(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
赤色光源装置と、緑色光源装置と、青色光源装置と、この各光源装置からの射出光を同一光軸とする導光光学系と、表示素子と、前記導光光学系により前記同一光軸とされた光を前記表示素子に導く光源側光学系と、前記表示素子により形成される光学像をスクリーンに投影する投影側光学系と、前記光源装置や前記表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を備え、
前記赤色光源装置、前記緑色光源装置、及び前記青色光源装置の少なくとも何れかの光源装置が、複数の光源素子と前記光源素子と同数の集光部を有するレンズアレイであって、入射側の第1レンズ部と出射側の第2レンズ部の光軸がずれた前記集光部を有する前記レンズアレイを備えた請求項1乃至請求項4の何れかに記載の光源装置であることを特徴とするプロジェクタ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について述べる。
図1は、プロジェクタ10の外観斜視図である。なお、本実施形態において、プロジェクタ10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とはプロジェクタ10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0014】
そして、プロジェクタ10は、
図1に示すように、略直方体形状であって、プロジェクタ筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有するとともに、この正面パネル12には複数の吸気孔18を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
【0015】
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源ユニットや表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
【0016】
さらに、筐体の背面には、背面パネルにUSB端子や画像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔が形成されている。なお、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、
図1に示した側板である左側パネル15には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15の背面パネル近傍の隅部には、吸気孔18も形成されている。さらに、図示しない下面パネルにおける正面、背面、左側及び右側パネルの近傍にも、吸気孔あるいは排気孔が複数形成されている。
【0017】
次に、プロジェクタ10のプロジェクタ制御手段について
図2のブロック図を用いて述べる。プロジェクタ制御手段は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成され、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0018】
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0019】
表示駆動部26は、表示素子制御手段として機能するものであり、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものであり、光源ユニット60から射出された光線束を導光光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、後述する投影側光学系を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。なお、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45よりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
【0020】
また、画像圧縮伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。さらに、画像圧縮伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行う。
【0021】
制御部38は、プロジェクタ10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
【0022】
筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
【0023】
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
【0024】
また、制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御しており、この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光が光源ユニット60から射出されるように、光源ユニット60の励起光照射装置、赤色光源装置、及び青色光源装置の発光を個別に制御する。
【0025】
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源ユニット60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等によりプロジェクタ本体の電源OFF後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によってはプロジェクタ本体の電源をOFFにする等の制御も行う。
【0026】
次に、このプロジェクタ10の内部構造について述べる。
図3は、プロジェクタ10の内部構造を示す平面模式図である。
図4は、本発明の実施形態に係る光源装置及び光源装置からの射出光を示すプロジェクタ10の平面模式図である。なお、
図4において後述する第一ダイクロイックミラー141は省略している。
【0027】
プロジェクタ10は、
図3に示すように、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えてなる。また、プロジェクタ10は、制御回路基板241の側方、つまり、プロジェクタ筐体の略中央部分に光源ユニット60を備えている。さらに、プロジェクタ10は、光源ユニット60と左側パネル15との間に光学系ユニット160を備えている。
【0028】
光源ユニット60は、プロジェクタ筐体の左右方向における略中央部分であって背面パネル13近傍に配置される励起光照射装置70と、この励起光照射装置70から射出される光線束の光軸上であって正面パネル12の近傍に配置される蛍光発光装置100と、この蛍光発光装置100から射出される光線束と平行となるように正面パネル12の近傍に配置される青色光源装置300と、励起光照射装置70と蛍光発光装置100との間に配置される赤色光源装置120と、蛍光発光装置100からの射出光や赤色光源装置120からの射出光、青色光源装置300からの射出光の光軸が夫々同一の光軸となるように変換して各色光を所定の一面であるライトトンネル175の入射口に導光する導光光学系140と、を備える。上記励起光照射装置70と蛍光発光装置100は、本発明に係る光源装置及び緑色光源装置に相当する。
【0029】
励起光照射装置70は、背面パネル13と光軸が直交するように配置されたレーザー発光素子等の励起光源71と、励起光源71からの射出光を集光する集光レンズ78と、励起光源71と背面パネル13との間に配置されたヒートシンク81と、を備える。
【0030】
励起光源71としては、青色レーザーダイオード等のレーザー光源としての発光素子であり、5行8列の計40個の励起光源71がマトリクス状に配列されており、各励起光源71の光軸上には、励起光源71からの射出光を指向性が増した光に変換するコリメータレンズであるレンズアレイ73が配置されている。略矩形状のレンズアレイ73は、
図4に示すように、ベース部73aの入射側及び出射側に凸形状の複数の集光部73rを有し、複数の集光部73rが各励起光源71それぞれから射出される光線束の間隔を縮小して集光レンズ78を介して被照射体である蛍光ホイール101に照射する。
【0031】
ヒートシンク81の近傍には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81とによって励起光源71が冷却される。
【0032】
蛍光発光装置100は、正面パネル12と平行となるように、つまり、励起光照射装置70から凹レンズ76を介して射出した光線束の光軸と直交するように配置された蛍光板としての蛍光ホイール101と、この蛍光ホイール101を回転駆動するホイールモータ110と、蛍光ホイール101から背面パネル13方向に射出される光線束を集光する集光レンズ群111と、を備える。集光レンズ群111は、大径の凸レンズ112と小径の凸レンズ113とを有し、それぞれの光軸と集光レンズ78の光軸とが一致するように直線状に配置されている。
【0033】
蛍光ホイール101は、円板状の金属基材であって、励起光源71からの射出光を励起光として緑色波長帯域の蛍光発光光を射出する環状の蛍光発光領域が凹部として形成され、励起光を受けて蛍光発光する蛍光板として機能する。また、蛍光発光領域を含む蛍光ホイール101の励起光源71側の表面は、銀蒸着等によってミラー加工されることで光を反射する反射面が形成され、この反射面上に被照射体である緑色の蛍光体層が敷設されている。また、本実施形態に係るプロジェクタ10では、蛍光ホイール101の蛍光体層上の所定領域に、励起光源71からの励起光が照射される。励起光が照射される所定領域の形状は、例えば略矩形状となるように設定される。
【0034】
詳細には、励起光が照射される蛍光体層の所定領域は、各励起光源71からレンズアレイ73のレンズ部の励起光それぞれの一部分、又は、全部が重なり合うように構成される。矩形状の所定領域内の励起光の照射強度は、略均一となるように規定される。また、本実施形態のプロジェクタ10は、表示素子51として矩形状のDMD、断面形状が矩形状のライトトンネル175を備え、このDMD及びライトトンネル175の形状と同形状となるように、励起光の照射される所定領域が略矩形状とされている。上記励起光が照射される所定領域の形状は、この形態に限られるものではなく、例えば、円形状、楕円形状など任意の形状であってもよい。後述するように、励起光源71の光軸71aに対するレンズアレイ73の第2レンズ部73cの光軸73tのシフト量701を適宜設定することにより、蛍光ホイール101上の蛍光体層に励起光が照射される所定領域を、所望の形状や光の強度分布となるように構成することが可能である。
【0035】
そして、
図3及び
図4に示すように、励起光源71からレンズアレイ73、集光レンズ78、凹レンズ76、及び第一ダイクロイックミラー141を介して蛍光ホイール101の緑色の蛍光体層に照射された光は、緑色の蛍光体層における緑色蛍光体を励起し、緑色蛍光体から全方位に蛍光発光された光線束は、直接励起光源71側へ、あるいは、蛍光ホイール101の反射面で反射した後に励起光源71側へ射出される。また、蛍光体層の蛍光体に吸収されることなく、金属基材に照射された励起光は、反射面により反射されて再び蛍光体層に入射し、蛍光体を励起することとなる。よって、蛍光ホイール101の凹部の表面を反射面とすることにより、励起光源71から射出される励起光の利用効率を上げることができ、より明るく発光させることができる。上記凹レンズ76は、励起光源71からの励起光を略平行光に変換する。
【0036】
なお、蛍光ホイール101の反射面で蛍光体層側に反射された励起光において、蛍光体に吸収されることなく励起光源71側に射出された励起光は、ダイクロイックミラーとしての第一ダイクロイックミラー141を透過し、蛍光光は第一ダイクロイックミラー141により反射されるため、励起光が外部に射出されることはない。そして、ホイールモータ110と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって蛍光ホイール101が冷却される。すなわち、上記第一ダイクロイックミラー141は、凹レンズ76と集光レンズ群111の光軸に対して斜めに配置され、凹レンズ76から射出された励起光を透過させ、集光レンズ群111で集光された蛍光光を反射するように構成されている。
【0037】
赤色光源装置120は、各励起光源71の配置方向と、光軸が平行となるように配置された赤色光源121と、赤色光源121からの射出光を集光する集光レンズ群125と、を備える。そして、この赤色光源装置120は、励起光照射装置70からの射出光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光と光軸が交差するように配置されている。また、赤色光源121は、赤色の波長帯域光を発する半導体発光素子としての赤色発光ダイオードである。さらに、赤色光源装置120は、赤色光源121の右側パネル14側に配置されるヒートシンク130を備える。そして、ヒートシンク130と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって赤色光源121が冷却される。
【0038】
青色光源装置300は、蛍光発光装置100からの射出光の光軸と平行となるように配置された青色光源301と、青色光源301からの射出光を集光する集光レンズ群305と、を備える。そして、この青色光源装置300は、赤色光源装置120からの射出光と光軸が交差するように配置されている。また、青色光源301は、青色の波長帯域光を発する半導体発光素子としての青色発光ダイオードである。さらに、青色光源装置300は、青色光源301の正面パネル12側に配置されるヒートシンク310を備える。そして、ヒートシンク310と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって青色光源301が冷却される。
【0039】
そして、導光光学系140は、赤色、緑色、青色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸とさせるダイクロイックミラー等からなる。具体的には、励起光照射装置70から射出される青色波長帯域光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光の光軸と、赤色光源装置120から射出される赤色波長帯域光の光軸と、が交差する位置に、青色及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射してこの緑色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一ダイクロイックミラー141が配置されている。
【0040】
また、青色光源装置300から射出される青色波長帯域光の光軸と、赤色光源装置120から射出される赤色波長帯域光の光軸と、が交差する位置に、青色波長帯域光を透過し、緑色及び赤色波長帯域光を反射してこの緑色及び赤色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二ダイクロイックミラー148が配置されている。そして、第一ダイクロイックミラー141と第二ダイクロイックミラー148との間には、凸形状の集光レンズ77が配置されている。さらに、ライトトンネル175の近傍には、ライトトンネル175の入射口に光源光を集光する集光レンズ173が配置されている。
【0041】
光学系ユニット160は、励起光照射装置70の左側方に位置する照明側ブロック161と、背面パネル13と左側パネル15とが交差する位置の近傍に位置する画像生成ブロック165と、導光光学系140と左側パネル15との間に位置する投影側ブロック168と、の3つのブロックによって略コの字状に構成されている。
【0042】
この照明側ブロック161は、光源ユニット60から射出された光源光を画像生成ブロック165が備える表示素子51に導光する光源側光学系170の一部を備えている。この照明側ブロック161が有する光源側光学系170としては、光源ユニット60から射出された光線束を均一な強度分布の光束とするライトトンネル175、ライトトンネル175から射出された光を集光する集光レンズ178、ライトトンネル175から射出された光線束の光軸を画像生成ブロック165方向に変換する光軸変換ミラー181等がある。
【0043】
画像生成ブロック165は、光源側光学系170として、光軸変換ミラー181で反射した光源光を表示素子51に集光させる集光レンズ183と、この集光レンズ183を透過した光線束を表示素子51に所定の角度で照射する照射ミラー185と、を有している。さらに、画像生成ブロック165は、表示素子51とするDMDを備え、この表示素子51と背面パネル13との間には表示素子51を冷却するためのヒートシンク190が配置されて、このヒートシンク190によって表示素子51が冷却される。また、表示素子51の正面近傍には、投影側光学系220としての集光レンズ195が配置されている。
【0044】
投影側ブロック168は、表示素子51で反射されたオン光をスクリーンに放出する投影側光学系220のレンズ群を有している。この投影側光学系220としては、固定鏡筒に内蔵する固定レンズ群225と可動鏡筒に内蔵する可動レンズ群235とを備えてズーム機能を備えた可変焦点型レンズとされ、レンズモータにより可動レンズ群235を移動させることによりズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
【0045】
また、
図4に示すように、本実施形態に係る励起光照射装置70は、複数の励起光源71が平面状に配置された領域の中心79sと、複数の励起光源71から射出される励起光の束の光軸と、集光レンズ78の光軸と、凹レンズ76の光軸と、集光レンズ群111の光軸と、蛍光ホイール101の蛍光体層上の励起光が照射される所定領域の中心とが、同一直線上に配置されるように構成されている。
【0046】
次に、プロジェクタ10の光源装置である励起光照射装置70、蛍光発光装置100等を
図4乃至
図7を参照しながら詳細に説明する。
図5は、励起光照射装置70の断面図である。
図6は、励起光源71の光軸71aと、レンズアレイ73の第1レンズ部73bの中心線である光軸73sと、レンズアレイ73の第2レンズ部73cの中心線である光軸73tと、光の射出方向の一例を示す図である。
図7は、励起光照射装置70のレンズアレイ73等の正面模式図である。
【0047】
励起光照射装置70は、光源としての複数の励起光源71と、複数の励起光源71それぞれに対応するように配置され、各励起光源71からの射出光を平行光とする複数の集光部73rを有するレンズアレイ73と、複数の励起光源71と複数の集光部73rが形成されたレンズアレイ73とを保持する保持体としてのレンズアレイホルダ79及び光源保持体80と、を有する。
【0048】
レンズアレイ73は、板状で略長方形の形状をしたベース部73aと、ベース部73aの両面部に凸形状に形成された複数の集光部73rを有する。レンズアレイ73は、透明性を有するガラス素材(硝材)やモールドガラス用材料等で一体形成されている。ガラス素材としては、白板ガラスや石英ガラス等の光学ガラスを採用することができる。レンズアレイ73の詳細については、後述する。
【0049】
レンズアレイホルダ79は、耐熱樹脂性の保持部材であり、
図5に示すように、レンズアレイ73を保持するアレイ保持穴としての凹部79eと、複数の励起光源71を行及び列をなすように平面状に保持する光源保持穴としての穴部79bとを有する。レンズアレイ73の前面側には板状の押え板75が配置され、押さ板75でレンズアレイホルダ79に保持されている。押え板75は、後述するように、集光部73rの第2レンズ部73cに対応した開口部75bを有し、レンズアレイホルダ79にネジ95によって螺子止めされている。
【0050】
光源保持体80は、アルミニウム等の放熱部材であり、励起光源71を保持する。詳細には、光源保持体80は、
図5に示したように、レンズアレイホルダ79と嵌合するとともにレンズアレイホルダ79との間に励起光源71を保持する。また、光源保持体80とレンズアレイホルダ79とは、励起光源71を保持した状態で、固定ネジ(不図示)で固定されることにより一体とされる。
【0051】
また、光源保持体80の裏面側には、例えば制御部38に電気的に接続されるフレキシブル基板90が配置され、このフレキシブル基板90は、励起光源71と電気的に接続されている。
【0052】
次に、本発明の実施形態に係るレンズアレイ73について図面を参照しながら、詳細に説明する。上述したように、レンズアレイ73は、ベース部73aと、ベース部73aの両面部に凸形状に形成された複数の集光部73rを有する。
【0053】
集光部73rは、詳細には、
図5、
図6(a)に示すように、ベース部73aの光の入射側に形成された凸形状の第1曲面を有する入射側レンズ部である第1レンズ部73bと、ベース部73aの光の出射側に形成された凸形状の第2曲面を有する出射側レンズ部である第2レンズ部73cとを有する。この第1レンズ部73bの光軸73sと第2レンズ部73cの光軸73tとが平行に所定のシフト量701だけずれるように構成されている。
【0054】
本実施形態では、
図5、
図6(a)に示すように、第1レンズ部73bは、その光軸73sと、励起光源71の光軸71aが一致するように構成されている。
【0055】
図6(b)に示すように、励起光源71から出射された光は、第1レンズ部73bに入射し、第1レンズ部73bで集光され、光束の広がりが抑えられ且つ光束の断面積が小さい状態で、ベース部73aを介して第2レンズ部73cにもれなく入射し、第2レンズ部73cでシフト量701に応じた角度で屈折して、比較的幅の狭い平行光が射出される。
【0056】
また、レンズアレイ73の第2レンズ部73cの光軸73tと励起光源71の光軸71aとのずれ量である
図6(a)に示したシフト量701は、
図7に示すように複数の励起光源71が光源保持体80に平面状に配置された領域の中心79sから、励起光源71それぞれまでの距離に応じて規定されている。
【0057】
なお、励起光照射装置70では、複数の励起光源71が平面状に配置された領域の中心79sから、各励起光源71それぞれまでの距離が大きいほど、レンズアレイ73の第2レンズ部73cのシフト量701が大きくなるように、さらに、レンズアレイ73の第2レンズ部73cが中心79sに近づくように構成されている。こうすることにより、各励起光源71からレンズアレイ73を介して射出された光線束が入射される集光レンズ78のサイズを小型化することができる。
【0058】
尚、上記レンズアレイ73の第2レンズ部73cのシフト量701は、レンズアレイ73の形成材料の屈折率、焦点距離、第1レンズ部73b及び第2レンズ部73cの形状等により適宜設定される。
【0059】
上述した実施形態では、複数の励起光源71が等間隔で行及び列をなすように配置され、励起光源71それぞれに対応するレンズアレイ73の出射側レンズ部である第2レンズ部73cを、規定されたシフト量701だけシフトして配置されていたが、この形態に限られるものではない。例えば、レンズアレイ73の複数の第2レンズ部73cが等間隔で行及び列をなすように配置され、第2レンズ部73cそれぞれに対応する複数の励起光源71が規定されたシフト量701だけシフトして配置されていてもよい。
【0060】
上述した実施形態では、レンズアレイ73の入射側の第1レンズ部73bの光軸73sと、レーザー発光素子等の励起光源71の光軸71aとが一致していたが、この形態に限られるものではない。例えば、レンズアレイ73の入射側の第1レンズ部73bの光軸73sと、レーザー発光素子等の励起光源71の光軸71aとがずれていてもよい。この際、被照射対象に光が良好に照射されるように、第1レンズ部73bの光軸73s、第2レンズ部73cの光軸73t、及び、レーザー発光素子等の励起光源71の光軸71aそれぞれのずれ量を最適な値に設定することが好ましい。
【0061】
また、例えば、上記実施形態では、励起光源71が等間隔に配置され、励起光源71に対してレンズアレイ73の第2レンズ部73cの光軸73tが所定のシフト量701でシフトしていたが、この形態に限られるものではない。例えば、レンズアレイ73の第2レンズ部73cが等間隔に配置され、励起光源71の位置がシフトしてもよい。また、例えば、レンズアレイ73の複数の集光部73rのうち、一部分の集光部73rのみがシフトしてもよい。
【0062】
以上、説明したように、本発明の実施形態によれば、プロジェクタ10の光源装置は、光を射出する複数個の光源素子としてのレーザー発光素子である励起光源71と、各光源素子からの射出光を集光するレンズアレイ73と、レンズアレイ73を保持する保持体としてのレンズアレイホルダ79とを有する。そして、レンズアレイ73は、ベース部73aと、ベース部73aの光の入射側に形成された凸形状の第1曲面を有する第1レンズ部73b、及び、ベース部73aの光の出射側に形成された凸形状の第2曲面を有する第2レンズ部73cを備えた集光部73rの複数個と、有する。この集光部73rの第1レンズ部73bの中心線である光軸73sと、第2レンズ部73cの中心線である光軸73tとが平行にずれて形成されている。
【0063】
このため、
図6(b)に示すように、レーザー発光素子等の励起光源71からの光は、レンズアレイ73の第1レンズ部73bで集光され、光束の広がりが抑えられ、光束の断面積が小さい状態で、ベース部73aを介して第2レンズ部73cに入射され、第2レンズ部73cで全ての光束をもれなく集光して、第2レンズ部73cにより屈曲して所定の方向に光が射出することとなり、簡単な構成で、光の漏れ、集光率の低下、輝度の低下、輝度ムラ等を抑制することができるとともに、製造コストが低く、高輝度の光源装置である励起光照射装置70、及びその光源装置を備えたプロジェクタ10を提供することができる。
【0064】
また、励起光源71の光軸71aに対するレンズアレイ73の第2レンズ部73cの光軸73tのシフト量701を適宜設定することにより、蛍光ホイール101上の蛍光体層に励起光が照射される所定領域を、所望の形状や光の強度分布となるように構成することが可能である。
【0065】
また、例えば、励起光源71やレンズアレイ73等の製造公差を考慮して、レンズアレイ73とレーザー発光素子等の励起光源71との間を比較的長い距離に設定したとしても、レンズアレイ73に第1レンズ部73bを設けたので、第1レンズ部73bにより励起光源71からの光を集光して光束の広がりを抑え、第2レンズ部73cで全ての光束をもれなく集光して、光の漏れ、集光率の低下、輝度の低下、輝度ムラ、スペックルノイズなどを防止することができる。
【0066】
例えば、比較例として、ベース部73aに第2レンズ部73cが形成され第1レンズ部73bが形成されていないレンズアレイでは、レーザー発光素子等の励起光源71からの光束が広がり、第2レンズ部73cの口径外にもれてしまい、集光率が低下する場合がある。
【0067】
また、本発明の実施形態によれば、レンズアレイ73の第1レンズ部73bの光軸73sと、光源素子である励起光源71の光軸71aとが一致するように構成され、第1レンズ部73bの焦点位置、又は焦点位置の近傍位置に励起光源71を配置することで、簡単に第1レンズ部73bにより光束の広がりを抑えることができる。すなわち、このレンズアレイ73の光学設計を簡単に行うことができ、低い製造コストで、光の漏れ、集光率の低下、輝度の低下などを防止可能で、小型化を図ることができる光源装置、及びプロジェクタ10を提供することができる。
【0068】
さらに、本発明の実施形態によれば、複数の励起光源71のレーザー発光素子が平面上に配置され、レンズアレイ73は、複数の励起光源71に対応する位置に配置された複数の集光部73rがベース部73aに形成され、第2レンズ部73cの光軸73tと励起光源71の光軸71aとが平行にずれるように配置され、励起光源71から集光部73rを介して射出された光が被照射体である蛍光ホイール101上の所定領域に集光するように、第2レンズ部73cの中心線である光軸73tと励起光源71の光軸71aとのシフト量701が規定されている。このため、簡単な構成で、蛍光ホイール101上の所定領域に集光するように構成することができ、小型化を図ることができる光源装置、及びプロジェクタ10を提供することができる。
【0069】
また、上記複数の励起光源71それぞれからレンズアレイ73を介して射出される光線束は、各励起光源71からの光線相互が平行光ではなく、各光線の相互の間隔が縮小するように射出されるように構成されている。このため、比較的小さい口径の集光レンズ78を採用した構成とすることができ、更に集光レンズ78を用いることなく、プロジェクタ10を構成することも可能である。
【0070】
また、本発明の実施形態によれば、保持体であるレンズアレイホルダ79及び光源保持体80は、複数の励起光源71及びその励起光源71それぞれに対応する集光部73rを、行及び列をなすように平面状に保持するとともに、複数の励起光源71が上記保持体に平面状に配置された領域の中心79sから、励起光源71それぞれまでの距離に応じて、その励起光源71に対応する集光部73rの第2レンズ部73cのシフト量701が規定されている。このため、簡単な構成で、高輝度で小型化を図ることができる光源装置、及びその光源装置を備えたプロジェクタ10を提供することができる。
【0071】
また、本発明の実施形態によれば、保持体上に複数の励起光源71が平面状に配置された領域の中心79sから、励起光源71それぞれまでの距離が大きいほど、シフト量701が大きくなるように構成されているので、比較的簡単な構成により、高輝度で小型化を図ることができる光源装置、及びその光源装置を備えたプロジェクタ10を提供することができる。
【0072】
また、本発明の実施形態によれば、励起光源71として、レーザー発光素子等のレーザー光源を用いることで、高輝度で小型化を図ることができる光源装置、及びその光源装置を備えたプロジェクタ10を提供することができる。
【0073】
尚、上記実施形態は、光源素子としてレーザー発光素子を用いるも、発光ダイオードを発光素子として用いて複数個の発光素子からの射出光を一点に集光する場合も同様であり、複数の光源素子からの光を励起光として用いる場合のみでなく、複数の可視光を発する発光ダイオードの光を拡散板の一点に集光し、拡散板により輝度ムラのない明るい光として拡散板透過発光する光源として利用することもできる。
【0074】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0075】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 光を射出する複数の光源素子と、
前記各光源素子からの射出光を集光するレンズアレイと、
を有し、
前記レンズアレイは、ベース部と、前記ベース部の光の入射側に形成された凸形状の第1曲面を有する第1レンズ部、及び、前記ベース部の光の出射側に形成された凸形状の第2曲面を有する第2レンズ部を備えた複数の集光部と、からなり、
前記各集光部の前記第1レンズ部の光軸と、前記第2レンズ部の光軸とが平行にずれていることを特徴とする光源装置。
[2] 前記第1レンズ部の光軸と、前記光源素子の光軸とが一致していることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
[3] 複数の前記光源素子が平面上に配置され、
前記レンズアレイは、前記複数の光源素子に対応する位置に配置された前記複数の集光部が前記ベース部に形成され、
前記第2レンズ部の光軸と前記光源素子の光軸とが平行にずれるように配置され、前記光源素子から前記集光部を介して射出された光が被照射体上の所定領域に集光するように、前記第2レンズ部の光軸と前記光源素子の光軸とのシフト量が規定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
[4] 前記レンズアレイを保持する保持体をさらに有し、
前記保持体は、前記複数の光源素子及び該光源素子それぞれに対応する前記集光部を、行及び列をなすように平面状に保持するとともに、前記複数の光源素子が前記保持体に平面状に配置された領域の中心から、前記光源素子それぞれまでの距離に応じて、該光源素子に対応する前記集光部の前記第2レンズ部の前記シフト量が規定されていることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
[5] 前記保持体上に前記複数の光源素子が平面状に配置された領域の前記中心から、前記光源素子それぞれまでの距離が大きいほど、前記シフト量が大きいことを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
[6] 前記光源素子は、レーザー発光素子であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の光源装置。
[7] 赤色光源装置と、緑色光源装置と、青色光源装置と、この各光源装置からの射出光を同一光軸とする導光光学系と、表示素子と、前記導光光学系により前記同一光軸とされた光を前記表示素子に導く光源側光学系と、前記表示素子により形成される光学像をスクリーンに投影する投影側光学系と、前記光源装置や前記表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を備え、
前記赤色光源装置、前記緑色光源装置、及び前記青色光源装置の少なくとも何れかの光源装置が、複数の光源素子と前記光源素子と同数の集光部を有するレンズアレイであって、入射側の第1レンズ部と出射側の第2レンズ部の光軸がずれた前記集光部を有する前記レンズアレイを備えた請求項1乃至請求項6の何れかに記載の光源装置であることを特徴とするプロジェクタ。