(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
バッテリと、コンタクタと、逆方向ダイオードを備えた複数のスイッチング素子を有して成るHブリッジ回路又は3相ブリッジ回路であってモータが接続されているモータ制御回路部と、前記バッテリの正極端子と前記モータ制御回路部のバッテリ正極側端子とを前記コンタクタを介して接続しているバッテリ正極側ラインと、前記バッテリの負極端子と前記モータ制御回路部のバッテリ負極側端子とを接続しているバッテリ負極側ラインと、前記コンタクタと並列に設けられカソードが前記コンタクタの一次側接点に接続されているダイオードとを有するモータ駆動回路において、
前記ダイオードに直列に設けられ、ソースが前記コンタクタの二次側接点に接続されている一方、ドレインが前記ダイオードのアノードに接続されているPch型FETと、
一端が前記Pch型FETのソースに接続されている一方、他端が前記Pch型FETのゲートに接続されている第1の抵抗と、一端が前記Pch型FETのゲートに接続されている一方、他端が前記バッテリ負極側ラインに接続されている第2の抵抗とを有して成る前記Pch型FETのゲート電圧生成回路とを有することを特徴とするモータ駆動回路。
【背景技術】
【0002】
無人搬送車は、工場、倉庫、オフィスなどの現場において部品、製品、小物などを搬送するものである。この無人搬送車には電線や光反射テープなどの誘導ラインにそって走行するものや、誘導ラインを要しない自律走行型のものなどがある。
【0003】
そして、この無人搬送車には走行用のモータ、前記モータに電力を供給して前記モータを動作させるためのモータ駆動用主制御回路などが装備されている。
【0004】
図5は従来の無人搬送車のモータ駆動用主制御回路の構成図である。
図5にはバッテリの正極と負極が正常に接続されている状態を示している。
【0005】
図5に示すように、従来の無人搬送車のモータ駆動用主制御回路1は、バッテリBattと、メインコンタクタMCと、モータ主制御回路部2と、バッテリ正極側ラインL1と、バッテリ負極側ラインL2と、ダイオードD1と、電圧平滑用コンデンサC1とを有している。
【0006】
バッテリBattは無人搬送車走行用の直流モータMの電源であり、DC=12V〜72V程度の電圧になるように構成されている。
【0007】
直流モータMはモータ主制御回路部2に接続されている。モータ主制御回路部2は、直流モータMの正逆運転を実現するため、複数のFETもしくはバイポーラトランジスタにより、直流モータMへ正逆方向に通電することができるように構成された回路であり、一般的にはHブリッジ回路と呼ばれている。
【0008】
このHブリッジのモータ主制御回路部2は、一般的にはFETもしくはバイポーラトランジスタのON・OFF状態(導通・非導通状態)が制御され、チョッパ動作をすることにより、直流モータMへ印加する電圧の大きさを可変にして直流モータMの通電電流及び回転数を可変とすることができるように構成されている。
【0009】
具体例として、
図5にはT1〜T4の4つのNch型FETを用いたモータ主制御回路部2の構成を示している。Nch型FETT1とNch型FETT2とが直列に設けられ、Nch型FETT1のソースSとNch型FETT2のドレインDとが接続部2aで接続されている。一方、Nch型FETT3とNch型FETT4とが直列に設けられ、Nch型FETT3のソースSとNch型FETT4のドレインDとが接続部2bで接続されている。また、Nch型FETT1のドレインDとNch型FETT3のドレインDとが接続部2cで接続され、Nch型FETT2のソースSとNch型FETT4のソースSとが接続部2dで接続されている。
【0010】
Nch型FETT1〜T4のゲート電圧生成回路(図示省略)によってNch型FETT1〜T4のソースS−ゲートG間への印加電圧を制御することにより、Nch型FETT1〜T3のON・OFF状態(ソースS−ドレインD間の導通・非導通状態)を制御し、チョッパ動作をすることにより、直流モータMへ印加する電圧の大きさを可変にして直流モータMの通電電流及び回転数を可変としている。また、Nch型FETT1〜T4は寄生ダイオードD11〜D14をそれぞれ有しており、直流モータMのエネルギーをバッテリBattへ回生する際には、これらの寄生ダイオードD11〜D14が逆方向ダイオード(還流ダーオード)として機能する。
【0011】
直流モータMは、一端M1がNch型FETT1,T2の接続部2aに接続される一方、他端M2がNch型FETT3,T4の接続部2bに接続されている。
【0012】
メインコンタクタMCはバッテリ正極側ラインL1に設けられている。バッテリ正極側ラインL1は、バッテリBattの正極端子B1と、モータ主制御回路部2のバッテリ正極側端子2e(即ちNch型FETT1,T3のドレインD側の端子)とを、メインコンタクタMCを介して接続している。バッテリ負極側ラインL2は、バッテリBattの負極端子B2と、モータ主制御回路部2のバッテリ負極側端子2f(即ちNch型FETT2,T4のソースS側の端子)とを接続している。
【0013】
無人搬送車を非常停止させる場合には、安全上、バッテリBattから直流モータMへの電力供給を確実に停止する必要がある。このため、モータ駆動用主制御回路1にはメインコンタクタMCを設けており、無人搬送車を非常停止させる際には、このメインコンタクタMCを開極する(メインコンタクタMCの接点MC1,MC2を開く)ことによってバッテリBattから直流モータMへの電力供給を確実に停止することができる。
【0014】
ダイオードD1は、バッテリ正極側ラインL1においてメインコンタクタMCと並列に設けられ、カソードKがメインコンタクタMCの一次側接点MC1(即ちバッテリBattの正極端子B1側)に接続されている一方、アノードAがメインコンタクタMCの二次側接点MC2(モータ主制御回路部2のバッテリ正極側端子2e側)に接続されている。
【0015】
このダイオードD1は、無人搬送車の通常走行中には使用されない部品である。無人搬送車の通常走行時には、
図5のようにメインコンタクタMCを閉極している。この走行中の無人搬送車を非常停止させるため、
図6に示すようにメインコンタクタMCを開極した場合、直流モータMのエネルギー(インダクタンスエネルギー、直流モータMが回転しているための機械エネルギー)が電気エネルギーに変換されて、
図6に示すI3のようにモータ主制御回路部2におけるNch型FETT2,T3の逆方向ダイオードD12,D13(直流モータMの逆回転時にはNch型FETT1,T4の逆ダイオードD11,D14)→ダイオードD1の経路を通じて、バッテリBattに回生される。
【0016】
ダイオードD1が設けられていない場合、直流モータMの持つ前記エネルギーは、電荷に変換されてコンデンサC1に充電される。その結果、コンデンサC1の電圧が上昇し、前記エネルギーが大きい場合にはコンデンサC1が過電圧となるため、モータ駆動用主制御回路1を構成する部品(Nch型FETなどの素子)が破損するおそれがある。
【0017】
この問題の解決策としてはモータ駆動用主制御回路に回生抵抗を付加するなどの方法が従来から提案されているが、最もシンプルな構成は、やはりモータ駆動用主制御回路1のようにダイオードD1を付加した構成である。
【0018】
電圧平滑用コンデンサC1は、一端C1aがバッテリ正極側ラインL1(即ちメインコンタクタMCの二次側接点MC2及びモータ主制御回路部2のバッテリ正極側端子2e)に接続され、他端C1bがバッテリ負極側ラインL2(バッテリBattの負極端子B2及びモータ主制御回路部2のバッテリ負極側端子2f)に接続されて、モータ主制御回路部2と並列に設けられている。この電圧平滑用コンデンサC1は、モータ主制御回路部2(Hブリッジ回路)のチョッパ動作によって生じる電源(バッテリBatt)の負荷変動によって電圧が変動するのを抑制するためのものである。
【0019】
かかる構成のモータ駆動用主制御回路1において、メインコンタクタMCが閉極され(メインコンタクタMCの接点MC1,MC2が閉じられ)、モータ主制御回路部2のNch型FETT1,T4がON状態になると、
図5に示すI1のように電流が正方向に流れて直流モータMへ通電されるため、
図5に示すR1のように直流モータMが正方向に回転する。一方、Nch型FETT2,T3がON状態になると、
図5に示すI2のように逆方向に電流が流れて直流モータMに通電されるため、
図5に示すR2のように直流モータMが逆方向に回転する。また、直流モータMの通電電流及び回転数は、モータ主制御回路部2(Hブリッジ回路)のチョッパ動作によって変化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、工場や倉庫などの現場で無人搬送車を運用する場合、次のような問題がある。
【0022】
それは、無人搬送車の点検・整備を行った際などにおいて、バッテリBattをモータ主制御回路部2へ接続する場合、作業員が間違えてバッテリBattの正極と負極を逆に接続(以下、これを単に逆接続とも称する)してしまうということが、工場や走行などの現場においてはたびたび発生しているとう問題である。
【0023】
ダイオードD1を備えたモータ駆動用主制御回路1において、
図7に示すようにバッテリBattの正極と負極を逆に接続した場合には、
図7に示すI4のようにバッテリBattの正極→モータ主制御回路部2におけるNch型FETT1〜T4の逆方向ダイオードD11〜D14→ダイオードD1→バッテリBattの負極の経路を通って、バッテリBattの短絡が生じる。その結果、モータ駆動用主制御回路1には過大な短絡電流が流れるため、モータ駆動用主制御回路1を構成する部品(Nch型FETなどの素子)や配線材が過熱・焼損するおそれがある。
【0024】
このような問題の発生を防止するための回路構成としては、
図8に示すようにバッテリBattとメインコンタクタMCとの間にこれらと直列にダイオードDSを設ける構成が考案されている。ダイオードDSは、アノードAがバッテリBattの正極端子B1に接続されている一方、カソードKがメインコンタクタMCの一次側接点MC1に接続されている。
【0025】
このようなダイオードDSを設けた回路構成では、
図9に示すようにバッテリBattの正極と負極を逆に接続しても、
図9に示すI4のような短絡電流の流れをダイオードDSによって阻止することができる。
【0026】
しかしながら、このダイオードDSを設けた回路構成の場合には、次のような問題がある(
図8参照)。
【0027】
(1) 直流モータMを駆動する際、常にダイオードDSにおいてV
FSの電圧降下がある。このため、ダイオードDsにおいて常にV
FS×i(iはダイオードDsなどに流れる電流)のエネルギー損失があり、バッテリBattの電気エネルギーを有効に利用することができない。
(2) また、直流モータMに印加できる電圧V
maxが、ダイオードDsにおける電圧V
FSの降下分だけバッテリBattの電圧V
Bよりも低下してV
max=V
B−V
FSとなる。このため、直流モータMの回転数が低下してしまう。
(3) また、ダイオードDsにおけるエネルギー損失によってダイオードDsが発熱するため、ダイオードDsを冷却する部品を無人搬送車に装備する必要がある。このため、当該部品が、制限のある無人搬送車の装置容積を大きくしてしまう。
(4) 更には、無人搬送車を非常停止したとき(即ちメインコンタクタMCを開極してバッテリBattから直流モータMへの電力供給を停止したとき)、直流モータMの前記エネルギーをバッテリBattに回生する経路がダイオードDsによって遮断される。このため、モータ駆動用主制御回路1が故障する可能性がある。
【0028】
従って、本発明は上記の事情に鑑み、バッテリを逆接続したときにバッテリの短絡を防止することができ、しかも、無駄な電圧降下が発生せず、且つ、モータのエネルギーをバッテリに回生することも可能な無人搬送車のモータ駆動用主制御回路などのモータ駆動回路を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記課題を解決する第1発明のモータ駆動回路は、バッテリと、コンタクタと、逆方向ダイオードを備えた複数のスイッチング素子を有して成るHブリッジ回路又は3相ブリッジ回路であってモータが接続されているモータ制御回路部と、前記バッテリの正極端子と前記モータ制御回路部のバッテリ正極側端子とを前記コンタクタを介して接続しているバッテリ正極側ラインと、前記バッテリの負極端子と前記モータ制御回路部のバッテリ負極側端子とを接続しているバッテリ負極側ラインと、前記コンタクタと並列に設けられカソードが前記コンタクタの一次側接点に接続されているダイオードとを有するモータ駆動回路において、
前記ダイオードに直列に設けられ、ソースが前記コンタクタの二次側接点に接続されている一方、ドレインが前記ダイオードのアノードに接続されているPch型FETと、
一端が前記Pch型FETのソースに接続されている一方、他端が前記Pch型FETのゲートに接続されている第1の抵抗と、一端が前記Pch型FETのゲートに接続されている一方、他端が前記バッテリ負極側ラインに接続されている第2の抵抗とを有して成る前記Pch型FETのゲート電圧生成回路とを有することを特徴とする。
【0030】
また、第2発明のモータ駆動回路は、第1発明のモータ駆動回路において、
前記ゲート電圧生成回路は、前記第1の抵抗に並列に設けられ、一端が前記Pch型FETのソースに接続されている一方、他端が前記Pch型FETのゲートに接続されているコンデンサを有していること特徴とする。
【0031】
また、第3発明のモータ駆動回路は、第1又は第2発明のモータ駆動回路において、
前記ゲート電圧生成回路は、前記第1の抵抗に並列に設けられ、カソードが前記Pch型FETのソースに接続されている一方、アノードが前記Pch型FETのゲートに接続されているツェナーダイオードを有していること特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
第1発明のモータ駆動回路によれば、バッテリと、コンタクタと、逆方向ダイオードを備えた複数のスイッチング素子を有して成るHブリッジ回路又は3相ブリッジ回路であってモータが接続されているモータ制御回路部と、前記バッテリの正極端子と前記モータ制御回路部のバッテリ正極側端子とを前記コンタクタを介して接続しているバッテリ正極側ラインと、前記バッテリの負極端子と前記モータ制御回路部のバッテリ負極側端子とを接続しているバッテリ負極側ラインと、前記コンタクタと並列に設けられカソードが前記コンタクタの一次側接点に接続されているダイオードとを有するモータ駆動回路において、前記ダイオードに直列に設けられ、ソースが前記コンタクタの二次側接点に接続されている一方、ドレインが前記ダイオードのアノードに接続されているPch型FETと、一端が前記Pch型FETのソースに接続されている一方、他端が前記Pch型FETのゲートに接続されている第1の抵抗と、一端が前記Pch型FETのゲートに接続されている一方、他端が前記バッテリ負極側ラインに接続されている第2の抵抗とを有して成る前記Pch型FETのゲート電圧生成回路とを有することを特徴としているため、次のような作用効果が得られる。
【0033】
(1) 即ち、バッテリの正極と負極が正常に接続された場合において、コンタクタが閉極されたときには、バッテリの電圧がコンタクタの二次側接点に印加され、第1の抵抗と第2の抵抗の抵抗比率によって得られる第1の抵抗の電圧が、Pch型FETのソース−ゲート間に印加されることにより、Pch型FETのソース−ゲート間にゲート電圧が生じるため、Pch型FETのソース−ドレイン間のON抵抗値が低下して、Pch型FETのソース−ドレイン間がON状態(導通状態)となる。
このため、従来のモータ駆動用主制御回路のようにダイオードのみをメインコンタクタに並列接続した状態と同じ状態となり、従来のモータ駆動用主制御回路と同様の動作・効果が得られる。
そして、バッテリの正極端子とコンタクタの間にダイオードを設けた場合のような無駄な電圧降下が発生せず、この電圧降下に伴うエネルギー損失が発生することもない。従って、バッテリの電気エネルギーを有効に利用することができ、また、モータの回転数が低下することはなく、冷却部品を設けて装置容積が増大することもない。
(2) また、バッテリの正極と負極が正常に接続された場合において、Pch型FETのソース−ドレイン間がON状態(導通状態)のときにコンタクタが開極された場合には、Pch型FETのソース−ドレイン間のON状態(導通状態)が維持されるため、モータのエネルギーを、モータ制御回路部におけるスイッチング素子の逆方向ダイオード→Pch型FETのソース→Pch型FETのドレイン→ダイオードの経路を通じて、バッテリに回生することができる。
(3) バッテリの正極と負極が逆に接続された場合において、コンタクタが開極されているときは、Pch型FETのソースには正、Pch型FETのドレインには負の方向にバッテリの電圧が印加されて、Pch型FETのソースとPch型FETのゲートが同電位となり、Pch型FETのソース−ゲート間に電圧が印加されないため、Pch型FETのソース−ドレイン間のON抵抗値が低下せず、Pch型FETのソース−ドレイン間はOFF状態(非導通状態)のままである。
従って、従来のようなバッテリの正極→モータ制御回路部におけるスイッチング素子の逆方向ダイオード→ダイオード→バッテリの負極の短絡回路を、Pch型FETによって遮断することができるため、モータ駆動回路に過大な短絡電流が流れてモータ駆動回路を構成する部品(スイッチング素子などの素子)や配線材が過熱・焼損するのを防止して、モータ駆動回路を保護することができる。
【0034】
第2発明のモータ駆動回路によれば、第1発明のモータ駆動回路において、前記ゲート電圧生成回路は、前記第1の抵抗に並列に設けられ、一端が前記Pch型FETのソースに接続されている一方、他端が前記Pch型FETのゲートに接続されているコンデンサを有していること特徴としているため、Pch型FETのソース−ドレイン間の電圧変動(dV/dt)によるPch型FETの誤点弧を、ゲート電圧生成回路のコンデンサによって防止することができる。
【0035】
第3発明のモータ駆動回路によれば、第1又は第2発明のモータ駆動回路において、前記ゲート電圧生成回路は、前記第1の抵抗に並列に設けられ、カソードが前記Pch型FETのソースに接続されている一方、アノードが前記Pch型FETのゲートに接続されているツェナーダイオードを有していること特徴としているため、Pch型FETのソース−ゲート間の電圧の値が定格値を超えるのを、ゲート電圧生成回路のツェナーダイオードによって防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づき詳細に説明する。
【0038】
<構成>
図1に示すように、本発明の実施の形態例に係る無人搬送車のモータ駆動用主制御回路11は、バッテリBattと、メインコンタクタMCと、モータ主制御回路部2と、バッテリ正極側ラインL1と、バッテリ負極側ラインL2と、ダイオードD1と、電圧平滑用コンデンサC1と、Pch型FETT11と、Pch型FET11のゲート電圧生成回路12とを有している。
【0039】
即ち、本実施の形態例のモータ駆動用主制御回路11は、従来のモータ駆動用主制御回路1(
図5参照)と同様の回路構成において、Pch型FETT11と、Pch型FET11のゲート電圧生成回路12とを付加した構成になっている。
【0040】
従って、以下では
図1に基づき、本実施の形態例のモータ駆動用主制御回路11の構成について詳細に説明するが、
図1において従来のモータ駆動用主制御回路1(
図5)と同様の部分には同一の符号を付している。
【0041】
図1に示すように、バッテリBattは無人搬送車走行用の直流モータMの電源であり、DC=12V〜72V程度の電圧になるように構成されている。
【0042】
直流モータMはモータ主制御回路部2に接続されている。モータ主制御回路部2は、直流モータMの正逆運転を実現するため、複数のスイッチング素子(FET、バイポーラトランジスタなど)により、直流モータMへ正逆方向に通電することができるように構成された回路であり、一般的にはHブリッジ回路と呼ばれている。
【0043】
このHブリッジのモータ主制御回路部2は、一般的にはスイッチング素子(FET、バイポーラトランジスタなど)のON・OFF状態(導通・非導通状態)が制御され、チョッパ動作をすることにより、直流モータMへ印加する電圧の大きさを可変にして直流モータMの通電電流及び回転数を可変とすることができるように構成されている。
【0044】
具体例として、
図1にはT1〜T4の4つのNch型FETを用いたモータ主制御回路部2の構成を示している。Nch型FETT1とNch型FETT2とが直列に設けられ、Nch型FETT1のソースSとNch型FETT2のドレインDとが接続部2aで接続されている。一方、Nch型FETT3とNch型FETT4とが直列に設けられ、Nch型FETT3のソースSとNch型FETT4のドレインDとが接続部2bで接続されている。また、Nch型FETT1のドレインDとNch型FETT3のドレインDとが接続部2cで接続され、Nch型FETT2のソースSとNch型FETT4のソースSとが接続部2dで接続されている。
【0045】
Nch型FETT1〜T4のゲート電圧生成回路(図示省略)によってNch型FETT1〜T4のソースS−ゲートG間への印加電圧を制御することにより、Nch型FETT1〜T4のON・OFF状態(ソースS−ドレインD間の導通・非導通状態)を制御し、チョッパ動作をすることにより、直流モータMへ印加する電圧の大きさを可変にして直流モータMの通電電流及び回転数を可変としている。また、Nch型FETT1〜T4は寄生ダイオードD11〜D14をそれぞれ有しており、直流モータMのエネルギーをバッテリBattへ回生する際には、これらの寄生ダイオードD11〜D14が逆方向ダイオード(還流ダーオード)として機能する。
【0046】
直流モータMは、一端M1がNch型FETT1,T2の接続部2aに接続され、他端M2がNch型FETT3,T4の接続部2bに接続されている。
【0047】
メインコンタクタMCはバッテリ正極側ラインL1に設けられている。バッテリ正極側ラインL1は、バッテリBattの正極端子B1と、モータ主制御回路部2のバッテリ正極側端子2e(即ちNch型FETT1,T3のドレインD側の端子)とを、メインコンタクタMCを介して接続している。バッテリ負極側ラインL2は、バッテリBattの負極端子B2と、モータ主制御回路部2のバッテリ負極側端子2f(即ちNch型FETT2,T4のソースS側の端子)とを接続している。
【0048】
無人搬送車を非常停止させる場合には、安全上、バッテリBattから直流モータMへの電力供給を確実に停止する必要がある。このため、モータ駆動用主制御回路1にはメインコンタクタMCを設けており、無人搬送車を非常停止させる際には、このメインコンタクタMCを開極する(メインコンタクタMCの接点MC1,MC2を開く)ことによってバッテリBattから直流モータMへの電力供給を確実に停止することができる。
【0049】
ダイオードD1は、バッテリ正極側ラインL1においてメインコンタクタMCと並列に設けられ、カソードKがメインコンタクタMCの一次側接点MC1(即ちバッテリBattの正極端子B1側)に接続されている。
【0050】
このダイオードD1は、無人搬送車の通常走行中においては使用されない部品である。無人搬送車の通常走行時には、
図1のようにメインコンタクタMCを閉極している。詳細は後述するが、この走行中の無人搬送車を非常停止させるためにメインコンタクタMCを開極した場合、直流モータMのエネルギー(インダクタンスエネルギー、直流モータMが回転しているための機械エネルギー)が電気エネルギーに変換されて、モータ主制御回路部2におけるNch型FETT2,T3の逆方向ダイオードD12,D13(直流モータMの逆回転時にはNch型FETT1,T4の逆ダイオードD11,D14)→Pch型FETT11のソースS→Pch型FETT11のドレインD→ダイオードD1の経路を通じて、バッテリBattに回生される。
【0051】
電圧平滑用コンデンサC1は、一端C1aがバッテリ正極側ラインL1(即ちメインコンタクタMCの二次側接点MC及びモータ駆動用主制御回路2のバッテリ正極側端子2e)に接続され、他端C1bがバッテリ負極側ラインL2(即ちバッテリBattの負極端子B2及びモータ主制御回路部2のバッテリ負極側端子2f)に接続されて、モータ主制御回路部2と並列に設けられている。この電圧平滑用コンデンサC1は、モータ主制御回路部2(Hブリッジ回路)のチョッパ動作によって生じる電源(バッテリBatt)の負荷変動によって電圧が変動するのを抑制するためのものである。
【0052】
そして、本実施の形態例では、Pch型FETT11が、ダイオードD1に直列に設けられている。Pch型FETT11のソースSはメインコンタクタMCの二次側接点(即ちモータ主制御回路部2のバッテリ正極側端子2e)に接続されている一方、Pch型FETT11のドレインDはダイオードD1のアノードAに接続されている。なお、図中のD21はPch型FETT11の寄生ダイオードである。
【0053】
ゲート電圧生成回路12は、第1の抵抗R11と、第2の抵抗R12と、コンデンサC11と、ツェナーダイオードZD11とを有して成るものである。
【0054】
第1の抵抗R11は、一端R11aがPch型FETT11のソースS(即ちメインコンタクタMCの二次側接点MC2及びモータ主制御回路部2のバッテリ正極側端子2e)に接続されている一方、他端R11bがPch型FETT11のゲートGに接続されている。第2の抵抗R12は、一端R12aがPch型FETT11のゲートGに接続されている一方、他端R12bがバッテリ負極側ラインL2(即ちバッテリBattの負極端子B2及びモータ主制御回路部2のバッテリ負極側端子2f)に接続されている。即ち、第1の抵抗R11と第2の抵抗R12は、メインコンタクタMCの二次側接点MC2において、バッテリ正極側ラインL1とバッテリ負極側ラインL2との間で直列に接続されている。
【0055】
コンデンサC11は、第1の抵抗R11に並列に設けられ、一端C11aがPch型FETT11のソースS(即ちメインコンタクタMCの二次側接点MC2及びモータ主制御回路部2のバッテリ正極側端子2e)に接続され、他端C11bがPch型FETT11のゲートGに接続されている。
【0056】
ツェナーダイオードZD11は、第1の抵抗R11に並列に設けられ、カソードKがPch型FETT11のソースS(即ちメインコンタクタMCの二次側接点MC2及びモータ主制御回路部2のバッテリ正極側端子2e)に接続され、アノードAがPch型FETT11のゲートGに接続されている。
【0057】
ゲート電圧生成回路12の第1の抵抗R11及び第2の抵抗R12は、Pch型FETT11のゲートGにゲート電圧(ソースS−ゲートG間の電圧)を印加して、Pch型FETT11をON状態(ソースS−ドレインD間を導通状態)するためのものであり、前記ゲート電圧が適切な値となるように抵抗比率が設定されている。
【0058】
ゲート電圧生成回路12のコンデンサC11は、Pch型FETT11のソースS−ドレインD間の電圧変動(dV/dt)によるPch型FETT11の誤点弧を防止する役目を果たすものである。
【0059】
ゲート電圧生成回路12のツェナーダイオードZD11は、Pch型FETT11のソースS−ゲートG間の電圧の値が定格値を超えないようにする電圧リミッタとしての役目を果たすものである。
【0060】
次に、モータ駆動用主制御回路1においてPch型FETT11と、そのゲート電圧生成回路12などが果たす役割などを、モータ主制御回路部2に対してバッテリBattの正極と負極が正常に接続された場合と、モータ主制御回路部2に対してバッテリBattの正極と負極が逆に接続された場合とに分けて説明する。
【0061】
(バッテリの正極と負極が正常に接続された場合)
メインコンタクタMCが閉極される(メインコンタクタMCの接点MC1,MC2が閉じられる)前には、モータ駆動用主制御回路11は動作しない。当該モータ駆動用主制御回路11においては、バッテリBattから直流モータMへの電力供給が行われず、直流モータMは回転しない。
【0062】
図1にはバッテリBattの正極と負極を正常に接続したときの状態を示している。また、
図1にはメインコンタクタMCを閉極した後の状態を示し、
図2にはメインコンタクタMCを閉極して無人搬送車が走行(直流モータMが作動)中にメインコンタクタMCが開極したときの状態を示している。
【0063】
図1に示すように、メインコンタクタMCが閉極された後には、バッテリBattの電圧V
BがメインコンタクタMCの二次側接点MC2に印加されるため、第1の抵抗R11と第2の抵抗R12の直列回路にバッテリ電圧V
Bが印加される。このため、第1の抵抗R11と第2の抵抗R12の抵抗比率によって得られる第1の抵抗R11の電圧V
R11が、Pch型FETT11のソースS−ゲートG間に印加される。その結果、Pch型FETT11のソースS−ゲートG間にゲート電圧V
R11が生じるため、Pch型FETT11のソースS−ドレインD間のON抵抗値が低下して、Pch型FETTのソースS−ドレインD間がON状態(導通状態)となる。
【0064】
このときには、本実施の形態例のモータ駆動用主制御回路11においても、従来のモータ駆動用主制御回路1のようにダイオードD1のみをメインコンタクタMCに並列接続した状態(
図5参照)と同じ状態となり、従来のモータ駆動用主制御回路1と同様の動作・効果が得られる。
【0065】
詳述すると、メインコンタクタMCが閉極され、モータ主制御回路部2のNch型FETT1,T4がON状態になったときには、
図1に示すI11のように電流が正方向に流れて直流モータMへ通電されるため、
図1に示すR11のように直流モータMが正方向に回転する。このため、無人搬送車は前へ走行する。一方、Nch型FETT2,T3がON状態になると、
図1に示すI12のように逆方向に電流が流れて直流モータMに通電されるため、
図1に示すR12のように直流モータMが逆方向に回転する。このため、無人搬送車は後へ走行する。また、直流モータMの通電電流及び回転数は、モータ主制御回路部2(Hブリッジ回路)のチョッパ動作によって変化する。
【0066】
そして、このときに本実施の形態例のモータ駆動用主制御回路11では、バッテリBattの正極端子BとメインコンタクタMCの間にダイオードDSを設けた場合(
図8参照)のような無駄な電圧降下が発生せず、従って、この電圧降下に伴うエネルギー損失が発生することもない。
【0067】
また、この無人搬送車の走行中、即ちPch型FETTのソースS−ドレインD間がON状態(導通状態)のとき、無人搬送車の非常停止動作などのために
図2に示すようにメインコンタクタMCが開極された(メインコンタクタMCの接点MC1,MC2が開かれた)場合には、Pch型FETT11のソースS−ドレインD間のON状態(導通状態)が維持される。このため、直流モータMのエネルギー(インダクタンスエネルギー、直流モータMが回転しているための機械エネルギー)が電気エネルギーに変換され、
図2に示すI13のようなモータ主制御回路部2におけるNch型FETT2,T3の逆方向ダイオードD12,D13(直流モータMの逆回転時にはNch型FETT1,T4の逆ダイオードD11,D14)→Pch型FETT11のソースS→Pch型FETT11のドレインD→ダイオードD1の経路を通じて、バッテリBattに回生される。
【0068】
(バッテリの正極と負極が逆に接続された場合)
図3にはバッテリBattの正極と負極を逆に接続したときの状態を示している。
【0069】
図3に示すように、メインコンタクタMCは、モータ駆動用主制御回路12が動作しないので開極したままである。
【0070】
このとき、
図3にI14のようにPch型FETT11のソースSには正、Pch型FETT11のドレインDには負の方向にバッテリBattの電圧V
Bが印加されるため、第1の抵抗R11の一端R11aと第2の抵抗R12の他端R12b(即ちメインコンタクタMCの二次側接点MC2におけるバッテリ正極側ラインL1とバッテリ負極側ラインL2)が同電位となり、Pch型FETT11のソースSとPch型FETT11のゲートGが同電位となる。従って、Pch型FETT11のソースS−ゲートG間に電圧が印加されないため、Pch型FETT11のソースS−ドレインD間のON抵抗値が低下せず、Pch型FETTのソースS−ドレインD間はOFF状態(非導通状態)のままである。
【0071】
従って、従来のようなバッテリBattの正極→モータ主制御回路部2におけるNch型FETT1〜T4の逆方向ダイオードD11〜D14→ダイオードD1→バッテリBattの負極の短絡回路を、Pch型FETT11によって遮断することができる。このため、モータ駆動用主制御回路12に過大な短絡電流が流れてモータ駆動用主制御回路11を構成する部品(Nch型FETなどの素子)や配線材が過熱・焼損するのを防止して、モータ駆動用主制御回路11を保護することができる。
【0072】
なお、直流モータMの場合には、モータ主制御回路部2として、
図1に示すように逆方向ダイオードを備えた複数のスイッチング素子(FET、バイポーラトランジスタなど)によって構成されたHブリッジ回路を適用するが(
図1参照)、ブラシレスDCモータや誘導モータなどの場合には、モータ主制御回路部2として、
図4に示すように逆方向ダイオードを備えた複数のスイッチング素子(FETもしくはバイポーラトランジスタなど)によって構成された3相ブリッジ回路を適用する。
【0073】
詳述すると、
図4には、T21〜T26の6つのNch型FETを用いたモータ主制御回路部2の構成例を示している。Nch型FETT21とNch型FETT22とが直列に設けられ、Nch型FETT21のソースSとNch型FETT22のドレインDとが接続部2gで接続されている。また、Nch型FETT23とNch型FETT24とが直列に設けられ、Nch型FETT23のソースSとNch型FETT24のドレインDとが接続部2hで接続されている。また、Nch型FETT25とNch型FETT23とが直列に設けられ、Nch型FETT25のソースSとNch型FETT26のドレインDとが接続部2iで接続されている。更に、Nch型FETT21のドレインDとNch型FETT23のドレインDとNch型FETT25のドレインDとが接続部2jで接続され、Nch型FETT22のソースSとNch型FETT24のソースSとNch型FETT26のソースSとが接続部2kで接続されている。
【0074】
Nch型FETT21〜T26のゲート電圧生成回路(図示省略)によってNch型FETT21〜T26のソースS−ゲートG間の印加電圧が制御されることにより、Nch型FETT21〜T26のON・OFF状態(ソースS−ドレインD間の導通・非導通状態)が制御されて、ブラシレスDCモータ又は誘導モータなどのモータMへ印加する3相交流電力の周波数及び大きさを可変にして直流モータMの通電電流及び回転数を可変とすることができるようになっている。また、Nch型FETT21〜T26は寄生ダイオードD31〜D36をそれぞれ有しており、モータMのエネルギーをバッテリBattへ回生する際には、これらの寄生ダイオードD31〜D36が逆方向ダイオード(還流ダーオード)として機能する。
【0075】
直流モータMは、Nch型FETT21,T22の接続部2gと、Nch型FETT23,T24の接続部2hと、Nch型FETT25,T26の接続部2iとに接続されている。
【0076】
なお、その他の構成については、
図1と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0077】
<作用効果>
以上のように、本実施の形態例のモータ駆動用主制御回路12によれば、バッテリBattと、メインコンタクタMCと、逆方向ダイオードD11〜D14又はD31〜D36を備えた複数のスイッチング素子(Nch型FETT11〜T14又はNch型FET21〜T26など)を有して成るHブリッジ回路又は3相ブリッジ回路であってモータMが接続されているモータ主制御回路部2と、バッテリBattの正極端子B1とモータ主制御回路部2のバッテリ正極側端子2eとをメインコンタクタMCを介して接続しているバッテリ正極側ラインL1と、バッテリBattの負極端子B2とモータ主制御回路部2のバッテリ負極側端子2fとを接続しているバッテリ負極側ラインL2と、メインコンタクタMCと並列に設けられカソードKがメインコンタクタMCの一次側接点MC1に接続されているダイオードD1とを有するモータ駆動用主制御回路11において、ダイオードD1に直列に設けられ、ソースSがメインコンタクタMCの二次側接点MC2に接続されている一方、ドレインDがダイオードD1のアノードAに接続されているPch型FETT11と、一端R11aがPch型FETT11のソースSに接続されている一方、他端R11bがPch型FETT11のゲートGに接続されている第1の抵抗R11と、一端R12aがPch型FETT11のゲートGに接続されている一方、他端R12bがバッテリ負極側ラインL2に接続されている第2の抵抗R12とを有して成るPch型FETT11のゲート電圧生成回路12とを有することを特徴としているため、次のような作用効果が得られる。
【0078】
(1) 即ち、バッテリBattの正極と負極が正常に接続された場合において、メインコンタクタMCが閉極されたときには、バッテリBattの電圧V
BがメインコンタクタMCの二次側接点MC2に印加され、第1の抵抗R11と第2の抵抗R12の抵抗比率によって得られる第1の抵抗R11の電圧V
R11が、Pch型FETT11のソースS−ゲートG間に印加されることにより、Pch型FETT11のソースS−ゲートG間にゲート電圧V
R11が生じるため、Pch型FETT11のソースS−ドレインD間のON抵抗値が低下して、Pch型FETT11のソースS−ドレインD間がON状態(導通状態)となる。
このため、従来のモータ駆動用主制御回路のようにダイオードD1のみをメインコンタクタMCに並列接続した状態と同じ状態となり、従来のモータ駆動用主制御回路1と同様の動作・効果が得られる。
そして、バッテリBattの正極端子BとメインコンタクタMCの間にダイオードDSを設けた場合(
図8参照)のような無駄な電圧降下が発生せず、この電圧降下に伴うエネルギー損失が発生することもない。従って、バッテリBattの電気エネルギーを有効に利用することができ、また、モータMの回転数が低下することはなく、冷却部品を設けて装置容積が増大することもない。
(2) また、バッテリBattの正極と負極が正常に接続された場合において、Pch型FETT11のソースS−ドレインD間がON状態(導通状態)のときにメインコンタクタMCが開極された場合には、Pch型FETT11のソースS−ドレインD間のON状態(導通状態)が維持されるため、モータMのエネルギーを、モータ主制御回路部2におけるNch型FETT1〜T4の逆方向ダイオードD11〜D14(又はNch型FETT21〜T26の逆方向ダイオードD31〜D36)→Pch型FETT11のソースS→Pch型FETT11のドレインD→ダイオードD1の経路を通じて、バッテリBattに回生することができる。
(3) バッテリBattの正極と負極が逆に接続された場合において、メインコンタクタMCが開極されているときは、Pch型FETT11のソースSには正、Pch型FETT11のドレインDには負の方向にバッテリBattの電圧V
Bが印加されて、Pch型FETT11のソースSとPch型FETT11のゲートGが同電位となり、Pch型FETT11のソースS−ゲートG間に電圧が印加されないため、Pch型FETT11のソースS−ドレインD間のON抵抗値が低下せず、Pch型FETT11のソースS−ドレインD間はOFF状態(非導通状態)のままである。
従って、従来のようなバッテリBattの正極→モータ主制御回路部2におけるNch型FETT1〜T4の逆方向ダイオードD11〜D14→ダイオードD1→バッテリBattの負極の短絡回路を、Pch型FETT11によって遮断することができるため、モータ駆動用主制御回路12に過大な短絡電流が流れてモータ駆動用主制御回路11を構成する部品(Nch型FETなどの素子)や配線材が過熱・焼損するのを防止して、モータ駆動用主制御回路11を保護することができる。
【0079】
また、本実施の形態例のモータ駆動用主制御回路11によれば、ゲート電圧生成回路12は、第1の抵抗R11に並列に設けられ、一端C11aがPch型FETT11のソースSに接続されている一方、他端C11bがPch型FETT11のゲートGに接続されているコンデンサC11を有していること特徴としているため、Pch型FETT11のソースS−ドレインD間の電圧変動(dV/dt)によるPch型FETT11の誤点弧を、ゲート電圧生成回路12のコンデンサC11によって防止することができる。
【0080】
また、本実施の形態例のモータ駆動用主制御回路11によれば、ゲート電圧生成回路12は、第1の抵抗R11に並列に設けられ、カソードKがPch型FETT11のソースSに接続されている一方、アノードAがPch型FETT11のゲートGに接続されているツェナーダイオードZD11を有していること特徴としているため、Pch型FETT11のソースS−ゲートG間の電圧V
R11の値が定格値を超えるのを、ゲート電圧生成回路12のツェナーダイオードZD11によって防止することができる。