(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ログ可視化手段は、動画像を取得した車両の動画像が記録された間の車両側から得られる運転データを取得して、目視による評価を行う際に、再生する動画像とともに対応する運転データに基づき生成された運転時に行われた操作を、動画像とともに合わせて提示する
ことを特徴とする請求項1記載の運転評価システム。
個々の運転者の運転評価を目視で行った評価者による評価を、個々の評価結果と その評価結果で用いられた運転データ及び基準対象の抽出位置との関係を反映させて自動判定を行う評価者評価部を更に備えることを特徴とする請求項1ないし7の何れか一項に記載の運転評価システム。
個々の運転者の運転評価を、運転データ及び基準対象の抽出位置との関係を反映させた評価者の評価に基づいて、補正する評価補正部を更に備えることを特徴とする請求項1ないし8の何れか一項に記載の運転評価システム。
目視による評価を行った後に、個々の運転者の運転評価を目視で行った評価者による評価を、個々の評価結果と その評価結果で用いられた運転データ及び基準対象の抽出位置との関係を反映させて自動判定を行う工程を更に備えることを特徴とする請求項10ないし12の何れか一項に記載の運転評価方法。
目視による評価を行った後に、個々の運転者の運転評価を、運転データ及び基準対象の抽出位置との関係を反映させた評価者の評価に基づいて、補正する工程を更に備えることを特徴とする請求項10ないし13の何れか一項に記載の運転評価方法。
前記ログ可視化手段を、動画像を取得した車両の動画像が記録された間の車両側から得られる運転データを取得して、目視による評価を行う際に、再生する動画像とともに対応する運転データに基づき生成された運転時に行われた操作を、動画像とともに合わせて提示する
ように動作させることを特徴とする請求項15記載の運転評価プログラム。
【背景技術】
【0002】
昨今、様々な環境で、自動車やバイク、自転車などの運転評価が行われている。
【0003】
運転評価には、ドライブレコーダなどからドライブ記録を収集して 収集した記録を評価者が目視で良し悪しを判定する評価方法と、燃費やブレーキタイミングなどのデータから機械的に判定する評価方法がある。
【0004】
運転評価に関連する技術としては、例えば特許文献1ないし特許文献4が挙げられる。
特許文献1には、
図11に示すように、車載装置と情報処理センターとで構成された運転評価システムが記載されている。この運転評価システムは、収集した情報を元に機械的に運転評価を行うシステムであり、また、今後の運転時に気を付けるべき場所(チェックポイント)を算定して、運転者に運転の改善を促すように構成されている。
より詳細に説明すれば、自動車に搭載される車載装置は、各種車載センサやEUC(Electronic Control Unit)などから取得した車両情報(アクセル開度やエンジン回転数、車速、加速度、燃料消費量など)と、カーナビシステムから取得したナビ情報(走行経路、道路形状、道路勾配など)とを用いて、自車両が走行した所定の走行区間におけるドライバーの運転を評価してデータ化し、そのデータから、運転者に運転の改善を促すようにチェックポイントを算定して、そのチェックポイントについて運転者にアドバイス表示を通知する。また、各情報処理を情報処理センター側で行ってもよいことが記載されている。
【0005】
引用文献2は、出願人による発明であり、自車両に搭載された撮像手段から動画像を取得して、道路環境情報(道路標識や路面標識、信号の状態、歩行者など)を抽出する画像認識処理を行って上位サーバに通知すると共に、他の自動車で取得された道路環境情報を上位サーバから受け付けてリアルタイムに 撮像手段に写らない範囲を含む道路環境情報を 運転者に提示するシステムを記載している。このシステムによって、動画像に映った道路標識等から 情報化しきれていない交通ルールを情報化して、他の車両で取得された道路環境情報を含めてリアルタイム的に運転者に提示できる。
【0006】
また、特許文献3にも、一旦停止義務を生ずる停止線を抽出する画像認識技術の一例が記載されている。
【0007】
また、特許文献4には、特許文献1と同様に動画像を用いずに、運転評価を行う運転評価装置が記載されている。この運転評価装置では、運転が上手な方と被評価者との運転(走行位置)とを対比して提示して、直すべきポイントを被評価者に伝達している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態を
図1ないし
図4に基づいて説明する。
本実施形態では、多数の車両に搭載された車載装置から得られた動画像を収集して、その全てについて目視による安全評価を行えるように構成した運転評価システムを説明する。
【0023】
この運転評価システムでは、個々の車両の運転者は、評価を受ける際に車両を運転時に撮影された動画像を評価者側にデータとして渡し、個々に運転評価を受けることとする。
また、評価者側では評価者を割り当て、渡された多数の動画像に基づいて効率よく個人毎の運転評価を行うこととする。
【0024】
運転評価では、評価に用いる基準対象(停止線や標識など)に基づいた交通ルールが守られているかいるかどうかを重点的に目視でチェックする。また、評価項目として、基準対象が存在することに対する運転動作(通行時の車速や、ブレーキの踏み方など)をチェックすることとする。
【0025】
図1は、実施の一形態の運転評価システム1の機能構成を示すブロック図である。
図1において、本実施形態は、動画像格納部10と、ログ格納部20と、画像認識処理部30と、ログ可視化部40を含み成る。
【0026】
動画像格納部10は、記録された動画像データを受け付けて格納する。受け付ける方法はどのような手段を用いてもよい。例えば、半導体記憶媒体を介してもよいし、無線LANなどの通信ネットワークを介して動画像データを受け付けてもよい。
【0027】
ログ格納部20は、画像認識処理部30から出力される運転評価に用いるログを評価用ログとして格納する。この評価用ログは、動画像格納部10に格納される動画像データと対応付けられている。
【0028】
画像認識処理部30は、動画像格納部10に格納されたている動画像データを画像認識エンジンによる画像認識処理によって分析して、運転評価に用いる基準対象を抽出処理する。
【0029】
基準対象は、道路標識や路面標識、信号の状態、歩行者などを目視評価項目に合わせて適宜抽出する。この抽出処理の際に、基準対象の抽出位置をログ格納部20に記録する。基準対象の抽出位置は、動画像中での時間的位置、必要に応じて動画像中での空間的位置、実空間での位置などを記録すれば良い。また、標識や停止線、横断歩道などの画像識別と共に、交差点から5m、10mなどの法定ルールを生ずる範囲(位置、座標)や、交差点や学校から○○mなどの私的ルールを適用する範囲などを抽出位置として評価用ログとして登録しても良い。
【0030】
ログ可視化部40は、動画像格納部10に格納されている動画像を評価者に提示する際に、ログ格納部20に格納されている評価用ログを用いて動画像に含まれる基準対象が現れるタイミングに重点をおいて、再生処理時間を短縮させながら動画像の内容を再生する。この再生された映像を目視により評価者が確認することによって、個々の運転者の運転を評価する。
評価用ログには、上記したように、行う評価項目に合わせた基準対象の抽出位置が記録されている。基準対象は、重点的に評価すべき範囲、場所、区間、操作を定める基準となる。個々の基準対象がある動画像中の録画位置(視認できる位置や基準対象の位置)から 所定時間前や所定距離前のタイミングから、例えば動画像の再生を標準再生速度とすると共に 他の範囲について早送りやスキップを適宜行って、例えば全てを標準再生速度で再生するよりも高速に時間を進める。
このことによって、標準再生速度での目視評価や、全て倍速で再生して目視評価することに対して、評価精度の維持と共に再生処理時間を短縮させることができる。
【0031】
上記各構成部は、一部を上位サーバに配置して運用することができる。この際には、適宜 通信手段を設けて、インターネットや移動体通信網を介して下位装置と上位サーバとを接続すればよい。
【0032】
図2は、車載装置の構成を例図するブロック図である。
車載装置100は、撮像部101と運転データ収集部102と記録部103と記憶部104を含み成る。本車載装置100は、所謂 ドライブレコーダであり、記録部103によって車両前方の映像や音響をデータ化して動画像ファイル化されると共にアクセル開度や走行速度などの車両情報を動画像に対応するように運転データとしてデータ化されて、その記録データが記憶部104に格納される。また、記録部103は、必要に応じてナビ情報も取得して対応させて運転データとしてデータ化してもよい。なお、動画像は、MPEGなどの動画でもよいし、JPEGなどの多数の静止画で構成されても何れでもよい。
記憶部104は、半導体メモリ装置で構成され可搬可能である。この記憶部104を用いて運転評価システム1に動画像等を入力する。なお、可搬形HDD装置や、リライタブルオプティカルディスクなどを用いてもよい。また、無線LANインタフェースやUSBインタフェース等の通信インタフェースを介して運転評価システム1に動画像等を入力するようにしてもよい。
【0033】
このように、動画像などのデータは、車両に搭載された車載装置によって記録される。動画像は、運転時の運転者の視点に基づくように録画されることが望ましい。なお、動画像は、1つの撮像範囲のみに限定されない。運転中の複数範囲(例えば前方、後方、車内など)を録画して一体的に扱うようにしてもよい。
【0034】
なお、収集される個々の動画像には、運転者が運転中に認識すべき標識などによる交通規則を伴う基準対象が映像として記録されることとなる。
【0035】
次に、運転評価システム1の処理動作例を説明する。
【0036】
多くの車載装置100から得られた個々の運転者の運転中の動画像データが動画像格納部10に順次格納される。
運転評価システム1は、格納された動画像データについて、自動的に又は人間による操作を受けて、逐次 画像認識処理を開始する。
【0037】
画像認識処理の開始を受けて、画像認識処理部30は、受け付けた動画像データから運転評価に用いる基準対象を抽出処理し、抽出した基準対象に基づく抽出位置をログ内容として評価用ログを生成処理してログ格納部20に出力する。
この評価用ログには、道路標識や一時停線などの交通規制が反映される。この処理結果により、例えば どの時刻にどのような道路標識や一時停止線などが識別できたかを記録したログファイルが得られる。換言すれば、どの時刻に評価に用いる交通ルールを生ずる基準対象が識別できたかを記録する。また、ログに、どの地点で基準対象を識別したかを記録してもよい。
なお、画像認識処理部30で行なう詳細な画像認識の処理例について後述する。
【0038】
ログ可視化部40は、評価者に対して、動画像データと 対応する評価用ログとを用いて、ログを可視化した評価用画面を、動画像データに記録されている時間よりも短縮処理して提示する。
【0039】
この評価用画面を確認する評価者は、画面上に表示される映像を参照して、運転評価に用いる基準対象が発生させる交通規則と、当時の現状(基準対象の見え方や明るさ、周囲状況、など)を考慮するなどして、車両の運転(車速やブレーキタイミングなど)が適正か否かを評価する。
【0040】
この評価時間は、ログ可視化部40によって、動画像をそのまま確認すること対して、時間的に短縮される。この短縮は、1つの動画像データ(1人の運転者)にかけ得る評価時間を基準として、基準対象が現れるタイミングに重点をおいて短縮区間(早送り区間、スキップ区間)を定める時間基準短縮処理に基づいても良いし、基準対象が現れるタイミングに重点をおいて抽出箇所(抽出数)に対応させて適宜短縮させても良い。また使用する(評価する)基準対象を任意に選択できるようにしてもよい。この選択は、基準対象の位置や種類に応じて選択できることが望ましい。
【0041】
なお、評価者の習熟度などを考慮すれば、基準対象が現れない短縮区間と共に、重点をおく基準対象が現れる区間でも所要に早送りやコマ送りなどの時間短縮を図ることとしても良い。
【0042】
このように本実施形態によれば、目視確認作業の効率化が図れる。
このため、時間当たりの動画像の処理数が増加すると共に、収集された個々の動画像に含まれている運転者毎が運転中に認識すべき標識などの評価者による確認精度が向上する。
【0043】
また、標識が視認できないこと(他車の陰や破損など)などを含めて、評価要ログに含まれている重点的に評価すべき範囲(法定ルールや私的ルールの範囲)を用いて運転評価に反映させることができる。
【0044】
ここで、画像認識処理部30で行なう画像認識の一処理例とログ可視化部40から出力される画面表示例を説明する。
【0045】
図3に示す画像認識処理は、画像認識エンジンによる一時停止箇所の識別処理である。
図示するように、画像認識エンジンによって処理部は、入力された動画像から画像を順次1枚ずつ取得し、「止まれ」標識の検出処理と停止線の検出処理とを並列的に実行して、両検出結果を統合して止まるべき位置を識別する。
【0046】
処理結果として、要一時停止箇所を識別できれば基準対象および抽出位置を識別できるフラグを記録する。このフラグに画像中の位置や交通規則が及ぶ範囲(時間や距離)などを紐付けしてもよいし、他の方法で情報を付与してもよい。
【0047】
このような画像識別処理を評価に反映させる内容に沿って並列的に行なえばよい。抽出する処理内容は、重要視する評価項目と関連する基準対象を抽出するように選定すれば良い。また、人間が 動画像から抽出処理する基準対象の画像上での位置(範囲)を任意に選定することによって、処理内容が定まるようにしてもよい。例えば、歩行者について、横断歩道近傍や、公園入り口近傍では基準対象として識別し、他では認識を行わないようにすることで、処理リソース量を調整できる。
【0048】
なお、一時停止箇所の識別処理としても複数の一時停止箇所の識別処理を並列的に行って、識別精度を高めることが望ましい。例えば、上記識別方法と共に、路面標識と停止線とを識別して一時停止箇所の識別精度を高めることができる。また、画像識別時に、動画像と同時に録音された音響を用いて、事故や緊急車両などを基準対象と選定できるように処理しても良い。
【0049】
図4は、ログ可視化部40から出力される画面表示例を示す説明図である。
図示しているように、評価用画面には、ログ可視化部40によって画像認識によって基準対象(本画像では停止線)などが元画像にオーバレイされて強調表示される。
この基準対象は、画像識別して得た評価用ログと対応しており、「止まれ」標識と「停止線」との検出結果に基づいて、止まるべきか止まるべきでないかを判断されたフラグ情報と紐付いている。
【0050】
この表示画面は、停止線が所定位置(所定距離)になった画面であり、フラグに基づいて図示するフラグ情報(行なうべき運転・操作:重点評価項目)が表示される。
【0051】
また、後述する実施形態では、ログ可視化部40によって、現実に行われた運転操作も提示する。
【0052】
また、評価画面の操作入力として、評価者に容易に処理結果が見られるよう、画像コマ送り/戻り機能や、早送り(次のフラグまで自動早送り)機能、指定タイミング(iniファイルなどにより設定)での静止機能などを適宜 提供しても良い。この際、ログ可視化部40は、指定された評価時間がある場合に、未再生区間の評価の時間を、停止や巻き戻しに要した時間を取り戻させるように、調整する再時間基準短縮処理を行うこととしても良い。換言すれば、指定された評価時間で終了するように、残りの基準対象が現れるタイミングに重点をおいて再生処理時間を再調整する。この際に、基準対象の優先付けを予め登録しておき、優先度に基づいて残す基準対象や再生速度を調整する処理を行えばよい。
【0053】
このように運転評価システム1を運用することによって、評価精度を維持しつつ、運転評価時間を精度よく短縮できる。換言すれば、様々なコストを抑えて多くの運転評価を行える。
【0054】
次に、第2の実施形態を説明する。
第2の実施形態では、多数の車両に搭載された車載装置から得られた動画像を収集して、その全てについてより簡便に目視による安全評価を行えるように構成した運転評価システムを説明する。
【0055】
図5は、第2の実施形態の構成を示すブロック図である。図示するように、第2の実施形態の運転評価システム2は、運転データ格納部50、評価入力部60、および評価格納部70が運転評価システム1に追加されている。
【0056】
運転データ格納部50は、車載装置などから得られた車両の動画像が記録された間の運転データを、動画像格納部10に格納される動画像に対応させて格納する。
【0057】
ログ可視化部40は、動画像を取得した車両の動画像が記録された間の車両から得られる運転データを取得して、内容をそのまま若しくは加工して、評価のために出力する画面に、対応させて提示する。換言すれば、対応する運転データに基づき生成された運転時に行われた操作(加速や減速、ブレーキ、クラクション、急ハンドルなど)の表示を、動画像とともに合わせて提示する。
【0058】
評価入力部60は、評価時に提示した動画像に対応させて、評価者からの評価入力を受け付けて、評価格納部70に格納する。
【0059】
評価格納部70は、評価者によって行われた運転者毎の評価結果を格納して、帳票への印刷や、評価結果画面表示などに所要に利用する。
【0060】
このように運転評価システム2を構成することによって、ドライブレコーダの機能または別のセンサ類、車載コンピュータなどから、時刻毎の位置や車速、アクセルやブレーキの状態、必要に応じて天気や気温などの運転データを車から取得した運転データを用いて、運転時に行われた操作を評価者が直接的に認識して評価に利用できる。
【0061】
次に、第3の実施形態を説明する。
第3の実施形態では、多数の車両に搭載された車載装置から得られた動画像を収集して、その全てについてより簡便に目視による安全評価を行えるように構成すると共に、加えて 評価者の評価を行い、また、評価者毎の評価結果の差を補完する運転評価システムを説明する。
【0062】
図6は、第3の実施形態の構成を示すブロック図である。図示するように、第3の実施形態の運転評価システム3は、評価者評価部80、評価補正部90が運転評価システム2に追加されている。
【0063】
評価者評価部80は、ログ格納部20、運転データ格納部50及び評価格納部70に格納された個々の評価結果と対応する基準対象の抽出位置の関係を反映させて、各々の評価者を評価処理する。この評価者の評価処理では、評価者毎の同様な場面に対する評価の違いを相対的に定量化する方法を用いることができる。評価者の評価項目は、評価者個人による同様な場面に対する評価の差の定量化や、評価誤りの抽出など、所要に定めればよい。これらの評価は、上記各情報を用いて、画像認識処理部30で認識された基準対象に基づいて下された部分の評価結果部分を、模範的な評価や同様な事象に対する評価の差などに基づいて判定処理する自動評価としても良い。また、評価者が下した評価を参照して評価者を評価する人間が評価することもできる。
【0064】
評価補正部90は、個々の運転の評価結果を、評価者評価部80で行った評価者の評価に基づいて補正して、評価格納部70に記録する。この処理によって、評価者が異なることによって生ずる主観による差を補正できる。この評価者の評価は、予め評価者に、基準となる事例に対する評価を行わせて、同一の運転データ及び基準対象の抽出位置との関係を反映させた評価に基づいて、評価者間の差から求めてもよい。
【0065】
このように運転評価システム3を構成することによって、システム運用者は、評価結果の差を減少させた評価結果を収集および運用することが可能となる。
【0066】
なお、画像認識処理部30では、画像識別できた画像位置に、この画像又はこの画像より所定量前から再生することを示す重点箇所を示すフラグを付与するようにしてよい。
【0067】
また、識別できた標識や停止線の種類や個数、位置を示すフラグをそれぞれ追加してもよい。また、ナビ情報と連動させて地図上に表示できるようにしたり、他車からのデータと連係させてもよい。
【0068】
次に、複数の実施例を示して本発明を説明する。
【0069】
[実施例1]
この運転評価システムでは、個々の業務用車両の運転者は、業務終了時に車両の運転時に撮影した動画像を管理者側に渡し、日常的に運転評価を受けることとする。
また、管理者側では評価者を割り当て、渡された多数の動画像に基づいて効率よく個人毎の運転評価を行うこととする。
【0070】
図7に示すように、運転評価システムを、上位サーバと 画像認識処理部30やログ可視化部40等を有するワークステーションとに分けて、運転者毎の運転評価を行った後に、評価結果を上位サーバに送付する通信手段を設けて構築する。なお本実施例では運転評価システム3の構成を有することとする。
本システムでは、構成管理として、上位サーバから、重要視される評価項目の指示を各出張所のワークステーションに通知されることによって、抽出する基準対象(使用する画像識別処理)と評価項目に反映させる基準対象がそれぞれ設定される。また、構成管理では、出張所のワークステーションや個々のドライブレコーダのハードウエア・ソフトウェアの構成・バージョン管理を行なう。また、ワークステーションの負荷が適切であるかも管理してもよい。また、例えば、地域ごとに任意のルールの処理を割当てるパラメータ最適化をおこなってもよい。
【0071】
出張所のワークステーションでは、個々の車両で取得された各種情報を動画像格納部10に順次多数受け付ける。
画像認識処理部30は、記録された動画像から運転評価に用いる基準対象等を抽出してログを生成してログ格納部20に格納する。
評価者は、ログ可視化部40から提示される評価画面を参照して、評価入力部60に個々の評価結果を入力する。
【0072】
評価格納部70に格納された毎日の評価結果は、帳票などに印刷して確認できる。
なお、画像データの蓄積や検索を、運転者毎や車両毎に行なえるように構成している。
【0073】
これら処理を全て出張所等の業務車を管理する部門にて評価作業を行う。その後、評価した運転結果のみを上位サーバに送付する。上位サーバでは、個々の運転者の分析評価結果を集めて、全体としての運用や出張所毎の分析管理を行い、今後の事故の削減などに利用する。また、評価者の評価と、評価者毎の評価の違いを本部側で補正することとしてもよい。
【0074】
このように上位サーバと下位装置とを分けることによって、画像認識処理を適宜分散して多数の車両について効率よく個人毎の運転評価を精度よく行える。
【0075】
[実施例2]
第2の実施例に係る運転評価システムでも、第1の実施例と同様に、車両の運転時に撮影した動画像を用いて、評価者の目視により、渡された多数の動画像を効率よく運転評価を行う。
第1の実施例と異なる部分は、上位サーバ側に画像認識処理部30やログ可視化部40等を有する点である。
【0076】
第2の実施例では、
図8に示すように、運転評価システムを、ログ可視化部40等を有する上位サーバと下位装置たるワークステーションとに分けて、構築する。例えば出張所等の業務車を管理する部門にて、録画データや運転データ等の評価対象となる関連データを上位サーバに送付する。上位サーバは、評価対象となる関連データを受け付けて、個々の運転者の運転評価を行ない、運転者毎の評価結果を出張所毎のワークステーションに送付する。
また、上位サーバでは、評価作業を行い、個々の分析評価結果を集めて、全体としての分析管理を行う。
【0077】
このように上位サーバと下位装置とを分けることによって、画像認識処理を集中処理が行えることとなる。
【0078】
[実施例3]
第3の実施例に係る運転評価システムでも、第1および第2の実施例と同様に、車両の運転時に撮影した動画像を用いて、評価者の目視により、渡された多数の動画像を効率よく運転評価を行う。
第2の実施例と異なる部分は、ワークステーション側に画像認識処理部30を有する点である。
【0079】
第3の実施例では、
図9に示すように、運転評価システムを、ログ可視化部40等を有する上位サーバと画像認識処理部30を有するワークステーションとに分けて、構築する。例えば出張所等の業務車を管理する部門にて、画像認識処理を行い、録画データや評価用ログ、運転データ等の評価対象となる関連データを上位サーバに送付する。上位サーバは、評価対象となる関連データを受け付けて、個々の運転者の運転評価を行ない、運転者毎の評価結果を出張所毎のワークステーションに送付する。また、上位サーバでは、評価者の評価作業を行い、個々の分析評価結果を集めて、全体としての分析管理を行う。
【0080】
このように上位サーバと下位装置とを分けることによって、画像認識処理の分散処理が行えることとなる。
【0081】
[実施例4]
第4の実施例に係る運転評価システムでも、第1ないし第3の実施例と同様に、車両の運転時に撮影した動画像を用いて、評価者の目視により、渡された多数の動画像を効率よく運転評価を行う。
他の実施例と異なる部分は、ワークステーション側に画像認識処理部30とログ可視化部40を有すると共に、分析管理もワークステーション側で行なう点である。
【0082】
第4の実施例では、
図10に示すように、運転評価システムを、画像認識処理部30やログ可視化部40等を有するワークステーションと構成管理を行なう上位サーバに分けて、構築する。各処理は、各出張所のワークステーションで個別に行い、上位サーバでは各出張所の更新や保守管理等の構成管理のみを管理端末を介して一括的に行うように構成されている。
【0083】
このように上位サーバと下位装置とを分けることによって、画像認識処理のから評価者の評価まで出張所毎に個々の都合に合わせて行えることとなる。
【0084】
なお、運転評価システムの各部は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせを用いて実現すればよい。ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせた形態では、RAMに運転評価プログラムが展開され、プログラムに基づいて制御部(CPU)等のハードウェアを動作させることによって、各部を各種手段として実現する。また、運転評価プログラムは、記憶媒体に記録されて頒布されても良い。当該記録媒体に記録されたプログラムは、有線、無線、又は記録媒体そのものを介して、メモリに読込まれ、制御部等を動作させる。尚、記録媒体を例示すれば、オプティカルディスクや磁気ディスク、半導体メモリ装置、ハードディスクなどが挙げられる。
【0085】
上記実施の形態を別の表現で説明すれば、運転評価システムとして動作させる情報処理装置を、RAMに展開された運転評価プログラムに基づき、画像認識手段、ログ格納手段、動画像格納手段、ログ可視化手段、等として制御部を動作させることで実現することが可能である。
【0086】
以上に実施の形態および実施例を図示して説明したが、そのブロック構成の分離併合、手順の入れ替えなどの変更は本発明の趣旨および説明される機能を満たせば自由であり、上記説明が本発明を限定するものではない。
【0087】
以上説明したように、本発明を適用した運転評価システムは、動画像を参照して行う運転評価を低コストで行える環境を提供できる。
【0088】
また、本発明では、情報化しきれていない交通規制を画像認識によって取得して提供することにより、評価者の評価漏れや、評価のブレ、評価者毎の主観による評価の相違などを補完することができる。
【0089】
また、本発明の具体的な構成は前述の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があってもこの発明に含まれる。