(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
圧縮機(11)、室外熱交換器(13)、膨張弁(14)、液側閉鎖弁(15)及び室内熱交換器(16)を含む冷媒回路(10)を有する冷凍装置(100)において、該回路内を循環する冷媒の漏洩を防止する冷媒漏洩防止剤(liq1)を前記冷媒回路内に吸入させる冷媒漏洩防止剤の吸入方法であって、
前記液側閉鎖弁を閉じて前記圧縮機を運転させるポンプダウン運転を、前記冷凍装置に開始させる第1ステップと、
前記ポンプダウン運転中に、前記冷媒回路のうち前記液側閉鎖弁と前記圧縮機の吸入口との間に設けられたポート(20c,20d,・・・)から前記冷媒漏洩防止剤を前記冷媒回路内へと吸入させる第2ステップと、
を備え、
前記冷媒漏洩防止剤は、使い切りタイプの容器(30)に封入され、
前記第2ステップでは、前記容器内の前記冷媒漏洩防止剤全てが前記冷媒回路に吸入された後に前記容器内に含まれる気体が前記冷媒回路内に吸入されてしまうのを防ぐため、前記冷媒漏洩防止剤を前記冷媒回路内へと吸入させた後、前記容器内に前記冷媒漏洩防止剤が残っているところで、前記ポートが閉じられる、
冷媒漏洩防止剤の吸入方法。
圧縮機(11)、室外熱交換器(13)、膨張弁(14)、液側閉鎖弁(15)及び室内熱交換器(16)を含む冷媒回路(10)を有する冷凍装置(100)において、該回路内を循環する冷媒の漏洩を防止する冷媒漏洩防止剤(liq1)を前記冷媒回路内に吸入させる冷媒漏洩防止剤の吸入方法であって、
前記冷凍装置のメンテナンス時において、前記冷媒回路の真空引きを行う第1ステップと、
前記冷媒回路が真空状態である間に、前記冷媒回路に設けられたポート(20a,20c,20d,・・・)から前記冷媒漏洩防止剤を前記冷媒回路内へと吸入させる第2ステップと、
を備え、
前記冷媒漏洩防止剤は、使い切りタイプの容器(30)に封入され、
前記第2ステップでは、前記容器内の前記冷媒漏洩防止剤全てが前記冷媒回路に吸入された後に前記容器内に含まれる気体が前記冷媒回路内に吸入されてしまうのを防ぐため、前記冷媒漏洩防止剤を前記冷媒回路内へと吸入させた後、前記容器内に前記冷媒漏洩防止剤が残っているところで、前記ポートが閉じられる、
冷媒漏洩防止剤の吸入方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法では、冷凍機油及び微粒子等が液冷媒と混ざり合うのを防止するため、容器が二重構造となっている。更に、特許文献1の方法では、液冷媒は気化してガス冷媒となるため、容器は比較的耐圧性能の高い構造を有している。そのため、設備コストが多くかかってしまう。また、特許文献1の方法では、冷媒漏洩防止剤の冷媒回路側への吸入動作は、冷媒回路が冷房サイクルを行っている間、つまりは夏季に行わざるを得ず、よって当該動作を行う季節が限定されてしまう。
【0005】
また、特許文献2の方法では、上述したように高圧ポンプが必要となる。そのため、やはり設備コストが多くかかってしまう。更に、特許文献2の方法では、冷媒漏洩防止剤の冷媒回路側への吸入動作は、冷凍機油の拡散性向上のため、冷媒回路が暖房サイクルを行っている間、つまりは冬季に行わざるを得ず、よって当該動作を行う季節が限定される。
【0006】
そこで、本発明の課題は、季節を問わず、かつ設備コストをかけることなく簡単に冷媒漏洩防止剤を冷媒回路に吸入することができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1観点に係る冷媒漏洩防止剤の吸入方法は、圧縮機、室外熱交換器、膨張弁、液側閉鎖弁及び室内熱交換器を含む冷媒回路を有する冷凍装置において、該回路内を循環する冷媒の漏洩を防止する冷媒漏洩防止剤を、冷媒回路内に吸入させる方法である。この方法は、第1ステップと第2ステップとを備える。第1ステップでは、ポンプダウン運転を冷凍装置に開始させる。ポンプダウン運転とは、液側閉鎖弁を閉じて圧縮機を運転させる運転である。第2ステップは、ポンプダウン運転中に、冷媒回路のうち液側閉鎖弁と圧縮機の吸入口との間に設けられたポートから、冷媒漏洩防止剤を冷媒回路内へと吸入させるステップである。冷媒漏洩防止剤は、使い切りタイプの容器に封入されている。第2ステップでは、
容器内の冷媒漏洩防止剤全てが冷媒回路に吸入された後に容器内に含まれる気体が冷媒回路内に吸入されてしまうのを防ぐため、冷媒漏洩防止剤を冷媒回路内へと吸入させた後、容器内に冷媒漏洩防止剤が残っているところで、ポートが閉じられる。
【0008】
ここでは、ポンプダウン運転を行っている間に、冷媒漏洩防止剤が冷媒回路に吸入される。すると、冷媒回路内の冷媒は圧縮機のケーシング内に吸入されるため、冷媒漏洩防止剤は、冷媒と共に圧縮機のケーシング内に吸入されることとなる。そのため、高圧ポンプ等の特殊な機器を用いずとも、冷媒漏洩防止剤を冷媒回路内に簡単に吸入することができる。また、ポンプダウン運転は、夏季や冬季のような季節を問わず行われるため、季節によって冷媒漏洩防止剤の吸入動作が行えない場合がある等の制限がない。更に、冷媒漏洩防止剤は、冷媒回路のうち液側閉鎖弁と圧縮機の吸入口との間に設けられたポートから冷媒回路内へと吸入されるため、比較的圧縮機の吸入側に近い冷媒配管のポートから冷媒回路内に取り込まれることとなる。これにより、当該防止剤のほとんどが、他の機器(例えば室外熱交換器)内に残留することなく圧縮機内に取り込まれるようになる。従って、冷媒漏洩防止剤は確実に拡散され、やがて冷媒回路全体に行き渡ることができるため、冷媒漏洩防止剤の効果が薄らいでしまうのを防ぐことができる。
【0009】
本発明の第2観点に係る冷媒漏洩防止剤の吸入方法は、圧縮機、室外熱交換器、膨張弁、液側閉鎖弁及び室内熱交換器を含む冷媒回路を有する冷凍装置において、該回路内を循環する冷媒の漏洩を防止する冷媒漏洩防止剤を冷媒回路内に吸入させる方法である。この方法は、第1ステップと、第2ステップとを備える。第1ステップは、冷凍装置のメンテナンス時において、冷媒回路の真空引きを行うステップである。第2ステップは、冷媒回路が真空状態である間に、冷媒回路に設けられたポートから冷媒漏洩防止剤を冷媒回路内へと吸入させるステップである。冷媒漏洩防止剤は、使い切りタイプの容器に封入されている。第2ステップでは、
容器内の冷媒漏洩防止剤全てが冷媒回路に吸入された後に容器内に含まれる気体が冷媒回路内に吸入されてしまうのを防ぐため、冷媒漏洩防止剤を冷媒回路内へと吸入させた後、容器内に冷媒漏洩防止剤が残っているところで、ポートが閉じられる。
【0010】
ここでは、冷凍装置のメンテナンス時に行われる真空引きによって、冷媒漏洩防止剤は冷媒回路内に吸入されるようになる。そのため、高圧ポンプ等の特殊な機器を用いずとも、冷媒漏洩防止剤を冷媒回路内に簡単に吸入することができる。また、冷凍装置のメンテナンスは、夏季や冬季のような季節を問わず行われるため、季節によって冷媒漏洩防止剤の吸入動作が行えない場合がある等の制限がない。
【0011】
本発明の第1観点および第2観点に係る冷媒漏洩防止剤の吸入方法では、冷媒漏洩防止剤は、使い切りタイプの容器に封入されている。
【0012】
これにより、容器内に封入されている冷媒漏洩防止剤は、1回で使い切られる。そのため、冷媒漏洩防止剤に含まれる冷凍機油が酸化して劣化してしまった当該防止剤を用いずに済む。また、冷媒漏洩防止剤を冷媒回路内に吸入させる際、作業者は冷媒漏洩防止剤の分量を計測する必要がないため、作業者の利便性が向上する。特に、冷媒漏洩防止剤は、真空引きまたはポンプダウン運転によって冷媒回路内が真空状態となることで、自動的に冷媒回路内に吸入される。そのため、冷媒漏洩防止剤を収容している容器は、比較的高い耐圧性能を有さずともよい。従って、設備コストもかからずに済む。
【0013】
本発明の第3観点に係る冷媒漏洩防止剤の吸入方法は、第1観点または第2観点に係る吸入方法であって、第3ステップを更に備える。第3ステップは、第2ステップの前に、冷媒漏洩防止剤を封入している容器の開口部をポートを介して冷媒回路と接続するステップである。そして、第2ステップにおいては、冷媒漏洩防止剤を吸入している途中で、ポートを閉じる。
【0014】
これにより、容器内の冷媒漏洩防止剤が冷媒回路に吸入された後に、続いて例えば窒素等の気体が容器から冷媒回路内に入るのを防ぐことができる。
【0015】
本発明の第4観点に係る冷媒漏洩防止剤の吸入方法は、第1観点から第3観点のいずれかに係る吸入方法であって、ポートは、冷媒回路が更に有するガス側閉鎖弁に設けられている。
【0016】
これにより、冷媒漏洩防止剤は、ガス側閉鎖弁の位置から冷媒回路内へと吸入されるようになる。ガス側閉鎖弁は、圧縮機の吸入口に近い位置にあるため、当該防止剤のほとんどが、より確実に圧縮機内に取り込まれるようになる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1観点に係る冷媒漏洩防止剤の吸入方法によると、特殊な機器を用いずとも、冷媒漏洩防止剤を冷媒回路内に簡単に吸入することができる。また、季節によって冷媒漏洩防止剤の吸入動作が行えない場合がある等の制限がなく、更に冷媒漏洩防止剤の効果が薄らいでしまうのを防ぐことができる。
【0018】
本発明の第2観点に係る冷媒漏洩防止剤の吸入方法によると、特殊な機器を用いずとも、冷媒漏洩防止剤を冷媒回路内に簡単に吸入することができる。また、季節によって冷媒漏洩防止剤の吸入動作が行えない場合がある等の制限がない。
【0019】
本発明の第1観点および第2観点に係る冷媒漏洩防止剤の吸入方法によると、冷媒漏洩防止剤に含まれる冷凍機油が酸化して劣化してしまった当該防止剤を用いずに済む。また、作業者の利便性を向上させることができ、設備コストもかからずに済む。
【0020】
本発明の第3観点に係る冷媒漏洩防止剤の吸入方法によると、容器内の冷媒漏洩防止剤が冷媒回路に吸入された後に、続いて例えば窒素等の気体が容器から冷媒回路内に入るのを防ぐことができる。
【0021】
本発明の第4観点に係る冷媒漏洩防止剤の吸入方法によると、冷媒漏洩防止剤のほとんどが、より確実に圧縮機内に取り込まれるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る冷媒漏洩防止剤の吸入方法について、図面を参照しつつ詳述する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<第1実施形態>
(1)概要
図1は、本発明の一実施形態に係る冷媒漏洩防止剤liq1の吸入方法が適用される冷凍装置の冷媒回路10を示している。本実施形態では、冷媒回路10が、室外に設置される室外ユニット100aと室内に設置される室内ユニット100bとに分かれて構成されている、いわゆるセパレータ式の空気調和装置100において形成された回路である場合を例に採る。
【0024】
ここで、空気調和装置100の運転種類としては、冷房運転、暖房運転の他、ポンプダウン運転が挙げられる。ポンプダウン運転とは、後述する液側閉鎖弁15を閉じて圧縮機11を運転させる運転であって、冷媒回路10を構成する各種機器を繋ぐ冷媒配管内に残留している冷媒を、室外ユニット100aに閉じ込める作業にて利用される。
【0025】
冷媒回路10内には、冷媒が循環している。冷媒は、冷媒回路10を形作る冷媒配管内を通過するが、冷媒配管において例えば使用条件や環境によりクラックや腐食が生じた場合には、そのクラック等が生じた冷媒配管の部分からは、冷媒が冷媒回路10の外部へと流出してしまうこととなる。すると、冷媒量不足により、後述する室外熱交換器13や室内熱交換器16の熱交換能力が低下する虞がある。
【0026】
そこで、本実施形態に係る冷媒回路10には、冷媒回路10内の冷媒が該回路10外部へと漏洩してしまうのを防止するための冷媒漏洩防止剤liq1が吸入される。特に、本実施形態においては、冷媒漏洩防止剤liq1を、低コストでかつ簡単に冷媒回路10内へと吸入されることとなるが、冷媒漏洩防止剤liq1の冷媒回路10への吸入方法については、後述する。
【0027】
(2)冷媒回路について
(2−1)冷媒回路の構成
冷媒回路10は、
図1に示すように、主として、圧縮機11、四路切換弁12、室外熱交換器13、膨張弁14、液側閉鎖弁15、室内熱交換器16、ガス側閉鎖弁17及びアキュムレータ18によって構成されている。圧縮機11、四路切換弁12、室外熱交換器13、膨張弁14、液側閉鎖弁15、ガス側閉鎖弁17及びアキュムレータ18は、室外ユニット100aのケーシング内に備えられている。室内熱交換器16は、室内ユニット100bのケーシング内に備えられている。
【0028】
圧縮機11は、冷媒回路10中に流れる冷媒を圧縮するための機構であって、容量可変型の圧縮機である。具体的には、ケーシング(図示せず)内に収容されたロータリ式やスクロール式等の容器式の圧縮要素(図示せず)が、同じくケーシング内に収容された圧縮機用モータ(図示せず)によって駆動される密閉式圧縮機である。この圧縮機11のケーシング内には、圧縮要素において圧縮された後の冷媒が充満する高圧空間(図示せず)が形成されており、この高圧空間には、冷凍機油が溜められている。圧縮機用モータは、インバータによる駆動によってその回転数を可変させることができ、これにより圧縮機11の容量制御が可能になっている。
【0029】
四路切換弁12は、冷媒回路10内の冷媒の循環方向を切り替えるためのものである。四路切換弁12の第1ポートp1は、圧縮機11の吐出口11aに接続されており、第2ポートp2は、室外熱交換器13の一端と接続されている。四路切換弁12の第3ポートp3は、アキュムレータ18を介して圧縮機11の吸入口11bに接続されており、第4ポートp4は、ガス側閉鎖弁17を介して室内熱交換器16の一端と接続されている。空気調和装置100が冷房運転及びポンプダウン運転を行う際には、四路切換弁12は、第1ポートp1と第2ポートp2とが内部で接続すると共に第3ポートp3と第4ポートp4とが内部で接続する第1接続状態を採り得る(
図1の四路切換弁12中の実線を参照)。また、四路切換弁12は、暖房運転時には、第1ポートp1と第4ポートp4とが内部で接続すると共に第2ポートp2と第3ポートp3とが内部で接続する第2接続状態を採り得る(
図1の四路切換弁12中の点線を参照)。
【0030】
室外熱交換器13は、室外ユニット100a内部に設けられた室外ファン13aによって取り込まれた室外空気と、冷媒回路10内の冷媒と、の間で熱交換を行うためのものである。室外熱交換器13は、一方向に積層された複数のフィンと、各フィンを貫通するようにしてフィンに設けられた複数の伝熱管とで構成されている、フィンアンドチューブタイプの熱交換器であることができる。室外熱交換機13は、冷房運転時には凝縮器として機能し、暖房運転時には蒸発器として機能する。室外熱交換器13によって熱交換が行われた後の空気は、室外機外に排出される。
【0031】
膨張弁14は、冷媒回路10内の冷媒を減圧させ、減圧させた冷媒を流出するためのものであり、電動膨張弁で構成される。膨張弁14の両端は、フィルタ19a,19b等を介して各熱交換器13,16の他端に接続されている。
【0032】
液側閉鎖弁15は、膨張弁14と室内熱交換器16の他端側との間に設けられた弁である。液側閉鎖弁15は、全開または全閉の状態を取ることができ、膨張弁14と室内熱交換器16との間の冷媒の流れを開閉する。
【0033】
室内熱交換器16は、室内ユニット100b内部に設けられた室内ファン16aによって取り込まれた室内空気と、冷媒回路10内の冷媒と、の間で熱交換を行うためのものである。室内熱交換器16は、室外熱交換器13と同様、一方向に積層された複数のフィンと、各フィンを貫通するようにしてフィンに設けられた複数の伝熱管とで構成されている、フィンアンドチューブタイプの熱交換器であることができる。室内熱交換機16は、冷房運転時には蒸発器として機能し、暖房運転時には凝縮器として機能する。室内熱交換器16によって熱交換が行われた後の空気は、室内に供給される。
【0034】
ガス側閉鎖弁17は、室内熱交換器16の他端側と四路切換弁12の第4ポートp4との間に設けられた弁である。ガス側閉鎖弁17は、全開または全閉の状態を取ることができ、室内熱交換器16と四路切換弁12の第4ポートp4との間の冷媒の流れを開閉する。
【0035】
アキュムレータ18は、圧縮機11の吸入側、具体的には四路切換弁12の第3ポートp3と圧縮機11の吸入口11bとの間に接続されており、蒸発器として機能する室内熱交換器16において蒸発しきれず液状態にある冷媒を、ガス冷媒から分離する。アキュムレータ18により、分離されたガス冷媒のみが圧縮機11に吸入されるようになる。
【0036】
また、本実施形態に係る冷媒回路10には、複数のサービスポート(ポートに相当)20a,20c,20d,・・・が設けられている。サービスポート20a,20c,20d,・・・は、空気調和装置100のメンテナンス時において、冷媒の圧力等の測定や冷媒の回収作業、冷媒充填作業のために冷媒回路10に接続するポートとして用いられる。
【0037】
なお、本実施形態では、一例として、
図1に示すように、冷媒回路10上には3つのサービスポート20a,20c,20dが設けられている場合を示している。サービスポート20aは、四路切換弁12の第2ポートp2と室外熱交換器13とを繋ぐ冷媒配管上に設けられている。サービスポート20cは、液側閉鎖弁15に設けられており、サービスポート20dは、ガス側閉鎖弁17に設けられている。言い換えると、サービスポート20a以外のポート20c,20dは、冷媒回路10のうち、液側閉鎖弁15と圧縮機11の吸入口11bとの間に設けられたポートと言える。
【0038】
また、本実施形態においては、サービスポート20a,20c,20d,・・・は、冷媒漏洩防止剤liq1を冷媒回路10内に吸入する際のポートとしても利用される。特に、冷媒漏洩防止剤liq1は、圧縮機11の吸入側に近い部分から吸入されることが好ましい。従って、サービスポート20d、サービスポート20c,サービスポート20aの順に、冷媒漏洩防止剤liq1の吸入場所として好ましいことになる。
【0039】
(2−2)各種運転における冷媒の流れ
(2−2−1)冷房運転
空気調和装置100が冷房運転を行う際には、冷媒回路10は冷房サイクルを行う。この時、既に述べたように、室外熱交換器13は凝縮器として機能し、室内熱交換器16は蒸発器として機能する。四路切換弁12は、
図1の実線に示されるように、第1ポートp1と第2ポートp2とを繋ぎ、第3ポートp3と第4ポートp4とを繋ぐ第1接続状態を採る。
【0040】
圧縮機11、室外ファン13aおよび室内ファン16aが駆動すると、まず、低圧のガス冷媒は、圧縮機11に吸入され圧縮されて、高圧の冷媒となる。高圧のガス冷媒は、次いで四路切換弁12を介して室外熱交換器13に送られる。室外熱交換器13に送られた高圧のガス冷媒は、室外ファン13aによって供給される室外空気と熱交換を行って凝縮され、高圧の液冷媒となる。この高圧の液冷媒は、その後フィルタ19aを介して膨張弁14に送られ、膨張弁14によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となる。低圧の気液二層状態の冷媒は、フィルタ19b及び液側閉鎖弁15を介して室内ユニット100bに送られる。室内ユニット100bに送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、室内熱交換器16に送られ、室内熱交換器16で室内空気と熱交換を行って蒸発されて低圧のガス冷媒となる。次いで、低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁17を介して室外ユニット100aに送られ、四路切換弁12を介してアキュムレータ18に流入する。アキュムレータ18に流入した低圧のガス冷媒は、再び圧縮機11に吸入される。
【0041】
(2−2−2)暖房運転
空気調和装置100が暖房運転を行う場合には、冷媒回路10は暖房サイクルを行う。この時、既に述べたように、室外熱交換器13は蒸発器として機能し、室内熱交換器16は凝縮器として機能する。四路切換弁12は、
図1の点線に示されるように、第1ポートp1と第4ポートp4とを繋ぎ、第2ポートp2と第3ポートp3とを繋ぐ第2接続状態を採る。
【0042】
圧縮機11、室外ファン13aおよび室内ファン16aが駆動すると、まず、低圧のガス冷媒は、圧縮機11に吸入されて圧縮され、高圧のガス冷媒となる。高圧のガス冷媒は、次いで四路切換弁12及びガス側閉鎖弁17を介して室内ユニット100bに送られる。室内ユニット100bに送られた高圧のガス冷媒は、室内熱交換器16において、室内ファン16aによって供給される室内空気と熱交換を行って凝縮され、高圧の液冷媒となる。この高圧の液冷媒は、室外ユニット100aへと送られ、当該ユニット100a内の液側閉鎖弁15及びフィルタ19bを介して膨張弁14へと送られる。高圧の液冷媒は、当該膨張弁14で減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となり、その後フィルタ19aを介して室外熱交換器13に送られる。低圧の気液二相状態の液冷媒は、室外熱交換器13において、室外ファン13aによって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発し、低圧のガス冷媒となる。この低圧のガス冷媒は、四路切換弁12を介してアキュムレータ18に流入する。アキュムレータ18に流入した低圧のガス冷媒は、再び圧縮機11に吸入される。
【0043】
(2−2−3)ポンプダウン運転
空気調和装置100がポンプダウン運転を行う場合には、冷媒回路10は冷房サイクルを行い、室内熱交換器16は蒸発器として機能する。四路切換弁12は、
図1の実線に示されるように、第1ポートp1と第2ポートp2とを繋ぎ、第3ポートp3と第4ポートp4とを繋ぐ第1接続状態を採る。
【0044】
まずは、圧縮機11、室外ファン13aおよび室内ファン16aが、所定時間の間駆動する。この時、液側閉鎖弁15及びガス側閉鎖弁17は、共に開状態を採る。
【0045】
この場合、冷凍サイクル時と同様、圧縮機11に吸入され圧縮された高圧の冷媒は、室外熱交換器13において凝縮されて高圧の液冷媒となる。そして、この高圧の液冷媒は、膨張弁14によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となった後、室内熱交換器16で蒸発して低圧のガス冷媒となる。この低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁17を介して室外ユニット100aのアキュムレータ18に流入し、やがて圧縮機11に吸入される。
【0046】
各ファン13a,16aが駆動してから所定時間が経過すると、液側閉鎖弁15が閉じられる。この時、ガス側閉鎖弁17は開状態を採る。膨張弁14は、徐々に開度が絞られ、やがて閉じられてもよい。
【0047】
これにより、液側閉鎖弁15と圧縮機11の吸入口11bとの間の冷媒回路10は、所謂真空状態となる。従って、当該閉鎖弁15と圧縮機11の吸入口11bとの間の冷媒は、室内熱交換器16、ガス側閉鎖弁17、四路切換弁12の第4ポートp4及び第3ポートp3、アキュムレータ18を介して、圧縮機11内へと吸入されていく。
【0048】
(3)冷媒漏洩防止剤
ここで、冷媒回路10に吸入される冷媒漏洩防止剤liq1について説明する。
【0049】
冷媒漏洩防止剤liq1は、冷凍機油及び微粒子を含む。特に、微粒子としては、冷媒や冷凍機油と反応することがない物質であって、かつ可撓性のある粒子が用いられると良い。可撓性のある微粒子としては、フッ素樹脂製の微粒子やシリコン製樹脂の微粒子が挙げられる。特に、フッ素樹脂製としては、可撓性及び耐久性に優れ、アルコール等の通常の溶剤にも溶けにくく比較的比重も大きいPTFE(polytetrafluoroethylene;PTFE)が好ましい。
【0050】
また、冷媒漏洩防止剤liq1は、フッ素樹脂製の微粒子に対して、グラファイト、タルク、銅、アルミニウム製の各種微粒子のいずれか1つもしくは複数を、例えば1.00〜70.00mass%の範囲内で混合したものであってもよい。もしくは、冷媒漏洩防止剤liq1は、シリコン製樹脂の微粒子に対して、グラファイト、タルク、銅、アルミニウム製の各種微粒子のいずれか1つもしくは複数を、例えば1.00〜70.00mass%の範囲内で混合したものであっても良い。
【0051】
このような微粒子を含む冷媒漏洩防止剤liq1は、冷媒回路10内に吸入されると、冷媒回路10の冷媒内に均一に分散されることとなる。そして、冷媒回路10を形作る冷媒配管にクラックや腐食が生じた場合、クラック等が生じた部分には、冷媒漏洩防止剤liq1内の微粒子が進入していき、当該部分を徐々に塞ぐ。即ち、当該部分は、冷媒漏洩防止剤liq1内の微粒子によって塞がれることとなる。これにより、クラック等が生じた部分からは、それ以上冷媒が漏洩することはない。
【0052】
ところで、上述した冷媒漏洩防止剤liq1は、
図2に示すような容器30に封入されている。容器30は、1回使いきりタイプの容器であって、容器30内には、冷媒漏洩防止剤liq1が、1回の吸入時に使われる分量だけ封入されている。
【0053】
容器30は、
図2に示すように、容器本体部31と、ノズル32とを有しており、プラスチックやガラス等によって形成された透明の容器である。容器本体部31は、冷媒漏洩防止剤liq1を収容する部分であって、円柱形状を有しており、正面視においては
図2に示すように約矩形形状となっている。ノズル32は、容器本体部31内の冷媒漏洩防止剤liq1を容器本体部31の外部へと導入するためのものであって、容器本体部31から当該本体部31の上方に突出しており、先細り形状を有している。ノズル32の内部には、突出方向に沿って開口部32bが形成されており、この開口部32bは、容器本体部31内部に繋がっている。
【0054】
なお、ノズル32の先端部分32aは塞がれている。従って、容器30は、冷媒漏洩防止剤liq1を保管している状態時においては、冷媒漏洩防止剤liq1が容器30外部へと漏れ出さない構造となっている。冷媒漏洩防止剤liq1が冷媒回路10内に吸入される際には、
図2の点線d1においてノズル32が途中で切断されることにより、開口部32bが容器30外部に露出するようになる。これにより、容器本体部31内の冷媒漏洩防止剤liq1は、ノズル32の開口部32bを介して容器本体部31の外部へと流出されるようになる。
【0055】
(4) 冷媒漏洩防止剤の吸入方法
(4−1)吸入装置
図3は、上述した冷媒漏洩防止剤liq1を冷媒回路10内に吸入させる際に用いられる吸入装置50の構造を、模式的に示している。
【0056】
吸入装置50は、冷媒漏洩防止剤liq1を冷媒回路10内へと吸入する際、サービスポート20a,20c,20d,・・・に接続される。
図3に示すように、吸入装置50は、主として、第1チューブ41、第2チューブ42、チューブ間バルブ43及び冷媒状態検査用器具(具体的には、圧力計・真空計、もしくはゲージマニホールド)44によって構成されている。
【0057】
第1チューブ41は、一方向に延びており、その内部には、第1チューブ41の延びる方向に沿った孔が形成されている。この孔は、容器30内の冷媒漏洩防止剤liq1が通過するための孔である。第1チューブ41の内径(即ち、第1チューブ41の切断面における孔の直径)は、容器30のノズル32の直径よりも大きい直径を有しており、第1チューブ41の一端には、開口部32bが露出した状態の容器30のノズル32がセットされる。特に、冷媒漏洩防止剤liq1の吸入の際、容器30内のノズル32と第1チューブ41との接触部分から冷媒漏洩防止剤liq1が漏れ出さないようにするため、第1チューブ41の孔の大きさは、容器32の開口部32bの大きさよりも若干大きい程度であることが好ましい。
【0058】
第2チューブ42は、一端がチューブ間バルブ43を介して第1チューブ41と接続されている。第2チューブ42の他端は、二股に分かれており、そのうち1つは冷媒状態検査用器具44に、もう1つはサービスポート20a,20c,20d,・・・に接続される。第2チューブ42の内部には、第1チューブ41と同様に冷媒漏洩防止剤liq1が通過するための孔が形成されており、第2チューブ42の内径は、第1チューブ41の孔と同じ大きさであることが好ましい。
【0059】
チューブ間バルブ43は、第1チューブ41及び第2チューブ42を繋ぐと共に、各チューブ41,42の間を開閉するためのものである。冷媒状態検査用器具44は、第2チューブ42内の真空状態を計測し、該状態を作業者が確認するためのものである。
【0060】
このような構成を有する吸入装置50によると、冷媒漏洩防止剤liq1の吸入が行われる際、サービスポート20a,20c,20d,・・・が閉状態を採っている状態にて、各チューブ41,42、チューブ間バルブ43及び圧力計44が、
図3に示すようにして接続される。そして、第1チューブ41の一端には、容器30のノズル32セットされる。その後、サービスポート20a,20c,20d,・・・が開状態となり、容器30内の冷媒漏洩防止剤liq1は、冷媒回路10内へと吸入されるようになる。
【0061】
そして、容器30内の冷媒漏洩防止剤liq1の残量が約2割程度となったところで、サービスポート20a,20c,20d,・・・が閉じられ、吸入装置50は冷媒回路10から取り外される。つまりは、冷媒漏洩防止剤liq1を冷媒回路10に吸入している途中で、サービスポート20a,20c,20d,・・・は閉じられる。これは、容器30内の冷媒漏洩防止剤liq1全てが冷媒回路10に吸入された後、容器30内に含まれる窒素等の気体が冷媒回路10内に吸入されてしまうのを防ぐためである。
【0062】
このように、本実施形態に係る吸入装置50は、空気調和装置100のサービスマン等である作業者が必ず所持しているような機器によって構成されており、簡単な構成を有している。従って、冷媒漏洩防止剤liq1を吸入する装置として、高圧ポンプ等の特殊な機器を必要とはせず、コストダウン化を図ることができる。
【0063】
(4−2)冷媒漏洩防止剤の吸入方法の動作の流れ
本実施形態に係る冷媒漏洩防止剤の吸入方法には、主として、以下の2通りがある。
【0064】
なお、以下では、ガス側閉鎖弁17に設けられているサービスポート20dから冷媒漏洩防止剤liq1が吸入される場合を例に採る。
【0065】
(4−2−1)吸入方法その1
図4は、本実施形態に係る冷媒漏洩防止剤liq1の吸入方法の動作の流れを示す図である。
図4では、ポンプダウン運転時に冷媒漏洩防止剤liq1の吸入が行われる場合を表している。
【0066】
ステップS11:作業者は、容器30のノズル32を
図2の点線d1にて切断し、容器30の開口部32bを露出させる。
【0067】
ステップS12〜S13:作業者は、
図3に示すように吸入装置50をセットして、当該装置50をガス側閉鎖弁17にあるサービスポート20dに接続する(S12)。そして、作業者は、ステップS11の容器30を当該装置50の第1チューブ41にセットする(S13)。これにより、容器30の開口部32bは、サービスポート20dを介して冷媒回路10と接続されることとなる(ステップS11〜S13は、第3ステップに相当)。
【0068】
ステップS14:空気調和装置100に、ポンプダウン運転を開始させる(第1ステップに相当)。なお、ポンプダウン運転の開始指示や液側閉鎖弁15を閉状態にする制御は、空気調和装置100に含まれる制御部(図示せず)によって行われる。
【0069】
ステップS15:ステップS14におけるポンプダウン運転中に、冷媒漏洩防止剤liq1が冷媒回路10内へと吸入される(第2ステップに相当)。
【0070】
ステップS16〜S18:容器30内の冷媒漏洩防止剤liq1が約8割程度吸入され、容器30内には約2割程度の冷媒漏洩防止剤liq1が残っている時点で(S16のYes)、作業者は、バルブ43を閉じ(S17)、その後ポンプダウン運転を終了させる。(S18)。これにより、冷媒漏洩防止剤liq1の吸入動作は終了する。
【0071】
なお、容器30内にどの程度の冷媒漏洩防止剤liq1が残っているかの確認は、作業者の目視による確認であってもよい。または、容器30内に冷媒漏洩防止剤liq1の残量を検知するセンサがある場合には、当該センサが冷媒漏洩防止剤liq1の残りの量が約2割であることを検知した際に、空気調和装置100が、自動でチューブ間バルブ43を閉じる構成であってもよい。
【0072】
(4−2−2)吸入方法その2
図5は、本実施形態に係る冷媒漏洩防止剤liq1の吸入方法の動作の流れを示す図である。
図5では、空気調和装置100のメンテナンス時等に行われる真空引きの時に、冷媒漏洩防止剤liq1の吸入が行われる場合を表している。
【0073】
ステップS21:作業者は、容器30のノズル32を
図2の点線d1にて切断し、容器30の開口部32bを露出させる。
【0074】
ステップS22〜S23:作業者は、
図3に示すように吸入装置50をセットして、当該装置50をガス側閉鎖弁17にあるサービスポート20dに接続する(S22)。そして、作業者は、ステップS21の容器30を吸入装置50の第1チューブ41にセットする(S23)。これにより、容器30の開口部32bは、サービスポート20dを介して冷媒回路10と接続されることとなる(ステップS21〜S23は、第3ステップに相当)。
【0075】
ステップS24:作業者は、冷媒回路10の真空引きの作業を行う(第1ステップに相当)。
【0076】
ステップS25:冷媒回路10が真空状態である間に、冷媒漏洩防止剤liq1が冷媒回路10内へと自動的に吸入される(第2ステップに相当)。
【0077】
ステップS26〜S28:容器30内の冷媒漏洩防止剤liq1が約8割程度吸入され、容器30内には約2割程度の冷媒漏洩防止剤liq1が残っている時点で(S26のYes)、作業者は、バルブ43を閉じ(S27)、その後真空引きを終了させる。(S28)。これにより、冷媒漏洩防止剤liq1の吸入動作は終了する。
【0078】
なお、容器30内にどの程度の冷媒漏洩防止剤liq1が残っているかの確認は、作業者の目視による確認であってもよい。または、容器30内に冷媒漏洩防止剤liq1の残量を検知するセンサがある場合には、当該センサが冷媒漏洩防止剤liq1の残りの量が約2割であることを検知した際に、空気調和装置100が、自動でチューブ間バルブ43を閉じる構成であってもよい。
【0079】
(4−3)修理作業の流れ
次に、上述した吸入方法その1及びその2が実際にどのような場合に用いられるかについて、
図6〜7を用いて説明する。
図6〜7は、空気調和装置100の修理作業の全体の流れを示した図である。
【0080】
ステップS31〜S32:空気調和装置100を使用している顧客より、「冷房運転をしているが室内が冷えない」「リモートコントローラにエラーコードが表示されている」等のクレームが発生した場合(S31)、作業者は、まずは室外ユニット100aの点検作業を開始することで、空気調和装置100の修理作業を開始する(S32)。
【0081】
ステップS33〜S34:作業者は、室外ユニット100aのフレア部にて冷媒の漏れが生じているか否かを調査する。フレア部にて冷媒の漏れが生じている場合には(S33のYes)、作業者は、増し締め及びフレア部の再加工作業を行うと共に、冷媒回路10内を循環している冷媒の回収及び冷媒の充填作業を行う(S34)。これにより、空気調和装置100の修理作業が完了する(S47)。
【0082】
ステップS35〜S36:フレア部にて冷媒の漏れが生じていない場合には(S33のNo)、作業者は、冷媒回路10を構成する冷媒配管のロウ付け部において冷媒漏れが生じているか否かを調査する。冷媒配管のロウ付け部において冷媒漏れが生じている場合には(S35のYes)、作業者は、冷媒回路10内を循環している冷媒の回収作業、回収した冷媒の処分作業、冷媒漏れの生じている部分における再度のロウ付け作業、及び新たな冷媒の充填作業を行う(S36)。これにより、空気調和装置100の修理作業が完了する(S47)。
【0083】
ステップS37〜S38:冷媒配管のロウ付け部においても冷媒漏れが生じていない場合には(S35のNo)、作業者は、室内ユニット100b内の点検作業が可能か否かを確認する。例えば店舗等であって現在顧客がいるために冷房運転を止めたくない等の事情により、空気調和装置100の運転を止めることができず、従って室内ユニット100bの点検作業が不可能な場合には(S37のNo)、作業者は、空気調和装置100に対して上述した
図4のステップS11〜S17の順序で、ポンプダウン運転時における冷媒漏洩防止剤liq1の冷媒回路10内への吸入方法を実施する(S38)。
【0084】
ステップS39:やがてシーズンオフとなり、空気調和装置100の運転を停止させての点検が可能となれば(S39のYes)、ステップS37以降の動作が行われる。シーズンオフではない場合には(S39のNo)、ひとまずは空気調和装置100の修理作業とする(S47)。
【0085】
ステップS40〜S42:ステップS37において、室内ユニット100bの点検作業が可能な場合には(S37のYes)、作業者は、室内ユニット100b側のフレア部にて冷媒の漏れが生じているか否かを調査する(S40)。フレア部にて冷媒の漏れが生じている場合には(S41のYes)、作業者は、増し締め及びフレア部の再加工作業を行うと共に、冷媒回路10内を循環している冷媒の回収及び冷媒の充填作業を行う(S42)。
【0086】
ステップS43〜44:フレア部にて冷媒の漏れが生じていない場合には(S41のNo)、作業者は、冷媒配管においてクラックや腐食が生じていると判断する。そこで、作業者は、まずは冷媒回路10内の冷媒の回収作業(S43)、及び窒素置換作業を行う(S44)。ここで、窒素置換作業とは、冷媒回路10において、どの部分の冷媒配管から冷媒が漏洩しているのかを確認する作業である。
【0087】
ステップS45:作業者は、冷媒の圧力(具体的には、圧力の減少の程度)から冷媒の漏洩量を算出し、算出結果と所定値との大小を比較する。算出結果が所定値よりも小さければ、冷媒漏洩防止剤liq1の冷媒回路10への吸入によって冷媒の漏洩を止めることができるからである。
【0088】
ステップS46〜47:算出結果、つまりは冷媒の漏洩量が所定値よりも小さい場合には(S45のYes)、作業者は、上述した
図5のステップS21〜S27の順序で、真空引き時における冷媒漏洩防止剤liq1の冷媒回路10内への吸入方法を実施する(S46)。次いで、作業者は、冷媒の充填作業を行う。これにより、空気調和装置100の修理作業が完了する(S47)。
【0089】
ステップS48〜S50:ステップS45において、冷媒の漏洩量が所定値よりも大きい場合には(S45のNo)、作業者は、冷媒の漏洩箇所を調査し(S48)、冷媒が漏洩していた部品の交換作業を行う(S49)。次いで、作業者は、上述した
図5のステップS21〜S27の順序で、真空引き時における冷媒漏洩防止剤liq1の冷媒回路10内への吸入方法を実施する(S50)。その後、作業者は、冷媒充填作業を行う。これにより、空気調和装置100の修理作業が完了する(S47)。
【0090】
以上をまとめると、本実施形態においては、室内ユニット100bの点検前であれば、ポンプダウン運転による冷媒漏洩防止剤liq1の吸入方法が採用され(S37〜S38)、室内ユニット100bの点検後であれば、真空引き時における冷媒漏洩防止剤liq1の吸入方法が採用される(S46,S50)。即ち、空気調和装置100を長時間運転停止の状態にできない場合には、ポンプダウン運転による冷媒漏洩防止剤liq1の吸入方法を行う。これにより、あえて空気調和装置100の運転を停止させずとも、冷媒の漏洩を止めることができる。また、空気調和装置100の運転を長時間停止する事が可能な状態の場合には、冷媒の充填の前に必ず行われる作業である真空引きを利用した、冷媒漏洩防止剤liq1の吸入方法を行う。
【0091】
また、上述したステップS46では、冷媒の漏洩量が比較的小さいために、部品交換をせずに本実施形態に係る冷媒漏洩防止剤liq1の吸入方法が行われている。従って、部品交換等の作業を行わない分、修理作業の簡略化及び修理コストの削減が達成できる。一方で、ステップS51では、冷媒の漏洩量が比較的大きく、もはや冷媒漏洩防止剤liq1では現在生じている冷媒の漏洩を止めることはできないため、部品の交換作業が行われている。しかし、部品の交換作業時に、同時に冷媒漏洩防止剤liq1の吸入作業を行っており、従って冷媒漏洩の再発が防止されることとなる。
【0092】
(5)特徴
(5−1)
本実施形態では、
図4に示されるように、空気調和装置100がポンプダウン運転を行っている間に、冷媒漏洩防止剤liq1が冷媒回路10に吸入される。すると、冷媒回路10内の冷媒が圧縮機11のケーシング内に吸入されるのに伴い、冷媒漏洩防止剤liq1も圧縮機11のケーシング内に吸入されることとなる。そのため、高圧ポンプ等の特殊な機器を用いずとも、冷媒漏洩防止剤liq1を冷媒回路10内に簡単に吸入することができる。
【0093】
また、ポンプダウン運転は、夏季や冬季のような季節を問わず行われるため、季節によって冷媒漏洩防止剤liq1の吸入動作が行えない場合がある等の制約がない。
【0094】
更に、冷媒漏洩防止剤liq1は、比較的圧縮機11の吸入口11bに近い冷媒配管のサービスポート20c,20dから冷媒回路10内に取り込まれるため、当該防止剤liq1のほとんどが、他の機器(例えば室外熱交換器13)内に残留することなく圧縮機11内に取り込まれるようになる。このため、冷媒漏洩防止剤liq1内の微粒子は、圧縮機11内の冷凍機油と混ざり合い油上がりを利用して拡散され、やがて冷媒回路10全体に行き渡ることができる。従って、冷媒漏洩防止剤liq1の効果が薄らいでしまうのを防ぐことができる。
【0095】
(5−2)
また、本実施形態では、空気調和装置100がポンプダウン運転を行っている間以外にも、空気調和装置100のメンテナンス時に行われる真空引きによって、冷媒漏洩防止剤liq1が冷媒回路10内に吸入される。そのため、低コストにて、冷媒漏洩防止剤liq1を冷媒回路10内に簡単に吸入することができる。また、夏季や冬季のように、季節によって冷媒漏洩防止剤liq1の吸入動作が行えない場合がある等の制限がない。
【0096】
(5−3)
また、本実施形態では、冷媒漏洩防止剤liq1が、使い切りタイプの容器30に封入されている。そのため、容器30内に封入されている冷媒漏洩防止剤liq1は、1回で使い切られることとなる。従って、冷媒漏洩防止剤liq1に含まれる冷凍機油が酸化し劣化してしまった当該防止剤liq1を用いずに済む。また、冷媒漏洩防止剤liq1を冷媒回路10内に吸入させる際、作業者は冷媒漏洩防止剤liq1の分量を計測する必要がないため、作業者の利便性が向上する。
【0097】
特に、本実施形態では、冷媒漏洩防止剤liq1は、真空引きまたはポンプダウン運転によって冷媒回路10内が真空状態となることで、自動的に冷媒回路10内に吸入される。そのため、冷媒漏洩防止剤liq1を収容している容器30は、比較的高い耐圧性能を有さずともよい。従って、設備コストもかからずに済む。
【0098】
(5−4)
また、本実施形態では、冷媒漏洩防止剤liq1の冷媒回路10への吸入の前に、冷媒漏洩防止剤liq1を封入している容器30の開口部32bが、サービスポート20a,20c,20d,・・・を介して冷媒回路10と接続される。そして、冷媒漏洩防止剤liq1を吸入している途中では、冷媒漏洩防止剤liq1の吸入に利用しているサービスポート20a,20c,20d,・・・が閉じられる。これにより、容器30内の冷媒漏洩防止剤liq1が冷媒回路10に吸入された後に、続いて例えば窒素等の気体が容器30から冷媒回路10内に入るのを防ぐことができる。
【0099】
(5−5)
特に、本実施形態では、冷媒漏洩防止剤liq1がガス側閉鎖弁17の位置から冷媒回路10内へと吸入されることができる。ガス側閉鎖弁17は、圧縮機11の吸入口11bに近い位置にあるため、当該防止剤liq1のほとんどが、より確実に圧縮機11内に取り込まれるようになる。
【0100】
(6)変形例
(6−1)変形例A
上記実施形態では、ガス側閉鎖弁17に設けられたサービスポート20dから冷媒漏洩防止剤liq1が吸入される場合を例に採り説明した。しかし、冷媒漏洩防止剤liq1は、液側閉鎖弁15に設けられたサービスポート20cから流入されてもよい。
【0101】
(6−2)変形例B
上記実施形態では、冷媒漏洩防止剤liq1が、
図3に示す吸入装置50によって吸入されると説明した。しかし、冷媒漏洩防止剤liq1を冷媒回路10に吸入するための装置は、
図3にて示した構成以外の装置であってもよい。
【0102】
(6−3)変形例C
上記実施形態では、
図6〜7に示すように、室内ユニット100bの点検前であればポンプダウン運転による冷媒漏洩防止剤liq1の吸入方法を採用し、室内ユニット100bの点検後であれば真空引き時における冷媒漏洩防止剤liq1の吸入方法を採用すると説明した。しかし、本発明においては、どのような場合にポンプダウン運転時による冷媒漏洩防止剤liq1の吸入方法または真空引き時における冷媒漏洩防止剤liq1の吸入方法が採用されるかは、適宜決定されることができる。従って、ポンプダウン運転による冷媒漏洩防止剤liq1の吸入方法及び真空引き時における冷媒漏洩防止剤liq1の吸入方法が、どのような場合に行われるかについては、
図6〜7に示す場合に限定されない。
【0103】
(6−4)変形例D
上記実施形態では、
図6〜7に示すように、第1ステップの前に第3ステップが行われると説明した。しかし、第3ステップは、第2ステップの前に行われれば良く、従って第1ステップと第2ステップとの間に行われても良い。