特許第5962974号(P5962974)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5962974
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20160721BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20160721BHJP
   G03B 7/091 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   H04N5/225 F
   G03B15/00 H
   G03B7/091
   G03B15/00 P
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-126908(P2012-126908)
(22)【出願日】2012年6月4日
(65)【公開番号】特開2013-251840(P2013-251840A)
(43)【公開日】2013年12月12日
【審査請求日】2015年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(72)【発明者】
【氏名】小川 浩良
【審査官】 山口 祐一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−542076(JP,A)
【文献】 特開2009−81530(JP,A)
【文献】 特開2011−95862(JP,A)
【文献】 特開2005−277812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 7/00−7/30
15/00−15/035
15/06−15/16
H04N 5/222−5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、
前記撮像手段による撮影方向を検出する方向検出手段と、
ライブビュー表示中におけるプリショット撮影の指示操作に応じて前記撮像手段によりプリショット画像を撮影するとともに、このプリショット画像を撮影したときに前記方向検出手段により検出される撮影方向を記憶するプリショット撮影手段と、
前記プリショット撮影手段によりプリショット画像が撮影された後にライブビュー表示を停止して当該プリショット画像を表示し、この表示したプリショット画像上で被写体の位置を指定する被写体指定手段と、
前記被写体指定手段により指定された被写体の位置と、前記プリショット撮影手段により記憶された前記プリショット画像を撮影したときの撮影方向とに基づいて、前記被写体がある被写体方向を特定する被写体方向特定手段と、
前記被写体方向特定手段により特定された前記被写体方向と、前記撮像手段により本画像を撮影するときに前記方向検出手段により検出される撮影方向とに基づいて、この本画像の撮影を制御する撮影制御手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記被写体方向特定手段は、
前記被写体指定手段により被写体の位置が指定されると、前記プリショット画像の中心から指定された被写体までのズレ量と、当該プリショット画像を撮影したときの撮影方向とに基づいて、前記指定された被写体がある被写体方向を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記プリショット撮影手段は、
前記撮影すべき被写体が前記プリショット画像内に捉えられるまで、前記プリショット画像の撮り直しを可能にした
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記被写体方向特定手段は、
前記撮像手段により撮影されたプリショット画像上で撮影すべき被写体が指定されると、前記プリショット画像の中心から前記指定された撮影すべき被写体までのズレ量を、前記撮像手段によりプリショット画像を撮影したときのズーム倍率に基づいて、撮影方向のずれ量に変換し、前記撮像手段によりプリショット画像を撮影したときの撮影方向と前記撮影方向のずれ量とに基づいて、前記撮影すべき被写体がある被写体方向を特定する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮影制御手段は、
前記被写体方向特定手段により特定された前記撮影すべき被写体がある被写体方向と、前記方向検出手段により検出される撮影方向とに基づいて、前記撮像手段により連写撮影された複数の本画像に対する撮影処理を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮影制御手段は、
前記被写体方向特定手段により特定された前記撮影すべき被写体がある被写体方向と、前記方向検出手段により検出された、前記撮像手段により本画像を撮影したときの撮影方向とのずれ量が所定範囲内にあるか否かに基づいて、前記撮像手段により連写撮影された複数の本画像を利用するか否かを決定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮影制御手段は、
前記被写体方向特定手段により特定された前記撮影すべき被写体がある被写体方向と、前記方向検出手段により検出された、前記撮像手段により本画像を撮影したときの撮影方向とのずれ量が所定範囲内にあるか否かに基づいて、前記撮像手段により連写撮影された複数の本画像を記録するか否かを決定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項8】
前記撮影制御手段は、
前記被写体方向特定手段により特定された前記撮影すべき被写体がある被写体方向と、前記方向検出手段により検出された、前記撮像手段により本画像を撮影したときの撮影方向とのずれ量が所定範囲内にあるか否かに基づいて、前記撮像手段により連写撮影された複数の本画像を合成に用いるか否かを決定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項9】
撮像部による撮影方向を検出するステップと、
ライブビュー表示中におけるプリショット撮影の指示操作に応じて前記撮像部によりプリショット画像を撮影するステップと、
前記プリショット画像を撮影したときの撮影方向を記憶するステップと、
前記プリショット画像が撮影された後にライブビュー表示を停止して当該プリショット画像を表示し、この表示したプリショット画像上で被写体の位置を指定するステップと、
前記プリショット画像上における前記指定された被写体の位置と、前記記憶された前記プリショット画像を撮影したときの撮影方向とに基づいて、前記指定された被写体がある被写体方向を特定するステップと、
前記特定された前記被写体方向と、前記撮像部により本画像を撮影するときの撮影方向とに基づいて、この本画像の撮影を制御するステップと
を含むことを特徴とする撮像方法。
【請求項10】
撮像部を備える撮像装置のコンピュータに、
前記撮像部による撮影方向を検出する方向検出機能、
ライブビュー表示中におけるプリショット撮影の指示操作に応じて前記撮像部によりプリショット画像を撮影するとともに、このプリショット画像を撮影したときに前記方向検出機能により検出される撮影方向を記憶するプリショット撮影機能、
前記プリショット撮影機能によりプリショット画像が撮影された後にライブビュー表示を停止して当該プリショット画像を表示し、この表示したプリショット画像上で被写体の位置を指定する被写体指定機能、
前記被写体指定機能により指定された被写体の位置と、前記プリショット撮影機能により記憶された前記プリショット画像を撮影したときの撮影方向とに基づいて、前記指定された被写体がある被写体方向を特定する被写体方向特定機能、
前記被写体方向特定機能により特定された前記被写体方向と、前記撮像部により本画像を撮影するときに前記方向検出機能により検出される撮影方向とに基づいて、この本画像の撮影を制御する撮影制御機能
を実行させることを特徴とするプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、超解像モードなどを含め高倍率ズームは、デジタルカメラの重要なスペックの一つになっている。ところで、高倍率ズーム時に手持ちで撮影しようとすると、少しの手ブレでもスルー映像が大きくずれてしまい、狙った画角で撮影することが難しい。
【0003】
そこで、例えば、ブレの少ない画像を得るために、振動検出センサにより検出した振動に基づいて、振動を打ち消すように、撮像素子を移動させることで、カメラブレにより生じる画像ブレを防止する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、複数の撮像部を備えた撮像装置において、複数の撮像部を同時駆動して、それぞれに所定枚数分の連続した画像を撮影し、これらの画像を重ね合わせて1枚の合成画像を作成することで、手振れやノイズを抑えた画像を作成する技術が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−184787号公報
【特許文献2】特開2007−208704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、手振れ等を軽減することはできるものの、被写体と背景との位置関係である構図を所望する構図とすることはできないという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、所望する構図で撮影することができる撮像装置、撮像方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、撮像手段と、前記撮像手段による撮影方向を検出する方向検出手段と、ライブビュー表示中におけるプリショット撮影の指示操作に応じて前記撮像手段によりプリショット画像を撮影するとともに、このプリショット画像を撮影したときに前記方向検出手段により検出される撮影方向を記憶するプリショット撮影手段と、前記プリショット撮影手段によりプリショット画像が撮影された後にライブビュー表示を停止して当該プリショット画像を表示し、この表示したプリショット画像上で被写体の位置を指定する被写体指定手段と、前記被写体指定手段により指定された被写体の位置と、前記プリショット撮影手段により記憶された前記プリショット画像を撮影したときの撮影方向とに基づいて、前記指定された被写体がある被写体方向を特定する被写体方向特定手段と、前記被写体方向特定手段により特定された前記被写体方向と、前記撮像手段により本画像を撮影するときに前記方向検出手段により検出される撮影方向とに基づいて、この本画像の撮影を制御する撮影制御手段とを備えることを特徴とする
撮像装置である。
【0009】
この発明は、撮像部による撮影方向を検出するステップと、ライブビュー表示中におけるプリショット撮影の指示操作に応じて前記撮像部によりプリショット画像を撮影するステップと、前記プリショット画像を撮影したときの撮影方向を記憶するステップと、前記プリショット画像が撮影された後にライブビュー表示を停止して当該プリショット画像を表示し、この表示したプリショット画像上で被写体の位置を指定するステップと、前記プリショット画像上における前記指定された被写体の位置と、前記記憶された前記プリショット画像を撮影したときの撮影方向とに基づいて、前記指定された被写体がある被写体方向を特定するステップと、前記特定された前記被写体方向と、前記撮像部により本画像を撮影するときの撮影方向とに基づいて、この本画像の撮影を制御するステップとを含むことを特徴とする撮像方法である。
【0010】
この発明は、撮像部を備える撮像装置のコンピュータに、前記撮像部による撮影方向を検出する方向検出機能、ライブビュー表示中におけるプリショット撮影の指示操作に応じて前記撮像部によりプリショット画像を撮影するとともに、このプリショット画像を撮影したときに前記方向検出機能により検出される撮影方向を記憶するプリショット撮影機能、前記プリショット撮影機能によりプリショット画像が撮影された後にライブビュー表示を停止して当該プリショット画像を表示し、この表示したプリショット画像上で被写体の位置を指定する被写体指定機能、前記被写体指定機能により指定された被写体の位置と、前記プリショット撮影機能により記憶された前記プリショット画像を撮影したときの撮影方向とに基づいて、前記指定された被写体がある被写体方向を特定する被写体方向特定機能、前記被写体方向特定機能により特定された前記被写体方向と、前記撮像部により本画像を撮影するときに前記方向検出機能により検出される撮影方向とに基づいて、この本画像の撮影を制御する撮影制御機能を実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、所望する構図で撮影することができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態によるデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態によるデジタルカメラ1の動作を説明するためのフローチャートである。
図3】本実施形態によるデジタルカメラ1の動作を説明するためのフローチャートである。
図4】本実施形態によるデジタルカメラ1の動作(マーキング動作)を説明するための概念図である。
図5】本実施形態によるデジタルカメラ1の動作(連写動作)を説明するための概念図である。
図6】本実施形態によるデジタルカメラ1の動作(抽出動作)を説明するための概念図である。
図7】本実施形態によるデジタルカメラ1の動作(合成&トリミング動作)を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0014】
A.実施形態の構成
図1は、本発明の実施形態によるデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。図において、デジタルカメラ1は、撮像レンズ2、レンズ駆動部3、絞り兼用シャッター4、CCD5、TG(Timing Generator)6、ユニット回路7、画像処理部8、CPU11、DRAM12、メモリ13、フラッシュメモリ14、画像表示部15、キー入力部16、カードI/F17、及びメモリ・カード18を備えている。
【0015】
撮像レンズ2は、フォーカスレンズ、ズームレンズなどを含み、レンズ駆動部3が接続されている。レンズ駆動部3は、撮像レンズ2を構成するフォーカスレンズ、ズームレンズをそれぞれ光軸方向に駆動させるモータと、CPU11からの制御信号に従ってフォーカスモータ、ズームモータを駆動させるフォーカスモータドライバ、ズームモータドライバから構成されている。
【0016】
絞り4は、図示しない駆動回路を含み、駆動回路はCPU11から送られてくる制御信号に従って絞り4を動作させる。該絞り4は、撮像レンズ2から入ってくる光の量を制御する。CCD(撮像素子)5は、撮像レンズ2、絞り4を介して投影された被写体の光を電気信号に変換し、撮像信号としてユニット回路7に出力する。また、CCD5は、TG6によって生成された所定周波数のタイミング信号に従って駆動される。
【0017】
ユニット回路(CDS/AGC/AD)7は、CCD5から出力される撮像信号を相関二重サンプリングして保持するCDS(Correlated
Double Sampling)回路、そのサンプリング後の撮像信号の自動利得調整を行うAGC(Automatic
Gain Control)回路、その自動利得調整後のアナログの撮像信号をデジタル信号に変換するA/D変換器から構成されている。CCD5の撮像信号は、ユニット回路7を経てデジタル信号として画像処理部8に送られる。なお、ユニット回路7は、TG6によって生成された所定周波数のタイミング信号に従って駆動される。
【0018】
画像処理部8は、ユニット回路7から送られてきた画像データの画像処理(画素補間処理、γ補正、輝度色差信号の生成、ホワイトバランス処理、露出補正処理、合成処理等)、画像データの圧縮・伸張(例えば、JPEG形式やM−JPEG形式又はMPEG形式の圧縮・伸張)の処理、撮影画像を合成する処理などを行う。なお、画像処理部8は、TG6によって生成された所定周波数のタイミング信号に従って駆動される。
【0019】
CPU11は、デジタルカメラ1の各部を制御するワンチップマイコンである。特に、本実施形態では、CPU11は、ズーム倍率が所定以上で、かつ被写体方向指定モードが選択されている場合に、シャッター半押し時に仮撮影であるプリショット撮影、プリショット画像での主要な被写体の指定、シャッター全押し時の本撮影の連写、本撮影時の撮影方向と指定された被写体方向とのずれ量に基づく画像の抽出、採用した画像の合成などの制御を行う。
【0020】
DRAM12は、CCD5によって撮像された後、CPU11に送られてきた画像データを一時記憶するバッファメモリとして使用されるとともに、CPU11のワーキングメモリとして使用される。メモリ13は、CPU11によるデジタルカメラ1の各部の制御に必要なプログラム、及び各部の制御に必要なデータが記録されており、CPU11は、このプログラムに従って処理を行う。フラッシュメモリ14や、メモリ・カード18は、CCD5によって撮像されたプリショット画像や本画像、合成した本画像などを保存しておく記録媒体である。
【0021】
画像表示部15は、カラーLCDとその駆動回路を含み、撮像待機状態にあるときには、CCD5によって撮像された被写体をライブビュー画像として表示し、記録画像の再生時には、フラッシュメモリ14や、メモリ・カード18から読み出され、伸張された記録画像を表示する。キー入力部16は、シャッターSW、ズームSW、モードキー、SETキー、十字キー等の複数の操作キーを含み、ユーザのキー操作に応じた操作信号をCPU11に出力する。カードI/F17には、デジタルカメラ1本体の図示しないカードスロットを介してメモリ・カード18が着脱自在に装着されている。ジャイロセンサ19は、プリショット撮影時、及び本撮影時のデジタルカメラ1の向き(撮影方向)を検出する。なお、ジャイロセンサ19に代えて、3軸加速度センサなどでもよい。CPU11は、ジャイロセンサ19の検出出力から、プリショット撮影や本画像撮影時における撮影方向を検出する。
【0022】
B.実施形態の動作
次に、上述した実施形態の動作について説明する。
図2及び図3は、本実施形態によるデジタルカメラ1の動作を説明するためのフローチャートである。また、図4(a)〜(c)は、本実施形態によるデジタルカメラ1の動作(マーキング動作)を説明するための概念図である。また、図5は、本実施形態によるデジタルカメラ1の動作(連写動作)を説明するための概念図である。また、図6は、本実施形態によるデジタルカメラ1の動作(抽出動作)を説明するための概念図である。また、図7(a)、(b)は、本実施形態によるデジタルカメラ1の動作(合成&トリミング動作)を説明するための概念図である。
【0023】
まず、電源が投入され、撮影モードになると、図4(a)に示すように、CCD5から取り込んだ画像をそのまま画像表示部15にリアルタイムに表示するライブビュー表示を開始する(ステップS10)。そして、ライブビュー表示においてシャッターが半押しされたか否かを判断する(ステップS12)。シャッターが半押しされない場合には(ステップS12のNO)、ステップS12を繰り返し、ライブビュー表示を継続する。一方、シャッターが半押しされた場合には(ステップS12のYES)、ズーム倍率は所定以上であるか否かを判断する(ステップS14)。そして、ズーム倍率が所定上でない場合には(ステップS14のNO)、手振れによる影響は少ないので通常の撮影処理へ進む(ステップS18)。
【0024】
また、図4(b)に示すように、ズーム倍率が所定以上である場合には(ステップS14のYES)、被写体方向指定モードであるか否かを判断する(ステップS16)。被写体方向指定モードとは、撮影画角における被写体の位置(被写体と背景との位置関係:構図)を指定するモードである。そして、被写体方向指定モードでない場合には(ステップS16のNO)、通常の撮影処理へ進む(ステップS18)。
【0025】
一方、被写体方向指定モードである場合には(ステップS16のYES)、プリショット(低解像度)撮影を実行し(ステップS20)、該プリショット撮影時のジャイロセンサ19の出力から、撮影方向(カメラの向き)を検出して記憶する(ステップS22)。この検出する撮影方向(カメラの向き)は、絶対的な方位であってもよいが、相対的な方向であってもよい。つまり、プリショット撮影時の撮影方向とその後に行われる本撮影時の撮影方向との角度差がわかればよいので、プリショット撮影時の撮影方向を基準とし(角度0°として記憶し)、その後、ジャイロセンサ19や3軸加速度センサに基づいて、この基準からのずれ角度を常に把握しておくようにしてもよい。次に、図4(c)に示すように、ライブビュー表示を停止し、画像表示部15にプリショット画像を表示する(ステップS24)。
【0026】
ユーザは、画像表示部15に表示されたプリショット画像を確認し、主要な被写体をタッチする。主要な被写体とは、撮影するユーザにとって重要な、あるいは注目している人物、あるいは建物や風景などを指す。例えば、図4(c)に示すように、ユーザは、主要な被写体として、プリショット画像から人物を指定する(マーカM:黒丸)。このとき、主要な被写体は、プロショット画像(画角)の中央に位置する必要はなく、画角内に収まっていればよい。
【0027】
デジタルカメラ1では、プリショット画像上で位置指定操作があったか否かを判断する(ステップS26)。そして、位置指定操作がない場合には(ステップS26のNO)、ステップS10に戻り、ライブビュー表示を継続する。すなわち、ユーザは、所望の被写体がプリショット画像内に捉えられるまで、プリショット画像を撮り直すことができる。
【0028】
一方、位置指定操作があった場合には(ステップS26のYES)、プリショット画像の中心C(図4(a)〜(c)の二重丸)から指定位置したマーカMまでのずれ量を現在のズーム倍率に基づいて方向のずれ量(ずれ角度など)に変換する(ステップS28)。
【0029】
次に、ステップS22で、記憶していたプリショット撮影時の撮影方向に対して、変換されたずれ量を加えて被写体方向を特定し(ステップS30)、ライブビュー表示を再開する(ステップS32)。次に、シャッターが全押しされたか否かを判断し(ステップS34)、シャッターが全押しされるまでライブビュー表示を継続する(ステップS34のNO)。一方、シャッターが全押しされると(ステップS34のYES)、CCD5から高解像度(設定された解像度)で撮像画像を取り込む本撮影を実行する(ステップS36)。
【0030】
CPU11は、本撮影時の撮影方向(カメラの向き)を、ジャイロセンサ19の出力から検出し(ステップS38)、検出された撮影方向と被写体方向(マーカM)とのずれ量が所定以内であるか否かを判断する(ステップS40)。この本撮影時の撮影方向(カメラの向き)の検出は、上述したように絶対的な方位であってもよいが、相対的な方向であってもよい。つまり、プリショット撮影時の撮影方向を基準とする場合(角度0°として記憶した場合)、その後のジャイロセンサ19や3軸加速度センサの検出情報に基づいて継続的に積算されている基準からのずれ量(ずれ角度)を本撮影時の撮影方向としてもよい。そして、検出された撮影方向と被写体方向(マーカM)とのずれ量が所定以内である場合には(ステップS40のYES)、本撮影で得られた画像を本画像として採用する(ステップS42)。
【0031】
次に、採用された本画像が2枚目以降である否かを判断し(ステップS44)、2枚目以降でない場合には(ステップS44のNO)、シャッターの全押しが解除(リリース)されたか否かを判断する(ステップS50)。そして、シャッターの全押しが解除されていない場合、すなわちシャッターの全押しが継続している場合には(ステップS50のNO)、ステップS36に戻り、次の本撮影を実行する。
【0032】
一方、検出された撮影方向と被写体方向(マーカM)とのずれ量が所定以内でない場合、すなわち撮影方向と被写体方向(マーカM)とのずれ量が大きくずれていた場合には(ステップS40のNO)、本撮影で得られた画像を破棄し(ステップS48)、シャッターの全押しが解除(リリース)されたか否かを葉判断する(ステップS50)。そして、シャッターの全押しが解除されていない場合、すなわちシャッターの全押しが継続している場合には(ステップS50のNO)、ステップS36に戻り、次の本撮影を実行する。
【0033】
また、採用された本画像が2枚目以降である場合には(ステップS44のYES)、採用済みの他の本画像と位置を合わせて合成する(ステップS46)。この位置合わせにおけるずらし量は、各本画像の撮影時の基準からのずれ量(ずれ角度)の差を、ステップS28で行ったのとは逆の処理を行うことにより算出する。次に、シャッターの全押しが解除(リリース)されたか否かを判断する(ステップS50)。そして、シャッターの全押しが解除されていない場合、すなわちシャッターの全押しが継続している場合には(ステップS50のNO)、ステップS36に戻り、次の本撮影を実行する。
【0034】
上述したように、シャッターが全押しされると、ステップS36〜S50の一連の処理により、図5に示すように、例えば、所定の時間間隔で複数毎の画像IMG01〜IMG06が撮影される。そして、撮影方向と被写体方向(マーカM)とのずれ量が大きくずれていた場合には、その画像は破棄され、ずれ量が所定以内である画像が、本画像として採用される。図示の例では、本画像IMG03、IMG04が破棄され、本画像IMG01、IM02、IMG05、IMG06が本画像として採用される。採用された本画像IMG01、IM02、IMG05、IMG06を図6に示す。
なお、画像を破棄するか否かを決定するためのずれ量の閾値は、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。また、撮影範囲を超えた値に設定してもよい。
【0035】
そして、図7(a)に示すように、順次、画像の位置合わせを行いながら、採用済みの他の本画像と合成されていくことになる。すなわち、図6に示す採用された本画像IMG01、IM02、IMG05、IMG06が撮影画像の位置を合わせて合成される。最後に、指定されたマークMの位置が画角中心に来るように、所定のサイズでトリミングすることで、図7(b)に示すように、手振れの影響を受けることなく、画角の中心にマークMが位置するような構図、すなわち主要な被写体が中央に位置するような構図の本画像IMGが最終的に得られる。なお、本実施形態では、合成した画像をトリミングしてから記録したが、トリミングせずに記録してもよい。また、採用された本画像を合成して最終的に1つの本画像IMGを作成したが、これに限らず、採用された本画像をそれぞれ記録するだけでもよい。
【0036】
上述した実施形態によれば、手振れにより被写体を撮影画角の中央に捉えるのが難しいような高倍率撮影時などであっても、プリショット撮影によって少なくとも撮影画角の端の方にでも所望の被写体が捉えられていれば、再生されたプリショット画像上でゆっくり正確に被写体位置を指定し、この正確な被写体方向を利用した撮影処理が可能となる。
【0037】
なお、上述した実施形態においては、デジタルカメラ1を例に説明したが、これに限らず、撮像機能を有する電子機器であれば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末などでも適用可能である。
【0038】
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0039】
(付記1)
付記1に記載の発明は、撮像手段と、
前記撮像手段による撮影方向を検出する方向検出手段と、プリショット撮影の指示操作に応じて前記撮像手段によりプリショット画像を撮影するとともに、このプリショット画像を撮影したときに前記方向検出手段により検出される撮影方向を記憶するプリショット撮影手段と、前記プリショット撮影手段により撮影されたプリショット画像を表示し、この表示したプリショット画像上で撮影すべき被写体を指定する被写体指定手段と、前記被写体指定手段により指定された撮影すべき被写体の位置と、前記プリショット撮影手段により記憶された前記プリショット画像を撮影したときの撮影方向とに基づいて、前記撮影すべき被写体がある被写体方向を特定する被写体方向特定手段と、前記被写体方向特定手段により特定された前記撮影すべき被写体がある被写体方向と、前記撮像手段により本画像を撮影するときに前記方向検出手段により検出される撮影方向とに基づいて、この本画像の撮影を制御する撮影制御手段とを備えることを特徴とする撮像装置である。
【0040】
(付記2)
付記2に記載の発明は、前記被写体方向特定手段は、前記被写体指定手段により撮影すべき被写体の位置が指定されると、前記プリショット画像の中心から指定された撮影すべき被写体までのズレ量と、前記プリショット画像を撮影したときの撮影方向とに基づいて、前記撮影すべき被写体がある被写体方向を特定することを特徴とする付記1に記載の撮像装置である。
【0041】
(付記3)
付記3に記載の発明は、前記プリショット撮影手段は、前記撮影すべき被写体が前記プリショット画像内に捉えられるまで、前記プリショット画像の撮り直しを可能にしたことを特徴とする付記1に記載の撮像装置である。
【0042】
(付記4)
付記4に記載の発明は、前記被写体方向特定手段は、前記撮像手段により撮影されたプリショット画像上で撮影すべき被写体が指定されると、前記プリショット画像の中心から前記指定された撮影すべき被写体までのズレ量を、前記撮像手段によりプリショット画像を撮影したときのズーム倍率に基づいて、撮影方向のずれ量に変換し、前記撮像手段によりプリショット画像を撮影したときの撮影方向と前記撮影方向のずれ量とに基づいて、前記撮影すべき被写体がある被写体方向を特定することを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の撮像装置である。
【0043】
(付記5)
付記5に記載の発明は、前記撮影制御手段は、前記被写体方向特定手段により特定された前記撮影すべき被写体がある被写体方向と、前記方向検出手段により検出される撮影方向とに基づいて、前記撮像手段により連写撮影された複数の本画像に対する撮影処理を制御することを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の撮像装置である。
【0044】
(付記6)
付記6に記載の発明は、前記撮影制御手段は、前記被写体方向特定手段により特定された前記撮影すべき被写体がある被写体方向と、前記方向検出手段により検出された、前記撮像手段により本画像を撮影したときの撮影方向とのずれ量が所定範囲内にあるか否かに基づいて、前記撮像手段により連写撮影された複数の本画像を利用するか否かを決定することを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の撮像装置である。
【0045】
(付記7)
付記7に記載の発明は、前記撮影制御手段は、前記被写体方向特定手段により特定された前記撮影すべき被写体がある被写体方向と、前記方向検出手段により検出された、前記撮像手段により本画像を撮影したときの撮影方向とのずれ量が所定範囲内にあるか否かに基づいて、前記撮像手段により連写撮影された複数の本画像を記録するか否かを決定することを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の撮像装置である。
【0046】
(付記8)
付記8に記載の発明は、前記撮影制御手段は、前記被写体方向特定手段により特定された前記撮影すべき被写体がある被写体方向と、前記方向検出手段により検出された、前記撮像手段により本画像を撮影したときの撮影方向とのずれ量が所定範囲内にあるか否かに基づいて、前記撮像手段により連写撮影された複数の本画像を合成に用いるか否かを決定することを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の撮像装置である。
【0047】
(付記9)
付記9に記載の発明は、撮像部による撮影方向を検出するステップと、プリショット撮影の指示操作に応じて前記撮像部によりプリショット画像を撮影するステップと、前記プリショット画像を撮影したときの撮影方向を記憶するステップと、前記撮影されたプリショット画像を表示し、この表示したプリショット画像上で撮影すべき被写体を指定するステップと、前記プリショット画像上における前記指定された撮影すべき被写体の位置と、前記記憶された前記プリショット画像を撮影したときの撮影方向とに基づいて、前記撮影すべき被写体がある被写体方向を特定するステップと、前記特定された前記撮影すべき被写体がある被写体方向と、前記撮像部により本画像を撮影するときの撮影方向とに基づいて、この本画像の撮影を制御するステップとを含むことを特徴とする撮像方法である。
【0048】
(付記10)
付記10に記載の発明は、撮像部を備える撮像装置のコンピュータに、前記撮像部による撮影方向を検出する方向検出機能、プリショット撮影の指示操作に応じて前記撮像部によりプリショット画像を撮影するとともに、このプリショット画像を撮影したときに前記方向検出機能により検出される撮影方向を記憶するプリショット撮影機能、前記プリショット撮影機能により撮影されたプリショット画像を表示し、この表示したプリショット画像上で撮影すべき被写体を指定する被写体指定機能、前記被写体指定機能により指定された撮影すべき被写体の位置と、前記プリショット撮影機能により記憶された前記プリショット画像を撮影したときの撮影方向とに基づいて、前記撮影すべき被写体がある被写体方向を特定する被写体方向特定機能、前記被写体方向特定機能により特定された前記撮影すべき被写体がある被写体方向と、前記撮像部により本画像を撮影するときに前記方向検出機能により検出される撮影方向とに基づいて、この本画像の撮影を制御する撮影制御機能を実行させることを特徴とするプログラムである。
【符号の説明】
【0049】
1 デジタルカメラ
2 撮像レンズ
3 レンズ駆動部
4 絞り兼用シャッター
5 CCD
6 TG
7 ユニット回路
8 画像処理部
11 CPU
12 DRAM
13 メモリ
14 フラッシュメモリ
15 画像表示部
16 キー入力部
17 カードI/F
18 メモリ・カード
19 ジャイロセンサ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7