(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5961913
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】靴下
(51)【国際特許分類】
A41B 11/00 20060101AFI20160721BHJP
【FI】
A41B11/00 D
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-51618(P2016-51618)
(22)【出願日】2016年3月15日
【審査請求日】2016年3月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504446180
【氏名又は名称】ハラダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130144
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健一
(72)【発明者】
【氏名】金 成光
【審査官】
▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−089973(JP,A)
【文献】
特開2012−072505(JP,A)
【文献】
特開2009−275300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B11/00−11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
足を挿入する履き口部から略踝部までを構成する環状のボディ部と、前記ボディ部と一体に編成され、前記略踝部の端部から爪先部までを構成するフット部を有し、他の部分より伸縮性が小さい低伸縮部が設けられた靴下であって、
第5趾の付け根付近から外側面を介し外側踝部付近まで伸びる長さで、甲側の第4趾の第1趾側付近から足底側の第5趾の第1趾側付近に至る幅を有し、他の部分より伸縮性が小さい外側低伸縮部と、
甲側の前記外側低伸縮部の第4趾の付け根と足首の間から略内側踝部側に向かう方向に形成され、他の部分より伸縮性が小さい上部テーピング低伸縮部と、
足首上部の円周方向に形成され、他の部分より伸縮性が小さい足首上部低伸縮部と、を有し、
前記フット部の爪先部から前記ボディ部の履き口部に至る形状は、内側と比較して外側が短く、略くの字形状となるように形成されていることを特徴とする靴下。
【請求項2】
足裏側の前記外側低伸縮部の第5趾の付け根と踵部の間の踵部側付近から略内側踝部側に向かう方向に形成され、他の部分より伸縮性が小さい下部テーピング低伸縮部と、をさらに有することを特徴とする請求項1記載の靴下。
【請求項3】
前記足首上部低伸縮部は足首上部の略全周に渡って形成され、周方向の一部を該足首上部低伸縮部より伸縮性を大きく形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項記載の靴下。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足首を外反させることにより、足の負担を十分軽減できるとともに、運動能力を向上させる靴下に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から足首を外反させる靴下が知られていた。この種の靴下として、足背部に他の領域よりも伸縮性が低い帯状の第1低伸縮領域101が設けられ、この第1低伸縮領域101は、少なくとも足首屈曲部101dを含み、その足首屈曲部101dよりも下端側は、コース方向の幅に対する中心線が徐々に第5趾側へシフトしながら足趾の付け根部まで延設され、下端部101bが、第3趾の付け根部から第5趾の付け根部の範囲に位置している(
図3参照)。また、第1低伸縮領域の下端付近の第5趾側の側部101cが、第5中足骨を巻き込むように、足裏側に延設されている。そして、第3趾の付け根部から第5趾の付け根部の範囲に位置している下端部101bを、第1低伸縮領域101の方向に沿って、足首屈曲部101dの方向へ引っ張る方向に力(P)を働かせることができ、第1低伸縮領域101の下端付近の第5趾側寄りの側部101cを第5中足骨に引っ掛け、足の第5趾側全体を引き上げる力を得ることができる(
図4参照)。これにより、第1低伸縮領域101が、足首が内反する方向の捻りに対して抗力が働くように、足の第5趾側から足首屈曲部の方向に向けて適度に持ち上げる力を付与するので、内反捻挫を効果的に予防することができるというものであった(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−275300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の靴下は、足の第5趾側全体を引き上げる力を付与することにより、内反捻挫を効果的に予防するものであるが、この従来の靴下では、足の第5趾側から足首屈曲部の方向に向けて持ち上げるものであるので、足全体を十分外反方向へ回転させることができず、歩行時には、かかとが着地した後に足底の外側→内側の順で着地し、足の内外側を略同時に地面に着地させることができなかった。このように、歩行時に、足底の内外側を略同時に地面に着地させることができないことから、足の負担を十分軽減できないという問題があった。
【0005】
また、走行時においては、足底の爪先部付近から地面に着地することになるが、従来の靴下では、走行時においても足底の爪先部付近の内外側が略同時に地面に着地させることができなかった。このように、走行時に、特に短距離走行時において、足底の爪先部付近の内外側が略同時に地面に着地させることができないことから、足底の爪先部付近の内外部が地面に着地する時間差分の時間を要し、その分短時間で走行することができないという問題があった。さらに、特に短距離走行時において、足の外側から着地し、その後足の内側が着地することになると、走行時に走行方向が足の外側方向に向くので、無意識に直進方向から少し曲がって走行することになり、その分短時間で走行することができないという問題もあった。
【0006】
本発明は、足の負担を十分軽減できるとともに、運動能力を向上させる靴下を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、足を挿入する履き口部から略踝部までを構成する環状のボディ部と、前記ボディ部と一体に編成され、略踝部の端部から爪先部までを構成するフット部を有し、他の部分より伸縮性が小さい低伸縮部が設けられた靴下であって、第5趾の付け根付近から外側面を介し外側踝部付近まで伸びる長さで、甲側の第4趾の第1趾側付近から足底側の第5趾の第1趾側付近に至る幅を有し、他の部分より伸縮性が小さい外側低伸縮部と、甲側の外側低伸縮部の第4趾の第1趾側付近と足首の間から略内側踝部側に向かう方向に形成され、他の部分より伸縮性が小さい上部テーピング低伸縮部と、足首上部の円周方向に形成され、他の部分より伸縮性が小さい足首上部低伸縮部と、を有し、
フット部の爪先部から
ボディ部の履き口部に至る形状は、内側と比較して外側が短く、略くの字形状となるように形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明によれば、
フット部の爪先部から
ボディ部の履き口部に至る形状を略くの字形状とし、外側低伸縮部の甲側が足底側より横幅が大きい第4趾の第1趾側付近までの幅を有しているので、第5趾の付け根付近から外側踝部付近に至る足の
フット部外側全体が締付けられながら外反させる方向の力を受ける。そして、この状態で、上部テーピング低伸縮部により甲側の外側低伸縮部の第4趾の第1趾側付近と足首の間から略内側踝部方向に足の
フット部外側全体が引っ張られる。このように、足の
フット部外側全体が締付けられながら外反させる方向の力を受けた状態で、その足の
フット部外側全体を略内側踝部方向に引っ張られることにより、この靴下を装着して歩行する際には足底全体が地面に対し略平行になり、足の着地時において、足底の内外側を地面に略同時に着地させることができる。これにより、足の負担を十分軽減できるとともに、真っ直ぐな走行および効率の良い力の伝達ができ運動能力を向上させることができる。
【0009】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の靴下であって、足裏側の外側低伸縮部の第5趾の付け根と踵部の間の踵部側付近から略内側踝部側に向かう方向に形成され、他の部分より伸縮性が小さい下部テーピング低伸縮部と、をさらに有することを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、下部テーピング低伸縮部が足裏側の外側低伸縮部の第5趾の付け根と踵部の間の踵部側付近から略内側踝部側に向かう方向に形成されているので、上部テーピング低伸縮部と相俟って、その足の
フット部外側全体を略内側踝部方向に強く引っ張ることができる。これにより、この靴下を装着して歩行する際には足底全体が地面に対し安定して略平行になり、足の着地時において、足底の内外側を地面に略同時により安定して着地させることができる。
【0011】
本発明の第3の態様は、本発明の第1または第2の態様の靴下であって、足首上部低伸縮部は足首上部の略全周に渡って形成され、周方向の一部を該足首上部低伸縮部より伸縮性を大きく形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明によれば、足首上部低伸縮部が足首上部の略全周に渡って形成されているので、足首の位置でしっかり固定することができ、靴下がずれることを抑制することができる。これにより、靴下を装着した状態で足底全体が地面に対し略平行にするという効果を安定して得ることができる。また、周方向の一部を足首上部低伸縮部より伸縮性を大きく形成されているので、足首上部が周方向に広がり易くなり、靴下の着脱を容易にすることができるとともに、着用時の圧迫感を回避でき血行が悪くなることも防止できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明による靴下によれば、足の
フット部外側全体が外反させる方向の力を受けた状態で、その足の
フット部外側全体を略内側踝部方向に引っ張られることにより、この靴下を装着して歩行する際には足底全体が地面に対し略平行になり、足の着地時において、足底の内外側を地面に略同時に着地させることができる。これにより、足の負担を十分軽減できるとともに、真っ直ぐな走行および効率の良い力の伝達ができ運動能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態における靴下の正面斜視図である。
【
図2】(a)同靴下の正面図である。 (b)同靴下の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の靴下の第1実施形態について図面を参照にしながら説明する。ここで、
図1は本発明の一実施形態における靴下の正面斜視図であり、
図2(a)は同靴下の正面図であり、
図2(b)は同靴下の背面図である。
【0016】
図1に示すように、靴下1は、右靴下1Rと左靴下1Lとが左右対称形状で、足を挿入する履き口部2から略踝部3までを構成する環状のボディ部4と、ボディ部4と一体に編成され、略踝部3の端部から爪先部5までを構成するフット部6とから編成され、他の部分より伸縮性が小さい低伸縮部が設けられている。ここで、踝部3とは踝の部分のことであり、踝の少し上部、少し下部も含む概念である。なお、本実施形態では、ショートソックスの靴下1を用いて説明するが、これに限らず、ボディ部4とフット部6を有する靴下であれば、ハイソックスなどの他の形態のソックスであってもよい。以下、本実施形態における他の部分より伸縮性が小さい低伸縮部について、具体的に説明する。
【0017】
靴下1には、他の部分より伸縮性が小さい低伸縮部として、外側低伸縮部7と、上部テーピング低伸縮部8と、下部テーピング低伸縮部9、足首上部低伸縮部10などが設けられている(
図1、
図2参照)。
【0018】
外側低伸縮部7は、第5趾の付け根付近から外側面を介し外側踝部3a付近まで伸びる長さで、甲側の第4趾の第1趾側付近から足底側の第5趾の第1趾側付近に至る幅で設けられている。この外側低伸縮部7は、靴下1の編み立て時に、横方向のコース糸を、複数本をまとめて一緒に編み目を作るタック編みを使用するとともに、伸縮性の高い素材として裏糸にFTYを使用し、さらに、ゴム糸を編み込むことにより伸縮性を小さくしている。このように、伸縮性の高い素材を用いるとともに、タック編みにより長手方向の編み目の数を減らし長手方向に詰め編み目の数が減らすことにより、他の部分より伸縮性が小さく編成されている。ここで、タック編みとは、生地を編成する際に、ある編み目を作らないで、次のコースを編むときに一緒に編み目を作るもので、編針から編み目を脱出させないので、編針のフック又は針幹の前の編み目とともに保持し、例えば次の給糸により編み目を形成する時に同時に複数の編み目をくぐって編み糸を引き出して新しい編み目を作る編み方である。なお、本実施形態では、外側低伸縮部7をタック編みで編成するとともに、FTY、ゴム糸を編み込むことにより伸縮性を小さくしたが、これに限らず、FTY、ゴム糸を編み込まなくてもよい。
【0019】
外側低伸縮部7では、次の給糸により編み目を形成する時に同時に4つの編み目をくぐって編み糸を引き出して新しい編み目を作っている。このように、外側低伸縮部7では、タック編みによって編み目の数が減らされているので、編み目の空間が縮小されると共に、伸びることができる編み目の数が減るので伸びに対する抵抗を発揮し、他の部分より伸縮性が小さく編成される。ここで、「他の部分より伸縮性が小さい」とは、「所定の伸縮性を有する部分より伸縮性が小さい」の意味で、本実施形態では、タック編みなどの伸縮性処理が行われていても、次の給糸により編み目を形成する時に同時に2つの編み目をくぐって編み糸を引き出して新しい編み目を編成するような伸縮性が少し大きい部分より伸縮性を小さくしている。
【0020】
このように、靴下1の第5趾の付け根付近から外側面を介し外側踝部3a付近まで伸びる長さで、甲側の第4趾の第1趾側付近から足底側の第5趾の第1趾側付近に至る幅を有する外側低伸縮部7を、他の部分より伸縮性が小さく編成しているので、靴下1の外側部が長手方向に縮小し、靴下1の
フット部6の爪先部5から
ボディ部4の履き口部2に至る形状が内側と比較して外側が短くなり、略くの字形状で形成される。ここで、略くの字形状とは、逆略くの字形状を含む概念である。なお、本実施形態では、略くの字形状として説明したが、これに限らず、略くの字形状とよく似た形状である略バナナ形状であってもよく、また、略ノの字形状であってもよい。そして、
フット部6の爪先部5から
ボディ部4の履き口部2に至る形状が略くの字形状で、外側低伸縮部7の甲側が足底側より横幅が大きい第4趾の第1趾側付近までの幅を有しているので、この靴下1を装着すると、第5趾の付け根付近から外側踝部3a付近に至る足の
フット部6外側全体を外反させる方向の力を受けることになる。
【0021】
また、上部テーピング低伸縮部8は、靴下1の甲側の外側低伸縮部7の第4趾の付け根と足首の間から略内側踝部3b側に向かう方向に形成されている。すなわち、上部テーピング低伸縮部8は、爪先部5側の辺が少なくとも第4趾の付け根と足首の間から略内側踝部3b側に向かう方向に形成されている。ここで、「内側踝部3b側に向かう方向」は、内側踝部3b側に向かう方向であれば、内側踝部3bに向かう方向から少し外れていてもよい。なお、以下の「略内側踝部3b側に向かう方向」も同義として用いている。
【0022】
上部テーピング低伸縮部8についても、上述した外側低伸縮部7と同様、タック編みを使用するとともに、伸縮性の高い素材として裏糸にFTYを使用し、さらに、ゴム糸を編み込むことにより伸縮性を小さくしている。なお、上部テーピング低伸縮部8は、外側低伸縮部7と同等の伸縮性を有している。具体的には、上部テーピング低伸縮部8のタック編みについても、次の給糸により編み目を形成する時に同時に4つの編み目をくぐって編み糸を引き出して新しい編み目を作っている。そして、上部テーピング低伸縮部8により甲側の外側低伸縮部7の第4趾の第1趾側付近と足首の間から略内側踝部3b方向に足の
フット部6外側全体が引っ張られる。なお、本実施形態では、上部テーピング低伸縮部8をタック編みで編成するとともに、FTY、ゴム糸を編み込むことにより伸縮性を小さくしたが、これに限らず、FTY、ゴム糸を編み込まなくてもよい。
【0023】
このように、外側低伸縮部7により第5趾の付け根付近から外側踝部3a付近に至る足の
フット部6外側全体を外反させる方向に力を働かした状態で、上部テーピング低伸縮部8により足の
フット部6外側全体が略内側踝部3b方向に引っ張られることになる。
【0024】
以上説明した通り、足の
フット部6外側全体を外反させる方向の力が働いた状態で、その足の
フット部6外側全体を略内側踝部3b方向に引っ張られることにより、靴下1を装着して歩行する際には足底全体が地面に対し略平行になり、足の着地時において、足底の内外側を地面に略同時に着地させることができる。これにより、足の負担を十分軽減できるとともに、真っ直ぐな走行および効率の良い力の伝達ができ運動能力を向上させることができる。さらに、この効果は、1.0センチ刻みで靴下1を作成し、足のサイズとほぼ同様の靴下1を装着することにより、最高のパフォーマンスを発揮することができる。
【0025】
また、下部テーピング低伸縮部9は、靴下1の足裏側の外側低伸縮部7の第5趾の付け根と踵部3の間の踵部3側付近から略内側踝部3b側に向かう方向に形成されている。すなわち、下部テーピング低伸縮部9は、爪先部5側の辺が少なくとも第5趾の付け根と足首の間の踵部3側付近から略内側踝部3b側に向かう方向に形成されている。
【0026】
下部テーピング低伸縮部9についても、上述した上部テーピング低伸縮部8と同様、タック編みを使用するとともに、伸縮性の高い素材として裏糸にFTYを使用し、さらに、ゴム糸を編み込むことにより伸縮性を小さくしている。ここで、下部テーピング低伸縮部9は、上部テーピング低伸縮部8と同等の伸縮性を有している。具体的には、下部テーピング低伸縮部9のタック編みについても、次の給糸により編み目を形成する時に同時に4つの編み目をくぐって編み糸を引き出して新しい編み目を作っている。なお、本実施形態では、下部テーピング低伸縮部9をタック編みで編成するとともに、FTY、ゴム糸を編み込むことにより伸縮性を小さくしたが、これに限らず、FTY、ゴム糸を編み込まなくてもよい。
【0027】
下部テーピング低伸縮部9の延長方向に下部テーピング低伸縮延長部11が形成されている。下部テーピング低伸縮延長部11についても、下部テーピング低伸縮部9と同様、タック編みを使用するとともに、伸縮性の高い素材として裏糸にFTYを使用し、さらに、ゴム糸を編み込むことにより伸縮性を小さくしている。ここで、下部テーピング低伸縮延長部11は、下部テーピング低伸縮部9より少し伸縮性を大きくしている。具体的には、下部テーピング低伸縮延長部11のタック編みについては、次の給糸により編み目を形成する時に同時に3つの編み目をくぐって編み糸を引き出して新しい編み目を作っている。なお、本実施形態では、下部テーピング低伸縮延長部11をタック編みで編成するとともに、FTY、ゴム糸を編み込むことにより伸縮性を小さくしたが、これに限らず、FTY、ゴム糸を編み込まなくてもよい。
【0028】
このように、下部テーピング低伸縮部9が足裏側の外側低伸縮部7の第5趾の付け根と踵部3の間の踵部3側付近から略内側踝部3b側に向かう方向に形成されているので、上部テーピング低伸縮部8と相俟って、その足の
フット部6外側全体を略内側踝部3b方向に強く引っ張ることができる。これにより、この靴下1を装着して歩行する際には足底全体が地面に対し安定して略平行になり、足の着地時において、足底の内外側を地面に略同時により安定して着地させることができる。
【0029】
また、靴下1の足首上部の円周方向に足首上部低伸縮部10が形成されている。この足首上部低伸縮部10は、足首上部の円周方向に形成されていればよく、必ずしも足首の全周に形成されていなくてもよい。足首上部低伸縮部10についても、上述した上部テーピング低伸縮部8と同様、タック編みを使用するとともに、伸縮性の高い素材として裏糸にFTYを使用し、さらに、ゴム糸を編み込むことにより伸縮性を小さくしている。ここで、足首上部低伸縮部10の外側の伸縮性は、足首上部低伸縮部10の内側の伸縮性より小さくしている。具体的には、足首上部低伸縮部10の外側のタック編みについては、次の給糸により編み目を形成する時に同時に4つの編み目をくぐって編み糸を引き出して新しい編み目を作る編み方で、足首上部低伸縮部10の内側のタック編みについては、次の給糸により編み目を形成する時に同時に3つの編み目をくぐって編み糸を引き出して新しい編み目を作る編み方にしている。なお、足首上部低伸縮部10のすべてのタック編みを、次の給糸により編み目を形成する時に同時に4つの編み目をくぐって編み糸を引き出して新しい編み目を作る編み方にしてもよい。また、本実施形態では、足首上部低伸縮部10をタック編みで編成するとともに、FTY、ゴム糸を編み込むことにより伸縮性を小さくしたが、これに限らず、FTY、ゴム糸を編み込まなくてもよい。このように、足首上部低伸縮部10の外側の伸縮性を足首上部低伸縮部10の内側の伸縮性より小さくすることにより、靴下1の形状をより略くの字形状にすることができる。
【0030】
足首上部低伸縮部10の足首の周方向の一部に他の部分より伸縮性が大きい足首上部低伸縮延長部12が編成されている。なお、本実施形態では、足首上部低伸縮部10と外側低伸縮部7とを連通させて形成したが、これに限らず、足首上部低伸縮部10と外側低伸縮部7を分離させ連通させなくてもよい。足首上部低伸縮延長部12についても、足首上部低伸縮部10と同様、タック編みを使用するとともに、伸縮性の高い素材として裏糸にFTYを使用し、さらに、ゴム糸を編み込むことにより伸縮性を小さくしている。ここで、足首上部低伸縮延長部12は、足首上部低伸縮部10より少し伸縮性を大きくしている。具体的には、足首上部低伸縮延長部12のタック編みについては、次の給糸により編み目を形成する時に同時に2つの編み目をくぐって編み糸を引き出して新しい編み目を作っている。なお、本実施形態では、足首上部低伸縮延長部12をタック編みで編成するとともに、FTY、ゴム糸を編み込むことにより伸縮性を小さくしたが、これに限らず、FTY、ゴム糸を編み込まなくてもよい。
【0031】
このように、足首上部低伸縮部10が足首上部の円周方向に渡って形成されているので、足首の位置でしっかり固定することができ、靴下1がずれることを抑制することができる。これにより、靴下1を装着した状態で足底全体が地面に対し略平行にするという効果を安定して得ることができる。また、周方向の一部を足首上部低伸縮部10の他の部分より伸縮性が大きい足首上部低伸縮延長部12が形成されているので、足首上部が周方向に広がり易くなり、靴下1の着脱を容易にすることができるとともに、着用時の圧迫感を回避でき血行が悪くなることも防止できる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態における靴下1を用いることにより、足の
フット部6外側全体に外反させる方向の力を働かせた状態で、その足の
フット部6外側全体を略内側踝部3b方向に引っ張られることにより、この靴下1を装着して歩行する際には足底全体が地面に対し略平行になり、足の着地時において、足底の内外側を地面に略同時に着地させることができる。これにより、足の負担を十分軽減できるとともに、真っ直ぐな走行および効率の良い力の伝達ができ運動能力を向上させることができる。
【0033】
以上の開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0034】
1 靴下
2 履き口部
3 踝部
3a 外側踝部
3b 内側踝部
4 ボディ部
5 爪先部
6 フット部
7 外側低伸縮部
8 上部テーピング低伸縮部
9 下部テーピング低伸縮部
10 足首上部低伸縮部
11 下部テーピング低伸縮延長部
12 足首上部伸縮延長部
【要約】
【課題】 従来の靴下では、足全体を十分外反方向へ回転させることができなかったので、足の負担を十分軽減させることができず、運動能力も十分向上させることができなかった。
【解決手段】 本発明の靴下1は、第5趾の付け根付近から外側面を介し外側踝部3a付近まで伸びる長さで、甲側の第4趾の第1趾側付近から足底側の第5趾の第1趾側付近に至る幅を有する外側低伸縮部7と、甲側の外側低伸縮部7の第4趾の第1趾側付近と足首の間から略内側踝部3b側に向かう方向に形成されている上部テーピング低伸縮部8と、足首上部の円周方向に形成されている足首上部低伸縮部10が設けられているので、足の負担を十分軽減できるとともに、運動能力を向上させる。
【選択図】
図1