特許第5962358号(P5962358)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5962358
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】配線方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20160721BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20160721BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   H05K1/14 E
   H05K7/14 K
   H05K7/14 E
   H05K7/00 H
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-197849(P2012-197849)
(22)【出願日】2012年9月7日
(65)【公開番号】特開2014-53499(P2014-53499A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2015年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】太田 裕二
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−329732(JP,A)
【文献】 特開2005−312177(JP,A)
【文献】 特開平11−218778(JP,A)
【文献】 特開2006−294889(JP,A)
【文献】 特開2001−024362(JP,A)
【文献】 特開2004−087753(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/14
H05K 7/00
H05K 7/12
H05K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部材に設けられた固定部材に配線用フレキシブル基板の一方に実装された実装部品を固定して配線を行い、
前記配線用フレキシブル基板の平面部は、前記被取付部材と面して前記被取付部材の領域内に納まり、
前記配線用フレキシブル基板の他方に実装された接続部は、前記平面部に設けられて制御部と連結コードで接続され、移動防止手段によって前記被取付部材に対して移動しないようにされている、配線方法。
【請求項2】
前記移動防止手段は、前記接続部に設けられる溝と、前記被取付部材に設けられて前記溝に嵌り込むアーム部とを含んで構成されている、請求項1に記載の配線方法。
【請求項3】
前記移動防止手段は、前記被取付部材に設けられ、前記接続部の端部に当接する移動防止突起である、請求項1に記載の配線方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気の配線が必要な装置において、コード(導線が絶縁体で被覆された絶縁電線とも称される。)を装置内で引き回す際、装置内に突設された複数のリブの間をジグザグ状にコードの中間部分を掛け回したり、装置内に設けられた基板の切欠部にコードの中間部分を引っ掛けることでコードを固定して配線を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−257487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電気部品に複数本のコードを接続する場合、先行技術では、コードの中間部分をリブとリブの間や切欠部に押し込む作業に手間が掛かり、コードの配線や固定に関する処理、作業上必要なコードの余長の処理等の多数の工数が必要となる。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、配線を容易にする配線方法を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであって、請求項1に記載の配線方法は、被取付部材に設けられた固定部材に配線用フレキシブル基板の一方に実装された実装部品を固定して配線を行い、前記配線用フレキシブル基板の平面部は、前記被取付部材と面して前記被取付部材の領域内に納まり、前記配線用フレキシブル基板の他方に実装された接続部は、前記平面部に設けられて制御部と連結コードで接続され、移動防止手段によって前記被取付部材に対して移動しないようにされている。
【0006】
請求項1に記載の配線方法では、配線用フレキシブル基板の一方に実装された実装部品を被取付部材に設けられた固定部材に固定する。実装部品は、配線用フレキシブル基板に実装されている、即ち、固定されているので、実装部品が被取付部材に固定されることで配線用フレキシブル基板の位置決めが行われ、配線用フレキシブル基板の配線が終了する。
【0008】
そして、配線用フレキシブル基板の他方に設けられた接続部が連結コードで制御部へ接続され、これにより、実装部品と制御部とが電気的に接続される。
【0010】
請求項1に記載の配線方法では、配線用フレキシブル基板の平面部が被取付部材と面して被取付部材の領域内に納まっている、即ち、配線用フレキシブル基板が被取付部材の外周部分から外側に突出していないため、例えば、装置に組立中に装置内の他部品が配線用フレキシブル基板に当り難くなる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の配線方法において、前記移動防止手段は、前記接続部に設けられる溝と、前記被取付部材に設けられて前記溝に嵌り込むアーム部とを含んで構成されている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の配線方法において、前記移動防止手段は、前記被取付部材に設けられ、前記接続部の端部に当接する移動防止突起である。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したよう、請求項1に記載の配線方法によれば、フレキシブル基板に実装された実装部品を被取付部材の固定部材に固定するだけで、配線用フレキシブル基板の位置決めを簡単に行うことができる。さらに、フレキシブル基板は、複数本のバラ線コードの代替として用いられている。したがって、請求項1に記載の配線方法によれば、バラ線コードを用いた場合に比較して配線が容易になる。
【0016】
請求項1の配線方法によれば、実装部品を制御部に対して電気的に接続できる。
【0017】
請求項1の配線方法によれば、例えば、配線を行う装置の組立中に、配線用フレキシブル基板が他部材に接触することが抑えられ、部品の取り回しが容易になり、組立性を向上できる。
【0018】
請求項5に記載の配線構造によれば、フレキシブル基板に実装された実装部品を固定部材に向けて押し込むだけで実装部品が被取付部材に固定され、配線用フレキシブル基板の位置決め、即ち、配線を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1第1参考例に係る配線構造を示す分解斜視図である。
図2】(A)はセンサを支持したセンサ支持部の平面図であり、(B)はセンサを支持したセンサ支持部の側面図であり、(C)はセンサを支持したセンサ支持部の正面図である。
図3】(A)はフレキシブル基板を支持したフレキシブル基板支持部の平面図であり、(B)はフレキシブル基板を支持したフレキシブル基板支持部の側面図であり、(C)はフレキシブル基板を支持したフレキシブル基板支持部の正面図である。
図4】(A)は図3(A)の変形例に係るフレキシブル基板支持部の平面図であり、(B)は図3(B)の変形例に係るフレキシブル基板支持部の側面図であり、(C)は図3(B)の変形例に係るフレキシブル基板支持部の正面図である。
図5】(A)は図3(A)の他の変形例に係るフレキシブル基板支持部の平面図であり、(B)は図3(B)の他の変形例に係るフレキシブル基板支持部の側面図であり、(C)は図3(B)の他の変形例に係るフレキシブル基板支持部の正面図である。
図6】本発明の実施形態に係る配線構造を示す分解斜視図である。
図7】(A)は実施形態に係るフレキシブル基板の取付部分を示す上側搬送ガイドの要部を示す平面図であり、(B)はフレキシブル基板の取付部分を示す上側搬送ガイドの要部を示す側面図であり、(C)はフレキシブル基板の取付部分を示す上側搬送ガイドの要部を第1のコネクタ側から見た正面図である。
図8】(A)は実施形態に係るフレキシブル基板の平面図であり、(B)はフレキシブル基板の側面図である。
図9】(A)は実施形態の変形例に係るフレキシブル基板の取付部分を示す上側搬送ガイドの要部を示す平面図であり、(B)はフレキシブル基板の取付部分を示す上側搬送ガイドの要部を示す側面図であり、(C)はフレキシブル基板の取付部分を示す上側搬送ガイドの要部を第1のコネクタ側から見た正面図である。
図10第2参考例に係る配線構造を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
第1参考例
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する前に、第1参考例について説明する。
図1には、例えば、現金自動支払機等の装置に適用される配線構造10が分解斜視図にて示されている。
本参考例の配線構造10では、従来の断面が円形の複数本のバラ線コード(ケーブル)の代替として、平面部を有し、薄い板状で柔軟性を有する曲げ変形可能な配線用フレキシブル基板(FPC)12が用いられている。配線用フレキシブル基板12の素材としては、一般的なポリイミドでも、薄いガラスエポキシ(FR4)等でも良い。
なお、図1に示す配線用フレキシブル基板12は、配線の際にL字状に折り曲げたものであり、製造時には平面状に形成されている。
【0021】
配線用フレキシブル基板12の一方の片面には、長手方向の一方側に、例えば紙幣等の紙葉類Pを検出するための実装部品としてのセンサ14が実装され、長手方向の他方側に接続部としての第1のコネクタ16が実装されている。
センサ14は、本体14Aから下方へ突出する円筒部14Bを備えている。センサ14と第1のコネクタ16とは、配線用フレキシブル基板12の図示しない複数本の導電性パターンで電気的に接続されている。
本参考例の第1のコネクタ16は、配線用フレキシブル基板12の長手方向端部側(図1の下端側)に、図示しない電気的接続部(例えば、電極、又は電極と接触するピン)を備えている。
【0022】
センサ14の下方には、矩形の板状に形成された被取付部材としての上側搬送ガイド18が水平に配置されており、上側搬送ガイド18の下方には、同じく矩形の板状に形成された下側搬送ガイド20が上側搬送ガイド18に対して隙間Sを開けて平行に配置されている。
上側搬送ガイド18及び下側搬送ガイド20は、一方の側部がフレーム22Aに複数のネジ24で固定されており、他方の側部がフレーム22Bに複数のネジ24で固定されている。
なお、上側搬送ガイド18の両側部、及び下側搬送ガイド20の両側部には、ネジ24を捩じ込むネジ穴26が形成されており、フレーム22A、及びフレーム22Bにはネジ24を挿通させる孔28が形成されている。
上側搬送ガイド18には、センサ14の円筒部14Bが挿入される貫通孔30が形成されている。
上側搬送ガイド18と下側搬送ガイド20との間の隙間Sは紙葉類Pの搬送路となっており、センサ14は、この搬送路内の紙葉類Pの有無を検出することが出来る。なお、紙葉類Pは、図示しない搬送ローラ等で搬送路を搬送される。
【0023】
上側搬送ガイド18の上面18Aには、貫通孔30の矢印L方向側に、センサ14を上側搬送ガイド18に固定するための第1の固定部材34、及び配線用フレキシブル基板12の長手方向中間部を上側搬送ガイド18に支持するフレキシブル基板支持部36を備えている。
【0024】
図2に示すように、第1の固定部材34は、上側搬送ガイド18の上面18Aに立設される弾性変形可能なアーム部38Aを一対備えている。一対のアーム部38Aの互いに対向する上端側の側面には、他方のアーム部側に突出する略三角形の引掛け爪部38Bが一体的に形成されている。引掛け爪部38Bには、斜面38Baが形成されている。一対のアーム部38Aの間で、かつ、上側搬送ガイド18の上面18Aと引掛け爪部38Bとの間には、センサ14の本体14A、及び配線用フレキシブル基板12の一部分が配置される。
【0025】
図3に示すように、フレキシブル基板支持部36は、上側搬送ガイド18の上面18Aに立設されるアーム部40Aを一対備えている。一対のアーム部40Aの互いに対向する上端側の側面には、他方のアーム部側に突出する略三角形の引掛け爪部40Bが一体的に形成されている。一対のアーム部40Aの間で、かつ、上側搬送ガイド18の上面18Aと引掛け爪部40Bとの間には、配線用フレキシブル基板12が配置される。
【0026】
図1に示すように、フレーム22Aの搬送ガイド側とは反対側には、制御基板44が配置されている。本参考例の制御基板44は、柔軟性のないリジッド基板であり、フレーム22Aに対して複数のネジ46で固定される。なお、制御基板44には、ネジ46を挿通する孔48が形成されており、フレーム22Aにはネジ46を捩じ込むネジ穴50が形成されている。
【0027】
制御基板44の上端側には、フレーム22Aとは反対側の面に、配線用フレキシブル基板12の第1のコネクタ16と接続される第2のコネクタ52が取り付けられている。第2のコネクタ52は、上側に図示しない電気的接続部(例えば、ピン、又はピン接触する電極)を備えている。
なお、制御基板44には、センサ14からの電気信号を受ける制御部品(図示省略。一例として、IC、CPU、トランジスタ、抵抗、コンデンサ等。)等が実装されている。
【0028】
(配線構造の組立方法、及び作用効果)
(1) 先ず最初に、上側搬送ガイド18及び下側搬送ガイド20の両側にフレーム22A及びフレーム22Bを配置し、上側搬送ガイド18及び下側搬送ガイド20と、フレーム22A及びフレーム22Bとをネジ24を用いて固定する(図1参照)。
(2) 次に、図2(C)の2点鎖線で示すように、配線用フレキシブル基板12に実装されたセンサ14の円筒部14Bを上側搬送ガイド18の貫通孔30に対して位置を合わせて、矢印Aに示すように、センサ14を上側搬送ガイド18の上方から第1の固定部材34のアーム部38A間に向けて押し込むように移動する。
このようにセンサ14を押し込むことで、センサ14の本体14Aが第1の固定部材34の略三角形の引掛け爪部38Bを押し、一対のアーム部38Aは各々先端側が互いに離れる方向に弾性変形する。
そして、本体14Aが引掛け爪部38Bよりも下方に至ると、アーム部38Aが元の形状に弾性復帰し、図2(C)の実線で示すように、センサ14の本体14Aは、一対のアーム部38Aの間で、かつ上側搬送ガイド18の上面18Aと引掛け爪部38Bとの間に固定される。これにより、配線用フレキシブル基板12の位置及び向きが固定されることになり、さらに、上側搬送ガイド18の上面18Aにおいて、配線用フレキシブル基板12の平面部分が対向する。
本参考例では、センサ14の円筒部14Bが上側搬送ガイド18の貫通孔30に挿入されるので、センサ14が配線用フレキシブル基板12の長手方向に動くことは無く、センサ14の固定がより確実となる。
【0029】
(3) 次に、図3(C)の矢印Bに示すように、配線用フレキシブル基板12の長手方向中間部分を、フレキシブル基板支持部36の一対のアーム部40A間に向けて上方から押し込む。配線用フレキシブル基板12を押し込むことで、配線用フレキシブル基板12は弾性変形して引掛け爪部40Bを下方に通り越す。これにより、図3に示すように、配線用フレキシブル基板12の中間部分は、一対のアーム部40Aの間、かつ引掛け爪部40Bと上側搬送ガイド18の上面との間に配置されて支持される。
【0030】
(4) 次に、制御基板44をネジ46でフレーム22Aに固定する(図1参照)。
(5) 最後に、配線用フレキシブル基板12に実装された第1のコネクタ16の電気的接続部(図示省略)を下側に向けて制御基板44の第2のコネクタ52の上部の電気的接続部(図示省略)に対向させ、第1のコネクタ16を上から第2のコネクタ52に向けて押し込み、第1のコネクタ16と第2のコネクタ52とを接続する。これにより、配線用フレキシブル基板12の第2のコネクタ52付近の位置が決まる。
以上により、本参考例の配線構造10における配線が終了する。
【0031】
なお、上側搬送ガイド18と下側搬送ガイド20との間に紙葉類Pが搬送されると、センサ14によって搬送路内の紙葉類Pの有無が検出され、センサ14からの電気信号が配線用フレキシブル基板12の複数本の導電性パターン、第1のコネクタ16、及び第2のコネクタ52を介して制御基板44に実装された電気部品に伝達される。
【0032】
このように、本参考例の配線構造10によれば、配線用フレキシブル基板12に実装されたセンサ14を第1の固定部材34に向けて押し込むという簡単な作業により、センサ14を上側搬送ガイド18に固定することができる。配線用フレキシブル基板12にはセンサ14が固定されているので、センサ14が固定されれば、センサ14を実装した配線用フレキシブル基板12の位置、及び方向を短時間で簡単に決めること、即ち、配線用フレキシブル基板12の配線を簡単に行うことができる。
【0033】
配線用フレキシブル基板12は、複数本のバラ線コードの代替として用いられているため、複数本のバラ線コードを用いた場合の様にコード毎の複数の配線の工数を必要としない。
配線用のバラ線コードはあらゆる方向に曲がり易いため、バラ線コードで配線をする際にはバラ線コードの中間部分を何らかの部材で固定乃至支持する必要がある。また、バラ線コードは、製造後、ドラムに巻き付けて保存しておくため、ドラムから引き出したバラ線コードには、巻き癖によって湾曲している場合が多々ある。
【0034】
一方、配線用フレキシブル基板12は、薄い板状であり、製造時に平面状に形成し、平面状のままで保存しておくため、バラ線コードのように湾曲していない。また、配線用フレキシブル基板12は板状に形成されているので、幅方向には曲げ難く、方向性がある。
したがって、あらゆる方向に曲がり易いバラ線コードを用いた配線に比較して、本参考例の配線用フレキシブル基板12を用いた配線は、簡単となる。
なお、本参考例では、配線用フレキシブル基板12の長手方向中間部をフレキシブル基板支持部36で支持したが、フレキシブル基板支持部36は必要に応じて設けられれば良く、フレキシブル基板支持部36は省略しても良い。
【0035】
上側搬送ガイド18の範囲内では、配線用フレキシブル基板12の平面部が上側搬送ガイド18の上面18Aに面しているので、上側搬送ガイド18上の突出部分の寸法を抑えることが出来る。
【0036】
本参考例のフレキシブル基板支持部36は、図3に示すように、各々のアーム部40Aに引掛け爪部40Bが形成されていたが、本発明はこれに限らず、図4に示すように、一方のアーム部40Aのみに引掛け爪部40Bが形成されていても良い。
また、図5に示すように、一方のアーム部40Aと他方のアーム部40Aとをフレキシブル基板支持部36の長手方向にずらして配置しても良い。
【0037】
実施形態
次に、本発明の実施形態に係る配線構造10を図6〜8にしたがって説明する。なお、第1参考例と同一構成には同一記号を付し、その説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態の配線構造10に用いられる配線用フレキシブル基板12は、上側搬送ガイド18の幅寸法(図6の左右方向の寸法)よりも短く形成されており、上側搬送ガイド18の領域内に納まる、即ち、上側搬送ガイド18の端部から外側へ突出しないようになっている。
【0038】
図6、及び図7に示すように、本実施形態の上側搬送ガイド18の上面18Aには、配線用フレキシブル基板12の第1のコネクタ16を上側搬送ガイド18に固定するための第2の固定部材54が制御基板側の端部付近に設けられている。
図7に示すように、第2の固定部材54は、上側搬送ガイド18の上面18Aに立設される弾性変形可能なアーム部56Aを一対備えている。一対のアーム部56Aの互いに対向する上端側の側面には、他方のアーム部側に突出する略三角形の引掛け爪部56Bが一体的に形成されている。一対のアーム部56Aの間で、かつ、上側搬送ガイド18の上面18Aと引掛け爪部56Bとの間には、第1のコネクタ16、及び配線用フレキシブル基板12の一部分が配置される。
【0039】
図7,8に示すように、本実施形態の第1のコネクタ16の両側面には溝58が形成されており、この溝58に第2の固定部材54のアーム部56Aが嵌り込む。なお、図7に示すように、第1のコネクタ16が第2の固定部材54で固定された際には、配線用フレキシブル基板12の端部が上側搬送ガイド18の端部から外側へは突出しない。
【0040】
図6に示すように、本実施形態では、配線用フレキシブル基板12の第1のコネクタ16と制御基板44の第2のコネクタ52とが、連結コード60を介して接続される。
連結コード60は、複数本のコード62を備えている。コード62の一端側には配線用フレキシブル基板12の第1のコネクタ16と接続される一端側コネクタ64が接続され、コード62の他端側には制御基板44の第2のコネクタ52に接続される他端側コネクタ66が接続されている。
【0041】
(配線構造の組立方法)
次に、本実施形態の配線構造10の組立方法を説明する。
なお、第1参考例と同様の組立工程に付いては説明を省略し、異なる点のみを以下に説明する。
(1) 配線用フレキシブル基板12のセンサ14を上側搬送ガイド18に固定した後、配線用フレキシブル基板12の第1のコネクタ16を、上方から第2の固定部材54に向けて押し込む。第1のコネクタ16を押し込むことで、第1のコネクタ16が略三角形の引掛け爪部56Bを押し、一対のアーム部56Aは各々の先端側が互いに離れる方向に弾性変形する。
そして、第1のコネクタ16が引掛け爪部56Bよりも下方に至ると、アーム部56Aが元の形状に弾性復帰し、図7に示すように、第1のコネクタ16は、一対のアーム部56Aの間で、かつ上側搬送ガイド18の上面18Aと引掛け爪部56Bとの間に配置されると共に、さらに、第1のコネクタ16の溝58にアーム部56Aが嵌り込んで固定される。
(2) 制御基板44の第2のコネクタ52に連結コード60の他端側コネクタ66を接続し、連結コード60の一端側コネクタ64を配線用フレキシブル基板12の第1のコネクタ16に接続する。
【0042】
(本実施形態の作用、効果)
配線用フレキシブル基板12の端部が上側搬送ガイド18の端部から外側へ突出している場合、上側搬送ガイド18、下側搬送ガイド20、フレーム22A、フレーム22B、及び配線用フレキシブル基板12を一体化した小アッシー(ASSY)を先に装置内に取り付け、その後、装置内で後から組み付けを行う親アッシー(ASSY)の他の部品を装置内で取り回す際に、装置内の他の部品が上側搬送ガイド18の端部から外側へ突出した配線用フレキシブル基板12に当る等して、部品の取り回しが悪化する場合が考えられる。
しかしながら、本実施形態のように、配線用フレキシブル基板12が上側搬送ガイド18の外周の端部から外側へ突出していなければ、後から組み付ける部品が配線用フレキシブル基板12に当らなくなり、後から組み付ける部品の取り回しが容易になり、組立性を向上させることが出来る。
【0043】
さらに、本実施形態の配線構造10では、第1のコネクタ16の溝58にアーム部56Aが嵌り込むため、一端側コネクタ64を第1のコネクタ16に接続する際に、第1のコネクタ16が配線用フレキシブル基板12の長手方向に移動することが無い。
なお、その他の作用効果は、第1参考例と同様である。
【0044】
なお、本実施形態の連結コード60は、複数本のコード62を用いたが、複数本のコード62の代わりに配線用のフレキシブル基板を用いても良い。
また、側部に溝58が無い第1のコネクタ16を用いる場合には、図9に示すように、上側搬送ガイド18の上面18Aに、第1のコネクタ16のフレキシブル基板長手方向両端部に当接する一対の移動防止突起68を設ければ良い。これにより、第1のコネクタ16のフレキシブル基板長手方向(矢印L,R方向)の移動を抑えることが出来る。
【0045】
第2参考例
次に、第2参考例に係る配線構造10を図10にしたがって説明する。なお、前述した第1参考例、及び実施形態と同一構成には同一記号を付し、その説明は省略する。
図10に示すように、本参考例の配線構造10に用いられる制御基板44は、薄い板状で柔軟性を有するフレキシブル基板であり、本体部44Bの上端には本体部44Bの上方に向けて延長される細長い延長部分44Aが本体部44Bと一体的に形成されている。
延長部分44Aの先端側には、配線用フレキシブル基板12の第1のコネクタ16と対向する位置に第2のコネクタ52が設けられている。第2のコネクタ52の電気的接続部(図示省略)は第1のコネクタ16と対向する側に設けられている。
【0046】
本参考例の配線構造10では、配線用フレキシブル基板12を上側搬送ガイド18に取り付けた後、最後に制御基板44をフレーム22Aに取り付ける。そして、制御基板44の柔軟性を有する延長部分44Aを曲げて、第2のコネクタ52を配線用フレキシブル基板12の第1のコネクタ16に接続する。
本参考例では、実施形態で用いた連結コード60を必要としないので、実施形態に比較して部品点数を削減することが出来る。なお、その他の作用効果は、実施形態と同様である。
【0047】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について記述したが、本発明は上記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
上記実施形態では、配線用フレキシブル基板12に実装部品としてセンサ14が実装されており、センサ14を第1の固定部材34で上側搬送ガイド18に固定したが、実装部品は配線用フレキシブル基板12に実装される部品であればセンサ14以外の部品であっても良い。
装置内で後から組み付けを行う親アッシー(ASSY)とは、上側搬送ガイド18、下側搬送ガイド20、フレーム22A、フレーム22B、及び配線用フレキシブル基板12を一体化した小アッシー(ASSY)よりも、後で装置内に組み付けるものであり、例えば、制御基板44であっても良く、制御基板44以外の装置内の他の部品であっても良い。
【符号の説明】
【0048】
10 配線構造
12 配線用フレキシブル基板
14 センサ(実装部品)
16 第1のコネクタ(接続部)
18 上側搬送ガイド(被取付部材)
34 第1の固定部材(固定部材)
38A アーム部
38B 引掛け爪部
44 制御基板(制御部)
44A 延長部分(フレキシブル延長部分)
44B 本体部(フレキシブル基板本体)
54 第2の固定部材(移動防止手段)
58 溝(移動防止手段)
68 移動防止突起
60 連結コード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10