特許第5961861号(P5961861)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961861
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】アンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 5/357 20150101AFI20160719BHJP
   H01Q 5/10 20150101ALI20160719BHJP
   H01Q 9/42 20060101ALI20160719BHJP
   H01Q 21/28 20060101ALI20160719BHJP
   H01Q 1/52 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   H01Q5/357
   H01Q5/10
   H01Q9/42
   H01Q21/28
   H01Q1/52
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-548165(P2015-548165)
(86)(22)【出願日】2013年11月22日
(65)【公表番号】特表2016-500239(P2016-500239A)
(43)【公表日】2016年1月7日
(86)【国際出願番号】CN2013087692
(87)【国際公開番号】WO2015074248
(87)【国際公開日】20150528
【審査請求日】2015年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】509296306
【氏名又は名称】▲華▼▲為▼▲終▼端有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】范 毅
(72)【発明者】
【氏名】孟 博
(72)【発明者】
【氏名】屠 ▲東▼▲興▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ ▲樹▼▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】隆 仲▲イン▼
【審査官】 岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/059088(WO,A1)
【文献】 特開2008−205680(JP,A)
【文献】 特開2009−055374(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0322639(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路板と、第一アンテナ給電構造体と、第一アンテナ負荷構造体と、第一フィルタ、第二アンテナ給電構造体と、中性化ワイヤと、第二アンテナ負荷構造体と、第二フィルタとを備えたアンテナであって、
前記第一アンテナ給電構造体が接地ピン及び給電ピンを有し、前記接地ピン及び前記給電ピンが離隔されて前記プリント回路板に接続され、前記第一アンテナ負荷構造体と前記第一アンテナ給電構造体の部分的構造とが結合構造体を形成し、
前記第一アンテナ負荷構造体が前記第一フィルタに接続され、前記第一フィルタが前記プリント回路板に接続され、前記第一フィルタが低周波数電流を遮断するように構成されていて、
前記第二アンテナ給電構造体が第二給電ピンを有し、前記第二給電ピンが前記プリント回路板に接続され、
前記第一アンテナ給電構造体及び前記第二アンテナ給電構造体が前記中性化ワイヤによって接続され、前記第一アンテナ給電構造体及び前記第二アンテナ給電構造体が前記接地ピンを共有し、
前記第二アンテナ負荷構造体が前記第二フィルタに接続され、前記第二フィルタが前記プリント回路板に接続されている、アンテナ。
【請求項2】
前記第一アンテナ給電構造体が、低周波数信号の1/4波長の放射、又は高周波数信号の1/2波長の放射を行うように構成されている、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記プリント回路板が四辺形であり、前記四辺形が横辺及び縦辺を備える、請求項1又は2に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記接地ピン及び前記給電ピンが離隔されて前記プリント回路板に接続されることが、
前記接地ピン及び前記給電ピンが離隔されて前記プリント回路板の横辺に接続されることを備える、請求項3に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記第一フィルタが前記プリント回路板に接続されることが、
前記第一フィルタが前記プリント回路板の縦辺に接続されることを備える、請求項3又は4に記載のアンテナ。
【請求項6】
前記第一アンテナ給電構造体がL字型構造体であり、
前記L字型構造体が、前記プリント回路板の横辺に対向して配置された短ケーブルと、前記プリント回路板の縦辺に対向して配置された長ケーブルとを備える、請求項3から5のいずれか一項に記載のアンテナ。
【請求項7】
前記第一アンテナ負荷構造体が前記プリント回路板の縦辺に対向して配置されている、請求項3から6のいずれか一項に記載のアンテナ。
【請求項8】
前記第一アンテナ負荷構造体と前記第一アンテナ給電構造体の部分的構造とが結合構造体を形成することが、
前記第一アンテナ負荷構造体と前記第一アンテナ給電構造体の長ケーブルとが結合構造体を形成することを備える、請求項6又は7に記載のアンテナ。
【請求項9】
前記プリント回路板と、前記短ケーブルと、前記結合構造体とが等価ループアンテナを形成し、前記等価ループアンテナが高周波数信号の放射用に構成されている、請求項に記載のアンテナ。
【請求項10】
前記第一フィルタ及び前記第二フィルタが低周波数帯遮断フィルタである、請求項に記載のアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術の分野に係り、特にアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の発展により、端末デバイスは、リアルタイム通信を実現するように内蔵アンテナを用いて信号を送受信する。LTE(Long Term Evolution,ロング・ターム・エボリューション)の発展は、アンテナ帯域幅に対して益々高い要求を課していて、2G、3G、4G帯域の全てをカバーすることは、アンテナ設計に対する大きな課題となっている。
【0003】
モノポール、IFA、又はPIFA型の内蔵アンテナが、既存のアンテナデバイスにおいて広く使用されていて、内蔵アンテナ及びPCBが共に放射体を形成し、その放射体は、アンテナ性能を最適化するように信号を送受信するように構成される。
【0004】
本発明の実現過程において、本発明者は、従来技術が少なくとも以下の問題を有することに気付いた。
【0005】
従来技術では、モノポール、IFA又はPIFA型の内蔵アンテナがアンテナ性能を増強させることができるが、アンテナ帯域幅を更に拡張することができず、実際の使用要求に合致することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既存のアンテナ帯域幅の問題を解決するため、本発明の実施形態はアンテナを提供する。その技術的解決手段は以下のとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一態様によると、アンテナが提供され、
そのアンテナは、プリント回路板と、第一アンテナ給電構造体と、第一アンテナ負荷構造体と、第一フィルタとを含み、
第一アンテナ給電構造体が接地ピン及び給電ピンを有し、接地ピン及び給電ピンが離隔されてプリント回路板に接続され、第一アンテナ負荷構造体と第一アンテナ給電構造体の部分的構造とが結合構造体を形成し、
第一アンテナ負荷構造体が第一フィルタに接続され、第一フィルタがプリント回路板に接続され、第一アンテナが低周波数電流を遮断するように構成される。
【0008】
第一態様に関し、第一態様の想定される第一実施形態では、第一アンテナ給電構造体は、低周波数信号の1/4波長の放射、又は高周波数信号の1/2波長の放射を行うように構成される。
【0009】
第一態様又は第一態様の想定される第一実施形態に関し、第一態様の想定される第二実施形態では、プリント回路板は四辺形であり、四辺形は横辺及び縦辺を含む。
【0010】
第一態様の想定される第二実施形態に関し、第一態様の想定される第三実施形態では、接地ピン及び給電ピンが離隔されてプリント回路板に接続されることが、
接地ピン及び給電ピンが離隔されてプリント回路板の横辺に接続されることを含む。
【0011】
第一態様の想定される第二実施形態、又は第一態様の想定される第三実施形態に関し、第一態様の想定される第四実施形態では、第一フィルタがプリント回路板に接続されることが、
第一フィルタがプリント回路板の縦辺に接続されることを含む。
【0012】
第一態様の想定される第二実施形態、又は第一態様の想定される第四実施形態に関し、第一態様の想定される第五実施形態では、第一アンテナ給電構造体はL字型構造体であり、
そのL字型構造体は、プリント回路板の横辺に対向して配置された短ケーブルと、プリント回路板の縦辺に対向して配置された長ケーブルとを含む。
【0013】
第一態様の想定される第二実施形態から第一態様の想定される第五実施形態のいずれかの実施形態に関し、第一態様の想定される第六実施形態では、第一アンテナ負荷構造体はプリント回路板の縦辺に対向して配置される。
【0014】
第一態様の想定される第五実施形態又は第一態様の想定される第六実施形態に関し、第一態様の想定される第七実施形態では、第一アンテナ負荷構造体と第一アンテナ給電構造体の部分的構造とが結合構造体を形成することが、
第一アンテナ負荷構造体と第一アンテナ給電構造体の長ケーブルとが結合構造体を形成することを含む。
【0015】
第一態様の想定される第七実施形態に関し、第一態様の想定される第八実施形態では、プリント回路板と、短ケーブルと、結合構造体とが等価ループアンテナを形成し、その等価ループアンテナは高周波数信号の放射用に構成される。
【0016】
第一態様の第八実施形態までの第一態様のいずれかの実施形態に関し、第一態様の想定される第九実施形態では、
アンテナが、第二アンテナ給電構造体と、中性化ワイヤと、第二アンテナ負荷構造体と、第二フィルタとを更に含み、
第二アンテナ給電構造体が第二給電ピンを有し、第二給電ピンがプリント回路板に接続され、
第一アンテナ給電構造体及び第二アンテナ給電構造体が中性化ワイヤによって接続され、第一アンテナ給電構造体及び第二アンテナ給電構造体が接地ピンを共有し、
第二アンテナ負荷構造体が第二フィルタに接続され、第二フィルタがプリント回路板に接続される。
【0017】
第一態様の想定される第九実施形態に関し、第一態様の想定される第十実施形態では、第一フィルタ及び第二フィルタは低周波数帯遮断フィルタである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施形態によって提供される技術的解決手段によってもたらされる有利な効果は以下のとおりである。
【0019】
本発明の実施形態はアンテナを提供し、そのアンテナは、プリント回路板と、第一アンテナ給電構造体と、第一アンテナ負荷構造体と、第一フィルタとを含み、第一アンテナ給電構造体は接地ピン及び給電ピンを有し、接地ピン及び給電ピンが離隔されてプリント回路板に接続され、第一アンテナ負荷構造体と第一アンテナ給電構造体の部分的構造とが結合構造体を形成し、第一アンテナ負荷構造体が第一フィルタに接続され、第一フィルタがプリント回路板に接続され、第一フィルタが低周波数電流を遮断するように構成される。低周波数電流がフィルタを用いることによって遮断され、アンテナ負荷構造体に対する選択的フィルタリングを実現し、アンテナの動作帯域幅を拡張する。
【0020】
本発明の実施形態の技術的解決手段をより明確に説明するため、以下、本発明の実施形態を説明するために必要な添付図面について概説する。以下の説明における添付図面は、本発明のいくつかの実施形態を単に示すものであることは明らかであり、当業者は、これらの添付図面から創造的労力なく他の図面を導出し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態1に係るアンテナの構造図である。
図2】本発明の実施形態2に係るアンテナの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の課題、技術的解決手段、利点をより明確にするため、以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を更に詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態1に係るアンテナの構造図である。図1を参照すると、本アンテナは、少なくとも、
プリント回路板11と、第一アンテナ給電構造体12と、第一アンテナ負荷構造体13と、第一フィルタ14とを有し、
第一アンテナ給電構造体12は、接地ピン121及び給電ピン122を有し、接地ピン121及び給電ピン122は離隔されてプリント回路板11に接続され、第一アンテナ負荷構造体13と第一アンテナ負荷給電構造体12の部分的構造との電流が、結合構造を形成し、
第一アンテナ負荷構造体13が第一フィルタ14に接続され、第一フィルタ14がプリント回路板11に接続され、第一フィルタ14が、低周波数電流を遮断するように構成される。
【0024】
プリント回路板11は、アンテナに必要とされる電子部品に接続するように構成される。
【0025】
第一アンテナ給電構造12は、高周波数電流及び低周波数電流を伝えて、低周波数及び高周波数の動作モードを実現するように構成される。接地ピン121は、第一アンテナ給電構造体12の接地を実現するように構成される。給電ピン122は、第一アンテナ給電構造体12をプリント回路板11に接続して、回路接続を実現して、完全なループを形成するように構成される。
【0026】
第一アンテナ給電構造体12によって負荷が掛けられる高周波数帯域幅は実際の要求に合致することができないので、第一負荷構造体13が、高周波数帯域幅を拡張するように構成される。第一アンテナ給電構造体12及び第一アンテナ負荷構造体13を結合させることによって、一方では、高周波数電流結合が高周波数帯域幅を拡張し、他方では、低周波数電流結合が、低周波数帯域幅を減衰させる。
【0027】
第一アンテナ給電構造体12が第一アンテナ負荷構造体13に結合される際の低周波数帯域幅の減衰を軽減するため、低周波数電流が、第一アンテナ負荷構造体13上の第一フィルタ14によって行われる選択的フィルタリングによって遮断される。そして、第一アンテナ給電構造体12が第一アンテナ負荷構造体13に結合される際、低周波数帯域幅に影響を与えずに、高周波数帯域幅の拡張を実現することができる。
【0028】
本発明の実施形態はアンテナを提供し、そのアンテナは、プリント回路板と、第一アンテナ給電構造体と、第一アンテナ負荷構造体と、第一フィルタとを含み、第一アンテナ給電構造体は接地ピン及び給電ピンを有し、接地ピン及び給電ピンは離隔されてプリント回路板に接続され、第一アンテナ負荷構造体と第一アンテナ給電構造体の部分的構造とが結合構造体を形成し、第一アンテナ負荷構造体が第一フィルタに接続され、第一フィルタがプリント回路板に接続され、第一フィルタが、低周波数電流を遮断するように構成される。低周波数電流はフィルタを用いることによって遮断され、アンテナ負荷構造体に対する選択的フィルタリングを実現し、アンテナの動作帯域幅を拡張する。
【0029】
図2は、本発明の実施形態2に係るアンテナの構造図である。図2を参照すると、本アンテナは、MIMO(multiple‐input multiple‐output,多重入力多重出力)モードに対応していて、本アンテナは、
プリント回路板11と、第一アンテナ給電構造体12と、第一アンテナ負荷構造体13と、第一フィルタ14とを含み、
第一アンテナ給電構造体12が接地ピン121及び給電ピン122を有し、接地ピン121及び給電ピン122が離隔されてプリント回路板11に接続され、第一アンテナ負荷構造体13と第一アンテナ給電構造体12の部分的構造とが結合構造体を形成し、
第一アンテナ負荷構造体13が第一フィルタ14に接続され、第一フィルタ14がプリント回路板11に接続され、第一フィルタ14が低周波数電流を遮断するように構成される。
【0030】
第一アンテナ負荷構造体13形状は棒状であり、第一アンテナ負荷構造体13の材料は銅材料であり得て、また、他の金属の合金材料でもあり得る。
【0031】
第一アンテナ給電構造体12は、低周波数信号の1/4波長の放射、又は高周波数信号の1/2波長の放射を実現するように構成される。
【0032】
プリント回路板11は四辺形であり、その四辺形は横辺と縦辺とを含む。
【0033】
接地ピン121及び給電ピン122が離隔されてプリント回路板11に接続されるということは、
接地ピン121及び給電ピン122が離隔されてプリント回路板の横辺に接続される場合を含む。
【0034】
第一フィルタ14がプリント回路板11に接続されるということは、
第一フィルタ14がプリント回路板の縦辺に接続される場合を含む。
【0035】
第一アンテナ給電構造体12はL字型構造体であり、そのL字型構造体は、
プリント回路板11の横辺に対向して配置された短ケーブルと、プリント回路板11の縦辺に対向して配置された長ケーブルとを含む。
【0036】
第一アンテナ負荷構造体13は、プリント回路板11の縦辺に対向して配置される。
【0037】
第一アンテナ負荷構造体13と第一アンテナ給電構造体12の部分的構造とが結合構造体を形成するということは、
第一アンテナ負荷構造体13と第一アンテナ給電構造体12の長ケーブルとが結合構造体を形成する場合を含む。
【0038】
プリント回路板11と、短ケーブルと、結合構造体とは等価ループアンテナを形成し、その等価ループアンテナは、高周波数信号の放射用に構成される。
【0039】
L字型第一アンテナ給電構造体12の二辺は互いに垂直であり、それぞれプリント回路板11の横辺、縦辺に平行である。プリント回路板11の横辺に平行なL字型第一アンテナ給電構造体12の辺は、短ケーブルであり、その短ケーブルは、接地ピン121及び給電ピン122によって、プリント回路板11の横辺に接続される。プリント回路板11の縦辺に平行なL字型第一アンテナ給電構造体12の辺は、長ケーブルである。L字型第一アンテナ給電構造体12は銅材料であり得て、また他の金属の合金材料でもあり得る。
【0040】
本アンテナは、更に、
第二アンテナ給電構造体15と、中性化ワイヤ16と、第二アンテナ負荷構造体17と、第二フィルタ18とを含み得て、
第二アンテナ給電構造体15は第二給電ピン151を有し、その第二給電ピン151はプリント回路板11に接続され、
第一アンテナ給電構造体12及び第二アンテナ給電構造体15は、中性化ワイヤ16によって接続され、第一アンテナ給電構造体12及び第二アンテナ給電構造体15が接地ピン121を共有し、
第二アンテナ負荷構造体17は第二フィルタ18に接続され、第二フィルタ18はプリント回路板11に接続される。
【0041】
第一フィルタ14及び第二フィルタ18は低周波数帯遮断フィルタである。
【0042】
第一アンテナ給電構造体12及び第二アンテナ給電構造体15は、異なる辺で平行なケーブル、同じ辺で平行な(ただし、接続されていない)ケーブル、接地を共有せずに同じ辺で平行なケーブル、又は、接地を共有する(中性化ワイヤ16を用いて接続される)同じ辺のケーブルであり得る。好ましくは、第一アンテナ給電構造体12及び第二アンテナ給電構造体15は、接地を共有する(中性化ワイヤ16を用いて接続される)同じ辺のケーブルである。接地を共有する同じ辺のケーブルを用いて形成される共鳴構造は、MIMOモードアンテナの低周波数分離の問題を効果的に解決することができる。
【0043】
中性化ワイヤ16は、第一アンテナ給電構造体12及び第二アンテナ給電構造体15が接地を共有して、高分離MIMOアンテナ設計を達成することを可能にする。
【0044】
第一アンテナ負荷構造体13及び第二アンテナ負荷構造体17は、アンテナの低周波数性能における劣化を生じさせ得る。第一フィルタ14及び第二フィルタ18が低周波数帯遮断フィルタである場合、低周波数電流が遮断され、低周波数に対する第一アンテナ負荷構造体13及び第二アンテナ負荷構造体17の影響が大幅に低下することによって、アンテナ動作周波数の拡張を実現する。
【0045】
MIMOモードアンテナが、プリント回路板11と、第一アンテナ給電構造体12と、第一アンテナ負荷構造体13と、第一フィルタ14と、第二アンテナ給電構造体15と、中性化ワイヤ16と、第二アンテナ負荷構造体17と、第二フィルタ18とによって形成され、そのMIMOモードアンテナは多重モード放射機能を有する。第一に、低周波数1/4波長放射モード及び高周波数1/2波長放射モードが、L字型第一アンテナ給電構造体12によって形成される。第二に、等価ループアンテナが、プリント回路板11と、短ケーブルと、結合構造体とによって形成され、より高周波数の信号負荷用の放射モードを実現することによって、アンテナ動作周波数の拡張を実現する。
【0046】
本発明の実施形態はアンテナを提供し、そのアンテナは、プリント回路板と、第一アンテナ給電構造体と、第一アンテナ負荷構造体と、第一フィルタとを含み、第一アンテナ給電構造体は接地ピン及び給電ピンを有し、接地ピン及び給電ピンは離隔されてプリント回路板に接続され、第一アンテナ負荷構造体と第一アンテナ給電構造体の部分的構造とが結合構造体を形成し、第一アンテナ負荷構造体が第一フィルタに接続され、第一フィルタがプリント回路板に接続され、第一フィルタが低周波数電流を遮断するように構成される。低周波数電流がフィルタを用いて遮断され、アンテナ負荷構造体に対する選択的フィルタリングを実現し、アンテナの動作帯域幅を拡張し、L字型第一アンテナ給電構造体及び第二アンテナ給電構造体が、共通接地での同じ辺のケーブルを用いることによって、低周波数分離の問題を効果的に解決する。
【0047】
当業者は、実施形態の全て又は一部のステップがハードウェアによって、又は関連するハードウェアに命令するプログラムによって実施され得ることを理解されたい。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。記憶媒体は、リードオンリーメモリ、磁気ディスク、又は光ディスクであり得る。
【0048】
以上の説明は、本発明の例示的な実施形態に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明の精神及び原理から逸脱せずになされる修正、等価な置換及び改良は本発明の範囲内にあるものである。
【符号の説明】
【0049】
11 プリント回路板
12 第一アンテナ給電構造体
121 接地ピン
122 給電ピン
13 第一アンテナ負荷構造体
14 第一フィルタ
15 第二アンテナ給電構造体
151 第二給電ピン
16 中性化ワイヤ
17 第二アンテナ負荷構造体
18 第二フィルタ
図1
図2