【実施例】
【0053】
実施例、比較例の基本的な処理条件を表1〜4に示し、これら表を適宜参照しながら本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
<実施例1>
先ず、比表面積が50
m2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水13molを準備した。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して撹拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間撹拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、撹拌速度は30rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量で窒素を流しながら、300℃の温度で12時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を30rpmに調整して行った。この粉砕粉を目開き45μm及び85μmの振動フルイを用いて分級することにより、第1シリカ粉末を得た。また、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を第2シリカ粉末とした。得られた第1シリカ粉末の体積基準の粒度分布の最頻値D
VM、及び第2シリカ粉末の個数基準の粒度分布の最頻値D
NMを、以下の表1に示す。なお、原料であるヒュームドシリカの比表面積とは、BET3点法により測定されたBET比表面積である。次に、第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を石英製容器に入れて、大気雰囲気中にて1150℃、72時間焼成を行って焼成した。次に、この焼成された第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表1に示す質量比になるようにプラスチックドラムに投入し、このプラスチックドラムを傾けて回転させることにより均一に混合し、第3シリカ粉末を得た。
図4は、この第3シリカ粉末を例示的に示した写真(倍率200倍)である。
続いて、
図3に示す装置30を用い、次の表5に示す条件にて、上記得られた第3シリカ粉末に球状化処理を施した。具体的には、先ず、装置30のガス導入管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、球状化されたシリカ粉末41を得た。
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き35μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、乾燥機内に窒素を20L/minの流量で流しながら、200℃の温度で36時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0059】
<実施例2>
先ず、比表面積が90
m2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水30molを準備した。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を30℃に保持して撹拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから6時間撹拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、撹拌速度は45rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に15L/minの流量で窒素を流しながら、300℃の温度で12時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を200rpmに調整して行った。この粉砕粉を目開き90μm及び180μmの振動フルイを用いて分級することにより、第1シリカ粉末を得た。また、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を第2シリカ粉末とした。次に、第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を石英製容器に入れて、大気雰囲気中にて1200℃、36時間焼成を行って焼成した。次に、この焼成された第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表1に示す質量比になるようにプラスチックドラムに投入し、このプラスチックドラムを傾けて回転させることにより均一に混合し、第3シリカ粉末を得た。
【0060】
続いて、
図3に示す装置30を用い、次の表1に示す条件にて、実施例1と同様の工程を経ることにより上記得られた第3シリカ粉末に球状化処理を施し、球状化されたシリカ粉末41を得た。
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き45μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、乾燥機内にアルゴンを10L/minの流量で流しながら、400℃の温度で12時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0061】
<実施例3>
先ず、比表面積が130
m2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水20molを準備した。準備した超純水を容器内に入れ、アルゴン雰囲気にて、温度を10℃に保持して撹拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから4時間撹拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、撹拌速度は25rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に20L/minの流量でアルゴンを流しながら、300℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.4mm、ロール回転数を30rpmに調整して行った。この粉砕粉を目開き200μm及び400μmの振動フルイを用いて分級することにより、第1シリカ粉末を得た。また、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、更に目開き40μmの振動フルイを用いて分級し、このときのふるい上の粉末を第2シリカ粉末とした。次に、第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を石英製容器に入れて、窒素雰囲気中にて1350℃、60時間焼成を行って焼成した。次に、この焼成された第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表1に示す質量比になるようにプラスチックドラムに投入し、このプラスチックドラムを傾けて回転させることにより均一に混合し、第3シリカ粉末を得た。
【0062】
続いて、
図3に示す装置30を用い、次の表1に示す条件にて、実施例1と同様の工程を経ることにより上記得られた第3シリカ粉末に球状化処理を施し、球状化されたシリカ粉末41を得た。
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き125μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、乾燥機内に窒素を10L/minの流量で流しながら、300℃の温度で24時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0063】
<実施例4>
先ず、比表面積が300
m2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水25molを準備した。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を15℃に保持して撹拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間撹拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、撹拌速度は25rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量で窒素を流しながら、200℃の温度で28時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を200rpmに調整して行った。この粉砕粉を目開き45μm及び85μmの振動フルイを用いて分級することにより、第1シリカ粉末を得た。また、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、第2シリカ粉末とした。次に、第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を石英製容器に入れて、窒素雰囲気中にて850℃、120時間焼成を行って焼成した。次に、この焼成された第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表1に示す質量比になるようにプラスチックドラムに投入し、このプラスチックドラムを傾けて回転させることにより均一に混合し、第3シリカ粉末を得た。
続いて、
図3に示す装置30を用い、次の表5に示す条件にて、実施例1と同様の工程を経ることにより上記得られた第3シリカ粉末に球状化処理を施し、球状化されたシリカ粉末41を得た。
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き35μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、乾燥機内に窒素を10L/minの流量で流しながら、200℃の温度で36時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0064】
<実施例5>
先ず、比表面積が90
m2/gのヒュームドシリカ1molに対して、超純水25molを準備した。準備した超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を15℃に保持して撹拌しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから6時間撹拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、撹拌速度は25rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に5L/minの流量で窒素を流しながら、250℃の温度で36時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.4mm、ロール回転数を30rpmに調整して行った。この粉砕粉を目開き200μm及び400μmの振動フルイを用いて分級することにより、第1シリカ粉末を得た。また、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、更に目開き25μmの振動フルイを用いて分級し、このときのふるい上の粉末を第2シリカ粉末とした。次に、第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を石英製容器に入れて、大気雰囲気中にて1450℃、36時間焼成を行って焼成した。
【0065】
次に、この焼成された第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表1に示す質量比になるようにプラスチックドラムに投入し、このプラスチックドラムを傾けて回転させることにより均一に混合し、第3シリカ粉末を得た。
続いて、
図3に示す装置30を用い、次の表5に示す条件にて、実施例1と同様の工程を経ることにより上記得られた第3シリカ粉末に球状化処理を施し、球状化されたシリカ粉末41を得た。
【0066】
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き125μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、乾燥機内に窒素を10L/minの流量で流しながら、300℃の温度で24時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0067】
<実施例6>
先ず、四塩化珪素1molに対して、55.6molに相当する量の超純水を準備した。この超純水を容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して撹拌しながら、四塩化珪素を添加して加水分解させた。四塩化珪素を添加してから3時間撹拌を継続して、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、撹拌速度は150rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に15L/minの流量で窒素を流しながら、250℃の温度で18時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を200rpmに調整して行った。この粉砕粉を目開き90μm及び目開き180μmの振動フルイを用いて分級することにより、第1シリカ粉末を得た。また、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、第2シリカ粉末とした。次に、第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を石英製容器に入れて、大気雰囲気中にて1300℃、36時間焼成を行って焼成した。
【0068】
次に、この焼成された第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表1に示す質量比になるようにプラスチックドラムに投入し、このプラスチックドラムを傾けて回転させることにより均一に混合し、第3シリカ粉末を得た。
続いて、
図3に示す装置30を用い、次の表5に示す条件にて、実施例1と同様の工程を経ることにより上記得られた第3シリカ粉末に球状化処理を施し、球状化されたシリカ粉末41を得た。
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き45μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、乾燥機内にアルゴンを10L/minの流量で流しながら、400℃の温度で12時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0069】
<実施例7>
先ず、テトラメトキシシラン1molに対して、超純水1.5mol、エタノール1.5molを準備した。準備した超純水、エタノールを容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を60℃に保持して撹拌しながら、テトラメトキシシランを添加して加水分解させた。テトラメトキシシランを添加してから60分間、撹拌した後、テトラメトキシラン1molに対して25molの超純水を更に添加し、6時間撹拌を継続し、シリカ質のゲルを生成させた。このとき、撹拌速度は100rpmとした。次に、上記シリカ質のゲルを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に20L/minの流量で窒素を流しながら、200℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.25mm、ロール回転数を50rpmに調整して行った。この粉砕粉を目開き110μm及び目開き250μmの振動フルイを用いて分級することにより、第1シリカ粉末を得た。また、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、更に目開き25μm及び40μmの振動フルイを用いて分級することにより、第2シリカ粉末を得た。次に、第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を石英製容器に入れて、大気雰囲気中にて1300℃、24時間焼成を行って焼成した。
【0070】
次に、この焼成された第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表1に示す質量比になるようにプラスチックドラムに投入し、このプラスチックドラムを傾けて回転させることにより均一に混合し、第3シリカ粉末を得た。
続いて、
図3に示す装置30を用い、次の表5に示す条件にて、実施例1と同様の工程を経ることにより上記得られた第3シリカ粉末に球状化処理を施し、球状化されたシリカ粉末41を得た。
球状化処理後、洗浄容器に上記粉末と超純水を入れて、超音波洗浄を行った。超音波洗浄を行った後、目開き75μmのフィルターでろ過した。シリカ粉末の粒子表面に付着する微粉末がなくなるまで、この操作を繰り返し行った。
最後に、洗浄後の粉末を乾燥用容器に入れ、乾燥機内にアルゴンを10L/minの流量で流しながら、400℃の温度で18時間保持することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0071】
<比較例1>
目開き35μm及び目開き75μmの振動フルイを用いて分級することにより第1シリカ粉末を得たこと、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を第2シリカ粉末としたこと、及び球状化処理条件を以下の表5に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例2>
目開き275μm及び目開き475μmの振動フルイを用いて分級することにより第1シリカ粉末を得たこと、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、更に目開き35μmの振動フルイを用いて分級し、このときのふるい上の粉末を第2シリカ粉末としたこと、及び球状化処理条件を以下の表5に示す条件に変更したこと以外は、実施例5と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例3>
目開き60μm及び目開き180μmの振動フルイを用いて分級することにより第1シリカ粉末を得たこと、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を第2シリカ粉末としたこと、及び球状化処理条件を以下の表6に示す条件に変更したこと以外は、実施例2と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例4>
第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、更に目開き60μmの振動フルイを用いて分級し、このときのふるい上の粉末を第2シリカ粉末としたこと、及び球状化処理条件を以下の表2に示す条件に変更したこと以外は、実施例2と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0072】
<比較例5,6>
第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表6に示す質量比で混合して第3シリカ粉末を得たこと以外は、実施例2と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例7>
目開き95μm及び目開き185μmの振動フルイを用いて分級することにより第1シリカ粉末を得たこと、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を第2シリカ粉末としたこと、及び球状化処理条件を以下の表6に示す条件に変更したこと以外は、実施例2と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0073】
<比較例8>
目開き30μm及び目開き75μmの振動フルイを用いて分級することにより第1シリカ粉末を得たこと、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を第2シリカ粉末としたこと、及び球状化処理条件を以下の表2に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例9>
球状化処理条件を以下の表6に示す条件に変更したこと以外は、実施例3と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例10>
目開き75μm及び目開き175μmの振動フルイを用いて分級することにより第1シリカ粉末を得たこと、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を第2シリカ粉末としたこと、上記第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表2に示す質量比で混合して第3シリカ粉末を得たこと、及び球状化処理条件を以下の表6に示す条件に変更したこと以外は、実施例2と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0074】
<比較例11>
目開き90μm及び目開き185μmの振動フルイを用いて分級することにより第1シリカ粉末を得たこと、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、更に目開き40μmの振動フルイを用いて分級し、このときのふるい上の粉末を第2シリカ粉末としたこと、第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表3に示す質量比で混合して第3シリカ粉末を得たこと、及び球状化処理条件を以下の表7に示す条件に変更したこと以外は、実施例2と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0075】
<比較例12>
上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、更に目開き25μm及び40μmの振動フルイを用いて分級することにより第2シリカ粉末を得たこと、第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表3に示す質量比で混合して第3シリカ粉末を得たこと、及び球状化処理条件を以下の表7に示す条件に変更したこと以外は、実施例2と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例13>
上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、更に目開き50μmの振動フルイを用いて分級し、このときのふるい上の粉末を第2シリカ粉末としたこと、第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表3に示す質量比で混合して第3シリカ粉末を得たこと、及び球状化処理条件を以下の表7に示す条件に変更したこと以外は、実施例2と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0076】
<比較例14>
上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、更に目開き35μmの振動フルイを用いて分級し、このときのふるい上の粉末を第2シリカ粉末としたこと、第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表3に示す質量比で混合して第3シリカ粉末を得たこと、及び球状化処理条件を以下の表7に示す条件に変更したこと以外は、実施例2と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例15>
目開き90μm及び目開き190μmの振動フルイを用いて分級することにより第1シリカ粉末を得たこと、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、更に目開き50μmの振動フルイを用いて分級し、このときのふるい上の粉末を第2シリカ粉末としたこと、第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表3に示す質量比で混合して第3シリカ粉末を得たこと、及び球状化処理条件を以下の表7に示す条件に変更したこと以外は、実施例2と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0077】
<比較例16>
上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、更に目開き35μmの振動フルイを用いて分級し、このときのふるい上の粉末を第2シリカ粉末としたこと、及び球状化処理条件を以下の表7に示す条件に変更したこと以外は、実施例5と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例17>
上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、更に目開き25μm及び40μmの振動フルイを用いて分級することにより第2シリカ粉末を得たこと、第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表4に示す質量比で混合して第3シリカ粉末を得たこと、及び球状化処理条件を以下の表8に示す条件に変更したこと以外は、実施例5と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0078】
<比較例18>
第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表4に示す質量比で混合して第3シリカ粉末を得たこと、及び球状化処理条件を以下の表8に示す条件に変更したこと以外は、実施例4と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例19>
第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表4に示す質量比で混合して第3シリカ粉末を得たこと、及び球状化処理条件を以下の表8に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0079】
<比較例20>
目開き200μm及び目開き400μmの振動フルイを用いて分級することにより第1シリカ粉末を得たこと、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、更に目開き50μmの振動フルイを用いて分級し、このときのふるい上の粉末を第2シリカ粉末としたこと、第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表4に示す質量比で混合して第3シリカ粉末を得たこと、及び球状化処理条件を以下の表8に示す条件に変更したこと以外は、実施例6と同様に、球状化されたシリカ粉末41を得た。
球状化処理後、実施例5と同じ条件で洗浄、乾燥することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0080】
<比較例21>
目開き200μm及び目開き400μmの振動フルイを用いて分級することにより第1シリカ粉末を得たこと、上記第1シリカ粉末を得る分級時のふるい下の乾燥粉を、更に目開き50μmの振動フルイを用いて分級し、このときのふるい上の粉末を第2シリカ粉末としたこと、第1シリカ粉末と第2シリカ粉末を、以下の表4に示す質量比で混合して第3シリカ粉末を得たこと、及び球状化処理条件を以下の表8に示す条件に変更したこと以外は、実施例7と同様に、球状化されたシリカ粉末41を得た。
球状化処理後、実施例5と同じ条件で洗浄、乾燥することにより、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0081】
<比較例22>
焼成を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例23>
焼成を行わなかったこと以外は、実施例6と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例24>
焼成を行わなかったこと以外は、実施例7と同様に、合成非晶質シリカ粉末を得た。
【0082】
実施例1〜7及び比較例1〜24で得られた粉末について、算術平均粒径、粒度分布、固めかさ密度密度、円形度、BET比表面積、理論比表面積、BET比表面積/理論比表面積、真密度及び粒子内空間率を測定又は算出した。これらの結果を次の表5〜8に示す。なお、表3、4に示すこれらの値は、各実施例又は比較例ごとに5回ずつ、同じ条件で合成シリカ粉末を製造し、それらについての上記測定値等を平均した値である。
(i) 算術平均粒径、粒度分布:乾式粒子画像分析装置(スペクトリス社製 型式名:Morphologi G3)を用いて撮影した粒子画像の面積を測定し、これと面積の等しい円の直径、即ち面積円相当径(CE Diameter)を求め、これを撮影した粒子画像の“粒径”とした。
【0083】
個数基準の算術平均粒径D
NAVは、撮影した全粒子(1サンプルに付き約6000個以上)についての上記“粒径”の算術平均とした。また、これら粒子の“粒径”を、2.5μm区切りで分類し、それぞれの区間における粒子数を計測し、各区間における粒子数が全粒子数に占める百分率を算出して、これを各区間における頻度とし、個数基準の粒度分布を得た。また、この個数基準の粒度分布において、最も頻度が高い粒径の値を、個数基準の粒度分布の最頻値D
NMとした。
【0084】
また、シリカ密度を2.2g/cm
3と仮定し、上記2.5μm区切りで分類した各区間における粒子数から各区間における粒子の質量を算出し、各区間の粒子の質量が、粒子全体の質量に占める百分率(頻度)を算出し、体積基準の粒度分布を求めた。
(ii) 円形度:上記乾式粒子画像分析装置を用いて撮影した粒子画像の周囲長を測定し、この周囲長と上記面積円相当径を、次の式(1)に代入して、粒子1個についての円形度を算出し、全粒子数の算術平均を粉末の円形度とした。
粒子1個についての円形度=π×面積相当径/周囲長 (1)
(iii) 固めかさ密度:ホソカワミクロン社製のパウダーテスタPT−Xを用いて測定した。
(iV) BET比表面積:測定装置(QUANTACHROME AUTOSORB-1 MP)を用いたBET3点法により測定した。BET3点法は、相対圧力3点に対する窒素吸着量から傾きAを求め、BET式から比表面積値を求めた。窒素吸着量の測定は、150℃、60分の条件下で行った。
(v) 理論比表面積:次の式(2)において、Dを粉末の平均粒径D
L50、ρを真密度2.2g/
cm3と仮定し、次の式(3)から算出した。
理論比表面積=6/(D×ρ) (2)
粉末の理論比表面積=2.73/D
L50 (3)
【0085】
なお、平均粒径D
L50は、レーザー回折散乱式粒子分布測定装置(HORIBA社製 型式名:LA-950)を用いて測定される体積基準の粒度分布の中央値を3回測定し、これらを平均した値である。
(vi) BET比表面積/理論比表面積:上記測定した比表面積及び理論比表面積から算出した。
(vii) 真密度:JIS R7212 カーボンブロックの測定方法(d)真比重測定に準じて、真密度測定を3回行い、この平均値を算出した。
(viii) 粒子内空間率:得られた粉末を樹脂に埋め込みを行い、それを研磨して粉末断面を出す。粉末断面をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察した。50個の粉末粒子について断面積と、粒子内に空間があればその空間の面積を測定し、次の式(4)から算出した。
粒子内空間率=粒子内空間総面積/粒子断総面積 (4)
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】
【0088】
【表7】
【0089】
【表8】
【0090】
<評価1>
実施例1〜7及び比較例1〜25で得られた粉末について、不純物濃度を測定した。その結果を次の表9、10に示す。なお、表5に示すこれらの値は、各実施例又は比較例ごとに5回ずつ、同じ条件で合成シリカ粉末を製造し、それらについての上記測定値を平均した値である。
(i) Na,K,Ca,Fe,Al,P:粉末をフッ化水素酸及び硫酸で加熱分解し、加熱凝縮後に希硝酸を用いて定容液体を作製した。この定容液体について、高周波誘導結合プラズマ質量分析計(型式名:エスアイアイ・ナノテクノロジー SPQ9000)により分析を行った。
(ii) B:粉末をフッ化水素酸で加熱分解し、加熱凝縮後に超純水を用いて定容液体を作製した。この定容液体について、高周波誘導結合プラズマ質量分析計(型式名:エスアイアイ・ナノテクノロジー SPQ9000)により分析を行った。
(iii) C:粉末に助燃剤として鉄、タングステン、すずを添加し、酸素雰囲気にて高周波炉燃焼−赤外線吸収法(型式名:HORIBA EMIA-920V)にて分析を行った。
(iv) Cl:合成非晶質シリカ粉末に超純水を混合し、超音波下にてClを浸出させる。遠心分離機により合成非晶質シリカ粉末と浸出液を分離して、浸出液をイオンクロマトグラフィー(型式名:ダイオネクス DX-500)により分析を行った。
(v) OH:フーリエ変換型赤外線分光分析計(型式名:サーモフィッシャー Nicolet 4700FT-IR)により、3660cm−1付近のピーク高さにより測定した。
【0091】
【表9】
【0092】
【表10】
【0093】
<比較試験及び評価2>
実施例1〜7及び比較例1〜25で得られた粉末を用いて、縦20mm×横20mm×高さ40mmの直方体のブロック材をそれぞれ製造し、ブロック材に発生した気泡の個数を評価した。この結果を表13〜16に示す。具体的には、カーボンルツボに、粉末を入れ、これを2.0×104Pa真空雰囲気下でカーボンヒータにて2200℃に加熱し、48時間保持することによりブロック材を製造した。このブロック材を、5.0×102Pa真空雰囲気下で1600℃の温度で48時間の熱処理を行った。熱処理後、ブロック材の高さ20mmの位置で20mm×20mm角の断面に切り出し、研磨を行い、ブロック材の表面(断面)から、深さ2mm、幅2mm領域で観察された気泡の個数を測定し、これらの平均値を平均気泡数とした。この平均気泡数の値は上記表4の最右欄に示す。