特許第5961832号(P5961832)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5961832個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961832
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備
(51)【国際特許分類】
   B21D 25/02 20060101AFI20160719BHJP
   B21D 25/04 20060101ALI20160719BHJP
   B21D 24/00 20060101ALI20160719BHJP
   B21D 37/02 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   B21D25/02
   B21D25/04
   B21D24/00 Z
   B21D37/02 A
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-95836(P2015-95836)
(22)【出願日】2015年5月8日
(65)【公開番号】特開2016-112616(P2016-112616A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2015年5月8日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0179064
(32)【優先日】2014年12月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515123225
【氏名又は名称】スチール フラワー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】STEEL FLOWER CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】キム,ビョンクェン
【審査官】 細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−225831(JP,A)
【文献】 特開2001−137966(JP,A)
【文献】 特開平3−180221(JP,A)
【文献】 特開昭60−203325(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/43511(US,A1)
【文献】 特開平10−225734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 25/02
B21D 24/00
B21D 25/04
B21D 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部パンチモジュールとストレッチユニット、上部パンチモジュールを支持する支持フレームと、
前記支持フレームの下部中央に設けられる下部パンチモジュールと、
前記支持フレームの下部両側に前後方向に連続配設される複数のストレッチユニット130と、
前記支持フレームの上部中央に昇降可能に設けられる上部パンチモジュールと、
前記下部パンチモジュール、複数のストレッチユニット、上部パンチモジュール、移送シリンダーの作動を制御する制御ユニットと、
前記支持フレームの下部一側に固定設置され、支持フレームの一側に設けられるストレッチユニットを支持する固定ケーシングと、
前記支持フレームの下部他側に左右方向に移動可能に設けられ、支持フレームの一側に設けられるストレッチユニットを支持する移動ケーシングと、
前記固定ケーシングと移動ケーシング間の支持フレームに設けられ、前記移動ケーシングを左右方向に移動させる移送シリンダーと、
前記固定ケーシングと移動ケーシングの間に設けられ、移動ケーシングの左右移動をガイドする移送ガイドと、を有し、
前記制御ユニットによって各ストレッチユニットが独立的に個別制御されて屈曲形状に応じて円板Cの各部位が異なる圧力で引張られるようにし、
前記移送シリンダーの作動でパンチモジュールのサイズ及び成形しようとする曲板Cのサイズに応じて左右ストレッチユニット間の距離が調節されることを特徴とする個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備。
【請求項2】
前記支持フレームは、下部パンチモジュールとストレッチユニット支持する水平支持部と、
水平支持部の中央に設けられ、上部パンチモジュールの昇降を支持する垂直支持部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備。
【請求項3】
前記下部パンチモジュールは、
前記支持フレームに支持される支持ブロックと、
前記支持ブロックの上部に前後左右方向に連続配列される多数のパンチと、を有し、
前記下部パンチモジュールの各パンチが支持ブロックに昇降可能に設けられ、制御ユニットの制御信号を介して作動される昇降アクチュエータによって独立的に昇降されることを特徴とする請求項1に記載の個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備。
【請求項4】
前記ストレッチユニットは、内側に挿入凹溝が設けられ、上端にクランプシリンダーが設けられるクランプと、
前記クランプと引張シリンダーを結合する連結部材と、
本体部分が支持フレームにヒンジ連結され、作動プランジャー部位が連結部材にヒンジ連結され、前記制御ユニットの制御信号に応じて前記クランプにクランピングされた円板を引張る引張シリンダーと、を有することを特徴とする請求項1に記載の個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備。
【請求項5】
前記上部パンチモジュールは、
支持フレームに昇降可能に支持される支持ブロックと、
前記支持ブロックの下部に前後左右方向に連続配列される多数のパンチと、
支持フレームに設けられ、前記支持ブロックに結合される昇降シリンダーと、を有し、
前記上部パンチモジュールの各パンチが支持ブロックに昇降可能に設けられ、制御ユニットの制御信号を介して作動される昇降アクチュエータによって独立的に昇降されることを特徴とする請求項1に記載の個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備。
【請求項6】
前記移送ガイドは、固定ケーシングに固定設置される固定スリーブと、
移動ケーシングに固定設置される移動スリーブと、
一端部が前記固定スリーブに固定され、他端部が前記移動スリーブを貫通するガイド軸と、を有することを特徴とする請求項1に記載の個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属材質の平板を屈曲変形させて曲板に成形する曲板成形用フォーミング装備に関し、より詳細には、個別制御される複数のクランプを介して平板の両端を曲板の形態に合わせて引っ張って成形する個別のクランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、船舶の船体、航空機の胴体、建物の外装パネルなどには様々な形の金属材質の曲板に使用される。前記曲板を成形する時に、球形や弧形などの一定の屈曲形態を持つ定型のものを量産する場合、プレス金型を使用して作業性及び生産性の向上を図ることができる。しかし、屈曲形態が複雑な非定型の曲板の場合、プレス金型を製作し難くなり、また、該当曲板への必要量が少ない場合、金型コストに因り作製単価が高くなる。
【0003】
下記の特許文献1には、弾力性の高い材質から成り、油空圧によって昇下降可能に設けられた上部パンチング部材と、上部面に多数の平坦部、多数の突出部及び多数の溝部を持つ加工面が形成され、該加工面には、加工物が置かれた下部台と、下部台の溝部に対応するように加工物の上部面に配置される多数の二次加工用押圧ブロックと、を有する航空機用部品成形装置が開示されている。特許文献1の航空機用部品成形装置のように、特定の金型を使用して航空機用曲板を成形する場合、様々な形の曲板を成形するのに多数の金型が必要となり、それに応じて多品種少量の曲板を成形するときは、特許文献1のような曲板成形装備が適合しなくなる。
【0004】
下記の特許文献2には、前後ガイドレール及び左右ガイドレールが水平方向に配置されている基台と、多数のパンチが装着されて曲板を支えることができるように基台上に設けられる下部パンチモジュールと、前記油圧装置により上下移動が可能な多数のパンチが装着される上部パンチモジュールと、油圧装備によって上下移動が可能な多数のパンチが装着され上部パンチモジュールの一側に設けられる第1の支持パンチモジュールと、油圧装備によって上下移動が可能な多数のパンチが装着され下部パンチモジュールの左右側に設けられる第2の支持パンチモジュールと、を有する多点可変プレス型曲板成形装置が開示されている。
【0005】
また、下記の特許文献3には、形鋼の両端をクランプで支持した状態で、引張力を作用するストレッチ部と、前記ストレッチ部の下方向から形鋼にせん断力を作用する成形モールド部と、及び前記ストレッチ部と成形モールド部を連動的に制御して、形鋼の降伏点で設定された曲率の曲面を形成する制御部と、を有するマルチポイントストレッチ方式の曲面形鋼成形装置が開示されている。
【0006】
また、下記の特許文献4の多重複合曲面成形板の製造方法には、多数の多点成形ピンによって対称的に特定の複合曲面形状に設定される可変型の上部及び下部金型を成し、成形する特定の多重複合曲面形状を成す下部金型の上面に複合曲面成形のための金属板を密着させた状態から、多数のストレッチフォーミング機で金属板の塑性点及び降伏点を超過する力で金属板の両端を引いて下部金型上面の多重複合曲面形状通りに多重複合曲面を1次成形し、上部金型で下部金型上のストレッチされた金属板を、その形態のままプレスする技術が開示されている。
【0007】
特許文献2乃至特許文献4に開示された技術は、全て可変金型を使用して多品種少量の非定型形鋼又は非定型曲板を効率良く成形することができる。また、下記の特許文献5には伸長成形加工機械及び方法が開示されており、下記の特許文献6には複合曲面成形板フォーミング装置及び方法が開示されている。特許文献6に開示された複合曲面成形板フォーミング装置は、多数のプルタブを有し、各プルタブが独立的に個別制御可能な可変張力テンションバーを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10−2006−0104167号
【特許文献2】大韓民国公開実用新案公報第20−2011−0006710号
【特許文献3】大韓民国登録特許公報第10−1301714号
【特許文献4】大韓民国登録特許公報第10−1030226号
【特許文献5】大韓民国公開特許公報第10−2008−0085917号
【特許文献6】米国特許公報US6,272,897号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献2の多点可変プレス型曲板成形装置は、下部金型に載せられた板材を上部金型で単純押圧する方式であって、特許文献1のように特定の金型を使用するプレス装備よりも成形性が劣り、後加工が必要とされるなど複雑な形状に屈曲された曲板を成形することが難しくなる。
【0010】
また、特許文献3のマルチポイントストレッチ方式の曲面形鋼成形装備は、棒や管状の形鋼部材を屈曲するためのもので、非定型に屈曲される曲板を成形することができない。また、特許文献4の多重複合曲面成形板の製造方法に開示された多点ストレッチフォーミング装備は、板材の両端の各部位が均一な圧力で引張られるので、精密成形が難しく、材料損失率が高くなる問題がある。また、特許文献5及び特許文献6に開示された複合曲面成形板フォーミング装置は、成形しようとする曲板又はパンチモジュールのサイズに応じてストレッチユニット間の距離を調節できなくなる問題がある。
【0011】
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためのものであって、その目的は、円板両端の各部位を成形しようとする屈曲形状に応じてそれぞれ異なる圧力で引張ることによって、より精密且つ迅速に非定型曲板を成形できる個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備を提供するところにある。
【0012】
本発明の他の目的は、歩留まり率を下げることができる個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備を提供するところにある。また、本発明の他の目的は、曲板又はパンチモジュールのサイズに応じてストレッチユニット間の距離を調節できる個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような目的を達成するために、本発明に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備は、下部パンチモジュールとストレッチユニット、上部パンチモジュールを支持する支持フレームと、前記支持フレームの下部中央に設けられる下部パンチモジュールと、前記支持フレームの下部両側に前後方向に連続配設される複数のストレッチユニットと、前記支持フレームの上部中央に昇降可能に設けられる上部パンチモジュールと、前記下部パンチモジュール、ストレッチユニット、上部パンチモジュールの作動を制御する制御ユニットと、前記支持フレームの下部一側に固定設置され、支持フレームの一側に設けられるストレッチユニットを支持する固定ケーシングと、前記支持フレームの下部他側に左右方向に移動可能に設けられ、支持フレームの一側に設けられるストレッチユニットを支持する移動ケーシングと、前記固定ケーシングと移動ケーシング間の支持フレームに設けられ、前記移動ケーシングを左右方向に移動させる移送シリンダーと、前記固定ケーシングと移動ケーシングの間に設けられ、移動ケーシングの左右移動をガイドする移送ガイドと、を有し、前記制御ユニットによって各ストレッチユニットが独立的に個別制御されて屈曲形状に応じて円板の各部位が互いに異なる圧力で引張られるようにし、前記移送シリンダーの作動でパンチモジュールのサイズ及び成形しようとする曲板のサイズに応じて左右ストレッチユニット間の距離が調節されることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る個別クラインピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備は、前記支持フレームが下部パンチモジュールとストレッチユニットを支持する水平支持部と、水平支持部の中央に設けられ上部パンチモジュールの昇降を支持する垂直支持部と、を有することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備は、前記下部パンチモジュールが前記支持フレームに支持される支持ブロックと、前記支持ブロックの上部に前後左右方向に連続配列される多数のパンチと、を有し、前記下部パンチモジュールの各パンチが支持ブロックに昇降可能に設けられ、制御ユニットの制御信号を介して作動される昇降アクチュエータによって独立的に昇降されることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備は、前記ストレッチユニットが内側に挿入凹溝が設けられ、上端にクランピングシリンダーが設けられるクランプと、前記クランプと引張シリンダーを連結する連結部材と、本体部分が支持フレームにヒンジ結合され、作動プランジャー部位が連結部材にヒンジ結合され、前記制御ユニットの制御信号に応じて前記クランプにクランピングされた円板を引張る引張シリンダーと、を有することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備は、前記上部パンチモジュールが支持フレームに昇降可能に支持される支持ブロックと、前記支持ブロックの下部に前後左右方向に連続配列される多数のパンチと、支持フレームに設けられ、前記支持ブロックに結合される昇降シリンダーと、を有し、前記上部パンチモジュールの各パンチが支持ブロックに昇降可能に設けられ、制御ユニットの制御信号を介して作動される昇降アクチュエータによって独立的に昇降されることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備は、前記移送ガイドが固定ケーシングに固定設置される固定スリーブと、移動ケーシングに固定設置される移動スリーブと、一端部が前記固定スリーブに固定され、他端部が前記移動スリーブを貫通するガイド軸と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備によると、前後方向に連続配列され、独立的に個別制御される複数のストレッチユニットを介して屈曲形状に応じて円板の各部位を効率良く引張ることにより、成形の精度及び生産性を大幅に向上させることができる。
【0020】
また、本発明に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備によると、歩留まり率を著しく下げることができるので、生産コストの低減も図ることができる。また、本発明に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備によると、パンチモジュール及び成形しようとする曲板の左右の長さに合わせて左右ストレッチユニット間の距離を精密に設定することができ、様々なサイズのパンチモジュールを入替え自在にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の好ましい実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備の要部正面図である。
図2】同実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチユニットの要部拡大正面図である。
図3】同実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備の要部平面図である。
図4】同実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備の要部側面図である。
図5】同実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備によって成形された非定型曲板の斜視図である。
図6a】本発明の実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備のパンチモジュールの入替状態を示した要部正面図である。
図6b】本発明の実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備のパンチモジュールの入替状態を示した要部正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備について、図面を参照して詳細に説明する。以下で、‘上方’、‘下方’、‘前方’及び‘後方’及びその他の方向性用語は、図面に示された状態を基準に定義する。
【0023】
図1は本発明の好ましい実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備の要部正面図であり、図2は同実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備のストレッチユニットの腰部拡大正面図である。図3は同実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備の要部平面図、図4は同実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備の要部側面図である。
【0024】
本発明の好ましい実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備100は、支持フレーム110、下部パンチモジュール120、ストレッチユニット130、上部パンチモジュール140、制御ユニット150、固定ケーシング160、移動ケーシング170、移送シリンダー180、移送ガイド190を有する。
【0025】
支持フレーム110は、下部パンチモジュール120とストレッチユニット130、上部パンチモジュール140を支持する。前記支持フレーム110は、下部パンチモジュール120とストレッチユニット130を支持する水平支持部111と、水平支持部111の中央に設けられ上部パンチモジュール140の昇降を支持する垂直支持部112と、を有する。
【0026】
下部パンチモジュール120は、円板Aが曲板Cに成形される部分であって、前記支持フレーム110の水平支持部111の上部中央部に設けられる。前記下部パンチモジュール120は、前記支持フレーム110に支持される支持ブロック121と、前記支持ブロック121の上部に前後左右方向に連続配列される多数のパンチ122と、を有する。前記下部パンチモジュール120の各パンチ122は、支持ブロック121に昇降可能に設けられ、制御ユニット150の制御信号を介して作動される昇降アクチュエータ(図示せず)によって独立的に昇降される。
【0027】
ストレッチユニット130は、前記下部パンチモジュール120に載せられた円板Aの両端ををクランピングして引張るものであって、前記支持フレーム110の水平支持部111の上端両側に設けられる。前記ストレッチユニット130は、クランプ131、連結部材132、引張シリンダー133を有する。クランプ131は、円板Aをクランピングする役割をするもので、内側に挿入凹溝131aが設けられ、上端にクランピングシリンダー131bが設けられる。
【0028】
連結部材132は、前記クランプ131と引張シリンダー133とを連結する役割をする。引張シリンダー133は、制御ユニット150の制御信号に応じて前記クランプ131にクランピングされた円板Aを引張るもので、本体部分が支持フレーム110にヒンジ結合され、作動プランジャー部位が連結部材132にヒンジ結合される。
【0029】
前記引張シリンダー133は、水平に近い傾斜角度に設けられる第1の引張シリンダー133a、垂直に近い傾斜角度に設けられる第2の引張シリンダー133b、第1の引張シリンダー133aの設置傾斜角度と第2の引張シリンダー133bの設置傾斜角度の中間の傾斜角度に設けられる第3の引張シリンダー133cと、を有する。
【0030】
本発明の好ましい実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備100は、複数のストレッチユニット130が前後方向に連続配設され、各ストレッチユニット130の引張シリンダー133が独立的に個別制御される。即ち、本発明の好ましい実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備100は、成形しようとする曲板Cの形態に応じて複数のストレッチユニット130が、互いに異なる引張圧力で円板Aを引張る。
【0031】
上部パンチモジュール140は、支持フレーム110の垂直支持部112に昇降可能に設けられる。
前記上部パンチモジュール140は、前記支持フレーム110に昇降可能に支持される支持ブロック141と、前記支持ブロック141の下部に前後左右方向に連続配列される多数のパンチ142と、支持フレーム110の垂直支持部112の上部に設けられ、支持ブロック141に結合される昇降シリンダー143と、を有する。
【0032】
前記上部パンチモジュール140の各パンチ142は、支持ブロック141に昇降可能に設けられ、制御ユニット150の制御信号を介して作動される昇降アクチュエータ(図示せず)により独立的に昇降される。制御ユニット150は、各パンチモジュール(120、140)の昇降アクチュエータ及びストレッチユニット130の引張シリンダー133、上部パンチモジュール140の昇降シリンダー143、そして移送シリンダー180の作動を制御するもので、支持フレーム110の垂直支持部112の前面に設けられる。
【0033】
前記制御ユニット150は、入力された曲板情報に応じて、各パンチモジュール(120、140)のパンチ(122、142)の昇降位置を調節して下部パンチモジュール120の上端面と上部パンチモジュール140の下端面が成形しようとする曲板状になる。
【0034】
固定ケーシング160は、上部と左側部が開放された函状で、円板Aの右側端を引張る各ストレッチユニット130を支持する役割をする。前記固定ケーシング160は、前記支持フレーム110の水平支持部111の左側上端に固定設置される。
【0035】
移動ケーシング170は、上部と右側部が開放された函状で、円板Aの左側端を引張る各ストレッチユニット130を支持する役割をする。前記移動ケーシング170は、前記支持フレーム110の水平支持部111の右側上端に左右方向に移動可能に設けられる。
【0036】
移動シリンダー180は、前記移動ケーシング170及びそれに支持されるストレッチユニット130を移動させるもので、前記固定ケーシング160と移動ケーシング170間の支持フレーム110の水平支持部111の上端に設けられる。前記移動シリンダー180の本体部分は、支持フレーム110の水平支持部111の上端に固定設置され、作動プランジャー部分は前記移動ケーシング170の右側端に結合される。従って、移動シリンダー180の作動のプランジャーが本体の方に収納作動されると、作動プランジャーに結合された移動ケーシング170及びそれに支持される各ストレッチユニット130が固定ケーシング160の方に移動されて固定ケーシング160と移動ケーシング170間の距離及び左右ストレッチユニット130間の距離が近くなる。
【0037】
逆に、移動シリンダー180の作動プランジャーが本体の外方に引き出し作動されると、移動ケーシング170及びそれに支持される各ストレッチユニット130が固定ケーシング160の反対の方に移動することになり、固定ケーシング160と移動ケーシング170間の距離及び左右ストレッチユニット130間の距離は遠くなる。
【0038】
本発明の好ましい実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備100は、前記固定ケーシング160と移動ケーシング170間の支持フレーム110の水平支持部111の上端前方と上端後方に一対の移動シリンダー180が設けられる形だが、本発明において前記移動シリンダー180の設置個数及び設置形態は、予測可能な範囲内で変形実施できることは言うまでもない。
【0039】
移送ガイド190は、前記移動ケーシング170及びそれに支持されるストレッチユニット130の左右移動をガイドするもので、固定ケーシング160と移動ケーシング170の間に設けられる。
前記移送ガイド190は、固定ケーシング160に固定設置される固定スリーブ191と、移動ケーシング170に固定設置される移動スリーブ192と、一端部が前記固定スリーブ191に固定され、他端部が前記移動スリーブ192を貫通するガイド軸193と、を有する。図面符号のうち説明されていない符号Rは、積載及び荷役ロボットである。
【0040】
本発明の好ましい実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備100は、下部パンチモジュール120のの上部に載せられた円板Aを複数のストレッチユニット130に引っ張って1次成形を施した後、上部パンチモジュール140で1次成形曲板を押圧して曲板Cを成形する。
【0041】
前記曲板成形作業前に制御ユニット150は、事前に入力された曲板情報に基づいて下部パンチモジュール120及び上部パンチモジュール140の昇降アクチュエータを作動して各パンチ(122、142)を成形しようとする曲板Cの形に調節する。また、制御ユニット150は、下部パンチモジュール120の上部に載せられた円板Aを引張るストレッチ過程において、各ストレッチユニット130の引張シリンダー133の作動を曲板Cの形に応じて独立的に個別制御することによって、円板Aが、より精度且つ迅速に曲板Cに成形することができる。
【0042】
図5は、同実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備を介して成形された非定型曲板の斜視図である。図5に示された非定型曲板Cは、左右方向及び上下方向に屈曲されたもので、図5に示すように前後方向に下向屈曲された部位を有する非定型曲板Cを成形する場合、円板Aをストレッチする時に、複数のストレッチユニット130のうち下向屈曲部位をクランピングするストレッチユニット130が、他の部位をクランピングするストレッチユニット130に比べて相対的に多くの引張力を発揮するように制御される。
【0043】
前記ストレッチ成形及び上部パンチモジュール140のプレス成形が終わった曲板Cの外郭部分を設定寸法に合わせて切断すると、最終曲版が完成され、完成された曲板Cは測定プロセスを経て出荷される。一方、本発明の好ましい実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備100は、パンチモジュール(120、140)のサイズ及び成形しようとする曲板Cのサイズに応じて左右ストレッチユニット130間の距離を適切に調節することができる。
【0044】
即ち、本発明の好ましい実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備100は、移動ケーシング170及びそれに支持される一側のストレッチユニット130を左右方向に移動させることができる。従って、左右ストレッチユニット130間の距離を可変設定することができるので、パンチモジュール(120、140)を、他のサイズのものに入れ替えて様々なサイズの曲板Cを精密成形することができる。
【0045】
図6a及び図6bは、同実施形態に係る個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備のパンチモジュールの入替状態を示す要部正面図である。
以上、本発明者によって成された発明を、上記実施形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を外れない範囲で様々に変更可能なのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0046】
100 個別クランピングが可能な曲板成形用多点ストレッチフォーミング装備
110 支持フレーム
120 下部パンチモジュール
130 ストレッチユニット
140 上部パンチモジュール
150 制御ユニット
160 固定ケーシング
170 移動ケーシング
180 移送シリンダー
190 移送ガイド


図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b