(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記給炭開始時ガス流量制御手段は、前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントにおける熱収支の計算と、前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントにおけるガスの収支の計算と、を行って、前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントにおける前記操業条件を目標値に維持するために前記熱風発生装置に与える必要がある燃焼ガスの流量を前記一定の流量として導出することを特徴とする請求項1に記載の粉砕プラント温度制御装置。
前記熱収支の計算は、前記熱風発生装置により発生する熱量と、前記排ガスを循環させるためのファンで発生する熱量との和が、前記ガスのそれぞれを前記ミル出口温度の目標値まで加熱するのに必要な熱量と、前記原料を前記ミル出口温度まで加熱するのに必要な熱量と、前記原料に含まれる水分を液相から気相にするのに必要な熱量と、前記原料に含まれる水分を前記ミル出口温度まで加熱するのに必要な熱量との和に等しくなる計算であり、
前記ガスの収支の計算は、前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントの前記経路内に存在する空気の流量の合計値を、前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントに注入されるガスの流量と前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントで発生するガスの流量と前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントで発生する水蒸気の流量との合計値で割った値に大気中における空気の存在割合を掛けた値が、前記経路内の酸素濃度に等しくなる計算であることを特徴とする請求項2又は3に記載の粉砕プラント温度制御装置。
前記操業条件は、前記ミルに供給する原料の量と、前記ミル出口温度と、前記経路の内部の位置であって、前記捕集機の出口側の所定の位置における前記排ガスの流量であるバグ出口排ガス流量と、前記経路内の酸素濃度と、を含むことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の粉砕プラント温度制御装置。
前記給炭開始時ガス流量制御手段は、前記ヒートアップが終了した後、一定時間が経過しても、前記ミル出口温度が目標値又は目標値付近の所定値まで低下しない場合には、前記燃焼ガスの流量の制御を停止し、
前記定常時ガス流量制御手段は、前記ヒートアップが終了した後、一定時間が経過しても、前記ミル出口温度が目標値又は目標値付近の所定値まで低下しない場合には、前記ミル出口温度の測定値を目標値にすることを所定のタイミングで行うことと、前記ミル出口温度の測定値の最新の目標値に対する偏差に基づいて、前記ミル出口温度の測定値が目標値に近づくように、前記熱風発生装置で前記排ガスを発生させるための燃焼ガスの流量を制御することと、を、前記ミル出口温度が目標値又は目標値付近の所定値まで低下するまで行うことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の粉砕プラント温度制御装置。
前記ミル出口温度の測定値の目標値に対する偏差に基づいて、前記ミル出口温度の測定値が目標値に近づくように、前記熱風発生装置で前記排ガスを発生させるための燃焼ガスの流量を制御することがPID制御により実行されることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の粉砕プラント温度制御装置。
前記給炭開始時ガス流量制御工程は、前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントにおける熱収支の計算と、前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントにおけるガスの収支の計算と、を行って、前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントにおける前記操業条件を目標値に維持するために前記熱風発生装置に与える必要がある燃焼ガスの流量を前記一定の流量として導出することを特徴とする請求項8に記載の粉砕プラント温度制御方法。
前記熱収支の計算は、前記熱風発生装置により発生する熱量と、前記排ガスを循環させるためのファンで発生する熱量との和が、前記ガスのそれぞれを前記ミル出口温度の目標値まで加熱するのに必要な熱量と、前記原料を前記ミル出口温度まで加熱するのに必要な熱量と、前記原料に含まれる水分を液相から気相にするのに必要な熱量と、前記原料に含まれる水分を前記ミル出口温度まで加熱するのに必要な熱量との和に等しくなる計算であり、
前記ガスの収支の計算は、前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントの前記経路内に存在する空気の流量の合計値を、前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントに注入されるガスの流量と前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントで発生するガスの流量と前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントで発生する水蒸気の流量との合計値で割った値に大気中における空気の存在割合を掛けた値が、前記経路内の酸素濃度に等しくなる計算であることを特徴とする請求項9又は10に記載の粉砕プラント温度制御方法。
前記操業条件は、前記ミルに供給する原料の量と、前記ミル出口温度と、前記経路の内部の位置であって、前記捕集機の出口側の所定の位置における前記排ガスの流量であるバグ出口排ガス流量と、前記経路内の酸素濃度と、を含むことを特徴とする請求項9〜11の何れか1項に記載の粉砕プラント温度制御方法。
前記給炭開始時ガス流量制御工程は、前記ヒートアップが終了した後、一定時間が経過しても、前記ミル出口温度が目標値又は目標値付近の所定値まで低下しない場合には、前記燃焼ガスの流量の制御を停止し、
前記定常時ガス流量制御工程は、前記ヒートアップが終了した後、一定時間が経過しても、前記ミル出口温度が目標値又は目標値付近の所定値まで低下しない場合には、前記ミル出口温度の測定値を目標値にすることを所定のタイミングで行うことと、前記ミル出口温度の測定値の最新の目標値に対する偏差に基づいて、前記ミル出口温度の測定値が目標値に近づくように、前記熱風発生装置で前記排ガスを発生させるための燃焼ガスの流量を制御することと、を、前記ミル出口温度が目標値又は目標値付近の所定値まで低下するまで行うことを特徴とする請求項8〜12の何れか1項に記載の粉砕プラント温度制御方法。
前記ミル出口温度の測定値の目標値に対する偏差に基づいて、前記ミル出口温度の測定値が目標値に近づくように、前記熱風発生装置で前記排ガスを発生させるための燃焼ガスの流量を制御することがPID制御により実行されることを特徴とする請求項8〜13の何れか1項に記載の粉砕プラント温度制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態では、負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントが、高炉への微粉炭の吹込み(PCI;Pulverized Coal Injection)を行うために石炭を粉砕する、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントである場合を例に挙げて説明する。
【0013】
(負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの構成)
図1は、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの構成の一例を示す図である。
図1において、各構成要素を繋ぐ実線は配管を示し、破線は信号の伝達経路を示す。また、矢印線は、配管内のガスや石炭の進行方向を示す。尚、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの構成は、例えば、特許文献1に記載の技術等の公知の技術で実現できるので、ここでは、各構成について簡単に説明し、詳細な説明を省略する。
【0014】
図1において、熱ガス発生装置(HGG)101は、1つ又は複数のバーナーを有し、燃焼ガス及び燃焼エア(空気)をバーナーへの入力として、バーナーの空燃比を制御し、排ガス(熱風)を発生させる。排ガスの酸素濃度は略0(ゼロ)%である。本実施形態では、燃焼ガスとしてBFG(Blast Furnace Gas)を利用する。空燃比制御は、後述するようにして粉砕プラント温度制御装置200から送信されるバーナー負荷と、バーナーに供給されている燃料ガス及び燃焼エアの流量とを入力として、空燃比を制御(例えばフィードバック制御)して、バーナーに供給する燃焼ガス・燃焼エアの流量を調整する弁の開度をそれぞれ調整することにより行われる。ここで、バーナー負荷とは、バーナーに供給できる燃焼ガスの流量の最大値に対する、バーナーに供給する燃焼ガスの流量の割合を示すものである。尚、燃焼エアは、燃焼エアファン102により熱ガス発生装置101に送り込まれる。また、空燃比制御は、熱ガス発生装置(HGG)101に備わっているプログラマブルロジックコントローラ(PLC)等を用いることにより公知の技術で実現できるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0015】
バンカー103は、原料である石炭を貯蔵する。
給炭機104は、チェーンコンベアを有し、バンカー103内に貯蔵されている石炭をチェーンコンベアにより切り出してミル105に投入する。
ミル105は、給炭機104から投入された石炭を粉砕する粉砕機である。ミル105の入側の位置における圧力が負圧に保たれるようにすることにより、ミル105の内部の圧力は負圧に保たれる。ミル105は、例えば、ロールミル105aと粉砕テーブル105bとを有する。ミル105の上部から投入された石炭をロールミル105aと粉砕テーブル105bとの間に供給する。回転している粉砕テーブル105bに対してロールミル105aを押し付けながら回転させることにより、石炭は押し潰されて粉砕される。粉砕された石炭は、熱ガス発生装置101から供給された排ガスの流れにのって、ミル105の上部に供給され、分級機で分級された後、外部に放出される。
【0016】
この際、シールエアファイン106からミル105の内部(粉砕テーブル105bの軸受部)の隙間にシールエアを供給することにより、その隙間から外部に放出されようとする微粉炭を、熱ガス発生装置101から供給された排ガスの流れに押し戻す。ミル105の内部の圧力がシールエアの圧力未満になるように、シールエアの流速が定められる。このように、シールエアは、粉砕テーブル105bの軸受部に微粉炭が進入し、その結果として、粉砕テーブル105bの軸受部の潤滑不良が起こることと、粉砕テーブル105bの軸受部から外部に放出されることとを防止するためのものである。
ミル出口温度計110は、ミル105の出口側の所定の位置における(配管内の(微粉炭の))温度を測定する。
以下の説明では、「ミル105から外部に放出された粉砕後の石炭」を必要に応じて「微粉炭」と称する。また、「ミル105の出口側の所定の位置における温度」を必要に応じて「ミル出口温度」と称する。
【0017】
バグフィルター107は、ミル105から放出された微粉炭を、濾布を用いて捕集する濾過式の捕集機である。ミル105と同様に、バグフィルター107の内部の圧力も負圧に保たれている。微粉炭以外の異物がバグフィルター107で捕集されることがある。異物除去装置108は、この異物を除去するためのものである。このように異物除去装置108で異物が除去された後、リザーバタンク109に微粉炭が貯蔵される。リザーバタンク109に貯蔵された微粉炭は、高炉の羽口から高炉の内部に吹き込まれる(微粉炭吹き込みが行われる)。
【0018】
ベンチュリ管111は、バグフィルター107を通過した排ガスの流量を測定する。
ダンパー112は、バグフィルター107を通過した排ガスの流量を調整する。
循環ファン113は、ダンパー112を通過した排ガスを熱ガス発生装置101に循環させることができるように、排ガスを昇圧する。
循環ファン113により昇圧された排ガスの一部(放散ガス)は、煙突114を介して大気中に放出される。放散系圧力調整弁115は、このようにして大気中に放出される排ガスの圧力を調整するためのものである。
【0019】
循環系圧力調整弁116は、循環ファン113により昇圧された排ガスのうち、煙突114を介して大気中に放出されずに熱ガス発生装置101に循環させる排ガスの圧力を調整するためのものである。このようにして、熱ガス発生装置101で発生した排ガスは、循環ガスとして再び熱ガス発生装置101に供給され、熱ガス発生装置101、ミル105、バグフィルター107、ベンチュリ管111、ダンパー112、循環ファン113、循環系圧力調整弁116、熱ガス発生装置101の経路を循環する。
【0020】
本実施形態では、大気中の空気(希釈エア)を、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに供給するようにしている。オリフィス流量計117は、この希釈エアの流量を調整する。エア流量調整弁118は、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに供給されるエアの流量を調整するためのものである。希釈エアファン119は、エア流量調整弁118で流量が調整された希釈エアを昇圧し、希釈エアを熱ガス発生装置101の入側の配管に押し込む。これにより、循環ガスの酸素濃度を大きくすることができる。
粉砕プラント温度制御装置200は、ミル出口温度計110で測定されたミル出口温度を入力し、ミル出口温度の測定値の目標値に対する偏差を導出する。そして、粉砕プラント温度制御装置200は、導出した偏差に対してP動作、I動作、及びD動作を行って(すなわちPID制御を行って)、導出した偏差が0(ゼロ)になるようなバーナー負荷を導出して熱ガス発生装置101に出力する。
【0021】
ただし、本実施形態では、粉砕プラント温度制御装置200は、ヒートアップが終了して給炭を開始してから、ミル出口温度が目標値まで低下するまでの間の期間では、PID制御を行わない。その代わりに、粉砕プラント温度制御装置200は、後述する物質・熱収支モデルの計算を行ってバーナー負荷を導出し熱ガス発生装置101に出力する。熱ガス発生装置101は、給炭を開始してからミル出口温度が目標値に低下するまでの間の期間のバーナー負荷が、このバーナー負荷で一定になるように空燃比制御を行う。
また、本実施形態では、粉砕プラント温度制御装置200は、給炭を開始した後、ミル出口温度が目標値また低下すると、前述したPID制御に基づいて得られるバーナー負荷を熱ガス発生装置101に出力する。
さらに、本実施形態では、給炭量の設定値の制御が行われ、給炭量の設定値が(一時的に)変更されている間は、給炭量に応じたバーナー負荷を導出し、前述したPID制御に基づいて得られるバーナー負荷と、給炭量に応じたバーナー負荷とを加算したバーナー負荷を熱ガス発生装置101に出力する。すなわち、粉砕プラント温度制御装置200は、給炭量の設定値が(一時的に)変更されている間は、ミル出口温度の偏差に基づくフィードバック制御と、給炭量に基づくフィードフォワード制御とを組み合わせた制御を行う。
以下に、このような粉砕プラント温度制御装置200の機能の一例を詳細に説明する。
【0022】
(粉砕プラント温度制御装置200の機能構成)
図2は、粉砕プラント温度制御装置200の機能的な構成の一例を示す図である。前述したように、
図2に示す各部は、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)を用いることにより実現することができる。
<ミル出口温度目標値記憶部201>
ミル出口温度目標値記憶部201は、ミル出口温度の目標値を記憶する。このミル出口温度の目標値は、オペレータにより設定されるものである。本実施形態では、ミル出口温度目標値記憶部201は、ヒートアップ時のミル出口温度の目標値と、粉砕時のミル出口温度の目標値とをそれぞれ1つずつ記憶するものとする。粉砕開始時に原料(石炭)をミル105に供給することによりミル出口温度が低下することから、ヒートアップ時のミル出口温度の目標値が、粉砕時のミル出口温度の目標値を上回るようにする。本実施形態では、ヒートアップ時のミル出口温度の目標値を、粉砕時のミル出口温度の目標値よりも10[℃]高い温度にしている。
【0023】
<ミル出口温度偏差導出部202>
ミル出口温度偏差導出部202は、例えば、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの操業を管理する上位のコンピュータから送信される情報に基づいて、ヒートアップを開始するか否かを判定する。
この判定の結果、ヒートアップを開始する場合、ミル出口温度偏差導出部202は、ヒートアップ時のミル出口温度の目標値をミル出口温度目標値記憶部201から読み出す。そして、ミル出口温度偏差導出部202は、ミル出口温度の測定値から、ヒートアップ時のミル出口温度の目標値を減算して、ミル出口温度の測定値の目標値に対する偏差を導出し、導出した偏差をPID制御部204に出力して、PID制御部204に対してバーナー負荷の導出指令を行う。
その後、ミル出口温度偏差導出部202は、例えば、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの操業を管理する上位のコンピュータから送信される情報に基づいて、ヒートアップが終了した(給炭を開始する)か否かを判定する。ミル出口温度偏差導出部202は、ヒートアップが終了した(給炭を開始する)と判定するまで、ミル出口温度の測定値から、ヒートアップ時のミル出口温度の目標値を減算して、ミル出口温度の測定値の目標値に対する偏差を導出して、PID制御部204に対してバーナー負荷の導出指令を行うことを繰り返し行う。
【0024】
そして、ヒートアップが終了した(給炭を開始する)と判定すると、ミル出口温度偏差導出部202は、粉砕時のミル出口温度の目標値をミル出口温度目標値記憶部201から読み出す。そして、ミル出口温度偏差導出部202は、ミル出口温度の測定値から、粉砕時のミル出口温度の目標値を減算して、ミル出口温度の測定値の目標値に対する偏差を導出する。また、ミル出口温度偏差導出部202は、導出した偏差に基づいて、ミル出口温度の測定値が、ミル出口温度の目標値まで低下したか否かを判定する。
【0025】
この判定の結果、ミル出口温度の測定値が、ミル出口温度の目標値まで低下していない場合、ミル出口温度偏差導出部202は、導出した偏差をバーナー一定負荷導出部203に出力して、バーナー一定負荷導出部203に対してバーナー負荷の導出指令を行う。
一方、ミル出口温度の測定値が、ミル出口温度の目標値まで低下した場合、ミル出口温度偏差導出部202は、導出した偏差をPID制御部204に出力して、PID制御部204に対してバーナー負荷の導出指令を行う。
さらに、給炭を開始した後(ヒートアップが終了した後)、一定時間が経過しても、ミル出口温度の測定値が、ミル出口温度の目標値まで低下しない場合、ミル出口温度偏差導出部202は、ミル出口温度の測定値を目標値にすることを所定のタイミングで行い、ミル出口温度の測定値の最新の目標値に対する偏差を導出してPID制御部204に出力し、PID制御部204に対してバーナー負荷の導出指令を行う。このようにすることにより、ミル出口温度の目標値を、製品(微粉炭)の温度の目標値に、ランプ状に徐々に下降させることができる。尚、例えば、予め設定された時間(期間)が経過する度に前記所定のタイミングになるようにすることができる。
【0026】
<バーナー一定負荷導出部203>
バーナー一定負荷導出部203は、ミル出口温度偏差導出部202から出力されたバーナー負荷の導出指令を入力すると、原料(石炭)の給炭を開始してから、ミル出口温度の測定値が粉砕時の目標値に低下するまでの間の期間、物質・熱収支モデルの計算を行うことによりバーナー負荷を導出してバーナー負荷出力部207に出力する。
ここで、物質・熱収支モデルについて説明する。
[物質・熱収支モデル]
物質・熱収支モデルは、給炭量・製品(微粉炭)の温度(ミル出口温度)・バグ出口排ガス流量(バグフィルター107の出口側の位置における配管内の排ガスの流量)・配管内の酸素濃度のそれぞれを目標値に維持するのに必要なバーナー負荷を、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントにおける熱の収支のバランスとガスの収支のバランスとをとる計算を行うことにより導出するものである。
【0027】
[[物質・熱収支モデルを構築する際の仮定]]
本実施形態では、以下の条件の下で、物質・熱収支モデルを構築した。
(a) 熱の収支のバランスとガスの収支のバランスとの双方について、非定常的なバランスを無視し、定常的なバランスのみを表現する。
(b) 原料(石炭)に含まれる水分の相変化に必要な熱量を、原料(石炭)から発生する水蒸気量を生成するのに必要な潜熱により計算する。
(c) 燃焼ガス(BFG)の燃焼により発生する排ガスの流量を、簡単のため、燃焼ガス(BFG)の流量と燃焼エアの流量との和とする。
(d) 循環ファン113による昇温効果は、循環ガスにのみ寄与すると単純化し、放散ガスの温度は、ミル出口温度と同じであると仮定する。
(e) 負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの系内の温度は、ミル出口温度と同じになると仮定する。
(f) 燃焼ガス(BFG)は完全燃焼するものとし、過剰な燃焼エアはそのまま残るものとする。
(g) バグ出口酸素濃度(バグフィルター107の出口側の位置における配管内の酸素ガスの濃度)は、希釈エアの流量の制御により、一定値に維持されるものとする。
(h) バグ出口排ガス流量(バグフィルター107の出口側の位置における配管内の排ガスの流量)は、流量制御により、一定量に維持されるものとする。
【0028】
[[物質・熱収支モデルに入力するモデルパラメータ]]
本実施形態の物質・熱収支モデルでは、モデルパラメータとして、以下の操業条件(の目標値)を入力値として与える。
・給炭量
・製品(微粉炭)の温度(ミル出口温度)
・バグ出口排ガス流量
・配管内の酸素濃度
これらのモデルパラメータ(操業条件)は、操業に応じて任意の値に変更される。
【0029】
また、モデルパラメータとして、以下の環境条件を入力値として与える。
・原料(石炭)に含まれる水分量
・製品(微粉炭)に含まれる水分量
・温度(希釈エア・原料・注入ガス)
・比熱(水・ガス・原料(石炭))
・水の潜熱
・燃料のガスカロリー
・バーナーの理論空気量
・バーナーの過剰空気量
・進入エアの流量(想定値)
・シールエアの流量(設計値)
・循環ファン113における断熱圧縮に起因する循環ガスの温度上昇分(設計値)
【0030】
これらのモデルパラメータ(環境条件)は、半固定値であり、必要に応じて変更される。環境条件としては、物質・熱収支モデルが適用される負圧式・排ガス循環系のPCIプラントにおける平均的な値を採用するのが好ましい。尚、水分量や温度については、例えば、サンプリングを行って予め求めておくことができる。また、バーナーの理論空気量は、燃焼ガスの組成により変化するので、燃焼ガスの組成に基づき設定される。バーナーの過剰空気量の値を大きくすると、燃焼不良を防止することができるので、バーナーの過剰空気量は、この観点から適宜設定される。
【0031】
[[熱収支モデル]]
本実施形態では、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに与えられる熱量と消費される熱量とが等しくなることを定式化したものを熱収支モデルとして表現する。負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに与えられる熱量と消費される熱量について説明する。
(1)石炭の加熱に必要な熱量の式
石炭を製品の温度まで加熱するのに必要な熱量ΔQ
COAL[kcal]を、以下の(1)式で表す。
ΔQ
COAL=原料の比熱×給炭量×1000×(製品の温度−原料の温度) ・・・(1)
前述したように、給炭量[ton/hr]と製品の温度は、操業条件として与えられるものであり、原料の比熱[kcal/kg・℃]と原料の温度[℃]は、環境条件として与えられるものである。
【0032】
(2)水の加熱に必要な熱量の式
石炭に含まれる水を製品の温度まで加熱するのに必要な熱量ΔQ(顕熱)[kcal]を、以下の(2)式で表す。
ΔQ(顕熱)=水の比熱×WM×(製品の温度−原料の温度) ・・・(2)
前述したように、水の比熱[kcal/kg・℃]は、環境条件として与えられるものである。
また、(2)式において、WMは、石炭に含まれる水の単位時間当たりの重量[kg/hr]であり、以下の(2a)式で表される。
WM=給炭量×1000×原料の水分量/(100−原料の水分量) ・・・(2a)
前述したように、給炭量[ton/hr]は、操業条件として与えられるものであり、原料の水分量[質量%]は、環境条件として与えられるものである。
【0033】
(3)水の蒸発に必要な熱量の式
石炭に含まれる水が蒸発するために必要な熱量ΔQ(潜熱)[kcal]を、以下の(3)式で表す。
ΔQ(潜熱)=水の潜熱×WV ・・・(3)
前述したように、水の潜熱[kcal/kg]は、環境条件である。
また、(3)式において、WVは、水蒸気として存在する水の単位時間当たりの重量[kg/hr]であり、以下の(3a)式で表される。
WV=給炭量×1000×{原料の水分量/(100−原料の水分量)−製品の水分量/(100−製品の水分量)} ・・・(3a)
前述したように、給炭量[ton/hr]は、操業条件として与えられるものであり、原料の水分量[質量%]と製品の水分量[質量%]は、環境条件として与えられるものである。
【0034】
(4)バーナー燃焼により得られる熱量の式
燃焼ガスによる燃焼により発生する熱量ΔQ
HGG[kcal]を、以下の(4)式で表す。
ΔQ
HGG=燃料のガスカロリー×燃焼ガスの流量 ・・・(4)
前述したように、燃料のガスカロリー[kcal/Nm
3]は、環境条件として与えられるものである。燃焼ガスの流量[Nm
3/hr]は、決定変数である。
【0035】
(5)バーナー燃焼により消費される燃焼エアの流量の式
燃焼により消費される燃焼エアの流量[Nm
3/hr]を、以下の(5)式で表す。
燃焼エアの流量=燃焼ガスの流量×理論空気量×過剰空気量 ・・・(5)
前述したように、理論空気量[−]と過剰空気量[−]は環境条件として与えられるものである。燃焼エアの流量[Nm
3/hr]と燃焼ガスの流量[Nm
3/hr]は、決定変数である。
【0036】
(6)バーナー燃焼により発生する排ガスの流量の式
燃焼ガスの燃焼により発生する排ガスの流量(バーナー燃焼排ガス流量)[Nm
3/hr]を、以下の(6)式で表す。
バーナー燃焼排ガス流量=燃焼ガスの流量+燃焼エアの流量 ・・・(6)
実際には、バーナー燃焼排ガス流量は、燃焼ガスの流量と燃焼エアの流量との和よりも小さいが、これらの和としてバーナー燃焼排ガス流量を表現しても、大きな誤差は生じない。尚、燃焼エアの流量[Nm
3/hr]と燃焼ガスの流量[Nm
3/hr]は、決定変数として与えられるものである。
【0037】
(7)循環ファンにおける断熱圧縮による温度上昇の式
循環ファン113における断熱圧縮に起因して発生する熱量ΔQ
FAN[kcal]を、以下の(7)式で表す。
ΔQ
FAN=循環ガスの流量×ΔT×ガスの比熱 ・・・(7)
前述したように、ガスの比熱[kcal/kg・℃]は、環境条件として与えられるものである。ΔTは、循環ファン113における断熱圧縮に起因する循環ガスの温度上昇分[℃]であり、前述したように、環境条件として与えられるものである。循環ガスの流量[Nm
3/hr]は、以下の(7a)式で表される。
【0038】
循環ガスの流量=バグ出口排ガス流量−放散ガスの流量 ・・・(7a)
前述したように、バス出口排ガス流量[Nm
3/hr]は、操業条件として与えられるものである。放散ガスの流量[Nm
3/hr]は、以下の(7b)式で表される。
放散ガスの流量=Σガス流量(i)+WV×22.4/18 ・・・(7b)
(7b)式において、Σガスの流量(i)は、以下の(7c)式で表される。
Σガス流量(i)=燃焼ガスの流量+燃焼エアの流量+希釈エアの流量+進入エアの流量+シールエアの流量 ・・・(7c)
前述したように、燃焼ガスの流量[Nm
3/hr]と燃焼エアの流量[Nm
3/hr]は、決定変数として与えられるものである。進入エアの流量[Nm
3/hr]とシールエアの流量[Nm
3/hr]は、環境条件として与えられるものである。WVは、水蒸気として存在する水の単位時間当たりの重量[kg/hr]であり、(3a)式で表される。希釈エアの流量[Nm
3/hr]は、決定変数である。尚、(7b)式の「22.4」は、標準体積(モル体積)[リットル/mol]であり、「18」は、水の分子量[グラム/mol]である。したがって、(7b)式の「22.4/18」は、重量を体積に変換する係数となる。
【0039】
負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに与えられる熱量と消費される熱量とが等しくなると、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントにおける熱収支のバランスがとれるので、以上の(1)式〜(7)式により、以下の(8)式が、熱収支モデルとして得られる。
ΣΔQ
GAS(i)+ΔQ
COAL+ΔQ(顕熱)+ΔQ(潜熱)=ΔQ
HGG+ΔQ
FAN ・・・(8)
(8)式において、左辺が、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントで消費する熱量の合計であり、右辺が、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに与えられる熱量の合計である。
また、ΣΔQ
GAS(i)は、以下の(8a)式で表される。
ΣΔQ
GAS(i)=Σ[ガス(i)の比熱×ガス(i)の流量×(製品の温度−ガス(i)の注入温度)] ・・・(8a)
ガス(i)は、燃焼ガス、燃焼エア、希釈エア、進入エア、及びシールエアであり、これらのガスについての(8a)式の[]内の値の積算値を(8a)式で導出する。
尚、前述したように、製品の温度は、操業条件として与えられるものであり、ガスの比熱と注入温度は、環境条件として与えられるものである。また、燃焼ガスの流量[Nm
3/hr]、燃焼エアの流量[Nm
3/hr]、及び希釈エアの流量[Nm
3/hr]は、決定変数である。燃焼ガスの流量[Nm
3/hr]と燃焼エアの流量[Nm
3/hr]は、(5)式、(6)式により表現される。さらに、進入エアの流量[Nm
3/hr]とシールエアの流量[Nm
3/hr]は、環境条件として与えられるものである。
【0040】
[[物質収支モデル]]
負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに注入されたガスと、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントで発生したガスは十分に混合し、これらのガスの注入量と発生量の和と同じ量のガスが煙突114を介して大気中に放出されることを定式化したものを物質収支モデルとして表現する。具体的には、以下の(9)式により物質収支モデルを表現する。
配管内の酸素濃度=[(シールエアの流量+進入エアの流量+希釈エアの流量+燃焼エアの流量×0.1)/放散ガスの流量]×21 ・・・(9)
前述したように、希釈エアの流量[Nm
3/hr]、及び燃焼エアの流量[Nm
3/hr]は、決定変数である。また、配管内の酸素濃度[体積%]は、操業条件として与えられるものであり、進入エアの流量[Nm
3/hr]とシールエアの流量[Nm
3/hr]は、環境条件として与えられるものである。さらに、放散ガスの流量[Nm
3/hr]は、(7b)式及び(7c)式により表される。尚、(9)式の右辺において、「燃焼エアの流量×0.1」は、燃焼反応で余ったエアの流量である。
【0041】
バーナー一定負荷導出部203は、以上の(1)式〜(9)式の全てを満足する計算を行って、決定変数(燃焼ガスの流量、燃焼エアの流量、及び希釈エアの流量)を導出する。具体的に、これらの決定変数の導出は、例えば、(8)式及び(9)式の反復計算を所定の収束条件を満足するまで行うことにより実現できる。すなわち、(1)式〜(8)式で導出された燃焼ガスの流量・燃焼エアの流量を(9)式に与えて希釈エアの流量を導出し、導出した希釈エアの流量を(7c)式に与えて(1)式〜(8)式により燃焼ガスの流量・燃焼エアの流量を導出することを、各決定変数の解が収束するまで行う。
【0042】
バーナー一定負荷導出部203は、以上のようにして導出した燃焼ガスの流量から、以下の(10)式の計算を行ってバーナー負荷[%]を導出する。
バーナー負荷=(燃焼ガスの流量/バーナーに供給できる燃焼ガスの流量の最大値)×100 ・・・(10)
【0043】
<PID制御部204>
PID制御部204は、ミル出口温度偏差導出部202から出力されたバーナー負荷の導出指令を入力すると、当該バーナー負荷の導出指令と共に入力したミル出口温度の測定値の目標値に対する偏差を入力として、比例動作、積分動作、及び微分動作を行い、操作量としてバーナー負荷を導出してバーナー負荷出力部207に出力することを繰り返して、ミル出口温度の測定値を目標値に近づける制御(PID制御)を行う。
【0044】
<FF制御部205>
FF制御部205は、給炭量の目標値が(一時的に)変更されている場合に起動し、前述した物質・熱収支モデルの計算の結果に基づいて、給炭量の目標値に応じたバーナー負荷(の修正量)を操作量として導出する。このとき、物質・熱収支モデルの決定変数(燃焼ガスの流量、燃焼エアの流量、及び希釈エアの流量)については現在値を採用する。一方、環境条件については、半固定値として予め設定された値を採用する。給炭量の目標値が変更されたか否かは、例えば、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの操業を管理する上位のコンピュータから送信される情報に基づいて行うことができる。
【0045】
尚、給炭量とバーナー負荷(の修正量)との関係を表す情報を予め記憶してもよい。給炭量とバーナー負荷(の修正量)との関係を表す情報としては、例えば、給炭量とバーナー負荷(の修正量)との関係を表す関係式や、給炭量とバーナー負荷とを相互に関連付けたテーブルを用いることができる。尚、必ずしも、全ての条件について給炭量とバーナー負荷(の修正量)との関係を表す情報を記憶する必要はない。記憶されていない情報については記憶されている情報を用いて、線形補間又は非線形補間を行うことにより求めることができる。
【0046】
<バーナー負荷導出部206>
バーナー負荷導出部206は、FF制御部205でバーナー負荷が導出された場合にのみ起動し、PID制御部204で導出されたバーナー負荷に、FF制御部205で導出されたバーナー負荷(の修正量)を加算して最終的なバーナー負荷を導出する。
<バーナー負荷出力部207>
バーナー負荷出力部207は、バーナー一定負荷導出部203又はバーナー負荷導出部206によりバーナー負荷が導出されると、当該バーナー負荷を示す情報を、熱ガス発生装置101に出力する。
熱ガス発生装置101に設けられたプログラマブルロジックコントローラ(PLC)は、例えば、バーナーに供給されている燃料ガス及び燃焼エアの流量の測定値が、バーナー負荷出力部207から出力されたバーナー負荷から得られる目標値に近づくように、バーナーに供給する燃焼ガス・燃焼エアの流量を調整する弁の開度をそれぞれ調整するフィードバック制御を行う。
【0047】
(動作フローチャート)
次に、
図3のフローチャートを参照しながら、粉砕プラント温度制御装置200の動作の一例を説明する。
まず、ステップS301において、ミル出口温度偏差導出部202は、ヒートアップを開始するタイミングになるまで待機する。そして、ヒートアップを開始するタイミングになると、ステップS302に進む。
【0048】
次に、ステップS302において、ミル出口温度偏差導出部202は、ル出口温度の測定値から、ヒートアップ時のミル出口温度の目標値を減算して、ミル出口温度の測定値の目標値に対する偏差を導出する。
次に、ステップS303において、PID制御部204は、ステップS302で導出された偏差を入力として、比例動作、積分動作、及び微分動作を行い、操作量として当該偏差が0(ゼロ)になるバーナー負荷を導出する。
尚、ヒートアップ時には、FF制御部205は、バーナー負荷として0(ゼロ)を出力するか、バーナー負荷を導出しないことを示す情報を出力するので、バーナー負荷導出部206は、PID制御部204で導出されたバーナー負荷を最終的なバーナー負荷として採用する。
【0049】
次に、ステップS304において、バーナー負荷出力部207は、ステップS303で導出されたバーナー負荷を示す情報を、熱ガス発生装置101に出力する。
次に、ステップS305において、ミル出口温度偏差導出部202は、ヒートアップが終了した(給炭を開始する)か否かを判定する。
この判定の結果、ヒートアップが終了していない(給炭を開始しない)場合には、ステップS302に戻り、ヒートアップが終了した(給炭を開始する)と判定されるまで、ステップS302〜S305の処理を繰り返し行う。
【0050】
一方、ヒートアップが終了した(給炭を開始する)場合には、ステップS306に進む。ステップS306に進むと、ミル出口温度偏差導出部202は、ミル出口温度の測定値から、粉砕時のミル出口温度の目標値を減算して、ミル出口温度の測定値の目標値に対する偏差を導出する。
次に、ステップS307において、ミル出口温度偏差導出部202は、ミル出口温度の測定値が、ミル出口温度の目標値まで低下したか否かを判定する。この判定の結果、ミル出口温度の測定値が、ミル出口温度の目標値まで低下した場合には、後述するステップS313に進む。
【0051】
一方、ミル出口温度の測定値が、ミル出口温度の目標値まで低下し丁ない場合には、ステップS308に進む。前述したように、ヒートアップ時のミル出口温度の目標値は、粉砕時のミル出口温度の目標値よりも高いので、少なくとも初めてステップS307の判定を行った際には、ミル出口温度の測定値が、ミル出口温度の目標値まで低下していないと判定される。
ステップS308に進むと、ミル出口温度偏差導出部202は、給炭を開始してから(ヒートアップが終了してから)一定時間が経過したか否かを判定する。この判定の結果、給炭を開始してから一定時間が経過した場合には、後述するステップS316に進む。
【0052】
一方、給炭を開始してから一定時間が経過していない場合には、ステップS309に進む。ステップS309に進むと、バーナー一定負荷導出部203は、物質・熱収支モデルの計算((1)式〜(10)式の計算)を行って、バーナー負荷を導出しているか否かを判定する。この判定の結果、バーナー負荷を導出している場合には、当該バーナー負荷に基づく空燃比制御が行われているので、後述するステップS312に進む。
【0053】
一方、バーナー負荷を導出していない場合には、ステップS310に進み、バーナー一定負荷導出部203は、物質・熱収支モデルの計算((1)式〜(10)式の計算)を行って、バーナー負荷を導出する。
次に、ステップS311において、バーナー負荷出力部207は、ステップS310で導出されたバーナー負荷を示す情報を、熱ガス発生装置101に出力する。
次に、ステップS312において、ミル出口温度偏差導出部202は、粉砕を終了するか否かを判定する。この判定は、例えば、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの操業を管理する上位のコンピュータから送信される情報に基づいて行うことができる。
この判定の結果、粉砕を終了する場合には、
図3のフローチャートによる処理を終了する。
【0054】
一方、粉砕を終了しない場合には、ステップS306に戻る。
前述したように、ステップS307において、ミル出口温度の測定値が、ミル出口温度の目標値まで低下したと判定されると、ステップS313に進む。ステップS313に進むと、PID制御部204は、ステップS306で導出された偏差を入力として、比例動作、積分動作、及び微分動作を行い、フィードバック制御の操作量として、当該偏差が0(ゼロ)になるバーナー負荷を導出する。
次に、ステップS314において、FF制御部205は、給炭量の目標値が変更されているか否かを判定する。この判定の結果、給炭量の目標値が変更されていない場合には、ステップS315、S316を省略して後述するステップS317に進む。
一方、給炭量の目標値が変更されている場合には、ステップS315に進み、FF制御部205は、フィードフォワード制御の操作量として、給炭量の目標値に応じたバーナー負荷(の修正量)を導出する。
【0055】
次に、ステップS316において、バーナー負荷導出部206は、ステップS313で導出されたバーナー負荷に、ステップS315で導出されたバーナー負荷(の修正量)を加算して最終的なバーナー負荷を導出する。
そして、前述したステップS311に進む。ステップS316からステップS311に進んだ場合には、ステップS311において、バーナー負荷出力部207は、ステップS316で導出されたバーナー負荷を示す情報を、熱ガス発生装置101に出力する。
【0056】
また、前述したように、ステップS308において、給炭を開始してから一定時間が経過したと判定された場合には、ステップS317に進む。ステップS317に進むと、ミル出口温度偏差導出部202は、ミル出口温度の目標値を変更するタイミングになったか否かを判定する。
この判定の結果、ミル出口温度の目標値を変更するタイミングになった場合には、ステップS318に進む。ステップS318に進むと、ミル出口温度偏差導出部202は、ミル出口温度の測定値を目標値にし、ミル出口温度の測定値の最新の目標値に対する偏差を導出する。そして、前述したステップS313に進む。
【0057】
ステップS318からステップS313に進んだ場合には、ステップS313において、PID制御部204は、ステップS318で導出された偏差を入力として、比例動作、積分動作、及び微分動作を行い、フィードバック制御の操作量として、当該偏差が0(ゼロ)になるバーナー負荷を導出する。
一方、ステップS317の判定の結果、ミル出口温度の目標値を変更するタイミングになっていない場合には、ステップS318を省略してステップS313に進む。ステップS317からステップS313に進んだ場合には、ステップS313において、PID制御部204は、ステップS318で既に導出されている最新の偏差を入力として、比例動作、積分動作、及び微分動作を行い、フィードバック制御の操作量として、当該偏差が0(ゼロ)になるバーナー負荷を導出する。
【0058】
(第1の実施例)
図4〜
図6は、給炭を開始してから、ミル出口温度が目標値に低下するまでの間、物質・熱収支モデルの計算で得られたバーナー負荷に基づいて空燃比制御を行うことによる効果を示すものである。
具体的に、
図4は、ミル出口温度と経過時間との関係の一例を示す図であり、
図4(a)が実施例を示し、
図4(b)が比較例を示す図である。
図5は、バーナー負荷と経過時間との関係の一例を示す図であり、
図5(a)が実施例を示し、
図5(b)が比較例を示す図である。
図6は、ミル入口温度と経過時間との関係の一例を示す図であり、
図6(a)が実施例を示し、
図6(b)が比較例を示す図である。
図4の縦軸のミル出口温度は、粉砕時の目標値(製品の温度の目標値)を0(ゼロ)としたときの値である。
図6の縦軸のミル入口温度は、ミル105(機械)の耐熱温度を0(ゼロ)としたときの値である。
【0059】
図4(a)、
図5(a)、
図6(a)に示す実施例では、給炭を開始してから、ミル出口温度が粉砕時の目標値に低下するまでの間、バーナー負荷の目標値を、物質・熱収支モデルの計算で得られたバーナー負荷(一定)にした。そして、ミル出口温度が粉砕時の目標値になると、PID制御(フィードバック制御)を行った。
図4(b)、
図5(b)、
図6(b)に示す比較例では、給炭を開始すると同時に、PID制御(フィードバック制御)を行った。
【0060】
図4(a)において、グラフ401はミル出口温度の測定値であり、グラフ402はミル出口温度の粉砕時の目標値である。また、
図4(b)において、グラフ403はミル出口温度の測定値であり、グラフ404はミル出口温度の粉砕時の目標値である。
図5(a)において、グラフ501はバーナー負荷の実績値であり、グラフ502はバーナー負荷の指令値である。また、
図5(b)において、グラフ503はバーナー負荷の実績値であり、グラフ504はバーナー負荷の指令値である。
図6において、グラフ601、602は共にミル入口温度の測定値である。
【0061】
図4(b)、
図5(b)に示す比較例のように、給炭を開始すると同時に、PID制御(フィードバック制御)を行うと、ミル出口温度の応答が遅いために、ミル出口温度がフィードバック制御によりバーナー負荷が大きくなっても、ミル出口温度は製品の温度の目標値に留まることができず、低下をし続けた。そして、
図6(b)に示すように、バーナー負荷が大きくなることによりミル入口温度が上昇し、ミル105(機械)の耐熱温度を上回る虞があったため、途中で手動介入を行い、バーナー負荷を50[%]で一定となるようにした(
図5(b)のグラフ504のバーナー負荷が50[%]で一定となっている部分を参照)。その後、PID制御(フィードバック制御)を再開したが、
図4(b)に示すように、ミル出口温度の下降は止まらなかった。一方、
図5(b)に示すように、PID制御(フィードバック制御)を再開すると、バーナー負荷が再び急激に上昇した。この結果、
図6(b)に示すように、ミル入口温度が上昇し、ミル105(機械)の耐熱温度を50[℃]上回る値になった。そこで、粉砕を継続できないと判断し、操業を中断した。
【0062】
一方、本実施例では、ミル出口温度が製品温度の目標値付近まで低下してからPID制御(フィードバック制御)を行うので、ミル出口温度の偏差が小さい状態でPID制御(フィードバック制御)を行うことができ、制御出力の変化量が小さくなる。このため、
図5(a)に示すように、ミル出口温度は、製品温度の目標値付近の値まで低下した後、当該製品温度の目標値付近の値に略収束すると共に、
図6(a)に示すように、ミル入口温度は、ミル105(機械)の耐熱温度を下回る値まで上昇した後、当該ミル105(機械)の耐熱温度を下回る値に速やかに収束した。
【0063】
(第2の実施例)
図7〜
図10は、給炭量の目標値が変更されているときに、物質・熱収支モデルに基づくフィードフォワード制御をフィードバック制御と併用することによる効果を示すものである。
具体的に、
図7は、ミル出口温度及び給炭量と経過時間との関係の一例を示す図であり、
図7(a)が実施例を示し、
図7(b)が比較例を示す図である。
図4と同様に、
図7の縦軸のミル出口温度は、粉砕時の目標値(製品の温度の目標値)を0(ゼロ)としたときの値である。
図8は、バーナー負荷と経過時間との関係の一例を示す図であり、
図8(a)が実施例を示し、
図8(b)が比較例を示す図である。
図9は、バーナー負荷と給炭量との関係の一例を示す図である。
図10は、製品の温度(ミル出口温度)の目標値からのずれ量の一例を示す図である。尚、
図9、
図10は、
図7、
図8に示すデータを用いて作成されたものである。
【0064】
図7(a)、
図8(a)に示す実施例では、給炭量の設定値(グラフ701)が変更されている間だけ、FF制御部205を動作させ、PID制御部204で導出されたバーナー負荷に、FF制御部205で導出されたバーナー負荷(の修正量)を加算して最終的なバーナー負荷とした。
図7(a)において、グラフ701は、給炭量の設定値であり、グラフ702は、ミル出口温度の測定値であり、
図7(b)において、グラフ703は、給炭量の設定値であり、グラフ704は、ミル出口温度の測定値である。また、
図8において、グラフ801、802は共にバーナー負荷の実績値である。
図7(b)、
図8(b)に示す比較例のように、給炭量の設定値が変更されているときにPID制御(フィードバック制御)のみを行い、物質・熱収支モデルに基づくフィードフォワード制御を行わないと、給炭量の設定値が変更されたときにミル出口温度を補償しきれずに、ミル出口温度の測定値が目標値に対し約4.5[℃]の温度変化を示した(
図10の「FF制御なし」も参照)。
【0065】
一方、
図7(a)、
図8(a)に示す本実施例のように、給炭量の設定値が変更されているときにPID制御(フィードバック制御)に加えて、物質・熱収支モデルに基づくフィードフォワード制御を行うと、給炭量の設定値が変更されたときでもミル出口温度を適切に補償することができ、ミル出口温度の測定値の目標値に対するバラつき範囲は約1.5[℃]程度になり、ミル出口温度の制御の精度を向上させることができることが分かる(
図10の「FF制御あり」も参照)。
【0066】
また、
図9に示すように、比較例では、ミル出口温度のバラつきが大きくなるためバーナー負荷と給炭量の設定値との相関が低いのに対し(
図9の「FF制御なし」を参照)、本実施例では、ミル出口温度にバラつきが小さくなるためバーナー負荷と給炭量の設定値との相関が高くなる(
図9の「FF制御あり」を参照)。これは、物質・熱収支モデルに基づくフィードフォワード制御を行うことにより、ミル出口温度の制御の制御性が改善されていることを示す。
【0067】
(まとめ)
以上のように本実施形態では、ヒートアップ時には、ミル出口温度の測定値の目標値に対する偏差に基づいてPID制御を行い、ヒートアップが終了して給炭を開始すると、ミル出口温度が目標値まで低下するまでの間、操業条件の目標値に応じた一定の流量の燃焼ガス(バーナー負荷)を熱ガス発生装置101に与えて熱風を発生させる。そして、ミル出口温度が目標値に低下すると、ミル出口温度の測定値の目標値に対する偏差に基づいてPID制御を再開する。したがって、給炭が開始してもPID制御を継続する場合のように、ミル出口温度の下降が止まらなくなることを抑制することができ、ミル出口温度を高精度に制御することができる。また、ミル出口温度の下降が止まらなくなることに伴って熱ガス発生装置101に与える熱量(バーナー負荷)が過大になることを抑制することができ、ミル105の温度が、その耐熱温度よりも高い温度になることを防止することができる。
【0068】
また、本実施形態では、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに与える熱量と、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントで消費される熱量とのバランスをとる熱収支の計算と、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに注入されるガスの流量と、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントで発生するガスの流量との和と、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントから排出されるガスの流量とのバランスをとる物質収支の計算と、を行って(物質・熱収支モデルの計算を行って)、操業条件(給炭量・製品の温度・バグ出口排ガス流量・酸素濃度)を目標値に維持するために熱ガス発生装置101に与える必要がある燃焼ガスの流量(バーナー負荷)を導出する。したがって、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの仕様、操業条件、及び環境条件に応じて、ミル出口温度を目標値にするために一定にすべきバーナー負荷を正確に導出することができる。
【0069】
また、本実施形態では、給炭量と、バーナー負荷(の修正量)との関係を、物質・熱収支モデルの計算に基づいて導出し、給炭量の設定値が変更されている間は、給炭量の設定値に応じたバーナー負荷(の修正量)を、PID制御により得られたバーナー負荷に加算してフィードフォワード制御を行った。したがって、給炭量の変更がある場合でも、ミル出口温度を目標値に高精度に近づけることができる。
【0070】
(変形例)
本実施形態では、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに粉砕プラント温度制御装置200を適用したが、負圧式・排ガス循環系のPCIプラント以外の負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントにも粉砕プラント温度制御装置200を適用することができる。例えば、セメントを製造するための負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントにも粉砕プラント温度制御装置200を適用することができる。
【0071】
また、本実施形態では、バーナー一定負荷導出部203は、操業条件の目標値と環境条件を物質・熱収支モデルに入力して反復計算を行った結果から、バーナー負荷を導出する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、操業条件の目標値と環境条件に応じたバーナー負荷を、物質・熱収支モデルを用いて導出することを、操業条件の目標値と環境条件とを異ならせて実行し、その結果から、操業条件の目標値及び環境条件とバーナー負荷との関係を表す情報を導出して予め記憶しておいてもよい。操業条件の目標値及び環境条件とバーナー負荷との関係を表す情報は、これらの関係を表す関係式でも、これらを相互に関連付けたテーブルであってもよい。操業条件の目標値及び環境条件とバーナー負荷との関係を表す情報をテーブルとした場合、必ずしも、全ての条件について、操業条件の目標値及び環境条件とバーナー負荷との関係を表す情報を記憶する必要はない。記憶されていない情報については記憶されている情報を用いて、線形補間又は非線形補間を行うことにより求めることができる。
【0072】
また、本実施形態では、ミル出口温度が目標値まで低下するまでの間、操業条件の目標値に応じた一定の流量の燃焼ガス(バーナー負荷)を熱ガス発生装置101に与えて熱風を発生させるようにした。しかしながら、必ずしもミル出口温度が目標値に厳密に一致するまでこのような動作を行う必要はない。すなわち、ミル出口温度が目標値付近の所定値まで低下する間、操業条件の目標値に応じた一定の流量の燃焼ガス(バーナー負荷)を熱ガス発生装置101に与えて熱風を発生させるようにしてもよい。
また、前述したように、給炭量の設定値が変更されている間は、物質・熱収支モデルの計算に基づくフィードフォワード制御を行うことが好ましいが、必ずしも、この制御を行わなくてもよい。
また、本実施形態では、PID制御を行うようにしたが、ミル出口温度の測定値を目標値に近づける制御であれば、どのような制御を行ってもよい。
【0073】
尚、以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0074】
(請求項との関係)
[請求項1、7]
熱風発生装置は、例えば、熱ガス発生装置101により実現される。
粉砕機は、例えば、ミル105により実現される。
捕集機は、例えば、バグフィルター107により実現される。
温度計は、例えば、ミル出口温度計110により実現される。
経路は、例えば、
図1において、熱ガス発生装置101とミル105、ミル105とバグフィルター107、バグフィルター107とダンパー112、ダンパー112と循環ファン113、循環ファン113と循環系圧力調整弁116、循環系圧力調整弁116と熱ガス発生装置101をそれぞれ繋ぐ配管により実現される。
ヒートアップ時ガス流量制御手段(工程)は、例えば、PID制御部204が
図3のステップS302、S303の処理を行い、バーナー負荷出力部207が
図3のステップS304の処理を行うことにより実現される。
給炭開始時ガス流量制御手段(工程)は、例えば、バーナー一定負荷導出部203が
図3のステップS310の処理を行い、バーナー負荷出力部207が
図3のステップS311の処理を行うことにより実現される。
定常時ガス流量制御手段(工程)は、例えば、PID制御部204が
図3のステップS313の処理を行い、バーナー負荷出力部207が
図3のステップS311の処理を行うことにより実現される。
[請求項2、8]
負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントにおける熱収支の計算は、例えば、(8)式の計算により実現される。
負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントにおけるガスの収支の計算は、例えば、(9)式の計算により実現される。
[請求項3、9]
原料量変更時ガス流量導出手段(工程)は、例えば、FF制御部205が
図3のステップS315の処理を行うことにより実現される。
定常時ガス流量制御手段(工程)は、例えば、PID制御部204が
図3のステップS313の処理を行い、バーナー負荷導出部206が
図3のステップS316の処理を行い、バーナー負荷出力部207が
図3のステップS311の処理を行うことにより実現される。
[請求項4、10]
熱風発生装置により発生する熱量と、排ガスを循環させるためのファンで発生する熱量との和は、例えば、(8)式の右辺により実現される。
ガスのそれぞれをミル出口温度の目標値まで加熱するのに必要な熱量と、原料を前記ミル出口温度まで加熱するのに必要な熱量と、原料に含まれる水分を液相から気相にするのに必要な熱量と、原料に含まれる水分をミル出口温度まで加熱するのに必要な熱量との和は、例えば、(8)式の左辺により実現される。
負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントの配管内に存在する空気の流量の合計値は、例えば、(9)式の「(シールエアの流量+進入エアの流量+希釈エアの流量+燃焼エアの流量×0.1)」により実現される。
負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントに注入されるガスの流量と負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントで発生するガスの流量と負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントで発生する水蒸気の流量との合計値は、例えば、(9)式の「放散ガスの流量」により実現される。