(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961800
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】ベッド
(51)【国際特許分類】
A47C 21/04 20060101AFI20160719BHJP
A47C 21/06 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
A47C21/04 A
A47C21/04 H
A47C21/06 Z
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-108669(P2014-108669)
(22)【出願日】2014年5月27日
(65)【公開番号】特開2015-223241(P2015-223241A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2014年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】593079944
【氏名又は名称】株式会社ビートソニック
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 勉
【審査官】
望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭58−116398(JP,A)
【文献】
実開昭60−020857(JP,U)
【文献】
特開2005−152796(JP,A)
【文献】
実開平06−064557(JP,U)
【文献】
実開平04−015465(JP,U)
【文献】
特開2003−117296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 21/04
A47C 21/06
A47C 19/00
A61G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マット又は布団が敷かれる載置面と、載置面の下方に配置された光源と、光源を取り囲む閉鎖空間を載置面の直下に区画形成するサイドメンバーを備え、
光源の点灯によって暖められた閉鎖空間の内部の空気が上昇して載置面を通過し、
載置面に敷かれたマット又は布団が載置面を通過する空気で乾燥されるようにしたベッドであって、
前記光源としてLED素子を設けたことを特徴とするベッド。
【請求項2】
前記光源がLEDランプであることを特徴とする請求項1に記載のベッド。
【請求項3】
前記サイドメンバーに前記光源の光が閉鎖空間の外部に漏洩する漏洩部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドに関し、より詳しくはベッドに敷かれたマット又は布団を乾燥できるベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のベッドの一形式として、特開2006−346392号公報には、マット又は布団が敷かれる載置面と、載置面の下方に閉鎖空間を区画形成するように載置面の周囲を囲うサイドメンバーから成るベッドフレームを備え、ベッドフレームの外部に送風機を設置したベッドが開示されている。このベッドでは、送風機からパイプを通して閉鎖空間内部に冷風又は温風を送風し、載置面に敷いたマット又は布団を乾燥することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−346392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来のベッドはベッドフレームの外に送風機を設置し、送風機とベッドフレームの下方の閉鎖空間をパイプで接続しているので、送風機やパイプによって、ベッドが置かれた室内の有効スペースが狭められてしまう。また、送風機の他に空気を加熱して温風にするための熱源が必要となり、製造コストが高くなる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、構造が簡単で製造コストが低く、ベッドが置かれた室内の有効スペースを狭めることのなく、マットや布団を乾燥できるベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明に係るベッドは、マット又は布団が敷かれる載置面と、載置面の下方に配置された光源と、光源を取り囲む閉鎖空間を載置面の直下に区画形成するサイドメンバーを備え、
光源の点灯によって暖められた閉鎖空間の内部の空気が上昇して載置面を通過し、
載置面に敷かれたマット又は布団が載置面を通過する空気で乾燥されるようにしたベッドであって、
前記光源としてLED素子を設けたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載のベッドは、請求項1に記載のベッドにおいて、前記光源がLEDランプであることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のベッドにおいて、前記サイドメンバーに前記光源の光が閉鎖空間の外部に漏洩する漏洩部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明に係るベッドは、光源を点灯すると、その発熱で閉鎖空間の空気が暖められて上昇し、載置面を通過するので、載置面に敷かれたマット又は布団が暖められた空気に曝されて乾燥される。
請求項1に記載の発明に係るベッドは、載置面の直下にサイドメンバーで閉鎖空間を形成し、その中に光源を設けた簡単な構造のため、低コストで製造できる。また、ベッドの置かれた室内の有効スペースを狭めることもない。閉鎖空間から上昇して載置面に敷いたマット又は布団に当る空気中の塵埃がマットや布団に吸着されるので、ベッドが置かれた室内の空気を清浄できる。
【0009】
請求項1及び請求項2に係るベッドによれば、光源としてLED素子又はLED電球を用いるので、消費電力を節約できる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、漏洩部から洩れる光源の光を目視することで、光源が点灯してマット又は布団を乾燥中であることを知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施例に係るベッドを示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の第2実施例に係るベッドを示す斜視図である。
【
図4】本発明の第3実施例に係るベッドを示す斜視図である。
【
図5】本発明の第4実施例に係るベッドを示す斜視図である。
【実施例1】
【0012】
以下に本発明を図面に基づき説明する。
図1及び
図2には本発明の第1実施例に係るベッド10が示されている。当該ベッド10は、ベッドフレーム11、花粉除去フィルターシート12及びマット13を備えている。ベッドフレーム11は前板11a、左右一対の側板11b,11c、後板11d、敷板11e、支持板11f、LEDチップを発光素子として内蔵するLED電球14から成り、前板11a、左右一対の側板11b,11c、及び後板11dを矩形に組み付けてサイドメンバーが構成されている。敷板11eは側板11b,11cの間に架け渡されて、マット13が敷かれる簀子状の載置面を形成している。支持板11fは前11a板と後板11dの間に架け渡されて敷板11eの中央部を支持されている。この支持板11fにLED電球14が取り付けられている。そして、前板11a、左右一対の側板11b,11c、後板11dから成るサイドメンバーによって、載置面の下方に配置したLED電球14を取り囲む閉鎖空間Sが載置面の直下に区画形成されている。この閉鎖空間Sは上下両面が開放されている。
【0013】
サイドメンバーの側板11bには小窓11gが形成されている。後板11dには、LED電球14を点灯したり消灯するヒートスイッチ15、閉鎖空間Sの外部から内部に空気を送風する電動ファン16、電動ファン16の稼動時間を適宜設定するためのタイマー17、LED電球14と電動ファン16へ電力を供給したり遮断するメインスイッチ18が取り付けられている。
【0014】
第1実施例に係るベッド10の構造は以上の通りであって、このベッド10を使うときは
図1に示すように敷板11eの上に花粉除去フィルターシート12を敷き、その上にマット13、敷布団19、掛け布団20を敷く。このベッド10を床に置くと、閉鎖空間Sの下面が床で閉じられる。なお、符号21は枕である。
【0015】
第1実施例に係るベッド10によれば、LED電球14を点灯すると、床で下面が閉じられた閉鎖空間S内の空気がLED電球14の発熱で暖められて上昇し、順に敷板11e、花粉除去フィルターシート12、マット13を通過して布団19,20に達する。この暖められた空気によってマット13及び布団19,20が乾燥される。
【0016】
このベッド10は、敷板11eの直下にサイドメンバーで閉鎖空間Sを形成し、その中にLED電球14を設けた簡単な構造であるので、低コストで製造できる。また、ベッド10の置かれた室内の有効スペースを狭めることもない。閉鎖空間Sから上昇して、敷板11eに敷いたマット13及び布団19,20に当る空気中の塵埃がマット13や布団19,20に吸着されるので、ベッド10が置かれた室内の空気を清浄できる。
【0017】
閉鎖空間Sに外部から電動ファン16で強制的に空気が送り込まれるので、ベッド10が置かれた室内の空気を効率的に清浄できる。電動ファン16の稼動時間をタイマー17で設定できるので、電動ファン16の停止忘れを防止でき、使い勝手が良い。
【0018】
花粉除去フィルターシート12を敷板11eとマット13の間に敷いたので、空気中の塵埃だけでなく、花粉も除去でき、室内の空気がより清浄できる。
【0019】
小窓11gから洩れるLED電球14の光を目視することで、LED電球14が点灯していることを知ることができる。光源としてLED素子14を用いるので、消費電力を節約できる。
【実施例2】
【0020】
本発明の第2実施例に係るベッド30を
図3に示す。当該ベッド30のベッドフレーム11を構成する側板11bの下端部には、布、紙、アクリル等の樹脂、ガラス等の光透過材31が組み付けられている。このベッド30によれば、ベッドフレーム11の内部に設けたLED電球14が点灯していることを光透過材31を透過する光で知ることができる。
なお、第2実施例に係るベッド30の他の構成は第1実施例に係るベッド10と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【実施例3】
【0021】
本発明の第3実施例に係るベッド40を
図4に示す。当該ベッド40のベッドフレーム11を構成する側板11bの下端部には、下端部を切り欠いてスリット11hが形成されている。このベッド40によれば、ベッドフレーム11の内部に設けたLED電球14が点灯していることを、スリット11hから洩れ出光で知ることができる。
なお、第3実施例に係るベッド40の他の構成は第1実施例に係るベッド10と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【実施例4】
【0022】
本発明の第4実施例に係るベッド50を
図5に示す。当該ベッド50では、閉鎖空間Sを区画形成するベッドフレーム11の一部にフィルム材や布等のシート材11iが用いられている。また、閉鎖空間Sに空気を送り込む電動ファン16が省略されている。このベッド50によれば、ベッドフレーム11の内部のLED電球14を点灯して空気を暖めると、暖められた空気の上昇に伴い、シート材11iの下端部と床との間の隙間を通って空気が閉鎖空間Sの外から内部へ流入する。また、シート材11iの下端部と床との間の隙間から洩れ出る光でLED電球14が点灯中であることを知ることができる。
なお、第4実施例に係るベッド50の他の構成は第1実施例に係るベッド10と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0023】
上記第1〜第4実施例に係るベッド10,30,40,50は光源としてLED電球14を設けたが、波長260nm付近の紫外線を多く発光する殺菌灯、オゾン生成作用をもつ185nmの紫外線を透過する石英ガラスを用いた消臭灯、若しくはLEDランプ14と殺菌等と消臭灯を適宜組み合わせて光源としても良い。殺菌灯を用いることにより、空気の清浄効果を高めることができる。また、消臭灯を用いることにより、より空気の清浄効果を高めることができる。
【0024】
上記第1〜第4実施例に係るベッド10,30,40はタイマー17で電動ファン16の稼動時間を設定しているが、LED電球14等の光源の点灯時間をタイマー17で設定することにより、光源の消し忘れを防止できる。また、花粉除去シート12の他、PM2.5の微粒子を除去できるフィルターシートを敷けば、より空気を清浄にできる。
【符号の説明】
【0025】
10,30,40,50…ベッド
11…ベッドフレーム
11g…小窓
12…花粉除去フィルターシート
13…マット
14…LED電球
15…ヒートスイッチ
16…電動ファン
17…タイマー
18…メインスイッチ
19…敷布団
20…掛け布団
S…閉鎖空間