(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5961870
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】ローパスフィルタ付アダプタ又はローパスフィルタ付スピーカアンプ
(51)【国際特許分類】
H03F 3/217 20060101AFI20160719BHJP
H03F 3/181 20060101ALI20160719BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
H03F3/217
H03F3/181 Z
H04R3/00 310
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-193191(P2012-193191)
(22)【出願日】2012年9月3日
(65)【公開番号】特開2014-50021(P2014-50021A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】593079944
【氏名又は名称】株式会社ビートソニック
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 勉
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 潤二
【審査官】
緒方 寿彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−277970(JP,A)
【文献】
特開2009−111663(JP,A)
【文献】
実開昭60−066193(JP,U)
【文献】
特開2009−232346(JP,A)
【文献】
特開2006−211056(JP,A)
【文献】
特開2008−35027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 1/00− 3/45、3/50− 3/52、
3/62− 3/64、3/68− 3/72
H04R 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローパスフィルタレスD級アンプとスピーカアンプとを接続するアダプタであって、
当該アダプタは、コイルとコンデンサとからなるローパスフィルタ部を有し、
前記ローパスフィルタレスD級アンプから出力されたパルス信号について、前記ローパスフィルタ部が、前記パルス信号をアナログ音声信号に復調すると共に、前記ローパスフィルタ部が前記アナログ音声信号に係るアナログ音声信号波の可聴周波帯域よりも高い高周波帯域を減衰するようにしたことを特徴とするローパスフィルタ付アダプタ。
【請求項2】
ローパスフィルタレスD級アンプと接続されるスピーカアンプであって、
当該スピーカアンプは、コイルとコンデンサとからなるローパスフィルタ部と、及びアナログ音声信号を増幅するアンプ部とを有し、
前記ローパスフィルタレスD級アンプから出力されたパルス信号について、前記ローパスフィルタ部が、前記パルス信号をアナログ音声信号に復調すると共に、前記ローパスフィルタ部が、前記アナログ音声信号に係るアナログ音声信号波の可聴周波帯域よりも高い高周波帯域を減衰して、
前記アンプ部が、高周波帯域が減衰された前記アナログ音声信号を増幅するようにしたことを特徴とするローパスフィルタ付スピーカアンプ。
【請求項3】
前記ローパスフィルタ部が減衰する高周波帯域は、20kHz以上であることを特徴とする請求項1に記載のローパスフィルタ付アダプタ若しくは請求項2に記載のローパスフィルタ付スピーカアンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローパスフィルタを有するアダプタ又はスピーカアンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入力された音声信号を増幅する音響機器用のアンプの一類型として、デジタルアンプ(以下「D級アンプ」という)が知られている。
D級アンプは、入力されたアナログ音声信号、又は当該アナログ音声信号をサンプリングしたパルス信号に対してパルス幅変調をかけたパルス信号波を形成し、当該パルス信号波を増幅する処理をした後、パルス信号波に基づくパルス信号をアナログ音声信号に復調する処理をしている。当該復調処理のため、D級アンプは、コイル及びコンデンサからなるローパスフィルタ部を有している。パルス信号をアナログ音声信号へ復調するローパスフィルタ部はまた、アナログ音声信号に係るアナログ音声信号波の所定の周波数より低い成分を通過させ、当該所定周波数より高い成分を減衰する機能を有している。これによって、ローパスフィルタ部は、パルス信号をアナログ音声信号に復調すると共に、アナログ音声信号に含まれている高周波ノイズを除去することができる。
しかし、ローパスフィルタ部を有するD級アンプは、当該ローパスフィルタ部を構成するコイルやコンデンサの組み合わせや性能に依存するため、装置が大型化すると共に高価になりがちであった。
【0003】
そこで、上記のD級アンプからローパスフィルタ部を外したローパスフィルタレスD級アンプが知られている。
当該ローパスフィルタレスD級アンプは、当該ローパスフィルタレスD級アンプに接続するスピーカの自己インダクタンスをローパスフィルタとして利用している。これにより、D級アンプからコイルを省くことができるので、ローパスフィルタレスD級アンプは小型化することができる。
図3は、携帯型音声再生装置1が有するローパスフィルタレスD級アンプ2を示したものである。当該携帯型音声再生装置1は、主としてヘッドホン若しくはイヤホン(以下「ヘッドホン等」という)が接続され、ローパスフィルタレスD級アンプ2はヘッドホンアンプとして用いられている。
ここで携帯型音声再生装置1とは、スマートフォン又はこれに類する携帯電話のようなモバイル機器、ポータブル音楽再生機器、或いはポータブルナビゲーション装置等であって、磁気テープ又はCD、或いはフラッシュメモリ等の記録媒体に記録した音声ファイルを再生可能な装置をいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】引用なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の携帯型音声再生装置のうち、たとえば、スマートフォン又はポータブルナビゲーション装置は、ナビゲーション機能を利用するために車載オーディオシステムに組み込まれて利用される場合がある。また、たとえば、携帯型音声再生装置は、音楽等を再生するとき、ヘッドホン等以外のスピーカを接続して利用される場合がある。
上記のいずれの場合も、携帯型音声再生装置は、車載オーディオシステムが有するアンプ或いはスピーカアンプといったアンプ等へUSBコネクタ或いは専用コネクタを用いて接続される。このとき、ローパスフィルタレスD級アンプを有する携帯型音声再生装置は、記録されているそのままのデジタル信号か、又はパルス幅変調されていないアナログ音声信号を上記のアンプ等に送信する。これらの信号を受信したアンプ等は、当該信号がUSBコネクタ或いは専用コネクタを介して入力されたとき、デジタル信号の場合はアナログ音声信号へデコードしてから、またアナログ音声信号はそのまま増幅する回路又は装置等が別途形成されていることが多い。
しかし、USBコネクタ或いは専用コネクタを備えた専用ケーブルは、汎用性に乏しく高価になりがちである。また、当該専用ケーブルは、無くしたり或いは破損したりした場合に再度入手することが困難になるおそれがある。さらに、携帯型音声再生装置は、上記のアンプ等にUSBコネクタ或いは対応する専用コネクタが装備されていない場合、当該アンプ等へ接続することができない。
そこで手軽に利用することを目的として、携帯型音声再生装置1は、
図4に示すように、汎用イヤホンが接続可能な音声出力端子に対応する市販のピンジャックケーブル3を利用して、たとえばスピーカ4に接続する場合がある。スピーカ4はその前段にスピーカアンプ5を有し、スピーカアンプ5に設けた入力端子6と、携帯型音声再生装置1の出力端子2aとがピンジャックケーブル3を介して接続されている。
【0006】
この場合において、携帯型音声再生装置1のローパスフィルタレスD級アンプから出力されたパルス信号は、そのままスピーカアンプ5に入力される。そのため、スピーカアンプ5ではアナログ音声信号ではなくパルス信号を増幅することになる。ここで、通常のスピーカアンプ5は、正弦波形状からなるアナログ信号波を増幅するように最適化されているものであって、矩形波形状からなるパルス信号波を増幅することは想定していない。そのため、パルス信号を増幅したとき、当該パルス信号に係るパルス信号波の高周波帯域もそのまま増幅され、パルス信号波の可聴帯域に対してノイズとして混入するおそれがある。さらに、携帯型音声再生装置1のローパスフィルタレスD級アンプからスピーカ4に向かってパルス信号が伝送する伝送路上には、様々な外乱によってノイズが混入する場合がある。
そして、大きく増幅された高周波帯域と外乱によるノイズ成分のうち高周波ノイズとが重なり合って、携帯型音声再生装置1から出力される音声に高周波帯域のノイズが混入して出力される場合がある。これにより、ノイズの混じった音声は、ユーザーに不快感を与え、また、スピーカ4の故障の原因となるおそれがある。
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、ローパスフィルタレスD級アンプから出力されたパルス信号を汎用性の高いアナログ音声信号へ復調し、当該アナログ音声信号への高周波ノイズの混入を防止することができるローパスフィルタ付アダプタ及びローパスフィルタ付スピーカアンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のローパスフィルタ付アダプタは、ローパスフィルタレスD級アンプとスピーカアンプとを接続するアダプタであって、
当該アダプタは、コイルとコンデンサとからなるローパスフィルタ部を有し、
前記ローパスフィルタレスD級アンプから出力されたパルス信号について、前記ローパスフィルタ部が、前記パルス信号をアナログ音声信号に復調すると共に、前記ローパスフィルタ部が前記アナログ音声信号に係るアナログ音声信号波の可聴周波帯域よりも高い高周波帯域を減衰するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載のローパスフィルタ付スピーカアンプは、ローパスフィルタレスD級アンプと接続されるスピーカアンプであって、
当該スピーカアンプは、コイルとコンデンサとからなるローパスフィルタ部と、及びアナログ音声信号を増幅するアンプ部とを有し、
前記ローパスフィルタレスD級アンプから出力されたパルス信号について、前記ローパスフィルタ部が、前記パルス信号をアナログ音声信号に復調すると共に、前記ローパスフィルタ部が、前記アナログ音声信号に係るアナログ音声信号波の可聴周波帯域よりも高い高周波帯域を減衰して、
前記アンプ部が、高周波帯域が減衰された前記アナログ音声信号を増幅するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載のローパスフィルタ付アダプタ若しくはローパスフィルタ付スピーカアンプは、請求項1若しくは請求項2に記載の発明において、前記ローパスフィルタ部が減衰する高周波帯域は、20kHz以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載のローパスフィルタ付アダプタによれば、当該アダプタに設けたローパスフィルタ部が、ローパスフィルタレスD級アンプから出力されたパルス信号をアナログ音声信号に復調するようにした。そして、当該ローパスフィルタ部はまた、アナログ音声信号に係るアナログ音声信号波の可聴周波帯域よりも高い高周波帯域を減衰するようにした。
これにより、ローパスフィルタレスD級アンプからスピーカアンプに向かって伝送するパルス信号は、ローパスフィルタ付アダプタからスピーカアンプに至る部分についてはアナログ音声信号に復調され、当該アナログ音声信号に係るアナログ音声信号波の可聴周波帯域よりも高い高周波帯域部分が減衰される。
その結果、復調したアナログ音声信号への高周波ノイズの混入を防止することができるので、スピーカアンプ或いはパワーアンプ等の増幅回路で増幅されるアナログ音声信号に基づく音声は、高周波ノイズの無い音声とすることができる。
【0012】
請求項2に記載のローパスフィルタ付スピーカアンプによれば、アンプ部の前段に設けたローパスフィルタ部が、ローパスフィルタレスD級アンプから出力されたパルス信号をアナログ音声信号に復調するようにした。そして、当該ローパスフィルタ部はまた、アナログ音声信号に係るアナログ音声信号波の可聴周波帯域よりも高い高周波帯域を減衰するようにした。
これにより、ローパスフィルタレスD級アンプからローパスフィルタ付スピーカアンプに入力されたパルス信号は、まず、ローパスフィルタ部で当該スピーカアンプ内でアナログ音声信号に復調され、当該アナログ音声信号に係るアナログ音声信号波の可聴周波帯域よりも高い高周波帯域部分が減衰される。そしてアンプ部は高周波帯域が減衰されたアナログ音声信号波の可聴周波帯域を増幅することができる。
その結果、復調したアナログ音声信号への高周波ノイズの混入を防止することができるので、アンプ部で増幅されるアナログ音声信号に基づく音声は、高周波ノイズの無い音声とすることができる。
【0013】
請求項3に記載のローパスフィルタ付アダプタ若しくはローパスフィルタ付スピーカアンプによれば、ローパスフィルタが減衰する高周波帯域を20kHz以上の高周波とした。一般的な人の可聴周波帯域の上限は15kHz〜20kHzとされていることから、これにより、当該高周波以上の帯域を減衰して、アナログ音声信号に重畳される可聴域外の高周波ノイズを除去することができる。
そのため、増幅されるアナログ音声信号に基づく音声は、高周波ノイズの無い音声とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施例に係るローパスフィルタ付アダプタの構成の概略を示す説明図である。
【
図2】第2実施例に係るローパスフィルタ付スピーカアンプの構成の概略を示す説明図である。
【
図3】従来のローパスフィルタレスD級アンプの使用例を示す説明図である。
【
図4】従来のローパスフィルタレスD級アンプの使用例を示す説明図である。
【実施例1】
【0015】
本発明に係るローパスフィルタ付アダプタの実施例を添付した図面にしたがって説明する。
図1は、本実施例に係るローパスフィルタ付アダプタの構成の概略を示す説明図である。
【0016】
本実施例に係るローパスフィルタ付アダプタ10は、
図1に示すように、アダプタ装置本体11に内蔵されたローパスフィルタ部12と、当該アダプタ装置本体11に設けられた入力端子13及び出力端子14とからなる。
入力端子13は、ローパスフィルタレスD級アンプ2に設けた出力端子2aと、ピンジャックケーブル3で接続されている。また、出力端子14は、スピーカ4の前段に設けたスピーカアンプ5の入力端子6と、ピンジャックケーブル7で接続されている。
【0017】
ローパスフィルタ部12は、コイル12a、コンデンサ12b、抵抗器12cを有するLC共振回路からなり、入力されたパルス信号をアナログ音声信号に復調して出力すると共に、当該アナログ音声信号に係るアナログ音声信号波の所定の周波帯域以上の高周波帯域を減衰するように形成されている。所定の周波帯域と減衰する高周波帯域との閾値となる所定の周波数は、以下、遮断周波数という。
なお、本実施例において、LC共振回路の安定を図るために、当該LC共振回路と並列になるように抵抗器12dが配されているが、これに限定されるものではなく、他のデバイスを用いても良い。
ここで、一般的な人が聴きとることができる可聴周波帯域は、20Hz〜15kHz乃至20kHzとされている。この可聴周波帯域の上限よりも高い15kHz乃至20kHz以上の超音波を減衰するようにローパスフィルタ部12のコイル12a及びコンデンサ12bは選択可能である。
本実施例において、コイル12aは20〜100μH、特に47μH程度のものが好ましい。また、コンデンサ12bは0.1〜1μF、特に0.22μF程度のものが好ましい。さらに、LC共振回路に対し直列に配されている抵抗器12cは1〜100kΩ、並列に配されている抵抗器12dは1kΩ以上のものである。
したがって、ローパスフィルタ部12の遮断周波数は10〜40kHz、特に好ましくは20kHzとなる。
これにより、アナログ音声信号波の遮断周波数以上の高周波帯域は、ローパスフィルタ部12によって減衰される。すなわち、ローパスフィルタレスD級アンプ2からスピーカ4に向かって伝送するパルス信号は、ローパスフィルタ部12でアナログ音声信号に復調される。そして、復調されたアナログ音声信号は、当該アナログ音声信号に係るアナログ音声信号波の高周波帯域がローパスフィルタ部12で減衰されて出力される。
したがって、ローパスフィルタ付アダプタ10からスピーカ4に至る部分について、アナログ音声信号波は高周波帯域が抑えられて伝送する。そして、アナログ音声信号がスピーカアンプ5に至ったとき、高周波帯域が減衰されたアナログ音声信号波の可聴帯域が増幅されるので、スピーカ4は高周波ノイズの無いアナログ音声信号に基づく音声を出力することができる。
なお、ローパスフィルタレスD級アンプ2の出力特性、又はスピーカアンプ5の周波数特性に応じて、遮断周波数を任意の周波数へ自在に調整することができるようにしても良い。
【0018】
上記のように構成されたローパスフィルタ付アダプタ10は以下のように使用される。
ローパスフィルタ付アダプタ10は、携帯型音声再生装置1のローパスフィルタレスD級アンプ2と、スピーカ4との間に配され、それぞれピンジャックケーブル3,7で接続されている。
なお、携帯型音声再生装置1は、たとえばポータブルナビゲーション装置、スマートフォン、或いはタブレット型端末装置である。また、スピーカ4及びスピーカアンプ5は、たとえば車載オーディオシステムを構成するものである。
ローパスフィルタレスD級アンプ2から出力されたパルス信号は、ローパスフィルタ付アダプタ10へ入力される。
当該パルス信号がローパスフィルタ部12を通過すると、当該パルス信号はアナログ音声信号に復調される。復調されたアナログ音声信号に係るアナログ音声信号波は、ローパスフィルタ部12で遮断周波数よりも高い高周波帯域が減衰され、遮断周波数以下の、いわゆる可聴周波帯域はそのまま出力される。これにより、高周波帯域が減衰されたアナログ音声信号は、ローパスフィルタ付アダプタ10の出力端子14からピンジャックケーブル7へ出力される。
そして、高周波帯域が減衰されたアナログ音声信号はピンジャックケーブル7をスピーカ4に向かって伝送し、当該アナログ音声信号はスピーカアンプ5で増幅されて出力される。
【0019】
本実施例に係るローパスフィルタ付アダプタ10によれば、ローパスフィルタレスD級アンプ2を有する機器、たとえばモバイル機器、ポータブル音楽再生装置、或いはポータブルナビゲーション装置又はこれらに類する携帯型音声再生装置1と、一般的なパワーアンプ、スピーカアンプ、或いは車載アンプとを接続する場合、ローパスフィルタレスD級アンプから出力されるパルス信号をアナログ音声信号に復調することができる。そして、復調したアナログ音声信号に係るアナログ音声信号波の高周波帯域を減衰することができる。
これにより、ローパスフィルタ付アダプタ10とスピーカアンプ5とをつなぐピンジャックケーブル7では、高周波帯域を減衰したアナログ音声信号を伝送させることができる。そして、スピーカアンプ5は、高周波帯域が可聴周波帯域と比べて極めて小さく減衰されたアナログ信号を増幅する。当該アナログ信号は、従来のアナログ音声信号と同様に取り扱うことができるので、ノイズ除去対策、換言すればパルス信号の入力に対して対策をしていないアンプを普段通りに使用することができ、アンプ選択の幅を広げることができる。そのため、ユーザーは好みのアンプを使用することができる。
【実施例2】
【0020】
次に、本発明に係るローパスフィルタ付スピーカアンプの実施例を添付した図面にしたがって説明する。
図2は、本実施例に係るローパスフィルタ付スピーカアンプの構成の概略を示す説明図である。
【0021】
本実施例に係るローパスフィルタ付スピーカアンプ20は、
図2に示すように、ローパスフィルタ部22及びアンプ部23を有するスピーカアンプ本体21と、当該スピーカアンプ本体21に設けられた入力端子24、及びスピーカアンプ本体21の近傍に配されたスピーカ部25とからなる。
【0022】
ローパスフィルタ部22は、第1実施例と同様の構成であるので説明を省略する。
アンプ部23は、ローパスフィルタ部22から出力されるアナログ音声信号が入力される信号入力部23aと、入力されたアナログ音声信号が増幅される増幅部23bと、増幅されたアナログ音声信号が出力される信号出力部23cとからなる。
スピーカ部25は、信号出力部23cから出力されたアナログ音声信号を出力するように形成されている。
ローパスフィルタ部22及びアンプ部23は、好ましくは同一の基板上に配された各回路によって形成されている。
この場合、ローパスフィルタ部22のコイル12a、コンデンサ12bが他の回路に与えるインダクタンス等の影響を防ぐため、本実施例においては、コイル12aは5〜20mH、特に10mH程度のものが好ましい。また、コンデンサ12bは1000〜3000pF、特に1500pF程度のものが好ましい。さらに、LC共振回路に対し直列に配されている抵抗器12cは1〜10kΩ、並列に配されている抵抗器12dは1kΩ以上のものである。
これにより、ローパスフィルタ部12の遮断周波数は10〜40kHz、特に好ましくは20kHzとなる。
【0023】
上記のように構成されたローパスフィルタ付スピーカアンプ20は以下のように使用される。
携帯型音声再生装置1のローパスフィルタレスD級アンプ2と、ローパスフィルタ付スピーカアンプ20をピンジャックケーブル3で接続する。
ローパスフィルタレスD級アンプ2から出力されたパルス信号は、ローパスフィルタ付スピーカアンプ20へ入力される。
当該パルス信号がローパスフィルタ部22を通過すると、当該パルス信号はアナログ音声信号へ復調され、当該アナログ音声信号に係るアナログ音声信号波は、遮断周波数よりも高い高周波帯域が減衰され、遮断周波数以下の、いわゆる可聴周波帯域はそのまま出力される。そして、高周波帯域が減衰されたアナログ音声信号波に基づくアナログ音声信号は、ローパスフィルタ部22からアンプ部23へ出力され、アンプ部23で増幅される。増幅されたアナログ音声信号は、スピーカ部25から出力される。
【0024】
本実施例に係るローパスフィルタ付スピーカアンプ20によれば、ローパスフィルタレスD級アンプを有する機器、たとえば携帯型音声再生装置1と直接接続することができる。
このとき、本実施例におけるピンジャックケーブル3に相当するパルス信号は、ローパスフィルタ付スピーカアンプ20内でアナログ音声信号に復調されると共に、当該アナログ音声信号に係るアナログ音声信号波の高周波帯域が減衰される。すなわち、ローパスフィルタ付スピーカ20内のローパスフィルタ部22で、回路上を伝送するパルス信号をアナログ音声信号に復調し、当該アナログ音声信号に係るアナログ音声信号波の高周波帯域部分を減衰して、遮断周波数以下の可聴周波帯域を取り出したアナログ音声信号を出力することができる。そして、当該アナログ音声信号は、アンプ部23で増幅される。
したがって、アンプ部23で増幅されるアナログ音声信号の高周波帯域は、可聴周波帯域と比べて極めて小さく、たとえ増幅されても可聴周波帯域からなるアナログ音声信号に基づく音声に対してはノイズの影響を及ぼさないようにすることができる。
これにより、ユーザーは、高周波ノイズ除去対策をしているか否かについて気にすることなく携帯型音声再生装置1をローパスフィルタ付スピーカアンプ20に接続して使用することができる。
【0025】
上記の実施例に係るローパスフィルタ付アダプタ10、或いはローパスフィルタ付スピーカアンプ20によれば、ローパスフィルタレスD級アンプ2から出力されたパルス信号の伝送路上に、何らかの外乱等によって高周波ノイズがパルス信号に重畳された場合であっても、スピーカアンプ5或いはアンプ部23へ入力される前に、パルス信号をアナログ音声信号に復調し、当該アナログ音声信号に係るアナログ音声信号波の可聴周波帯域外の高周波帯域をローパスフィルタ部12,22で減衰するようにした。
これにより、可聴周波帯域に対して相対的に高周波帯域はその入力を小さくすることができるので、結果として混入した高周波ノイズを除去することと同等の効果を得ることができる。そのため、高周波ノイズが除去されたアナログ音声信号に基づく音声を再生することができる。
また、ローパスフィルタレスD級アンプ2から出力されたパルス信号をローパスフィルタ部12,22でアナログ音声信号に復調して出力するようにした。これにより、ローパスフィルタ部12,22からスピーカに至る各デバイスでは、アナログ音声信号によって増幅等の処理を行うことができる。
これにより、従来のアンプ等を使用することができるので、新たに専用機器を購入する必要がなくなるので、コストを抑えることができる。
【0026】
なお、本実施例に係るローパスフィルタ部12,22は、コイル12aとコンデンサ12bを有するLC回路によるものであるが、これに限定されるものではなく、コンデンサと抵抗器からなるローパスフィルタとしても良く、また、これ等にオペアンプを用いてアクティブローパスフィルタとしても良い。
【符号の説明】
【0027】
10…ローパスフィルタ付アダプタ、11…アダプタ装置本体、12…ローパスフィルタ部12a…コイル、12b…コンデンサ、12c,12d…抵抗器、13…入力端子、14…出力端子、
20…ローパスフィルタ付スピーカアンプ、21…スピーカアンプ本体、22…ローパスフィルタ、23…アンプ部、23a…信号入力部、23b…増幅部、23c…信号出力部、24…入力端子、25…スピーカ部、
1…携帯型音声再生装置、2…ローパスフィルタレスD級アンプ、2a…アンプ出力端子、3,7…ピンジャックケーブル、4…スピーカ、5…スピーカアンプ、6…スピーカアンプ入力端子。