特許第5962421号(P5962421)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5962421
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】清掃具
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/22 20060101AFI20160721BHJP
   A47L 13/10 20060101ALI20160721BHJP
   A47L 13/20 20060101ALI20160721BHJP
   A47L 13/08 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   A47L13/22
   A47L13/10 E
   A47L13/20 B
   A47L13/08
   A47L13/10 D
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-229626(P2012-229626)
(22)【出願日】2012年10月17日
(65)【公開番号】特開2014-79404(P2014-79404A)
(43)【公開日】2014年5月8日
【審査請求日】2015年1月22日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成24年7月2日レック株式会社東京本社内展示場における新製品内見会に公開
(73)【特許権者】
【識別番号】390020019
【氏名又は名称】レック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096862
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 千春
(72)【発明者】
【氏名】大串 修二
(72)【発明者】
【氏名】磯川 由美
【審査官】 伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−031342(JP,U)
【文献】 実開昭61−105029(JP,U)
【文献】 実開昭52−062969(JP,U)
【文献】 実開平03−113633(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3035373(JP,U)
【文献】 実開昭58−126025(JP,U)
【文献】 特開2009−160168(JP,A)
【文献】 特開2003−310515(JP,A)
【文献】 特開2005−074111(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3131161(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 1/00−17/08
A46D 1/00−99/00
A47L 1/00−4/04
11/00−13/62
A61C 17/22−17/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃ヘッドの表面に設けられてサッシなどのレールおよび溝を清掃する複数の清掃体と、上記清掃ヘッドの裏面に着脱自在に設けられた把持部とを備えた清掃具において、
上記清掃ヘッドは、上記表裏面に貫通する孔部を有し、
上記複数の清掃体は、各々板状弾性部材であるスポンジの表面に全面にわたってブラシ部材からなるブラシ層が設けられ、上記ブラシ層を外面側に位置させて面外方向にU字状に折曲されているとともに、互いの上記ブラシ部材を当接させて並列に配設され、かつ各々の上記U字状の両端部が上記清掃ヘッドの表面に固着され
上記把持部は、有底円筒状に形成されているとともに、その開口部の内部が上記孔部に連通するように上記裏面に取り付けられ、上記把持部内に液体を充填することにより、当該液体が上記孔部を介して上記清掃体に浸透することを特徴とする清掃具。
【請求項2】
上記清掃ヘッドの上記孔部と上記把持の上記開口部の内部との間に、軟質材からなり、かつ中心部に十字状の切込が形成されて当該把持部に充填された液体の上記清掃体への流出を制限する円盤状の制御部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の清掃具。
【請求項3】
上記清掃ヘッドには、当該清掃ヘッド側から上記清掃体側に突出可能なヘラ部材が回動自在に収納されていることを特徴とする請求項1または2に記載の清掃具。
【請求項4】
上記清掃ヘッドは、内部が上記孔部に連通された接続部材が上記裏面に設けられているとともに、当該接続部材の先端部に上記把持部の開口部が螺合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシのレールおよび溝を清掃するための清掃具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、サッシのレールおよび溝は、建物の窓枠に一体的に設けられ、ガラス窓の天地が各々当該レールに摺動可能に嵌め込まれて、当該ガラス窓を開閉可能にしている。このサッシのレールおよび溝は、塵や埃などが溜まりやすく、また雨などで塵や埃が水分を吸収して粘土質になるとともに、乾燥することにより固化して、レールや溝の内部にこびり付いてしまう。
【0003】
このサッシのレールおよび溝は、溜まったいる塵や埃を箒や雑巾などを用いて取り除くことができるが、固化してこびり付いた塵や埃は、容易に取り除くことができない。また、複数本あるレールおよび溝を一列ごと清掃することになり、多数の窓がある建屋では、手間が掛かってしまう。
【0004】
そこで、サッシのレールおよび溝を清掃する清掃具としては、例えば、下記特許文献1において、ハンドルを兼ねる払拭体ホルダ−と、このホルダーに保持されて該ホルダーから前方に向けて延出し、互いに重なり合いかつ弾力的に開閉自在の複数の払拭体とからなり、上記払拭体は、弾性変形可能な補強用心材の回りを柔軟な布部材で覆った構造をしていて、互いの重合面および非重合面をそれぞれ払拭作業面とし、相互間にサッシのレール部分を挟持可能であるとともに、相互に重合した状態でサッシの溝内に挿入可能な厚さを有し、上記重合面および非重合面からなる払拭作業面を使い分けることによって上記サッシのレール部分と溝部分とを清掃可能なサッシ用クリーナーが提案されている。
【0005】
この従来のサッシ用クリーナーは、重なり合う上記払拭体の間に、サッシのレール部分を弾力的に挟持して擦ることにより、当該レール部分を清掃することができる。また、複数の上記払拭体を相互に重合した状態で、サッシの溝内に挿入して擦ることにより、複数本ある当該溝を同時に清掃することができる。
【0006】
しかしながら、サッシのレールや溝は雨や風の影響を受けやすく、塵や埃などが溜まりやすく、また溜まった塵や埃が雨により水分を含み粘土質になり、それが乾燥することにより固化して、レールや溝にこびり付いてしまうため、上記従来のサッシ用クリーナーでは、上手く取り除くことができないという問題がある。
【0007】
また、特に溝の角隅部に固化してこびり付いた塵や埃は、上記従来のサッシ用クリーナーの上記払拭体で擦ったとしても、当該払拭体が固化してこびり付いた塵や埃上面を舐める程度になってしまい、綺麗に取り除くことが難しいという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−74111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、複数が並列に配置されたサッシのレールおよび溝に、固化してこびり付いた塵や埃なども容易に取り除くことが可能な清掃具を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、清掃ヘッドの表面に設けられてサッシなどのレールおよび溝を清掃する複数の清掃体と、上記清掃ヘッドの裏面に着脱自在に設けられた把持部とを備えた清掃具において、上記清掃ヘッドは、上記表裏面に貫通する孔部を有し、上記複数の清掃体は、各々板状弾性部材であるスポンジの表面に全面にわたってブラシ部材からなるブラシ層が設けられ、上記ブラシ層を外面側に位置させて面外方向にU字状に折曲されているとともに、互いの上記ブラシ部材を当接させて並列に配設され、かつ各々の上記U字状の両端部が上記清掃ヘッドの表面に固着され、上記把持部は、有底円筒状に形成されているとともに、その開口部の内部が上記孔部に連通するように上記裏面に取り付けられ、上記把持部内に液体を充填することにより、当該液体が上記孔部を介して上記清掃体に浸透することを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記清掃ヘッドの上記孔部と上記把持の上記開口部の内部との間に、軟質材からなり、かつ中心部に十字状の切込が形成されて当該把持部に充填された液体の上記清掃体への流出を制限する制御部材が設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
そして、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記清掃ヘッドには、当該清掃ヘッド側から上記清掃体側に突出可能なヘラ部材が回動自在に収納されていることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、上記清掃ヘッドは、内部が上記孔部に連通された接続部材が上記裏面に設けられているとともに、当該接続部材の先端部に上記把持部の開口部が螺合されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1〜に記載の本発明によれば、清掃ヘッドが表裏面に貫通する孔部を有しているとともに、複数の清掃体が各々吸水性を有する板状弾性部材を面外方向にU字状に折曲させ、かつ互いの外面を当接させて並列に配設して、各々の基端部を上記清掃ヘッドの表面に取り付けているとともに、把持部が有底円筒状に形成され、かつその開口部の内部を上記孔部に連通するように上記裏面に取り付けているため、上記把持部に液体を充填して、当該液体を上記開口部から上記孔部を介して、上記清掃体に浸透させることにより、サッシのレールおよび溝に固化してこびり付いた塵や埃を液化させて、上記清掃体により取り除くことができる。これにより、汚れやすいサッシのレールおよび溝を簡便に清掃することができる。
【0016】
また、各々吸水性を有する板状弾性部材を面外方向にU字状に折曲させた上記複数の清掃体を互いの外面が当接するように並列に配設し、かつ各々の基端部を上記清掃ヘッドの表面に取り付けているため、上記複数の清掃体の隣接面間に、サッシのレールを挿入することにより、当該複数の清掃体が弾性変形して、当該レールを確実に挟持することができるとともに、当該複数の清掃体の先端が上記サッシの溝に当接させることができる。この結果、上記サッシのレールおよび溝に沿って、上記清掃体を擦ることにより、上記サッシのレールおよび溝を同時に清掃することができる。
【0017】
請求項2に記載の本発明によれば、上記清掃ヘッドの孔部と上記把持部の上記開口部の内部との間に、当該把持部に充填された液体の流出を制限する制御部材が設けられているため、上記把持部内に充填された液体が上記清掃体に浸透する際に、大量の当該液体が上記清掃体側に流出してしまうことを防ぐことができる。これにより、汚れの程度に応じて、適当な水分量で清掃することができる。
【0018】
請求項3に記載の本発明によれば、上記清掃ヘッドに、当該清掃ヘッド側から上記清掃体側に突出可能なヘラ部材が回動自在に収納されているため、上記サッシの溝の角隅部に固化してこびり付いた塵や埃を除去することができるとともに、上記清掃体での清掃の際に邪魔にならない。これにより、上記清掃体では除去しづらい上記溝の角隅部も簡便に清掃することができる。
【0019】
請求項4に記載の本発明によれば、上記清掃ヘッドに、内部が上記孔部に連通された接続部材が上記裏面に設けられているとともに、当該接続部材の先端部に、上記把持部の開口部が螺合されているため、上記把持部を上記清掃ヘッドに対して傾斜して取り付けることができるとともに、当該接続部材内に上記把持部内に充填した液体を一旦貯留することにより、上記清掃体への当該液体の浸透を抑制することができ、さらに、当該把持部内に上記液体を充填しても、上記接続部材と上記把持部との接続部分での当該液体の漏れを確実に防ぐことができる。
【0020】
請求項1〜4のいずれかに記載の本発明によれば、上記清掃体が、スポンジとブラシ部材の組み合わせにより形成されているため、当該清掃体によって上記レールおよび溝を擦ることにより、こびり付いた塵や埃を当該ブラシ部材で掻き取り、掻き取った塵や埃をスポンジで拭い取ることができ、さらに容易に汚れを落とすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の清掃具の一実施形態を示す右側面図である。
図2】本発明の清掃具の一実施形態を示す正面図である。
図3図1の一部を断面にした部分断面図である。
図4】本発明の清掃ヘッドを示し、(a)平面図、(b)は右側面図、(c)は底面図、(d)は正面図、(e)は背面図である。
図5図4(d)のA−A断面図である。
図6】本発明の清掃ヘッドに清掃体を取り付ける支持部材を示し、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は底面図、(d)は正面図である。
図7】本発明の清掃ヘッドの取付部に取り付ける清掃体を示し、(a)は清掃体を展開した平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は(a)の破線部分で折り重ねた状態の側面図、(d)は(c)の正面図である。
図8】本発明の清掃ヘッドの接続部材に取り付けるヘラ部材を示し、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は底面図、(d)は正面図、(e)は(b)のA−A断面図である。
図9】本発明の清掃ヘッドの接続部材に螺合させる把持部を示し、(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は底面図、(d)は正面図である。
図10】本発明の清掃ヘッドの取付部と把持部の開口部との間に設けられる制御部材を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1図3に示すように、本発明の一実施形態の清掃具1は、サッシsなどのレールrおよび溝mを清掃する清掃体3と、この清掃体3が表面2aに設けられた清掃ヘッド2と、この清掃ヘッド2の裏面2bに接続部材5を介して着脱自在に設けられた把持部6とを備えて概略構成されている。
【0023】
ここで、清掃ヘッド2は、図4および図5に示すように、平面視において長方形に形成された取付部4が設けられている。この取付部4は、表面2a側に全面が開口された取付凹部4aが形成されている。この取付凹部4aは、短手方向の対向する壁面の各々に、角状の係止孔部4bが穿設されている。この係止孔部4bは、各々の当該壁面の長手方向に間隔をおいて2箇所穿設されている。
【0024】
そして、清掃ヘッド2の裏面2b側に、接続部材5が設けられている。この接続部材5は、円筒状に形成されているとともに、裏面2bに対して約30°傾斜して一体に形成されている。また、接続部材5の先端部5a側の内周面には、雌ネジ5bが螺設されているとともに、当該先端部5a側が基端部5c側よりも外径寸法が大きく形成されている。
【0025】
さらに、接続部材5の内部には、先端部5aと基端部5cとの間に、仕切り板5eが内設されている。この仕切り板5eは、中心部に貫通孔が形成されている。また、この仕切り板5eの先端部5a側には、図3に示すように、制御部材9が配設されている。この制御部材9は、図10に示すように、軟質材、例えば、シリコーン樹脂からなり、円盤状に形成されている。そして、制御部材9の中心部には、十字状の切込9aが形成されている。
【0026】
また、接続部材5の基端部5c側に、ヘラ部材7を収納する溝部5dが形成されている。この溝部5dは、取付部4の先端部4cから接続部材5の外周の軸線方向に沿って形成されているとともに、取付部4の先端部4c側の両側面に突起部4dが対向配置されている。
【0027】
そして、ヘラ部材7は、図8に示すように、細長の板状に形成されている。このヘラ部材7の基端部7aに、当該ヘラ部材7が収納される溝部5dの突起部4dに係合される係止凹部7cが形成されている。この係止凹部7cは、ヘラ部材7の短手方向に延設されているとともに、内周面が円弧状に形成されている。この係止凹部7cが、溝部5dの突起部4dに係合されて、ヘラ部材7が清掃ヘッド2に回動自在に設けられている。
【0028】
さらに、ヘラ部材7の先端部7bは、先端に向かって厚さ寸法が薄くなるように漸次傾斜し、側面視においてテーパ状に形成されている。また、ヘラ部材7の基端部7aを支点に回動させて、清掃ヘッド2から突出させた際の上面の中央部に、当該上面の長手方向に間隔をおいて複数(図では3つ)の突起が形成されている。
【0029】
また、接続部材5の先端部5a側には、把持部6が着脱自在に設けられている。この把持部6は、図9に示すように、有底円筒状に形成されているとともに、開口部6a側の外周面に雄ネジ6bが螺設されている。この雄ネジ6bは、接続部材5の先端部5a側の内周面に螺設された雌ネジ5bに螺合されている。そして、把持部6の底部6d側には、当該把持部6の外周面から突出した吊下げ部6cが一体に設けられている。この吊下げ部6cは、平板状に形成されているとともに、貫通孔6eが穿設されている。
【0030】
そして、取付部4の表面2a側の取付凹部4aに、支持部材8が挿入されている。この支持部材8は、図6に示すように、長方形の天板部8aと、この天板部8aの短手方向の端部に側壁部8bとにより構成され、正面視において門型状に形成されている。
【0031】
さらに、支持部材8の天板部8aの中央には、孔部10が穿設されている。この孔部10は、短手方向に等間隔に複数(図では3箇所)穿設されている。なお、この孔部10によって、支持部材8を取付部4の取付凹部4aに挿入した際に、取付部4の表裏面2a、2bを貫通することになる。
【0032】
また、支持部材8の側壁部8bの外面には、取付部4の取付凹部4aの壁面に穿設された係止孔部4bに係合される係止突起8dが形成されている。この係止突起8dは、側壁部8bの長手方向に間隔を置いて2箇所形成され、支持部材8を取付部4の取付凹部4aに挿入した際に、係止孔部4bに係合される。
【0033】
さらに、支持部材8の各々の側壁部8bには、清掃体3を取り付けるための取付孔8cが穿設されている。この取付孔8cは、側壁部8bの長手方向に間隔を置いて2箇所穿設されている。
【0034】
また、支持部材8の側壁部8b間には、清掃体3が配設されている。この清掃体3は、図7(a)および(b)に示すように、板状に形成されているとともに、平面視においてホームベース状に形成されている。また、清掃体3は、吸水性を有する板状弾性部材であるスポンジ3cとブラシ部材3dの組み合わせにより形成されているとともに、破線部3bを間に対向する端部側に、各々孔部3aが穿設されている。
【0035】
そして、清掃体3は、図7(c)および(d)に示すように、破線部3bを境に面外方向にU字状に折曲されているとともに、図2に示すように、複数(図では3つ)の清掃体3を互いの外面を当接させて、支持部材8の側壁部8b間に並列に配設されている。
【0036】
さらに、支持部材8の側壁部8bに穿設された取付孔8cと、清掃体3の基端部の各々の孔部3aにピン11が挿通されて、当該支持部材8が清掃ヘッド2の取付部4の取付凹部4aに挿入されて、当該取付部4に清掃体3が固着されている。
【0037】
以上の構成による清掃具1を用いて、サッシsのレールrおよび溝mを清掃するには、まず、図1に示す清掃具1の清掃ヘッド2から把持部6を取り外す。この際、把持部6は、清掃ヘッド2の裏面2bに一体に設けられた接続部材5の先端部5a側に螺合されているため、把持部6を軸線回りに回転させて取り外す。
【0038】
そして、取り外した把持部6に水を充填する。なお、サッシsのレールrおよび溝mの汚れが酷い場合には、液体洗剤などを充填する。そして、把持部6の開口部6aの外周面に螺設された雄ネジ6bを接続部材5の先端部5aの内周面に螺設された雌ネジ5bに螺合させて、把持部6を清掃ヘッド2に取り付ける。
【0039】
次いで、図2に示すように、清掃ヘッド2の表面2a側の取付部4に並列に配設された清掃体3の隣接面間にレールrを挿入するとともに、溝mの底面に清掃体3の先端を当接させる。その際、清掃体3は、把持部6に充填された水または液体洗剤が、当該把持部6の開口部6aより接続部材5を介して支持部材8の孔部10から清掃体3に浸透される。
【0040】
なお、接続部材5内の先端部5aと基端部5cとの仕切り板5eの当該先端部5a側に設けられた制御部材9により、上記水または液体洗剤の流量が制限されるため、スポンジ3cとブラシ部材3dの組み合わせにより形成された吸水性を有する板状弾性部材を面外方向にU字状に折曲された清掃体3に、上記水または液体洗剤が適量浸透される。
【0041】
そして、清掃体3に上記水または液体洗剤が浸透した状態で、清掃具1をレールrおよび溝mに沿って移動させる。これにより、レールrの両側面および溝mの底面に付着した塵や埃が、清掃体3のブラシ部材3dにより剥ぎ取られるとともに、スポンジ3cにより拭い取られる。この際、清掃体3は上記水または液体洗剤により、レールrおよび溝mに固化してこびり付いた塵や埃が液化させることになる。
【0042】
さらに、レールrを清掃する際に、吸水性を有する板状弾性部材からなる清掃体3を面外方向にU字状に折曲させるとともに、互いの外面を当接させて取付部4に並列に配置したことにより、当該レールrを清掃体3の隣接面に挿入することにより、当該清掃体3が弾性変形し、レールrをしっかりと挟持して、当該レールrの両側面を同時に清掃することになる。
【0043】
また、溝mの角隅部などに、塵や埃が固化してこびり付き、清掃体3では取り除くことが出来ない場合には、接続部材5の溝部5dに収納されているヘラ部材7を、その基端部7aを支点に回動させて、清掃ヘッド2から清掃体3側の外方に突出させる。そして、ヘラ部材7を指で押さえながら、先端部7bを溝mの上記角隅部に当接させて、固化してこびり付いた塵や埃を当該角隅部から剥離させる。
【0044】
そして、上記角隅部の清掃が全て終了したら、ヘラ部材7を回動させて、接続部材5の溝部5dに収納する。なお、ヘラ部材7によって、溝mの角隅部から剥離した塵や埃は、清掃体3により拭い取るか、また掃除機などにより吸引して取り除く。
【0045】
さらに、サッシsのレールrおよび溝mの清掃が終了したら、清掃具1を洗浄する。その際、清掃ヘッド2に取り付けられた清掃体3に付着した塵や埃、液体洗剤などを水洗いして洗浄する。
【0046】
また、把持部6内に残った水や液体洗剤を処分して綺麗に洗浄するとともに、清掃ヘッド2の表面2a側および接続部材5の内部、ヘラ部材7などを綺麗に洗浄する。また、保管などの際には、清掃ヘッド2に清掃体3および把持部6を取り付けた状態まま、当該把持部6の底部6d側に設けられた吊下げ部6cの貫通孔6eをフックなどに引っ掛けて吊るす。
【0047】
上述の実施形態による清掃具1によれば、清掃ヘッド2が表裏面2a、2bに貫通する孔部10を有しているとともに、複数の清掃体3が各々吸水性を有する板状弾性部材を面外方向にU字状に折曲させ、かつ互いの外面を当接させて並列に配設して、各々の基端部を清掃ヘッド2の取付部4に取り付けているとともに、把持部6が有底円筒状に形成され、かつその開口部6aの内部を孔部10に連通するように裏面2bに取り付けているため、把持部6に液体を充填して、当該液体を開口部6aから孔部10を介して、清掃体3に浸透させることにより、サッシsのレールrおよび溝mに固化してこびり付いた塵や埃を液化させて、清掃体3により取り除くことができる。これにより、汚れやすいサッシsのレールrおよび溝mを簡便に清掃することができる。
【0048】
また、各々吸水性を有する板状弾性部材を面外方向にU字状に折曲させた複数の清掃体3を互いの外面が当接するように並列に配設し、かつ各々の基端部を清掃ヘッド2の取付部4aに取り付けているため、清掃体3の隣接面間に、サッシsのレールrを挿入することにより、複数の清掃体3が弾性変形して、当該レールrを確実に挟持することができるとともに、複数の清掃体3の先端がサッシsの溝mに当接させることができる。この結果、サッシsのレールrおよび溝mに沿って、清掃体3を擦ることにより、サッシsのレールrおよび溝mを同時に清掃することができる。
【0049】
そして、支持部材8の孔部10と把持部6の開口部6aの内部との間に、当該把持部6に充填された水または液体洗剤の流出を制限する制御部材9が設けられているため、把持部6内に充填された水または液体洗剤が、清掃体3に浸透する際に、大量の当該水または液体洗剤が清掃体3側に流出してしまうことを防ぐことができる。これにより、上記水または液体洗剤がサッシsの溝m内に溜まってしまうことを防ぎ、余分な上記水または液体洗剤を清掃後に、溝m内から取り除く手間を省くことができる。
【0050】
さらに、清掃ヘッド2に、内部が支持部材8の孔部10に連通された接続部材5が、裏面2bに設けられているとともに、当該接続部材5の先端部5aに、把持部6の開口部6aが螺合されているため、把持部6を清掃ヘッド2に対して傾斜して取り付けることができるとともに、当該接続部材5内に把持部6内に充填した水または液体洗剤を一旦貯留することにより、清掃体3への当該水または液体洗剤の浸透を抑制することができ、かつ当該把持部6内に上記水または液体洗剤を充填しても、接続部材5と把持部6との接続部分において、当該水または液体洗剤の漏れを確実に防ぐことができる。
【0051】
また、接続部材5に、清掃ヘッド2側から清掃体3側に突出可能なヘラ部材7が回動自在に収納されているため、サッシsの溝mの角隅部に固化してこびり付いた塵や埃を除去することができるとともに、清掃体3での清掃の際に邪魔にならない。これにより、清掃体3では除去しづらい溝mの角隅部も簡便に清掃することができる。
【0052】
そして、清掃体3が、スポンジ3cとブラシ部材3dの組み合わせによって形成されているため、当該清掃体3によってレールrおよび溝mを擦ることにより、固化してこびり付いた塵や埃を当該ブラシ部材で掻き取り、掻き取った塵や埃を上記スポンジで拭い取ることができ、さらに容易にサッシsのレールrおよび溝mの汚れを落とすことができる。
【0053】
なお、上記実施の形態において、把持部6を接続部材5の先端部側に、螺合させて着脱自在に取り付ける場合のみ説明したが、これに限定されるものでなく、例えば、接続部分にゴムやシリコーンなどの軟質材を介在させて、付勢部材によって当該接続部を密着させても対応可能である。
【0054】
また、接続部材5の先端部5aの内周面に螺設された雌ネジ5bは、把持部6の開口部6aの外周面に螺設された雄ネジ6bと螺合させる場合のみ説明したが、これに限定されるものでなく、例えば、この雌ネジ5bを規格が統一されているペットボトルの開口部の外周面に螺設された雄ネジに螺合するように形成し、把持部6に代えて、ペットボトルを装着しても対応可能である。なお、この場合、把持部6の開口部6aの外周面に螺設された雄ネジ6bも上記ペットボトルの開口部の外周面に螺設された雄ネジと同一の形状に形成することになる。
【0055】
さらに、清掃体3が取り付けられている支持部材8を清掃ヘッド2に一体的に固着する場合のみ説明したが、これに限定されるものでなく、例えば、清掃体3の交換をために、掃ヘッド2の取付部4から支持部材8を着脱自在に取り付けても対応可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
サッシなどのレールおよび溝を清掃する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 清掃具
2 清掃ヘッド
2a 表面
2b 裏面
3 清掃体
3c スポンジ
3d ブラシ部材
4 取付部
4a 開口
4b 係止孔
5 接続部材
5a 先端部
5b 雌ネジ
6 把持部
6a 開口部
6b 雄ネジ
7 ヘラ部材
7a 基端部
7b 先端部
8 支持部材
8a 天板部
8b 側壁部
8c 取付孔
8d 係止突起
9 制御部材
10 孔部
11 ピン
図1
図2
図3
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図10