【実施例】
【0019】
図1は、本発明の実施例に係る電気接続箱1の分解斜視図を上図(a)に示し、上図のA−A線断面図を下図(b)に示した図である。
図2は、
図1に示した電気接続箱1の斜視図である。
なお、
図2は、アッパーカバー30を透視してその内部が見えるように図示している。
図3は、
図2に示したサイドカバー40周辺を下方から視た図である。
図4は、ロアカバー50を斜め下方から視た図である。
図5は、ロアカバー50を上部開口側から視た図である。
図6は、突出排出部90周辺を斜め下方から視た斜視図である、
図7は、排水口53をロアカバー50の内部斜め上方から視た排水口53周辺の要部断面図である。
図8は、
図1に示した球面覆い壁部70の球面70aによって排水口53に水が跳ね返されることを説明するための図である。
なお、
図8中矢印Dは球面覆い壁部70の球面によって跳ね返される水の方向を示すものである。
本発明の実施例に係る電気接続箱1は、コネクタ、リレー、ヒューズ等の電気部品11aが内部に収容される箱本体20と、箱本体20の上部を覆うカバーであるアッパーカバー30と、電気接続部材12の接続部12aが収容される箱側溝10bを塞ぐように箱本体20に取り付けされるサイドカバー40と、を有してなる。
【0020】
まず、箱本体20について説明する。
箱本体20は、絶縁性の合成樹脂からなり、フレーム部10と、ロアカバー50と、を有してなる。
ロアカバー50は、フレーム部の下部を覆うカバーであり、箱本体20の底面51aを形成する部分である。
フレーム部10は、筒状の外壁によって外郭が形成されてなり、電気部品11aが装着されたブロック状のカセットブロック11が内部に区画されて収容されるように仕切り壁10aが設けられている。
【0021】
また、フレーム部10は、上端から下端まで直線状に延びるように箱外面に形成されてなる箱側溝部10bを有し、箱側溝部10b内に電気接続部材12の接続部12aが収容されるようになっている。
【0022】
電気接続部材12は、
図1に示すように、端子付きの電線であり、接続部12aとしての端子が箱側溝部10b内に収容され、一端が電気接続箱1内にカセットブロック11とともに取り付けられた電気部品11aに接続され、他端がロアカバー50の溝部54から導出され、不図示の外部電源に接続されるようになっている。
なお、電気接続部材12として、端子付き電線を例示したが、これに限らず、電気接続箱1内の電気部品11aを外部電源に電気的に接続させるものであれば、その他のものであっても構わない。
このような箱側溝部10bには、サイドカバー40が箱側溝部10bの上端から下端に向けてスライド移動されて取り付けられるようになっている。
【0023】
次に、アッパーカバー30について説明する。
アッパーカバー30は、下面が開口された箱形形状をなし、
図2に示すように、下端縁部がフレーム部10の上端縁部にかぶさるようにして箱本体20に組み付けられるようになっている。
【0024】
次に、サイドカバー40について説明する。
サイドカバー40は、
図1−
図3に示すように、本体部となる板状の板状基部41に電気接続部材12を固定するための電気接続部材固定部42(
図3参照)を有してなる。
【0025】
電気接続固定部42は、板状基部41の箱本体20への取り付け側の面41aに設けられている。このため、サイドカバー40がフレーム部10の溝開口を覆うように取り付けられた場合、箱側溝部10b内に電気接続部材12の接続部12aが収容される。
【0026】
ここで、ロアカバー50についてより詳細に説明する。
ロアカバー50は、上面が開口され、底壁51の縁に沿って立設された周側壁52を有してなる箱形形状をなし、上端縁部がフレーム部10の下端縁部にかぶさるようにしてフレーム部10に組み付けられるようになっている。
【0027】
このロアカバー50は、
図4−
図6に示すように、底面51aに排水口53が形成されてなる。底面51は、排水口53が底面51a内の低い位置に配置されるように、すなわち排水口53に水が集まるように傾斜面によって形成されている。
排水口53は、開口形状が直線と曲線とによって形成されてなるかまぼこ形状をなしている。
【0028】
また、ロアカバー50は、
図5、
図7および
図8に示すように、排水口53の開口縁53aに沿って内部に設けられてなる防水壁60と、
図6−
図8に示すように、排水口53から外部へ水を排出するための排水の流路となる突出排水部90と、を有してなる。
【0029】
防水壁60は、排水口53を内部から球面70aで覆うように開口縁53aに沿って立設されてなる球面覆い壁部70と、球面覆い壁部70の一部に形成された開口からなる排水用壁開口部80と、を有してなる。
【0030】
球面覆い壁部70は、球面70aを有してなるドーム状の壁によって形成されてなる。すなわち、球面70aの裏面がロアカバー50の内部で凸となる球面70bが形成されるようになっている。
この球面覆い壁部70は、球面70aが面全体として排水口53の方向に向けられるようになっている。
また、球面覆い壁部70は、球面70bによって、箱本体20内の水が球面覆い壁部70に滑らかに接触されるようになっている。
【0031】
排水用壁開口部80は、箱本体20内の水が底面51aをつたわって排水口53から排水可能となるように球面覆い壁部70に形成された開口である。
この排水用壁開口部80は、開口上端縁80aが球面70aの頂点より下方に形成されてなる。このため、球面覆い壁部70が、下方に向けて迫出した部分71が排水用壁開口部80の開口上端縁80aを形成するようになっている。
【0032】
突出排水部90は、開口縁53aに沿って外面50aから筒状に突出されてなる。この突出排水部90は、排水口53の形状に対応するように筒外面91が平面91aと曲面91bとによって形成されてなるかまぼこ形状に形成されている。このため、突出排水部90の曲面91bに水がぶつかった場合、その水が曲面91bに滞留され難いようになっている。
【0033】
このような排水口53内に勢いよく水が侵入した場合、
図8に示すように、球面覆い壁部70の球面70aにぶつかる。この球面70aにぶつかった水は排水口53に向けて跳ね返される。これは、球面70aが面全体として排水口53の方向に向けられるようになっていることによるものである。
しかも、排水用壁開口部80からロアカバー50内に侵入しようとする水に対しても、下方に向けて迫出した部分71に水がぶつかることによって、水が排水用壁開口部80からロアカバー50内に侵入し難いようになっている。
【0034】
本発明の実施例に係る電気接続箱1は、球面覆い壁部70が、排水口53を内部から球面70aで覆うことによって、排水口53を内部から覆う面が面全体として排水口53の方向に向けられので、高圧の水が外部から排水口53内に侵入しようとした場合、その高圧の水が球面70aによって排水口53に向けて跳ね返される。このため、排水口53の開口縁53aに沿って排水口53内に設けられた防水壁60に跳ね返って、排水口53内に侵入される水を低減することができる。
【0035】
また、本発明の実施例に係る電気接続箱1は、排水口53の開口縁53aの周りが突出排水部90によって囲われるため、排水口53内への水の侵入を低減することができる。
【0036】
また、本発明の実施例に係る電気接続箱1は、球面覆い壁部70の下方に向けて迫出した部分71が排水用壁開口部80の開口上端縁80aを形成するので、排水用壁開口部80から箱本体20内に侵入しようとする水に対しても、球面覆い壁部70の下方に向けて迫出した部分71に水がぶつかることによって、水が箱本体20内に侵入することを防止することができる。
【0037】
また、本発明の実施例に係る電気接続箱1は、突出排水部90の曲面91bに水がぶつかった場合、その水が曲面91bに滞留され難いため、曲面91bにぶつかった水が排水口53内に侵入することを防ぐことができる。
【0038】
また、本発明の実施例に係る電気接続箱1は、球面覆い壁部70の箱本体20内部側の面も球面70bであるため、箱本体20内の水が球面覆い壁部70に滑らかに接触され、球面覆い壁部70の近傍で水が滞留されにくいので、排水口53から箱本体20内の水を容易に排水することができる。
【0039】
(変形例1)
次に、
図9を用いて本発明の実施例に係る電気接続箱1の変形例1について説明する。
図9は、本発明の実施例に係る電気接続箱1の変形例1の電気接続箱2の排水口53をロアカバー100の内部斜め上方から視た排水口53周辺の要部断面図である。
この変形例1の電気接続箱2は、ロアカバー100が防水壁60に代わって防水壁110を有してなり、球面覆い壁部120が、ドーム状の壁でない点で実施例の電気接続箱1と異なる。
なお、その他の構成は実施例と同様であり、実施例と同一構成部分には同一符号を付している。
【0040】
球面覆い壁部120は、排水口53を内部から球面70aで覆うように開口縁53aに沿って立設されてなる。この球面覆い壁部110は、球面70aの裏面が平面であり、ロアカバー50の内部でほぼ直方体状に凸となるように形成された壁である。
【0041】
この変形例1の電気接続箱2は、実施例の電気接続箱1と同様に、球面覆い壁部120が、排水口53を内部から球面70aで覆うことによって、排水口53を内部から覆う面が面全体として排水口53の方向に向けられので、高圧の水が外部から排水口53内に侵入しようとした場合、その高圧の水が球面70aによって排水口53に向けて跳ね返される。このため、排水口53の開口縁53aに沿って排水口53内に設けられた防水壁に跳ね返って、排水口53内に侵入される水を低減することができる。
【0042】
(変形例2)
次に、
図10を用いて本発明の実施例に係る電気接続箱1の変形例2について説明する。
図10は、本発明の実施例に係る電気接続箱1の変形例2の電気接続箱3の排水口53をロアカバー200の斜め下方から視た図である。
この変形例2の電気接続箱3は、ロアカバー200が突出排出部90を有しない点で実施例の電気接続箱1と異なる。
なお、その他の構成は実施例と同様であり、実施例と同一構成部分には同一符号を付している。
【0043】
この変形例2の電気接続箱3は、実施例の電気接続箱1と同様に、排水口53の開口縁53aに沿って排水口53内に設けられた防水壁60に跳ね返って、排水口53内に侵入される水を低減することができる。
【0044】
なお、本発明の実施例に係る電気接続箱1,2,3は、箱本体20が、フレーム部10と、ロアカバー50とを有してなるものを例示したが、これに限らず、フレーム部10とロアカバー50とが一体的に構成されているものであっても構わない。
【0045】
以上、本発明者によってなされた発明を、上述した発明の実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上述した発明の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。