(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
タクシーチケット発行者と、該タクシーチケット発行者とタクシーチケットの使用について契約を結んだ契約者により用いられるタクシーチケット発行管理システムであって、
a) 前記タクシーチケット発行者により用いられる装置であって、1乃至複数枚のタクシーチケットに、該タクシーチケットを識別する所定の識別子を付して印刷する識別子印刷部と、前記識別子と前記契約者の対応付けを含むチケット発行情報を作成するチケット発行情報作成部と、を有する基礎チケット発行装置と、
b) 前記契約者により用いられる装置であって、前記識別子が印刷された前記1乃至複数枚のタクシーチケットの一部又は全部について、タクシーチケットの使途を制限する情報である使途制限情報の入力を受け付ける使途制限情報入力部と、前記識別子が印刷されたタクシーチケットに該使途制限情報を印刷する使途制限情報印刷部と、前記発行者より受領したチケット発行情報に基づき、該印刷した使途制限情報と前記識別子を対応付けて使途管理情報を作成する使途管理情報作成部と、を有する完成チケット発行装置と、
を備えることを特徴とするタクシーチケット発行管理システム。
前記基礎チケット発行装置と完成チケット発行装置がネットワークを介して接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のタクシーチケット発行管理システム。
【背景技術】
【0002】
タクシーチケットは、契約者からの依頼に基づきタクシーチケット発行会社により発行され、契約者からタクシーを利用する社員や関係者等の使用者に予め配布される乗車券である。タクシーチケットの使用者はタクシーを利用した際に、利用日、利用区間、及び利用金額をタクシーチケットに記入する。使用されたタクシーチケットは、乗務員を通じてタクシー会社に回収された後、タクシー会社からタクシーチケット発行会社に利用料金が請求され、その後、タクシーチケット発行会社で取りまとめられて契約者に請求される。
【0003】
タクシーチケットを用いると、タクシーの利用料金を一括後払いすればよく、タクシーを利用する際にキャッシュレスで便利な反面、その利用に制限がない。そのため、タクシーチケットを配布された者が当初の目的外にタクシーチケットを使用することを制限することができない。タクシーチケットが当初の目的外に使用されると、契約者はその利用料金を交通費(必要経費)として処理することができず、課税区分が異なる接待交際費等として処理しなければならないという問題があった。
【0004】
そこで、予め決められた目的で契約者がタクシーチケットを入手する場合、例えば催事や講演会等を開催することが多い製薬会社等では、催事や講演会等の開催時に集客を目的とするタクシーチケットの配布が広く行われている。こうした場合には、催事会場や講演会場から最寄駅等までの利用区間や、該区間の利用に想定される料金に応じた利用限度額、利用可能期間・有効期限等を予め記載したタクシーチケットが用いられている。
【0005】
特許文献1には、タクシーチケット発行会社において、契約者からの要請を受けた担当者が入力した内容に基づき、契約者の名称のほかに、タクシーチケットの有効期限、利用区間、あるいは利用限度額といったタクシーチケットの使途を制限する内容を印刷したタクシーチケットを発行することができるシステムが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のシステムは、タクシーチケット発行会社においてタクシーチケットを発行するシステムであり、発行されたタクシーチケットが郵送等により契約者の手元に届くまでに相応の日数を要する。そのため、契約者が急遽タクシーチケットを必要とする場合には対応することができないという問題があった。また、予め決められた目的のために用いられるタクシーチケットであっても、契約者は不測の事態に備えて実際に必要な数よりも多くタクシーチケットを入手するのが通例であり、最終的に使用されることなく有効期限が切れるなどして廃棄されるタクシーチケットが発生し無駄が多いという問題があった。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、契約者が、使途を制限したタクシーチケットを必要な時に必要な枚数、入手することができるタクシーチケット発行管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために成された本発明は、タクシーチケット発行者と、該タクシーチケット発行者とタクシーチケットの使用について契約を結んだ契約者により用いられるタクシーチケット発行管理システムであって、
a) 前記タクシーチケット発行者により用いられる装置であって、1乃至複数枚のタクシーチケットに、該タクシーチケットを識別する所定の識別子を付して印刷する識別子印刷部と、前記識別子と前記契約者の対応付けを含むチケット発行情報を作成するチケット発行情報作成部と、を有する基礎チケット発行装置と、
b) 前記契約者により用いられる装置であって、前記識別子が印刷された前記1乃至複数枚のタクシーチケットの一部又は全部について、タクシーチケットの使途を制限する情報である使途制限情報の入力を受け付ける使途制限情報入力部と、前記識別子が印刷されたタクシーチケットに該使途制限情報を印刷する使途制限情報印刷部と、前記発行者より受領したチケット発行情報に基づき、該印刷した使途制限情報と前記識別子を対応付けて使途管理情報を作成する使途管理情報作成部と、を有する完成チケット発行装置と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
前記所定の識別子は、各タクシーチケットを識別可能なものであればよく、例えばタクシーチケットに順に付される連番や、該連番をコード化したもの(バーコード、QRコード(登録商標)、OCRコード等)とすることができる。
【0011】
本発明に係るタクシーチケット発行管理システムでは、タクシーチケット発行者が基礎チケット発行装置を用いて識別子のみを印刷したタクシーチケットを発行し、チケット発行情報も契約者に(オンライン等で)送付する。その後、契約者は、受領したチケット発行情報に使途制限情報を組み合わせるとともに、完成チケット発行装置を用いて受領したタクシーチケットに使途制限情報を印刷してチケットを完成させる。
【0012】
本発明に係るタクシーチケット発行管理システムにおいても、従来と同様にタクシーチケット発行会社において識別子を印刷したタクシーチケットは郵送等の方法で契約者に送付されるが、従来と異なり、契約者が使途制限情報を書き込んで自らでタクシーチケットを完成させるため、契約者は必要なときに必要な枚数のタクシーチケットを完成させることができ、無駄なタクシーチケットの発生がない。
【0013】
また、本発明に係るタクシーチケット発行管理システムでは、契約者の手元に識別子と使途制限情報を対応付けた使途管理情報が残る。従って、タクシーチケットの使用後、タクシーチケット発行会社から送られてくる、識別子ごとに管理された請求金額を使途管理情報と照合し、予定された目的でタクシーチケットが使用されていることやタクシーチケットの使用率などを容易に確認することができる。また、契約者が自ら使途制限情報を入力するため、各契約者が適宜の項目(タクシーチケットの発行管理や発行したタクシーチケットと請求金額の突合時に有用な精算勘定項目、精算部署、精算管理者、利用者の所属等)を追加して利便性を高めた使途管理情報を作成することができる。
【0014】
タクシーチケット発行会社では、慣習的に、3枚のA4サイズのシートにそれぞれ8枚分のタクシーチケットをまとめて印刷して作成した合計24枚のタクシーチケットを一冊に束ねて契約者に送付している。契約者が特に希望する場合には、タクシーチケットを束ねることなく契約者に送付することもあるが、その場合でもシート単位で8枚のタクシーチケットをまとめて印刷する。そのため、契約者が必要とする枚数(例えば5枚)が該複数枚よりも少ない場合、余剰の枚数(1冊単位の場合は19枚であり、1シート単位の場合でも3枚)のタクシーチケットが無駄になっていた。本発明に係るタクシーチケット発行管理システムでは、個々の契約者がシートに印刷された8枚のタクシーチケットのうち、自らの必要とする枚数だけ、その都度タクシーチケットを完成させればよいため、無駄をなくすことができる。
【0015】
本発明に係るタクシーチケット発行管理システムは、さらに、
前記基礎チケット発行装置が、使用済みタクシーチケットの識別子と利用金額を対応付けた請求データを作成する請求データ作成部を備え、
前記完成チケット発行装置が、前記識別子を介して前記使途管理情報と前記請求データを対応付けた請求照合データを作成する照合データ作成部を備える
ことが好ましい。
【0016】
上記請求データ作成部及び前記照合データ作成部を備えた態様のタクシーチケット発行管理システムを用いると、契約者が発行したタクシーチケットと、タクシーチケット発行会社からの請求金額がタクシーチケットの識別番号を介して対応付けられた1つの請求照合データが作成される。従って、契約者は、タクシーチケットの識別番号を用いてタクシーチケット発行会社から請求された利用金額を容易に、かつ誤りなく突合することができる。
【0017】
また、本発明に係るタクシーチケット発行管理システムにおいて、前記基礎チケット発行装置と前記完成チケット発行装置がネットワークを介して接続されていることが好ましい。これにより、基礎チケット発行装置で作成されたチケット発行情報をオンラインで完成チケット発行装置に送信し、該チケット発行情報を元にして使途制限情報を容易に作成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るタクシーチケット発行管理システムを用いることにより、契約者が、使途を制限したタクシーチケットを必要な時に必要な枚数、入手することができる。また、前記請求データ作成部及び前記照合データ作成部を備えた態様のタクシーチケット発行管理システムを用いると、契約者は、タクシーチケットの識別番号を用いてタクシーチケット発行会社から請求された利用金額を容易に、かつ誤りなく突合することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係るタクシーチケット発行管理システムの一実施例について、以下、図面を参照して説明する。
【0021】
図1に、本実施例のタクシーチケット発行管理システム全体の概略構成を示す。本実施例のタクシーチケット発行管理システムは、タクシーチケット発行会社において用いられる基礎チケット発行装置100と、該タクシーチケット発行会社と予めタクシーチケットの使用について契約を結んでいる契約者(企業や官公庁等)により用いられる完成チケット発行装置200、及びこれらを結ぶインターネット等のネットワークにより構成される。本実施例のタクシーチケット発行管理システムは、通常、1社のタクシーチケット発行会社と複数者の契約者により用いられ、1台の基礎チケット発行装置100と複数台の完成チケット発行装置200を備えている。
【0022】
次に、
図2を参照して基礎チケット発行装置100と完成チケット発行装置200の要部構成を説明する。
図2では1台の完成チケット発行装置200のみ示しているが、他の完成チケット発行装置も同様の構成を備えている。
【0023】
基礎チケット発行装置100は、基礎チケット発行制御部110、該基礎チケット発行制御部110に接続された入力部120、表示部130、及び印刷部140を備えている。基礎チケット発行制御部110は、記憶部111のほか、機能ブロックとして、識別子印刷部112、チケット発行情報作成部113、及び請求データ作成部114を備えている。基礎チケット発行制御部110の実体はパーソナルコンピュータであり、ネットワーク接続用のインターフェース等(図示なし)を備えるとともに、オペレーションシステム(OS)や所要のソフトウェアが予めインストールされている。記憶部111には、各契約者の名称及びID、及び各契約者について過去に発行した基礎チケットの情報等が予め保存されている。
【0024】
完成チケット発行装置200は、完成チケット発行制御部210、該完成チケット発行制御部210に接続された入力部220、表示部230、及び印刷部240を備えている。完成チケット発行制御部210は、記憶部211のほか、機能ブロックとして、使途制限情報入力部212、使途制限情報印刷部213、使途管理情報作成部214、及び照合データ作成部215を備えている。完成チケット発行制御部210の実体もパーソナルコンピュータであり、ネットワーク接続用のインターフェース等(図示なし)を備えるとともに、オペレーションシステム(OS)や所要のソフトウェアが予めインストールされている。
【0025】
次に、
図3〜7を参照して、基礎チケット発行装置100と完成チケット発行装置200を用いてタクシーチケットの発行等に関する手順を説明する。
図3はタクシーチケットの発行等に関するフローチャート、
図4は基礎チケットの一例、
図5及び6は使途制限情報入力画面及び使途制限情報の一例、
図7は完成チケットの一例である。
【0026】
まず、契約者がタクシーチケット発行会社に対して、24枚を1単位とする基礎チケットの発行を依頼する(ステップS1)。ここで、24枚を1単位としているのは、タクシーチケット発行会社において慣習的にA4サイズのシート3枚にそれぞれ8枚のタクシーチケットを印刷していることを踏襲したに過ぎず、シートのサイズや印刷する枚数は任意に変更可能である。
【0027】
基礎チケット発行の依頼を受けると、タクシーチケット発行会社の担当者は、基礎チケット発行制御部110の印刷部140に、8枚分のタクシーチケットの枠線や各欄の項目名が印刷された所定のシートを(本実施例では3枚)セットする。続いて、入力部120を通じて契約者の名称(あるいはID)及び依頼を受けた基礎チケットの発行枚数(本実施例では24枚)を入力する。
【0028】
タクシーチケット発行会社の担当者が基礎チケットの発行を指示すると、識別子印刷部112は記憶部111から契約者の名称とIDを読み出し、発行する基礎チケットの枚数分、各チケットを識別するための識別子を作成する。そして、印刷部140にセットされたシートの所定位置に識別子を印刷する。識別子としては、例えば発行の単位である3枚のシートに共通するシートID(本実施例では123456)、該3枚のシート番号(本実施例では1〜3)、及び前記1組のシートにおけるタクシーチケットの連番(本実施例では01〜24)を組み合わせた番号とすることができる。その他、契約者に対して発行したシートの累計枚数等、適宜のものを識別子として用いることができる。本実施例では、識別番号と、該識別番号をバーコード化したもの、及びQRコード化したものの3種類がそれぞれのタクシーチケットに印刷され、基礎チケット300が発行される。なお、新規の契約者である場合には、新たな契約者IDが発行される。
【0029】
図4に基礎チケットの一例を示す。基礎チケット300は、タクシーチケット本体部320と、その左側にミシン目を介して設けられた使用時記入欄310からなる。使用時記入欄310は、タクシーチケットを使用してタクシーに乗車した際に、利用日、利用区間、及び利用金額を記入する欄である。基礎チケットの発行時点では、タクシーチケット本体部320と使用時記入欄310のそれぞれの下部位置に識別子301が印刷される。
【0030】
識別子印刷部112が基礎チケット300に識別子301の印刷を完了すると、チケット発行情報作成部113は、基礎チケットに印刷した識別子301を契約者と対応付けたチケット発行情報を作成し(ステップS2)、記憶部111に保存する。
【0031】
タクシーチケット発行会社において基礎チケット300を発行し、チケット発行情報を記憶部111に保存した後、基礎チケット300が契約者に郵送され(ステップS3−1)、チケット発行情報がネットワークを介して完成チケット発行装置200に送信される(ステップS4−1)。完成チケット発行装置200に送信されたチケット発行情報は完成チケット発行装置200の記憶部211に保存される。
【0032】
契約者は、基礎チケット300を受領し(ステップS3−2)、チケット発行情報を受信(ステップS4−2)した後、該基礎チケットを印刷部240にセットするとともに入力部220を通じて完成チケットの発行を指示する。
【0033】
完成チケットの発行が指示されると、使途制限情報入力部212は、記憶部211に保存されたチケット発行情報を読み出し、これに使途制限情報に対応する項目を追加して表示部230に使途制限情報及び管理項目の入力画面231(以下、「使途制限情報等入力画面」と呼ぶ。)を表示する。なお、管理項目は契約者により任意に追加される項目である。
図5及び6は使途制限情報等入力画面231の一例である。なお、
図5は後述のスクロールバー2342を左方に動かしたときの表示画面の例(チケット発行情報及び使途制限情報が表示された状態)であり、
図6はスクロールバー2342を右方に動かしたときの表示画面の例(使途制限情報及び管理項目が表示された状態)である。
【0034】
使途制限情報等入力画面231には、上から順に、金種設定部232、ファイル読み込み部233、及び使途制限情報等入力部234が設けられている。金種設定部232には利用限度額入力欄2321が設けられており、プルダウン方式で利用限度額を一括入力することができる。
【0035】
ファイル読み込み部233には、ファイルパス入力欄2331、参照ボタン2332、及び取込ボタン2333が設けられており、ファイルパス入力欄2331にファイルパスを直接入力した後に、あるいは参照ボタン2332を押すと表示されるファイル選択画面において読み込み対象ファイルを決定した後に、取込ボタン2333を押すと、対象ファイルが読み出され、その内容が使用制限情報等表示欄2341に表示される。対象ファイルは、タクシーチケット発行会社の基礎チケット発行装置100から送信されるチケット発行情報が記載されたファイルや、契約者が該チケット発行情報に所定の項目を入力した後のファイルである。
【0036】
使途制限情報等入力部234には、使途制限情報等表示欄2341と該使途制限情報等表示欄2341の画面表示を左右に移動するためのスクロールバー2342が設けられている。使途制限情報等表示欄2341は、印字済項目表示欄、印字項目入力欄、及び管理項目入力欄で構成されている。印字済項目表示欄には、タクシーチケット発行会社において基礎チケット発行時に設定されチケット発行情報に含まれる識別子(チケットNo.)は編集不可である。印字項目入力欄(使途制限情報の入力欄)には、契約社名(御社名)入力欄、利用者名入力欄、乗車区間(区間1及び区間2)入力欄、有効期限入力欄、利用日入力欄、利用限度額入力欄等が設けられており、契約者において各項目を入力することができる。利用限度額は、上述の金種設定部232の利用限度額入力欄2321により一括入力することができるほか、この利用限度額入力欄により個別に入力することもできる。
【0037】
また、管理項目入力欄では、契約者が適宜に項目名の追加・編集が可能であり、契約者が完成チケットの発行管理やタクシーチケット使用後に利用金額と突合する際に有用であると考える項目を適宜に設定することができるようになっている。
図5及び6では、管理項目の一例として、印刷日、精算勘定科目、精算管理者、利用者所属、その他(備考欄)が入力されている。
【0038】
使途制限情報及び管理項目の入力後、契約者が基礎チケット300を印刷部240にセットして印刷ボタン235を押すと、使途制限情報印刷部213が上記印字項目表示欄に表示された使途制限情報の各項目を基礎チケットの所定位置に印刷する。これにより完成チケット400が発行される。
図7(a)は、使途制限情報等表示欄2341の最上段に入力された使途制限情報が印刷された完成チケット400の例、
図7(b)は第5欄に入力された使途制限情報が印刷された完成チケット400の例である。
【0039】
使途制限情報印刷部213による基礎チケット300への使途制限情報の印刷(即ち完成チケット400の発行)を完了すると、使途管理情報作成部214は、
図5及び6の画面に表示された各項目の内容を使途管理情報ファイルに書き込み記憶部211に保存する。言い換えると、チケット発行情報に使途制限情報(及び契約者が任意に追加した管理項目の入力情報)が対応付けられた使途管理情報ファイルが作成され記憶部211に保存される(ステップS5)。終了ボタン236を押すと、編集中の内容の保存の要否を契約者に問い合わせた後、使途制限情報入力画面231が閉じられる。
【0040】
完成チケット400は、使用後(ステップS6)、乗務員を通じてタクシー会社に回収される。そして、タクシー会社からタクシーチケット発行会社に利用金額が請求される。タクシーチケット発行会社が請求金額を取りまとめて契約者に請求する際、タクシーチケット発行会社の基礎チケット発行装置100において担当者が請求データの入力を指示すると、請求データ作成部114は、識別子入力欄及び請求情報入力欄を有する利用金額入力画面を表示部130に表示する。ここで、請求情報とは、例えば、利用日、利用金額、利用区間、及び取扱タクシー会社に関する情報である。該画面において担当者が識別子及び請求情報入力すると、請求データ作成部114により識別子等のチケット発行情報に請求情報(利用日、利用金額、利用区間、取扱タクシー会社)を含む利用データを対応付けた請求データが作成され(ステップS7)、記憶部111に保存される。
【0041】
図8は、請求データの一例である。請求情報には、
図8に示す項目の他にも、利用者の所属や利用者名など、適宜の項目を加えることができる。なお、担当者による識別子の入力は、直接入力のほか、発行情報ファイルを記憶部111から読み出すことによっても行うことができる。作成された請求データは、基礎チケット発行装置100から送信され(ステップS8−1)、完成チケット発行装置200で受信された後(ステップS8−2)、記憶部211に保存される。
【0042】
契約者が完成チケット発行装置200において記憶部211から請求データを読み出すと、照合データ作成部215が該請求データの識別子に対応する使途制限情報を記憶部211から読み出し、識別子を用いてこれらを対応付けた請求照合データを作成し(ステップS9)、記憶部211に保存する。請求照合データは、
図5及び6の使途制限情報等入力欄の各項目に請求金額が対応付けられたデータであり、これにより契約者は、タクシーチケットの利用状況(利用日、利用区間、利用金額等)と、タクシーチケット完成時に作成した使途制限情報及び管理項目を容易に、かつ誤りなく突合することができる。また、完成チケット発行装置200が請求データを受信した時点で照合データ作成部215が自動的に請求照合データを作成するように構成することもできる。
【0043】
本実施例に係るタクシーチケット発行管理システムでは、タクシーチケット発行者が基礎チケット発行装置100を用いて識別子301を印刷した基礎チケット300を発行し、ネットワークを介して契約者に送付する。その後、契約者は完成チケット発行装置200を用いて使途制限情報を入力し、基礎チケット300に使途制限情報を印刷して完成チケット400を発行する。このように、本実施例のタクシーチケット発行管理システムでは契約者が自ら使途制限情報を書き込んで完成チケット400を完成させるため、契約者は必要なときに必要な枚数のタクシーチケットを即時に入手することができる。また、無駄なタクシーチケットが発生することもない。
【0044】
また、本実施例に係るタクシーチケット発行管理システムでは、契約者の手元に識別子301と使途制限情報を対応付けた使途管理情報が残る。従って、タクシーチケットの使用後、タクシーチケット発行会社から送られてくる、識別子301ごとに管理された請求金額を使途管理情報と照合し、予定された目的でタクシーチケットが使用されていることやタクシーチケットの使用率を容易に確認することができる。
【0045】
さらに、使途制限情報入力画面231において契約者が適宜の管理項目を追加することもでき、契約者がタクシーチケットの使用結果を確認する際の利便性を向上することができる。特に、上記実施例では、契約者が発行したタクシーチケットの利用制限情報及び管理項目と、該タクシーチケットについてタクシーチケット発行会社から請求された利用金額等がタクシーチケットの識別番号を介して対応付けられた1つの請求照合データが作成される。従って、契約者は、タクシーチケットの識別番号を用いてタクシーチケット発行会社から請求された利用金額を容易に、かつ誤りなく突合することができる。
【0046】
上記実施例は一例であって、本発明の趣旨に沿って適宜に変更することができる。
上記実施例では、8枚のタクシーチケットを1単位としたが、この枚数は適宜に変更することができる。また、タクシーチケット発行会社において基礎チケットを1枚ずつ発行するようにしてもよい。
さらに、上記実施例では、基礎チケット発行装置100と完成チケット発行装置200の間でチケット発行情報及び請求データを送受信する構成としたが、ネットワークサーバ等を組み合わせて基礎チケット発行装置100と完成チケット発行装置200が記憶部を共有するようにしてもよい。これにより、ファイルの送受信を行う手間を省くことができる。
【0047】
その他、1つのソフトウェアにより基礎チケット発行装置100の機能ブロック又は完成チケット発行装置200の機能ブロックを択一的に具現化することもできる。この態様では、タクシーチケット発行会社が有するパーソナルコンピュータにこのソフトウェアをインストールして所定のプログラムを起動し、タクシーチケット発行会社用のID及びパスワードでログインすると、タクシーチケット発行会社によるソフトウェアの利用であると判定され、基礎チケット発行等に係る機能ブロック(即ち上記実施例における基礎チケット発行装置100が有する機能ブロック)が動作する。これにより、タクシーチケット発行会社のパーソナルコンピュータを基礎チケット発行装置100として使用することができる。また、契約者が有するパーソナルコンピュータにこのソフトウェアをインストールして前記所定のプログラムを起動し、契約者用のID及びパスワードでログインすると、契約者によるソフトウェアの利用であると判定され、完成チケット発行等に係る機能ブロック(即ち上記実施例における完成チケット発行装置200が有する機能ブロック)が動作する。これにより、契約者のパーソナルコンピュータを完成チケット発行装置200として使用することができる。
【解決手段】タクシーチケット発行者と、該タクシーチケット発行者とタクシーチケットの使用について契約を結んだ契約者により用いられるタクシーチケット発行管理システムにおいて、タクシーチケットに所定の識別子を付して印刷する識別子印刷部112と識別子と契約者を対応付けたチケット発行情報を作成するチケット発行情報作成部113とを有する基礎チケット発行装置100と、使途制限情報の入力を受け付ける使途制限情報入力部212と基礎チケットに使途制限情報を印刷する使途制限情報印刷部213とチケット発行情報に基づき使途管理情報を作成する使途管理情報作成部214とを有する完成チケット発行装置200とを備える。