特許第5962951号(P5962951)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5962951
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】液体燃料センサー、並びに、燃焼装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/16 20060101AFI20160721BHJP
   F23N 5/24 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   G01M3/16 A
   F23N5/24 102Z
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-11008(P2012-11008)
(22)【出願日】2012年1月23日
(65)【公開番号】特開2013-148536(P2013-148536A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2014年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】廣安 勝
【審査官】 萩田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−098873(JP,A)
【文献】 特開平08−233726(JP,A)
【文献】 特開平02−201247(JP,A)
【文献】 実公昭52−029639(JP,Y2)
【文献】 特許第3090234(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00 − 3/40
F23N 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料を燃焼させる燃焼装置において、装置内部の燃料供給経路から漏洩する液体燃料を検知する液体燃料センサーであって、
内部に多数の連通する微小空間を有し毛管現象によって液体燃料が浸透するハウジング部材と、前記ハウジング部材の内部に収容され、当該ハウジング部材に浸透する液体燃料を吸収して膨張する膨張部材と、前記膨張部材の膨張力を受けて移動する受圧移動部材と、前記受圧移動部材の移動に伴う押圧力によってオンオフされる検知スイッチを備えるものであり、
前記膨張部材は、当該膨張部材の一部を欠落して形成される欠落部を有し、
前記ハウジング部材は、内部に膨張部材を収容するための空間が形成されており、当該空間に面する部分には内側へと突出する突起部が形成されるものであって、
前記膨張部材は、前記欠落部に前記突起部が嵌入された状態で収容されることを特徴とする液体燃料センサー。
【請求項2】
前記膨張部材の膨張方向を規制する膨張規制手段を有することを特徴とする請求項1に記載の液体燃料センサー。
【請求項3】
前記欠落部の少なくとも一つは、前記膨張部材を貫通する貫通孔であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体燃料センサー。
【請求項4】
前記欠落部の少なくとも一つは、外側から内側へ向かって凹んだ切欠きであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液体燃料センサー。
【請求項5】
前記欠落部の少なくとも一つは、外側から内側へ向かって延びる切込みであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の液体燃料センサー。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれかに記載の液体燃料センサーを備えたことを特徴とする燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体燃料の有無を短時間で確実に検知する液体燃料センサーに関する。また、同時に提案される本発明は、液体燃料センサーを用いて液体燃料の漏洩検知を行う燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
都市ガスやプロパンガスが普及した現在でも、ランニングコストの低減のために、安価な灯油等の液体燃料を使用する燃焼装置が多用されている。このような液体燃料を用いた燃焼装置では、装置内部で液体燃料が漏洩した場合の危険を回避するために、液体燃料センサーを内蔵して燃料の漏れの報知や燃焼運転の遮断を行うものがある。
【0003】
このような液体燃料センサーは、短時間で燃料の漏れを検知可能であり、且つ、構造が簡単で製造が容易であることが望ましい。この要件を満たす液体燃料センサーとして、本件出願人が以前に提案した液体燃料センサーが特許文献1に開示されている。
【0004】
特許文献1に開示された液体燃料センサーは、毛管現象によって液体燃料を浸透させる吸油性の高い素材で製されたハウジング部材の内部に膨張部材が収納されており、膨張部材がハウジング部材を介して漏洩した液体燃料を吸収する。そして、液体燃料を吸収した膨張部材が膨張することによって受圧移動部材が押圧されて移動し、受圧移動部材の移動に伴って検知スイッチが押圧され、検知スイッチがオンの状態となる。つまり、膨張部材が膨張するにつれて受圧移動部材が検知スイッチ側へと移動していき、膨張部材が一定量以上膨張することで受圧移動部材が規定の位置へと移動して、受圧移動部材が検知スイッチを押圧する状態となる。このことにより、受圧移動部材に押圧された検知スイッチがオンの状態となる。
【0005】
ここで上記したように、特許文献1に開示された液体燃料センサーでは、膨張部材が漏洩した液体燃料と直接接触せず、ハウジング部材に浸透した液体燃料を吸収する構造となっている。具体的には、ハウジング部材の一部が液体燃料に浸ると、液体燃料は毛管現象によって微小空間に流動して短時間にハウジング部材全体に浸透する。このとき、ハウジング部材の内部に収容された膨張部材は、周囲をハウジング部材によって囲まれた状態となっている。そして、膨張部材は、周囲を取り囲むハウジング部材に浸透した液体燃料をその表面部分から吸収する。このような構成によると、膨張部材を漏洩した液体燃料に直接接触させる構成に比べて、膨張部材の略全体から液体燃料を吸収できるため、短時間で十分な膨張量を確保できる。
【0006】
このことについて具体的に説明すると、膨張部材を液体燃料に直接接触させる構成では、膨張部材の液体燃料に浸った部分のみが局部的に膨張してしまうので、膨張部材に膨張している部分と、膨張していない部分とが形成されてしまう。そして、時間の経過に伴って膨張していない部分にも液体燃料が浸透していき、膨張していなかった部分も膨張する。そのため、検知スイッチを十分に押圧するために必要な膨張量を確保するためには、長い時間が必要となる。
これに対して、特許文献1のような構成によると、膨張部材は、周囲をハウジング部材によって囲まれており、ハウジング部材全体に浸透した液体燃料を外側表面から吸収できる。即ち、膨張部材の略全体で液体燃料を吸収できる。このため、短時間により多くの液体燃料を吸収することができる。また、膨張部材全体から液体燃料を吸収することにより、膨張部材全体を均一に膨張させることができる。このことにより、検知スイッチを十分に押圧するために必要な膨張量を短時間で確保できる。
【0007】
そして、特許文献1に開示されている液体燃料センサーは、シリコーン樹脂粉末等を使用する漏洩検出装置に比べて製造が容易となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4324854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、より安全な燃焼装置が要求されており、この要求を満たすべく、より短時間で燃料の漏洩を検知する必要が生じている。
【0010】
そこで本発明は、このような事情に鑑みて提案されるものであり、より短時間で燃料の漏洩を検知可能な液体燃料センサーを提供することを課題とする。また、このような液体燃料センサーを備えることで、安全性を向上させた燃焼装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、液体燃料を燃焼させる燃焼装置において、装置内部の燃料供給経路から漏洩する液体燃料を検知する液体燃料センサーであって、内部に多数の連通する微小空間を有し毛管現象によって液体燃料が浸透するハウジング部材と、前記ハウジング部材の内部に収容され、当該ハウジング部材に浸透する液体燃料を吸収して膨張する膨張部材と、前記膨張部材の膨張力を受けて移動する受圧移動部材と、前記受圧移動部材の移動に伴う押圧力によってオンオフされる検知スイッチを備えるものであり、前記膨張部材は、当該膨張部材の一部を欠落して形成される欠落部を有し、前記ハウジング部材は、内部に膨張部材を収容するための空間が形成されており、当該空間に面する部分には内側へと突出する突起部が形成されるものであって、前記膨張部材は、前記欠落部に前記突起部が嵌入された状態で収容されることを特徴とする液体燃料センサーである。
【0012】
本発明の液体燃料センサーは、膨張部材に、膨張部材の一部を欠落して形成される欠落部を有している。このため、欠落部を設けない構造に比べて膨張部材の表面積を大きくすることができる。ここで膨張部材は、上記したように、その外側表面から液体燃料を吸収する。このため、膨張部材の表面積を大きくすると、外部から液体燃料を吸収できる部分がより多く形成されることとなり、膨張部材の時間当たりの液体燃料の吸収量が向上する。このことにより、検知スイッチを十分に押圧するために必要な膨張量をより短時間で確保できる。つまり、規定量だけ膨張するまでの時間をより短縮することができる。そして、膨張部材が液体燃料の吸収を開始してから検知スイッチを十分に押圧するまでの時間が短縮されると、液体燃料センサーが漏洩した液体燃料と接触してから検知スイッチがオン状態になるまでの時間が短縮されるので、より短時間で燃料の漏洩を検知可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記膨張部材の膨張方向を規制する膨張規制手段を有することを特徴とする請求項1に記載の液体燃料センサーである。
【0014】
ここで、受圧移動部材は膨張部材が検知スイッチ側へと膨張することにより、膨張部材に押圧されて検知スイッチ側へと移動する。従って、膨張部材が多方向不規則に膨張してしまうと、検知スイッチ側へ向かう膨張のみが受圧移動部材の検知スイッチ側への移動に寄与し、その他の方向へ向かう膨張は受圧移動部材の検知スイッチ側への移動に寄与しないこととなる。
これに対して、本発明の液体燃料センサーは、膨張規制手段によって膨張部材の膨張方向を検知スイッチ側へ向かう方向へと規制することができる。このため、膨張部材が膨張するとき、検知スイッチ側へ向かう方向の膨張量を他の方向への膨張量に比べて多くすることができる。別言すると、膨張部材が膨張するとき、膨張部材全体の膨張量に占める検知スイッチ側へと向かう膨張量の割合を高くすることができる。このことから、本発明の液体燃料センサーでは、膨張規制手段を設けない構成と比べて、時間当たりの受圧移動部材の移動量が大きくなる。そのため、膨張部材が液体燃料の吸収を開始してから検知スイッチをオン状態になるまでの時間をより短縮することができるので、より短時間で燃料の漏洩を検知可能となる。
つまり、本発明の液体燃料センサーは、膨張部材が膨張するときの膨張力をより検知スイッチ側へと集中させることが可能であるため、膨張部材の膨張力を検知スイッチ側へ受圧移動部材を押圧する押圧力へと効率よく転換できる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記欠落部の少なくとも一つは、前記膨張部材を貫通する貫通孔であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体燃料センサーである。
【0016】
請求項4に記載の発明は、前記欠落部の少なくとも一つは、外側から内側へ向かって凹んだ切欠きであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液体燃料センサーである。
【0017】
請求項5に記載の発明は、前記欠落部の少なくとも一つは、外側から内側へ向かって延びる切込みであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の液体燃料センサーである。
【0018】
これらの構成によると、膨張部材に欠落部を比較的容易に形成することが可能となる。
【0019】
本発明では、前記ハウジング部材は、内部に膨張部材を収容するための空間が形成されており、当該空間に面する部分には内側へと突出する突起部が形成されるものであって、前記膨張部材は、前記欠落部に前記突起部が嵌入された状態で収容される。
【0020】
本発明の液体燃料センサーでは、膨張部材の欠落部にハウジング部材の一部である突起部が嵌り込んだ状態となっている。つまり、膨張部材は欠落部を設けることでその表面積がより大きくなり、ハウジング部材は突起部を設けることでその表面積がより大きくなる。そして、膨張部材とハウジング部材の表面積をそれぞれ大きくした状態でこれらを接触させることにより、膨張部材とハウジング部材の接触面積をより大きくすることできる。
そして、膨張部材はハウジング部材と接触している部分から液体燃料を吸収する。このため、膨張部材とハウジング部材の接触面積を大きくすると、膨張部材の時間当たりの液体燃料の吸収量が向上する。このことにより、検知スイッチを十分に押圧するために必要な膨張量をより短時間で確保できるため、液体燃料センサーが漏洩した液体燃料と接触してから検知スイッチがオン状態になるまでの時間が短縮され、より短時間で燃料の漏洩を検知可能となる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の液体燃料センサーを備えたことを特徴とする燃焼装置である。
【0022】
本発明の燃焼装置は、上記した請求項1乃至のいずれかに記載の液体燃料センサーを備えており、液体燃料の漏洩をいち早く検知することができる。そのため、燃料漏れの報知や燃焼運転の遮断といった、液体燃料の漏洩に起因して発生する危険を回避するための動作を素早く実行できるので、安全性が高い。
【発明の効果】
【0023】
本発明の液体燃料センサーは、膨張部材が欠落部を有しており、膨張部材の表面積が大きくなっている。このため、膨張部材はより多くの部分で外部から液体燃料を吸収可能となり、膨張部材の時間当たりの液体燃料の吸収量を向上できるので、所定の膨張量をより短時間で確保できる。このことにより、膨張部材が膨張を開始してから受圧移動部材を介して検知スイッチを十分に押圧するまでの時間が短縮されるので、短時間で燃料の漏洩を検知できるという効果がある。
また、本発明の燃焼装置は、短時間で燃料の漏洩を検知可能な液体燃料センサーを備えており、液体燃料の漏洩に起因して発生する危険を回避するための動作を素早く実行できるので、安全性を高くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1第1実施形態に係る液体燃料センサーを示す斜視図である。
図2図1の液体燃料センサーの上部側に位置する部材を示す部分分解斜視図である。
図3図1の液体燃料センサーの内部側に位置する部材を示す部分分解斜視図である。
図4図3のハウジング部材を示す一部破断斜視図である。
図5図1の液体燃料センサーに用いるフレーム部材を示す斜視図である。
図6図1の液体燃料センサーを示す分解斜視図である。
図7】(a)は図1の液体燃料センサーを示すA−A矢視断面図、(b)は図1の液体燃料センサーを示すB−B矢視断面図である。
図8図1の液体燃料センサーが液体燃料と接触してから検知スイッチをオン状態とするまでの動作を示す説明図であり、(a)は検知スイッチがオンとなる前の状態を示し、(b)は検知スイッチがオンとなった状態を示す。
図9第1実施形態に係る液体燃料センサーを備えた燃焼装置を内蔵する給湯装置を示す正面図である。
図10図9のオイルトレー及び液体燃料センサーを示す斜視図である。
図11第2実施形態に係る液体燃料センサーの内部側に位置する部材を示す部分分解斜視図である。
図12図11のハウジング部材を示す一部破断斜視図である。
図13第3実施形態に係る液体燃料センサーで採用する膨張部材を示す斜視図である。
図14第4実施形態に係る液体燃料センサーで採用する膨張部材を示す斜視図である。
図15第5実施形態に係る液体燃料センサーで採用する膨張部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明又は本発明の参考例実施形態に係る液体燃料センサー10について詳細に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。また以下の説明において、前後上下左右の位置関係については特に断りのない限り通常の設置状態を基準として説明する。
【0026】
第1実施形態の液体燃料センサー10は、図1で示されるように、フレーム部材20、ハウジング部材30、中継部材11、保持部材40及び検知スイッチ50を備えており、ハウジング部材30の内部に、後述する膨張部材13及び受圧移動部材12(図1では図示せず)が収容されている。
そして、この液体燃料センサー10は、給湯装置等の燃焼装置の内部に固定され、灯油等の液体燃料を検知して検知スイッチ50を作動させる機能を有するセンサーである。
【0027】
以下に、各部材の構成及び組み立て手順を示しつつ、液体燃料センサー10の構造を詳細に説明する。
保持部材40は、図2で示されるように、平面視が略菱形の台座41と、台座41の天面から略垂直上方に突出するように立設される方形板状のスイッチ固定部42とを有する部材である。この保持部材40は、検知スイッチ50をフレーム部材20に対して位置決めしつつ固定する機能を備えた部材であり、合成樹脂材を成形加工して製される。
【0028】
スイッチ固定部42は、台座41の側縁に位置しており、台座41の長手方向中心線に対して傾斜させた状態で垂直に立設されている。そして、このスイッチ固定部42には検知スイッチ50を固定するための二つの固定孔46,46が開けられている。
台座41の下面中央部には、下方へ突出する円柱状の位置決め部43が設けられており、台座41の上面中央部から位置決め部43の下端までの部分を上下方向に沿って貫通する貫通孔44が開けられている。また、台座41の長手両端部近傍には、それぞれ固定用貫通孔45,45が設けられており、固定用貫通孔45は、台座41を上下方向に沿って貫通している。
【0029】
検知スイッチ50は、略直方体形の部材であり、保持部材40のスイッチ固定部42よりも僅かに高さが低くなっている。検知スイッチ50の下面中央には小さい押圧片52が下方へ突出して設けられ、上面には3つの端子53a〜53cが設けられている。押圧片52は常時下方へ付勢されて突出しており、押圧片52が突出した状態では端子53a,53c間が導通する。一方、押圧片52が付勢力に抗して上方へ押し込まれると端子53a,53c間の導通が遮断され、端子53b,53c間が導通する。本実施形態では、検知スイッチ50に汎用のマイクロスイッチを用いている。
【0030】
検知スイッチ50には、図2で示されるように、本体部分を前後方向へ貫通する二つの固定用貫通孔57が設けられている。また、検知スイッチ50の端子53a,53cは、先端部にコネクタ51を設けたリード線55がそれぞれ接続されると共に、絶縁カバー54で覆われた状態となっている。
【0031】
中継部材11は、図2で示されるように、円柱状の本体部11aの上端に円板状の座部11bを一体に形成してなる小さな部材であり、合成樹脂材を成形加工して製される。この中継部材11の本体部11aの外径は、座部11bの外径に比べて小さくなっている。また、本体部11aの外径は、保持部材40の台座41に設けられた貫通孔44の内径より僅かに小さくなっており、本体部11aを貫通孔44に挿入したときに、本体部11aが摺動可能となるように形成されている。そして、本体部11aの下端は半球状とされている。
【0032】
保持部材40、中継部材11及び検知スイッチ50は、次の手順によって予備組み立てが行われる。具体的には、図2で示されるように、中継部材11の本体部11aを保持部材40の台座41に設けた貫通孔44に挿入した状態とする。このとき、座部11bの下面が台座41の上面に当接し、本体部11aは保持部材40の位置決め部43の下端から下方へ僅かに突出する。
【0033】
次に、中継部材11を保持部材40に挿入した状態において、検知スイッチ50を保持部材40のスイッチ固定部42へ当接する。そして、固定ネジ56を検知スイッチ50の固定用貫通孔57を貫通させた状態で、スイッチ固定部42の固定孔46にねじ込んで固定する。本実施形態では、固定ネジ56にセルフタッピングビスを用いており、樹脂材で成るスイッチ固定部42に設けた固定孔46にネジを刻みつつねじ込んで固定している。
【0034】
このようにして、保持部材40に中継部材11及び検知スイッチ50を取り付けると、中継部材11の座部11bの上方に検知スイッチ50の押圧片52が近接して位置し(図6等参照)、中継部材11が保持部材40の貫通孔44から抜け落ちることがなく一体化される。
【0035】
次に、本実施形態における液体燃料センサー10の特徴的構成であるハウジング部材30と、膨張部材13について詳細に説明する。
【0036】
ハウジング部材30は、図3図4で示されるように、略有底円筒形の部材であり、内部には底部31側に小径空間部33が形成され、開口部32側に大径空間部34が形成されている。これら小径空間部33と大径空間部34は互いに連続しており、その境界部分には上方へ向かって僅かに傾斜する段部35が形成されている。また、ハウジング部材30の上端には全周に渡って径方向外方へ広がるフランジ部36が形成されている。
【0037】
ここで、ハウジング部材30の内部空間である小径空間部33には、図4で示されるように、突起部37(膨張規制手段)が形成されている。この突起部37は、小径空間部33の底面から略垂直上方へ突出する外形略円柱状の突起部分となっている。別言すると、突起部37は上下方向に沿って延びる柱状の突起となっている。
【0038】
また本実施形態では、ハウジング部材30を、略300μmの粒子径を有するポリプロピレン樹脂粒材を焼結成形加工して製している。焼結成形されたハウジング部材30は、全体に渡って略50μmの平均径を有する無数の孔が形成された多孔質体であり、撥水性と高い吸油性を有する部材となっている。
【0039】
膨張部材13は、図3で示されるように、天面から底面までを貫通する貫通孔14(欠落部)を有する略円筒形の部材である。貫通孔14は断面形状が円形であり、膨張部材13の中心部分を貫通している。また、この膨張部材13の外径は、ハウジング部材30の小径空間部33の内径と略等しくなっており、膨張部材13の高さは、小径空間部33の高さよりも僅かに低くなっている。
本実施形態では、この膨張部材13は、シリコーンゴムを成形加工して製されるものであり、灯油を吸収して膨張する性質を有している。
【0040】
受圧移動部材12は、図3で示されるように、周縁に丸みを持たせた略円板形の部材となっている。ここで、受圧移動部材12は、後述するようにハウジング部材30の内部に中心軸に対して垂直に収容されて膨張部材13の膨張によって軸方向へ移動する。従って、受圧移動部材12の周縁に丸みを持たせることにより、移動する際に受圧移動部材12が斜めに傾斜してハウジング部材30の内壁につかえることを防止する形状となっている。本実施形態では、受圧移動部材12は、合成樹脂材を成形加工して製されている。
【0041】
膨張部材13及び受圧移動部材12は、組み立てに際して予めハウジング部材30の内部へ順次挿入される。則ち、膨張部材13がハウジング部材30の小径空間部33へ挿入され、その上に蓋をするように受圧移動部材12が大径空間部34へ挿入される。このとき、膨張部材13の貫通孔14(欠落部)にハウジング部材30の突起部37が挿通され、膨張部材13が突起部37の側方を環状に囲んだ状態となる。そして、膨張部材13の貫通孔14の内周面と突起部37の側面とが接触した状態、又は微細な隙間を空けて近接した状態となる。
このように、ハウジング部材30の内部に膨張部材13及び受圧移動部材12が挿入されると、受圧移動部材12の下部周縁がハウジング部材30の段部35に当接し、受圧移動部材12と膨張部材13との間には僅かなクリアランスが形成される。このクリアランスについては後述する。
【0042】
フレーム部材20は、図5で示されるように、4つの壁部21で囲まれる略方形筒状の部材であり、型抜きされた金属板をプレス成形して製される。
4つの壁部21は連続した状態で型抜きされ、管状となるように折曲される。このとき、型抜きされた状態における両端部分が重ね合わせられた状態となるが、この重ね合わされた部分の外側に位置する重ね合わせ部26には、上下に2個の位置決め開口21aが開けられている。そして重ね合わせ部26の内側に位置する壁部21には、位置決め突起21bが設けられている。そして、連続した4つの壁部21が管状となるように折曲されたとき、重ね合わせ部26の位置決め開口21aを位置決め突起21bに嵌入させた状態で中央部にスポット溶接Sを施され、重ね合わせ部26とその内側に位置する壁部21とが固定される。
【0043】
壁部21の上縁には、壁部21から延びる一対の支持部22,22と一対の位置決め部23,23が設けられている。また、壁部21の下縁には、壁部21から延びる一対の固定部25,25と一対の当接部24,24が設けられている。
【0044】
支持部22は、壁部21の上縁を延出させて形成され、延出部位は外方へ向けて水平及び垂直へ折曲され再度水平方向へ折曲されている。延出部位が最初に水平方向へ折曲された上面によって段部22aが形成されている。また、支持部22の上端の水平部には固定孔22bが設けられている。この支持部22は、対向する壁部21の上縁に各々設けられている。
【0045】
位置決め部23は、壁部21の上縁の一部を僅かに延出させて形成され、延出部位は外方へ向けて水平方向へ折曲されている。位置決め部23は、支持部22の設けられた壁部21に隣接する壁部21の上縁に各々設けられている。また、この位置決め部23の上面と、支持部22の段部22aの上面とは略同一平面に含まれるように形成されている。
【0046】
固定部25は、壁部21の下縁の一部を延出させて形成され、延出部位は外方へ向けて水平方向へ折曲されて、先端に固定孔25aが設けられている。固定部25は、前記位置決め部23が設けられた壁部21の下縁に各々設けられる。
当接部24は、壁部21の下縁を僅かに延出させて形成され、延出部位は外方へ向けて水平方向へ折曲されている。当接部24は、支持部22の設けられた壁部21の下縁に各々設けられている。なお、フレーム部材20は、金属板をプレス成形して作られているが、樹脂等の素材を加工して作ったものであっても良い。
【0047】
引き続いて、上述した各部材を組み合わせて液体燃料センサー10を組み立てる手順を説明する。
【0048】
図6に示されるように、膨張部材13及び受圧移動部材12を内部に収容したハウジング部材30(図3参照)を、底部31側からフレーム部材20の壁部21で囲まれる部位へ挿入した状態とする。そしてハウジング部材30をフレーム部材20へ挿入した状態とすると、ハウジング部材30のフランジ部36がフレーム部材20の位置決め部23及び段部22aに当接して支持された状態となる。
【0049】
そして、上記したように予備組み立てされた保持部材40(図2参照)を、ハウジング部材30を覆うように配し、フレーム部材20に当接させた状態とする。当接に際しては、保持部材40の位置決め部43をハウジング部材30の開口部32へ嵌入させ、保持部材40の固定用貫通孔45とフレーム部材20の固定孔22bとが上下方向で重なった状態とする。そして、固定ネジ47を保持部材40の固定用貫通孔45を貫通した状態でフレーム部材20の固定孔22bにねじ込むことで、保持部材40とフレーム部材20を固定する。
なお、本実施形態では、固定ネジ47にセルフタッピングビスを用い、フレーム部材20の固定孔22bにネジを刻みつつねじ込んで固定している。
【0050】
以上で、本実施形態の液体燃料センサー10の組み立て手順の説明を終了する。
【0051】
組み立てられた液体燃料センサー10は、図7(a)で示されるように、ハウジング部材30に収容された膨張部材13と受圧移動部材12との間にクリアランスd1が形成される。
【0052】
ここで、膨張部材13を実際に製造するとき、製造に際して膨張部材13の寸法偏差が生じることがある。このため、膨張部材13の高さが規定寸法に対して大きい場合には、液体燃料センサー10を組み立てた時点で受圧移動部材12が上方へ押圧されて検知スイッチ50が作動する不具合が生じるおそれがある。
しかし、本実施形態のように、膨張部材13と受圧移動部材12との間にクリアランスd1を設けることで、製造に際して膨張部材13の寸法偏差による作動不良を回避することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態の液体燃料センサー10は、図7(a)で示されるように、フレーム部材20の下部に設けた当接部24を、ハウジング部材30の底部31よりも下方へ突出させた構成としている。即ち、ハウジング部材30の底部31と当接部24の下面との間にクリアランスd2を設けた構造としている。従って、液体燃料センサー10の当接部24をオイルパンの窪み部分といった漏洩燃料の滞留する面に当接させて固定すると、漏洩燃料の液位がクリアランスd2の高さに至るまで漏洩燃料の検知動作が行われない。これにより、液体燃料センサー10を内蔵した燃焼装置などの設置や点検に際して、誤って僅かな液体燃料がこぼれてしまった場合、即ち、特に異常が発生していないにも関わらず液体燃料センサー10の設置位置付近に液体燃料がこぼれてしまった場合等に、液体燃料センサー10が誤ってこぼれてしまった液体燃料を漏洩燃料として誤検知することがない。
【0054】
また、本実施形態の液体燃料センサー10は、図7(b)で示されるように、フレーム部材20の固定部25と当接部24との間にクリアランスd3を設けている。即ち、液体燃料センサー10を固定する際に、当接部24が当接する液体燃料の滞留面と固定部25が当接する固定面との間に高さd3の段差を設けて固定する構造を採用している。これにより、液体燃料の滞留面と固定面との間に高低差が形成されるので、液体燃料の滞留面にネジ孔等の固定部25を固定するための部分を設けずに液体燃料センサー10を固定することができる。このように、液体燃料の滞留面に固定のための加工をしない構成によると、固定のための加工をした部分(例えばネジ孔)からの液体燃料の漏洩を防止できる。
【0055】
なお、本実施形態の液体燃料センサー10は、図7(b)で示されるように、フレーム部材20の固定部25と当接部24との間にクリアランスd3を設けた構成としたが、クリアランスd3を設けない構成を採ることも可能である。また、当接部24を設ける代わりに、固定部25によって図7(a)に示したクリアランスd2を設ける構成とすることも可能である。
【0056】
次に、図8を参照しつつ、本実施形態の液体燃料センサー10の動作原理について説明する。
なお、図8は、液体燃料センサー10の当接部24を、漏洩した液体燃料Lが滞留するオイルトレー110(図8では図示せず、詳しくは後述する)の底面Mに当接させて固定した状態を示している。
【0057】
図8(a)で示されるように、底面Mに滞留する液体燃料Lの高さがクリアランスd2に至るまではハウジング部材30が液体燃料Lに浸らないので、前記したように液体燃料Lの検知動作は行われない。この状態では、検知スイッチ50の端子53a,53c間が導通している。
【0058】
一方、底面Mに滞留する液体燃料Lが増大して高さがクリアランスd2を超えると、図8(a)で示されるように、ハウジング部材30の底部31が局部的に液体燃料Lに浸る。ここで、前記したように、ハウジング部材30は無数の孔が形成された多孔質体である。従って、ハウジング部材30の底部31が液体燃料Lに浸ると、液体燃料Lはハウジング部材30の内部に浸透し、小径空間部33の周壁に沿って液体燃料Lが短時間に浸透しつつ上昇する。これにより、小径空間部33に収容された膨張部材13は、小径空間部33の底部31及び周壁に沿って浸透した液体燃料Lを吸収して膨張する。
【0059】
具体的には、上述のように、膨張部材13は上下方向に沿って中心部分を貫通する貫通孔14(図3参照)を有しており、貫通孔14にハウジング部材30の突起部37が挿通された状態となっている。このとき、膨張部材13の底面と外周面とが、ハウジング部材30の小径空間部33の内壁部分と微細な隙間を空けて近接した状態(又は接触した状態)となっている。また、膨張部材13の貫通孔14の内周面と突起部37の外周面とが接触した状態(又は微細な隙間を空けて近接した状態)となっている。このように、膨張部材13の外周面と内周面とがハウジング部材30と略接触(又は接触)した状態であることにより、膨張部材13は、ハウジング部材30に浸透した液体燃料Lを外周面と内周面の両方から吸収する構造となっている。即ち、膨張部材13は外周面、内周面、底面から液体燃料Lを吸収して膨張する。このように多くの面から同時に液体燃料Lを吸収可能な構成であると、時間当たりに吸収できる液体燃料Lの量を多くすることができる。
【0060】
また、膨張部材13は、液体燃料Lを吸収して膨張していくとき、上方へ向けて一方向に膨張していく。具体的に説明すると、膨張部材13の外周面が外側側方へ向かって膨張していくと、ハウジング部材30の内壁部分に当接する。また、膨張部材13の内周面が内側へ向かって膨張していくと、突起部37に当接する。この状態において、膨張部材13がさらに膨張を続けようとすると、外側側方へ向かう膨張をハウジング部材30の内壁部分が阻止し、内側へ向かう膨張を突起部37が阻止する。このとき、膨張部材13の上方部分には、膨張部材13の膨張を妨げるもののない構造となっている。従って、膨張部材13の膨張の方向は、妨げになるもののない上側へと向かうこととなり、膨張部材13がハウジング部材30の内壁部分や突起部37に沿って上側へと膨張する。このことにより、膨張部材13は、上方へ向けて一方向に膨張することとなる。換言すると、ハウジング部材30の内壁部分と、突起部37とが膨張部材13の膨張を規制する膨張規制手段として機能することにより、膨張部材13は、上方へ向けて一方向に膨張することとなる。
【0061】
膨張部材13の上面が段部35に至るまでは、前記したクリアランスd2の範囲内であるため、図8(a)の様に、受圧移動部材12は押圧されない。しかし、膨張が進行して、図8(b)の様に、膨張部材13の上面が段部35に至ると、膨張部材13の膨張に応じて受圧移動部材12が上方に押圧されて移動する。これにより、中継部材11が上方に移動して検知スイッチ50の押圧片52を押圧して燃料検知が行われる。この状態では、検知スイッチ50の端子53a,53c間の導通が遮断され、端子53b,53c間が導通した状態となる。
【0062】
従って、液体燃料センサー10を燃焼装置などに内蔵し、検知スイッチ50の端子53a,53c間が導通している期間だけ燃焼を許容する回路構成とすることにより、燃料検知が行われると同時に燃焼を停止させることが可能となる。また、検知スイッチ50の端子53b,53c間の導通によって燃料漏れの報知を行う構成とすることも可能となる。
【0063】
このように、本実施形態の液体燃料センサー10によれば、膨張部材13に貫通孔14を形成し、ハウジング部材30に突起部37を形成することにより、膨張部材13とハウジング部材30とがより多くの部分で略接触(又は接触)する構造とすることで、膨張部材13の外側側面、内周面、底面から短時間に大量の液体燃料Lを吸収させている。これにより、短時間に充分な膨張を行わせて安定した燃料検知を行うことが可能となる。
【0064】
なお、前記実施形態では、受圧移動部材12の押圧力を中継部材11を介して検知スイッチ50へ伝達する構成を採用したが、受圧移動部材12によって直接検知スイッチ50を作動させる構成を採ることも可能である。
【0065】
また、前記実施形態では、図7(a)のように、フレーム部材20の当接部24とハウジング部材30の底部31との間にクリアランスd2を設けて、敷設や点検に際しての微小な燃料漏れに対する不必要な作動を防止する構成としたが、クリアランスd2を設けない構成を採ることも可能である。
【0066】
次に、前記した本実施形態の液体燃料センサー10を給湯装置100に内蔵して、液体燃料の漏洩検知を行う場合の実施形態について説明する。
【0067】
給湯装置100は、図9で示されるように、長方形状の筐体102の内部に燃焼装置101、熱交換器103を含む各部材を収納して形成されている。そして、燃焼装置101の燃焼動作によって燃焼ガスを生成し、生成した燃焼ガスを熱交換器103の内部を通過させることで、給水口105から供給される湯水との間で熱交換を行う。このことにより、湯水を加熱し、加熱した湯水を水と混合して温度調節した後に給湯口106からカラン等の給湯端末(図示せず)へ送出することが可能となっている。
【0068】
燃焼装置101は、バーナ107、燃料供給手段108(燃料供給経路)、ファン109、オイルトレー110、液体燃料センサー10を備えて形成されている。
【0069】
バーナ107は、公知のガンタイプバーナであって加圧噴霧した液体燃料(本実施形態では灯油を使用)を燃焼させるものである。また本実施形態のバーナ107は、所謂逆燃式と称される形式であって下方に向かって火炎を噴射するものである。
【0070】
燃料供給手段108は主に流量制御弁ユニット111、電磁ポンプ112、燃料供給配管113、燃料循環用配管114によって形成され、バーナ107に液体燃料を供給するものである。
より具体的には、流量制御弁ユニット111、電磁ポンプ112、バーナ107は、燃料循環用配管114等の部材で接続されて循環回路(回路の詳細については図示せず)を形成している。そして、当該循環回路には外部から燃料供給配管113を介して液体燃料が供給される。外部から供給された液体燃料は、循環回路内を循環し、バーナ107で使用される。このとき、電磁ポンプ112からバーナ107へ液体燃料を供給し、バーナ107のバイパスノズル(リターンノズル)から電磁ポンプ112への液体燃料の戻り量を流量制御弁ユニット111で制御し、循環回路内の液体燃料の流速及び流量を調整する。そのことにより、バーナ107に供給される液体燃料の時間当たりの供給量が調整される。
【0071】
ファン109は、公知の送風機であってバーナ107に燃焼用空気を送り込むものである。
【0072】
オイルトレー110は、図10で示されるように、底面部117の縁部分を立壁部118で囲んだ角皿状の部材であり、底面部117の一部を下方へ窪ませて形成される燃料溜まり部119を備えている。
【0073】
ここで、本実施形態の燃焼装置101において、燃料漏れの生じるおそれのある部位を考察する。燃料漏れの生じる部位としては、外部からの燃料を供給するための燃料供給配管113が流量制御弁ユニット111に連結する接続部分(図9参照)や、流量制御弁ユニット111と電磁ポンプ112との接続部分、流量制御弁ユニット111や電磁ポンプ112とバーナ107との接続部分(図示せず)、及びそれらを繋ぐ燃料循環用配管114等の各種配管自身が燃料漏れのおそれがある部位として挙げられる。加えて、流量制御弁ユニット111それ自身も燃料漏れのおそれがある部位として挙げられる。
【0074】
本実施形態の燃焼装置101では、これら燃料漏れのおそれがある部位の下側にオイルトレー110を配している。このため、これら燃料漏れのおそれがある部位から漏洩した液体燃料を確実にオイルトレー110内へ導入することができる。
【0075】
液体燃料センサー10は、図10で示されるように、オイルトレー110の燃料溜まり部119の上方に位置するように、オイルトレー110と一体に取り付けられている。
より具体的には、燃料溜り119の底面に液体燃料センサー10の当接部24が接触し、燃料溜り119に形成された丘状部分120に液体燃料センサー10の固定部25が接触するように液体燃料センサー10が取り付けられている。即ち、燃料溜り119の底面から丘状部分120の上面までの間隔は上述のクリアランスd3(図7参照)と略同一となっている。
そして、燃料溜り119に滞留する燃料が増大していき、液体燃料センサー10のハウジング部材30が浸る液位となると、液体燃料センサー10が前述の動作(図8参照)を実施して液体燃料の漏洩が検知され、異常報知や燃焼停止などの必要な異常対応処理が行われる。
【0076】
つまり、本実施形態の燃焼装置101によれば、液体燃料センサー10を内蔵することによって装置内部の燃料漏れを短時間に確実に検知することができ、安全性を著しく向上させることが可能となる。また、液体燃料センサー10のハウジング部材30と燃料溜り119の底面との間に、所定のクリアランスが設けられるので、敷設や点検に際して誤って僅かな燃料漏れを発生させても不必要に検知されることがなく、敷設性、メンテナンス性を向上させることが可能となる。
【0077】
ところで、本発明の液体燃料センサーに採用される膨張部材、ハウジング部材は上記した実施形態のものに限られるものではない。
以下で、第1実施形態とは異なる内部構造を有する液体燃料センサーについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、上記した第1実施形態と同様の部分については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0078】
第2実施形態の液体燃料センサーは、図11で示されるように、膨張部材213と、ハウジング部材230が第1実施形態とは異なる形状となっている。
【0079】
膨張部材213は、外形が略円柱状であって、その外側部分に複数の切欠き214(欠落部)が形成されている。より具体的には、膨張部材213の周方向に間隔を空けて4つの切欠き214が形成されており、いずれの切欠き214も断面略長方形状で膨張部材213の天面から底面まで延びている。このとき、切欠き214の深さ、即ち、切欠き214の膨張部材213の径方向における長さは、膨張部材213の径方向の長さの略4分の1程度の長さとなっている。別言すると、切欠き214は、膨張部材213の側面を内側へ窪ませて形成される溝状の部分であり、膨張部材213の天面、底面、側面の一部を欠落して形成されている。
この膨張部材213もまた、先の実施形態と同様にシリコーンゴムを成形加工して製されるものである。
【0080】
ハウジング部材230は、図11図12で示されるように、略有底円筒形の部材であり、内部には底部31側に小径空間部33が形成され、開口部32側に大径空間部34が形成されている。小径空間部33と大径空間部34とはそれぞれ略円柱状の空間となっている。
【0081】
ハウジング部材230の内部空間である小径空間部33には、複数の突起部237(膨張規制手段)が形成されている。この突起部237は、小径空間部33の内壁の周方向に間隔を空けて4つ設けられた略直方体状の突起であり、いずれも小径空間部33の内壁と一体に形成され、小径空間部33の内側へ向かって突出している。つまり、突起部237は、小径空間部33の外側端部から内側へ向かって突出する突起となっている。そして、突起部237は、断面略長方形状で小径空間部33の下端から上端近傍までの間で延びている。
【0082】
本実施形態においても、液体燃料センサーの組み立てに際して、膨張部材213及び受圧移動部材12を予めハウジング部材230の内部へ順次挿入する。則ち、膨張部材213がハウジング部材230の小径空間部33へ挿入され、その上に蓋をするように受圧移動部材12が大径空間部34へ挿入される。このとき、膨張部材213の切欠き214にハウジング部材230の突起部237が嵌入された状態となる。そして、膨張部材213の切欠き214の外表面と突起部237の側面とが接触した状態、又は略接触した状態(微細な隙間を空けて近接した状態)となる。
このことにより、膨張部材213とハウジング部材230の接触部分(又は近接した部分)がより多くなり、膨張部材213の時間当たりの液体燃料の吸収量が向上する。
【0083】
第3実施形態の液体燃料センサーは、図13で示されるように、膨張部材313が第1実施形態とは異なる形状となっている。
【0084】
本実施形態の膨張部材313は、外形が略円柱状であって、その外側部分に複数の切込み314(欠落部)が形成されている。より具体的には、切込み314は、膨張部材313の周方向に略等しい間隔を空けて8つ設けられており、膨張部材313の天面から底面まで延びている。この切込み314の切込み深さは、膨張部材313の径方向の長さの4分の1より小さくなっている。
この膨張部材313もまた、先の実施形態と同様にシリコーンゴムを成形加工して製されるものである。
【0085】
第4実施形態の液体燃料センサーは、図14で示されるように、膨張部材413が第1実施形態とは異なる形状となっている。
【0086】
本実施形態の膨張部材413は、外形が略円柱状であって、その側面に膨張部材413の径方向を深さ方向とする複数の切込み414(欠落部)が形成されている。即ち、切込み414は、いずれも膨張部材413の側面部分に、膨張部材413の上下方向と略直交する方向に入れられるものであり、膨張部材413の上下方向に間隔を空けて設けられている。ここで、上下方向で連続する2つの切込み414(例えば最も上側に位置する切込み414aと、上側から2番目となる切込み424b)に注目すると、一方側の切込み414aの深さ方向(切り込み方向)と、他方側の切込み414bの深さ方向(切り込み方向)とは異なる方向となっている。つまり、これらは膨張部材413の周方向における異なる位置から、膨張部材413の径方向の中心側へとそれぞれ切り込まれたものであり、より具体的には、膨張部材413の径方向において対向する2つの位置から、膨張部材413の径方向の中心側へとそれぞれ切り込まれたものとなっている。
【0087】
第5実施形態の液体燃料センサーは、図15で示されるように、膨張部材513が第1実施形態とは異なる形状となっている。
【0088】
本実施形態の膨張部材513は、外形が略円柱状であって、その上側部分に切込み514(欠落部)が形成されている。より具体的には、切込み514は、膨張部材513の上端から下方へ向かって延びており、延び方向の長さが膨張部材513の上下方向の長さより短くなっている。このとき、この切込み514は放射状に入れられており、膨張部材513の上側部分のみを複数の小片(図15では8つの小片)に分割した状態となっている。
【0089】
上記した各実施形態によると、貫通孔、切欠き、切込み等を形成しない従来の構成と比べ、検知スイッチ50の押圧片52を押圧して燃料検知が行われるまでの時間を、20パーセント乃至30パーセント程度短縮することができる。
【0090】
なお、本発明の膨張部材に形成する貫通孔の延び方向、切欠き、切込みの深さ方向及び延び方向は上記したものに限るものではない、これらは膨張部材の上下方向(高さ方向)、径方向(左右方向であり幅方向)、周方向に沿う方向でなくてもよく、例えば、これらは膨張部材の上下方向、径方向、周方向に交差する方向であってもよい。
【0091】
上記した実施形態では、液体燃料センサー10をオイルトレー110の燃料溜り119上に取り付ける例を示したが、本発明の液体燃料センサーを給湯装置等の内部に取り付けるときの位置、並びに方法はこれに限るものではない。例えば、給湯装置の筐体の内部底面部分を加工して窪みを形成し、筐体に形成した窪みを燃料溜りとして、形成した窪みの上方に液体燃料センサーを取り付けてもよい。即ち、オイルトレーを設けずに液体燃料センサーを筐体に直接取付ける構成であってもよい。
【0092】
また、上記した実施形態では、燃料溜まり119の上方に液体燃料センサー10を取り付けたが、本発明はこのような構成に限らず、燃料溜まり119を省略した構成とすることも可能である。即ち、オイルトレーや筐体の平面構造となった部分に液体燃料センサー10を取り付けてもよい。このような構成を採用する場合は、図7(b)に示したような液体燃料センサー10において、フレーム部材20の固定部25の高さを当接部24の高さに一致させ、クリアランスd3を除いた構成であってもよい。
【符号の説明】
【0093】
10 液体燃料センサー
12 受圧移動部材
13,213,313,413,513 膨張部材
14 貫通孔(欠落部)
30,230 ハウジング部材
37、237 突起部(膨張規制手段)
50 検知スイッチ
101 燃焼装置
108 燃料供給経路(燃料供給手段)
214 切欠き(欠落部)
314,414,514 切込み(欠落部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15