特許第5962236号(P5962236)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5962236情報処理システム、情報処理方法、プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5962236
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20160721BHJP
【FI】
   G06F3/12 342
   G06F3/12 319
   G06F3/12 305
   G06F3/12 350
   G06F3/12 352
   G06F3/12 356
【請求項の数】8
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2012-131420(P2012-131420)
(22)【出願日】2012年6月8日
(65)【公開番号】特開2013-257602(P2013-257602A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591089877
【氏名又は名称】キヤノンプロダクションプリンティングシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100188938
【弁理士】
【氏名又は名称】榛葉 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】小林 健治
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−164923(JP,A)
【文献】 特開2005−144827(JP,A)
【文献】 特開2007−172247(JP,A)
【文献】 特開平06−199020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の升目に分割された用紙の各升目にイメージを配置する際に用いる、当該升目ごとの所定の配置順を管理する情報処理システムであって、
複数の升目に分割された用紙のイメージと、それぞれの升目の前記配置順を変更するための数値とを表示する表示手段と、
任意の升目に対する選択を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により選択を受け付けた升目の前記配置順、前記表示手段により表示された前記数値が示す配置順に置き換えるとともに、前記表示手段により表示された前記数値をカウントアップさせる変更手段と、を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記表示手段は、前記用紙の各升目にイメージを配置する際に用いる、所定の配置順も表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記複数の升目に分割された用紙における前記配置順を含む設定情報を設定ファイルとして保存する保存手段と、
前記保存手段に保存された設定ファイルの設定情報をもとに、プリンタの印刷制御を行う印刷制御手段と、を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記保存手段は、前記設定情報としてデフォルトと異なる配置順が登録された場合には、前記異なる配置順を前記設定ファイルとして保存することを特徴とする請求項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
複数のイメージを印刷するためのレコードの指定を受け付ける指定受付手段と、
複数のイメージを印刷するためのレコードを印刷する際に用いる設定ファイルの選択を受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段で受け付けた設定ファイルに配置が設定されているかを、前記保存手段に保存された設定ファイルの設定情報をもとに判定する判定手段と、
前記判定手段で配置が設定されていると判定された場合に、前記指定受付手段で受け付けたレコードの複数のイメージを、当該配置順に従って配置する配置手段と、を更に有することを特徴とする請求項またはに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記変更手段は、前記受付手段により選択を受け付けた升目以降の升目の配置順を、前記表示手段により表示された前記数値以降の数値で再配置することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
複数の升目に分割された用紙の各升目にイメージを配置する際に用いる、当該升目ごとの所定の配置順を管理する情報処理方法であって、
複数の升目に分割された用紙のイメージと、それぞれの升目の前記配置順を変更するための数値とを表示する表示ステップと、
任意の升目に対する選択を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにより選択を受け付けた升目の前記配置順、前記表示ステップにより表示された前記数値が示す配置順に置き換えるとともに、前記表示ステップにより表示された前記数値をカウントアップさせる変更ステップとを含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
複数の升目に分割された用紙の各升目にイメージを配置する際に用いる、当該升目ごとの所定の配置順を管理する情報処理システムにおいて実行可能なプログラムであって、
複数の升目に分割された用紙のイメージと、それぞれの升目の前記配置順を変更するための数値とを表示する表示手段、
任意の升目に対する選択を受け付ける受付手段、
前記受付手段により選択を受け付けた升目の前記配置順、前記表示手段により表示された前記数値が示す配置順に置き換えるとともに、前記表示手段により表示された前記数値をカウントアップさせる変更手段として前記情報処理システムを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
広告を作成するシステムに関連する技術である。
【背景技術】
【0002】
広告の中には、POP広告と呼ばれるものがある。POP広告とは、消費者の商品購入意欲を高める目的で、販売店が、店頭、商品陳列棚などに掲示する広告のことである。
【0003】
例えば、スーパーマーケットでは、日々価格が変動する生鮮食品のPOP広告を作成したり、チラシに出した商品や期間限定商品についてのPOP広告を作成したりする必要があるため、現在、誰でも簡単にPOP広告を作成することができるPOP広告作成システムが活用されている。
【0004】
POP広告作成システムで作成されたPOP広告は、一般的なプリンタで印刷されることから、定型サイズの用紙(A系、B系)に印刷されることが多い。また、POP広告は、その都度必要な枚数だけ印刷されるものであるため、一度の印刷で用紙のすべての領域が使われるとは限らない。例えば、B4サイズの用紙を16分割したサイズのPOP広告を3枚印刷する場合、残りの13枚分の領域が白紙状態となる。そのため、白紙状態となる残りの用紙を効率的に再利用することが求められている。
【0005】
白紙状態の用紙を再利用する場合、白紙状態として残る用紙の形状が問題となる。例えば、B4サイズの用紙の半分の領域が空白の場合、B5サイズの用紙として再利用でき、さらに、1/4の領域が空白の場合、B6サイズの用紙として再利用できる。つまり、白紙状態として残る用紙の形状を考慮してPOP広告を印刷することができれば、用紙を効率的に再利用できることとなる。
従って、定型サイズの用紙を使って複数のPOP広告を印刷する場合、その用紙の分割数に応じたPOP広告の印刷順序を設定することが求められる。
【0006】
従来、用紙を分割して複数のPOP広告を印刷する場合、いわゆるN式(上から下)、Z式(左から右)と呼ばれる印刷順の指定が可能であったが、この方式だけでは、場合によって、用紙を効率的に再利用できない場合がある。図11に一例を示す。B4サイズの用紙を16分割して3枚分のPOP広告を印刷し、13枚分の空白領域ができる場合を示している。パターン1の印刷順(Z式)では、B5サイズの用紙1枚しか再利用できないのに対して、パターン2の印刷順では、B5サイズの用紙1枚とB6サイズの用紙1枚が再利用できる。これは、用紙の再利用を考慮して、用紙の分割数に応じたPOP広告の印刷順序を設定したためである。
【0007】
そのため、用紙の分割数に応じたPOP広告の印刷順序を設定することで、用紙の再利用は容易となるが、用紙の種類や分割数には様々なパターンがあることから、その都度印刷順序の設定をする必要があるため、簡単に順序指定ができる方法が求められている。
【0008】
特許文献1には、POP広告や価格ラベルを印字する場合に、印字フォーマットの設定に要する手間を軽減できるとともに、商品の種類に合ったPOP広告や価格ラベルを印刷できるようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−129250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、POP広告や価格ラベルを印字する場合に、印字フォーマットの設定に要する手間を軽減することはできるが、用紙を分割してそれぞれの升目の印刷順序の指定を簡単にすることはできない。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであり、複数の升目に分割された用紙の各升目にイメージを配置する際に用いる配置順を簡単な操作で指定可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数の升目に分割された用紙の各升目にイメージを配置する際に用いる、当該升目ごとの所定の配置順を管理する情報処理システムであって、複数の升目に分割された用紙のイメージと、それぞれの升目の前記配置順を変更するための数値とを表示する表示手段と、任意の升目に対する選択を受け付ける受付手段と、前記受付手段により選択を受け付けた升目の前記配置順、前記表示手段により表示された前記数値が示す配置順に置き換えるとともに、前記表示手段により表示された前記数値をカウントアップさせる変更手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の升目に分割された用紙にの各升目にイメージを配置する際に用いる配置順を簡単な操作で指定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る広告作成システムの構成を示すシステム構成図である。
図2】本発明の実施形態の各種端末のハードウエア構成を示す図である。
図3】広告印刷システムが利用される全体の流れを示すフローチャートである。
図4】POPマスタ登録の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
図5】POPマスタ登録画面の一例を示す図である。
図6】POPマスタの一例を示す図である。
図7】価格マスタの一例を示す図である。
図8】用紙ファイル作成の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
図9】書誌事項入力画面の一例を示す図である。
図10】配置位置変更画面の一例を示す図(1)である。
図11】用紙の再利用方法の一例を示す図である。
図12】配置位置変更画面の一例を示す図(2)である。
図13】POPレイアウト作成の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
図14】POPレイアウト作成画面の一例を示す図である。
図15】作成途中のPOPレイアウトの一例を示す図である。
図16】定義画面の一例を示す図である。
図17】バンドルデータ作成の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
図18】一覧画面の一例を示す図である。
図19】バンドルデータに対する設定を行う設定画面の一例を示す図である。
図20】POP広告作成の詳細な処理の流れを示すフローチャート(1)である。
図21】POP広告の一例(1)を示す図である。
図22】POP広告作成の詳細な処理の流れを示すフローチャート(2)である。
図23】POP広告の一例(2)を示す図である。
図24】印刷処理の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
図25】従来のPOP広告の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る広告作成システムの構成を示すシステム構成図である。
【0015】
図1において、広告作成システム(情報処理システム)は、管理サーバ101(情報処理装置)、クライアントPC102(情報処理装置)、プリンタ104がネットワーク105を介してそれぞれ接続されている。
【0016】
管理サーバ101は、広告作成に必要な各種情報をデータベースで管理する装置である。例えば、POP広告のレイアウト情報(POPレイアウトともいう。)であったり、商品毎の売値、セールスコピー等であったり、店舗毎の商品の売値であったり、POP広告を印刷する用紙ファイルであったりと、様々な情報を管理している。
なお、管理サーバ101は、例えば、スーパーマーケットの本社に設置される利用の形態が想定される。
【0017】
クライアントPC102は、ユーザが操作する端末である。本実施の形態では、クライアントPCには、バーコードリーダー103がUSB等のインタフェースを介して接続されている。なお、本実施の形態では、商品を特定する情報の一例としてバーコード(JANコード)を例に説明しているが、商品付される情報がQRコード(登録商標)などの二次元コードであれば、二次元コードリーダーが接続され、商品に付される情報が無線タグであれば、無線タグリーダーが接続されることとなる。つまり、商品に付される情報を読み取ることができるリーダー(商品情報読取機)であればなんでもよい。
また、ユーザがPOP広告を作成するのは次の手順で行う。
(1)操作画面からPOP広告のレイアウト情報を選択する。
(2)バーコードリーダーを使って商品に付されているバーコードを読み取る(スキャン)。
(3)バーコードを読み取ると、商品データベースから商品情報が取得され、レイアウト情報に流し込まれることで、POP広告が作成される。
(4)作成されたPOP広告を指定してプリンタに対して印刷指示を行う。
【0018】
したがって、スーパーマーケットの店舗の従業員は、POP広告を作成しようとする商品のバーコードを読み取るだけで、簡単にPOP広告を作成することができる。
プリンタ104は、印刷機能を備える装置である。レーザープリンターやインクジェットプリンタ等どのようなプリンタであってもよい。
【0019】
なお、後述する本実施の形態においては、管理サーバで、各種データベースの管理を行い、クライアントPCで、広告作成にかかわる処理を実行する例で説明をしているが、管理サーバが、WEBアプリケーションサーバとなり、クライアントPCがWEBブラウザを介して、WEBアプリケーションサーバにアクセスする形態であってもよい。その場合、広告作成にかかわる処理は管理サーバが行うこととなる。
すなわち、本発明に係る実行主体は、クライアントPCまたは管理サーバのいずれが行ってもよいものである。
図2は、本発明の実施形態の各種端末のハードウエア構成を示す図である。
図2において、CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスを統括的に制御する。
【0020】
また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるオペレーティングシステム(OS)や、各サーバあるいは各クライアントの後述する各種機能を実現するためのプログラムが記憶されている。
RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア、一時待避領域等として機能する。
【0021】
入力コントローラ205は、入力部209からの入力を制御する。この入力部209としては、特に、サーバやクライアント等の端末では、キーボード、マウス等のポインティングデバイスが挙げられる。また、印刷装置等では、タッチパネル、ボタン、スイッチ等が挙げられる。
出力コントローラ206は、出力部210の表示を制御する。この出力部210としては、例えば、CRTや液晶等が挙げられる。
【0022】
外部メモリコントローラ207は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザーファイル、編集ファイル、プリンタドライバ等を記憶する外部メモリ211へのアクセスを制御する。加えて、各サーバあるいは各クライアントの各種機能を実現するための各種テーブル、パラメータが記憶されている。この外部メモリ211としては、ハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)、PCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア等が挙げられる。
通信I/Fコントローラ208は、ネットワーク214を介して外部機器との通信制御処理を実行する。
【0023】
本発明を実現するためのプログラム212は外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
図3は、広告印刷システムが利用される全体の流れを示すフローチャートである。
【0024】
各ステップの実行主体は、管理サーバ、クライアントPC、プリンタのいずれかで実行されるものであるが、より具体的な処理の流れは、各ステップの詳細フローにおいて説明を行うものとする。
【0025】
最初に、広告印刷システムを利用するために商品データベース(本実施の形態においては、POPマスタという。)を構築する必要がある(S301)。このPOPマスタの登録作業は、例えば、スーパーマーケットの本社の管理者が行うことが想定される。
【0026】
次に、作成したPOP広告を印刷する用紙に関する情報の登録を行う(S302)。例えば、1枚を16分割するタイプの用紙を利用する場合は、その用紙に関する情報を用紙ファイルに登録する。この用紙ファイル作成の作業も、同様に管理者が行うことが想定される。
【0027】
次に、実際に作成するPOP広告のレイアウト情報を登録する(S303)。店頭に掲示するPOP広告は、全店舗共通のものもあれば、各店舗独自のものもあることから、このレイアウト情報の登録は、管理者もしくは各店舗のユーザのいずれも行うことが想定される。
【0028】
次に、必要に応じてバンドルデータを作成する(S304)。バンドルデータとは、例えば、同一メーカー・同一商品で味が複数ある商品群をまとめたデータ等のことをいう。バンドルデータを作成することで、一つのPOP広告で、共通する項目(メーカー名・商品名・値段など)と、異なる項目(味の種類など)とをそれぞれ表示することができる。このバンドルデータの作成は、商品をどのようにまとめるかによるため、主に各店舗のユーザが行うことが想定される。
【0029】
次に、店頭に掲示するPOP広告を作成する(S305)。その日の店舗に掲示するPOP広告は、店舗毎に異なるため、このPOP広告の作成は、各店舗で行わることが想定される。
次に、作成したPOP広告を印刷する(S306)。作成したPOP広告を印刷する処理である。この作業も主に各店舗で行われることが想定される。
以上、図3を用いて、広告印刷システムが利用される全体の流れを説明した。
続いて、S301〜S306の各ステップの詳細な説明を行う。
初めに、S301のPOPマスタ登録の説明を、図4〜7を用いて行う。
図4は、POPマスタ登録の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ユーザは、クライアントPCを操作して、POPマスタ登録モードを起動する。
【0030】
S401において、クライアントPCは、バーコードが読み取られたかを判定する。Yesの場合、S402に進み、Noの場合、S401に戻る。具体的には、新商品をPOPマスタに登録しようとするユーザ(例:本店の管理者)が、クライアントPCに接続されるバーコードリーダーを使って、その新商品に付されているバーコードを読み取ったかにより判定を行う。
【0031】
なお、本実施の形態では、バーコードの一例として、JAN(Japanese Article Number)コードを用いて以下の説明を行うものとする。JANコードは、バーコード(JANシンボル)として商品などに表示され、POSシステムをはじめ、様々な分野で利用されているものである。
S402において、クライアントPCは、読み取られたバーコード情報を管理サーバに送信する。
S403において、管理サーバは、バーコード情報を受信する。
【0032】
S404において、管理サーバは、受信したバーコード情報を用いて、POPマスタを検索して、POPマスタに登録されているかを判定する。Yesの場合、S405に進み、Noの場合、S414に進む。
S405において、管理サーバは、POPマスタ登録画面を送信する。
S406において、クライアントPCは、POPマスタ登録画面を受信する。
【0033】
S407において、クライアントPCは、POPマスタ登録画面を表示する。POPマスタ登録画面の一例を図5に示す。POPマスタ登録画面5には、501〜509の複数項目が含まれている(画面のスクロールバーを移動すると更に複数の項目が存在していることを示している。)。この項目は、広告作成システムを利用するユーザが任意に設定することができる項目である。
【0034】
図5の例では、JANコード欄501に、読み取られたJANコード情報が、511の欄に入力された状態で、その他の欄(512以降の各欄)は、空白となっている。従って、ユーザは、この空欄に必要な事項の入力を行い、最終的に登録ボタン52を押下することとなる。
S408において、クライアントPCは、ユーザからPOPマスタに登録する各項目のデータ入力を受け付ける。
S409において、クライアントPCは、入力されたデータ項目を管理サーバに送信する。
S410において、管理サーバは、データ項目を受信する。
【0035】
S411において、管理サーバは、受信したデータ項目をPOPマスタに登録する。POPマスタの一例を図6に示す。POPマスタには、JANコード61、メーカー名62、商品名63、売価64、入数65、その他66の各項目が管理されている。JANコード61に対応してそれぞれの項目が登録されている。
S412において、管理サーバは、登録が終了したことを通知する。
S413において、クライアントPCは、終了通知を受信して処理を終了する。
一方、S414において、管理サーバは、既に登録されている旨の通知を行う。
S415において、クライアントPCは、登録済通知を受信して処理を終了する。
【0036】
POPマスタ登録の一例として、バーコード読み取りによる登録方法を説明したが、大量の商品を一括で登録する場合などは、例えば、CSVファイル等を用いて管理サーバに一括登録する方もある。POPマスタに登録する方法は何れの方法であってもよい。
【0037】
なお、複数店舗有するスーパーマーケット等においては、同じ商品であっても店舗毎に値段を分けて販売することがある(例えば、ライバル店が近くにある店舗では、通常の店舗より安く販売する場合等。)。その場合、店舗毎の販売価格を登録する価格マスタを用意する必要がある。価格マスタの一例を図7に示す。この例では、JANコード「1234567890111」に対して、店舗コード1「新宿店」では、売価1「120」円であることを、店舗コード2「八王子店」では、売価2「130」円であることを示している。価格マスタの登録方法については説明を省略する。その他、各店舗用の項目を用意してもよい。例えば、セールスコピー1には、新宿店用のセールスコピーを、セールスコピー2には、八王子店用のセールスコピーを登録するといった使い方をしてもよい。
以上、図4〜7を用いて、POPマスタ登録の説明を行った。
次に、S302の用紙ファイル作成の説明を、図8〜12を用いて行う。
図8は、用紙ファイル作成の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ユーザは、クライアントPCを操作して、広告作成システムを起動する。
【0038】
S801において、クライアントPCは、ユーザの操作により「用紙の新規作成」が選択された場合、書誌事項入力画面を表示する。書誌事項入力画面の一例を図9に示す。
S802において、クライアントPCは、書誌事項の入力を受け付ける。図9の例では、用紙名91、用紙サイズ92、使用向き93等の入力を受け付ける。
S803において、クライアントPCは、用紙の分割数の入力を受け付ける。例えば、縦「4」、横「4」等と分割数の入力を受け付ける。
【0039】
S804において、クライアントPCは、POPデータを配置する位置を変更するボタンが押下されたかを判定する。Yesの場合、S805に進み、Noの場合、S811に進む。POPデータを配置する位置は、デフォルトでは、いわゆるN式(上から下)、Z式(左から右)が設定されているが、それ以外の配置位置を設定したい場合、ユーザはこのボタンを押下することとなる。
【0040】
S805において、クライアントPCは、配置位置変更画面を表示する。配置位置変更画面の一例を図10に示す。図10の例では、配置位置変更画面10に、16分割された升目に、POPデータが、Z式(左から右)に配置されるイメージを示している(左上が「1」で右下が「16」)。
【0041】
ユーザは、POPデータを印刷する場合、一度に用紙全てにPOPデータを配置して印刷するとは限らず、例えば、16分割された用紙の中で、3つ分のPOPデータを印刷するといったことがある。この場合、16個ある升目のうち、3つの升目が印刷に利用されるため、13個の升目が白紙状態となる。そこで、13個の升目を如何にして再利用するかが問題となる。
【0042】
再利用方法の例を、図11に示す。パターン1は、デフォルトのZ式の配置位置で、3つのPOPデータを印刷した場合である。パターン2は、デフォルトの配置位置を変更した後、3つのPOPデータを印刷した場合である。
いずれも13個の升目が白紙のため再利用可能であるが、印刷済の3つの升目を切り取った後の用紙の形が異なる。
【0043】
通常、プリンタでは定型サイズの用紙(A系、B系など)を差し込んで印刷するため、定型サイズとして再利用できる形であるかが問題となる。パターン1の場合、定型サイズとして利用できるのは、B5サイズの用紙1枚であるのに対して、パターン2の場合、定型サイズとして利用できるのは、B5サイズの用紙1枚、B6サイズの用紙1枚である。
【0044】
従って、B6サイズの用紙を印刷できるプリンタを利用している場合、パターン2で、POPデータを印刷する方が余った用紙を再利用しやすくなることが分かる。
続いて、ユーザが配置位置を変更する手順について説明する。
【0045】
S806において、クライアントPCは、表示数値の入力を受け付ける。表示数値とは、図10に示す印刷順102欄に表示されている数値のことである。デフォルトでは「1」が表示されるが、ユーザが任意に変更できる数値である。数値は、分割の数の範囲内で指定できる。図10の場合は、「1」〜「16」が指定できることとなる。
【0046】
S807において、クライアントPCは、任意の升目が選択されたかを判定する。Yesの場合、S808に進み、Noの場合、S810に進む。具体的には、ユーザの操作に従って、マウス等のポインティングデバイス等により任意の升目がクリックされたかにより判定を行う。なお、図10の例では、印刷順が「2」の状態で、マウスポインタ101により、「5」の升目がクリックされたことを示している。
S808において、クライアントPCは、選択された升目に表示数(印刷順)の値を入力すると共に、表示数(印刷順)の値をカウントアップする。
【0047】
また、S809において、クライアントPCは、選択された升目以外の升目の数値を再配置する。再配置方法は、S808で選択された升目に入力された数値が入力されている升目から、その数値を削除し、選択された升目以外の升目の数値を詰めることで再配置を行う。
印刷順が「2」の状態で、マウスポインタ101により、「5」の升目がクリックされた後の表示例を、図12に示す。
【0048】
S810において、クライアントPCは、終了指示がなされたかを判定する。Yesの場合、S811に進み、Noの場合、S806に進む。具体的には、図12のOKボタン12が押下されたかにより判定を行う。
【0049】
配置位置を変更したいユーザは、升目をクリックすると同時に印刷順がカウントアップされるため、変更したい配置順に升目をクリックする作業を繰り返すだけで、配置位置の変更ができる。そのため、登録する用紙のサイズを考慮して配置位置を変えたい場合に、簡単な操作感で、用紙の再利用を可能とする印刷順の設定ができるという効果がある。
S811において、クライアントPCは、用紙ファイルとして設定された情報を設定情報として管理サーバに送信する。
S812において、管理サーバは、設定情報を受信する。
【0050】
S813において、管理サーバは、受信した設定情報を登録(用紙ファイルの登録)して処理を終了する。デフォルトと異なる配置位置が登録された場合は、配置位置が登録され、また、カスタムフラグが立てられる。
以上、図8〜12を用いて、用紙ファイル作成の説明を行った。
次に、S303のPOPレイアウト作成の説明を、図13〜16を用いて行う。
図13は、POPレイアウト作成の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ユーザは、クライアントPCを操作して、広告作成システムを起動する。
【0051】
S1301において、クライアントPCは、クライアントPCは、ユーザの操作により「POPレイアウト作成」が選択された場合、S1302において、POPレイアウト作成画面を表示する。POPレイアウト作成画面の一例を図14に示す。POPレイアウト作成画面14には、レイアウト作成領域141があり、ユーザは、オブジェクトを登録する機能を備える142〜145のアイコン群の機能を用いてレイアウトの作成を行うものである。
【0052】
S1303において、クライアントPCは、POPレイアウトの作成を受け付ける。図15に作成途中のPOPレイアウトの一例を示す。POPレイアウトを作成する際、ユーザは、図形領域や文字領域の定義を行う。また、文字領域については、どのような文字を表示させるか定義を行う。
【0053】
図15の例では、1501〜1504のそれぞれの文字領域は、「広告の品」という固定の文字(固定項目)を表示させる定義がなされている。また、1505の文字領域は、「円」という固定の文字を表示させる定義がなされている。
【0054】
一方、1511〜1513の文字領域は、可変の文字(可変項目)を表示させる定義がなされている。1511では、「商品名」、1512では、「予備1」、1513では、「売価」と表示されているが、これは、流し込むPOPデータに含まれる対応する項目を流し込む定義を示している。つまり、流し込むPOPデータの商品名が「ポテトチップス」だった場合、1511には、「ポテトチップス」が表示されることとなる。そのため、POPレイアウトを作成するユーザは、POPデータに含まれる項目を把握した上で、どの項目を利用してPOP広告に利用するかを考慮してPOPレイアウトの作成を行うこととなる。
また、一つの文字領域に対して、固定項目と可変項目を同時に定義する方法について続いて説明を行う。
【0055】
S1304において、クライアントPCは、領域の指定があったかを判定する。Yesの場合、S1305に進み、Noの場合、S1306に進む。例えば、図15の文字領域1514がユーザ操作により指定されたかにより判定を行う。
S1305において、クライアントPCは、指定領域の定義を受け付ける。文字領域に対して固定項目と可変項目を定義する方法を、図16を用いて説明する。
【0056】
図16に示す定義画面16には、定義を入力する入力欄161があり、また、必要に応じて計算用のコードを読み出すコードボタン162が配置されている。コードボタン162が押下されることによりコード一覧163から任意のコードを選択することができる。
定義例1〜3を用いて、具体例の説明を行う。
【0057】
定義例1では、『特別価格^<exp−s>(^[売価1])^<exp−e>円』と入力されている。従って、固定項目『特別価格』、『円』と、可変項目『^<exp−s>(^[売価1])^<exp−e>』が定義されている。なお、可変項目間で計算を行わない場合は、計算コード「^<exp−s>」や「^<exp−e>」を使わない指定方法であってもよい。この定義例1に対して、POPデータに含まれる「売価1」が「120」の場合、この文字領域は、POP広告で『特別価格120円』と表示されることとなる。
【0058】
定義例2では、『通常価格より^<exp−s>(^[売価1]−^[売価2])^<exp−e>円引き』と入力されている。従って、固定項目『通常価格より』、『円引き』と、可変項目『^<exp−s>(^[売価1]−^[売価2])^<exp−e>』が定義されている。この定義例2に対して、POPデータに含まれる「売価1(通常価格用売価)」が「140」で、「売価2(特売用売価)」が「120」の場合、この文字領域は、POP広告で『通常価格より20円引き』と表示されることとなる。
【0059】
定義例3では、『100g当たり^<exp−sRO:1>(^[売価]/^[入数]*100)^<exp−e>円』と入力されている。従って、固定項目『100g当たり』、『円』と、可変項目『^<exp−sRO:1>(^[売価]/^[入数]*100)^<exp−e>』が定義されている。この定義例3に対して、POPデータに含まれる「売価」が「155」で、「入数」が「190」の場合、この文字領域は、POP広告で『100g当たり82.0円』と表示されることとなる。
以上、文字領域に対して固定項目と可変項目を定義する方法を説明した。
S1306において、クライアントPCは、終了の指示がなされたかを判定する。Yesの場合、S1307に進み、Noの場合、S1304に進む。
S1307において、クライアントPCは、作成されたPOPレイアウト情報を送信する。
S1308において、管理サーバは、作成されたPOPレイアウト情報を受信する。
S1309において、管理サーバは、受信したPOPレイアウト情報を登録して処理を終了する。
以上、図13〜16を用いて、POPレイアウト作成の説明を行った。
次に、S304のバンドルデータ作成の説明を、図17〜19を用いて行う。
図17は、バンドルデータ作成の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ユーザは、クライアントPCを操作して、バンドル登録モードを起動する。
【0060】
S1701において、クライアントPCは、バーコードが読み取られたかを判定する。Yesの場合、S1702に進み、Noの場合、S1701に戻る。具体的には、バンドル登録しようとするユーザが、クライアントPCに接続されるバーコードリーダーを使って、その商品に付されているバーコードを読み取ったかにより判定を行う。
S1702において、クライアントPCは、読み取られたバーコード情報を管理サーバに送信する。
S1703において、管理サーバは、バーコード情報を受信する。
S1704において、管理サーバは、受信したバーコード情報を用いて、POPマスタを検索する。本実施の形態では、JANコードをキーに検索を行う。
S1705において、管理サーバは、POPマスタから抽出したレコードをクライアントPCに送信する。
S1706において、クライアントPCは、レコードを受信する。
S1707において、クライアントPCは、受信したレコードを一覧(リスト)に表示する。図18に一覧画面の一例を示す。
【0061】
S1708において、クライアントPCは、バンドル対象をするレコードの選択を受け付ける。ユーザは、バンドルしたいレコードを選択181にチェックを入れた状態で、バンドルデータ作成の指示を行う。図18の例では、3つのレコードが選択されていることを示している。
【0062】
S1709において、クライアントPCは、バンドルデータ作成の指示がなされたかを判定する。Yesの場合、S1710に進み、Noの場合、S1701に戻る。ユーザは、バンドルしたいレコードを追加したい場合は、商品のバーコードをスキャンして、一覧表示させることを繰り返す。
S1710において、クライアントPCは、指定されたバンドルデータに対する設定を行うための設定画面を表示する。図19に設定画面の一例を示す。
S1711において、クライアントPCは、設定画面を介して設定情報の入力を受け付ける。
【0063】
図19に示す設定画面19では、各種情報の設定が可能である。例えば、販売期間191には、バンドルデータとしてまとめた商品群の販売期間を入力する。表示パターン192には、共通する商品群の中で異なる項目をどのように表示させるかの指定を行う。図19の例では、『[予備1]=<●[予備1]>』と指定している。これは、POPレイアウトにおいて[予備1]を表示する定義がなされている文字領域で、複数の[予備1]を黒丸「●」で区切って表示することを示している。表示例は、後に説明する。なお、区切り文字は、任意に指定可能である。各種情報の設定を行った後、バンドルデータを管理サーバに登録する場合は、「条件を登録する」193にチェックを入れた状態で、OKボタン194を押下する。これにより登録の指示がなされたこととなる。
【0064】
S1712において、クライアントPCは、バンドルデータを登録する指示がなされたかを判定する。Yesの場合、S1713に進み、Noの場合、S1711に戻る。
S1713において、クライアントPCは、入力されたバンドルデータを管理サーバに送信する。
S1714において、管理サーバは、バンドルデータを受信する。
【0065】
S1715において、管理サーバは、バンドルデータをPOPマスタに登録する。なお、バンドルデータには、バンドルされた複数の商品のそれぞれのJANコードを含んで登録される。そのため、後述する検索時において、複数のJANコードのうち、一つのJANコードで検索をかけることで、バンドルデータがヒットすることになる。また、バンドルデータは、各レコードで共通する項目は一つにまとめ、異なる項目をそれぞれ登録する。
S1716において、管理サーバは、登録が終了した旨の通知と登録したバンドルデータをクライアントPCに送信する。
【0066】
S1717において、クライアントPCは、終了通知を受け取り、S1718において、バンドルデータをリストに表示する。なお、バンドルデータは見かけ上1レコードに見えることから、通常のレコードと識別可能にするため、例えば、背景の色を変えて表示する。識別可能とする表示方法であればどのような手法(文字の色を変える等)を採用してもよい。
以上、図17〜19を用いて、バンドルデータ作成の説明を行った。
次に、S305のPOP広告作成の説明を、図20〜23を用いて行う。
図20および図22は、POP広告作成の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ユーザは、クライアントPCを操作して、POP広告作成モードを起動する。
S2001において、クライアントPCは、POPレイアウトを管理サーバに要求する。
S2002において、管理サーバは、POPレイアウトの要求を受け付ける。
S2003において、管理サーバは、管理しているPOPレイアウト情報を送信する。
S2004において、クライアントPCは、POPレイアウト情報を受信する。
【0067】
S2005において、クライアントPCは、受信したPOPレイアウト情報を選択可能な一覧を表示する。そして、ユーザにより任意のPOPレイアウトが選択される。
【0068】
S2006において、クライアントPCは、選択されたPOPレイアウトに対して、バンドルデータを入力する指示がなされたかを判定する。Yesの場合、図22のS2201に進み、Noの場合、S2007に進む。具体的には、メニューからバンドル指定がなされたかにより判定を行う。
ここでは、バンドル指定がされずに通常のレコード読み込みを行う実施の形態を以下に説明する。
【0069】
S2007において、クライアントPCは、選択されたPOPレイアウトにデータを流し込む対象となる商品のバーコードが読み取られたかを判定する。Yesの場合、S2008に進み、Noの場合、S2007に戻る。
【0070】
S2008において、クライアントPCは、読み取ったバーコード情報を管理サーバに送信する。また、必要に応じてバーコード情報以外の検索条件を送信してもよい。検索条件は、例えば、バーコードを読み取った店舗を特定する情報であったり、日時を特定する情報であったりと、様々な条件がある。本実施の形態では、一例として、店舗情報を検索条件として送信するものとして説明を続ける。
S2009において、管理サーバは、バーコード情報を含む検索条件を受信する。
【0071】
S2010において、管理サーバは、受信した検索条件を用いて、POPマスタを検索する。また必要に応じて他のデータベースも検索する。本実施の形態では、価格マスタが存在するため、価格マスタも検索する。
S2011において、管理サーバは、検索ヒットした、1または複数のレコードを抽出してクライアントPCに送信する。
S2012において、クライアントPCは、レコードを受信する。
【0072】
S2013において、クライアントPCは、現在の日時情報を取得する。これは、受信したレコードの中から日付の指定がなされている項目を抽出する際に用いるからである。デフォルトでは、現在日時を取得するため、バーコードを読み取った日付に適用すべき項目を抽出することとなる。一方、バーコードを読み取った日ではなく、将来適用されるべき項目を抽出したい場合もあるため、その場合は、ユーザにより直接指定される日時や、あるいは操作日から数日後といった相対的な指定により特定される日時情報を取得しても良い。
【0073】
S2014において、クライアントPCは、受信した1または複数のレコード、取得した日時情報、POPレイアウト情報に流し込むべき項目情報を用いることで、POPレイアウトに流し込む項目の抽出を行う。例えば、POPレイアウトに「売価」「セールスコピー」を流し込む定義がなされている場合、受信したレコードから「売価」「セールスコピー」の項目を抽出する。また、例えば、「セールスコピー」が期間毎に複数定義されている場合は、取得した日時情報を用いて、複数の中から該当日時の「セールスコピー」の項目を抽出する。図21に一例を示す。正月三が日用の「セールスコピー」が定義されていて、取得した日時が1月1日〜3日の間であった場合、文字領域21に正月三が日用の「セールスコピー」が流し込まれる。予め時期に応じた「セールスコピー」を複数登録しておくことで、各店舗でタイムリーな「セールスコピー」を付したPOP広告の作成が簡単にできるようになる。
【0074】
なお、店舗コードにより店舗毎に登録される価格マスタから「売価」「セールスコピー」等を取得することができるため、POPレイアウトには、価格マスタから抽出した項目を優先的に流し込むようにすることで、さらに店舗毎に最適なPOP広告の作成が可能となる。
【0075】
S2015において、クライアントPCは、抽出した項目をPOPレイアウトに流し込む。そして、最後に、S2016において、クライアントPCは、POPレイアウトを表示する。
【0076】
S2017において、クライアントPCは、終了指示がなされたかを判定する。Yesの場合、終了し、Noの場合、S2007に戻る。ユーザは、複数のPOP広告をまとめて作成する場合は、繰り返し操作をすることとなる。
続いて、バンドル指定がされた場合の説明を、図22を用いて行う。
【0077】
S2201において、クライアントPCは、条件入力がなされるか判定を行う。Yesの場合、S2202に進み、Noの場合、S2203に進む。具体的には、条件入力メニューが選択されたか等により判定を行う。
【0078】
S2202において、クライアントPCは、条件の入力を受け付ける。様々な条件を受け付けることが可能であるが、本実施の形態では、日付情報を入力される場合を例に以下説明を行う。
【0079】
S2203において、クライアントPCは、選択されたPOPレイアウトにデータを流し込む対象となる商品のバーコードが読み取られたかを判定する。Yesの場合、S2204に進み、Noの場合、S2203に戻る。
【0080】
S2204において、クライアントPCは、読み取ったバーコード情報を管理サーバに送信する。また、必要に応じてバーコード情報以外の検索条件を送信してもよい。検索条件は、例えば、バーコードを読み取った店舗を特定する情報であったり、日時を特定する情報であったりと、様々な条件がある。本実施の形態では、一例として、店舗情報を検索条件として送信するものとして説明を続ける。
S2205において、管理サーバは、バーコード情報を含む検索条件を受信する。
【0081】
S2206において、管理サーバは、受信した検索条件を用いて、POPマスタからバンドルデータを検索する。また必要に応じて他のデータベースも検索する。本実施の形態では、価格マスタが存在するため、価格マスタも検索する。なお、受信したバーコード情報が含まれるバンドルデータはすべて検索対象となる。
S2207において、管理サーバは、検索ヒットした、1または複数のバンドルデータやレコードを抽出してクライアントPCに送信する。
S2208において、クライアントPCは、1または複数のバンドルデータやレコードを受信する。
【0082】
S2209において、クライアントPCは、受信したバンドルデータが複数あったかを判定する。Yesの場合、S2210に進み、Noの場合、S2212に進む。
【0083】
S2210において、クライアントPCは、受信した複数のバンドルデータの一覧をユーザに選択可能に表示する。なお、各バンドルデータに含まれる各種項目を見せることで、ユーザに必要なバンドルデータの選択を容易にさせることが可能となる。
S2211において、クライアントPCは、複数のバンドルデータから一つのバンドルデータの選択を受け付ける。
【0084】
S2212において、クライアントPCは、現在の日時情報を取得する。これは、受信したレコードの中から日付の指定がなされている項目を抽出する際に用いるからである。デフォルトでは、現在日時を取得するため、バーコードを読み取った日付に適用すべき項目を抽出することとなる。一方、バーコードを読み取った日ではなく、将来適用されるべき項目を抽出したい場合もあるため、その場合は、ユーザにより直接指定される日時や、あるいは操作日から数日後といった相対的な指定により特定される日時情報を取得しても良い。
【0085】
S2213において、クライアントPCは、受信した1または複数のバンドルデータやレコード、取得した日時情報、POPレイアウト情報に流し込むべき項目情報を用いることで、POPレイアウトに流し込む項目の抽出を行う。例えば、POPレイアウトに「商品名」「予備1」「売価」を流し込む定義がなされている場合、受信したレコードから「商品名」「予備1」「売価」の項目を抽出する。なお、バンドルデータには、商品毎に異なる項目をそれぞれ登録されているがあり、例えば、「予備1」がそれぞれ登録されている場合は、それぞれの「予備1」を表示する。本実施の形態では、図19の表示パターン192において、『[予備1]=<●[予備1]>」』と定義されているため、この表示に従うこととなる。
【0086】
図23に表示の一例を示す。文字領域23には、「予備1」を流し込む定義がなされており、バンドルデータには、「予備1」として、「塩味」「のり味」「コンソメ味」の3つが含まれていた場合、文字領域23には、「●塩味●のり味●コンソメ味」と表示されることとなる。このようにバンドルデータを用いることで、ユーザは、共通項目をもちつつ、異なる項目をもつ商品群を一つのPOP広告にまとめることが容易となる。また、バーコードの読み取りもすべての商品を読み取る必要がなく、バンドルデータに含まれる1つのバーコードを読み込むことでバンドルデータを取得することができるため作業の負担も軽減される。さらには、複数のバンドルデータを登録しておくことで、臨機応変なPOP広告の作成が可能となる。
【0087】
S2214において、クライアントPCは、抽出した項目をPOPレイアウトに流し込む。そして、最後に、S2215において、クライアントPCは、POPレイアウトを表示する。
【0088】
S2216において、クライアントPCは、終了指示がなされたかを判定する。Yesの場合、終了し、Noの場合、S2203に戻る。ユーザは、複数のPOP広告をまとめて作成する場合は、繰り返し操作をすることとなる。
以上、図20〜23を用いて、S305のPOP広告作成の説明を行った。
次に、S306の印刷処理の説明を、図24を用いて行う。
図24は、印刷処理の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ユーザは、クライアントPCを操作して、印刷すべきPOPレイアウトを選択する。
S2401において、クライアントPCは、登録されている用紙ファイルを管理サーバに要求する。
S2402において、管理サーバは、用紙ファイルの要求を受け付ける。
S2403において、管理サーバは、登録されている用紙ファイルを抽出してクライアントPCに送信する。
【0089】
S2404において、クライアントPCは、用紙ファイルを受信して、ユーザにより用紙ファイルの選択を受け付ける。例えば、16分割の用紙ファイルの選択を受け付ける。
【0090】
S2405において、クライアントPCは、ユーザにより選択されているPOPレイアウトに流し込んで印刷するレコード(バンドルデータ)の選択を受け付ける。選択する数は、ユーザにより任意に決められるものである。従って、16分割の用紙ファイルが選択されていたとしても、ユーザが印刷するレコードを3つだけ指定するといったこともある。
【0091】
S2406において、クライアントPCは、印刷の設定の指定を受け付ける。ここでは、例えば、印刷ボタンが押下されることに応じて印刷の設定画面の表示を行う(不図示)。
【0092】
S2407において、クライアントPCは、表示されている印刷の設定画面から方向の指定が選択されたかを判定する。Yesの場合、S2408に進み、Noの場合、S2412に進む。具体的には、方向の指定ボタン(不図示)が押下されたかにより判定を行う。
【0093】
S2408において、クライアントPCは、選択されている用紙ファイルに対してカスタム設定があるかを判定する。Yesの場合、S2409に進み、Noの場合、S2410に進む。具体的には、図8のS813においてカスタムフラグが立てられて登録されているかにより判定を行う。
S2409において、クライアントPCは、カスタム登録された配置順を選択できる選択肢付きの表示画面を表示する。
S2410において、クライアントPCは、デフォルトの配置順だけを選択できる選択肢付きの表示画面を表示する。
【0094】
S2411において、クライアントPCは、選択されたデフォルトの配置順、もしくはカスタム登録された配置順に従って、POP広告のプレビュー表示を行う。
【0095】
S2412において、クライアントPCは、印刷指示がなされたかを判定する。Yesの場合、S2413に進み、Noの場合、S2407に戻る。具体的には、OKボタン(不図示)が押下されたかにより判定を行う。
S2413において、クライアントPCは、プリンタで印刷可能な形式の印刷データを生成する。
S2414において、クライアントPCは、生成した印刷データをプリンタに送信する。
S2415において、プリンタは、印刷データを受信する。
【0096】
S2416において、プリンタは、印刷データを印刷する処理を実行する。なお、給紙トレイには、ユーザにより予め所定の用紙がセットされている。例えば、B4サイズの用紙を16分割する用紙ファイルで印刷する場合、ユーザは、B4サイズの用紙や、B4サイズかつ16分割可能なスリット付きの用紙をセットする。
【0097】
印刷処理を経て、POP広告が出力されることとなる。なお、用紙の一部にPOP広告が印刷され、白紙領域がある場合、ユーザは、白紙領域を切り取って再利用することで、資源の無駄遣いを軽減することが可能となる。
上述した通り、本発明によれば、複数の升目に分割された用紙におけるそれぞれの升目の印刷順を簡単な操作で指定可能となる。
【0098】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0099】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0100】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0101】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0102】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0103】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0104】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0105】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0106】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【符号の説明】
【0107】
101 管理サーバ
102 クライアントPC
103 バーコードリーダー
104 プリンタ
105 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25