(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5962901
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】ミスト発生装置およびミスト発生装置用のノズルコア
(51)【国際特許分類】
A61H 33/10 20060101AFI20160721BHJP
A47K 3/28 20060101ALI20160721BHJP
B05B 1/34 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
A61H33/10 V
A47K3/22
B05B1/34 101
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-87060(P2012-87060)
(22)【出願日】2012年4月6日
(65)【公開番号】特開2013-215325(P2013-215325A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2015年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100120514
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 雅人
(72)【発明者】
【氏名】田上 菜美
(72)【発明者】
【氏名】西田 和馬
(72)【発明者】
【氏名】田中 朗
(72)【発明者】
【氏名】西田 和弘
【審査官】
角田 貴章
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭64−090052(JP,A)
【文献】
特開2008−174268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 33/00−33/14
B05B 1/34
15/00−15/12
A47K 3/28
A61M 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面部にミスト噴出用のノズル口が開口して設けられたベース部材と、
このベース部材に組み合わされて、このベース部材との間に外部から湯水が供給されるチャンバを形成する補助部材と、
前記ベース部材に設けられ、かつ後部が前記チャンバに連通しているとともに、前部が渦流発生部を介して前記ノズル口に連通している湯水流入孔と、
前記ベース部材および前記補助部材とは別体に形成されており、かつ前記湯水流入孔に嵌入装着されるノズルコアと、
を備えている、ミスト発生装置であって、
前記ノズルコアの後部側領域は、このノズルコアの長さ方向に延びた少なくとも1つのスリットが設けられた切欠き筒状に形成されていることにより、弾性復元力を伴ってその半径方向に拡縮変形可能な拡縮変形部とされ、この拡縮変形部を圧縮させた状態で前記湯水流入孔に嵌入されており、
前記拡縮変形部の外周面には、前記拡縮変形部の半径方向外方に突出し、かつ前記湯水流入孔の内周面に当接する凸状部が、前記拡縮変形部の周方向に延びた形状に設けられていることを特徴とする、ミスト発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のミスト発生装置であって、
前記拡縮変形部の一部は、前記湯水流入孔の後方に突出している、ミスト発生装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のミスト発生装置であって、
前記ノズルコアの先端部は、前記拡縮変形部よりも小径とされ、前記湯水流入孔の内周面と前記ノズルコアの先端部の外周面との間には隙間が形成されており、
前記チャンバから前記ノズルコアのスリットを通過した湯水は、前記隙間を通過して前記渦流発生部に導かれるように構成されている、ミスト発生装置。
【請求項4】
ミスト噴出用のノズル口を前面部に開口して設けているミスト発生装置のベース部材のうち、前記ノズル口に渦流発生部を介して連通するように設けられた湯水流入孔に嵌入装着して用いられる、ノズルコアであって、
このノズルコアの後部側領域は、このノズルコアの長さ方向に延びた少なくとも1つのスリットが設けられた切欠き筒状に形成されていることにより、弾性復元力を伴ってその半径方向に拡縮変形可能な拡縮変形部とされており、
前記拡縮変形部の外周面には、前記拡縮変形部の半径方向外方に突出し、かつ前記湯水流入孔の内周面に当接させるための凸状部が、前記拡縮変形部の周方向に延びた形状に設けられていることを特徴とする、ノズルコア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室やシャワールームなどの所望の位置において、湯水を霧状に噴出し、ミストシャワーを浴びるといった用途に用いられるミスト発生装置、およびミスト発生装置の構成部品として用いられるノズルコアに関する。
【背景技術】
【0002】
ミスト発生装置の具体例として、特許文献1に記載のものがある。同文献に記載のミスト発生装置は、前面部にミスト噴出用のノズル口が設けられたベース部材に、補助部材が組み付けられ、これらベース部材と補助部材との間に湯水流入用のチャンバが形成された構成を有している。ベース部材の後面部には、ミスト噴出用のノズル口に連通した湯水流入孔が設けられており、補助部材には、この湯水流入孔に進入する突起部が設けられている。チャンバに供給された湯水は、前記突起部の外周面と湯水流入孔の内周面との隙間を通過して、湯水流入孔の奥部に形成された渦流発生部において渦流となる。その結果、ノズル口からは、前記の湯水がミスト状に噴出する。
ただし、前記した構成においては、前記突起部が補助部材に一体的に設けられている。このため、前記突起部になんらかの支障を生じた場合に、その部分を単独で部品交換するといったことができず、補助部材の全体を交換する必要が生じてしまう。ミスト発生装置においては、ミスト噴出量を多くする観点から、ミスト噴出用のノズル口を複数設けるのが通例であり、このような場合には、それに対応させて、前記突起部も複数設けられる。特許文献1では、このような場合において、1つの突起部に支障を生じても、この部分のみを部品交換して補修するといったことは困難である。
【0003】
一方、本出願人は、特許文献2に記載されたミスト発生装置を先に提案している。同文献に記載のミスト発生装置では、前記した突起部に相当する部材を、ベース部材や補助部材とは別体の部材(ノズルコア)としている。このような構成によれば、ノズルコアに支障が生じた場合には、このノズルコアのみを取り外してメンテナンスを行なうことができ、またそれ単独で部品交換することができる利点が得られる。
【0004】
しかしながら、特許文献2に示すように、ベース部材や補助部材とは別体のノズルコアを用いる場合には、このノズルコアを適切に保持させるとともに、その着脱作業などの容易化を図る上で苦慮することとなる。
特許文献2では、ノズルコアを保持するための支持部を補助部材に設けている例が示されているが、このような手段では、補助部材の構造が複雑化する。ノズルコアの固定手段としては、たとえば所定の湯水流入孔とノズルコアとにネジ部を設けて、ノズルコアを湯水流入孔にねじ込むことも考えられる。ところが、このような手段では、ネジ部の形成箇所が多くなり、やはり構造が煩雑となる。また、ノズルコアの着脱作業の迅速性を高める上でも改善の余地がある。これ以外としては、ノズルコアを所定の湯水流入孔に圧入させる手段も考えられる。ところが、このような単なる圧入手段では、圧入機を必要とし、また圧入されたノズルコアを取り外す必要が生じた場合に、このノズルコアを湯水流入孔から引き抜く作業は容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3083442号公報
【特許文献2】特開2011−245223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、ノズルコアの着脱作業が容易であって、組み立て作業や部品交換などに際して便利であり、しかもノズルコアの装着状態を信頼性の高い安定的なものとすることが可能なミスト発生装置、およびこれに用いられるミスト発生装置用のノズルコアを提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本発明の第1の側面により提供されるミスト発生装置は、前面部にミスト噴出用のノズル口が開口して設けられたベース部材と、このベース部材に組み合わされて、このベース部材との間に外部から湯水が供給されるチャンバを形成する補助部材と、前記ベース部材に設けられ、かつ後部が前記チャンバに連通しているとともに、前部が渦流発生部を介して前記ノズル口に連通している湯水流入孔と、前記ベース部材および前記補助部材とは別体に形成されており、かつ前記湯水流入孔に嵌入装着されるノズルコアと、を備えている、ミスト発生装置であって、前記ノズルコアの後部側領域は、このノズルコアの長さ方向に延びた少なくとも1つのスリットが設けられた切欠き筒状に形成されていることにより、弾性復元力を伴ってその半径方向に拡縮変形可能な拡縮変形部とされ、この拡縮変形部を圧縮させた状態で前記湯水流入孔に嵌入されて
おり、前記拡縮変形部の外周面には、前記拡縮変形部の半径方向外方に突出し、かつ前記湯水流入孔の内周面に当接する凸状部が、前記拡縮変形部の周方向に延びた形状に設けられていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、ノズルコアは湯水流入孔に嵌入された状態においては、拡縮変形部が弾性復帰しようとする力を発揮し、この拡縮変形部が湯水流入孔の内周面に圧接する。したがって、ノズルコアが湯水流入孔から容易に抜けないようにし、ノズルコアの確実な装着を図ることが可能となる。
第2に、ノズルコアの拡縮変形部を挟み、小径状に圧縮させれば、湯水流入孔へのノズルコアの嵌入作業を容易に行なうことができる。同様に、ノズルコアを湯水流入孔から取り外す作業も、拡縮変形部を小径状に圧縮させて容易に行なうことができる。したがって、ノズルコアの着脱作業の容易化ならびに迅速化が達成される。
第3に、ノズルコアには、スリットを有する拡縮変形部を設けるものの、この拡縮変形部は、たとえばノズルコアを樹脂成形する際に容易に成形することが可能である。一方、補助部材やベース部材には、ノズルコアの装着をサポートするための特別な加工を施すような必要はない。したがって、ミスト発生装置の製造コストを低減することができる。
第4に、凸状部を湯水流入孔の内周面に確実に当接させることができる。しかも、その当接箇所には、拡縮変形部の弾性復元力を集中して作用させることも可能となる。したがって、たとえば前記構成とは異なり、前記凸状部を設けることなく、拡縮変形部の外周面の全域を湯水流入孔の内周面に略均一に当接させる場合と比較すると、ノズルコアの位置決めなどをより確実なものとすることが可能となる。
【0010】
本発明において、好ましくは、前記拡縮変形部の一部は、前記湯水流入孔の後方に突出している。
【0011】
このような構成によれば、拡縮変形部のうち、湯水流入孔からその後方に突出している部分を挟めば、拡縮変形部を小径状に変形させることができる。したがって、ノズルコアを小径状に変形させて取り外す作業が一層容易となる。
【0014】
本発明において、好ましくは、前記ノズルコアの先端部は、前記拡縮変形部よりも小径とされ、前記湯水流入孔の内周面と前記ノズルコアの先端部の外周面との間には隙間が形成されており、前記チャンバから前記ノズルコアのスリットを通過した湯水は、前記隙間を通過して前記渦流発生部に導かれるように構成されている。
【0015】
このような構成によれば、ノズルコアの拡縮変形部に設けられているスリットが、チャンバの湯水を渦流発生部に導くための流路として利用されており、拡縮変形部が湯水流入孔の内周面に圧接した状態とされているにも拘わらず、適切な湯水流通を確保することができる。
【0016】
本発明の第2の側面により提供されるミスト発生装置用のノズルコアは、ミスト噴出用のノズル口を前面部に開口して設けているミスト発生装置のベース部材のうち、前記ノズル口に渦流発生部を介して連通するように設けられた湯水流入孔に嵌入装着して用いられる、ノズルコアであって、このノズルコアの後部側領域は、このノズルコアの長さ方向に延びた少なくとも1つのスリットが設けられた切欠き筒状に形成されていることにより、弾性復元力を伴ってその半径方向に拡縮変形可能な拡縮変形部とされて
おり、前記拡縮変形部の外周面には、前記拡縮変形部の半径方向外方に突出し、かつ前記湯水流入孔の内周面に当接させるための凸状部が、前記拡縮変形部の周方向に延びた形状に設けられていることを特徴としている。
【0017】
このような構成のノズルコアは、本発明の第1の側面により提供されるミスト発生装置の構成要素として好適に利用することができ、本発明のミスト発生装置について述べたのと同様な効果が期待できる。
【0018】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(a)は、本発明に係るミスト発生装置の一例を示す外観斜視図であり、(b)は、(a)のIb矢視図であり、(a)に示すミスト発生装置の正面図に相当する。
【
図2】
図1に示すミスト発生装置の分解斜視図である。
【
図3】(a)は、
図1のIII−III断面図であり、(b)は、(a)の要部拡大断面図である。
【
図4】(a)は、
図1〜
図3で示すミスト発生装置に用いられているノズルコアの斜視図であり、(b)は、(a)IVb−IVb断面図である。
【
図5】
図1〜
図3に示すミスト発生装置に設けられている渦流発生部の要部平面図である。
【
図6】(a),(b)は、本発明の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0021】
図1〜
図5は、本発明に係るミスト発生装置およびその関連構成の一例を示している。なお、以降の説明においては、図面の下方向をミスト発生装置の前方Frとし、上方向を後方とする。
【0022】
図1および
図2に示すように、本実施形態のミスト発生装置Aは、ベース部材1、補助部材2、および複数のノズルコア3を具備している。また、ベース部材1の前面部には、前面カバーパネル6も装着されている。これらはいずれも樹脂製である。
【0023】
ベース部材1は、その基本的な形態が中央部分に凹部10または孔部を有する円板状または中空円板状であり、
図3に示すように、その前壁部11(図面では下壁部に相当する
)には、ミスト噴出用の複数のノズル口12が開口している。複数のノズル口12は、
図1(b)に示すように、たとえば円形状に並んだ配列とされている。前面カバーパネル6は、各ノズル口12の正面に位置する複数の開口部60を備えた円板状の部材であり、たとえばベース部材1の前面部の周囲に凸部19を形成し、この部分に嵌合装着されている。
図3に示すように、ベース部材1の前面部は、各ノズル口12の周囲が他の部分よりも前方に突出した凸状となっているが、この部分を覆うように前面カバーパネル6が設けられていることにより、ミスト発生装置Aの前面部分には部分的な凸部のない略フラットな面となる。勿論、このような前面カバーパネル6を用いない構成としてもよい。
【0024】
ベース部材1のうち、各ノズル口12の後部側には、渦流発生部13および湯水流入孔14が連通して設けられている。湯水流入孔14は、後述するチャンバ4の湯水を渦流発生部13に導くための部分であるが、この湯水流入孔14にノズルコア3が嵌入される。渦流発生部13は、ノズル口12に接近するほど内径が徐々に小さくなるように形成された空間部であり、
図5の平面視のように、渦流発生部13開口周縁部には、複数の凹溝15が形成されている。各凹溝15は、渦流発生部13に対して湯水を略接線方向から流入させるための部分である。所定圧の湯水が各凹溝15を通過して渦流発生部13に流入すると、この部分において渦流(旋回流)となり、この現象によりノズル口12から微粒子化された湯水のミストが噴出する。
【0025】
補助部材2は、ベース部材1の後部側に組み付けられている。ベース部材1には、後方に突出する同心円状の2つの環状の壁部16a,16bが設けられているのに対し、補助部材2には、それら環状の壁部16a,16bに嵌合可能な壁部20a,20bが設けられている。このことにより、補助部材2とベース部材1との間には、環状のチャンバ4が設けられている。湯水流入孔14は、このチャンバ4に後端(図面では上端)が開口した形態とされる。補助部材2には、ホース(図示略)接続用の配管接続部21が設けられており、この配管接続部21の内部は、チャンバ4に連通している。外部からチャンバ4への湯水供給は、この配管接続部21に接続されたホースを利用して行なわれる。
【0026】
ノズルコア3は、湯水流入孔14に嵌入されることによって、
図5に示した渦流発生部13の後部開口側や、各凹溝15の中央寄り部分の後部開口を塞ぎ、各凹溝15内の外端部に湯水を導く役割を果たすものである。ノズルコア3が湯水流入孔14に装着されていない状態では、チャンバ4から湯水流入孔14に流入した湯水は、渦流発生部13に直接流入し、凹溝15から渦流発生部13に湯水を適切に流入させることができない。この場合、渦流発生部13においては、湯水流入孔水の渦流は発生せず、適切なミスト噴出は困難となる。
【0027】
図4に示すように、ノズルコア3の先端部30を除く後部側領域は、拡縮変形部31として形成されている。この拡縮変形部31は、このノズルコア3の長さ方向に延びた複数(図面では4つ)のスリット31aが設けられた切欠き筒状に形成された部分であり、弾性復元力を伴ってこのノズルコア3の半径方向に拡縮変形可能である。拡縮変形部31の外周面には、半径方向に突出した複数の凸状部32が設けられている。これら複数の凸状部32は、湯水流入孔14の内周面に圧接させるための部分であり、好ましくは、拡縮変形部31の周方向に延びた形状である。
【0028】
ノズルコア3の先端部30の外径D2は、拡縮変形部31の外径D1(拡縮変形部31の自然状態の外径)よりも小径とされている。このことにより、
図3(b)に示すように、ノズルコア3が湯水流入孔14に嵌入された際には、先端部30と湯水流入孔14の内周面との間には、隙間41が形成される。また、この隙間41は、ノズルコア3のスリット31aに連通している。したがって、スリット31aを通過してきた湯水は、隙間41に流入する。ノズルコア3は、湯水流入孔14に嵌入された際には、拡縮変形部31の一
部が、湯水流入孔14の後方に適当な寸法L1だけ突出する寸法に構成されている。
【0029】
次に、前記した構成のミスト発生装置Aの作用について説明する。
【0030】
まず、ノズルコア3を湯水流入孔14に嵌入させる際には、拡縮変形部31を指またはペンチなどで挟み、小径状に圧縮させた状態とする。このようにすれば、ノズルコア3と湯水流入孔14の内周面との摩擦抵抗が小さくなり、湯水流入孔14へのノズルコア3の嵌入作業を容易に行なうことができる。
【0031】
湯水流入孔14にノズルコア3を嵌入させた後には、ノズルコア3から指または工具を離す。すると、拡縮変形部31は自己の弾性復元力によって外径が拡大し、湯水流入孔14の内周面に圧接する。とくに、本実施形態では、拡縮変形部31の外周面の全域を湯水流入孔14の内周面に圧接させるのではなく、ノズルコア3の外周面に設けられた凸状部32を圧接させるようにしているために、この圧接が確実化され、しかもその当接箇所には、拡縮変形部の弾性復元力を集中して作用させることが可能となる。したがって、ノズルコア3の位置決めの確実化ならびに適正化を図り、ノズルコア3が不用意に抜け外れるような不具合をより確実に防止することができる。なお、本実施形態とは異なり、凸状部32を設けない構成としてもよい。また、凸状部32を設ける場合においては、湯水流入孔14の内周面に環状の凹部を形成し、この凹部に凸状部32を係入させるようにしてもかまわない。このような手段によれば、ノズルコア3の位置ずれなどをより確実に防止することが可能となる。
【0032】
ノズルコア3の拡縮変形部31は、スリット31aを有する切欠き筒状であるために、チャンバ4の湯水は、この拡縮変形部31の内側に容易に流入した後に、各スリット31aを通過し、隙間41に到達する。隙間41に到達した湯水は、各凹溝15を通過して渦流発生部13に適切に流入する。このように、拡縮変形部31のスリット31aは、湯水を隙間41に導くための流路を兼用している。拡縮変形部31は、既述したように、湯水流入孔14の内周面に圧接するものの、このことに起因して隙間41に到る湯水流路が不当に塞がれ、または狭くなるといった不具合はない。拡縮変形部31のスリット31aは、幅を比較的大きくすることができ、しかも複数設けられているために、円滑な湯水流通を行なわせることが可能である。
【0033】
湯水流入孔14に詰まりを生じたり、ノズルコア3に破損が生じることなどに起因して、ノズルコア3を湯水流入孔14から取り外したい場合がある。このような場合、ノズルコア3の拡縮変形部31を小径状に圧縮させた状態として、湯水流入孔14から引き抜けばよい。その引き抜き時の摩擦抵抗はやはり少なく、その操作を弱い力で簡単に行なうことが可能である。拡縮変形部31は、湯水流入孔14の後方に適当な寸法L1だけ突出しているため、この突出部分を利用して拡縮変形部31を容易に圧縮することができ、便利である。このようなことから、本実施形態では、ノズルコア3の部品交換なども容易に行なうことが可能である。もちろん、複数のノズルコア3のうち、破損などを生じた一部のノズルコア3のみを交換して対処することが可能であり、その部品交換費用なども廉価にすることができる。
【0034】
図6は、本発明の他の実施形態を示している。同図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付している。
【0035】
図6(a)は、リング状に配列された複数のノズルコア3が、連結部5を介して一連に連結されている。同図(b)は、直線状に配列されたノズルコア3が、連結部5を介して連結されている。同図(a),(b)のいずれの場合においても、連結部5と各ノズルコア3とは、一体的に樹脂成形されている。好ましくは、連結部5は、各ノズルコア3を湯
水流入孔14に嵌入する際の支障とならないように、拡縮変形部31の後部寄り(図面では上部寄り)の位置に繋がっている。
【0036】
本実施形態によれば、複数のノズルコア3がバラバラに散在しないようにし、複数ノズルコア3を一纏めにして取り扱うことが可能となる。
図6(a)に示した構成では、複数のノズルコア3がリング状に配列されて連結され、
図2に示した複数の湯水流入孔14の配列に対応しているために、これら複数の湯水流入孔14への嵌入作業が、より容易化される。
図6(b)に示した構成の場合であっても、連結部5を曲げることによって、複数ノズルコア3を
図2に示した各湯水流入孔14に容易に嵌入させることが可能となる。むろん、本発明に係るミスト発生装置では、複数の湯水流入孔14を円形状の配置に設けなくてもよく、たとえば直線状に並んだ配置としてもよい。
【0037】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係るミスト発生装置、およびミスト発生装置用のノズルコアの各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
【0038】
ノズルコアの拡縮変形部は、スリットが設けられた切欠き筒状とされていることにより、拡縮変形が可能であればよく、スリットの具体的な数は問わない。スリットが1つであっても、弾性復元力をもつ拡縮変形部を構成することが可能である。なお、
図5に示した凹溝15に相当する凹溝をノズルコアの先端面に形成することにより、ベース部材1には凹溝15を設けない構成とすることも可能である。
【0039】
本発明に係るミスト発生装置は、シャワーヘッドタイプの比較的なコンパクトなものとして構成できるが、これに代えて、浴室の床面や浴室の壁面などに設置した状態で使用するタイプのもの、あるいは浴室乾燥機に組み付けられたものなどに構成することもできる。また、ミスト発生装置の用途も限定されず、浴室やシャワールームでのミストシャワーやミストサウナに用いる以外に、たとえば夏季のクーリング用のミストシャワー用途などにも用いることができる。したがって、本発明でいうベース部材や補助部材の形状やサイズなどは、そのような用途に応じて適宜変更することができる。また、ミスト噴出口の数なども適宜選択できる。
【符号の説明】
【0040】
A ミスト発生装置
1 ベース部材
2 補助部材
3 ノズルコア
4 チャンバ
12 ミスト噴出用のノズル口
13 渦流発生部
14 湯水流入孔
31 拡縮変形部(ノズルコアの)
31a スリット
32 凸状部