(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記規制機構は、前記回転ベースの回転によって生じる遠心力による前記移動部材の移動を前記解除位置で規制するストッパをさらに含む、請求項2に記載の基板保持回転装置。
前記移動部材は、前記規制位置と前記解除位置との間で前記回転ベースの回転半径方向に沿ってスライド可能なスライド部材を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板保持回転装置。
前記移動部材は、前記規制位置と前記解除位置との間で、所定の回動軸線まわりに回動するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板保持回転装置。
前記回動部材は、前記閉位置にあるときに、前記回転軸線と前記開閉軸線とを含む平面に対して対称な形状を有している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板保持回転装置。
前記回動部材は、前記回転ベースの回転方向に沿って前記開閉軸線の両側に延びた一対の腕部を有し、前記一対の腕部が、前記回動部材が閉位置にあるときに、前記回転軸線と前記開閉軸線とを含む平面に対して対称になる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板保持回転装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の構成では、回動部材の回動軸線まわりのモーメントが釣り合うように、保持アーム、保持部、揺動部材、リンク部材等の多数の部材の設計(とくに重量の設計)を行う必要がある。そのうえ、それらの多数の部材を高精度に加工して調整しなければ、回動部材の回動軸線まわりのモーメントを零にすることができない。よって、設計上の困難が伴う上に、生産コストが嵩む課題がある。
【0006】
そこで、この発明の目的は、設計および製造上の困難を伴うことなく、基板の回転速度に依存しない一定の保持力で基板を保持することができる基板保持回転装置、およびそれを備えた基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、回転軸線まわりに回転可能な回転ベース(6)と、前記回転ベースを前記回転軸線まわりに回転させる回転手段(9)と、前記回転ベースに設けられ、基板(W)の周端面に当接する基板当接部を有する基板保持部材(7,7a,7b)と、前記回転ベースの周縁部に前記回転軸線と平行に設定された開閉軸線まわりに前記基板保持部材とともに回動可能であるように前記回転ベースに設けられ、前記基板当接部が基板の周端面に当接する閉位置と前記基板当接部が基板の周端面から離間する開位置との間で回動し、前記閉位置に位置している状態で前記回転軸線と前記開閉軸線とを通る平面内に重心が位置する回動部材(28,63,73)と、前記回転ベースに設けられ、前記回動部材を前記閉位置に向けて付勢する回動部材付勢手段(39,69,77)と、前記回転ベースに設けられ、前記回動部材に接触して当該回動部材を前記開位置に規制する規制位置と、前記回動部材の規制を解いて当該回動部材から離間した解除位置との間で変位する移動部材(29,74,93)を有し、前記回転ベースの回転によって生じる遠心力によって前記規制位置から前記解除位置へと前記移動部材が移動する規制機構(31,83,100)とを含む、基板回転保持装置(2)である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。以下、この項において同じ。
【0008】
回転ベースの回転が停止しているとき、回転ベースに備えられた各部に遠心力は働かない。このとき、規制機構の移動部材は規制位置にあって、回動部材を開位置に規制する。すなわち、規制機構は、回動部材付勢手段の付勢力に抗して回動部材を開位置に規制する。それによって、回動部材とともに回動する基板保持部材は、その基板当接部が基板の周端面から離間した解除状態となり、基板の保持を解除している。
【0009】
一方、回転ベースが回転しているとき、規制部材の移動部材は遠心力によって解除位置へと移動し、回動部材から離間する。これにより、回動部材は、回動部材付勢手段の付勢力によって閉位置へと導かれる。それによって、基板保持部材は、その基板当接部が基板の周端面に当接した保持状態となる。回動部材が閉位置に位置するとき、その重心は、回動部材の開閉軸線と回転ベースの回転軸線とを含む平面内に位置している。そのため、回動部材に働く遠心力は、開閉軸線まわりのモーメントを生じさせない。しかも、規制機構の移動部材は回動部材から離間している。よって、回動部材に働く開閉軸線まわりのモーメントは、回動部材付勢手段の付勢力に由来するモーメントのみとなる。そのため、基板の回転速度等によらずに、基板当接部は一定の押し付け力で基板の周端面に押し付けられ、それによって、基板が安定に保持される。基板当接部の押し付け力が一定であることによって、基板を確実に保持でき、かつ基板に損傷を与えることを回避できる。
【0010】
一方、回転ベースが回転しているときには、移動部材が回動部材から離間しているので、移動部材に働く遠心力は、回動部材に作用しない。そのため、専ら回転部材の重心位置に関する設計を行えば、基板当接部の一定の押し付け力を達成できるから、設計および製造が容易であり、それに応じて、コストを低減できる。
請求項2に記載の発明は、前記規制機構は、前記移動部材を前記規制位置に向けて付勢する移動部材付勢手段(46,80,97)を含む、請求項1に記載の基板回転保持装置である。
【0011】
この構成によれば、回転ベースの回転停止時には、移動部材を確実に規制位置に配置して、回動部材を開位置に規制できる。
移動部材付勢手段の付勢力は、回転ベースの回転時に生じる遠心力によって、移動部材が、当該移動部材付勢手段の付勢力に抗して規制位置から解除位置へと移動するように設計されることが好ましい。
【0012】
また、移動部材付勢手段の付勢力、およびその付勢力の回動部材に対する作用点は、回転ベースの停止時に、回動部材付勢手段の付勢力に抗して、前記移動部材を前記規制位置に導くことができるように設計されることが好ましい。
請求項3に記載の発明は、前記規制機構は、前記回転ベースの回転によって生じる遠心力による前記移動部材の移動を前記解除位置で規制するストッパ(41,81,98)をさらに含む、請求項2に記載の基板保持回転装置である。
【0013】
この構成によれば、ストッパ(第1ストッパ)によって移動部材を解除位置で規制できるので、移動部材付勢手段の付勢力が弱くても、移動部材の移動を規制できる。したがって、移動部材付勢手段の付勢力を弱くして、比較的低い回転速度で回転ベースが回転しているときであっても移動部材を解除位置まで移動させるように設計できる。
前記規制機構は、前記移動部材付勢手段の付勢力による前記移動部材の移動を前記規制位置で規制する第2ストッパ(42,82,99)をさらに含むことが好ましい。この構成によれば、第2ストッパによって移動部材を規制位置で規制できるので、回動部材の開位置を正確に規定できる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記移動部材が、前記規制位置と前記解除位置との間で前記回転ベースの回転半径方向に沿ってスライド可能なスライド部材(29)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板保持回転装置である。
スライド部材は、遠心力が働く方向である回転ベースの回転半径方向に沿ってスライドするので、遠心力を効率的に利用できる。そのため、回転ベースが回転し始めると、移動部材を速やかに解除位置へと移動させ、基板を基板保持部材によって保持させることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記移動部材が、前記規制位置と前記解除位置との間で、所定の回動軸線(L3)まわりに回動するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板保持回転装置である。
この構成によれば、移動部材が所定の回動軸線まわりに回動することによって、規制位置と解除位置との間で変位する。このような構成は、移動部材が回転ベース上でスライド移動する構成に比較して構造が簡単である。加えて、スライド移動する構成に比較して、摺動部が少なく、それに応じて、パーティクル対策が容易である。
【0016】
請求項6に記載の発明は、前記回動部材が、前記閉位置にあるときに、前記回転軸線と前記開閉軸線とを含む平面に対して対称な形状を有している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板保持回転装置である。
この構成によれば、回動部材が対称な形状を有しているので、閉位置における重心位置を回転ベースの回転軸線と回動部材の開閉軸線とを通る平面内に配置するための設計が容易である。
【0017】
請求項7に記載の発明は、前記回動部材が、回転ベースの回転方向に沿って前記開閉軸線の両側に延びた一対の腕部(28b,28c)を有し、前記一対の腕部が、前記回動部材が閉位置にあるときに、前記回転軸線と前記開閉軸線とを含む平面に対して対称になる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板保持回転装置である。
この構成によれば、回転ベースの回転時に、一対の腕部に遠心力が対称に作用し、遠心力による回動部材の開閉軸線まわりのモーメントを零に保つ。また、一対の腕部が回転ベースの回転方向に沿っているので、回動部材の重心を開閉軸線に近づける設計が可能である。これにより、回動部材に働くモーメントを零にするための設計および加工が一層容易になる。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板保持回転装置と、前記基板保持回転装置に保持された基板に処理流体を供給する処理流体供給手段(3)とを含む、基板処理装置である。
この構成によれば、回転速度によらずに基板を一定の保持力で保持できるので、基板の破損等を生じることなく、処理流体による基板の処理を良好に行うことができる。しかも、基板の保持力を一定に保つための構成の設計および製造が容易であるので、基板処理装置のコストを低減できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る基板処理装置1に備えられた処理室4内の構成を水平に見た模式図である。
図2は、スピンチャック2の模式的な平面図である。
基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。
図1に示すように、基板処理装置1は、基板Wを水平に保持して当該基板Wの中心を通る鉛直な回転軸線L1まわりに回転させるスピンチャック2(基板回転保持手段)と、処理液や処理ガスなどの処理流体を基板Wに供給する処理流体供給機構3(処理流体供給手段)とを含む。スピンチャック2は、図示しない隔壁によって区画された処理室4内に収容されている。
【0021】
図1に示すように、スピンチャック2は、鉛直に延びる筒状の回転軸5と、回転軸5の上端に水平に取り付けられた円盤状のスピンベース6と、スピンベース6の上方で基板Wを水平方向に挟む複数の基板保持部材7とを含む。スピンチャック2は、さらに、回転軸線L1と平行な軸線(後述する開閉軸線L2)まわりに複数の基板保持部材7を回動させる複数の基板保持部材回動機構8と、回転軸5を回転させることによりスピンベース6および基板保持部材7を回転軸線L1まわりに一体回転させる回転モータ9(回転手段)と、スピンベース6の上方で基板Wを水平な姿勢で支持する複数の水平支持ピン10とを含む。
【0022】
スピンチャック2は、複数のチャックピンとしての複数の基板保持部材7で基板Wを水平方向に挟んで当該基板Wを水平に保持する挟持式のチャックである。
図2に示すように、この実施形態では、4つの基板保持部材7(7a,7b)が、スピンチャック2に設けられている。4つの基板保持部材7のうち、2つの基板保持部材7aは、スピンベース6に対して移動可能な可動ピンであり、残りの2つの基板保持部材7bは、スピンベース6に固定された固定ピンである。2つの基板保持部材7aは、それぞれ、2つの基板保持部材回動機構8に接続されている。
【0023】
図2に示すように、4つの基板保持部材7は、スピンベース6の上面周縁部において基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔をあけて配置されている。同様に、4つの水平支持ピン10は、スピンベース6の上面周縁部において基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔をあけて配置されている。4つの水平支持ピン10は、4つの基板保持部材7よりも内側(回転軸線L1側)に配置されている。4つの水平支持ピン10は、それぞれ、4つの基板保持部材7に対応している。水平支持ピン10は、対応する基板保持部材7の近傍に配置されている。水平支持ピン10は、半球状の先端部(上端部)を含む。
【0024】
基板処理装置1の制御装置は、基板搬送ロボット(図示せず)によって、基板Wを複数の水平支持ピン10上に載置させる。基板Wは、水平支持ピン10の先端部と基板Wの下面周縁部との点接触によって、スピンベース6の上方の受け渡し高さで水平な姿勢で支持される。基板Wが複数の水平支持ピン10に支持されている状態で、2つの基板保持部材7aが基板W側に回動すると、全ての基板保持部材7が基板Wの周縁部に当接し、基板Wが複数の基板保持部材7によって持ち上げられる。これにより、
図1に示すように、基板Wの下面が、複数の水平支持ピン10から離れ、受け渡し高さよりも上方の処理高さ(
図1に示す基板Wの高さ)で基板Wが水平に保持される。
【0025】
図1に示すように、処理流体供給機構3は、スピンチャック2に保持された基板Wの上面に処理液を供給する上面処理液供給機構11を含む。上面処理液供給機構11は、薬液ノズル12と、第1薬液供給配管13と、第1薬液バルブ14とを含む。さらに、上面処理液供給機構11は、リンス液ノズル15と、第1リンス液供給配管16と、第1リンス液バルブ17とを含む。第1薬液供給配管13は、薬液ノズル12に接続されている。第1薬液バルブ14は、第1薬液供給配管13に介装されている。また、第1リンス液供給配管16は、リンス液ノズル15に接続されている。第1リンス液バルブ17は、第1リンス液供給配管16に介装されている。
【0026】
第1薬液バルブ14が開かれると、第1薬液供給配管13から薬液ノズル12に薬液が供給される。また、第1薬液バルブ14が閉じられると、第1薬液供給配管13から薬液ノズル12への薬液の供給が停止される。薬液ノズル12から吐出された薬液は、スピンチャック2に保持された基板Wの上面中央部に供給される。同様に、第1リンス液バルブ17が開かれると、第1リンス液供給配管16からリンス液ノズル15にリンス液が供給される。また、第1リンス液バルブ17が閉じられると、第1リンス液供給配管16からリンス液ノズル15へのリンス液の供給が停止される。リンス液ノズル15から吐出されたリンス液は、スピンチャック2に保持された基板Wの上面中央部に供給される。
【0027】
図1に示すように、処理流体供給機構3は、さらに、スピンチャック2に保持された基板Wの下面に処理液を供給する下面処理液供給機構18を含む。下面処理液供給機構18は、スピンチャック2に保持された基板Wの下面に向けて処理液を吐出する下面ノズル19と、回転軸5内で上下に延びる第1処理液供給配管20と、第1処理液供給配管20に連結された第2処理液供給配管21とを含む。さらに、下面処理液供給機構18は、第2処理液供給配管21に連結された第2薬液供給配管22および第2リンス液供給配管23と、第2薬液供給配管22に介装された第2薬液バルブ24と、第2リンス液供給配管23に介装された第2リンス液バルブ25とを含む。
【0028】
図1に示すように、下面ノズル19は、スピンチャック2に保持された基板Wの下面に対向する対向部26を含む。対向部26は、スピンベース6より上方に配置されている。
図2に示すように、対向部26は、たとえば、水平面に沿って配置された円板状である。対向部26は、スピンチャック2に保持された基板Wの下面中央部に向けて処理液を吐出する処理液吐出口27を含む。
【0029】
第2薬液バルブ24が開かれると、第2処理液供給配管21を介して、第1処理液供給配管20から下面ノズル19に薬液が供給される。また、第2薬液バルブ24が閉じられると、下面ノズル19への薬液の供給が停止される。下面ノズル19に供給された薬液は、処理液吐出口27から上方に吐出される。これにより、スピンチャック2に保持された基板Wの下面中央部に薬液が供給される。同様に、第2リンス液バルブ25が開かれると、第2処理液供給配管21を介して、第1処理液供給配管20から下面ノズル19にリンス液が供給される。また、第2リンス液バルブ25が閉じられると、下面ノズル19へのリンス液の供給が停止される。下面ノズル19に供給されたリンス液は、処理液吐出口27から上方に吐出され、スピンチャック2に保持された基板Wの下面中央部に供給される。
【0030】
処理流体供給機構3から基板Wに供給される薬液としては、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、BHF(Buffered Hydrogen Fluoride:バッファードフッ酸)、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえばクエン酸、蓚酸など)、有機アルカリ(たとえばTMAH:テトラチメルアンモニウムハイドロオキサイドなど)、界面活性剤、腐食防止剤のうち少なくとも1つを含む液を例示することができる。また、処理流体供給機構3から基板Wに供給されるリンス液としては、純水(脱イオン水:Deionzied Water)、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水や、希釈濃度(たとえば10〜100ppm程度)の塩酸水などを例示することができる。
【0031】
図3は、スピンベース6が回転していない状態の基板保持部材回動機構8を示す模式的な平面図である。
図4は、
図3に示す矢印IVの方向に基板保持部材7aおよび回動部材28を見た模式図である。
図5は、
図3に示す矢印Vの方向に移動部材29を見た模式図である。
図3に示すように、基板保持部材回動機構8は、スピンベース6の回転軸線L1と平行な開閉軸線L2まわりに回動可能な回動部材28と、開閉軸線L2まわりのモーメントを回動部材28に与える第1弾性部材30と、回動部材28の回動を規制する規制機構31とを含む。回動部材28、第1弾性部材30、および規制機構31は、スピンベース6の内部に配置されている。第1弾性部材30は、引張コイルバネである。第1弾性部材30は、引張コイルバネに限らず、樹脂やゴムなどの弾性体であってもよい。
【0032】
回動部材28は、基板保持部材7aと共に開閉軸線L2まわりに回動する。
図3に示すように、回動部材28は、基板保持部材7aが基板Wの周端面に当接する閉位置(二点鎖線の位置)と、基板保持部材7aが基板Wの周端面から離間する開位置(実線の位置)との間で回動可能である。回動部材28は、回動部材28が閉位置に位置する状態で、回転軸線L1と開閉軸線L2とを含む平面に対して対称なY字状に形成されている。
【0033】
図4に示すように、回動部材28は、基板保持部材7aよりも下方に配置されている。基板保持部材7aは、スピンベース6の周縁部に配置された保持ベース32から上方に延びている。同様に、基板保持部材7aに対応する水平支持ピン10は、共通の保持ベース32から上方に延びている。水平支持ピン10は、開閉軸線L2上に配置されている。保持ベース32は、スピンベース6の上面から上方に突出している。保持ベース32は、スピンベース6に対して開閉軸線L2まわりに回転可能である。保持ベース32とスピンベース6との間は、シール33によって密閉されている。
【0034】
図4に示すように、基板保持部材7aは、柱状に形成されており、スピンベース6の回転軸線L1側に開いた側面視V字状の基板当接部34を有している。基板保持部材7aは、保持ベース32の回動に伴い、基板当接部34が基板Wの周端面に当接する閉位置(
図4に示す位置)と、基板Wの周端面が基板当接部34から離間する開位置との間で、開閉軸線L2まわりに回動する。基板保持部材7aが開位置から閉位置に回動すると、水平支持ピン10上に載置された基板Wは、その周端面が基板当接部34の下側傾斜面34aによって案内されながら、基板受け渡し高さから処理高さへとせり上がる。そして、基板保持部材7aが閉位置に達したとき、基板Wは、基板当接部34に入り込み、その周縁部が基板当接部34の上側傾斜面34bと下側傾斜面34aとに挟まれることにより、水平に保持される。図示しないが、基板保持部材7bも基板保持部材7aと同様の形状を有している。
【0035】
図4に示すように、回動部材28は、基板保持部材7aの下方に配置された凸部28aを含む。凸部28aは、開閉軸線L2に沿って保持ベース32から下方に延びるシャフト35に連結されている。シャフト35の下端部は、スピンベース6の内部に配置されたシャフト保持部36に軸受37を介して保持されている。シャフト35は、スピンベース6に対して開閉軸線L2まわりに回転可能である。開閉軸線L2まわりの回動部材28の回動は、シャフト35および保持ベース32を介して、基板保持部材7aに伝達される。これにより、回動部材28および基板保持部材7aが開閉軸線L2まわりに一体的に回動する。
【0036】
図3に示すように、回動部材28は、凸部28aから回転軸線L1に向かって広がるV字状の一対の腕部28b,28cを有している。一対の腕部28b,28cは、開閉軸線L2の両側に配置されている。一対の腕部28b,28cは、スピンベース6の回転方向に沿って延びている。腕部28b,28cのそれぞれの付け根部分には、大きさが互いに等しい溝部28d,28eが形成されている。溝部28d,28eは、回動部材28を二等分する平面に関して対称な位置に配置されている。これにより、回動部材28の重心の位置が調整されている。
【0037】
図3に示すように、第1弾性部材30は、回動部材28と、回動部材28の内側に配置された第1弾性部材支持部38との間に配置されている。第1弾性部材支持部38は、スピンベース6に固定されている。第1弾性部材30は、回動部材28から第1弾性部材支持部38に延びている。第1弾性部材30の外端部は、一方の腕部28bの付け根部分に形成された溝部28dに取り付けられており、第1弾性部材30の内端部は、第1弾性部材支持部38に取り付けられている。回動部材28の一方の腕部28bは、第1弾性部材30の復元力によって内側に引っ張られている。つまり、回動部材28の腕部28bは、第1弾性部材30によりスピンベース6の内方に向けて付勢されている。第1弾性部材30および第1弾性部材支持部38は、回動部材28を付勢する回動部材付勢機構39を構成している。
【0038】
図3に示すように、規制機構31は、スピンベース6が回転していないときに、回動部材付勢機構39の付勢力に抗して回動部材28を開位置に位置させるように構成されている。規制機構31は、回動部材28に接触する規制位置(実線の位置)と回動部材28から離れる解除位置(二点鎖線の位置)との間で移動可能な移動部材29を含む。規制機構31は、さらに、移動部材29を規制位置に向けて付勢する第2弾性部材40と、移動部材29を解除位置で停止させる第1ストッパ41と、移動部材29を規制位置で停止させる第2ストッパ42とを含む。第2弾性部材40は、引張コイルバネである。第2弾性部材40は、引張コイルバネに限らず、樹脂やゴムなどの弾性体であってもよい。
【0039】
移動部材29は、規制位置と解除位置との間でスピンベース6の回転半径方向に沿ってスライド可能なスライド部材によって構成されている。
図5に示すように、規制機構31は、移動部材29に固定されたブロック43と、スピンベース6に固定されたレール44とを含む。ブロック43およびレール44は、移動部材29の下方に配置されている。ブロック43は、下向きに開いた凹部を形成している。レール44の上端部は、ブロック43の凹部内に配置されている。レール44は、スピンベース6の回転半径方向に延びている。ブロック43は、レール44によって回転半径方向に案内される。したがって、移動部材29は、遠心力が働く方向である回転半径方向にスピンベース6に対して移動可能である。
【0040】
移動部材29は、たとえば、回動部材28と同一平面上に配置されている。
図3に示すように、移動部材29は、凹部29a、凸部29b、および突出部29cを含む。回動部材28の腕部28cは、凹部29a内に配置されている。凸部29bは、回転半径方向に関して、第1ストッパ41および第2ストッパ42の間に配置されている。突出部29cは、スピンベース6の回転方向に関して、凸部29bとは反対側に配置されている。突出部29cには、第2弾性部材40を接続するための溝部29dが形成されている。
【0041】
図3に示すように、第2弾性部材40は、突出部29cと、突出部29cの内側に配置された第2弾性部材支持部45との間に配置されている。突出部29cと第2弾性部材支持部45とは、移動部材29の移動方向と平行な直線上に配置されている。第2弾性部材支持部45は、スピンベース6に固定されている。第2弾性部材40は、突出部29cから第2弾性部材支持部45に延びている。第2弾性部材40の外端部は、突出部29cに形成された溝部29dに取り付けられており、第2弾性部材40の内端部は、第2弾性部材支持部45に取り付けられている。移動部材29は、第2弾性部材40の復元力によって内側に引っ張られている。つまり、移動部材29は、第2弾性部材40によりスピンベース6の内方に向けて付勢されている。第2弾性部材40および第2弾性部材支持部45は、移動部材29を付勢する移動部材付勢機構46を構成している。
【0042】
第1ストッパ41は、凸部29bの外側(回転軸線L1とは反対側)に配置されている。第2ストッパ42は、凸部29bの内側(回転軸線L1側)に配置されている。移動部材29は、第1ストッパ41によって解除位置で規制される。そのため、移動部材付勢機構46の付勢力が弱くても、移動部材29の移動を規制できる。したがって、移動部材付勢機構46の付勢力を弱くして、比較的低い回転速度でスピンベース6が回転しているときであっても移動部材29を解除位置まで移動させることができる。また、移動部材29は、第2ストッパ42によって規制位置で規制される。そのため、回動部材28の開位置を正確に規定できる。
【0043】
図6は、スピンベース6が停止しているときの基板保持部材回動機構8の状態を示す模式的な平面図である。
図7は、スピンベース6が回転しているときの基板保持部材回動機構8の状態を示す模式的な平面図である。
図6に示すように、スピンベース6が停止している状態では、(回動部材付勢機構39の付勢力)×(開閉軸線L2から第1作用点47までの長さ)で表される第1モーメント48が、回動部材28に加わっている。さらに、この状態では、(移動部材付勢機構46の付勢力)×(開閉軸線L2から第2作用点49までの長さ)で表される第2モーメント50が回動部材28に加わっている。第1モーメント48と第2モーメント50とは、方向が互いに反対の開閉軸線L2まわりのモーメントである。スピンベース6が停止している状態では、第1モーメント48<第2モーメント50の関係が成立している。そのため、この状態では、回動部材28は、開位置に保持される。
【0044】
一方、スピンベース6が回転している状態では、遠心力51(
図6参照)が移動部材29に加わる。すなわち、第2弾性部材40が移動部材29を引っ張る力とは反対の方向の力(遠心力51)が移動部材29に加わる。そのため、スピンベース6が停止しているときよりも、第2モーメント50が小さくなる。スピンベース6の回転速度が高まり、遠心力51が移動部材付勢機構46の付勢力を上回ると、移動部材29が外方に移動し始める。それに伴って、第1モーメント48と第2モーメント50との大小関係が逆転し(第1モーメント48>第2モーメント50の関係が成立し)、回動部材28が閉位置側に回動し始める。そして、
図7に示すように、移動部材29が回動部材28から離れ、解除位置に移動する。その一方で、回動部材28は、閉位置に移動する。
【0045】
図7に示すように、回動部材28が閉位置に位置している状態では、回動部材28の重心Gが回転軸線L1と開閉軸線L2とを通る平面内に位置している。そのため、回動部材28に働く遠心力は、開閉軸線L2まわりのモーメントを生じさせない。しかも、移動部材29は、回動部材28から離間している。よって、回動部材28に働く開閉軸線L2まわりのモーメントは、回動部材付勢機構39の付勢力に由来するモーメントのみとなる。そのため、基板Wの回転速度等によらずに、基板保持部材7aは一定の押し付け力で基板Wの周端面に押し付けられ、それによって、基板Wが安定に保持される。したがって、基板Wの回転速度等によらずに、基板保持部材7aは一定の押し付け力で基板Wの周端面に押し付けられる。
【0046】
図8は、基板処理装置1によって行われる基板Wの処理の一例について説明するための工程図である。以下では、
図1および
図3を参照する。
図8については適宜参照する。
処理対象の基板Wは、基板搬送ロボットからスピンチャック2に渡される(
図8の基板搬入工程)。このとき、スピンチャック2は回転停止状態に制御されており、全ての基板保持部材7は解除位置にある。よって、基板Wは、複数の水平支持ピン10に水平に載置されることになる。その後、基板搬送ロボットが退避する。
【0047】
この状態で、回転モータ9が駆動され、スピンベース6が回転軸線L1まわりに回転を始める(
図8の基板回転開始)。スピンベース6の回転に伴い、基板保持部材回動機構8に設けられた移動部材29は、遠心力によって規制位置から解除位置へと変位する。これに伴い、回動部材28および基板保持部材7aは、開位置から閉位置に向けて回動する。スピンベース6が所定の液処理速度に達すると、基板Wは、水平支持ピン10から上方へと離間して、複数の基板保持部材7の基板当接部34(
図4参照)に入り込み、それによって一定の押付圧で水平に挟持される。
【0048】
さらに、薬液バルブ14,24が開かれることにより、薬液ノズル12および処理液吐出口27から基板Wの上面および下面にそれぞれ薬液が供給される。供給された薬液は、遠心力によって基板Wの上面および下面の全域に拡がり、その化学的作用によって基板全面を処理する(
図8の薬液処理工程)。
所定の薬液処理時間にわたって薬液が供給された後、薬液バルブ14,24が閉じられ、薬液の供給が停止される。代わって、リンス液バルブ17,25が開かれることによって、リンス液ノズル15および処理液吐出口27から基板Wの上面および下面にそれぞれリンス液が供給される。供給されたリンス液は、遠心力によって基板Wの上面および下面の全域に拡がり、基板全面の薬液を置換して洗い流す(
図8のリンス工程)。
【0049】
所定のリンス処理時間にわたってリンス液が供給された後、リンス液バルブ17,25が閉じられ、リンス液の供給が停止される。次いで、スピンベース6の回転速度が、液処理速度からそれよりも高速な乾燥速度まで加速される。基板Wに付着している液体は、基板Wの高速回転によってその周囲に振り切られる。このようにして、乾燥工程(スピンドライ)が実行され、基板Wが乾燥する。
【0050】
所定の乾燥処理時間にわたってスピンドライ(
図8の乾燥工程)が実行された後、回転モータ9が停止される(
図8の基板回転停止)。そのため、移動部材29に加わる遠心力が無くなり、移動部材29が解除位置から規制位置へと変位する。これに伴い、回動部材28および基板保持部材7aは、閉位置から開位置に回動する。そのため、基板Wの挟持が解かれ、基板Wは保持ベース32の水平支持ピン10上に載置される。この状態で、基板搬送ロボットは、スピンチャック2から処理済みの基板Wを搬出する(
図8の基板搬出工程)。
【0051】
以上のように、この実施形態によれば、基板当接部34は一定の押し付け力で基板Wの周端面に押し付けられ、それによって、基板Wが安定に保持される。したがって、基板当接部34の押し付け力が一定であることによって、基板Wを確実に保持でき、かつ基板Wに損傷を与えることを回避できる。また、回動部材28が対称な形状を有しているので、閉位置における重心の位置をスピンベース6の回転軸線L1と回動部材28の開閉軸線L2とを通る平面内に配置するための設計が容易である。
【0052】
一方、スピンベース6が回転しているときには、移動部材29が回動部材28から離間しているので、移動部材29に働く遠心力は、回動部材28に作用しない。そのため、専ら回動部材28の重心の位置に関する設計を行えば、基板当接部34の一定の押し付け力を達成できるから、設計および製造が容易であり、それに応じて、コストを低減できる。
[第2実施形態]
図9は、この発明の第2実施形態に係る基板処理装置61の基板保持部材回動機構62の概略構成を示す模式的な平面図である。
図9において、
図1〜
図8に示された各部と同等の構成部分については、
図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0053】
図9に係る基板保持部材回動機構62は、前記第1実施形態とは異なり、円形状の回動部材63を有している。回動部材63は、基板保持部材7aおよび移動部材29の下方に配置されており、その周縁部は、基板保持部材7aの下方に配置されたシャフト35(
図4参照)に接続されている。
また、回動部材63の周縁部には、回動規制ピン64と、バランスウェイト65とが配置されている。回動規制ピン64およびバランスウェイト65は、たとえば、回動部材63の中心に対して基板保持部材7aとの成す角が±90°になる位置にそれぞれ配置されている。回動規制ピン64およびバランスウェイト65は、平面視柱状に形成されている。
【0054】
さらに、第1弾性部材66の外端部は、回動部材63の周縁部に形成された溝部67に取り付けられている。具体的には、溝部67とスピンベース6の回転軸線L1との間に第1弾性部材支持部68が配置されており、これらの間に、第1弾性部材66が張り渡らされている。第1弾性部材66は、たとえば、引張コイルバネである。これにより、回動部材63を付勢するための回動部材付勢機構69が形成されている。つまり、回動部材63は、回動部材付勢機構69によりスピンベース6の内方に向けて付勢されている。
【0055】
この構成によれば、回動部材63の重心Gは、スピンベース6の回転軸線L1と平行になるように設定された開閉軸線L2を通る平面内に位置している。また、移動部材29は、回動規制ピン64に接触して回動部材63を開位置に規制する規制位置と、回動規制ピン64から離間して回動部材63を閉位置に規制する解除位置との間で変位することができる。そのため、前記第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0056】
[第3実施形態]
図10は、この発明の第3実施形態に係る基板処理装置71の基板保持部材回動機構72の概略構成を示す模式的な平面図である。
図10において、
図1〜
図9に示された各部と同等の構成部分については、
図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
第3実施形態に係る基板保持部材回動機構72は、回動部材73と、回動部材73と同一平面上に配置された移動部材74とを含む。回動部材73は、一対の受け部73a,73bを有している。受け部73a,73bは、回動部材73を二等分する鉛直面に対して対称となるように形成されている。回動部材73の重心Gは、受け部73a,73bによって調整されている。
【0057】
第1弾性部材75の外端部は、回動部材73に周縁部に形成された溝部73cに取り付けられている。具体的には、溝部73cとスピンベース6の回転軸線L1との間に第1弾性部材支持部76が配置されており、これらの間に、第1弾性部材75が張り渡らされている。第1弾性部材75は、たとえば、引張コイルバネである。これにより、回動部材73を付勢するための回動部材付勢機構77が形成されている。つまり、回動部材73はスピンベース6の内方に向けて付勢されている。
【0058】
移動部材74は、1つの腕部74aを有しており、腕部74aが回動部材73の受け部73bに入り込むように配置されている。移動部材74には、第2弾性部材78を接続するための溝部74bが形成されている。具体的には、溝部74bとスピンベース6の回転軸線L1とを結ぶ直線上に、第2弾性部材支持部79が配置されており、これらの間において、第2弾性部材78が張り渡らされている。第2弾性部材78は、たとえば、引張コイルバネである。第2弾性部材78および第2弾性部材支持部79は、スピンベース6の回転軸線L1側に移動部材74を付勢する移動部材付勢機構80を構成している。つまり、移動部材74は、移動部材付勢機構80によりスピンベース6の回転軸線L1側に付勢されている。
【0059】
また、移動部材74は、第1ストッパ81および第2ストッパ82に挟まれるように配置されている。第1ストッパ81は、移動部材74を解除位置で停止させ、第2ストッパ82は、移動部材74を規制位置で停止させる。解除位置は、移動部材74の腕部74aが回動部材73の受け部73bから離間して、回動部材73が閉位置に配置される位置であり、規制位置は、移動部材74の腕部74aが回動部材73の受け部73bに接触して、回動部材73が開位置に配置される位置である。これらにより、規制機構83が形成されている。つまり、規制機構83は、スピンベース6が停止しているときに、回動部材付勢機構77の付勢力に抗して回動部材73を開位置に規制するように構成されている。
【0060】
この構成によれば、回動部材73の重心Gは、スピンベース6の回転軸線L1と平行になるように設定された開閉軸線L2とを通る平面内に位置している。また、移動部材74は、回動部材73の受け部73bに接触して回動部材73を開位置に規制する規制位置と、回動部材73の受け部73bから離間して閉位置に規制する解除位置との間で変位することができる。そのため、前記第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0061】
[第4実施形態]
図11は、この発明の第4実施形態に係る基板処理装置91の基板保持部材回動機構92の概略構成を示す模式的な平面図である。
図11において、
図1〜
図10に示された各部と同等の構成部分については、
図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
移動部材93は、スピンベース6の回転軸線L1と平行に設定された回動軸線L3まわりに回動可能な移動部材回動軸94と、移動部材回動軸94から延びる平面視V字状の一対の腕部93a,93bとを有している。移動部材93は、腕部93a,93bが回動部材28の腕部28cを挟むように配置されている。
【0062】
移動部材93の腕部93aには、第2弾性部材95を接続するための溝部93cが形成されている。具体的には、溝部93cとスピンベース6の回転軸線L1とを結ぶ直線上に第2弾性部材支持部96が配置されており、これらの間に、第2弾性部材95が張り渡らされている。第2弾性部材95は、たとえば、引張コイルバネである。これにより、移動部材93を付勢するための移動部材付勢機構97が形成されている。つまり、移動部材93は、スピンベース6の回転軸線L1側に付勢されている。
【0063】
また、移動部材93の周辺には、第1ストッパ98と第2ストッパ99とが配置されている。これらにより、規制機構100が形成されている。つまり、規制機構100は、スピンベース6が停止しているときに、回動部材付勢機構39の付勢力に抗して回動部材28を開位置に規制するように構成されている。
この構成によれば、移動部材93が回動軸線L3まわりに回動することによって、規制位置と解除位置との間で変位する。このような構成は、移動部材93がスピンベース6上でスライド移動する構成に比較して構造が簡単である。加えて、スライド移動する構成に比較して、摺動部が少なく、それに応じて、パーティクル対策が容易である。
【0064】
[その他の実施形態]
この発明の実施形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の第1〜第4実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、第1〜第4実施形態では、4つの基板保持部材7がスピンチャック2に設けられている場合について説明したが、基板保持部材7の数は、4つに限らず、3つ以上であればよい。たとえば、6つの基板保持部材7が、スピンチャック2に設けられていてもよい。
【0065】
また、回動部材28,63,73は、第1〜第4実施形態に示した形状に限定されず、回動部材が閉位置に位置している状態でその重心がスピンベース6の回転軸線L1と開閉軸線L2と含む平面内に位置する形状であればどのような形状であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。