(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5962984
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】防曇剤、防曇塗料組成物およびその塗装物品
(51)【国際特許分類】
C09K 3/18 20060101AFI20160721BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20160721BHJP
C09D 7/12 20060101ALI20160721BHJP
C09D 193/04 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
C09K3/18
C09D201/00
C09D7/12
C09D193/04
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-196991(P2012-196991)
(22)【出願日】2012年9月7日
(65)【公開番号】特開2014-51597(P2014-51597A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2015年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000168414
【氏名又は名称】荒川化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 邦彦
【審査官】
井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06274657(US,B1)
【文献】
特開平07−041696(JP,A)
【文献】
特開2002−011337(JP,A)
【文献】
特開平11−166059(JP,A)
【文献】
特開平06−080918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 3/18
C09D 1/00−10/00,101/00−201/10
C09K 3/00
C03C 15/00−23/00
C08J 7/04− 7/06
C09D 11/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二量体含有率が60重量%以上である重合ロジンに、アルキレンオキシドを付加させて得られるアルキレンオキシドの平均付加モル数が5〜50である反応生成物(1)、を主成分として含有することを特徴とする防曇剤。
【請求項2】
前記反応生成物(1)が、二量体含有率が80重量%以上である重合ロジンを用いてなるものである請求項1記載の防曇剤。
【請求項3】
前記反応生成物(1)が、酸価が3mgKOH/g以下のものである請求項1または2に記載の防曇剤。
【請求項4】
前記アルキレンオキシドがエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドである請求項1〜3のいずれかに記載の防曇剤。
【請求項5】
二量体含有率が60重量%以上である重合ロジンおよび/または該重合ロジン低級エステルと、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリアルキレングリコール類とを縮合させて得られる重量平均分子量が1000〜6000である反応生成物(2)、を主成分として含有することを特徴とする防曇剤。
【請求項6】
前記反応生成物(2)が、二量体含有率が80重量%以上である重合ロジンおよび/または該重合ロジン低級エステルを用いてなるものである請求項5記載の防曇剤。
【請求項7】
前記反応生成物(2)が、酸価が3mgKOH/g以下のものである請求項5または6に記載の防曇剤。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の防曇剤を含んでなることを特徴とする防曇塗料組成物。
【請求項9】
請求項8記載の防曇塗料組成物を塗布してなることを特徴とする塗装物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然物由来の原料から誘導される防曇剤、防曇塗料組成物およびその塗装物品に関する。特に透明プラスチック材料やガラス材料表面に塗布することで、これら材料表面に防曇性を付与しうる防曇塗料組成物およびその塗装物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、成形品等(透明プラスチック材料やガラス材料など)の表面が結露したり、水蒸気などが付着することにより、該成形品の表面に曇りが生じ、視認性が低下するなどの問題がある。該曇り現象の発生を防止するために、該表面を親水性物質で被覆して防曇性を付与するなどの方法が知られている。具体的には、界面活性剤を塗布する方法、基材樹脂に界面活性剤を練り込み成形する方法、シリカや酸化チタンのような親水性無機フィラーを塗布する方法、親水性無機フィラーと界面活性剤又は水溶性ポリマーとを混合し塗布する方法などが挙げられる。しかしこれらの方法では、概して、該親水性物質が付着水滴によって成形品表面から流出しやすいため、防曇性が持続しないという問題が指摘されている。
【0003】
前記界面活性剤の一種として、ロジン系界面活性剤が知られており、例えばアルミニウムフィン材用の親水性塗膜成分として使用できることが記載されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、該文献には、ロジン系界面活性剤の具体的な構成については一切記載がない。
【0004】
また、特許文献2には、ロジン系樹脂にアルキレンオキシドを付加し、更に硫酸化および中和反応させてなる化合物が、水性エマルション用乳化分散剤として使用できること、更には該乳化分散剤がアルキルフェノール系界面活性剤に見られるような内分泌攪乱物質としての懸念がないことなど、が記載されている。
【0005】
なお、防曇塗料として、架橋反応性を利用し加熱硬化させることで、防曇性を長期に維持しようとする試みもある(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、耐熱性の低い被塗物に防曇塗料を適用する場合などでは、加熱架橋反応を伴わない使用態様の方が好ましいこともある。
【0006】
そのため、従来公知のロジン系界面活性剤と同様に内分泌攪乱物質の懸念がなく、しかも防曇効果の維持性に優れる、新たな防曇剤の開発が切望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平04−278188号公報
【特許文献2】特開2002−11337号公報
【特許文献3】特開2003−105255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、環境配慮の観点から天然物由来の原料を使用し、かつ前記諸要件を満足しうる新規な防曇剤を提供し、該防曇剤を塗料組成物や塗装物品に適用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は前記従来技術の課題を解決すべく、重合ロジン誘導体の適用可能性に着目した。すなわち、使用する重合ロジンおよび/またはその低級エステルの純度、ならびに得られる反応生成物の物性値と、目的とする塗料組成物の防曇性や該維持性との相関に着目して、鋭意検討を重ねた。その結果、特定の二量体含有率である重合ロジンとアルキレンオキシド類との付加反応生成物や、特定の二量体含有率である重合ロジンおよび/またはその低級エステルと特定のポリアルキレングリコール類との縮合反応生成物を主成分として含有する防曇剤が、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、二量体含有率が60重量%以上である重合ロジンに、アルキレンオキシドを付加させて得られるアルキレンオキシドの平均付加モル数が5〜50である反応生成物(1)、を主成分として含有することを特徴とする防曇剤に係る。また本発明は、二量体含有率が60重量%以上である重合ロジンおよび/または該重合ロジン低級エステルと、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリアルキレングリコール類とを縮合させて得られる重量平均分子量が1000〜6000である反応生成物(2)、を主成分として含有することを特徴とする防曇剤に係る。また本発明は、前記防曇剤を含んでなることを特徴とする防曇塗料組成物に係る。更に本発明は、前記防曇塗料組成物を塗布してなる塗装物品に係る。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、環境配慮型で諸特性に優れた防曇剤を提供できる。本発明で得られる防曇剤は、防曇塗料組成物を調製するための配合成分として有用である。すなわち、該防曇剤は、従来公知のロジン系界面活性剤と同様に内分泌攪乱物質の懸念がなく、しかも防曇性効果をより長期に維持することができる。そのため、該防曇塗料組成物や、これを塗布してなる塗装物品は、前記諸性能に優れるとともに、環境保護などの目的にも資するものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の防曇剤においては、後述の反応生成物(1)および/または(2)を必須使用する。
【0013】
反応生成物(1)は、二量体の含有率が60重量%以上、好ましくは80重量%以上である重合ロジンに、平均付加モル数が5〜50となるようにアルキレンオキシドを付加させて得られるものである。該平均付加モル数とは、重合ロジン中のカルボキシル基1モルに対するアルキレンオキシドの平均付加モル数をいう。反応生成物(1)の構成成分であるアルキレンオキシド類としては、得られる防曇剤の性能(防曇性、該維持性)を考慮すると、エチレンオキシド、プロピレンオキシドのいずれか1種を単独で、またはこれらを組み合わせて使用することが好ましい。
【0014】
また、反応生成物(2)は、二量体の含有率が60重量%以上、好ましくは80重量%以上である重合ロジンおよび/または重合ロジン低級エステルと、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリアルキレングリコール類とを縮合させて得られ、該重量平均分子量が1000〜6000のものである。なお、該ポリアルキレングリコール類を以下、特定ポリアルキレングリコール類と称する。重合ロジン低級エステルにおける「低級」とは、メチル、エチル、プロピル基を意味する。前記重合ロジンおよび該低級エステルを、以下、併せて「特定重合ロジン類」と称することもある。
【0015】
本発明で用いる特定重合ロジン類としては、目的用途において、色調が重視される場合には、蒸留ロジンを出発原料とする重合ロジン類や、該水素化物などを使用することがより好ましい。特定重合ロジン類の製造法としては、特に限定されず、公知各種の方法を採用できる。
【0016】
反応生成物(2)の構成成分であるポリアルキレングリコールの分子量は、格別限定されないが、通常は重量平均分子量で300〜3000、好ましくは500〜2000のものを使用できる。
【0017】
反応生成物(1)は、特定重合ロジンとアルキレンオキシド類を用い、公知の付加反応法を採用して容易に製造できる。具体的には、耐圧反応容器に、特定重合ロジンを仕込み、150〜200℃程度に加温してこれらを溶融させた後、水および触媒(水酸化カリウムなど)の存在下、アルキレンオキシド類を反応容器内に徐々に導入して、120〜180℃程度で、1MPa未満の加圧下で付加反応を進行させる。
【0018】
該付加反応における特定重合ロジンとアルキレンオキシド類との使用割合は、得られる反応生成物(1)におけるアルキレンオキシド類の付加モル数が5〜50程度、好ましくは15〜40となるように選択すればよい。反応生成物(1)の該付加モル数が5未満の場合には、反応生成物(1)を主成分として含有する防曇剤の防曇性が不十分となり、また該付加モル数が50を超える場合には、反応生成物(1)の親水性が大きくなり得られる防曇剤の該維持性が低下する傾向がある。また、反応生成物(1)の酸価については格別の限定はないが、得られる防曇剤の防曇性や該維持性の点から、3mgKOH/g以下が好ましく、1mgKOH/g以下がより好ましい。
【0019】
反応生成物(2)は、特定重合ロジン類と特定ポリアルキレングリコール類を用い、公知のエステル化法により容易に製造できる。具体的には150〜300℃程度の高温条件において、生成水を系外に除去しながら行われるが、エステル化反応中に空気が混入すると反応生成物(2)が着色する恐れがあるため、窒素やヘリウム等の不活性ガスの下で行うことが好ましい。なお、該反応に際しては必ずしもエステル化触媒を用いる必要はないが、反応時間の短縮のために酢酸、パラトルエンスルホン酸などの酸触媒、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物を使用することもできる。
【0020】
反応生成物(2)の縮合反応における特定重合ロジン類と特定ポリアルキレングリコール類との使用割合は、一義的に決定できないが、特定重合ロジン類のカルボキシル基と特定ポリアルキレングリコール類の水酸基との当量比(COOH基の当量/OH基の当量)が通常は1/0.9〜1/1.2、好ましくは1/1〜1/1.1となるように両成分の使用量を決定すればよい。反応生成物(2)の分子量は、これを用いて得られる防曇剤の防曇性や該維持性の点から決定され、重量平均分子量で1000〜6000程度であり、好ましくは2000〜5000とされる。また、反応生成物(2)の酸価については格別の限定はないが、防曇剤の防曇性や該維持性の点から、3mgKOH/g以下が好ましく、1mgKOH/g以下がより好ましい。
【0021】
なお、必要に応じて、反応生成物(1)、(2)の末端水酸基を封鎖することもできる。該封鎖手段としては、無水酢酸によるアセチル化、イソシアネートによるウレタン化、三酸化硫黄によるスルホン化、硫酸により硫酸エステル化などが適用できる。
【0022】
本発明の防曇剤は、前記の反応生成物(1)および/または(2)を主成分として含有するものであり、該含有量は50重量%以上であれば差支えなく、好ましくは70重量%以上とされる。従って、本発明の防曇剤においては、得られる防曇塗料樹脂組成物や該塗装物品の防曇性能を考慮の上、50重量%未満であれば必要に応じて公知各種の防曇剤(界面活性剤、水溶性ポリマーなど)、耐水化剤(カルボジイミド、イソシアネート類、水溶性金属キレート、金属アルコキシド、シランカップリング剤など)、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、防黴剤、無機フィラー、着色剤、溶剤などを適宜に配合してもよい。
【0023】
本発明の防曇塗料組成物は、防曇性配合成分として本発明の防曇剤を含有するものであればよく、適用される塗料の形態、用いる塗料用樹脂の種類などについても格別限定はされない。本発明の防曇剤が適用される塗料組成物としては、エマルジョン塗料、水溶性塗料などの水系塗料に限定されず、各種の非水系塗料にも好適に用いられる。例えば、水系塗料としては、ポリビニルアルコール、アクリルアミド系重合体、アクリル酸/アクリルエステル系共重合体、変性セルロース系などの親水性樹脂をバインダーとするものが好ましい。該塗料の製造については、格別の限定はなく、公知の方法が適用できる。なお、本発明の防曇剤において各種の添加剤が予め配合される場合は、防曇塗料組成物の調製時に、これら添加剤を重複して配合しなくてもよい。本発明の防曇塗料組成物における本発明の防曇剤の配合割合については、格別の限定はなく、適用される塗料に応じて適宜に決定できるが、通常は固形分換算で10重量%程度以下、好ましくは1〜7重量%で使用される。
【0024】
本発明の防曇塗料組成物が塗布される被塗物としては、格別限定されず、各種公知の成型材、物品、基材などを対象としうる。例えば、プラスチック成型品としては、一般的に使用される各種のプラスチック素材から得られる成型品に適用できる。プラスチック素材以外の被塗物としては、例えば、ガラスなどの無機基材や各種の金属を対象とすることができる。
【0025】
被塗物がプラスチックシートやフィルムである場合は、本発明の防曇塗料組成物を常法に従って、塗布・乾燥させることにより、防曇性に優れた塗装物品を容易に得ることができる。本発明の防曇塗料組成物の塗布・乾燥方法についても、特に限定はされず、適用される被塗物に応じて、適宜に選択決定すればよい。例えば、被塗物の素材に応じて、スプレー、コーター、浸漬、ハケ塗りなどの各種公知の塗装方式を採用でき、また常温乾燥、強制乾燥などの各種の乾燥方式を適用することができる。
【実施例】
【0026】
以下に製造例、実施例および比較例をあげて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、部および%は特記しない限り重量基準である。
【0027】
製造例1(反応生成物(1)の合成)
攪拌機、温度計、窒素導入管、ガス導入管および分水管を備えた耐圧反応容器に、二量体含有率が60%の重合ロジン100部と反応触媒として水酸化カリウム1部を仕込み、窒素気流下で170℃まで加熱して、重合ロジンを溶融させた。同温度で保温しながら、エチレンオキシドガス440部を徐々に反応容器に導入し、付加反応を行い、エチレンオキシド平均付加モル数が30、酸価が2.5mgKOH/gの反応生成物(1−1)を得た。
【0028】
製造例2(反応生成物(1)の合成)
製造例1において、前記重合ロジン(二量体含有率:60%)に代えて二量体含有率が80%の重合ロジンを同量用い、かつエチレンオキシドガスの導入量を510部に増加した他は同様に付加反応を行い、エチレンオキシド平均付加モル数が35、酸価が2.0mgKOH/gの反応生成物(1−2)を得た。
【0029】
比較製造例1(比較用反応生成物の合成)
製造例1において、前記重合ロジン100部に代えて中国産ロジンを同量用いた他は同様に付加反応を行い、エチレンオキシド平均付加モル数が32、酸価が2.0mgKOH/gの比較用反応生成物1を得た。
【0030】
比較製造例2(比較用反応生成物の合成)
製造例1において、前記重合ロジンに代えて二量体含有率が40%の重合ロジンを同量用いた他は同様に付加反応を行い、エチレンオキシド平均付加モル数が36、酸価が2.0mgKOH/gの比較用反応生成物2を得た。
【0031】
製造例3(反応生成物(2)の合成)
冷却管、分水器、及び攪拌機および窒素導入管を備えた反応装置に、二量体含有率が60%の重合ロジン300部(COOH基の当量:1.0)、および重量平均分子量が1000のポリエチレングリコール550部(OH基の当量1.1)を加え加熱溶融させ、約150℃に保温しながらトリフェニルフォスファイト2部を15分かけて滴下した。滴下終了後280℃に昇温し、5時間保温した後、キシレン50gを添加し還流させた。反応生成水を分水器で除去しながら、14時間エステル化反応させた。次いで、未反応物及びキシレンを減圧留去し、重量平均分子量が3300、酸価が2.0mgKOH/gの反応生成物(2−1)を得た。
【0032】
製造例4(反応生成物(2)の合成)
実施例1において、前記重合ロジン300部に代えて二量体含有率が80%重合ロジンを同量用い、かつ重量平均分子量が1000のポリエチレングリコール550部に代えて重量平均分子量が2000のポリエチレングリコール1100部(COOH基の当量:1.1)を用いた他は同様に縮合反応を行い、重量平均分子量が4800、酸価が2.5mgKOH/gの反応生成物(2−2)を得た。
【0033】
比較製造例3(比較用反応生成物の合成)
実施例1において、前記重合ロジン300部に代えて二量体含有率が40%の重合ロジンを同量用いた他は同様に縮合反応を行い、重量平均分子量が3100、酸価が2.5mgKOH/gの比較用反応生成物3を得た。
【0034】
実施例1〜4(防曇剤および防曇塗料組成物の調製)
製造例1〜4で得られた各反応生成物10部に対し軟水23.3部を加えて溶解させ、固形分30%の各水溶液を得た(該水溶液を順に防曇剤1〜4という)。該防曇剤のそれぞれ16.7部(固形分5部)に対して親水性ポリマー(メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/メタクリル酸=10/35/50/5(部)からなる共重合体水溶液、固形分40%)250部(固形分100部)を混合することにより、防曇塗料組成物を得た(順に防曇塗料組成物1〜4という)。
【0035】
実施例5〜8(塗装物品の製造)
防曇塗料組成物1〜4を、それぞれ基材A(透明アクリル樹脂板)および基材B(透明ガラス板)にスプレー塗装し、加熱乾燥(80℃×15分間)させ、膜厚20μmの塗装物品を得た。
【0036】
比較例1〜3(比較用防曇剤および比較用防曇塗料組成物の調製)
比較製造例1〜3で得られた各比較用反応生成物10部に対し軟水23.3部を加えて溶解させ、固形分30%の各水溶液を得た(該水溶液を順に比較用防曇剤1〜3という)。該防曇剤のそれぞれ16.7部に対して前記親水性ポリマー250部を混合することにより、比較用防曇塗料組成物を得た(順に比較用防曇塗料組成物1〜3という)。
【0037】
比較例4〜6(塗装物品の製造)
比較用防曇塗料組成物1〜3を、それぞれ前記の基材Aおよび基材Bにスプレー塗装し、加熱乾燥(80℃×15分間)させ、膜厚20μmの塗装物品を得た。
【0038】
(評価例1〜8および比較評価例1〜6)
塗膜性能試験条件と評価方法は以下の通りである。各評価結果を表1に示す。
【0039】
呼気防曇性:
常温で呼気を吹きかけ、曇りの有無を目視で評価した。曇りが認められないものを○、僅かに曇りが認められるものを△、かなり曇りが認められるものを×とした。
【0040】
蒸気防曇性:
40℃スチームを塗膜に連続照射し、1時間後と8時間後の曇りの有無を目視で評価した。曇りが認められず平滑な水膜が形成されているものを◎、曇りは認められないが水膜が平滑ではなく荒れた状態のものを○、曇りが認められるものを×とした。
【0041】
密着性:
JIS K
5400 8.5.1に準拠して塗膜の剥離の有無を目視で評価した。全く剥離が認められないものを○、僅かに剥離が認められるものを△、かなり剥離が認められるものを×とした。
【0042】
【表1】
【0043】
表1から、本発明の防曇剤を配合してなる防曇塗料組成物は、比較用の防曇剤を配合してなる比較用防曇塗料組成物に比べて、防曇性、防曇効果の維持性(8時間後の蒸気防曇性)などの点で優れることが明らかである。