(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取得手段は、前記送信先取得手段で取得した送信先のユーザが、情報処理装置から当該画像処理装置にログイン可能なユーザである場合に、当該画像処理装置に保存された電子ファイルのリンク情報を取得し、
前記送信先に従って、前記取得手段で取得したリンク情報が入力されたリンクメールを生成するメール生成手段を
更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
前記送信判定手段で、送信先の情報と送信元の情報が一致しないと判定した場合に、前記送信先のユーザが、情報処理装置から当該画像処理装置にログイン可能なユーザか否かを判定する判定手段
を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔実施形態1〕
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明のクライアントPCおよび認証サーバおよび複合機(画像形成装置)およびメールサーバを適用可能なプリントシステムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【0024】
クライアント端末400と認証サーバ200とメールサーバ300と複合機100はLAN600(ネットワーク)を介して通信可能に接続されている。
【0025】
複合機100は、紙原稿(紙文書)をスキャンし電子化する機能とユーザによって指定された宛先を指定して電子データを電子メール(以下、メール)に添付して、メールサーバ300に送信する機能を有する。電子化されたデータは一旦複合機100のHDD内に保存され、宛先ごとに指定したデータをメールに添付し、LAN600を介してメールを送信することができる。すなわち、複合機は、電子ファイルを記憶する画像処理装置又は画像形成装置である。
【0026】
認証サーバ200は、
図6に示すカードID601及び、カードに紐付けられたユーザ情報(ユーザ名602、メールアドレス603、複合機情報604)を保持する定義ファイルを保持する。複合機100より送信されたカードIDにしたがって、該ユーザを検索し、該ユーザが存在する場合は該ユーザ情報のユーザ名602、メールアドレス603、複合機情報604を複合機100へ返信する。なお、複合機情報604は、カードを有するユーザ情報でログイン可能(アクセス可能)な複合機を識別するための情報である。なお、複合機情報は、複合機名や複合機のIPアドレスなど識別可能な情報であればよい。
【0027】
メールサーバ300は一般的なSMTPの機能を有し、複合機100から送信されるメールを受信し、指定のメールアドレスのクライアント端末400に転送する。
【0028】
クライアント端末400には、メールクライアントがインストールされており、このメールクライアントは、メールサーバから転送されるメールを受信することができる。
【0029】
以下、
図2を用いて、
図1に示した認証サーバ200、メールサーバ300、クライアント端末400に適用可能な情報処理装置のハードウエア構成について説明する。
【0030】
図2は、
図1に示した認証サーバ200、メールサーバ300、クライアント端末400に適用可能な情報処理装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0031】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0032】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0033】
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。なお、
図2では、CRT210と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0034】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0035】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク(例えば、
図1に示したLAN600)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0036】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0037】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0038】
次に、
図3を用いて、
図1に示した複合機100のハードウェア構成について説明する。
【0039】
図3は、
図1に示した複合機100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0040】
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ部314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LAN(例えば、
図1に示したLAN600)や公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0041】
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0042】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム,画像データ等を格納する。
【0043】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部(キーボード)308とのインタフェース部である。また、操作部I/F307は、操作部308から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU301に伝える役割をする。
【0044】
305はネットワークインタフェース(Network I/F)で、ネットワーク(LAN)600に接続し、データの入出力を行う。本実施形態では、特にメールがネットワークを介してメールサーバに送信される。306はモデム(MODEM)で、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0045】
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394,プリンタポート,RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証で必要となる携帯端末のICカード(記憶媒体)の読み取り用のカードリーダ319が外部I/F部318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319による携帯端末のICカードからの情報読み取りを制御し、該携帯端末のICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0046】
320はイメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0047】
画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0048】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ部314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0049】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0050】
スキャナ部314は、原稿(紙文書)となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ部314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0051】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0052】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0053】
尚、表示部はプリンタによって表示性能が異なり、タッチパネルを介して操作をできるプリンタ、単に液晶画面を備え文字列を表示(印刷状態や印刷している文書名の表示)させるだけのプリンタによって本発明は構成されている。
【0054】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0055】
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、携帯端末内に備えられたICカードに記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0056】
以上のような構成によって、複合機100は、スキャナ部314から読み込んだ画像データをLAN600上に送信したり、LAN600から受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力することができる。
【0057】
また、スキャナ部314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ部312により出力することできる。
【0058】
以下、
図4と
図5を用いて本発明の実施形態における、各端末内の機能について説明する。
【0059】
なお、各端末の詳細な説明はフローチャートを用いて後述するため、ここでは各種端末内に記載されている機能ブロック図を用いて説明する。
【0060】
また、
図4を用いて複合機100と認証サーバ200の機能について説明する。
【0061】
複合機100は、認証モジュール1100とスキャンモジュール1200がHDD304にインストールされており、認証モジュール1100が認証機能1101を有し、スキャンモジュール1200がスキャン機能1201とメール送信機能1202を有している。なお、認証モジュール1100やスキャンモジュール1200の機能は、複合機100の本体制御プラットフォーム内の機能として備えてもよい。
【0062】
また、認証サーバ200は、認証サービス2100を有しており、認証サービス2100がユーザ情報管理機能2101とユーザ情報応答機能2102を有している。
【0063】
複合機100は認証サーバ200とネットワーク経由で通信可能である。また、複合機100は紙原稿をスキャンし電子データに変換することが可能である。
【0064】
認証機能1101は、複合機100に付属されているカードリーダ319を介してログインユーザのカードIDを読み取り、認証サーバ200のユーザ情報応答機能2102で受信することが可能なようにカードIDを含む認証要求パケットを送信する。
【0065】
そして、認証サーバ200のユーザ情報応答機能2102が返信する応答パケット内の応答フラグを取得し、認証失敗の場合はユーザに対し、認証が失敗した旨のメッセージを表示し処理を終了する。また、認証成功の場合は応答パケット内のユーザ情報(
図6の602、603、604)を取得し、ユーザ名602、メールアドレス603を含むログイン情報を生成する。認証成功の場合とは、カードIDが認証テーブルに存在し、且つ、要求のあった複合機が複合機情報604と一致する場合である。
【0066】
なお、認証サーバ200では、認証テーブルに一致するカードIDがあるか否かを判定した場合に認証成功として、認証成功の情報を受け取った複合機で、複合機情報と当該複合機が一致するかを判定して、一致する場合に認証成功として、複合機にログインする構成としてもよい。
【0067】
また、ユーザがログインしたことを通知するために、ログイン情報をスキャンモジュールに通知する。
【0068】
スキャン機能1201は、
図7〜12に示すような宛先設定画面を表示し、メール送信先の宛先や、宛先ごとの詳細な添付情報設定を受け付ける。また、ユーザからのスキャン実行要求を受け付けて、複合機100にセットされている紙原稿をスキャンし電子データに変換して一旦HDD304に保存する。
【0069】
メール送信機能1202は、スキャン機能1201で設定した宛先ごとに、HDD304に保存した電子データをメールに添付してメールサーバ300のメール受信機能3101で受信することが可能なように送信する。
【0070】
ユーザ情報管理機能2101は、
図6で示すユーザ情報テーブルを記憶し、更新を行う。
【0071】
ユーザ情報応答機能2102は、複合機100の認証機能1101から送信された認証パケットを受信し、受信した認証パケット内からカード情報(カードID)を取得する。カード情報に結びついたユーザ情報を
図6で示すユーザ情報テーブルから検索し、検索した結果得られたユーザ名602、メールアドレス603、複合機情報604を返信する為にユーザ情報(ユーザ名602、メールアドレス603、複合機情報604)と応答フラグを含む応答パケットを返信する。
【0072】
次に、
図5を用いてメールサーバ300とクライアント端末400の機能について説明する。
【0073】
メールサーバ300は、SMTPサービス3100を有しており、クライアント端末400は、メールサーバからメールを受信可能なメーラー4100(メールクライアントソフト)がインストールされている。
【0074】
また、SMTPサービス3100はメール受信機能3101と、メール転送機能3102を有し、メーラー4100(メールクライアントソフト)は、メール受信機能4101を有している。
【0075】
メールサーバ300は複合機100とネットワーク経由で通信可能であり、また、メールサーバ300はクライアント端末400とネットワーク経由で通信可能である。
【0076】
メール受信機能3101は、SMTPサーバとしての機能であり、複合機100上のメール送信機能1202から送信されてくるメールを受信する。
【0077】
メール転送機能3102は、SMTPサーバとしての機能であり、転送先のメールアドレスに対応するクライアント端末400に対してメール受信機能3101で受信したメールを転送する。
【0078】
メール受信機能4101は、メールサーバ300から送信されるメールを受信し本文と添付ファイルとを分けてユーザ向けに表示する。
【0079】
次に本実施形態の一態様について
図20を用いて説明する。また
図20で示す一態様では、スキャン機能1201、メール送信機能1202をプラットフォームの本体機能とし、スキャンモジュール1200がメール送信機能で送信されたメールを受信して、スキャンデータをHDD304に格納し、リンクメールを送信する構成として説明する。
【0080】
図20は本実施形態の一態様の概略を示す図である。なお、本図では、便宜上スキャンモジュールと記載しているが、スキャンモジュールはSMTPポートを有しており、メールを送信できることからスキャンモジュールと言い換えることも可能である。つまり、本発明がモジュール名に限定されるものではない。以下、モジュールやプラットフォームの各機能はCPU301が実行する。
【0081】
複合機100は、オペレーティングシステムなどのプラットフォームを有しており、プラットフォームには複合機100の本体機能としてのスキャン機能とメール送信機能を有している。また、プラットフォーム上で動作する認証モジュールとスキャンモジュールを有している。なお、認証モジュールとスキャンモジュールは、任意に複合機100にインストールすることが可能なプログラム(ソフトウェア)である。
【0082】
(1)スキャン機能は、スキャナ部314で原稿を読み取り、画像データを生成する。(2)生成された画像データはメール送信機能でメールに添付され、スキャンモジュールにローカルホスト接続にて受け渡される。なお、メール送信機能では、送信先(To)や送信元(From)のアドレスが設定され、画像データが添付されたメールが生成される。なお、送信元(From)は、複合機100にログインする際に認証サーバ200から受信したメールアドレスが設定される。すなわち、電子ファイルをメール送信する送信先と送信元を設定する(送信設定)処理である。
【0083】
(3)スキャンモジュールは、SMTPポートの25番を開いておき、SMTPポートを介してメール送信機能から出力されたメールを受信(取得)する。また、スキャンモジュールは、取得したメールのアドレス(FromとTo)を比較して、当該複合機100のHDD304に画像データを格納するか、他の複合機100に記憶するかを判断する。
【0084】
(4−1)FromとToが一致する場合、すなわち複合機100にログインしたユーザのメールアドレスがFromとToに設定されている場合には、ユーザがこの複合機100にアクセスして画像データを取得することができるため、メールに添付されている画像データを取得し、HDD304に保存する。そして、(5)この画像データを取得するためのリンク情報を含むリンクメールを生成してメールサーバ300へ送信する。この場合のアドレス(FromとTo)は同じアドレスとなる。なお、本実施形態の一態様ではFromとToの一致を判断したが、Toのメールアドレスのユーザを認証サーバに問い合わせて、当該複合機100にログインできるユーザかを判定する(リンクメールの送信を判定する)ように構成してもよい。
【0085】
(4−2)FromとToが一致しない場合、すなわち複合機100にログインしたユーザのメールアドレスがFromに設定され、複合機100にログインしたユーザと異なるユーザのメールアドレスがToに設定されている場合には、Toに設定されているメールアドレスのユーザがこの複合機100にアクセスして画像データを取得することができない場合があるため、認証サーバ200、もしくは、複合機100に備える認証テーブルを用いて、当該複合機100にログインできるユーザかを判定する。ログインできないユーザと判定される場合、認証サーバ200から取得したToのメールアドレスのユーザがログインできる複合機の複合機識別情報(複合機名やIPアドレス)に従って、添付データをログインできる複合機に送信し、HDD304に添付データを保存する。
【0086】
そして、(4−3)で、この画像データを取得するためのリンク情報を取得して、リンク情報を元の複合機に送信する。なお、リンク情報は画像データを識別するための情報が含まれているURLなどである。(3)で受信した添付メールの宛先を設定し、受信したリンク情報を記載したメールを生成し、メールサーバ300にメールを送信する(5)。
【0087】
なお、ローカルホスト接続以外に、複合機100のIPアドレスと異なるIPアドレスを有している外部の端末からメールがスキャンモジュールに送信されてきた場合には、受信しないように制御している。
【0088】
メールサーバ300は、リンクメールを複合機100から受信し、クライアント端末400に送信する。
【0089】
(6)クライアント端末400は、リンクメールを受信する。リンクメールの場合には、メールに記載の複合機100に保存されている画像データを取得(ダウンロード)するためのリンク情報に従って、画像データをダウンロードする。なお、画像データをダウンロードする際には、例えば、ユーザがメールのリンク情報を指定することに従って、ダウンロードが開始され、複合機100からクライアント端末400にダウンロードがされる。
【0090】
なお、Toのメールアドレスに対応するユーザがログイン可能な複合機がなかった場合に、画像データを添付した添付メールを送信するか、リンクメールも添付メールも送信しない(禁止する)かを設定でき、この設定に応じてToのメールアドレスに対応するユーザがログイン可能な複合機がなかった場合のメール送信処理を行うように構成する。
【0091】
次に、
図15〜
図17を用いて本実施形態の詳細な説明を行う。なお、本実施形態における特徴的なステップは、例えば、ステップS1719〜ステップS1724である。
【0092】
図15は、本発明の実施形態におけるユーザ認証処理のフローチャートである。各処理をステップ数と共に説明する。
【0093】
なお、ステップS1501、ステップS1502、ステップS1504〜ステップS1506は、複合機100のCPU301が実行する。また、ステップS1503は、認証サーバ200のCPU201が実行する。
【0094】
ステップS1501では、ユーザ操作として複合機100に接続されているカードリーダ319にカードをかざすことで、カードリーダがカードIDを読み取る。複合機100の認証機能1101はカードリーダ319で読み取ったカードIDを取得する。カードID以外に、カード内にユーザIDを記憶している場合には、ユーザIDを用いてもよい。
【0095】
なお、認証サーバ200が保持している
図6で示すようなユーザ情報テーブル内に、ユーザ名とパスワードを保持するような構成の場合は、複合機100の操作部からユーザに、ユーザ名とパスワードを入力させ、このユーザ名とパスワードを取得する方法でもよい。
【0096】
ステップS1502では、認証機能1101はカードID(ユーザ名パスワードでもよい)を取得した場合、ユーザ認証のための認証要求フラグとカードIDを含むユーザ認証要求パケットを生成し、認証サーバ200へ送信する。
【0097】
ステップS1503では、ユーザ情報応答機能2102は複合機100から送信されてくる認証要求パケット内からカードIDを取得する。また取得したカードIDをキー(例えば、001〜009)に、
図6のユーザ情報テーブルを検索し、ユーザ名602とメールアドレス603、複合機情報604を取得し、それを含む認証応答パケットを生成し複合機100に返信する。
【0098】
ステップS1504では、認証機能1101は認証サーバ200から認証応答パケットを受信する。受信したパケット内から、ユーザ名とメールアドレス(ユーザ情報)を取得する。また取得したユーザ情報を元にログイン情報を生成し、複合機100のスキャン機能1201に通知する。
【0099】
ステップS1505では、スキャン機能1201は認証機能1101からログイン情報が通知された場合、ログイン情報内のユーザ名とメールアドレスを取得してRAM302に保持する。
【0100】
次に、
図16は、本発明の実施形態における宛先追加時のフローチャートである。各処理をステップ数と共に説明する。
【0101】
なお、ステップS1601〜ステップS1618は、複合機100のCPU301が実行する。
【0102】
ステップS1506で複合機100にログインすると、ステップS1601では、スキャン機能1201は複合機100の操作部308の操作画面上に
図7で示すようなメール送信画面を表示する。
【0103】
ステップS1602では、
図7に複合機100にログインしたユーザ名を表示するために、スキャン機能1201はログインしたユーザ名をRAM302に保持する。
【0104】
ステップS1603では、スキャン機能1201は表示したユーザ名に対応するメールアドレスをログイン情報から取得し、RAM302に保持する。
【0105】
ステップS1604では、スキャン機能1201は
図7で示すメール送信画面上にステップS1602で保持したユーザ名を表示する。なお、添付ファイルの最大容量は、スキャンモジュール1200が参照可能な設定ファイル内に記憶されている設定情報(添付ファイルの最大容量)を読み出して表示させる。なお、運用によって、この添付ファイルの最大容量は管理者によって変更することが可能な情報である。
【0106】
ステップS1605では、スキャン機能1201はメール送信宛先を保持するための空の宛先リストを生成し、RAM302に保持する。
【0107】
ステップS1606では、スキャン機能1201はステップS1605で生成した宛先リストにログインユーザの、ステップS1603でRAM302に保持したメールアドレスをmainアドレスとして追加する(宛先設定)。
【0108】
その際宛先詳細情報に添付ファイル情報として[全てのデータ](添付)を保持する(提供方法)。本実施形態ではmain宛先のデフォルト添付情報は[全てのデータ](添付)を指定するようにしているが、アプリケーションの設定によってデフォルト値が変更可能な構成でもよい。すなわち、全てのデータ(ステップS1705で生成する電子データ(ファイル))をメールに添付してユーザ(クライアント端末400)に提供する方法を設定する処理である。
【0109】
また、mainアドレスはログインユーザのアドレスをデフォルトの設定とせず、ユーザによって複合機100に保持しているアドレス帳から指定させるようにしてもよい。
【0110】
ステップS1607では、ステップS1608〜ステップS1619の処理は新規宛先追加の処理である(宛先設定)。複数の宛先を追加する場合は、ユーザの指定を受け付けた回数分ステップS1608〜ステップS1619を繰り返す。
【0111】
ステップS1608では、宛先を新規追加する際は
図7で示すメール送信画面上の[宛先追加]ボタンの押下を受け付ける。
【0112】
ステップS1609では、スキャン機能1201は[宛先追加]ボタンが押下されたことを受け付け、
図8に示す宛先追加画面を表示する。
【0113】
ステップS1610では、宛先追加の際に複合機100に既に存在するアドレス帳から検索して参照画面を表示するために、
図8宛先追加画面上の[アドレス帳参照]ボタンの押下を受け付けた否かを判定する。アドレス帳参照ボタンの押下を受け付けた場合には、ステップS1612へ処理を移し、アドレス帳参照ボタンの押下を受け付けず、
図8の宛先追加画面上のアドレス入力欄への指示を受け付けた場合には、ステップS1611へ処理を移す。
【0114】
ステップS1611では、
図8の宛先追加画面上のアドレス入力欄から直接宛先のアドレスの入力を受け付ける。入力には、操作部にソフトキーボードを表示させユーザに入力させる。
【0115】
ステップS1612ではスキャン機能1201は
図10に示すアドレス帳画面を表示する。なお、アドレス帳画面には、複合機100で管理しているメールアドレスデータを取得し、表示する。
【0116】
ステップS1613では、
図10のアドレス帳画面から追加したい宛先のアドレスの選択を受け付ける。
【0117】
ステップS1614では、
図10のアドレス帳画面上の[追加]ボタンが押下されると、ステップS1613にて選択されたアドレスを取得する。
図8の宛先追加画面では1つの宛先のみの設定しかできないが、アドレス帳参照の場合、
図10アドレス帳画面上で複数の宛先を選択された場合は、複数の宛先を一度に追加できる構成であってもよい。
【0118】
ステップS1615では、スキャン機能1201は、ステップS1614で選択したアドレスを
図8のアドレス追加画面のアドレス入力欄に表示する。なお、アドレス帳画面で複数のアドレスを選択された場合は、
図8のアドレス入力欄をプルダウン形式にして複数のアドレスを編集することを可能としてもよい。このとき
図8のアドレス追加画面上の[main(To)に設定する]にチェックを付けた場合はmainアドレスとして追加される。チェックをつけない場合はsub(Cc(カーボンコピー))アドレスとして追加される。なお、mainとして設定された宛先(アドレス)は、メールの送信情報(ヘッダー部)の宛先(To)として識別可能なようにメールに設定される。また、subとして設定された宛先(アドレス)は、メールの送信先情報(ヘッダー部)のCc(カーボンコピー)として識別可能なようにメールに設定される。すなわち、電子ファイルをメール送信する送信先を設定する(送信設定)処理である。
【0119】
ステップS1616では、アドレス入力欄にアドレスが表示すると、追加したアドレスに付加する添付ファイルの設定の入力を受け付ける。
【0120】
添付ファイルの設定は、「全データ(添付)」「リンクURL」が設定可能である。「全データ」は、スキャンしたデータ全てをメールに添付する設定である(ステップS1705で生成する電子データ(ファイル)をメールに添付する設定)。「リンクURL」は、原稿をスキャンして生成される電子データを取得可能な保存先を含むリンク情報(電子データを取得するための取得情報)をメールに記載する設定である。つなわち、添付ファイルの設定(添付設定)は、全データ、リンクURLの少なくとも1つを用いて、電子データ(ファイル)をユーザ(クライアント端末400)に提供する方法を設定するものである。なお、「全データ」は画像データ(ファイル)をメールに添付する第1の方法で、「リンクURL」は、画像データ(ファイル)に対応する画像ファイル情報を付加する第2の方法と言い換えることも可能である。
【0121】
ステップS1617では、アドレス追加の全ての設定が終了した場合、ユーザによる
図8アドレス追加画面上の[追加]ボタンの押下を受け付ける。
【0122】
ステップS1618では、ステップS1617にて[追加]ボタンが押下を受け付けると、スキャン機能1201はステップS1611〜ステップS1617で追加設定したアドレスを表示した
図9のメール送信画面を表示する。このとき追加されたアドレスや設定情報(main/subや添付設定)を含む情報はステップS1605で生成したRAM302の宛先リストに追加される。
【0123】
次に、
図17は、本発明の実施形態における原稿スキャンからメール送信までのフローチャートである。各処理をステップ数と共に説明する。
【0124】
ステップS1701〜ステップS1725は、複合機100のCPU301が実行する。
【0125】
ステップS1701では、ユーザによって
図9のメール送信画面の[送信]ボタンの押下を受け付ける。
【0126】
ステップS1702では、スキャン機能1201はステップS1701で[送信]ボタンが押下されると、複合機100のスキャナ部314にセットされた原稿(紙文書)の読込処理を開始する。具体的には、スキャンモジュール1200が複合機100の本体制御プラットフォームに原稿読込要求を行い、本体制御プラットフォームからスキャナ部に対して原稿読み込み依頼を発行する。
【0127】
なお、ステップS1703〜ステップS1704の処理は原稿の枚数分繰り返す。
【0128】
ステップS1703では、複合機100のスキャナ部314は、スキャン機能1201から原稿の読み込み要求に従ってセットされている原稿を1枚ずつ読み込む。
【0129】
ステップS1704では、複合機100のスキャナ部314はスキャンした原稿の電子データ(画像データ)をスキャン機能1201に渡す。電子データを受け取ったスキャン機能1201は複合機100のHDD304に原稿1枚分の電子データを保存する。
【0130】
ステップS1705では、原稿の読取が全て完了すると、全ての電子データを1つの電子データ(1ファイル)になるように所定のファイルフォーマット(TIFFやPDF)で変換し、HDD304に保存する(画像ファイル取得)。すなわち、電子ファイルを保存する処理である。電子データ(1ファイル)をHDD304に保存した後、スキャン機能1201は電子データの保存場所にひもづいたURLを生成し保持する。すなわち、電子ファイルの保存に従って、URL(リンク情報)を生成する(リンク情報生成)処理である。
【0131】
ここで作成したURLはクライアントPCからステップS1704で生成した電子データをダウンロードする際に使用される。またステップS1704でHDD304に保存された電子データは一定時間経過後に自動で削除される。
【0132】
ステップS1706では、スキャン機能1201は
図7に示すメール送信画面で表示された[添付ファイルの最大容量]を取得しRAM302に保持する。
【0133】
ステップS1707では、スキャン機能1201は、ステップS1605で生成した宛先リストからステップS1705で保存した電子データを添付する必要がある宛先が存在するかを判断する。
【0134】
ステップS1708では、スキャン機能1201は、ステップS1707で電子データを添付する必要のある宛先が存在する場合は、ステップS1704で保存した電子データ(1ファイル)のファイルサイズ(データ量)を取得する(サイズ取得)。
【0135】
ステップS1709では、スキャン機能1201は、ステップS1708で取得したファイルのサイズが、ステップS1706でRAM302保持した添付ファイルの最大容量(所定のサイズ)を超えていないかを判断する(サイズ判定)。
【0136】
なお、本実施形態では、宛先リストの宛先分メールを送信するため、電子データ(1ファイル)のファイルサイズが小さくても全メールを合計するとファイルサイズが大きくなってしまう。そこで、全ての宛先に対して電子データ(1ファイル)を送る場合には、「宛先数×電子データ(1ファイル)のファイルサイズ」が添付ファイルの最大容量を超えていないかを判断する。この形態で「宛先数×電子データ(1ファイル)のファイルサイズ」が添付ファイルの最大容量を超える場合には、ステップS1710へ処理を移し、「宛先数×電子データ(1ファイル)のファイルサイズ」が添付ファイルの最大容量を超えない場合にはステップS1712へ処理を移す。
【0137】
ステップS1710では、スキャン機能1201は、ステップS1709にてステップS1708で取得したファイルのサイズが、添付ファイルの最大容量を超えていると判断した場合に、
図12に示す添付設定変更画面を表示する。すなわち、添付設定変更画面は、画像データ(ファイル)の提供方法を変更する変更画面である。
【0138】
ステップS1711では、添付設定変更画面を介して、ユーザの操作に応じた添付設定の変更指示を受け付け、宛先カテゴリのmain(メイン)とsub(サブ)ごとに添付設定を変更する。
【0139】
図12に示すようにmainの場合は[全データ][リンクURL]から選択可能になる。ステップS1708で取得したファイルのサイズが、ステップS1706でメモリ上に[保持した添付ファイルの最大容量]を超えている場合でもmain宛先に限り全てのデータを添付することを許可する。
【0140】
なお、本実施形態では、main宛先に限り全てのデータを添付することを許可する構成としたが、main宛先であっても、全てのデータを添付することを許可しないようにすることも可能である。これは、複合機100が保持するスキャンモジュール1200が参照可能な設定ファイルに、main宛先に全てのデータの添付を許可するか許可しないかの設定情報が記載されている。main宛先であっても、全てのデータを添付することを許可しないようにする場合、sub宛先と同じように制御する。
【0141】
sub宛先の場合は全データの添付が許可されないため[リンクURL]の選択となる。ここで設定をした場合はmainとsubそれぞれに属する宛先の添付設定を変更して、ステップS1605で生成した宛先リストに保存する。
【0142】
ステップS1712では、ステップS1713〜ステップS1724までの処理を繰り返すことによって、宛先リストの宛先ごとに、添付設定に従ってメールを生成する(電子メール生成)。なお、本フローチャートの説明では、スキャン機能1201とメール送信機能1202はスキャンモジュール内で実現されている機能なので、スキャン機能1201で生成した電子データやRAM302に保持したデータをメール送信機能1202は参照/操作可能である。
【0143】
ステップS1713では、メール送信機能1202は、宛先リストに格納されている宛先情報の中から1件分の宛先情報(メールアドレスと設定情報(添付情報))を取得する。すなわち、電子メールの送信先を取得する処理(送信先取得)である。
【0144】
ステップS1714では、メール送信機能1202はステップS1715で取得した宛先情報から添付設定を取得する。
【0145】
ステップS1715では、メール送信機能1202は、画像データをユーザが取得可能にするために、
図13または
図14で示すようなメール本文を生成する。メール本文中にはメール送信を実行したユーザを記載する。またメール本文中の[宛先]欄には宛先リストに含まれる、宛先(メールアドレス)と添付設定で指定されている添付する情報を記載する。これは、メール送信時に、送信側が複合機100であることからFromが複合機100で、mainの宛先もsubの宛先もメールのToに設定して送信するからで、どのユーザが実際のFrom(送信者)で、どのユーザが実際のToとして送ったユーザか、どのユーザが実際のCcとして送ったユーザかをユーザに認識させるためである。
【0146】
ステップS1716では、メール送信機能1202はステップS1715で取得した宛先情報から添付情報を取得し、画像データの添付が必要かを判断する。
【0147】
ステップS1717では、メール送信機能1202は、ステップS1718で画像の添付が必要と判断した場合は、ステップS1705で保存した画像データを添付ファイルとしてメールに添付する。この時Fromにログインしたユーザのメールアドレスをメールに設定する。すなわち、電子ファイルをメール送信する送信元を設定する(送信設定)処理である。
【0148】
ステップS1718では、メール送信機能1202は、ステップS1713で取得した宛先情報から添付情報を取得し、添付情報でリンクURLの添付が必要かを判断する。
【0149】
ステップS1719では、メール送信機能1202はステップS1718でリンクURLの添付が必要と判断した場合は、宛先情報のユーザがログイン可能な複合機情報を認証サーバ200に問い合わせて取得する。具体的には、宛先情報のメールアドレスを認証サーバ200に送信し、認証サーバ200は、
図6の認証テーブルからメールアドレスが一致する複合機情報を取得して、問い合わせのあった複合機へ送信することで、ログイン可能な複合機情報を取得する。
【0150】
なお、ここではメールアドレスを送信するように構成したが、ユーザ名(ユーザID)を宛先情報として持っている場合には、ユーザ名を認証サーバ200に送信することでもログイン可能な複合機情報を取得することが可能である。また、本実施形態では、認証サーバ200を用いてログイン可能な複合機情報を取得するように構成したが、複合機内に認証テーブルを有している構成の場合には、この認証テーブルを参照する構成であってもよい。更に、各複合機内でログインした履歴(ログインユーザのユーザ名、カードID、メールアドレス)を保持している場合には、各複合機に問合せを行い、このログイン履歴に一致するメールアドレスが存在した場合に、ログイン可能な複合機と判定するような構成であってもよい。
【0151】
また、複合機情報は、複合機を識別する情報であるが、複合機の所属するグループであってもよい。つまり、複合機を識別する情報は複合機グループも含むものである。
【0152】
ステップ1720では、メール送信機能1202はステップS1719で取得した複合機情報と、複合機100が予め保持している複合機情報(複合機名やIPアドレス)と一致するか否かを判定し、当該複合機にログイン可能なユーザに対する宛先かを判定する。宛先情報に対応するユーザがログイン可能な複合機であると判定された場合に、ステップS1723へ処理を移す。宛先情報に対応するユーザがログイン可能な複合機でないと判定された場合に、ステップS1721へ処理を移す。すなわち、送信先取得処理で取得した送信先のユーザが、情報処理装置から当該複合機(画像処理装置)にログインして電子ファイルをダウンロード可能か否かを判定する処理である。
【0153】
ステップS1721では、ステップS1705で保存した画像データを、宛先情報に対するユーザにダウンロードさせるために、当該電子データを、ステップS1719で取得した複合機へ送信する。すなわち、電子ファイルをダウンロード可能でないと判定される場合に、送信先取得処理で取得した送信先のユーザがログイン可能な複合機(画像処理装置)に前記電子ファイルを保存するべく、前記電子ファイルを送信する(電子ファイル送信)処理である。
【0154】
ここで、送信先の複合機の電子データの保存処理について、
図19を用いて説明する。
図19は、送信先の複合機の電子データの保存処理のフローチャートである。
【0155】
ステップS1901では、電子データを受信する。ステップS1902では、受信した電子データをHDD304に保存する。ステップS1903では、保存したデータに対するリンクするURL(リンク情報)を生成する。ステップS1904では、生成したURLを電子データが送信された複合機へ送信する。
【0156】
図17の説明に戻り、ステップS1722では、電子データを送信した先の複合機からURLを受信する。すなわち、電子ファイル送信処理による電子ファイルの送信に従って、送信した電子ファイルを保存先の前記画像処理装置からダウンロードさせるためのリンク情報を、保存先の複合機(画像処理装置)から受信する(リンク情報受信)処理である。
【0157】
ステップS1723では、ステップS1722で受信したURL又は、ステップS1705で生成したリンクURLをメールに添付(入力)する。この時Fromにログインしたユーザのメールアドレスをメールに設定する。すなわち、受信したリンク情報が入力されたリンクメールを生成する(メール生成)処理である。また、リンク情報生成処理で生成されたリンク情報が入力されたリンクメールを生成する処理である。また、電子ファイルをメール送信する送信元を設定する(送信設定)処理である。なお、送信元の設定は、メールを作成する際に設定可能なタイミングであれば何れであってもあってもよい。
【0158】
なお、本実施形態では、電子データを宛先情報のユーザがログイン可能な複合機に保存した場合に、当該複合機でURLを生成するように構成したが、保存先の複合機からHDDの保存先情報を取得し、この取得した保存先情報と、保存先の複合機のIPアドレスから、原稿をスキャンした複合機でURLを生成する構成であってもよい。すなわち、ステップS1723は、宛先情報に対応するユーザがログイン可能な複合機に保存した電子データのリンク情報をメールに入力する。
【0159】
ステップS1724では、メール送信機能1202は、ステップS1713〜ステップS1723で生成したメールデータを、ステップS1715で取得した宛先情報のアドレスをToに設定し送信する。すなわち、電子ファイル送信処理で送信した電子ファイルを保存先の複合機(画像処理装置)からダウンロードさせるためのリンク情報が入力されたリンクメールを送信し、判定処理で電子ファイルをダウンロード可能と判定される場合に、当該複合機(画像処理装置)に記憶する電子ファイルをダウンロードさせるためのリンク情報が入力されたリンクメールを送信する(メール送信)処理である。
【0160】
なお、メールの送信は、メールサーバ300に対して、メール受信機能3101が受信可能なように送信し、メールを受けたメール受信機能3101は一般的なSMTPプロトコルを使用して宛先のクライアント端末400に送信する。
【0161】
なお、本実施形態では、mainもsubもメールのToに設定して送信するため、送信ユーザと宛先をメール本文中に記載するようにしたが、この構成に限ることはない。
【0162】
例えば、通常のメーラーでも可能なように、mainの宛先にメールを送信する際には、Fromにログインしたユーザのメールアドレスを設定し、Toにmainの宛先を設定する。そして、添付設定に応じて電子データを添付、もしくはURLを記載してメールサーバ300に送信する。この場合、メール本文中の送信ユーザの情報は記載しなくてもよい。
【0163】
また。subの宛先にメールを送信する際には、Fromにログインしたユーザのメールアドレスを設定し、Toに複合機100に与えられているメールアドレスを設定し、Ccにsubの宛先を設定する。そして、メール本文中の[宛先]欄に、mainの宛先(メールアドレス)と添付設定で指定されているmainの添付する情報を記載する。さらに添付設定に応じて電子データを添付、もしくはURLを記載してメールサーバ300に送信する。この場合、複合機100がこのメールを受け取った場合は自動で削除されるか、メールサーバ300で複合機100には送信しないように構成する。この場合、メール本文中の送信ユーザの情報は記載しなくてもよい。
【0164】
なお、上述は、mainとsubで、送信するメールの情報が違う(電子データ、URL等)場合があるため、mainとsubで別々のメールを作成し送信する構成としたが、添付する電子データがmainもsubも同じように送信可能な場合には、1つのメールで送信することも可能である。この場合、Toにmainのアドレスを、Ccにsubのアドレスを、Fromにログインユーザのメールアドレスを設定して、添付設定に対応する電子データ又はURLの情報を付与して送信する。
【0165】
また、本実施形態では、
図12のように、subは添付設定が同じになるような構成としたが、subの宛先ごとに添付設定を変更するように構成することも可能である。つまり、subについては、1つのメールのCcにsubの全てのアドレスを設定して送信するが、subの宛先ごとに添付設定が違う場合には、subの宛先ごとにメールを作成し、送信するように構成する。
【0166】
ステップS1725では、メール送信機能1202は宛先リスト中の全ての宛先へメール送信が完了した場合、スキャン機能1201に対してメール送信完了通知を発行する。メール送信完了通知を受けたスキャン機能1201は複合機100の操作表示部に
図11に示すようなメール送信完了ダイアログを表示する。
【0167】
またスキャン機能1201はステップS1705で保存した電子データの内、メールに添付した電子データのファイルを削除する。
【0168】
なお、本実施形態では、複合機内にて処理を実現する構成としたが、複合機から電子データが送信された情報処理装置で実現する構成としてもよい。
【0169】
以上、本実施形態によれば、メールの送信先に従って、電子ファイルを画像処理装置に格納し、格納した電子ファイルをダウンロードさせるためのリンクメールを送信することで、ユーザがアクセスできない画像処理装置に電子ファイルが格納されて、ダウンロードできないことを防ぐことが可能となる。
【0170】
〔実施形態2〕
実施形態1では、宛先リストの宛先数分メールを作成して、メールサーバ300にメールを送信する構成としたが、本実施形態では、宛先リストの宛先全てに対して全データ(1ファイルになった画像データ)が送信可能な場合の処理について説明する。
【0171】
より具体的には、宛先リストに宛先を設定した場合の添付設定はデフォルト全データ設定になっているため、添付設定をユーザが変更しなければ、全ての宛先が全データ設定になっている。そのため、添付するデータのサイズが小さい場合には、宛先数分のメールは作成せずに、1つのメールに宛先を複数設定して、データを添付して送信する処理とする。
【0172】
以下、
図18を参照しながら、実施形態2について説明する。
【0173】
その他の図面に関しては、実施形態1と実施形態2では同等のものとし、説明は省略する。
【0174】
図18は、複合機100の各ステップは、CPU301が実行する。
【0175】
なお、
図17のステップS1709の処理を
図18の処理に置き換えることで実現可能である。従って、
図17と同じ処理については同じステップ番号を振り、説明を省略する。すなわち、
図18の処理は、画像データの容量(サイズ)が添付ファイルの最大容量(所定サイズ)を超えていない、且つ宛先リストに設定した複数の宛先に対する添付設定(提供方法)が一致する場合に、画像データ(ファイル)を1つのメールで複数の宛先に送るようにメールを生成する処理である(電子メール生成)。
【0176】
ステップS1801では、ステップS1708で取得したファイルの容量(サイズ)が添付ファイルの最大容量(サイズ)を超えていない場合の処理である。宛先リストの全宛先の添付設定が全データ(スキャンしたページごとの画像データを1つにまとめたファイル)の設定か否かを判断する。つまり、デフォルトの設定か否かを判断する。
【0177】
全宛先の添付設定が全データの設定である場合には、ステップS1802へ処理を移す。全宛先の添付設定が全データの設定でない場合には、ステップS1712へ処理を移す。
【0178】
ステップS1802では、ステップS1705で生成したデータ(ファイル)を取得し、取得したデータ(ファイル)を添付したメールを生成する(電子メール生成)。
【0179】
ステップS1803では、生成したメールのToにmainのアドレスを設定し、CCにsubのアドレスを設定する。この時Fromにログインしたユーザのアドレスを設定してもよい。
【0180】
ステップS1804では、ステップS1802でデータが添付され、ステップS1803で宛先(TOやCC)が設定されたメールをメールサーバ300に送信する。
【0181】
以上、説明したように、実施形態1の効果に加え、本実施形態では、全ての宛先が全データ設定(通常のファイル添付)であり、全データ(ファイル)が所定サイズ(添付ファイルの最大容量)を超えていない場合には、1メールで送信できるので、送信効率をよくすることが可能となる。
【0182】
〔実施形態3〕
次に、
図21を用いてS1719〜S1723の他の実施形態について説明する。特に
図20で説明した形態或いは、Fromに複合機にログインしたユーザのメールアドレスが設定される場合において有用である。
【0183】
これは、FromとToが一致した場合には、複合機にログインしたユーザへのメールとなるため、リンクメールを送った場合に、情報処理装置から複合機にログインし、保存されているファイルをダウンロードできるためである。
【0184】
つまり、FromとToが一致する場合には、認証サーバ等へFromのユーザが、ファイルが保存されている複合機にログインできるか否か(権限があるか否か)を問い合わせする必要がないため、無駄な処理を省くことができる。
【0185】
以下、
図21のフローチャートを用いて、処理を説明する。なお、
図17と同一のステップについては、同じステップ番号を振り、説明を省略する。説明を省略したステップについては、前述の処理を用いることで実現可能である。
【0186】
以下のステップは、複合機のCPUが処理を実行する。
【0187】
ステップS2101では、
図8で設定された宛先(To)のメールアドレス又は、
図20にて説明した(3)で受信した添付メールのToのメールアドレスを取得する。すなわち、送信設定処理で設定した送信先と送信元が一致するか否かを判定する(送信判定)処理である。
【0188】
ステップS2102では、送信するメールに設定するFromのメールアドレス又は、
図20にて説明した(3)で受信した添付メールのFromのメールアドレスと取得する。
【0189】
ステップS2103では、ステップS2101とステップS2102で取得したToとFromのアドレスを比較し、メールアドレスが一致するか否かを判定する。メールアドレスが一致する場合には、Toのユーザが当該複合機にログインできるユーザ(当該複合機にログインしたユーザが自身に送信するため)と判定されるため、ステップS2104へ処理を移す。
【0190】
メールアドレスが一致しない場合には、ステップS1719へ処理を移す。メールが一致しない場合とは、複合機にログインしたユーザと異なるユーザのメールアドレスが宛先(To)に設定されている場合や、Fromに複合機のシステムユーザのアドレス(システムユーザ名等)が設定されている場合である。なお、ステップS1719とステップS1719の処理は前述しているため説明を省略する。なお、ステップS1719は、送信先取得処理で取得した送信先に従って、当該送信先のユーザが当該複合機(画像処理装置)にログインすることが可能なユーザか否かを認証サーバに問い合わせる処理である。
【0191】
ステップS1719の処理の後、ステップS1720の処理を行う。つまり、ステップS1720は、送信判定処理で、送信先と送信元が一致しないと判定した場合に、送信先のユーザが、情報処理装置から当該複合機(画像処理装置)にログインして電子ファイルをダウンロード可能か否かを判定する処理である。
【0192】
ステップS2104では、
図20の(4−1)で保存した添付データのリンクを取得する。或いは、ステップS1705で生成したリンクを取得する。すなわち、送信判定処理で、送信先と送信元が一致すると判定した場合に、当該複合機(画像処理装置)に記憶する電子ファイルをダウンロードさせるためのリンク情報を取得する(リンク情報取得)処理である。
【0193】
なお、(4−1)のリンクは、ステップS1705と同様に、保存したデータをダウンロード取得可能なURLとなる。例えば、HTTPから始まり、当該データの識別情報を含むリンクである。すなわち、メール送信処理で送信するリンクメールのリンク情報は、リンク情報取得処理で取得したリンク情報である。
【0194】
以上、説明したように、実施形態1、実施形態2の効果に加え、本実施形態では、認証サーバ等に送信先のユーザがログイン可能か否かを判定するための問い合わせをすることが減り、ネットワークの負荷や処理を効率化することができる。
【0195】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0196】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0197】
また、本発明におけるプログラムは、
図15〜
図19、
図21に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は
図15〜
図19、
図21の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは
図15〜
図19、
図21の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0198】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0199】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0200】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0201】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0202】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0203】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0204】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0205】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。