(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1(a)(b)は蛍光体デバイスの構造図を示し、同図(a)は励起光照射側の外観図、同図(b)は励起光照射側とは反対側の外観図を示す。この蛍光体デバイス1は、例えばAl203等の透光性無機材料(以下、無機バインダと称する)2と、YAG:Ce等の複数の蛍光体3とを焼結して形成されている。複数の蛍光体3は、無機バインダ2中に例えば一様な間隔で散在している。これら蛍光体3は、例えば青色(波長455〜492nm内の波長値)の励起光Eの照射により緑色(波長492〜577nm内の波長値)の発光光を発光する。この蛍光体デバイス1は、励起光Eの照射側から見た面が四辺形状に形成されているが、四辺形状に限定されない。
なお、蛍光体デバイス1は、励起光Eが照射される面を照射側面4と称し、この照射側面4の反対側の面を反対側面5と称する。照射側面4は、平面状に形成されている。又、照射側面4上で励起光Eが照射される領域を照射領域6とする。照射側面4と反対側面5とは、互いに平行に対峙している。
【0010】
照射側面4とは相違する面、ここでは反対側面5の全面には、凹凸形状7が設けられている。この凹凸形状7は、蛍光体デバイス1の熱を放射するために設けられている。この凹凸形状7は、直線状に形成された複数の凹部7aと、直線状に形成された複数の凸部7bとを交互に設けて成る。なお、この凹凸形状7は、換言すれば、複数の凸部7bを並列に設けることによって当該各凸部7bと、これら凸部7bの各間に各凹部7aが形成されたものとなる。ここで、各凸部7bは、熱を放射する冷却フィンとなる。
【0011】
この凹凸形状7は、蛍光体デバイス1と同様に、例えばAl203等の無機バインダ2と、YAG:Ce等の複数の蛍光体3とを焼結して形成され、かつ複数の蛍光体3が無機バインダ2中に例えば一様な間隔で散在している。従って、この凹凸形状7は、蛍光体デバイス1と一体的に形成される。
なお、凹凸形状7は、反対側面5に設けるのに限らず、蛍光体デバイス1の側面や、照射側面4上における励起光Eの照射領域6に影響を与えない箇所に設けても良い。
【0012】
このような蛍光体デバイス1であれば、例えば青色(波長455〜492nm内の波長値)の励起光Eが照射側面4から蛍光体デバイス1内及び凹凸形状7内に入射すると、この励起光Eは、これら蛍光体デバイス1及び凹凸形状7内のそれぞれの無機バインダ2中に散在している複数の蛍光体3に照射される。これら蛍光体3は、それぞれ励起光Eの照射により励起されて任意の波長分布を持って発光する。例えば各蛍光体3は、例えば緑色(波長492〜577nm内の波長値)の発光光を発光する。この発光光は、照射側面4を透過して蛍光体デバイス1の外部に向けて出射する。
【0013】
このように発光光を出射している状態に、蛍光体デバイス1に照射される励起光Eの強度が高い場合や、各蛍光体3の温度上昇が起こり、蛍光体デバイス1の温度が上昇すると、この温度上昇によって生じた熱は、蛍光体デバイス1から凹凸形状7に伝わり、この凹凸形状7から放熱される。この凹凸形状7は、複数の凹部7aと、冷却フィンとなる複数の凸部7bとを有しているので、これら凹凸形状7によって放熱の面積が大きくなり、放熱の効率がよく、特に冷却フィンとなる複数の凸部7bから放熱が行われ、蛍光体デバイス1自体の温度上昇を抑えることができる。
【0014】
このように上記第1の実施の形態によれば、励起光Eが照射される照射側面4とは相違する面、ここでは反対側面5の全面に凹凸形状7を設けたので、例えば、蛍光体デバイス1に照射される励起光Eの強度が高い場合や、各蛍光体3の温度上昇が起こり、蛍光体デバイス1の温度が上昇したとしても、この温度上昇によって生じた熱は、蛍光体デバイス1から凹凸形状7から放熱され、蛍光体デバイス1自体の温度上昇を抑えることができる。この結果、温度上昇によって蛍光体3から発光される発光波長にシフトが生じることが無く、或いは発光強度が低下して温度消光等の現象を発生することがない。これにより、温度上昇に起因する光源装置としての輝度の低下が無くなる。
【0015】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、
図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図2(a)(b)は蛍光体デバイスの構造図を示し、同図(a)は励起光照射側の外観図、同図(b)は励起光照射側とは反対側の外観図を示す。
【0016】
蛍光体デバイス1における照射側面4と互いに平行に対峙する反対側面5には、反射層10が設けられている。この反射層10は、蛍光体3から発光された発光光を反射する。この反射層10は、励起光Eが照射される照射側面4の照射領域6と対応する反対側面5の領域に設けられている。すなわち、凹凸形状7が設けられた領域では、照射領域6と対応する反対側面5の領域において複数の凸部7bを設けない凹凸形状7中の一部の領域に平坦領域11が設けられる。この平坦領域11内に反射層10が設けられる。この反射層5は、例えば銀、アルミニウム等の金属反射膜、又は金属酸化物や弗化物を積層して成る多層光学反射膜により形成されている。この反射層10は、例えば緑色の波長領域(492nm〜577nm)の光を反射する。
【0017】
この反射層10は、凹凸形状7中の一部の領域である平坦領域11に設けているが、これに限らず、平坦領域11の全面と、蛍光体デバイス1の反対側面5における複数の凹部7aの底面の全面とに設けても良い。
【0018】
このような蛍光体デバイス1であれば、例えば青色(波長455〜492nm内の波長値)の励起光Eが照射側面4から蛍光体デバイス1内及び凹凸形状7内に入射すると、この励起光Eは、上記同様に、蛍光体デバイス1及び凹凸形状7内のそれぞれの無機バインダ2中に散在している複数の蛍光体3に照射されるので、各蛍光体3は、それぞれ励起光Eの照射により励起されて任意の波長分布を持って発光する。例えば各蛍光体3は、例えば緑色(波長492〜577nm内の波長値)の発光光を発光する。この発光光は、照射側面4を透過して蛍光体デバイス1の外部に向けて出射する。
これと共に、各蛍光体3から放射された蛍光光のうち反射層10に向かった蛍光光は、当該反射層10で反射し、照射側面4を透過して蛍光体デバイス1の外部に向けて出射する。
【0019】
このように発光光を出射している状態に、蛍光体デバイス1に照射される励起光Eの強度が高い場合や、各蛍光体3の温度上昇が起こり、蛍光体デバイス1の温度が上昇すると、この温度上昇によって生じた熱は、上記同様に、蛍光体デバイス1から凹凸形状7に伝わり、この凹凸形状7から放熱される。
【0020】
このように上記第2の実施の形態によれば、励起光Eが照射される照射側面4とは相違する面、ここでは反対側面5の全面に凹凸形状7を設け、かつ照射側面4と互いに平行に対峙する反対側面5に反射層10を設けたので、上記第1の実施の形態と同様に、温度上昇によって蛍光体3から発光される発光波長にシフトが生じることが無く、或いは発光強度が低下して温度消光等の現象を発生することがない。これにより、温度上昇に起因する光源装置としての輝度の低下が無くなる。
又、反射層10を設けたので、各蛍光体3から放射された蛍光光のうち反射層10に向かった蛍光光は、当該反射層10で反射し、照射側面4を透過して蛍光体デバイス1の外部に向けて出射する。これにより、各蛍光体3から発光された発光光を効率良く蛍光体デバイス1の外部に出射できる。この反射層10は、平坦領域11の全面と、蛍光体デバイス1の反対側面5における複数の凹部7aの底面の全面とに設ければ、蛍光体デバイス1の外部に出射する発光光の効率をさらに高めることが出来る。
【0021】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。
図3は蛍光体デバイス1を用いた照明装置20の構成図を示す。なお、
図1(a)(b)と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
励起光源としての半導体レーザ21が設けられている。この半導体レーザ21は、励起光Eとして例えば青色の波長領域(455〜492nm)内の波長値の励起レーザ光(以下、励起レーザ光Eと称する)を出力する。
【0022】
この半導体レーザ21から出力される励起レーザ光Eの光路上には、コリメータレンズ22と、発光光取出光学系としてのダイクロイックミラー23と、照射光学系としての集光光学系24とが設けられている。
コリメータレンズ22は、半導体レーザ11から出力される励起レーザ光Eをコリメートする。
集光光学系24は、半導体レーザ21から出力された励起レーザ光Eを蛍光体デバイス1に向けて集光して照射する。
【0023】
ダイクロイックミラー23は、コリメータレンズ22によりコリメートされた励起レーザ光Eを透過すると共に、蛍光体デバイス1で発光して当該蛍光体デバイス1の外部に出射され、集光光学系24を通って入射する発光光Hを反射して照明光として取り出す。このダイクロイックミラー23は、青色の波長領域(455〜492nm)内の波長値の励起レーザ光Eを透過すると共に、蛍光体デバイス1で発光した緑色の波長領域(492〜577nm)内の波長値の発光光を反射する。
【0024】
このような照明装置であれば、半導体レーザ21から青色の波長値の励起レーザ光Eが出力されると、この励起レーザ光Eは、コリメータレンズ22によりコリメートされてダイクロイックミラー23に入射する。この励起レーザ光Eは、ダイクロイックミラー23を透過し、集光光学系24により集光された蛍光体デバイス1に照射される。
【0025】
この蛍光体デバイス1では、上記同様に、励起レーザ光Eが照射側面4から蛍光体デバイス1内及び凹凸形状7内に入射すると、この励起レーザ光Eは、これら蛍光体デバイス1及び凹凸形状7内のそれぞれの無機バインダ2中に散在している複数の蛍光体3に照射される。これら蛍光体3は、それぞれ励起レーザ光Eの照射により励起されて任意の波長分布を持って発光する。例えば各蛍光体3は、例えば緑色(波長492〜577nm内の波長値)の発光光を発光する。この発光光は、照射側面4を透過して蛍光体デバイス1の外部に向けて出射する。
【0026】
このように発光光を出射している状態に、蛍光体デバイス1に照射される励起光Eの強度が高い場合や、各蛍光体3の温度上昇が起こり、蛍光体デバイス1の温度が上昇すると、この温度上昇によって生じた熱は、上記同様に、蛍光体デバイス1から凹凸形状7に伝わり、この凹凸形状7から放熱される。
【0027】
蛍光体デバイス1から出射された緑色の波長値の発光光は、集光光学系24を通ってダイクロイックミラー23に入射し、このダイクロイックミラー23で反射して照明光Hとして取り出す。
【0028】
このように上記第3の実施の形態によれば、蛍光体デバイス1を備え、半導体レーザ21から出力された青色の波長値の励起レーザ光Eをコリメータレンズ22、ダイクロイックミラー23、集光光学系24を通して蛍光体デバイス1に照射し、この蛍光体デバイス1から出射された緑色の波長値の発光光Hを集光光学系24を通してダイクロイックミラー23により取り出すので、蛍光体デバイス1から効率良く取り出された各蛍光体3から例えば緑色の波長値の発光光を照明光として出力できる。
又、蛍光体デバイス1では、上記第1の実施の形態と同様に、温度上昇によって蛍光体3から発光される発光波長にシフトが生じることが無く、或いは発光強度が低下して温度消光等の現象を発生することがない。これにより、温度上昇に起因する光源装置としての輝度の低下が無くなる。
【0029】
なお、蛍光体デバイス1は、
図1(a)(b)に示すものを用いているが、
図2(a)(b)に示す蛍光体デバイス1を用いても良い。当該蛍光体デバイス1を用いれば、上記効果に加えて、反射層10を設けたので、各蛍光体3から発光された発光光を効率良く蛍光体デバイス1の外部に出射できる。又、この反射層10は、平坦領域11の全面と、蛍光体デバイス1の反対側面5における複数の凹部7aの底面の全面とに設ければ、蛍光体デバイス1の外部に出射する発光光の効率をさらに高め、効率よく照明光Hとして出力できる。
又、蛍光体デバイス1は、1つ設けているが、これに限らず、複数配置してもよい。複数の蛍光体デバイス1から効率良く取り出された各蛍光体3からの発光光を照明光として出力でき、かつ複数の蛍光体デバイス1から効率良く取り出された各蛍光体3からの発光光を照明光として出力することで、1つの蛍光体デバイス1から取り出された照明光よりも多くの照明光量の照明光Hを取り出すことができる。
【0030】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について図面を参照して説明する。
図4は上記
図3に示す照明装置20等を用いたプロジェクタ装置30の構成図を示す。このプロジェクタ装置30は、例えば半導体発光素子を用いたDLP(Digital Light Processing:登録商標)方式を適用している。このプロジェクタ装置30は、CPU41を搭載する。このCPU41には、操作部42と、メインメモリ43と、プログラムメモリ44とが接続されている。又、CPU41には、システムバス45を介して入力部46と、画像変換部47と、投影処理部48と、音声処理部49とが接続されている。このうち投影処理部48には、光源部50と、マイクロミラー素子51とが接続されている。光源部50から出力される照明光の光路上には、ミラー52が配置され、このミラー52の反射光路上にマイクロミラー素子51が配置されている。このマイクロミラー素子51の反射光路上に投影レンズ部53が配置されている。音声処理部49には、スピーカ部54が接続されている。
【0031】
入力部46は、各種規格のアナログ画像信号を入力し、このアナログ画像信号をデジタル化した画像データとしてシステムバス45を通して画像変換部47に送る。
画像変換部47は、スケーラとも称し、入力部46から入力される画像データを投影に適した所定のフォーマットの画像データに統一処理して投影処理部48に送る。この際、画像変換部47は、OSD(On Screen Display)用の各種動作状態を示すシンボル等のデータも必要に応じて画像データに重畳加工し、この加工後の画像データを投影処理部48に送る。
【0032】
投影処理部48は、画像変換部47から送られてきた画像データに応じて所定のフォーマットに従ったフレームレート、例えば60[フレーム/秒」と色成分の分割数、及び表示階調数を乗算した高速な時分割駆動により空間的光変調素子であるマイクロミラー素子51を駆動する。
音声処理部49は、PCM(Pulse-Code Modulation)音源等の音源回路を備え、投影動作時に与えられる音声データをアナログ化し、スピーカ部54を駆動して拡声放音させる、或いは必要によりビープ音等を発生させる。
【0033】
マイクロミラー素子51は、例えばWXGA(Wide eXtended Graphic Array)であり、複数の微小ミラーをアレイ状に配列、例えば横×縦(1250×800画素)で複数の微小ミラーを配列して成るもので、これら微小ミラーの各傾斜角度をそれぞれ高速にオン・オフ動作して画像を表示することで、その反射光により光像を形成する。
光源部50は、赤(R)、緑(G)、青(B)の原色光を含む複数色の照明光を循環的に時分割で順次出射する。この光源部50から順次出射されるRGBの各光は、ミラー52で全反射してマイクロミラー素子51に照射される。このマイクロミラー素子51での反射光で光像が形成され、この形成された光像が投影光学系としての投影レンズ部53を通してカラー画像として投影対象となるスクリーンに投影表示される。
【0034】
この光源部50は、例えば上記
図3に示す照明装置20等を用いてなる。この光源部50は、例えば赤(R)の波長領域(622〜777nm)内の波長値のレーザ光を出力する半導体レーザと、青(B)の波長領域(455〜492nm)内の波長値のレーザ光を出力する半導体レーザ11と、この半導体レーザ11から出力されるレーザ光を励起光として用い、緑(G)の波長値の発光光を照明光として出力する上記
図3に示す照明装置20とを有し、これら赤(R)、緑(G)、青(B)の照明光を時分割で順次出射する。
CPU41は、操作部42からの操作指示を受け、又、メインメモリ43に対してデータの読み取り・書き込みを行い、かつプログラムメモリ44に記憶されているプログラムを実行する。又、CPU41は、システムバス45を介して入力部46と、画像変換部47と、投影処理部48と、音声処理部49とをそれぞれ制御する。すなわち、CPU41は、メインメモリ43及びプログラムメモリ44を用いて本プロジェクタ装置40内の制御動作を実行する。
メインメモリ43は、例えばSRAMで構成され、CPU41のワークメモリとして機能する。プログラムメモリ44は、電気的に書換可能な不揮発性メモリで構成され、CPU41が実行する動作プログラムや各種定型データ等を記憶する。
【0035】
CPU41は、操作部42からのキー操作信号に応じて各種投影動作を実行する。この操作部42は、本プロジェクタ装置30の本体に設けられるキー操作部と、本プロジェクタ装置30の専用のリモートコントローラからの赤外光を受光する赤外線受光部とを含み、ユーザが本体のキー操作部又はリモートコントローラで操作したキーに基づくキー操作信号をCPU41に直接送る。
【0036】
このような構成であれば、各種規格のアナログ画像信号が入力部46に入力すると、この入力部46は、アナログ画像信号をデジタル化した画像データとしてシステムバス45を通して画像変換部47に送る。
この画像変換部47は、入力部46から入力される画像データを投影に適した所定のフォーマットの画像データに統一処理すると共に、OSD用の各種動作状態を示すシンボル等のデータも必要に応じて画像データに重畳加工し、この加工後の画像データを投影処理部48に送る。
【0037】
この投影処理部48は、画像変換部47から送られてきた画像データに応じて所定のフォーマットに従ったフレームレート、例えば60[フレーム/秒」と色成分の分割数、及び表示階調数を乗算した高速な時分割駆動により空間的光変調素子であるマイクロミラー素子51を駆動する。
このマイクロミラー素子51は、投影処理部48の駆動によって複数の微小ミラーの各傾斜角度をそれぞれ高速にオン・オフ動作して画像を表示することで、その反射光により光像を形成する。
【0038】
一方、光源部50は、例えば上記
図3に示す照明装置20から出力される緑(G)の照明光と、半導体レーザ11から出力される青(B)の波長値のレーザ光と、別の半導体レーザから出力される赤(R)の波長値のレーザ光とを循環的に時分割で照明光として順次出射する。この光源部50から順次出射されるRGBの照明光は、ミラー52で全反射してマイクロミラー素子51に照射される。このマイクロミラー素子51での反射光で光像が形成され、この形成された光像が投影光学系としての投影レンズ部53を通してカラー画像として投影対象となるスクリーンに投影表示される。
これと共に音声処理部49は、投影動作時に与えられる音声データをアナログ化し、スピーカ部54を駆動して拡声放音させる、或いは必要によりビープ音等を発生させる。
【0039】
このように上記第5の実施の形態によれば、光源部50として上記
図3に示す照明装置20を用いてプロジェクタ装置30を構成したので、上記第1又は2の実施の形態と同様に、温度上昇によって蛍光体3から発光される発光波長にシフトが生じることが無く、或いは発光強度が低下して温度消光等の現象を発生することがない蛍光体デバイス1を用いることができ、プロジェクタ装置30として温度上昇に起因する輝度の低下が無くなる。このようなプロジェクタ装置30であれば、蛍光体デバイス1から効率良く取り出された各蛍光体3からの発光光を照明光としてカラー画像をスクリーンに投影表示できる。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0041】
以下、本発明の出願当初の特徴点について説明する。
請求項1に対応する発明は、少なくとも蛍光体を含有して形成され、励起光の照射により発光光を放射する蛍光体デバイスにおいて、前記励起光が照射される照射側面とは相違する面に凹凸形状を設けたことを特徴とする蛍光体デバイス。
【0042】
請求項2に対応する発明は、前記照射側面に照射される前記励起光の照射領域と対応する前記相違する面の領域に前記発光光を反射する反射層を設けたことを特徴とする請求項1記載の蛍光体デバイス。
請求項3に対応する発明は、前記相違する面の領域の一部に平坦部を有し、前記平坦部に前記反射層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の蛍光体デバイス。
請求項4に対応する発明は、前記凹凸形状は、前記相違する面の全面に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の蛍光体デバイス。
【0043】
請求項5に対応する発明は、前記反射層は、前記凹凸形状中の一部に設けられたことを特徴とする請求項2記載の蛍光体デバイス。
請求項6に対応する発明は、前記照射側面と前記相違する面とは、互いに平行に対峙し、前記相違する面に前記凹凸形状が設けられ、かつ前記励起光の前記照射領域と対応して前記反射層が設けられたことを特徴とする請求項2記載の蛍光体デバイス。
【0044】
請求項7に対応する発明は、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の蛍光体デバイスと、励起光を出力する励起光源と、前記励起光源から出力された前記励起光を前記蛍光体デバイスに照射する照射光学系と、前記蛍光体デバイスから発光された前記発光光を照明光として取り出す発光光取出光学系とを具備することを特徴とする照明装置。
【0045】
請求項8に対応する発明は、請求項7に記載の照明装置と、前記照明装置から出力された前記照明光を含む各色の光をカラー画像として投影する投影光学系とを有することを特徴とするプロジェクタ装置。