【実施例】
【0029】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0030】
実施例1
(1) 内容積10Lのステンレス鋼製オートクレーブ内を窒素ガスで置換し、脱気後
界面活性剤〔CF
3CF
2CF
2OCF(CF
3)CF
2OCF(CF
3)COONH
4〕 8.5g
(
仕込み水に対して0.15重量%)
リン酸水素二ナトリウム・12水和物 10g
脱イオン水 5.8L
を仕込み、内部空間を再度窒素ガスで十分に置換した後脱気した。そこに
フッ化ビニリデン〔VdF〕 90g
テトラフルオロエチレン〔TFE〕 77g
ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕 760g
2-ブロモ-1,1-ジフルオロエチレン〔BDFE〕 8g
オクタフルオロ-1,4-ジヨードブタン〔DIOFB〕 0.5g
*
* (仕込み段階での反応原料総量に対して0.05%)
を仕込み
(全モノマー混合物総量の31.9重量%)、オートクレーブ内を80℃に昇温した後、
過硫酸アンモニウム〔APS〕 1.0g
を仕込み、重合反応を開始させた。このときの内圧は2.2MPaであった。
【0031】
その後、ただちに
VdF 472g
TFE 404g
HFP 310g
となる割合のVdF/TFE/HFP混合ガスを内圧が2.25MPaになる迄圧入した。内圧が2.15MPaに低下した時点で、上記混合ガスを分添ガスとして内圧が2.25MPaになる迄圧入する操作をくり返し行い、上記分添量となった時点まで分添一段階目の重合反応を行った(分添モノマー混合物総量の60重量%相当)。
【0032】
(2) 分添一段階目の分添終了後、すぐにAPS 1.0gとDIOFB 15.0g(この段階までの反応原料総量に対して0.7%)とを仕込み、重合反応を継続させ、
VdF 314g
TFE 269g
HFP 210g
となる割合のVdF/TFE/HFP混合ガスを、内圧が2.15MPaに低下した時点で分添ガスとして内圧が2.25MPaになる迄圧入する操作をくり返し行い、上記分添量となった時点まで分添二段階目の反応を行い(分添モノマー混合物総量の40重量%相当)、反応終了後冷却し、残ガスを排出して乳化液(固形分濃度31.8重量%)8,524gを得た。なお、APSはいずれも0.3重量%水溶液を用いての添加が行われた(以下同じ)。
【0033】
(3) 得られた乳化液について、1重量%塩化カリウム水溶液による凝析、水洗、乾燥が行われ、エラストマー状共重合体A 2,648gを得た。このエラストマー状共重合体Aの分子量分布はモノピーク型であり、後記比較例1(3)で得られたエラストマー状共重合体ブレンド物Cの分子量分布と比較して、ピーク位置が低分子量側にシフトし、またピーク位置から高分子量側へと続くカーブが緩やかな形状(高分子量側のすそ野が広がった分布形状)を示していた。
【0034】
実施例2
実施例1において、分添一段階目および分添二段階目の分添モノマー仕込量がいずれも
VdF 393g
TFE 336g
HFP 260g
に変更されて重合反応が行われ(分添モノマー混合物総量のそれぞれ50重量%相当
;なお仕込みモノマー混合物量は、全モノマー混合物総量の31.9重量%に相当)、乳化液(固形分濃度30.8重量%)8,527gを得、これよりエラストマー状共重合体B 2,602gを得た。このエラストマー状共重合体Bの分子量分布は、実施例1で得られたエラストマー状共重合体Aの分子量分布と同様、モノピーク型であり、後記比較例1(3)で得られたエラストマー状共重合体ブレンド物Cの分子量分布と比較して、ピーク位置が低分子量側にシフトし、またピーク位置から高分子量側へと続くカーブが緩やかな形状(高分子量側のすそ野が広がった分布形状)を示していた。
【0035】
比較例1
(1) 内容積10Lのステンレス鋼製オートクレーブ内を窒素ガスで置換し、脱気後
界面活性剤〔CF
3CF
2CF
2OCF(CF
3)CF
2OCF(CF
3)COONH
4〕 8.5g
(0.15重量%)
リン酸水素二ナトリウム・12水和物 10g
脱イオン水 5.8L
を仕込み、内部空間を再度窒素ガスで十分に置換した後脱気した。そこに
フッ化ビニリデン〔VdF〕 90g
テトラフルオロエチレン〔TFE〕 77g
ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕 760g
2-ブロモ-1,1-ジフルオロエチレン〔BDFE〕 8g
を仕込み、オートクレーブ内を80℃に昇温した後、
過硫酸アンモニウム〔APS〕 1.8g
を仕込み、重合反応を開始させた。このときの内圧は2.2MPaであった。
【0036】
その後、
VdF 786g
TFE 673g
HFP 520g
からなるVdF/TFE/HFP混合ガスを、内圧が2.15MPaに低下した時点で分添ガスとして内圧が2.25MPaになる迄圧入する操作をくり返し行って反応を行い、反応終了後冷却し、残ガスを排出して乳化液I(固形分濃度31.5重量%、Mn161,000)8,524gを得た。
【0037】
(2) 上記(1)の含フッ素エラストマー乳化液の調製において、BDFEの代わりにオクタフルオロ-1,4-ジヨードブタン〔DIOFB〕34.0gを用い、またAPS量を6gに変更して、乳化液II(固形分濃度31.8重量%、Mn18,000)8,534gを得た。なお、重合反応開始時の内圧は2.2MPaであった。
【0038】
(3) このようにして得られた乳化液I(高Mn含フッ素エラストマー乳化液)と乳化液II(低Mn含フッ素エラストマー乳化液)とを、それぞれの固形分重量比が50:50となるように混合した後、1重量%塩化カリウム水溶液による凝析、水洗、乾燥が行われ、エラストマー状共重合体ブレンド物C 5,344gを得た。
【0039】
比較例2
実施例1において、初期仕込み時におけるDIOFB量が10gに、またAPS量が3gにそれぞれ変更され、さらに分添一段階目におけるVdF/TFE/HFP混合ガスとして、VdF 786g、TFE 672gおよびHFP 520g(実施例1および2で分添一
段階目〜二段階目に用いられた各モノマーの合計量相当)が用いられて重合反応が行われ、分添二段階目の反応が行うことなく乳化液(固形分濃度36.1%)8,624gを得、これよりエラストマー状共重合体D 2,639gを得た。
【0040】
以上の実施例1〜2
で得られたエラストマー状共重合体
A〜Bおよび比較例1〜2で得られたブレンド物C〜Dについて、次の各項目についての測定が行われた。
共重合体組成〔モル%〕:日本電子製品JMN-LA300フーリエ変換核磁気共鳴装置を用いて測定
フッ素含量〔重量%〕:F含量を分子量より算出
ポリマームーニー粘度(ML
1+10):121℃の試験温度で、1分間予熱した後、直ちにロータを回転させ、10分後の値を測定
分子量測定:日本分光工業製851-AS型インテリジェントオートサニプラ、ガスクロ工業製MODEL 576型LCポンプ、昭和電工製Shodex KF-801、KF-802、KF-802.5およびKF-805のカラム4本を備えたガスクロ工業製MODEL 556型HPLCカラムオーブンおよび日本分光工業製検出器JASCO 830RI示差屈折計を用い、テトラヒドロフランを展開溶媒として試料濃度0.5重量%、流量1.0ml/分、温度40℃において測定
分子量の解析は、システムインスツルメンツ社製SICラブチャート180を用い、また分子量検量線用標準ポリマーとしては、東洋曹達製品の単分散ポリスチレン各種[Mw/Mn=1.1(MAX)]を用いた
【0041】
測定結果は、次の表1に示される。
表1
測定項目 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2
共重合体(ブレンド)組成 A B C D
VdF (モル%) 54.2 54.5 54.5 54.1
TFE (モル%) 25.2 24.2 24.2 24.5
HFP (モル%) 20.6 21.3 21.3 21.4
フッ素含量 (重量%) 69.6 69.6 69.6 69.7
ポリマームーニー粘度(ML
1+10) 30.8 31.8 32.8 36.1
数平均分子量 Mn (×10
4) 2.3 2.1 2.1 2.3
重量平均分子量 Mw (×10
4) 19.7 22.9 10.9 7.4
Mw/Mn 比 8.5 10.9 5.9 3.2
【0042】
実施例3
実施例1で得られたエラストマー状共重合体A 100重量部
MTカーボンブラック(キャンキャブ製品サーマックスN990) 20 〃
多官能性不飽和化合物 5 〃
(日本化成製品TAIC M60;トリアリルイソシアヌレート)
有機過酸化物(日本油脂製品パーヘキサ25B-40) 3.5 〃
ZnO 5 〃
以上の各成分を2本ロールミルで混和し、得られた硬化性組成物を180℃で10分間圧縮成形を行って厚さ2mmのシートおよびOリング(P24)を作製し、さらに230℃、22時間のオーブン加硫(二次加硫)を行った。硬化性組成物について硬化試験を行い、また二次加硫物について常態物性、圧縮永久歪および接着性についての測定および評価が行われた。
硬化試験:モンサント・ディスク・レオメーターを使用し、121℃でMH、Tc90の値を
測定
常態物性:JIS K6250、6253準拠
圧縮永久歪:ASTM D395 Method B準拠
P24 Oリングについて、150℃、70時間の値を測定
接着性:それぞれ厚さ約1.5mmの未加硫含フッ素エラストマー
(上記硬化性組成物)のシートと未加硫ニトリルゴム
のシートとを貼り合わせて、160℃、30分間プレス加硫を行い放冷した後、厚み2mm、幅12.5mm、長さ100mmにテストピースを打ち抜き、TOYOSEIKI STROGRAPH E II を用いて試験速度100mm/分で剥離試験を実施した
剥離する前にどちらかのゴムが破損した場合を接着性良好、ゴムの破損がなく剥離した場合を接着性不良として評価
なお、未加硫ニトリルゴムとしては、次の配合物が用いられた。
ニトリルゴム(南帝化学工業製品NANCAR1051) 100重量部
HAFカーボンブラック(旭カーボン製品) 50 〃
酸化亜鉛 5 〃
ステアリン酸 1 〃
老化防止剤(精工化学製品ノンフレックスRD) 3 〃
硫黄 2 〃
加硫促進剤(三新化学工業製品サンセラーTS) 3 〃
【0043】
実施例4
実施例3において、エラストマー状共重合体Aの代わりに、実施例2で得られたエラストマー状共重合体Bが同量用いられた。
【0044】
比較例3
実施例3において、エラストマー状共重合体Aの代わりに、比較例1で得られたエラストマー状共重合体ブレンド物Cが同量用いられた。
【0045】
比較例4
実施例3において、エラストマー状共重合体Aの代わりに、比較例2で得られたエラストマー状共重合体Dが同量用いられた。ここでは、実施例3〜4と比較して、組成物調製時の加工性が劣っていた。
【0046】
以上の実施例3〜4および比較例3〜4で得られた結果は、次の表2に示される。
表2
測定・評価項目 実施例3 実施例4 比較例3 比較例4
硬化試験
MH (dN・m) 18.8 19.3 19.1 20.5
Tc90 (分) 1.07 1.02 1.11 0.98
常態物性
硬さ (Shore-A) 72 72 72 73
100%モジュラス (MPa) 5.9 5.2 5.7 5.6
破断強度 (MPa) 24.8 26.5 22.1 24.3
破断時伸び (%) 250 250 250 260
圧縮永久歪 (%) 27 26 30 28
接着性 (%) 良好 良好 良好 良好
【0047】
実施例5
(1) 内容積10Lの鋼製オートクレーブ内を窒素ガスで置換し、脱気後
界面活性剤〔CF
3CF
2CF
2OCF(CF
3)CF
2OCF(CF
3)COONH
4〕 15g
(0.26重量%)
リン酸水素二ナトリウム・12水和物 10g
脱イオン水 5.8L
を仕込み、内部空間を再度窒素ガスで十分に置換した後脱気した。そこに
フッ化ビニリデン〔VdF〕 83g
テトラフルオロエチレン〔TFE〕 67g
ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕 640g
イソプロピルアルコール〔IPA〕 0.15g
を仕込み、オートクレーブ内を80℃に昇温した後、
過硫酸アンモニウム〔APS〕 1.0g
を仕込み
(全モノマー混合物総量の27.1重量%)、重合反応を開始させた。このときの内圧は2.2MPaであった。
【0048】
その後、
VdF 373g
TFE 269g
HFP 210g
となる割合のVdF/TFE/HFP混合ガスを、内圧が2.15MPaに低下した時点で分添ガスとして内圧が2.25MPaになる迄圧入する操作をくり返し行って反応を行い、上記分添量となった時点まで分添一段階目の重合反応を行った(分添モノマー混合物総量の40重量%相当)。
【0049】
(2) 分添一段階目の分添終了後、すぐにIPA 15gを仕込み、重合反応を継続させ、
VdF 559g
TFE 404g
HFP 310g
となる割合のVdF/TFE/HFP混合ガスを、内圧が2.15MPaに低下した時点で分添ガスとして内圧が2.25MPaになる迄圧入する操作をくり返し行って反応を行い、上記分添量となった時点まで分添二段階目の反応を行い(分添モノマー混合物総量の60重量%相当)、反応終了後冷却し、残ガスを排出して乳化液(固形分濃度31.2重量%)8,564gを得た。
【0050】
(3) 得られた乳化液について、1重量%塩化カリウム水溶液による凝析、水洗、乾燥が行われ、エラストマー状共重合体E 2,639gを得た。このエラストマー状共重合体Eの分子量分布は、実施例1で得られたエラストマー状共重合体Aの分子量分布と同様、モノピーク型であり、前記比較例1(3)で得られたエラストマー状共重合体ブレンド物Cの分子量分布と比較して、ピーク位置が低分子量側にシフトし、またピーク位置から高分子量側へと続くカーブが緩やかな形状(高分子量側のすそ野が広がった分布形状)を示していた。
【0051】
実施例6
実施例5において、分添一段階目の反応で用いられるAPS量が1.5重量部に、分添二段階目の反応で用いられるIPA量が18重量部に、また分添一段階目および分添分添二段階目のモノマー仕込量がいずれも
VdF 466g
TFE 336g
HFP 260g
に、それぞれ変更されて重合反応が行われ(分添モノマー混合物総量のそれぞれ50重量%相当
;なお仕込みモノマー混合物は、全モノマー混合物総量の27.1重量%に相当)、乳化液(固形分濃度30.9重量%)8,495gを得、これよりエラストマー状共重合体F 2,621gを得た。このエラストマー状共重合体Fの分子量分布は、実施例1で得られたエラストマー状共重合体Aの分子量分布と同様、モノピーク型であり、前記比較例1(3)で得られたエラストマー状共重合体ブレンド物Cの分子量分布と比較して、ピーク位置が低分子量側にシフトし、またピーク位置から高分子量側へと続くカーブが緩やかな形状(高分子量側のすそ野が広がった分布形状)を示していた。
【0052】
比較例5
(1) 内容積10Lの鋼製オートクレーブ内を窒素ガスで置換し、脱気後
界面活性剤〔CF
3CF
2CF
2OCF(CF
3)CF
2OCF(CF
3)COONH
4〕 15g(0.26重量%)
リン酸水素二ナトリウム・12水和物 10g
脱イオン水 5.8L
を仕込み、内部空間を再度窒素ガスで十分に置換した後脱気した。そこに
フッ化ビニリデン〔VdF〕 83g
テトラフルオロエチレン〔TFE〕 67g
ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕 640g
イソプロピルアルコール〔IPA〕 1.0g
を仕込み、オートクレーブ内を80℃に昇温した後、
過硫酸アンモニウム〔APS〕 1.0g
を仕込み、重合反応を開始させた。このときの内圧は2.2MPaであった。
【0053】
その後、
VdF 932g
TFE 673g
HFP 520g
となる割合のVdF/TFE/HFP混合ガスを、内圧が2.15MPaに低下した時点で分添ガスとして内圧が2.25MPaになる迄圧入する操作をくり返し行い、上記分添量となった時点まで反応を行い、重合反応終了後冷却し、残ガスを排出して乳化液III(固形分濃度31.1重量%、Mn173,000)8,473gを得た。
【0054】
(2) 上記(1)の含フッ素エラストマー乳化液の調製において、IPAの代わりにマロン酸ジエチル70gを用い、またAPS量を5gに変更して、乳化液IV(固形分濃度30.4重量%、Mn18,000)8,489gを得た。なお、重合反応開始時の内圧は2.2MPaであった。
【0055】
(3) このようにして得られた乳化液III(高Mn含フッ素エラストマー乳化液)と乳化液IV(低Mn含フッ素エラストマー乳化液)とを、それぞれの固形分重量比が50:50となるように混合した後、1重量%塩化カリウム水溶液による凝析、水洗、乾燥が行われ、エラストマー状共重合体ブレンド物G 5,342gを得た。
【0056】
以上の実施例5〜6
で得られたエラストマー状共重合体
E〜Fおよび比較例5で得られたブレンド物Gについて、実施例1〜2および比較例1〜2と同様に共重合体組成、フッ素含量、ポリマームーニー粘度および分子量測定が行われた。測定結果は、次の表3に示される。
表3
測定項目 実施例5 実施例6 比較例5
共重合体(ブレンド物)組成 E F G
VdF (モル%) 54.2 54.5 55.2
TFE (モル%) 25.2 25.2 25.4
HFP (モル%) 20.6 20.3 19.4
フッ素含量 (重量%) 69.6 69.6 69.5
ポリマームーニー粘度(ML
1+10) 31.2 33.2 29.3
数平均分子量 Mn (×10
4) 2.5 2.2 3.6
重量平均分子量 Mw (×10
4) 20.4 23.4 16.3
Mw/Mn 比 8.2 10.6 4.5
【0057】
実施例7
実施例3において、下記硬化性組成物が用いられ、同様に測定および評価が行われた。ただし、圧縮永久歪については、200℃、70時間の値が測定された。
実施例5で得られたエラストマー状共重合体E 100重量部
MTカーボンブラック(サーマックスN990) 25 〃
加硫剤(ビスフェノールAF) 2 〃
加硫促進剤(ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド) 1 〃
受酸剤(共和化学製品キョウワマグ♯150) 3 〃
受酸剤(近江化学製品Caldic♯2000) 6 〃
【0058】
実施例8
実施例7において、エラストマー状共重合体Eの代わりに、実施例6で得られたエラストマー状共重合体Fが同量用いられた。
【0059】
比較例6
実施例7において、エラストマー状共重合体Eの代わりに、比較例5で得られたエラストマー状共重合体ブレンド物Gが同量用いられた。
【0060】
以上の実施例7〜8および比較例6で得られた結果は、次の表4に示される。
表4
測定・評価項目 実施例7 実施例8 比較例6
硬化試験
MH (dN・m) 11.8 12.2 11.3
Tc90 (分) 4.52 4.40 4.82
常態物性
硬さ (Shore-A) 72 72 73
100%モジュラス (MPa) 2.9 2.9 4.3
破断強度 (MPa) 18.8 19.2 15.3
破断時伸び (%) 240 250 260
圧縮永久歪 (%) 24 23 27
接着性 (%) 良好 良好 良好
【0061】
以上の結果より、二段階の重合反応によって製造された含フッ素エラストマーを用いた実施例3〜4、7〜8では、高Mn含フッ素エラストマーおよび低Mn含フッ素エラストマーをブレンドして得たエラストマー状共重合体を用いた場合(比較例3、6)と比べて、破断強度および圧縮永久歪のいずれもが良好な値を示している。また、二段階の反応によらず、一段階の反応のみによって製造された含フッ素エラストマーを用いた場合(比較例4)と比べると、加工性の改善がみられる。