特許第5962225号(P5962225)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社寺岡精工の特許一覧

<>
  • 特許5962225-台紙レスラベルプリンタ 図000002
  • 特許5962225-台紙レスラベルプリンタ 図000003
  • 特許5962225-台紙レスラベルプリンタ 図000004
  • 特許5962225-台紙レスラベルプリンタ 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5962225
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】台紙レスラベルプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 15/04 20060101AFI20160721BHJP
   B65C 11/02 20060101ALI20160721BHJP
   B41J 11/70 20060101ALI20160721BHJP
   B41J 11/42 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   B41J15/04
   B65C11/02
   B41J11/70
   B41J11/42
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-125499(P2012-125499)
(22)【出願日】2012年5月31日
(65)【公開番号】特開2013-248816(P2013-248816A)
(43)【公開日】2013年12月12日
【審査請求日】2015年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石上 敬二
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 康範
【審査官】 山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−284131(JP,A)
【文献】 特開平07−101120(JP,A)
【文献】 特開平02−008137(JP,A)
【文献】 特開2010−005943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 15/00 − 15/24
B41J 11/00 − 11/70
B65C 1/00 − 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルロール装填部に台紙レスラベルロールが装着され、印字ヘッドとプラテンローラからなる印字部で前記台紙レスラベルロールから引き出した台紙レスラベル用紙に所定事項を印字し、カッタで切断して枚葉状のラベルを発行する台紙レスラベルプリンタにおいて、
前記プラテンローラより上流側に、前記プラテンローラの逆回転による前記台紙レスラベル用紙のバックフィードを補助する補助ローラを設け、
該補助ローラは、前記台紙レスラベル用紙のバックフィード時、該補助ローラの回転軸と該補助ローラのローラ本体との間に介在させた一方向クラッチによって、該プラテンローラの回転時のみ駆動回転することを特徴とする台紙レスラベルプリンタ。
【請求項2】
前記補助ローラの外径は、前記プラテンローラの外径と略同じであることを特徴とする請求項1記載の台紙レスラベルプリンタ。
【請求項3】
前記補助ローラは、前記プラテンローラと無端状ベルトを介して連繋され、プラテンローラの回転に同期して回転することを特徴とする請求項1又は2項記載の台紙レスラベルプリンタ。
【請求項4】
前記補助ローラは、台紙レスラベル用紙を挟持する上下一対のローラで構成され、その上下のローラによる挟持圧は、付勢手段により強弱調整可能であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の台紙レスラベルプリンタ。
【請求項5】
前記補助ローラは、台紙レスラベル用紙を挟持する上下一対のローラで構成され、下ローラは、前記プラテンローラを支持する上下開閉可能なプラテン支持枠に支持されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の台紙レスラベルプリンタ。
【請求項6】
前記補助ローラは、前記台紙レスラベル用紙の幅方向に沿って複数個に分割されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の台紙レスラベルプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は台紙レスラベルプリンタに関し、更に詳しくは台紙レスラベル用紙をバックフィードさせるバックフィード機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ラベル用紙として台紙レスラベル用紙を使用する台紙レスラベルプリンタは、印字部を構成するサーマルヘッド(印字ヘッド)とプラテンローラとでラベル用紙を挟持し、しかも、そのプラテンローラとラベル用紙の粘着面との接点部分に前記サーマルヘッドからの熱が作用し、更に前記ラベルの挟持状態が長時間続いた場合、プラテンローラとラベル用紙とが接着した状態となる。
【0003】
そして、ラベル用紙がプラテンローラと接着した状態で、該ラベル用紙を印字のためにラベル発行方向に引き出そうとした場合、該ラベル用紙とプラテンローラとの接着による巻き込みや、ラベル用紙の折れ曲がりが発生するという問題があった。
【0004】
そこで、上記した問題点を解決する為に、印字部を構成するプラテンローラより上流位置に、台紙レスラベル用紙を上下より挟持する一対のローラ(一方は駆動ローラ)を配置し、そのローラの逆回転により印字部と前記ローラとの間の台紙レスラベル用紙に張力を付与し、サーマルヘッドとプラテンローラとの間に挟まれている台紙レスラベル用紙の下流側の部分をプラテンローラの外周面を滑らせて上流方向に移動させ、その後、前記ローラと共にプラテンローラを逆方向に回転させ、台紙レスラベル用紙を所定長さバックフィードさせることで、台紙レスラベル用紙がプラテンローラに巻き付くのを防止する発明が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかし、前記特許文献1に記載の発明は、プラテンローラより上流側に配置した駆動ローラは、プラテンローラを駆動する駆動源と別の駆動源を有し、前記プラテンローラと独立して制御されるようになっている。従って、台紙レスラベル用紙の巻き付きを防止するローラを駆動するための専用の駆動源が必要で、コスト高になり、且つ装置構造も複雑化する等の問題点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−5943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、台紙レスラベル用紙をバックフィードする為にプラテンローラとは別にローラを設けても、それ専用の駆動源を不要とし、台紙レスラベル用紙の巻き付き防止を簡単な機構で構成することができる台紙レスラベルプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成する為に本発明の台紙レスラベルプリンタは、ラベルロール装填部に台紙レスラベルロールが装着され、印字ヘッドとプラテンローラからなる印字部で前記台紙レスラベルロールから引き出した台紙レスラベル用紙に所定事項を印字し、カッタで切断して枚葉状のラベルを発行する台紙レスラベルプリンタにおいて、前記プラテンローラより上流側に、前記プラテンローラの逆回転による前記台紙レスラベル用紙のバックフィードを補助する補助ローラを設け、該補助ローラは、前記台紙レスラベル用紙のバックフィード時、該補助ローラの回転軸と該補助ローラのローラ本体との間に介在させた一方向クラッチによって、該プラテンローラの回転時のみ駆動回転することを特徴とする。
前記補助ローラは前記プラテンローラの逆回転時のみ回転するワンウェイローラとしたので、台紙レスラベル用紙をラベル発行方向に引き出すプラテンローラの正回転時は、駆動回転せず、スリップ回転して台紙レスラベル用紙の繰り出しに関与しないため、該台紙レスラベル用紙の引き出しが不安定になるなどの問題は生じない。
【0010】
また、前記補助ローラの外径を、前記プラテンローラの外径と略同径とすることで、プラテンローラと補助ローラを逆回転させた場合、前記プラテンローラと補助ローラとの間で台紙レスラベル用紙に弛みが生じるのを防止できる。
【0011】
前記補助ローラを前記プラテンローラの回転で回転する方法としては、例えば、前記補助ローラを、前記プラテンローラと無端状ベルトを介して連繋し、プラテンローラの回転に同期して回転するようにする。これにより、補助ローラを駆動回転する駆動源は不要となる。
【0012】
また、前記補助ローラは、台紙レスラベル用紙を挟持する上下一対のローラで構成し、その上下のローラによる挟持圧は、前記印字部を構成する印字ヘッドとプラテンローラによる挟持圧より低く設定する。尚、前記補助ローラを構成する上下ローラ間の圧力は、例えば、少なくとも一方のローラにバネ部材を取り付け、そのバネ部材の付勢力により、前記挟持圧が生じるようにしてもよい。前記構成により、プラテンローラの逆回転で補助ローラが逆回転した時、プラテンローラと補助ローラとの間で台紙レスラベル用紙が弛むのを防止できる。
【0013】
前記補助ローラを構成する上下一対のローラは、上下のローラ間に台紙レスラベル用紙を挿通するため、両ローラは相対的に接離(開閉)自在に設けられる。その具体例としては、例えば、前記プラテンローラが取り付けられている部材に、前記補助ローラの下ローラを取り付ける。それにより、台紙レスラベル用紙をセットする時、プラテンローラをサーマルヘッドと対向する位置にセットする操作をすれば自ずと補助ローラもセットされるようになるので確実、且つ、容易に補助ローラに台紙レスラベル用紙を挟み通すことができ、補助ローラをセットできる。
【0014】
また、前記補助ローラは必要な長さ分が1本で構成されていてもよいが、台紙レスラベル用紙の幅方向に沿って複数個に分割されていてもよい。その場合の分割数は、2分割、3分割など任意である。補助ローラを複数個の分割タイプとした場合、台紙レスラベル用紙の全幅に対して補助ローラは部分的に接触されることになり、その結果、バックフィードされる台紙レスラベル用紙が該補助ローラに巻き付くのを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の台紙レスラベルプリンタは、プラテンローラの回転により補助ローラを同期回転してバックフィードするため、補助ローラを回転するための駆動源を不要にできる。従って、台紙レスラベル用紙のプラテンローラへの巻き付き防止を簡単な機構で構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る台紙レスラベルプリンタの機構部を示す説明図で、(a)は正面図、(b)は要部の同平面図。
図2】プラテンローラと補助ローラとの関係を示し、(a)はプラテンローラの正回転時を示す説明図、(b)はプラテンローラの逆回転時を示す説明図。
図3】制御部の電気的構成を示すブロック図。
図4】プラテンローラを印字ヘッドから離間した状態の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る台紙レスラベルプリンタの実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1は台紙レスラベルプリンタAの構成の概略を示し、1は長尺帯状の台紙レスラベル用紙1aがロール状に巻かれたラベルロールで、該ラベルロール1はラベルロール装填部2に回転可能にセットされ、台紙レスラベル用紙1aの引き出し方向下流側には印字ヘッド3aとプラテンローラ3bとからなる印字部3が配置され、更にその印字部3より下流側近傍にはカッター4、そのカッター4より下流側近傍にはラベル受け5が順次配置されている。
また、前記カッター4より下流側で、前記ラベル受け5の後端側(ラベル用紙の送出方向とは反対側)の略真上位置には、該ラベル受け5上に送出された台紙レスラベル用紙1a(又は台紙レスラベルL)の有無を検出するラベル検出手段6が配置されている。
更に、前記印字部3より上流側には、前記ラベルロール装填部2のラベルロール1から引き出される台紙レスラベル用紙1aを上下より挟持する補助ローラ7が配置されている。
【0018】
前記ラベルロール1は、一方面(上面)が印字面、他方面(下面)が粘着剤が塗布された粘着面である長尺帯状の台紙レスラベル用紙1aが、前記印字面に剥離加工が施されてロール状に巻回されており、ラベルロール装填部2に回転可能に支持される。そして、該ラベルロール1から引き出される台紙レスラベル用紙1aは案内ローラ8を介して該案内ローラ8と印字部3との間に配置された補助ローラ7の上ローラ7aと下ローラ7bとの間を通して印字部3の印字ヘッド3aとプラテンローラ3bとの間に供給され、前記プラテンローラ3bの駆動回転により該台紙レスラベル用紙1aが引き出されるようになっている。
【0019】
前記印字部3の印字ヘッド3aはサーマルヘッドで構成され、該印字ヘッド3aの発熱体を選択的に発熱させて移送される前記台紙レスラベル用紙1aの印字面に印字が施される。また、前記印字ヘッド3aとで台紙レスラベル用紙1aを挾着するプラテンローラ3bは、表面に離型剤がコーティングされており、台紙レスラベル用紙1aの印字面とは反対側の粘着面に塗布されている粘着剤が付着しないようにしてあり、それによって台紙レスラベル用紙1aの送出が円滑に行われるようになっている。尚、台紙レスラベル用紙1aの粘着面に塗布された粘着剤がプラテンローラ3bに付着しにくくする構成は、前記構成に限らず、プラテンローラ3b自体又は該プラテンローラ3bの最外層部分を易剥離性の部材で構成してもよい。そして、前記プラテンローラ3bは駆動モータ(ステッピングモータ)15で駆動回転するように構成されている。
【0020】
前記印字部3でラベル1枚分のデータが印字された台紙レスラベル用紙1aを切断するカッター4は、剪断作用で台紙レスラベル用紙1aを切断する上下一対の帯状の刃体で構成されている。具体的には、直線状に送出される台紙レスラベル用紙1aの下側に配置される固定刃4aと、台紙レスラベル用紙1aの上側に配置され、前記固定刃4aに向けて進退動する可動刃4bとで構成され、前記可動刃4bはモータ(ステッピングモータ)16で駆動するように構成されている。
そして、前記カッター4は前記印字部3の下流側で、プラテンローラ3bに接近して配置されている。
【0021】
前記印字部3で印字された台紙レスラベル用紙1aは、前記カッター4の固定刃4aと可動刃4bとの間を通って下流側に送出されるが、その送出される台紙レスラベル用紙1a部分を略水平状に支持するラベル受け5が前記カッター4の下流側近傍に配置されている。
そのラベル受け5は、外周面が易剥離処理された回転筒5aと、前記回転筒5aより下流側(図面では左側)で送出される台紙レスラベル用紙1aの幅方向両側部分を載承支持する平板状の支持板5bとで構成されており、前記支持板5bも台紙レスラベル用紙1aの粘着面と接触する表面は易剥離性の処理、又は易剥離性の部材で形成されている。それにより、印字送出される台紙レスラベル用紙1aは前記ラベル受け5によって略水平状に支持され、前記カッター4による切断動作が安定して行われるようになっている。また、前記カッター4で所定長さの枚葉状に切断された台紙レスラベルLは、手貼りの場合はオペレータによって取り除かれるまで、機械による自動貼りの場合は吸着手段(アプリケータ)によって吸着されるまで、略水平状に待機保持される。
【0022】
前記ラベル受け5上に、前記印字部3で所定事項が印字された台紙レスラベル用紙1aが送出されたか否か、又、切断送出された台紙レスラベルLが存在するか否か、を検出するラベル検出手段6が、前記ラベル受け5における前記カッター4寄りの略真上位置に配置されている。
前記ラベル検出手段6は反射型光学センサで構成され、受光する反射光のレベルの変化(差)によってラベル受け5上における台紙レスラベル用紙1a又は台紙レスラベルLの有無が検出される。
そして、前記ラベル検出手段6の検出タイミングは、前記台紙レスラベル用紙1aを印字ヘッド3aの位置から前記ラベル受け5へ向けて送出するプラテンローラ3bの駆動回転後に行われるように制御されている。
【0023】
前記補助ローラ7は、前記印字部3のプラテンローラ3bの逆方向への駆動回転で行われる台紙レスラベル用紙1aのバックフィード(引き戻し)を補助するもので、前記印字部3と案内部8との間の台紙レスラベル用紙1aの搬送経路上に配置され、台紙レスラベル用紙がバックフィードされる時、プラテンローラ3bより上流側に位置する台紙レスラベル用紙を強制的に引っ張り、プラテンローラ3bに台紙レスラベル用紙1aが巻き付くのを防止している。
その補助ローラ7は、前記台紙レスラベル用紙1aの印字面側(上側)に配置された上ローラ7aと、前記台紙レスラベル用紙1aの粘着面側(下側)に配置された下ローラ7bとで構成されている。そして、前記上ローラ7aは固定部材(図示省略)に回転可能に支持され、下ローラ7bは前記印字部3のプラテンローラ3bを支持する上下開閉可能なプラテン支持枠9に取り付けられ、前記プラテン支持枠9の閉動により前記上ローラ7aとで台紙レスラベル用紙1aを挟持し、プラテン支持枠9の開動により前記挟持状態を解放し得るようになっている(図4参照)。
【0024】
また、前記補助ローラ7の上ローラ7aと下ローラ7bは、前記プラテンローラ3bの外径と略同径の短尺のローラが複数個(図示例は3個)軸10,11上に所定間隔をおいて取り付けられた分割タイプのローラで構成され、各ローラは外周面に周溝12が形成されている。このように、周溝12が設けられていることで、補助ローラ7と台紙レスラベル用紙1aとの接触面積が少なくなり、補助ローラ7に台紙レスラベル用紙1aが巻き付くことを抑えることができる。
そして、前記短尺ローラの取り付け間隔は、前記ラベルロール装填部2に軸方向の一方端を基準(図示例は左端基準)としてセットされるラベルロール1のロール幅に対応して、各ラベルロールから引き出される台紙レスラベル用紙1aの少なくとも幅方向の両側部を挟持し得るよう配置されている。前記補助ローラ7の上ローラ7aと下ローラ7bは、前記プラテンローラ3bのローラ長と略同じ長さを有した一本物のローラで構成されていてもよい。
【0025】
そして、前記補助ローラ7は、前記ロール装填部2にセットされたラベルロール1から台紙レスラベル用紙1aを繰り出す印字部3のプラテンローラ3bの回転により同期回転するように構成されている。
具体的には、図1(b)に示すように、プラテンローラ3bの軸13の端部に歯付プーリ14が固着され、その歯付プーリ14と駆動モータ(ステッピングモータ)15の回転軸に固着された駆動プーリ17とに亘りベルト18がアイドルプーリ19,19’を介して掛け回され、前記駆動モータ15の正逆回動によって前記プラテンローラ3bが正逆方向に駆動回転するように構成されている。そして、前記プラテンローラ3bの前記軸13には動力伝達プーリ20が固着され、前記補助ローラ7の下ローラ7bの軸11に従動プーリ21が固着され、前記動力伝達プーリ20と前記従動プーリ21とに亘り伝達ベルト22が掛け回されて、前記プラテンローラ3bの回転力が前記補助ローラ7の下ローラ7b(具体的には、下ローラ7bを支持する軸11)に伝達されるようになっている。
【0026】
また、図2(a),(b)に示すように、プラテンローラ3bの回転により回転される下ローラ7bは、該プラテンローラ3bの逆回転時にのみ、即ち台紙レスラベル用紙1aをバックフィードする時のみ駆動回転するように、軸11と下ローラ7bとの間に一方向クラッチ23が介在されている。即ち、プラテンローラ3bの逆回転により下ローラ7bの軸11は伝達ベルト22を介して同方向に回転される。そして、該軸11の回転によって下ローラ7bとの間に介在された一方向クラッチ23が前記下ローラ7bと係合し、下ローラ7bはプラテンローラ3bの回転方向と同じ方向に駆動回転される。それにより、台紙レスラベル用紙1aはプラテンローラ3bの逆回転に加えて、補助ローラ7の回転でバックフィードされる。
【0027】
また、台紙レスラベル用紙1aを繰り出すプラテンローラ3bの正方向への回転時、下ローラ7bの軸11は同方向に駆動回転されるが、図2(a)に示すように、該軸11と下ローラ7bは前記一方向クラッチ23によって係合状態が切り離されている為、下ローラ7bは駆動回転せず、台紙レスラベル用紙1aの繰り出しに関与することはない。尚、前記プラテンローラ3bの正方向(台紙レスラベル用紙が引き出される方向)への駆動回転で引き出される台紙レスラベル用紙1aと接触する補助ローラ7の上下ローラ7a,7bは、ラベル発行方向に引き出される台紙レスラベル用紙1aとの接触により遊転することはある。前記一方向クラッチ23としては、例えば、ローラクラッチが挙げられる。
【0028】
また、前記補助ローラ7を構成する上ローラ7aと下ローラ7bとで台紙レスラベル用紙1aを挟持する両ローラ間の圧力は、前記印字部3における印字ヘッド3aとプラテンローラ3bとで台紙レスラベル用紙1aを挟持する圧力より低く設定されている。そして、この上・下ローラ7a,7bの挟持圧は、一定圧力に固定されていてもよいが、所定の圧力内で強弱調整可能としてもよい。圧力を調整可能とする構造としては、例えば、上・下ローラの一方に、接触方向に付勢するバネ部材を設け、そのバネ部材の弾発力を調整自在としてもよい。
【0029】
図3図1に示した台紙レスラベルプリンタAの動作を制御する制御部(マイクロコンピュータ)の電気的構成を示すブロック図で、その構成は、CPU24、フラッシュメモリ25、RAM26、表示・操作部27、インターフェース回路28、プラテンローラ3bを回転させる駆動モータ(ステッピングモータ)15、サーマルヘッド(印字ヘッド)3a、カッター駆動用モータ16、ラベル検出手段6を備える。
【0030】
前記CPU24は、フラッシュメモリ25に記憶されたプログラムを実行して本台紙レスラベルプリンタAの動作を統括する中央演算処理装置である。
フラッシュメモリ25は、本台紙レスラベルプリンタAの制御プログラムや、制御用データ等を記憶する読み出し専用メモリである。
RAM26は、一時的にデータを呼び出して処理する為のワークエリアがあり、その中には、印字データをドットデータに展開するドット展開エリア、ラベルフォーマットファイルから1つのフォーマットデータを呼び出して記憶する呼出フォーマットエリア、商品データ等を呼び出して記憶する呼出商品エリア等がある。また、このRAM12には、ラベル印字のフォーマットが設定されたラベルフォーマットファイル、ラベル印字用の各種商品データが設定された商品ファイル等が記憶されており、電源オフ時も前記ファイルを保持するようにバッテリーでバックアップされている。
【0031】
表示・操作部27は、本台紙レスラベルプリンタの操作を行うための入力装置であり、表示部と一体に構成されたタッチパネルになっており、各種のメニュー画面やデータを表示する液晶ディスプレイである。
プラテンローラ3bを駆動回転する駆動モータ(ステッピングモータ)15、サーマルヘッド(印字ヘッド)3a、カッター駆動用モータ16は、ラベル発行部の印字部を構成し、CPU24の指令に基づいて台紙レスラベル用紙1aに品名、値段、単価、バーコード等の印字を行い、印字された台紙レスラベル用紙1aをカッター4で枚葉状に切断して台紙レスラベルLを発行する。
ラベル検出手段(センサ)6は、ラベル受け5上における台紙レスラベル用紙1a又は台紙レスラベルLの有無を検出し、その検出結果に基づいて前記印字部3の動作(駆動/停止)が制御される。
【0032】
上記の如く構成された台紙レスラベルプリンタAは、駆動モータ15による印字部3のプラテンローラ3bの正方向(台紙レスラベル用紙1aを引き出す方向)の回転と印字ヘッド3aへの通電により台紙レスラベル用紙1aに所定事項が印字され、その印字部分はカッター4で枚葉状に切断され、切断された台紙レスラベルLはラベル受け5上に送出される。そして、印字部分が切断された後の台紙レスラベル用紙1aの先端は、次のラベルの印字開始に合わせてカッター4の上流近傍位置から印字開始位置(印字ヘッドとプラテンローラとの接点から下流側へ所定量移動した位置)までバックフィードされる。
前記台紙レスラベル用紙1aのバックフィードは、駆動モータ15によるプラテンローラ3bの逆方向(台紙レスラベル用紙1aを引き戻す方向)への駆動回転と、該プラテンローラ3bより上流側に配置され、そのプラテンローラ3bの回転により伝達ベルト22を介して同方向に従動回転される補助ローラ7の下ローラ7bの回転とにより行われるため、印字ヘッド3aとプラテンローラ3bとの接点箇所より下流側の台紙レスラベル用紙は前記プラテンローラ3bの逆方向への駆動回転で該プラテンローラ3bより上流方向に押し戻されると同時に、同期回転する補助ローラ7の回転で前記台紙レスラベル用紙の部分は強制的に引っ張られる。従って、印字ヘッド3aとプラテンローラ3bとで挟持されていた部分は補助ローラ7の回転で該プラテンローラ3bから剥がされ、且つ上流方向に引っ張られるため、台紙レスラベル用紙1aがプラテンローラ3bに巻き付くのを防止して、安定したバックフィードを行うことができる。
【0033】
そして、前記補助ローラ7は前記プラテンローラ3bの逆回転時にのみ回転し、台紙レスラベル用紙を引き出す正方向への回転時には回転しないでラベル用紙の引き出しに関与しないため、プラテンローラ3bが正方向へ回転するときに、用紙発行の上流側からプラテンローラ3bによる駆動以外の力が加わることがないので、台紙レスラベル用紙の引き出しが不安定になり、印字が乱れるのを防止することができる。
また、前記補助ローラ(上・下ローラ)の外径を、前記プラテンローラ3bの外径と略同径とした場合、該補助ローラの回転による台紙レスラベル用紙の送り量をプラテンローラの回転による台紙レスラベル用紙の送り量と略同じになるため、台紙レスラベル用紙に無理な力が掛からず、安定したバックフィードが可能となる。
【0034】
また、台紙レスラベル用紙を上下より挟む前記補助ローラ(上・下ローラ)の挟持圧が、印字部の印字ヘッドとプラテンローラによる挟持圧より低く設定されていることで、プラテンローラの逆回転で上流方向に引き戻される台紙レスラベル用紙に弛みが生じない程度に引き戻し、バックフィードを補助することができる。
【0035】
そして、前記補助ローラは、プラテンローラを支持する開閉可能なプラテン支持枠に取り付けられている為、ラベルロール装填部に装着したラベルロールから台紙レスラベル用紙の先端を引き出し、その用紙先端を、前記プラテン支持枠を開動して印字ヘッドとプラテンローラの間に通して該プラテン支持枠を閉動することで、台紙レスラベル用紙を上下ローラからなる補助ローラの間に正しく挿通することができる。
【0036】
本発明に係る台紙レスラベルプリンタは、図示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更可能である。
(1)実施の形態では、補助ローラは上下ローラからなる形態について示したが、これに限らず、例えば、台紙レスラベル用紙の上側に配置されるローラを平板に置き替えてもよい。
(2)実施の形態では、補助ローラ(駆動回転する下ローラ)の外径をプラテンローラの外径と略同径とした例について示したが、これに限定されず、補助ローラの外径をプラテンローラの外径より小さくする、或いは大きくするなど、任意である。但し、何れの場合でも、プラテンローラの逆回転による台紙レスラベル用紙のバックフィードを阻害しないようにする。つまり、プラテンローラを駆動する歯車と、補助ローラを回転させる歯車の大きさが異なっていた場合でも、プラテンローラを駆動する歯車の歯数と、補助ローラを回転させる歯車の歯数を変えて、減速比を調整することで同期して回転させるようにしてもよい。
(3)実施の形態では、補助ローラがプラテンローラの逆回転時にのみ駆動回転する構成として一方向クラッチ(ローラクラッチ)による構成を示したが、これに限定されず、軸とローラとの間で係合/解除が行われるものであればよい。
(4)実施の形態では、補助ローラとプラテンローラとの連繋には、ベルト18によりプラテンローラの回転を補助ローラへ伝達していたが、ベルトでなくても、ギアや摩擦を用いたローラにより動力を伝えるようにしてもよい。そして、この場合、プラテンローラを駆動させるギアと、補助ローラを回転させるギアとの間に他のギアが介在したとしてもよく、その場合は、プラテンローラ、補助ローラそれぞれを駆動させるギアの径は同じでなくても間に位置するギアにより減速比を変えることで、補助ローラとプラテンローラとの回転速度を同じにするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
A…台紙レスラベルプリンタ 1…ラベルロール
1a…台紙レスラベル用紙 3…印字部
3a…印字ヘッド 3b…プラテンローラ
4…カッター 7…補助ローラ
図1
図2
図3
図4