(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、磁性導電粒子の脱磁処理の際、磁性導電粒子が動き易いため、予定した脱磁効果が得られないという場合があるにも関わらず、磁性導電粒子の脱磁処理が意図したように脱磁されたか否かは外見的に判断することが難しいという問題がある。そのため、磁性導電粒子の脱磁効果の確認は、脱磁処理を施した磁性導電粒子を使用して作成した異方性導電フィルムを用いて、実際に配線基板にICチップ等の電子部品を実装し、実装品の絶縁抵抗を評価することで行っているというのが現状である。このため、脱磁処理を施したかどうかに関わらず、眼前の磁性導電粒子の磁性強度(磁束密度)が異方性導電フィルムの作製に適したレベルであるかどうかを簡便且つ精度よく推定できるようにすること、換言すれば、異方性導電フィルムに用いるべき磁性導電粒子の磁化状態の良否の判定を簡便且つ精度よく行えるようにすることが求められている。
【0007】
本発明の目的は、以上の従来の技術の問題点を解決することであり、ニッケル被覆樹脂粒子等の少なくとも一部が磁性材料から構成されている磁性導電粒子の磁束密度を、簡便かつ精度良く推定できる方法、及び異方性導電フィルムに用いるべき磁性導電粒子の磁化状態の良否を簡便かつ精度良く判定できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、異方性導電フィルムの特性(例えば、絶縁抵抗特性)に悪影響を与える大きな原因が、異方性導電フィルムの作成の際の磁性導電粒子の凝集にあり、しかもそのような凝集が磁性導電粒子の磁束密度が高い程生じ易いということに鑑み、磁性導電粒子分散液の光透過率を測定することにより、凝集のレベルを簡便かつ精度良く評価することを見出した。これは、凝集すると、磁性導電粒子が沈降し易くなり、分散液の上澄みの光透過率が上昇するからだと考えられる。更に、本発明者らは、この光透過率と磁性導電粒子の磁束密度との関係に着目し、“磁性導電粒子の磁束密度の対数”と“分散液の初期光透過率と所定の時間経過後の光透過率との間の光透過率差”とからなるデータ群を散布図に表したところ、“磁性導電粒子の磁束密度の対数”と“分散液の初期光透過率と所定の時間経過後の光透過率との間の光透過率差”との間には直線にフィットするような非常に強い相関があり、従ってそれらのデータ群からもとめた一次の回帰式を利用すれば、未知の磁束密度の磁性導電粒子の分散液の上述したような光透過率差から、その磁束密度を推定できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
また、光透過率を、L
*a
*b
*表色系における色彩値(L
*a
*b
*)に代替させたところ、“磁性導電粒子の磁束密度の対数”と“分散液の初期色彩値と所定の時間経過後の色彩値との間の色差”との間にも強い相関があることを見出し、別の態様の本発明を完成させるに至った。
【0010】
即ち、第1の本発明は、磁性導電粒子の磁束密度の推定方法であって、
複数の異なる磁束密度の磁性導電粒子について、それぞれ有機溶媒に分散させ、得られた複数の分散液の分散直後の初期光透過率T
0(%)を測定し、分散後n時間静置した分散液の上澄みの光透過率T
n(%)を測定し、T
nからT
0を差し引いた光透過率差ΔT
n−0(%)を算出し、算出された複数の光透過率差ΔT
n−0(%)と、対応する複数の磁束密度の対数から一次の回帰式を求め、
この回帰式に、解砕処理が施されていない磁束密度が未知の磁性導電粒子について求めた光透過率差ΔT
n−0(%)を当てはめて得られた磁束密度を、その磁束密度であると推定する推定方法を提供する。
【0011】
第2の本発明は、異方性導電フィルムに用いるべき磁性導電粒子の磁化状態の良否の判定方法であって、
磁性導電粒子を有機溶媒に分散させ、その分散直後の分散液の初期光透過率T
0(%)を測定し、分散後n時間静置した分散液の上澄みの光透過率T
n(%)を測定し、T
nからT
0を差し引いた光透過率差ΔT
n−0(%)が予め設定した基準数値未満である場合に磁性導電粒子の磁化状態が良であると判定し、基準数値以上である場合を不良であると判定する方法を提供する。
【0012】
また、第3の本発明は、磁性導電粒子の磁束密度の推定方法であって、
複数の異なる磁束密度の磁性導電粒子について、それぞれ有機溶媒に分散させ、得られた分散直後の分散液のL
*a
*b
*表色系における色彩値(L
0*値、a
0*値及びb
0*値)を求め、分散後n時間静置した分散液の上澄みのL
*a
*b
*表色系における色彩値(L
n*値、a
n*値及びb
n*値)を求め、それらの数値から色差ΔE
*abを算出し、算出された複数の色差ΔE
*abと、対応する複数の磁束密度の対数から一次の回帰式を求め、
この回帰式に、磁束密度が未知の磁性導電粒子について求めた色差ΔE
*abを当てはめて得られた磁束密度を、その磁束密度であると推定する推定方法を提供する。
【0013】
更に、第4の本発明は、異方性導電フィルムに用いるべき磁性導電粒子の磁化状態の良否の判定方法であって、
磁性導電粒子を有機溶媒に分散させ、その分散直後の分散液のL
*a
*b
*表色系における色彩値(L
0*値、a
0*値及びb
0*値)を求め、分散後n時間静置した分散液の上澄みのL
*a
*b
*表色系における色彩値(L
n*値、a
n*値及びb
n*値)を求め、それらの数値から色差ΔE
*abを算出し、色差ΔE
*abが予め設定した基準数値未満である場合に磁性導電粒子の磁化状態が良であると判定し、基準数値以上である場合を不良であると判定する方法を提供する。
【0014】
また、第5の本発明は、上述の本発明の判定方法により良であると判定された磁性導電粒子を、絶縁性樹脂組成物中に分散させフィルム状に成形した異方性導電フィルムを提供する。
【0015】
更に、第6の本発明は、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とが、上述の異方性導電フィルムにより異方性導電接続されていることを特徴とする接続構造体を提供する。
【0016】
加えて第7の本発明は、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とが接続されてなる接続構造体の製造方法であって、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子との間に、上述の本発明の異方性導電フィルムを配し、異方性導電フィルムを加熱しながら第1の電子部品を第2の電子部品に押圧することにより、端子同士を異方性導電接続することを特徴とする接続構造体の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
“磁性導電粒子の磁束密度の対数”と“磁性導電粒子の分散液の初期光透過率と所定の時間経過後の光透過率との間の光透過率差”又は“磁性導電粒子の分散液の初期色彩値と所定の時間経過後の色彩値との間の色差”との間には、それらに非常にフィットした一次の回帰式が適用できる。従って、そのような一次の回帰式を利用する本発明の磁性導電粒子の磁束密度の推定方法によれば、未知の磁束密度の磁性導電粒子の分散液の上述したような光透過率差又は色差から、その磁束密度を推定できる。また、磁性導電粒子の磁束密度とその凝集の程度との間にも強い相関があり、凝集し易いものほど異方性導電フィルムには好ましくない磁性導電粒子であるから、上述したような光透過率差又は色差に基づいて、磁性導電粒子の磁化状態が異方性導電フィルムに適した状態であるか否か(即ち、良否)の判定をすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<<磁性導電粒子の磁束密度の推定方法(第1の本発明)>>
以下、まず、本発明の磁性導電粒子の磁束密度の第1の推定方法「(1A)〜(1F)」について説明する。
【0020】
<(1A)磁性導電粒子の分散液の調製>
まず、磁性導電粒子の分散液を調製する。具体的には、複数の異なる磁束密度の磁性導電粒子について、それぞれ有機溶媒に分散させる。
【0021】
本発明に適用可能な磁性導電粒子としては、その少なくとも一部が磁性材料から構成されている磁化し得る導電粒子を使用する。従って、このような磁性導電粒子としては、導電粒子全体が単一の磁性材料から形成されている場合のみならず、導電粒子又は絶縁粒子の表面に磁性材料の薄膜が形成されている粒子、そのような磁性薄膜上に更に非磁性金属膜が形成されている粒子、これらの磁性粉体の最表面に更に非磁性の絶縁性樹脂の薄膜が形成されている粒子などを挙げることができる。また、この磁性導電粒子には、着磁処理が施されているもの、脱磁処理が施されているもの、あるいは着脱磁処理が全く施されていないものも適用することができる。
【0022】
磁性導電粒子として使用できる磁性粉体の具体例としては、ニッケル、鉄、酸化鉄、酸化クロム、フェライト、コバルト、センダストなどの磁性金属あるいは磁性合金の粉体、ハンダ、銅等の非磁性導電粒子や絶縁樹脂コア粒子の表面に磁性材料の薄膜が形成された金属被覆樹脂粒子などの粉体、それらの表面に更に金メッキ薄膜が形成された粉体、あるいは絶縁性樹脂層で被覆された粉体などを挙げることができる。
【0023】
これらの中でも、異方性導電フィルム用の磁性導電粒子として、製造コスト、接続時の加熱加圧での変形等を考慮すると、ニッケル被覆樹脂粒子を好ましく挙げることができる。コアになる樹脂としては、特に制限はないが、耐熱性、耐薬品性を備えた無機あるいは有機の材料を好ましく使用することができる。
【0024】
また、磁性導電粒子を構成する磁性材料として使用するニッケル粒子を生産する際、その凝集を抑制する手法として、ニッケル中にリン元素を含有させることが挙げられる。この場合、リン元素の含有量は、0質量%より大、好ましくは1質量%以上、より好ましくは4質量%以上である。他方、ニッケル中のリン元素の含有量が多すぎると接続が高抵抗となるので、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下とすることが望まれる。ニッケル中のリン元素は、通常、ニッケルメッキ浴のpH調整用に使用されるリン酸化合物、亜リン酸化合物等に由来するものであるが、これに制限されるものではない。
【0025】
本発明で使用する磁性導電粒子の平均粒子径は、小さすぎると磁性導電粒子全体における磁性金属の割合が高くなるため磁気の影響を受け易くなり、そのため磁性導電粒子の凝集塊が生じてショートが発生したり、また、磁性導電粒子の異方性導電機能が低下し、電子部品の端子の高さバラツキに追随できなくなり接続信頼性に不具合が生じたりする傾向があり、他方、大きすぎると磁性導電粒子により配線間の絶縁性が低下し、ファインピッチ接続自体に対応できなくなる傾向があるために、好ましくは0.5〜30μm、より好ましくは1〜10μmであり、特に好ましくは1〜5μmである。
【0026】
なお、磁性導電粒子としては、解砕処理が施されていないものを使用することが好ましい。解砕処理が施されていると、磁性導電粒子の配列がランダムになり、その集合物の磁性強度の測定精度が低下し、磁性導電粒子の磁束密度の対数と光透過率差との間の相関関係が弱くなることが懸念されるからである。
【0027】
また、本発明の磁性導電粒子の磁束密度の推定方法に適用可能な磁性導電粒子の磁束密度には、特に制限はなく、磁性導電粒子の種類、粒径、量等により異なる。
【0028】
上述したような磁性導電粒子を分散させる有機溶媒としては、種々の有機溶媒を使用することができるが、良好な粒子分散の点からメチルエチルケトンが好ましく使用できる。また、磁性導電粒子1質量部に対する有機溶媒の使用量は、少なすぎても多すぎても分散液の光透過率の変化量が小さくなる傾向があり、磁性導電粒子の磁束密度と光透過率差との間の相関が弱くなる傾向があるので、好ましくは150〜1000質量部、より好ましくは200〜800質量部、特に好ましくは200〜600質量部である。
【0029】
磁性導電粒子の有機溶媒への分散は、各種液体中に無機粉体を分散させる際に用いられる公知の分散装置、例えばジャーミルを用いて行うことができる。例えば、ジャーミルを用いて、大気圧下、20〜30℃の温度で、内直径が30mmの壁厚70mmの、測定セルを兼ねることができる円筒型石英ガラス容器に分散液を20ml投入し、処理回転数60rpmという撹拌条件で行うことができる。
【0030】
<(1B)初期光透過率の測定>
次に、得られた複数の分散液の分散直後の初期光透過率T
0(%)を測定する。ここで、分散直後とは、分散操作を停止して10秒以内をいう。また、光透過率の測定は、分光光度計(例えば、WPAシリーズ、Biochrom社)を用い、測定波長:550nm、測定セル:石英ガラスセル、測定光路長:15mmで行うことができる。
【0031】
<(1C)静置後光透過率の測定>
次に、分散後n時間静置した分散液の上澄みの光透過率T
n(%)を測定する。静置時間は、磁性導電粒子の大きさや有機溶媒の種類、分散条件等により異なるが、通常5〜30分であり、好ましくは10分である。静置後光透過率の測定は、初期光透過率の測定と同様に行うことができる。
【0032】
なお、分散液の上澄みの任意の部分を測定してもよいとすると、磁性導電粒子の沈降速度との関係で再現性のあるデータが得られない場合があることも想定されるので、通常、分散液面から15mmの深さの位置で固定的に測定する。
【0033】
<(1D)光透過率差の算出>
T
nからT
0を差し引いた光透過率差ΔT
n−0(%)を算出する。
【0034】
<(1E)一次回帰式の算出>
次に、算出された複数の光透過率差ΔT
n−0(%)と、対応する複数の磁束密度の対数との関係を回帰分析し、一次の回帰式を求める。一次の回帰式自体は、“光透過率差”と対応する“磁束密度の対数”とからなるデータ群から常法により求めることができる。
【0035】
本発明の推定方法における回帰式は、以下式(1)で表される。この回帰式を得るための散布図(データ群(系列1))については、後述する実施例の中で詳細に説明する。
【0037】
式(1)中、Yは、磁性導電粒子の磁束密度(mT)の自然対数であり、Xは透過率差(%)である。
【0038】
<(1F)磁束密度の推定>
このようにして求めた回帰式に、磁束密度が未知の磁性導電粒子について求めた光透過率差ΔT
n−0(%)を当てはめると、磁束密度の対数が得られるから、それを実数に変換すれば、得られた数値が磁束密度である推定できる。
【0039】
<<磁性導電粒子の磁化状態の良否の判定方法(第2の本発明)>>
次に、第2の本発明である、異方性導電フィルムに用いるべき磁性導電粒子の磁化状態の良否の判定方法(第2の本発明)「(2A)〜(2E)」について説明する。この判定方法は、磁性導電粒子の分散液の光透過率を指標にしたものである。
【0040】
<(2A)磁性導電粒子の分散液の調製>
まず、(1A)磁性導電粒子の分散液の調製と同様に、磁性導電粒子の分散液を調製する。
【0041】
<(2B)初期光透過率の測定>
次に、(1B)初期光透過率の測定と同様に、得られた複数の分散液の分散直後の初期光透過率T
0(%)を測定する。
【0042】
<(2C)静置後光透過率の測定>
次に、(1C)静置後光透過率の測定と同様に、分散後n時間静置した分散液の上澄みの光透過率T
n(%)を測定する。
【0043】
<(2D)光透過率差の算出>
次に、(1D)光透過率差の算出と同様に、T
nからT
0を差し引いた光透過率差ΔT
n−0(%)を算出する。
【0044】
<(2E)磁性導電粒子の磁化状態の判定>
最後に、光透過率差ΔT
n−0(%)が、予め設定した基準数値未満である場合に磁性導電粒子の磁化状態が良であると判定し、基準数値以上である場合を不良であると判定する。これは、光透過率差ΔT
n−0(%)が、予め設定した基準数値未満である場合には、先に説明した本発明の推定方法からもわかるように、使用した磁性導電粒子の磁束密度が低いと推定でき、従って、凝集し難く、異方性導電フィルムの製造に適した磁性導電粒子であると判定できる(換言すれば、異方性導電フィルムに用いるべき磁性導電粒子の磁化状態が良であると判定できる)からである。逆に、光透過率差ΔT
n−0(%)が、予め設定した基準数値以上である場合には、使用した磁性導電粒子の磁束密度が高いと推定でき、従って、凝集し易く、異方性導電フィルムの製造に不適な磁性導電粒子であると判定できる(換言すれば、異方性導電フィルムに用いるべき磁性導電粒子の磁化状態が不良であると判定できる)からである。
【0045】
ここで、予め設定した基準値とは、異方性導電フィルムの実用上の観点から経験的に設定される数値であり、具体的には異方性導電フィルムの種類や特性、接続すべき電子部品などの種類等に応じて決定されるものである。具体的な基準数値としては、50%が挙げられる。
【0046】
<<磁性導電粒子の磁束密度の推定方法(第3の本発明)>>
次に、第3の本発明の磁性導電粒子の磁束密度の推定方法「(3A)〜(3F)」について説明する。この判定方法は、磁性導電粒子の分散液の色差を指標にしたものである。
【0047】
<(3A)磁性導電粒子の分散液の調製>
まず、(1A)磁性導電粒子の分散液の調製と同様に、磁性導電粒子の分散液を調製する。
【0048】
<(3B)初期色彩値の測定>
次に、得られた分散直後の分散液のL
*a
*b
*表色系における色彩値(L
0*値、a
0*値及びb
0*値)を求める。ここで、分散直後とは、分散操作を停止して10秒以内をいう。また、色彩値の測定は、分光測色計(例えば、品名:CMシリーズ、コニカミノルタ(株))を用い、行うことができる。
【0049】
<(3C)静置後色彩値の測定>
次に、分散後n時間静置した分散液の上澄みのL
*a
*b
*表色系における色彩値(L
n*値、a
n*値及びb
n*値)を求める。静置時間は、磁性導電粒子の大きさや有機溶媒の種類、分散条件等により異なるが、通常5〜30分であり、好ましくは10分である。静置後色彩値(L
n*値、a
n*値及びb
n*値)の測定は、初期色彩値の測定と同様に行うことができる。
【0050】
なお、分散液の上澄みの任意の部分を測定してもよいとすると、磁性導電粒子の沈降速度との関係で再現性のあるデータが得られない場合があることも想定されるので、通常、分散液面から15mmの深さの位置で固定的に測定する。
【0051】
<(3D)色差の算出>
次に、初期色彩値(L
0*値、a
0*値及びb
0*値)と、静置後色彩値(L
n*値、a
n*値及びb
n*値)とから色差ΔE
*ab(={(ΔL
*)
2+(Δa
*)
2+(Δb
*)
2}
1/2)を算出する。
【0052】
<(3E)一次回帰式の算出>
次に、算出された複数の色差ΔE
*abと、対応する複数の磁束密度の対数との関係を回帰分析し、一次の回帰式を求める。一次の回帰式自体は、“色差”と対応する“磁束密度の対数”とからなるデータ群から常法により求めることができる。
【0053】
本発明の推定方法における回帰式は、以下式(2)で表される。この回帰式を得るための散布図(データ群(系列2))については、後述する実施例の中で詳細に説明する。
【0055】
式(2)中、Yは、磁性導電粒子の磁束密度(mT)の自然対数であり、Xは色差ΔE
*abである。
【0056】
<(3F)磁束密度の推定>
このようにして求めた回帰式に、磁束密度が未知の磁性導電粒子について求めた色差ΔE
*abを当てはめると、磁束密度の対数が得られるから、それを実数に変換すれば、得られた数値が磁束密度である推定できる。
【0057】
<<磁性導電粒子の磁化状態の良否の別の判定方法(第4の本発明)>>
次に、光透過率差を指標とする第4の本発明の、異方性導電フィルムに用いるべき磁性導電粒子の磁化状態の良否の別の判定方法「(4A)〜(4E)」について説明する。
【0058】
<(4A)磁性導電粒子の分散液の調製>
まず、(3A)磁性導電粒子の分散液の調製と同様に、磁性導電粒子の分散液を調製する。
【0059】
<(4B)初期色彩値の測定>
次に、(3B)初期色彩値の測定と同様に、得られた分散直後の分散液のL
*a
*b
*表色系における色彩値(L
0*値、a
0*値及びb
0*値)を求める。
【0060】
<(4C)静置後色彩値の測定>
次に、(3C)静置後色彩値の測定と同様に、分散後n時間静置した分散液の上澄みのL
*a
*b
*表色系における色彩値(L
n*値、a
n*値及びb
n*値)を求める。
【0061】
なお、分散液の上澄みの任意の部分を測定してもよいとすると、磁性導電粒子の沈降速度との関係で再現性のあるデータが得られない場合があることも想定されるので、通常、分散液面から15mmの深さの位置で固定的に測定する。
【0062】
<(4D)色差の算出>
次に、(3D)色差の算出と同様に、初期色彩値(L
0*値、a
0*値及びb
0*値)と、静置後色彩値(L
n*値、a
n*値及びb
n*値とから色差ΔE
*abを算出する。
【0063】
<(4E)磁性導電粒子の磁化状態の判定>
最後に、色差ΔE
*abが、予め設定した基準数値未満である場合に磁性導電粒子の磁化状態が良であると判定し、基準数値以上である場合を不良であると判定する。これは、色差ΔE
*abが、予め設定した基準数値未満である場合には、磁性導電粒子の凝集の程度が低いことから、磁性導電粒子の磁化レベルが低い、換言すれば、使用した磁性導電粒子の磁束密度が低いと推定でき、従って、凝集し難く、異方性導電フィルムの製造に適した磁性導電粒子であると判定できる(換言すれば、異方性導電フィルムに用いるべき磁性導電粒子の磁化状態が良であると判定できる)からである。逆に、色差ΔE
*が、予め設定した基準数値以上である場合には、使用した磁性導電粒子の磁束密度が高いと推定でき、従って、凝集し易く、異方性導電フィルムの製造に不適な磁性導電粒子であると判定できる(換言すれば、異方性導電フィルムに用いるべき磁性導電粒子の磁化状態が不良であると判定できる)からである。
【0064】
ここで、予め設定した基準値とは、異方性導電フィルムの実用上の観点から経験的に設定される数値であり、具体的には異方性導電フィルムの種類や特性、接続すべき電子部品などの種類等に応じて決定されるものである。具体的な基準数値としては、40%が挙げられる。
【0065】
<<異方性導電フィルム(第5の本発明)>>
以上説明した本発明の判定方法により良であると判定された磁性導電粒子は、絶縁性樹脂組成物中に分散させてフィルム状に成形することにより異方性導電フィルムとして好ましく使用することができる。
【0066】
<異方性導電フィルムを構成する絶縁性接着剤組成物>
本発明の異方性導電フィルムを構成する絶縁性接着剤組成物としては、従来の異方性導電フィルムにおいて用いられている熱硬化性のバインダー樹脂組成物の中から適宜選択して使用することができる。例えば、熱硬化型エポキシ樹脂、熱硬化型尿素樹脂、熱硬化型メラミン樹脂、熱硬化型フェノール樹脂、アクリル系樹脂等に、イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤、ラジカル重合開始剤等の硬化剤を配合した絶縁性接着剤組成物を挙げることができる。中でも、硬化後の接着強度が良好な点を考慮すると、熱硬化型エポキシ樹脂をバインダー樹脂として使用した絶縁性接着剤組成物を好ましく使用することができる。
【0067】
このような熱硬化型エポキシ樹脂としては、液状でも固体状でもよく、エポキシ当量が通常100〜4000程度であって、分子中に2以上のエポキシ基を有するものが好ましい。例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、エステル型エポキシ化合物、脂環型エポキシ化合物等を好ましく使用することができる。また、これらの化合物にはモノマーやオリゴマーが含まれる。
【0068】
このような絶縁性接着剤組成物には、必要に応じてシリカ、マイカなどの充填剤、顔料、帯電防止剤などを含有させることができる。着色料、防腐剤、ポリイソシアネート系架橋剤、シランカップリング剤、溶媒なども配合することもできる。
【0069】
磁性導電粒子の異方性導電フィルム中のおける配合量は、少なすぎると接続信頼性が不十分となり、多すぎると異方性が失われるので、好ましくは絶縁性接着剤組成物中の硬化後に膜形成成分となる全成分(モノマー、オリゴマー、非重合性ポリマー、硬化剤等)100質量部に対し、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは2〜70質量部である。
【0070】
<異方性導電フィルムの調製>
本発明の異方性導電フィルムは、従来のフィルム状の異方性導電接着剤と同様の手法、例えば、キャスト法により製造することができる。
【0071】
<<接続構造体(第6の本発明)>>
本発明の異方性導電フィルムは、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とを異方性導電接続する際に、好ましく適用することができる。この異方性導電接続により第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とが異方性導電接続されてなる接続構造体が得られる。このような接続構造体も本発明の一態様である。
【0072】
第1の電子部品及び第2の電子部品としては、発光素子、半導体チップ、半導体モジュールなどの公知の電気素子、フレキシブルプリント配線基板、ガラス配線基板、ガラスエポキシ基板等を適用することができる。また、端子は、銅、金、アルミ、ITOなどの公知の材料から形成された配線や電極パッドあるいはバンプであってもよく、そのサイズにも特に制限はない。
【0073】
なお、本発明の接続構造体の具体例として、COG(chip on glass)、COF(chip on film)、FOG(film on glass)、FOB(Film on Board)等と称されるものを好ましく挙げることができる。
【0074】
<<接続構造体の製造方法(第7の本発明)>>
以上説明した接続構造体は、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子との間に、上述の異方性導電フィルムを配し、異方性導電フィルムを加熱しながら第1の電子部品を第2の電子部品に押圧することにより、それらの端子同士を異方性導電接続することにより製造することができる。この場合、押圧は、金属製加圧ボンダーや弾性ボンダーなどを使用して行うことができる。加熱については、第1の電子部品又は第2の電子部品が載置されるステージに加熱手段を設けて加熱してもよく、ボンダーに加熱手段を設けて加熱してもよい。
【実施例】
【0075】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、まず、実施例1として、光透過率差を指標にした第1の本発明の磁性導電粒子の磁束密度の推定方法の回帰式の算出について具体的に説明する。また、実施例6として、色差を指標にした第3の本発明の磁性導電粒子の磁束密度の推定方法の回帰式の算出について具体的に説明する。
【0076】
実施例1
(ニッケル被覆樹脂粒子の調製)
3μmのジビニルベンゼン系樹脂粒子(5g)に、パラジウム触媒を浸漬法により担持させた。次いで、この樹脂粒子に対し、硫酸ニッケル六水和物、次亜リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、トリエタノールアミン及び硝酸タリウムから調製された無電解ニッケルメッキ液(pH12、メッキ液温50℃)を用いて無電解ニッケルメッキを行い、表1のリン含有量を有するニッケルめっき層(金属層)が表面に形成されたニッケル被覆樹脂粒子a〜fを磁性導電粒子として得た。得られた磁性導電粒子の平均粒子径はそれぞれ3〜4μmの範囲であった。
【0077】
(磁束密度の測定)
これらのニッケル被覆樹脂粒子a〜fの磁束密度(mT)を、磁束密度計(DSPシリーズ、Lake Shore社製)を用いて、測定レンジ40mT、室温環境下で測定した。得られた結果を表1に示す。併せて“log[磁束密度]”も併せて示す。
【0078】
(磁性導電粒子の分散液の調製)
磁性導電粒子a〜fのそれぞれについて、磁性導電粒子1質量部と、メチルエチルケトン200質量部と、内直径が30mmの壁厚70mmの円筒型石英ガラス容器へ投入し、ジャーミル(ソニーケミカル&インフォメーションデバイス(株))を用いて、処理回転数60rpmという条件で分散させて分散液を得た。
【0079】
(初期光透過率の測定)
得られた複数の分散液の分散後10秒経過した時点の初期光透過率T
0(%)を測定した。光透過率の測定は、分光光度計(WPAシリーズ、Biochom社)を用い、測定波長:550nm、測定セル:石英ガラス、測定光路長:15mmで行った。測定箇所は、液面から15mmの深さの位置であった。得られた結果を表1に示す。
【0080】
(10分静置後光透過率の測定)
次に、分散後10分静置した分散液の上澄みの光透過率T
n(%)を、初期光透過率の測定の場合と同様に測定した。得られた結果を表1に示す。
【0081】
(透過率差の算出)
次に、10分静置後光透過率T
nから初期光透過率T
0を差し引いた光透過率差ΔT
n−0(%)を算出した。得られた結果を表1に示す。
【0082】
(回帰分析)
得られた磁束密度と光透過率差ΔT
n−0とからなるデータ群(図中、◆(系列1)で表す)の散布図を
図1に示す(系列1)。
図1からわかるように、磁性導電粒子のlog[磁束密度](Y)と光透過率差ΔT
n−0(X)との間には、直線的な関係があることが見て取れた。従って、常法に従って回帰分析した結果、以下の回帰式(1)が得られた。この回帰式を
図1に示す(線形(系列1))。
【0083】
【数3】
【0084】
また、相関係数Rを計算すると、R
2=0.9838となり、非常に高い相関があることがわかった。
【0085】
【表1】
【0086】
実施例2〜5
実施例2〜5は、光透過率差を指標とする第1の本発明の磁性導電粒子の磁束密度の推定方法が実用できることを示す例であり、具体的には、実施例1で得られた回帰式に、磁性導電粒子の光透過率差を代入して算出した推定磁束密度と実測磁束密度とがほぼ一致することを示す例である。
【0087】
実施例1の場合と同様に、表2のリン含有量を有するニッケルめっき層(金属層)が表面に形成されたニッケル被覆樹脂粒子を磁性導電粒子(平均粒子径:3〜4μm)として得た。このニッケル被覆樹脂粒子の磁束密度を実施例1と同様に測定した。得られた結果を表2に示す(実測磁束密度)。
【0088】
また、磁性導電粒子1質量部を表2の量のメチルエチルケトン(MEK)に分散させて分散液を得た。得られた分散液の“初期光透過率”と“10分静置後光透過率”とを測定し、光透過率差ΔT
n−0(%)を算出した。また、実施例1と同様に得られた結果を表2に示す。
【0089】
以上のように得られた光透過率差を、実施例1で取得した回帰式に代入して推定磁束密度を求めた。得られた結果を表2に示す。これらは回帰式上の点となる。また、
図1に、実測値(図中、■で表す)も併せて示す。
【0090】
図1から、本発明の磁性導電粒子の磁束密度の推定方法によれば、光透過率差から、実測値とほぼ一致する磁束密度を取得することができ、磁束密度を十分に推定できることがわかる。
【0091】
なお、光透過率差ΔT
n−0(%)が50%(基準数値)未満である場合に磁性導電粒子の磁化状態が良であると判定し、基準数値以上である場合を不良であると判定することができる。
【0092】
【表2】
【0093】
実施例6
(初期光透過率の測定)
【0094】
(磁性導電粒子の分散液の調製)
実施例1と同様にして得た磁性導電粒子a〜fの各分散液の分散後10秒経過した時点のL
*a
*b
*表色系における色彩値(L
0*値、a
0*値及びb
0*値)を、分光測色計(CMシリーズ、コニカミノルタ(株)製)を用い、室温環境下の条件で測定した。測定箇所は液面から深さ15mmの位置であった。
【0095】
(10分静置後光透過率の測定)
次に、分散後10分静置した分散液の上澄みの色彩値(L
0*値、a
0*値及びb
0*値)を、初期色彩値の測定の場合と同様に測定した。得られた結果を表3に示す。
【0096】
(色差の算出)
次に、初期色彩値と10分静置後色彩値から色差ΔE
*ab(=(Δa
*2+Δb
*2+ΔL
*2)
1/2)を算出した。得られた結果を表3に示す。
【0097】
(回帰分析)
得られた磁束密度と色差とからなるデータ群(図中、◆(系列2)で表す)の散布図を
図2に示す(系列2)。
図2からわかるように、磁性導電粒子のlog[磁束密度](Y)と色差ΔE
*abとの間には、直線的な関係があることが見て取れた。従って、常法に従って回帰分析した結果、以下の回帰式が得られた。この回帰式を
図2に示す(線形(系列2))。
【0098】
【数4】
【0099】
また、相関係数Rを計算すると、R
2=0.9736となり、非常に高い相関があることがわかった。
【0100】
【表3】
【0101】
実施例7〜10
実施例7〜10は、色差を指標とする第3の本発明の磁性導電粒子の磁束密度の推定方法が実用できることを示す例であり、具体的には、実施例6で得られた回帰式に、磁性導電粒子の色差を代入して算出した推定磁束密度と実測磁束密度とがほぼ一致することを示す例である。
【0102】
実施例2〜5の場合と同様に、表4のリン含有量を有するニッケルめっき層(金属層)が表面に形成されたニッケル被覆樹脂粒子を磁性導電粒子(平均粒子径:3〜4μm)として得た。このニッケル被覆樹脂粒子の磁束密度を実施例1と同様に測定した。得られた結果を表4に示す(実測磁束密度)。
【0103】
また、磁性導電粒子1質量部を表4の量のメチルエチルケトンに分散させて分散液を得た。得られた分散液の“初期色彩値”と“10分静置後色彩値”とを測定し、色差ΔE
*abを算出した。また、実施例6と同様に得られた結果を表4に示す。
【0104】
以上のように得られた色差ΔE
*abを、実施例6で取得した回帰式に代入して推定磁束密度を求めた。得られた結果を表4に示す。これらは回帰式上の点となる。また、
図2に、実測値(図中、■で表す)も併せて示す。
【0105】
図2から、本発明の磁性導電粒子の磁束密度の推定方法によれば、色差ΔE
*abから、実測値とほぼ一致する磁束密度を取得することができ、磁束密度を十分に推定できることがわかる。
【0106】
なお、色差ΔE
*abが40(基準数値)未満である場合に磁性導電粒子の磁化状態が良であると判定し、基準数値以上である場合を不良であると判定することができる。
【0107】
【表4】
【0108】
実施例11
実施例1で作成した磁性導電粒子f(磁束密度が小さく、凝集の発生が抑制されると予想されるもの)35質量部と、成膜成分としてビスフェノールA型フェノキシ樹脂(YP50、新日鐵化学(株))30質量部と、液状成分としてビスフェノールAエポキシ化合物(EP828、三菱化学(株))30質量部と、アミン系硬化剤(PHX3941HP、旭化成イーマテリアルズ(株))39質量部と、エポキシシランカップリング剤(A−187、モメンティブ・パフォーマンス・マテイリアル(株))1質量部とを、トルエンで固形分が50質量%となるように希釈し、混合することにより異方性導電接着剤を調製した。この接着剤を剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥厚25μmとなるようにバーコーターで塗布し、80℃のオーブン中で5分間乾燥することにより、異方性導電フィルムを作成した。
【0109】
(接続構造体の作成)
更に、この異方性導電フィルムを、ITO電極を有するガラス配線基板の電極と、高さ15μmの金バンプが形成された13mm×1.5mm角のICチップのバンプとの間に配置し、フリップチップボンダーで190℃、40MPaで10秒間加熱加圧することにより接続構造体を得た。
【0110】
得られた接続構造体について、「絶縁性」及び「接続抵抗」を、以下に説明するように評価した。
【0111】
<絶縁性>
剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルムを引き剥がしていない実施例1及び比較例1のそれぞれの異方性導電フィルムの接着層面に、ガラス基板上に櫛の歯状に配設されたITO配線に有するショート評価用絶縁TEG(高さ15μmの金バンプが形成された13mm×1.5mm角のICチップ;バンプサイズ25×140μm;バンプ間スペース10μm)を、ボンダーで到達温度180℃、圧着時間15秒という条件で圧着した。そしてバンプ間の絶縁抵抗を測定し、ショートの発生数をカウントし、以下の評価基準に従った評価した。なお、ショート発生部分においては、光学顕微鏡を用いて磁性導電粒子の詰まり具合等から、凝集の有無、程度についても観察した。
【0112】
ランク 内容
A: 絶縁ショート発生数が40サンプル中、10個未満
B: 絶縁ショート発生数が40サンプル中、10個以上20個未満
C: 絶縁ショート発生数が40サンプル中、20個以上
【0113】
<接続抵抗>
実施例1及び比較例1で得た直後の接続構造体の導通抵抗を、4端子法により測定した。以下の基準により評価した。
【0114】
ランク 内容
A: 接続抵抗値が10Ω未満
B: 接続抵抗値が10Ω以上50Ω未満
C: 接続抵抗値が50Ω以上
【0115】
<接続構造体の評価>
実施例7の異方性導電フィルムを使用した実施例11の接続構造体は、“絶縁性”、“接続抵抗”についてA評価であった。
【0116】
比較例1
実施例1で作成した磁性導電粒子fに代えて、磁性導電粒子aを使用すること以外、実施例7と同様に、異方性導電フィルム、更に接続構造体を作成し、絶縁性と接続抵抗について評価した。その結果、いずれもC評価であった。