか否か判定する（Ｓ３５５）。否定判定なら（Ｓ３５５:ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ３５５：ｙｅｓ）、持球精算処理により持球カウンタの値を全て持球カウンタから減算することによって持球カウンタの値を０にし（Ｓ３６０）、減算した値を台間ユニット１００に移行し（Ｓ３６５）リターンする。

【0107】

以上が、払出発射制御装置８４が実行する精算処理となる。計数スイッチ１０５の操作内容に応じて、持球カウンタから所定数（全てではない）を台間ユニット１００に移行する構成としてもよく、例えば、計数スイッチ１０５の長押しを行うと、所定数だけ持球カウンタに残して所定数以外の値は台間ユニット１００に移行する構成としてもよい（所定数より多い値が持球カウンタにある場合）。これにより、獲得した遊技球の一部をＩＣカードに確保した上で遊技を継続することが簡単な操作で可能となる。

【0108】

次に、図１３を用いて、サブ統合制御装置８３が実行する離席報知指示信号受信処理について説明する。この処理は、払出発射制御装置８４が出力する離席報知を指示する信号、離席報知を終了する信号又は警告報知を指示する信号の受信に応じて、各信号に対応する報知を実施するために演出図柄制御装置８２に指示するとともに、離席モードの実施期間（本実施例では２０分としているがこの時間に限るわけではない）を管理する処理となる。

【0109】

離席報知指示信号受信処理を開始すると、離席報知フラグが０か否か判定する（Ｓ４００）、離席報知フラグはサブ統合制御装置８３が記憶する値であり、値が１であれば、離席報知の実施中、即ち、離席モード中であることを、値が０であれば離席報知を実施中ではないこと、即ち、離席モード中ではないことをサブ統合制御装置８３が判断する。

【0110】

Ｓ４００が肯定判定、即ち、離席モード中でなければ（Ｓ４００：ｙｅｓ）、離席報知指示信号（払出発射制御装置８４が図１０のＳ２８５によって送信）を受信したか否か判定する（Ｓ４０５）。否定判定なら（Ｓ４０５：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ４０５：ｙｅｓ）、演出図柄表示装置６に遊技を中断して離席状態であることを報知するために演出図柄制御装置８２に離席報知開始指示信号を送信し（Ｓ４１０）、離席報知タイマをセットし（Ｓ４１５）、離席報知フラグに１をセットして（Ｓ４２０）リターンする。

【0111】

Ｓ４００が否定判定、即ち、離席報知中（離席モード中）なら（Ｓ４００：ｎｏ）、離席報知終了指示信号（払出発射制御装置８４が図１１のＳ３１０によって送信）を受信したか否か判定する（Ｓ４２５）。肯定判定なら（Ｓ４２５：ｙｅｓ）、演出図柄表示装置６で実施している離席報知を終了させるために、演出図柄制御装置８２に離席終了報知指示信号を送信し（Ｓ４３０）、離席報知フラグに０をセットして（Ｓ４３５）リターンする。

【0112】

Ｓ４２５が否定判定なら（Ｓ４２５：ｎｏ）、警告報知指示信号（払出発射制御装置８４が図１１のＳ３１５によって送信）を受信したか否か判定し（Ｓ４４０）、肯定判定なら（Ｓ４４０：ｙｅｓ）、演出図柄表示装置６で、他の遊技者（他のＩＣカード保有者）が確保している遊技機であるため遊技ができないことを警告報知するために、演出図柄制御装置８２に警告報知指示信号を送信し（Ｓ４４５）リターンする。

【0113】

Ｓ４４０が否定判定なら（Ｓ４４０：ｎｏ）、離席報知タイマから−１し（Ｓ４５０）、離席報知タイマの値が０か否か判定する（Ｓ４５５）。否定判定なら（Ｓ４５５：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ４５５：ｙｅｓ）、離席モードの開始から所定時間（２０分）が経過したことにより、演出図柄表示装置６で離席モードが無効となったことを報知する指示信号（離席状態無効報知指示信号）を演出図柄制御装置８２に送信し（Ｓ４６０）、離席フラグに０をセットしてリターンする。

【0114】

以上が、実施例１においてサブ統合制御装置８３が実行する離席報知指示信号受信処理となる。Ｓ４５５の肯定判定からの処理が、本発明の「前記離席中報知の開始から前記所定時間が経過すると、前記離席状態終了を指示するとともに離席状態無効報知を指示する」に該当する。また、Ｓ４２５が肯定判定となる離席報知終了指示信号を受信した場合は、「排出された前記記録媒体が再び前記ユニットに挿入され」た場合となる。本実施例では、サブ統合制御装置８３も離席モードの時間管理を行って離席モード報知を終了させたが、サブ統合制御装置８３では時間管理は行わず、図６に示したユニット処理１において、Ｓ１１０が肯定判定となった場合に離席モード終了を示す終了信号を循環式遊技機５０（払出発射制御装置８４）に出力する構成とし、該終了信号の受信に応じて離席モード報知を終了する構成としてもよく、これにより台間ユニット１００による一元管理が可能となる。

【0115】

次に、図１４、１５を用いて演出図柄表示装置６で実際に表示される各報知内容について説明する。図１４の（１）は、図１３の離席報知指示信号受信処理のＳ４１０によって表示を開始する内容であり、循環式遊技機５０で発射可能な持球がない状態（持球カウンタ＝０）で離席スイッチ１０２ｅが操作された場合に表示される。具体的な表示内容は、画面上部左側に「休憩中」の文字列を表示し、その右にキャラクタ（熊の達吉）を表示する。画面中央に図例では「あと２０分」となっているように離席モードが終了するまでの時間（遊技機の保有が可能な時間）を表示する。この時間表示は、離席報知タイマの計数に応じて１分単位で切換わる。そしてその下部に離席モードの注意事項として「時間内に戻らないと台を開放しますのでご注意ください」の文字列を表示する。離席モード中はこの内容の報知画面が表示され、時間の経過とともに中央の残り時間の表示が変化する。従って、離席モード中は停止している疑似図柄は表示されない（実際の遊技に関係する表示は行わない）。

【0116】

図１４の（２）は、図１３の離席報知指示信号受信処理のＳ４３０によって所定時間（約３．０秒）表示される内容であり、離席モード中において、離席モード開始時に台間ユニット１００から排出されたＩＣカードが再び台間ユニット１００に挿入された場合に表示される。具体的な表示内容は、画面上部左側に「休憩終了」の文字列を表示し、その右にキャラクタ（熊の達吉（（１）とは表情違い））を表示する。画面中央から下部にかけて「引き続きご遊技をお楽しみください」の文字列を表示する。約３．０秒の表示期間が経過すると、停止している特別図柄の表示に対応した疑似図柄の表示に戻る。

【0117】

図１４の（３）は、図１３の離席報知指示信号受信処理のＳ４６０によって所定時間（約３０秒）表示される内容であり、離席モードを開始してから２０分が経過すると表示される。具体的な表示内容は、画面上部左側に「休憩終了」の文字列を表示し、その右にキャラクタ（熊の達吉（（１）（２）とは表情違い））を表示する。画面中央には「あと０分」を表示し、その下部に「時間内に戻りませんでしたので一般に開放します」の文字列を表示する。本実施例では（３）の表示を約３０秒間行ったあとは、疑似図柄の表示に切換わるが、台間ユニット１００にＩＣカード（何れのＩＣカードでもよい）が挿入されるまで表示を継続してもよい。また、約３０秒後に疑似図柄に表示が切換わっても、ＩＣカード（何れのＩＣカードでもよい）が挿入されるまで表示画面の隅に、例えば「離席モード放棄」といった内容の文字列を表示してもよい。

【0118】

図１５の（４）は、図１３の離席報知指示信号受信処理のＳ４４５によって所定時間（約３．０）表示される内容であり、離席モード中において、離席モード開始時に台間ユニット１００から排出されたＩＣカードとは異なるＩＣカードが台間ユニット１００に挿入された場合に表示される。具体的な表示内容は、画面上部左側に「休憩中」の文字列を表示し、その右にキャラクタ（熊の達吉（（１）（２）（３）とは表情違い））を表示する。画面中央には「あと１０分」とその時点で離席モードが終了するまでの残り時間を表示しながら「カードが違います！」の文字列を表示して警告する。そしてその下部に「他のお客様が保有している遊技機ですのでご遊技できません。」の文字列を表示する。表示開始から約３．０秒が経過すると（１）の表示に戻る（その時の経過時間によって中央の残り時間表示の内容は異なる）。

【0119】

図１５の（５）は、サブ統合制御装置８３が払出発射制御装置８４からＳ２２０（図８の排出確認信号受信処理中）又はＳ２７０（図９の離席確認信号受信処理中）による精算報知指示信号を受信した場合に演出図柄表示装置６に表示される内容であり、循環式遊技機５０で発射可能な持球がある状態（持球カウンタ＞０）で返却スイッチ１０２ｂ、又は離席スイッチ１０２ｅが操作された場合に表示される。具体的な表示内容は、画面上部に「離席スイッチ無効！」の文字列を表示する（Ｓ２２０による信号を受信した場合は離席の文字が返却となる）。その下に「計数スイッチを操作して持球を全てカードに移してから、再度離席スイッチを操作してください」を表示する。この表示内容が本発明の精算手段の実施を促す報知に該当する。

【0120】

以上が実施例１の説明となる。図１４、１５を用いて説明した報知の内容は１つの例であり、表示する文言やキャラクタに関してはこれに限るわけではない。本実施例では、サブ統合制御装置８３が離席モード報知の終了を判断したが、ユニット処理１の図６Ｓ１１０の判定が肯定判定となった時点で、台間ユニット１００から離席状態終了信号を払出発射制御装置８４に出力する構成とし、循環式遊技機５０はこの信号の受信を契機に離席モードを終了させる構成も考えられる。この構成により循環式遊技機５０の離席モードを台間ユニット１００によって一元管理することが可能となる。

【実施例2】

【0121】

次に実施例２について説明する。本実施例に於いて遊技機を構成する部品とその電気的接続は実施例１と共通である。従って、実施例１と重複する部分は援用し異なる部分のみ説明する。

【0122】

実施例１では、台間ユニット１００とサブ統合制御装置８３とで離席状態を管理するフラグを記憶し、払出制御装置８４では離席に係るフラグは記憶しない構成としたが、実施例２では、離席状態は払出発射制御装置８４で管理し、払出発射制御装置８４に離席状態を判断するフラグを備える構成とした。従って、サブ統合制御装置８３は払出発射制御装置８４からの指示信号に応じて各種報知を実施するのみの構成となる。

【0123】

本実施例において、実施例１のユニット処理１に対応するユニット処理２を図１６、１７を用いて説明する。ユニット処理１と異なるのは、ＩＣカードの比較結果信号（同一か異なるかを示す）を毎回のＩＣカード挿入時に払出発射制御装置８４に出力する点となる。

【0124】

ユニット処理２を開始すると、台間ユニット１００にＩＣカードが挿入されている状態か否か判定する（Ｓ５００）。肯定判定なら（Ｓ５００：ｙｅｓ）、排出確認フラグが１か否か判定する（Ｓ５０５）。排出確認フラグは実施例１と同様に、台間ユニットが記憶する値であり、値が１であれば、接続された返却スイッチ１０２ｂの操作信号受信に応じて排出確認信号を、又は接続された離席スイッチ１０２ｅの操作信号受信に応じて離席確認信号を、払出発射制御装置８４に送信した状態（返却か離席かに拘らずＩＣカードの排出が可能な状態であるかを確認する信号を払出発射制御装置８４に送信した状態）であることを、値が０であれば、該排出確認信号又は離席確認信号を払出発射制御装置８４に送信していない状態であることを、台間ユニット１００が判断する。

【0125】

Ｓ５０５が肯定判定なら（Ｓ５０５：ｙｅｓ）、払出発射制御装置８４から払出許可信号を受信したか否か判定し（Ｓ５１０）、肯定判定なら（Ｓ５１０、ｙｅｓ）、台間ユニット１００に挿入されているＩＣカードの識別情報を記憶し（Ｓ５１５）、台間ユニット１００内に備えられたモータを作動させることによってカード排出処理を行い（Ｓ５２０）、払出発射制御装置８４に排出信号を出力し（Ｓ５２５）、排出確認フラグに０をセットして（Ｓ５３０）リターンする。Ｓ５１０が否定判定なら（Ｓ５１０：ｎｏ）、払出発射制御装置８４から払出不許可信号を受信したか否か判定し（Ｓ５４５）、否定判定なら（Ｓ５４５：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ５４５：ｙｅｓ）、排出確認フラグに０をセットして（Ｓ５３０）リターンする。

【0126】

Ｓ５０５が否定判定なら（Ｓ５０５）、即ち、返却スイッチ１０２ｂと離席スイッチ１０２ｅの操作信号受信に応じた確認信号を払出発射制御装置８４へ送信した状態でないなら（Ｓ５０５：ｎｏ）、台間ユニット１００に接続された返却スイッチ１０２ｂからの操作信号を受信したか否か判定し（Ｓ５３５）、肯定判定なら（Ｓ５３５：ｙｅｓ）、排出確認信号を払出発射制御装置８４に送信し（Ｓ５４０）、排出確認フラグに１をセットして（Ｓ５６５）リターンする。Ｓ５３５が否定判定なら（Ｓ５３５：ｎｏ）、台間ユニット１００に接続された離席スイッチ１０２ｅからの操作信号を受信したか否か判定し（Ｓ５５５）、否定判定なら（Ｓ５５５：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ５５５：ｙｅｓ）、離席確認信号を払出発射制御装置８４に送信し（Ｓ５６０）、排出確認フラグに１をセットして（Ｓ５６５）リターンする。

【0127】

Ｓ５００が否定判定、即ち、台間ユニット１００にＩＣカードが未挿入状態なら（Ｓ５００：ｎｏ）、図１７に進み、カード挿入動作中（モータ引込み動作中）か否か判定し（Ｓ６００）、否定判定なら（Ｓ６００：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ６００：ｙｅｓ）、カード挿入操作が完了したか否か判定し（Ｓ６０５）、否定判定なら（Ｓ６０５：ｎｏ）リターンする。肯定判定なら（Ｓ６０５：ｙｅｓ）、挿入したＩＣカードが正常なものか否か判定し（Ｓ６１０）、否定判定なら（Ｓ６１０：ｎｏ）、図１６のＳ５２０に進んでカードの排出を行う。Ｓ６１０が肯定判定なら（Ｓ６１０：ｙｅｓ）、払出発射制御装置８４に挿入信号を出力する（Ｓ６１５）。

【0128】

Ｓ６１５に続いては、カード識別情報比較処理として、Ｓ５１５で記憶した前回排出したＩＣカードの識別情報と新に挿入されたＩＣカードの識別情報との比較を行い（Ｓ６２０）、同一のカードか異なるカードかが判別可能な比較結果信号を払出発射制御装置８４に出力し（Ｓ６２５）リターンする。

【0129】

以上が実施例２で台間ユニット１００が実行するユニット処理２となる。本実施例では、接続した循環式遊技機５０が離席モード中か否かは台間ユニット１００では判断しない構成となっているが、払出発射制御装置８４から離席モードの開始及び終了を示す信号を受信する構成（台間ユニット１００を介してホールコンピュータに送信する構成）とするのが望ましい。

【0130】

次に、図１８を用いて実施例２において払出発射制御装置８４が実行する離席確認信号受信処理２を説明する。離席確認信号受信処理１と異なるのは、離席確認信号受信処理１のＳ２５５に対応したＳ６５５の判定が肯定判定だった場合（台間ユニット１００から離席確認信号を受信した際に、持球カウンタが０で離席状態への移行が可能であった場合）の処理となり、それ以外は共通であるため援用とし、異なる部分のみ説明する。

【0131】

Ｓ６５５が肯定判定、即ち、台間ユニット１００から離席確認信号を受信し、持球カウンタが０（発射可能な遊技球が存在しない）なら（Ｓ６５５：ｙｅｓ）、排出許可信号を台間ユニット１００に出力し（Ｓ６６０）、サブ統合制御装置８３に離席モードの開始を指示する離席報知指示信号を送信し（Ｓ６７０）、離席フラグに１をセットし（Ｓ６７５）、離席報知タイマをセットして（Ｓ６８０）リターンする。

【0132】

以上が払出発射制御装置８４が実行する離席確認信号受信処理２となる。本実施例では払出発射制御装置８４が離席フラグ及び離席モードの実施時間を管理する離席報知タイマを備える構成となっており、台間ユニット１００から離席確認信号を受信した際の処理として、循環式遊技機５０が離席モードへの移行が可能な状態（持球カウンタ＝０）であれば、この離席確認信号受信処理２において離席フラグが立ち離席報知タイマがセットされる。また、Ｓ６６０では、離席許可信号ではなく排出許可信号を台間ユニット１００に出力しており、台間ユニット１００はこの信号の受信により、排出か離席かに拘らずＩＣカードを排出する処理を行う。また、Ｓ６６０の出力の前後で台間ユニット１００を介してホールコンピュータに離席状態の開始を示す信号を出力する構成が望ましい。

【0133】

次に、本実施例において払出発射制御装置８４が実行する離席状態処理を説明する。この処理は、実施例１では台間ユニット１００とサブ統合制御装置８３とが行った離席モードの時間管理を払出発射制御装置８４が実行する処理となる。従って本実施例のサブ統合制御装置８３は、払出発射制御装置８４からの信号（コマンド）の受信を契機に該信号が指示する報知を実施する処理のみを行う構成となる。

【0134】

離席状態処理を開始すると離席フラグが１か否か判定する（Ｓ７００）。否定判定なら（Ｓ７００：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ７００：ｙｅｓ）、台間ユニット１００から挿入信号を受信したか否か判定する（Ｓ７０５）。挿入信号は、図１６、１７で説明したユニット処理２のＳ６１０によって出力される台間ユニット１００へ正常なＩＣカードが挿入されたことを示す信号となる。Ｓ７０５が肯定判定なら（Ｓ７０５：ｙｅｓ）、台間ユニット１００から比較結果信号（図１７でＳ６１５に続いてＳ６２５で出力）を受信したか否か判定し（Ｓ７１０）、否定判定なら（Ｓ７１０：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ７１０：ｙｅｓ）、受信した比較結果信号が、直近で台間ユニット１００から排出されたＩＣカード（離席モード開始時に台間ユニット１００から排出されたＩＣカード）と同一のカードが挿入されたことを示す信号か否か判定する（Ｓ７１５）。肯定判定なら（Ｓ７１５：ｙｅｓ）、離席報知終了指示信号を、主制御装置８０を介してサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ７２０）、離席フラグに０をセットして（Ｓ７２５）リターンする。否定判定なら（Ｓ７１５：ｎｏ）、演出図柄表示装置６において他の遊技者が遊技中であることを警告する報知の実施を指示する警告報知指示信号を、主制御装置８０を介してサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ７３０）リターンする。

【0135】

Ｓ７０５が否定判定なら（Ｓ７０５：ｎｏ）、離席報知タイマから−１し（Ｓ７３５）、離席報知タイマの値が０か否か判定する（Ｓ７４０）。否定判定なら（Ｓ７４０：ｎｏ）リターンし、肯定判定なら（Ｓ７４０：ｙｅｓ）、離席モードの開始から所定時間（２０分）が経過したことにより、演出図柄表示装置６で離席モードが無効となったことを報知する指示信号（離席状態無効報知指示信号）を、主制御装置８０を介してサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ７４５）、離席フラグに０をセットして（Ｓ７５０）リターンする。Ｓ７２０又はＳ７４５では台間ユニット１００を介してホールコンピュータに離席状態が終了したことを示す信号を送信する構成としてもよい。

【0136】

以上が実施例の説明となる。実施例１では、台間ユニット１００によって離席状態の管理を可能とする構成（台間ユニット１００から出力される信号を契機に離席モードに移行）としたが、これにより、台間ユニット１００が識別情報を記憶していることにより離席状態の一元管理を行うことができる。また、台間ユニット１００はホール設備として各ホール状況に応じた設定が可能（例えば、図６のＳ７０で設定した識別タイマを自由な値に設定可能）であるため、循環式遊技機５０の種類に拘らずホール全体で統一した設定を行うことが可能となる。

【0137】

一方、実施例２のように、循環式遊技機５０が備える払出発射制御装置８４で離席モードの管理を行う場合は、遊技機によって離席状態の管理を可能とするため、機種タイプに応じて設定を変更することが可能となる。これは例えば、高齢の遊技者が多いコーナーに設置する場合は離席モードの時間を延ばしたり、新台コーナーのように客付きのよいコーナーでは逆に短く設定したり、ホールでの使い方や機種の特徴に合わせて遊技機単位で設定を行うことが可能となる。また、双方向に直接接続された台間ユニット１００との連携が取りやすく、払出発射制御装置８４自体が遊技球の発射制御や賞球の持球情報への加算制御を行っているため、離席モードへの移行に応じて報知以外（例えば、発射や賞球を無効にする等）の制御を行う場合に好適となる。

【産業上の利用可能性】

【0138】

以上のように、本発明の循環式遊技機によれば、誤って遊技を中断するための操作を行ってしまった場合でも、循環式遊技機が記憶する持球情報が台間ユニットに移行されることないため再度球貸し操作を実施することなくスムーズに遊技を再開することが可能となっている。従って、発射遊技を中断することが可能な機能を備えた循環式遊技機に適用することができる。

【0139】

６ 演出図柄表示装置６
８０ 主制御装置
８２ 演出図柄制御装置
８３ サブ統合制御装置
８４ 払出発射制御装置
１００ 台間ユニット
１０２ｂ 返却スイッチ
１０２ｅ 離席スイッチ
１０５ 計数スイッチ

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】