特許第5962372号(P5962372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5962372
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】バンド及び腕時計
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/10 20060101AFI20160721BHJP
【FI】
   A44C5/10 510E
   A44C5/10 511C
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-207015(P2012-207015)
(22)【出願日】2012年9月20日
(65)【公開番号】特開2014-61067(P2014-61067A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2015年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関根 俊之
(72)【発明者】
【氏名】岩永 正国
【審査官】 青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3169792(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3155925(JP,U)
【文献】 特開2005−224382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駒体の連結方向の一方側に凸部が他方側に凹部が形成され、該凸部が隣接する前記駒体の前記凹部に挿入されることで複数の前記駒体が連結され構成されるバンドであって、
前記駒体の前記凸部内から外部に向かって出没可能であって隣接する前記駒体の前記凹部内に挿入されることで前記駒体同士を係止する連結突起が設けられ、この連結突起が互いに反対方向に向くように配置されて、回動することにより前記連結突起が前記凸部から突出する突出状態と前記連結突起が前記凸部内に没する没状態とをとり得る第1の移動部材及び第2の移動部材と、
前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材の間であって、前記駒体における前記凸部側に配置され、前記連結突起が前記凸部から突出する方向に前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材を付勢する付勢部材と、
操作子が挿入される挿入孔と、
前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材の間であって、前記駒体の連結方向に沿って形成され、前記操作子が前記挿入孔から挿入されたときに前記操作子が挿入される挿入溝と、
を備え、
前記操作子が前記挿入孔から前記挿入溝に挿入されたときに、前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材が前記付勢部材の付勢力に抗して回動することで前記連結突起が前記没状態となり前記駒体同士の連結が解除されるように構成されていることを特徴とするバンド
【請求項2】
前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材は、前記駒体の外部枠体と当接し、この当接点を支点として回動することを特徴とする請求項1に記載のバンド
【請求項3】
前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材は、前記挿入孔に対向する部分に、第1の傾斜面と第2の傾斜面を有し、第1の傾斜面と第2の傾斜面が向かい合うことにより、前記挿入溝を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバンド
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか一項に記載のバンドを備えていることを特徴とする腕時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に時計のバンド等の駒体の取り外しや連結を容易に行うことのできるバンド及び腕時計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、駒体が複数連結されて構成された時計等のバンドの長さを調整するためには、バンドが長すぎる場合に余った端部を腕に巻きつけておくことで対応するフリーバックルや、駒体を着脱して長さを調整する手法がとられている。
このうち、フリーバックルは、誰でも簡易にバンド長の調整を行うことができる点で優れているが、余ったバンド端部が装着感を損ねるために装着性が悪く、また外観的にもデザイン性が劣ってしまう。
【0003】
他方、駒体を着脱して調整を行う場合には、ユーザの腕に合った長さに調節することができ、装着感やデザイン性にも優れている。
しかし、従来、駒体を着脱するためには、バンドなどの取扱いを熟知している店員等の専門員が専用の道具を用いて行う必要があり、通常のユーザが簡易に駒体の着脱を行うことは難しかった。
このため、例えば購入後にサイズ調整が必要になった場合や通信販売等での購入の場合等、店頭販売員によるベルト長の調節を行うことができない場合には、ユーザ自身でバンドの長さ調整を行うことができず、専門員のいる店に持ち込まなければならない等、負担が大きく、非常に不便であった。
【0004】
この点、例えば、特許文献1には、小棒状体を駒体内部に挿入して、駒体同士を連結している連結ピン(連結突起)が隣接する駒体内部に突出している突出状態から連結ピン(連結突起)が内方に移動した状態とし、これにより、隣接する駒体における連結ピン(連結突起)による連結状態を解除するようにした構成が提案されている。
これによれば、ワンプッシュで駒体の着脱を行うことができるため、通常のユーザでも比較的簡単に駒体の着脱を行うことができ、バンドの長さを容易に調節することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3155925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されている構成では、駒体の着脱方向がこれまでの一般的なバンドと異なり、駒体の凹部に連結ピン(連結突起)が設けられているため、駒体の着脱の際に誤認が生じやすかった。
【0007】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、バンドの駒体の着脱をユーザにとって分かりやすく、簡易かつ迅速に行うことができるバンド及び腕時計を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のバンドは、
駒体の連結方向の一方側に凸部が他方側に凹部が形成され、該凸部が隣接する前記駒体の前記凹部に挿入されることで複数の前記駒体が連結され構成されるバンドであって、
前記駒体の前記凸部内から外部に向かって出没可能であって隣接する前記駒体の前記凹部内に挿入されることで前記駒体同士を係止する連結突起が設けられ、この連結突起が互いに反対方向に向くように配置されて、回動することにより前記連結突起が前記凸部から突出する突出状態と前記連結突起が前記凸部内に没する没状態とをとり得る第1の移動部材及び第2の移動部材と、
前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材の間であって、前記駒体における前記凸部側に配置され、前記連結突起が前記凸部から突出する方向に前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材を付勢する付勢部材と、
操作子が挿入される挿入孔と、
前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材の間であって、前記駒体の連結方向に沿って形成され、前記操作子が前記挿入孔から挿入されたときに前記操作子が挿入される挿入溝と、
を備え、
前記操作子が前記挿入孔から前記挿入溝に挿入されたときに、前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材が前記付勢部材の付勢力に抗して回動することで前記連結突起が前記没状態となり前記駒体同士の連結が解除されるように構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のバンドでは、バンドの駒体の着脱をユーザにとって分かりやすく、簡易かつ迅速に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態における駒体の連結構造により連結されたバンドの全体斜視図である。
図2図1に示すバンドの底面図である。
図3図2に示すバンドの駒体の分解斜視図である。
図4】(a)は、操作子挿入前の駒体内部を断面にして示す平面図であり、(b)は、(a)に示す移動部材及びコイルスプリングの斜視図である。
図5】(a)は、操作子挿入時の駒体内部を断面にして示す平面図であり、(b)は、(a)に示す移動部材及びコイルスプリングの斜視図である。
図6】本実施形態におけるバンドの駒体と駒体着脱用冶具とを示す斜視図である。
図7】本実施形態におけるバンドの駒体と駒体着脱用冶具との駒体の着脱時の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1から図7を参照しつつ、本発明におけるバンド及び腕時計の一実施形態について説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
図1は、本実施形態における駒体の連結構造が適用されたバンド1の外装表面側を示した斜視図であり、図2はバンド1を裏面側(装着者の腕等に装着される側)から見た平面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態におけるバンド1は、駒体2の連結方向の一方側に凸部21が他方側に凹部22が形成され、該凸部21が隣接する駒体2の凹部22に挿入されることで複数の駒体2が連結され構成されている。
【0013】
図3は、本実施形態のバンド1を構成する駒体2の分解斜視図であり、図4(a)は、駒体2を裏面側(装着者の腕等に装着される側)の断面図であり、図4(b)は、第1の移動部材及び第2の移動部材とコイルスプリングを示す斜視図である。
図1から図4(a)に示すように、本実施形態におけるバンド1の駒体2は、駒体2の連結方向の一方側に形成された凸部21と他方側に形成された凹部22とが互いに嵌り合う形状となっており、駒体2は、連結状態においてその凸部21が連結方向の隣接する駒体2の凹部22内に収まるようになっている。
本実施形態において、駒体2は、外部枠体23と、この外部枠体23内部に収納された内部枠体24とを備えている。
また、駒体2には、一対の移動部材(すなわち、第1の移動部材25及び第2の移動部材26)と、コイルスプリング27とが内設されている。
【0014】
外部枠体23は、例えばステンレス等の金属材料からなる板材を折り曲げて箱状に形成されるものである。外部枠体23は、バンド1の外装表面(バンド装着時に表側となる面)を形成する表面部231と、この表面部231における駒体2の連結方向の一端側(本実施形態では凹部22が形成されている側)に立設され凹部22の奥側の壁を構成する立設部232と、表面部231における駒体2の連結方向の他端側に連設部233を介して連設され外部枠体23の裏面(バンド装着時に腕等に接触する側の面)であって幅方向の中央部を被覆する裏面部234と、表面部231の両側部に連設され折り曲げ加工することにより外部枠体23の幅方向の外側部を被覆する側部235とを備えている。裏面部234の両側部には、折り曲げ加工することにより、外部枠体23の中央部と側部235とを画する仕切り部234bが設けられている。
外部枠体23は、このように、1枚の板を折り曲げ加工することで形成されるため、外部枠体23を簡易かつ効率的に生産することができ、また、部品点数を少なくすることができる。
裏面部234のほぼ中央には、後述する駒体着脱用冶具3の軸部32が挿入される挿入孔234aが形成されている。なお、挿入孔234aの設けられる位置、大きさ、形状等は、図示例に限定されない。例えば、外部枠体23の表面部231に挿入孔234aが形成されていてもよい。
【0015】
内部枠体24は、例えばステンレス等の金属材料からなる板材を折り曲げ加工することで形成されるものである。内部枠体24は、両側が解放されるように折り曲げて箱状に形成された本体部241と、本体部241の両側部に本体部241と一体的に形成された一対の張り出し部242とを備えている。
本体部241の両側の開口は、内部枠体24を外部枠体23に収納した際に、仕切り部234bによって閉塞されるようになっている。
また、本体部241において内部枠体24を外部枠体23に収納した際に裏面側となる面であって挿入孔234aに相当する位置には、後述する駒体着脱用冶具3の軸部32が挿入される挿入孔241aが形成されている。なお、挿入孔241aの設けられる位置、大きさ、形状等は、図示例に限定されない。例えば、挿入孔234aが外部枠体23の表面部231に形成されている場合には、挿入孔241aもこれに対応する位置に形成される。本実施形態では、外部枠体23の挿入孔234a及び内部枠体24の挿入孔241aにより、駒体着脱用冶具3の軸部32が挿入される挿入孔が構成されている。
また、各張り出し部242には、板材の端部に折り曲げ加工を施すことで駒体2の幅方向に沿って中空の筒状部242aが形成されている。この筒状部242aは、その内部の径が後述する第1の移動部材25及び第2の移動部材26の連結突起253,263の径よりも大きくなっており、移動部材の連結突起253,263は、隣接する駒体2の筒状部242a内に挿入可能となっている。
【0016】
一対の移動部材である第1の移動部材25及び第2の移動部材26は、それぞれ板状の移動本体部251,261と、この移動本体部251,261の外側端面の一端に外側方に突出して設けられた連結突起253,263とを備えている。
連結突起253,263は、駒体2の凸部21内から外部に向かって出没可能であって隣接する駒体2の凹部22内(本実施形態では、筒状部242a内)に挿入されることで駒体2同士を係止するものである。
第1の移動部材25及び第2の移動部材26は、この連結突起253,263が互いに反対方向に向くように(すなわち、第1の移動部材25及び第2の移動部材26の内側の端面が対向するように)内部枠体24の内部に配置されており、少なくとも支点となる当接点Pで外部枠体23の仕切り部234bと当接している。第1の移動部材25及び第2の移動部材26は、この当接点Pを支点として回動することにより連結突起253,263が凸部21から突出する突出状態と連結突起253,263が凸部21内に没する没状態とをとり得るようになっている。
【0017】
また、移動本体部251,261における連結突起253,263の設けられている側の端部中央寄りには、駒体2の幅方向に延在して切り欠き部251b,261bが形成されている。図4(a)及び図4(b)に示すように、切り欠き部251b,261b内には、コイルスプリング27が配置されている。
コイルスプリング27は、第1の移動部材25及び第2の移動部材26の間であって、当接点Pよりも駒体2における凸部21側に配置され、連結突起253,263が凸部21から突出する方向に第1の移動部材25及び第2の移動部材26を付勢する付勢部材である。
なお、付勢部材はコイルスプリング27に限定されず、ゴム等の弾性体で構成されていてもよい。
【0018】
また、移動本体部251,261には、その内側の端面に、挿入孔234a,241aに対向する面の側から反対側の面に向かって内側に傾斜する傾斜面251a,261aが形成されている。
本実施形態において、第1の移動部材25及び第2の移動部材26は、操作子が挿入されていない状態において、当接点Pで外部枠体23の仕切り部234bと接触するようになっている。そして、2つの傾斜面251a,261aが向かい合うことにより、第1の移動部材25及び第2の移動部材26の間であって駒体2の連結方向に沿って挿入溝Gが形成される。挿入溝Gは、操作子が挿入孔234a,241aから挿入されたときに操作子が挿入される溝部である。
挿入溝Gに操作子が挿入された際には、図5(a)及び図5(b)に示すように、当接点を支点として徐々に第1の移動部材25及び第2の移動部材26が付勢部材の付勢力に抗して回動することで、連結突起253,263が凸部21内に収納されて没状態となり、駒体2同士の連結が解除されるようになっている。
【0019】
本実施形態の駒体2の連結構造がとられている場合に、駒体2を着脱するためには、操作子を挿入孔234a,241aから挿入溝Gに挿入して第1の移動部材25及び第2の移動部材26を回動させる必要があるが、この操作子としては、挿入孔234a,241aから駒体2内部に挿入可能な細い棒状のものであればどのようなものでも適用可能である。
以下では、図6及び図7で示す駒体着脱用冶具を用いて駒体の着脱を行う場合を例として説明する。
【0020】
駒体着脱用冶具3は、腕時計等のバンド1の駒体2を着脱してバンド長を調節するための冶具である。図6及び図7に示すように、駒体着脱用冶具3は、板状のベース部31と、ベース部31の一方の面から垂設された軸部32と、軸部32の垂設方向に沿って垂設された垂設部33とを備えている。
本実施形態の駒体着脱用冶具3は、全体が透明又は半透明な樹脂等、透明又は半透明な材料で一体形成されている。なお、駒体着脱用冶具3を形成する材料はこれに限定されない。駒体着脱用冶具3は、少なくともベース部31が透明又は半透明な樹脂等の材料で形成されていればよく、ベース部31、軸部32、垂設部33が全て同じ材料で一体形成されているものに限定されない。少なくともベース部31が透明又は半透明な材料で形成されていることにより、挿入孔234a,241aの位置や軸部32の位置を目で見て確認することができ、駒体2の着脱操作を行う際の位置決めを容易に行うことができる。
【0021】
本実施形態において、ベース部31は、平面視において長方形状に形成されており、その幅方向の長さが駒体着脱用冶具3によって着脱操作を行う駒体2の幅方向の長さよりも僅かに長く形成されている。なお、ベース部31の形状や大きさはここに例示したものに限定されない。
軸部32は、先端側が細くなった棒状の部分であり、後述する駒体2の連結突起253,263の挿入状態を解除させる操作子として機能するものである。本実施形態の軸部32は、先端部が平らに切り欠かれている。このように軸部32は、その先端部が鋭利になっていないため、誤って指等が触れても怪我をしにくく安全である。なお、軸部32は、駒体2の挿入孔234a,241aから駒体2の内部に挿入可能なものであればよく、その形状は特に限定されない。例えば、軸部32全体が先端に向かって細くなる錘状となっていてもよい。
垂設部33は、垂設方向の長さが軸部32の垂設方向の長さよりも長くなっている。本実施形態の垂設部33は、ベース部31の幅方向の両側部にそれぞれ垂設されており、駒体2の上にベース部31を重ね合わせた際に、垂設部33が駒体2の両側部外方にそれぞれ配置されるようになっている(図7参照)。
【0022】
次に、図4から図7を参照しつつ、本実施形態における駒体の連結構造の作用について説明する。
本実施形態の駒体2は、操作子が挿入されていない状態(すなわち、駒体着脱用冶具3を装着しない状態)では、図4(a)に示すように、コイルスプリング27によって第1の移動部材25及び第2の移動部材26が外側に付勢されており、第1の移動部材25及び第2の移動部材26の内側端面が、互いに当接するとともに、連結突起253,263が駒体2の凸部21から突出した状態となっている。
これにより、駒体2が他の駒体2と隣接している場合には、コイルスプリング27の付勢力によって連結突起253,263が隣接する駒体2の内部(本実施形態では、駒体2の凹部22内に開口する筒状部242a内)に挿入された挿入状態が維持されている。
【0023】
駒体2をバンド1から取り外す場合には、図6及び図7に示すように、駒体着脱用冶具3のベース部31を駒体2の裏面側に重ね合わせ、透明又は半透明なベース部31を通して位置をユーザが目で確認しながら駒体2の挿入孔234a,241a内に操作子である軸部32を挿入することが可能である位置に配置する。このとき、垂設部33が駒体2の両側部外方にそれぞれ配置されるため、駒体着脱用冶具3の位置決めがしやすくなるとともに、バンド1から複数の駒体2を連続的に取り外す際には、垂設部33がガイドの役割を果たすことで駒体着脱用冶具3をバンド1の連結方向に沿って円滑に次の駒体2に移動させることができる。
【0024】
駒体着脱用冶具3が駒体2の挿入孔234a,241a内に軸部32が挿入される位置に位置決めされた状態で、ベース部31を上から押圧することで、操作子である軸部32の一端部分が挿入孔234a,241aを通して駒体2の内部に挿入され、移動本体部251,261の傾斜面251a,261aを押圧して第1の移動部材25及び第2の移動部材26の間に形成されている挿入溝Gを左右に押し拡げるように移動させる。
これにより、第1の移動部材25及び第2の移動部材26が付勢部材であるコイルスプリング27の付勢力に抗して当接点Pを支点として回動する。
この結果、第1の移動部材25及び第2の移動部材26の連結突起253,263が内部枠体24の内部に収納された没状態となる。駒体2が隣接する他の駒体2と連結されている場合には、これにより連結突起253,263の挿入状態が解除され、駒体2を他の駒体2から取り外すことができる状態となる。
【0025】
駒体2を他の駒体2に装着する場合にも、同様に駒体着脱用冶具3を駒体2の裏面側の所定位置に配置して、第1の移動部材25及び第2の移動部材26の連結突起253,263が内部枠体24の内部に収納された状態とした後に、この連結突起253,263が収納された状態の駒体2の凸部21と装着先の駒体2の凹部22とを嵌め合わせる。そしてその後、駒体着脱用冶具3を駒体2から取り外すことで、第1の移動部材25及び第2の移動部材26がコイルスプリング27の付勢力によって元の位置まで回動し、連結突起253,263が駒体2の凸部21から突出して、装着先の駒体2の凹部22内の筒状部242a内に挿入された挿入状態が維持され、駒体2同士が係止される。
【0026】
以上のように、本実施形態の駒体の連結構造によれば、操作子である軸部32を駒体2の内部に挿入して軽く押し込むという簡単な動作を行うだけで、第1の移動部材25及び第2の移動部材26が当接点Pを支点として回動し、連結突起253,263の挿入状態が解除され、駒体2を他の駒体2から取り外したり他の駒体2と連結可能な状態とすることができる。これにより、通信販売の場合等、店頭販売員によるベルト長の調節を行うことができない場合でも、商品を購入したユーザが誰でも簡易に腕時計のベルト等の長さの調節を行うことができる。
また、従来の一般的なバンドと同様に駒体の凸部側に連結突起253,263が設けられているため、駒体2の着脱の際に駒体2の着脱方向がユーザにとって分かりやすく、誤認を生じることなく簡易かつ迅速に行う駒体2の着脱を行うことができる。
また、比較的簡易な構成で実現することができるため、低コストで、ユーザに扱いやすいバンドを提供することができる。
【0027】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0028】
例えば、駒体2の各部を構成する部品の材料や形状等は本実施形態のものに限定されず、適宜変更が可能である。
【0029】
また、本実施形態では、移動本体部の内側の端面に、挿入孔に対向する面の側から反対側の面に向かって内側に傾斜する傾斜面が形成されている場合を例としたが、傾斜面が形成されていることは必須ではない。
例えば、操作子である軸部の先端が鋭利な形状である場合等、第1の移動部材及び第2の移動部材の間の隙間(挿入溝)に挿入しやすい形状となっている場合には、移動本体部の内側の端面に傾斜面を形成しなくてもよい。
【0030】
また、本実施形態では、外部枠体23と内部枠体24とを備える構成としたが、連結突起253,263が突出状態と没状態とを取り得るような適切な位置で第1の移動部材25及び第2の移動部材26を保持することができればよく、内部枠体24を備えない構成としてもよい。
【0031】
また、本実施形態では、バンドが時計バンドである場合を例として説明したが、バンドは、複数の駒体が連結されている構成を採るものであれば広く適用することができる。例えば、ブレスレットのように、バンドが単体で用いられるものや、装飾部材に取り付けて使用するバンドであっても、本発明を適用可能である。
【0032】
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
駒体の連結方向の一方側に凸部が他方側に凹部が形成され、該凸部が隣接する前記駒体の前記凹部に挿入されることで複数の前記駒体が連結され構成されるバンドにおける駒体の連結構造であって、
前記駒体の前記凸部内から外部に向かって出没可能であって隣接する前記駒体の前記凹部内に挿入されることで前記駒体同士を係止する連結突起が設けられ、この連結突起が互いに反対方向に向くように配置されて、回動することにより前記連結突起が前記凸部から突出する突出状態と前記連結突起が前記凸部内に没する没状態とをとり得る第1の移動部材及び第2の移動部材と、
前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材の間であって、前記駒体における前記凸部側に配置され、前記連結突起が前記凸部から突出する方向に前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材を付勢する付勢部材と、
操作子が挿入される挿入孔と、
前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材の間であって、前記駒体の連結方向に沿って形成され、前記操作子が前記挿入孔から挿入されたときに前記操作子が挿入される挿入溝と、
を備え、
前記操作子が前記挿入孔から前記挿入溝に挿入されたときに、前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材が前記付勢部材の付勢力に抗して回動することで前記連結突起が前記没状態となり前記駒体同士の連結が解除されるように構成されていることを特徴とする駒体の連結構造。
<請求項2>
前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材は、前記駒体の外部枠体と当接し、この当接点を支点として回動することを特徴とする請求項1に記載の駒体の連結構造。
<請求項3>
前記第1の移動部材及び前記第2の移動部材は、前記挿入孔に対向する部分に、第1の傾斜面と第2の傾斜面を有し、第1の傾斜面と第2の傾斜面が向かい合うことにより、前記挿入溝を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の駒体の連結構造。
【符号の説明】
【0033】
1 バンド
2 駒体
3 駒体着脱用冶具
31 ベース部
32 軸部
33 垂設部
21 凸部
22 凹部
23 外部枠体
24 内部枠体
25 第1の移動部材
26 第2の移動部材
27 コイルスプリング
G 挿入溝
P 当接点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7