特許第5962986号(P5962986)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5962986
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】燃焼装置及び燃焼装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   F23N 5/24 20060101AFI20160721BHJP
【FI】
   F23N5/24 107Z
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-214625(P2012-214625)
(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公開番号】特開2014-70742(P2014-70742A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年8月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】森岡 弘樹
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−103475(JP,A)
【文献】 特開平09−159161(JP,A)
【文献】 実開昭63−049166(JP,U)
【文献】 特開2003−106521(JP,A)
【文献】 米国特許第05896089(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0085483(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23N 5/00− 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナを備えた燃焼部と、送風機と、一酸化炭素センサーとを備え、送風機によって燃焼部に空気を供給しつつバーナで燃料を燃焼させて発生した熱を所望の用途に供し、排気ガスに含まれる一酸化炭素を一酸化炭素センサーで監視し、排気ガスに含まれる一酸化炭素が一定値以上の濃度及び/又は一定値以上の積算濃度に達した場合は、燃焼部の燃焼を停止させて燃焼不能状態とする燃焼装置において、
前記一酸化炭素センサーは、周囲の一酸化炭素濃度に応じて検出値Pが変化するものであって、ゼロ基準Pstd との比較によって周囲の一酸化炭素濃度を検出するものであり、
前記一酸化炭素センサーは、吸湿性を有していて吸湿することによって検出値Pが変動する特性を有し、
前記一酸化炭素センサーを乾燥させる乾燥処理機能を備え、
乾燥処理前であって非燃焼状態における処理前検出値Pbef と、乾燥処理後であって非燃焼状態における処理後検出値Paft とを検出し、
処理前検出値Pbef と処理後検出値Paft との差が一定以上であり、且つ処理後検出値Paft とゼロ基準Pstd との差が所定以内であることを条件として、燃焼不能状態を解除することを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
燃焼停止直前又は燃焼停止直後における稼働時検出値Pdri を検出し、燃焼を停止した後に送風機の運転を継続して燃焼部を掃気し、掃気後における一酸化炭素センサーの検出値を前記処理前検出値Pbef とし、
稼働時検出値Pdri とゼロ基準Pstd との差Daと、前記処理前検出値Pbef と処理後検出値Paft との差Dbに関し、DaとDbの差Dcが規定値以内であることを追加条件として燃焼不能状態を解除することを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項3】
処理後検出値Paft と処理前検出値Pbef との差が小さい場合には、燃焼不能状態を維持することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置。
【請求項4】
処理後検出値Paft とゼロ基準Pstd との差が大きい場合には、燃焼不能状態を維持することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項5】
燃焼不能状態を解除する場合には、ゼロ基準Pstd を濃度の検出値が下がる方向に補正することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項6】
乾燥処理は、一酸化炭素センサーを加熱することによって行われることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項7】
検出値は、一酸化炭素センサーの信号出力であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項8】
バーナを備えた燃焼部と、送風機と、一酸化炭素センサーとを備え、送風機によって燃焼部に空気を供給しつつバーナで燃料を燃焼させて発生した熱を所望の用途に供し、排気ガスに含まれる一酸化炭素を一酸化炭素センサーで監視し、排気ガスに含まれる一酸化炭素が一定値以上の濃度及び/又は一定値以上の積算濃度に達した場合は、燃焼部の燃焼を停止させて燃焼不能状態とする燃焼装置の制御方法において、
一酸化炭素センサーを乾燥させる乾燥処理工程を備え、
乾燥処理前であって非燃焼状態における処理前検出値Pbef と、乾燥処理後であって非燃焼状態における処理後検出値Paft とを比較し、両者の差が一定以上であり、
且つ処理後検出値Paft と一酸化炭素濃度が低い場合に想定される検出値とを比較して両者の差が所定以内であることを条件として、燃焼不能状態を解除することを特徴とする燃焼装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼装置に関するものであり、特に一酸化炭素センサーを有する燃焼装置に関するものである。本発明は、暖房装置等に内蔵される燃焼装置の様に、長時間に渡って連続運転されることが想定される燃焼装置の構造として好適である。また本発明は、燃焼装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃焼装置が不完全燃焼を起こすと、有害な一酸化炭素が発生する。そのため燃焼中においては、排気ガス中の一酸化炭素濃度を監視し、想定以上に一酸化炭素が発生する状況が生じた場合は、燃焼を停止する等の処置をとる必要がある。
この要求に応じるための構成として、排気経路に一酸化炭素センサーを設け、排気ガス中の一酸化炭素濃度を監視する機能を備えた燃焼装置が知られている。
【0003】
ここで代表的な一酸化炭素センサーとして、接触燃焼型の一酸化炭素センサーがある(以後、COセンサーと略称する)。COセンサーは、触媒素子部と、参照素子部とを有し、両者の温度を比較する。
即ち触媒素子部は、触媒を有していて環境中の一酸化炭素を酸化する。その結果、環境中に一酸化炭素が存在すれば、触媒素子部の温度が上昇する。
参照素子部は、一酸化炭素を酸化する機能を持たず、一酸化炭素の有無によっては温度が変化しない。
COセンサーは、触媒素子部の温度と、参照素子部の温度とを比較し、両者間の差を電圧信号の形で出力する。
【0004】
ところで、COセンサーには、吸湿性を有するものがあり、吸湿することによって電圧信号が変動し、一酸化炭素の正確な濃度を検知できなくなるものがある。即ち吸湿して誤動作を起こす場合がある。
例えば、参照素子部に珪素を含有する素子を使用するものがあり、珪素が吸湿する場合がある。その結果、参照素子部の熱容量が大きくなり、参照素子部の温度が低下してしまう。そのため正確な触媒素子部と参照素子部の間の温度差が拡大し、正常な場合に比べて高めの電圧信号が出力されてしまう。
【0005】
特に近年では、潜熱回収型と称される燃焼装置が多様されており、潜熱回収型燃焼装置は、燃焼ガス中の水蒸気を液化させてその潜熱を回収するから、排気経路の相対湿度が高い。そのためCOセンサーが吸湿して誤動作し、正常な場合に比べて高めの電圧信号が出力されてしまう。即ちCOセンサーの電圧出力は、環境中の一酸化炭素濃度を正確に反映せず、実際の濃度よりも高めの濃度を示してしまう。この様に、COセンサーが誤動作を起こすと、実際の濃度よりも高めの一酸化炭素濃度を示して燃焼を停止してしまう。
【0006】
この問題に対処するものとして、特許文献1には、COセンサーを一時的に昇温・加熱してCOセンサーを乾燥させる技術が開示されている。
特許文献1に開示された燃焼装置は、燃焼運転が停止した後にCOセンサーを昇温・加熱するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3029551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の構成は、暖房装置に内蔵される燃焼装置(以下 単に暖房装置と称する)には不向きである。ここで暖房装置は、給湯装置に比べて一回の燃焼継続時間が長いという特徴がある。
即ち給湯装置は、風呂や、シャワーでの使用や、台所での使用が主であり、一回の燃焼継続時間が短い。そのため給湯装置に内蔵される燃焼装置であるならば、燃焼運転が停止した後にCOセンサーを昇温・加熱すれば、燃焼時に吸着した水分を除去することができ、常に正常な電圧信号が出力される。
これに対して、暖房装置は、24時間以上に渡って連続的に運転されることも稀ではなく、内蔵されている燃焼装置は長時間に渡って連続的に燃焼を続けている。そのため、暖房装置に内蔵されている給湯装置は燃焼が停止する機会が少なく、COセンサーが吸湿し続けてしまう。そして吸湿の結果、COセンサーの電圧出力は、実際の濃度よりも高めの一酸化炭素濃度を示してしまう。そして遂には、検知濃度が閾値を越え、燃焼が強制的に停止されて、それ以降は、燃焼させることが不能な状態となってしまい、使い勝手が悪いという問題がある。
【0009】
この状況を回避するために、燃焼装置が燃焼している最中に、COセンサーを昇温・加熱してCOセンサーを乾燥させる方策が考えられるが、そもそも燃焼中は、COセンサーの雰囲気温度が高く、これをさらに昇温・加熱すると、触媒の温度が過度に上昇してしまい、触媒の劣化が懸念される。そのため、燃焼中におけるCOセンサーの加熱は避けるべきである。
【0010】
本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、COセンサーの湿度影響による誤動作の有無を判断し、COセンサーの誤動作によって燃焼させることが不能な状態となってしまった場合には、燃焼不能状態を解除することとし、使い勝手のよい燃焼装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この問題を解決するため、COセンサーが高濃度の一酸化炭素に相当する電圧信号等を出力することとなる原因を場合分けした。さらに、燃焼不能状態を解除することができる場合と、燃焼不能状態を維持すべき場合を場合分けして検討した。
COセンサーが高濃度の一酸化炭素に相当する電圧信号等を出力する場合について考えると、これはさらに吸湿によるセンサーの誤動作が原因である場合と、COセンサー自体は正常である場合とが考えられる。
COセンサーに誤動作が起こる原因は、前述した通りである。
【0012】
COセンサーが正常であって、且つ当該センサーが高濃度の一酸化炭素に相当する電圧信号等を出力する場合は、さらに給気自体に一酸化炭素が含まれている場合と、給気中の一酸化炭素濃度が正常である場合が考えられる。
【0013】
従って、COセンサーが高濃度の一酸化炭素に相当する電圧信号等を出力する場合は、次の表の様に、「COセンサーは正常であって給気中のCO濃度が低い場合」「COセンサーは正常であって給気中のCO濃度が高い場合」「COセンサーが異常であって給気中のCO濃度が低い場合」「COセンサーが異常であって給気中のCO濃度が高い場合」の4パターンの組み合わせが考えられる。
【0014】
【表1】
【0015】
ここで「COセンサーは正常であって給気中のCO濃度が低い」にも係わらずCOセンサーが高濃度の一酸化炭素を検知した場合は、不完全燃焼等が発生しており、燃焼状態が異常であることが原因であると予想される。例えば、排気閉塞等が発生して給気量が不足し、一酸化炭素の発生量が増加したと予想される。
この場合は、燃焼異常が発生しているから、燃焼を再開するべきではなく、燃焼不能状態を維持するべきである。
【0016】
「COセンサーは正常であって給気中のCO濃度が高く」、COセンサーが高濃度の一酸化炭素を検知した場合は、いわゆる自室汚染等が疑われる。即ちガスを燃料とする燃焼装置であって室内に設置するタイプのものは、燃焼部に対して給・排気するためのダクトを有している。そして燃焼部と、排気ダクトとは直接的に接続されており、排気ガスは室内に漏らすことなく屋外に排出される。
これに対して給気ダクトは、暖房熱源機等の筐体内に開口している。また送風機の吸気側は、筐体内で開放されており、筐体内の空気を吸入して燃焼部に送られる。そのためこのタイプの暖房熱源機等では、筺体に室内に通じる隙間などがあると室内の空気も送風機で吸入されて燃焼に供される。従って、排気経路の一部に損傷が生じると、排気ガスが暖房熱源機等が設置された室内に漏れ、当該室内の一酸化炭素濃度が上昇する。
この様な事態が発生すると、設置された室内において一酸化炭素が濃縮され、次第に室内の一酸化炭素濃度が上昇する。そして遂にはCOセンサーが燃焼を停止すべき濃度の一酸化炭素を検知することとなる。
また排気ダクトと吸気ダクトを同心状に配したダクトを採用している場合に、ダクトの一部が損傷すると、排気ガスの一部が給気中に混入する場合がある。この様な場合には、ダクト内等で一酸化炭素が濃縮され、遂にはCOセンサーが燃焼を停止すべき濃度の一酸化炭素を検知することとなる。
いずれにしても 「COセンサーは正常であって給気中のCO濃度が高い場合」は、給排気系統に異常がある可能性が高いので、燃焼を再開するべきではなく、燃焼不能状態を維持するべきである。
【0017】
「COセンサーが異常であって給気中のCO濃度が低い」状態で、COセンサーが高濃度の一酸化炭素を検知した場合は、単にCOセンサーが湿度の影響を受けて誤動作したものに過ぎない可能性が高い。
即ち給気中のCO濃度が低いので、給排気系統には異常は無い。そしてCOセンサーが異常であることが確認されるのであれば、COセンサーが高濃度の一酸化炭素を検知した理由として、単にCOセンサーが湿度の影響を受けて誤動作したものと考えるのが普通である。
唯一残る懸念としては、「COセンサーが異常であって、且つ排気閉塞等を併発した場合」であるが、この様な場合は稀である。
そのため「COセンサーが異常であって給気中のCO濃度が低い」状態で、COセンサーが高濃度の一酸化炭素を検知した場合は、燃焼不能状態を解除し得る条件を備えている。
【0018】
「COセンサーが異常であって給気中のCO濃度が高い場合」は、前記した自室汚染等が疑われるので、燃焼を再開するべきではなく、燃焼不能状態を維持するべきである。
【0019】
上記した考察に基づいて開発された請求項1に記載の発明は、バーナを備えた燃焼部と、送風機と、一酸化炭素センサーとを備え、送風機によって燃焼部に空気を供給しつつバーナで燃料を燃焼させて発生した熱を所望の用途に供し、排気ガスに含まれる一酸化炭素を一酸化炭素センサーで監視し、排気ガスに含まれる一酸化炭素が一定値以上の濃度及び/又は一定値以上の積算濃度に達した場合は、燃焼部の燃焼を停止させて燃焼不能状態とする燃焼装置において、前記一酸化炭素センサーは、周囲の一酸化炭素濃度に応じて検出値Pが変化するものであって、ゼロ基準Pstd との比較によって周囲の一酸化炭素濃度を検出するものであり、前記一酸化炭素センサーは、吸湿性を有していて吸湿することによって検出値Pが変動する特性を有し、前記一酸化炭素センサーを乾燥させる乾燥処理機能を備え、乾燥処理前であって非燃焼状態における処理前検出値Pbef と、乾燥処理後であって非燃焼状態における処理後検出値Paft とを検出し、処理前検出値Pbef と処理後検出値Paft との差が一定以上であり、且つ処理後検出値Paft とゼロ基準Pstd との差が所定以内であることを条件として、燃焼不能状態を解除することを特徴とする燃焼装置である。
【0020】
本発明は、「排気ガスに含まれる一酸化炭素を一酸化炭素センサーで監視し、排気ガスに含まれる一酸化炭素が一定値以上の濃度及び/又は一定値以上の積算濃度に達した場合は、燃焼部の燃焼を停止させて燃焼不能状態とする燃焼装置」を対象としている。
ここで「排気ガスに含まれる一酸化炭素が一定値以上の濃度に達した場合」とは、急激に燃焼状態が悪化して排気ガスに大量の一酸化炭素が含まれる様な状況を想定しており、この様な場合に燃焼不能状態とする機能を備えた燃焼装置を想定している。
【0021】
また「排気ガスに含まれる一酸化炭素が一定値以上の積算濃度に達した場合」とは、室内において一酸化炭素が濃縮される懸念を排除するための機能を備えた燃焼装置を想定している。
即ち万一、排気経路に腐食等があり、排気ガスが室内に漏れたと想定した場合、室内の一酸化炭素濃度は、排気ガスが排出された時間と、排気ガスの漏れ量と、排気ガス中の一酸化炭素濃度と、漏れた部屋の容積と、当該部屋の換気量によって決まる。そこで、排気ガスに含まれる一酸化炭素の積算濃度(積算量と同義)を監視し、これが一定の閾値を越えると、燃焼不能状態とする機能を備えた燃焼装置がある。本発明は、この構成を備えた燃焼装置も対象となる。実際には、「排気ガスに含まれる一酸化炭素が一定値以上の濃度に達した場合」と、「排気ガスに含まれる一酸化炭素が一定値以上の積算濃度に達した場合」の双方を監視している燃焼装置が多い。
【0022】
検出値Pは、前記した様な電圧出力等の信号出力そのものであってもよく、何らかの演算や処理を加えて、なんらかの数値として検出されるものであってもよい。例えば濃度を直接数値として出力するものであってよい。
【0023】
本発明の燃焼装置では、COセンサーを乾燥させる乾燥処理機能を備えている。COセンサーを乾燥させることによって、相対湿度(以下単に湿度という)に起因する誤動作は解消される。
そして本発明の燃焼装置では、乾燥処理前であって非燃焼状態における処理前検出値Pbef と、乾燥処理後であって非燃焼状態における処理後検出値Paft とを検出する。そして処理前検出値Pbef と処理後検出値Paft との差を見る。ここで、乾燥処理前であって非燃焼状態における処理前検出値Pbef は、湿度の影響を受けて誤動作した可能性がある検出値Pであり、処理後検出値Paft は、正常な検出値Pである。
【0024】
そのため処理前検出値Pbef と処理後検出値Paft の間に差がなければ、それまでの検出値Pは、燃焼中の一酸化炭素濃度を正確に反映していたものと考えられる。逆に、処理前検出値Pbef と処理後検出値Paft の間に差があるならば、COセンサーが湿度の影響を受けて誤動作しており、燃焼停止に至る前までの検出値Pは、湿度の影響を受けてCOセンサーが異常をきたし、本来の値よりも高めの濃度を示していたことになる。
【0025】
また前記した様に、処理後検出値Paft は湿度に起因する誤動作が無い状態の検出値であるから、現状の環境における一酸化炭素濃度を示している。即ち処理後検出値Paft は、現在の給気中の一酸化炭素濃度を反映している。
従って、処理後検出値Paft とゼロ基準出力Pstd との間に大きな差があるならば、給気中に一酸化炭素が含まれていることを示している。逆に、処理後検出値Paft とゼロ基準出力Pstd との間に差が無いならば、給気中の一酸化炭素が低いことを示している。
従って、「処理前検出値Pbef と処理後検出値Paft との差が一定以上であり、且つ処理後検出値Paft とゼロ基準出力Pstd との差が所定以内である」場合は、前記した4パターンの組み合わせの内、「COセンサーが異常であって給気中のCO濃度が低い」状態である。
本発明の燃焼装置は、「処理前検出値Pbef と処理後検出値Paft との差が一定以上であり、且つ処理後検出値Paft とゼロ基準出力Pstd との差が所定以内である」ことを確認することによって「COセンサーが異常であって給気中のCO濃度が低い」状態であったことを確認し、燃焼不能状態を解除する。
【0026】
請求項2に記載の発明は、燃焼停止直前又は燃焼停止直後における稼働時検出値Pdri
を検出し、燃焼を停止した後に送風機の運転を継続して燃焼部を掃気し、掃気後における一酸化炭素センサーの検出値を前記処理前検出値Pbef とし、稼働時検出値Pdri とゼロ基準Pstd との差Daと、前記処理前検出値Pbef と処理後検出値Paft との差Dbに関し、DaとDbの差Dcが規定値以内であることを追加条件として燃焼不能状態を解除することを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置である。
【0027】
本発明は、前記した唯一残る懸念を解消するものである。即ち、稀なことではあるが、「COセンサーが異常であって、且つ排気閉塞等を併発した場合」であっても、請求項1に記載の条件を満足する。しかしながら、「COセンサーが異常であって、且つ排気閉塞等を併発した場合」は、給気異常であるから燃焼不能状態を維持すべきである。
そこで本発明は、燃焼停止直前又は燃焼停止直後における稼働時検出値Pdri を検出し、稼働時検出値Pdri とゼロ基準出力Pstd との差Daを求めた。この差Daは、COセンサーの湿度影響に起因する誤動作による上乗せ分を含んだ一酸化炭素濃度を示している。即ち稼働時検出値Pdri とゼロ基準出力Pstd との差Daは、真実の濃度Crと、誤動作によって加算された濃度Cgとの合計である。
また本発明は、処理前検出値Pbef と処理後検出値Paft との差Dbを求めた。この差Dbは、湿度影響による誤動作によって加算された濃度Cgである。
従って、両者の差Dcは、真実の濃度Crを示している。真実の濃度Crの値が低いならば、排気閉塞等の懸念は無い。そこで本発明では、稼働時検出値Pdri とゼロ基準出力Pstd との差Daと、前記処理前検出値Pbef と処理後検出値Paft との差Dbに関し、両者の差Dcが規定値以内であることを追加条件として燃焼不能状態を解除する。そのため本発明では、真実の一酸化炭素濃度Crが規定値以内であることを追加条件として燃焼不能状態が解除される。
【0028】
請求項3に記載の発明は、処理後検出値Paft と処理前検出値Pbef との差が小さい場合には、燃焼不能状態を維持することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置である。
【0029】
「処理後検出値Paft と処理前検出値Pbef との差が小さい場合」は、COセンサーの湿度影響による誤動作は無かったと考えられる。「処理後検出値Paft と処理前検出値Pbef との差が小さい場合」は、前記した4パターンの組み合わせの内、「COセンサーは正常であって給気中のCO濃度が低い場合」に相当し、この状態でCOセンサーが高濃度の一酸化炭素を検知した場合であり、燃焼異常が発生しているから、燃焼を再開するべきではなく、燃焼不能状態を維持する。
【0030】
請求項4に記載の発明は、処理後検出値Paft とゼロ基準出力Pstd との差が大きい場合には、燃焼不能状態を維持することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0031】
「処理後検出値Paft とゼロ基準出力Pstd との差が大きい場合」は、給気異常が疑われる場合である。「処理後検出値Paft とゼロ基準出力Pstd との差が大きい場合」は、前記した4パターンの組み合わせの内、「COセンサーは正常であって給気中のCO濃度が高い場合」と、「COセンサーが異常であって給気中のCO濃度が高い場合」の二つに相当し、給排気系統に異常がある可能性が高いので、燃焼を再開するべきではなく、燃焼不能状態を維持する。
【0032】
請求項5に記載の発明は、燃焼不能状態を解除する場合には、ゼロ基準出力Pstd を濃度の検出値が下がる方向に補正されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0033】
本発明では、燃焼不能状態を解除する場合には、ゼロ基準出力Pstd を濃度の検出値が下がる方向に補正される。即ちCOセンサーの誤動作を見越して、ゼロ基準出力Pstd を補正するので、以後の不必要な燃焼停止が減少する。
【0034】
請求項6に記載の発明は、乾燥処理は、一酸化炭素センサーを加熱することによって行われることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0035】
本発明の燃焼装置では、簡単な方法で、COセンサーの乾燥処理を行うことができる。
【0036】
請求項7に記載の発明は、検出値は、一酸化炭素センサーの信号出力であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0037】
信号出力には、電圧出力や電流出力等のアナログ出力と、パルス等のデジタル出力がある。本発明によると、回路構成が簡単であり、故障が少ない。
【0038】
請求項8に記載の発明は、バーナを備えた燃焼部と、送風機と、一酸化炭素センサーとを備え、送風機によって燃焼部に空気を供給しつつバーナで燃料を燃焼させて発生した熱を所望の用途に供し、排気ガスに含まれる一酸化炭素を一酸化炭素センサーで監視し、排気ガスに含まれる一酸化炭素が一定値以上の濃度及び/又は一定値以上の積算濃度に達した場合は、燃焼部の燃焼を停止させて燃焼不能状態とする燃焼装置の制御方法において、一酸化炭素センサーを乾燥させる乾燥処理工程を備え、乾燥処理前であって非燃焼状態における処理前検出値Pbef と、乾燥処理後であって非燃焼状態における処理後検出値Paft とを比較し、両者の差が一定以上であり、且つ処理後検出値Paft と一酸化炭素濃度が低い場合に想定される検出値とを比較して両者の差が所定以内であることを条件として、燃焼不能状態を解除することを特徴とする燃焼装置の制御方法である。
【0039】
本発明の燃焼装置の制御方法によると、適切な条件を確認した上で、燃焼不能状態を解除することができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明の燃焼装置及び燃焼装置の制御方法は、COセンサーの湿度影響による誤動作の有無を判断し、COセンサーの誤動作によって燃焼させることが不能な状態となってしまった場合には、燃焼不能状態が解除される。そのため本発明を採用した燃焼装置は、使い勝手がよい。また本発明では、適切な解除条件を確認した上で、燃焼不能状態を解除するものであるから、安全性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の実施形態の概念図である。
図2】本発明の実施形態の燃焼装置のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。本実施形態の燃焼装置1は、図1の様に、建屋2の中に設置されるものであり、給湯・暖房装置3の一部を構成している。
燃焼装置1は、外郭を構成する筐体5を有している。そして筐体5内に、給湯用缶体6と、暖房用缶体7が内蔵されている。給湯用缶体6と暖房用缶体7にはそれぞれ送風機10,11が接続されている。また給湯用缶体6と暖房用缶体7にはそれぞれバーナ15,16が内蔵され、内部に燃焼部17,18が構成されている。
【0043】
燃焼部17,18の下流側には、図示しない熱交換器が内蔵されている。なお熱交換器は、顕熱だけでなく、潜熱も回収することができる。
熱交換器のさらに下流側には、排気集合部20が設けられており、給湯用缶体6と暖房用缶体7の末端が合流されている。
排気集合部20の内部には、COセンサー21が内蔵されている。COセンサー21は、公知の接触燃焼型の一酸化炭素センサーである。COセンサー21は、排気集合部20内の一酸化炭素濃度に対応する検出値Pを出力する。より具体的には、一酸化炭素濃度に対応する電圧が検出値Pとして出力される。検出値(電圧)は、一酸化炭素濃度に対して正の相関関係を有し、一酸化炭素濃度が上昇すると、検出値(電圧)Pが上昇する。COセンサー21は、吸湿することにより、実際の一酸化炭素濃度よりも高い検出値(電圧)Pを出力する特性がある。
またCOセンサー21への通電量を増大させることによってCOセンサー21自体を加熱し、乾燥することができる。即ちCOセンサー21は、乾燥処理機能を備えている。
【0044】
排気集合部20の下流側には、排気ダクト22が接続されている。燃焼装置1が設置された室内23に突出し、さらに隣室25を通過して屋外26に接続されている。
また同様の経路で敷設された給気ダクト27があり、給気ダクト27の一端は、筐体5内に開放されている。
【0045】
本実施形態の燃焼装置1は、送風機10,11を起動して燃焼部17,18に空気を供給し、バーナ15,16で火炎を発生させて図示しない熱交換器を加熱する。熱交換器は、顕熱だけでなく、潜熱も回収するものであり、残余の排気ガスは、摂氏50〜80度程度の温度となる。そのため排気集合部20内の湿度は高い。
【0046】
排気ガスは、排気ダクト22を流れて屋外26に排気される。一方、排気ガスが排気されることにより、筐体5内の圧力が低下し、屋外26から給気ダクト27を経由して筐体5内に空気が流れ込む。
【0047】
本実施形態の燃焼装置1では、図示しない制御装置によって燃焼制御が行われる。特に本実施形態の燃焼装置1では、燃焼中、COセンサー21によって排気ガス中の一酸化炭素濃度を監視している。そして排気ガス中の一酸化炭素濃度が一定値を越えると、燃焼を強制的に停止し、以後、燃焼要求があってもバーナに点火されない状態となる。即ち、排気ガスの一酸化炭素濃度が閾値を越えると、燃焼不能状態となる。
また本実施形態の燃焼装置1では、排気ガスの積算濃度が演算され、積算濃度が一定値に達すると、同様に燃焼を強制的に停止し、以後、燃焼要求があってもバーナに点火されない状態となる。即ち排気ガスの積算濃度が閾値を越えると、燃焼不能状態となる。
【0048】
しかしながら、本実施形態の燃焼装置1では、一定の条件下、燃焼不能状態を解除する機能を備えている。
以下、この機能を図2のフローチャートに従って説明する。
本実施形態の燃焼装置1では、COセンサー21のゼロ基準が工場出荷段階で定められている。即ち本実施生態では、COセンサー21のゼロ基準(電圧)は、Pstd ボルトに設定され、図示しない記憶装置に記憶されている。
ステップ1では、図示しない記憶装置からゼロ基準Pstd が読み出される。
【0049】
本実施形態の燃焼装置1では、前記した様に燃焼中に排気ガスの一酸化炭素濃度が閾値を越えるか、あるいは排気ガスの積算濃度が閾値を越えると、燃焼不能状態となる。
即ちステップ2で燃焼が開始されていることが確認され、さらにステップ3で排気ガスの一酸化炭素が過多状態であることが確認されると、ステップ4に移行し、燃焼が強制的に停止され、さらに燃焼要求があってもバーナに点火されない状態となる。
【0050】
そして続くステップ5で、燃焼停止直後のCOセンサー21の検出値(稼働時検出値Pdri )を記憶する。即ちCOセンサー21で燃焼停止直後の一酸化炭素濃度を検知し、この検出値(稼働時検出値Pdri )を図示しない制御装置のメモリーに記憶する。なお、もしCOセンサー21が吸湿して誤動作しているならば、稼働時検出値Pdri は、ゼロ基準(電圧)Pstd に加えて、本来の排気ガスに含まれる一酸化炭素の濃度に対応した電圧と、誤動作による上乗せ分を含んだ電圧となっている。
即ち稼働時検出値Pdri の内容は、式1の通りである。
【0051】
Pdri =Pstd +Va+Vb ・・・式1
Pdri :稼働時検出値(電圧)
Pstd :ゼロ基準(電圧)
Va :本来の排気ガスに含まれる一酸化炭素の濃度に対応した電圧
Vb :誤動作による上乗せ分の電圧
【0052】
続くステップ6で、給湯用缶体6及び暖房用缶体7の掃気を行う。この工程は、ポストパージと称される工程を利用して行われる。即ち、バーナ15,16の燃焼が停止した後も、一定時間に渡って送風機10,11の回転を維持する。その結果、給湯用缶体6及び暖房用缶体7内に残留する排気ガスは全て排出され、COセンサー21は、フレッシュエアーの給気にさらされる。
そしてステップ7で、ポストパージ後におけるCOセンサー21の検出値(処理前検出値Pbef )を記憶する。即ちCOセンサー21でポストパージ後における一酸化炭素濃度を検知し、この検出値(処理前検出値Pbef )を図示しない制御装置のメモリーに記憶する。
なお、もしCOセンサー21が吸湿して誤動作しているならば、処理前検出値Pbef は、ゼロ基準(電圧)Pstd に加えて、給気に含まれる一酸化炭素の濃度に対応した電圧に、誤動作による上乗せ分を含んだ電圧となっている。
即ち処理前検出値Pbef の内容は、式2の通りである。
【0053】
Pbef =Pstd +Vc+Vb ・・・式2
Pbef :処理前検出値(電圧)
Pstd :ゼロ基準(電圧)
Vc :給気に含まれる一酸化炭素の濃度に対応した電圧
Vb :誤動作による上乗せ分の電圧
【0054】
続くステップ8で、COセンサー21を乾燥させる。具体的にはCOセンサー21への通電量を増大し、COセンサー21を昇温して吸着した水分を蒸発させる。
【0055】
そして続くステップ9で、乾燥処理後におけるCOセンサー21の検出値(処理後検出値Paft )を記憶する。即ちCOセンサー21を加熱した後、当該COセンサー21で一酸化炭素濃度を検知し、この検出値(処理後検出値Paft )を図示しない制御装置のメモリーに記憶する。
なお、仮にCOセンサー21が吸湿して誤動作したとしても、処理後検出値Paft は、給気に含まれる一酸化炭素の濃度に対応した電圧を正確に表す電圧となっている。
即ち処理後検出値Paft の内容は、式3の通りである。
【0056】
Paft =Pstd +Vc ・・・式3
Paft :処理後検出値(電圧)
Pstd :ゼロ基準(電圧)
Vc :給気に含まれる一酸化炭素の濃度に対応した電圧
【0057】
続く、ステップ10で、処理後検出値Paft からゼロ基準Pstd を引き、絶対値を取る。演算内容は。式4の通りである。
【0058】
|Paft −Pstd |=|Pstd +Vc|−Pstd =Vc ・・・式4
Paft :処理後検出値(電圧)
Pstd :ゼロ基準(電圧)
Vc :給気に含まれる一酸化炭素の濃度に対応した電圧
【0059】
このVcは、給気に含まれる一酸化炭素の濃度に対応した電圧であり、本来は、ゼロ又はゼロに近い値でなければならない。
しかしこの値が一定値Aを越えるならば、給気中に一酸化炭素が含まれており、給気異常であって自室汚染等が疑われる。そのため給気に含まれる一酸化炭素の濃度に対応した電圧Vcが一定の閾値A以上である場合は、ステップ16に移行し、燃焼不能状態を維持する。
逆に電圧Vcが一定の閾値A未満である場合は、ステップ11に移行する。
【0060】
ステップ11では、処理前検出値Pbef から処理後検出値Paft を引き、絶対値を取る。演算内容は。式5の通りである。
【0061】
|Pbef −Paft |=|(Pstd +Vc+Vb)−(Pstd +Vc)|=Vb
・・・式5
Pbef :処理前検出値(電圧)
Paft :処理後検出値(電圧)
Vc :給気に含まれる一酸化炭素の濃度に対応した電圧
Vb :誤動作による上乗せ分の電圧
【0062】
式5で明らかな様に、処理前検出値Pbef から処理後検出値Paft を引くことによって、誤動作による上乗せ分の電圧Vbが算出される。誤動作による上乗せ分の電圧Vbが小さい場合は、COセンサー21の湿度影響による誤動作は認められず、現に異常燃焼が起こっていたと考えるべきである。
従って、電圧Vbが、一定の閾値B以下である場合には、ステップ16に移行し、燃焼不能状態を維持する。
逆に電圧Vbが一定の閾値Bを越えているならば、COセンサー21に湿度影響による誤動作があったものと考えられから、ステップ12に移行する。
【0063】
ステップ12では、稼働時検出値Pdri とゼロ基準出力Pstd との差Daおよび、処理前検出値Pbef と処理後検出値Paft との差Dbを求め、さらにDaとDbとの差Dcを求める。
演算内容は。式6の通りである。
【0064】
|Da−Db|=|Pdri −Pstd |−|Pbef −Paft |
=|(Pstd +Va+Vb)−Pstd |−|(Pstd +Vc+Vb)−(Pstd +Vc)|
=|Va+Vb|−|Vb|
=Va
=Dc ・・・式6

Pdri :稼働時検出値(電圧)
Pstd :ゼロ基準(電圧)
Pbef :処理前検出値(電圧)
Paft :処理後検出値(電圧)
Va :本来の排気ガスに含まれる一酸化炭素の濃度に対応した電圧
Vc :給気に含まれる一酸化炭素の濃度に対応した電圧
Vb :誤動作による上乗せ分の電圧
【0065】
即ちDc(Va)は、本来の排気ガスに含まれる一酸化炭素の濃度に対応した電圧である。Vaが高い場合は、現に排気ガスに含まれる一酸化炭素の濃度が高いことを示しているから、現に異常燃焼が起こっていたと考えるべきである。従ってDc(Va)が所定の閾値Cよりも大きい場合には、ステップ16に移行し、燃焼不能状態を維持する。
なおステップ12を経てステップ16に至る場合は、「COセンサーが異常であって、且つ排気閉塞等を併発した場合」であると考えられる。
ステップ12がYESであるならば、単にCOセンサー21の湿度影響による誤動作によって燃焼停止となったものであると判断できるから、燃焼不能状態を解除する工程に入る。
本実施形態では、燃焼不能状態を解除する前に、ゼロ基準(電圧)Pstd を補正する。即ち、ステップ13に移行して、誤動作による上乗せ分の電圧Vbを記憶する。電圧Vbは、前記した式5によって演算される。
【0066】
そしてステップ14に移行し、当初のゼロ基準Pstd を、濃度の検出値が下がる方向に補正する。具体的には、湿度影響に起因する誤動作による上乗せ分の電圧Vbに、1以下の係数aを掛けた数を新たなゼロ基準Pstd とし、これを記憶する。
そしてステップ15に移行して燃焼不能状態を解除する。
【0067】
本実施形態では、次の演算をステップ10で行い、給気に含まれる一酸化炭素の濃度が閾値A以下であるか否かを判断した。即ち以下の判断を行った。
【0068】
|Paft −Pstd |≦A ・・・式7
Paft :処理後検出値(電圧)
Pstd :ゼロ基準(電圧)
A :定数
【0069】
また続くステップ11で、吸水による誤差が、閾値B以上であるか否かを判断した。即ち以下の判断を行った。
【0070】
|Pbef −Paft |≧B ・・・式8
Pbef :処理前検出値(電圧)
Paft :処理後検出値(電圧)
B :定数
【0071】
しかしながら、演算の順番は任意であり、これらが逆であってもよい。要するに、本実施形態は、次のマトリックス表に従って判定を行うものである。ただし演算の順番に任意によって、次のマトリックス表の中で、判断の機会がない組み合わせが生じる場合がある。例えば前記したフローチャートの順番に従うと、給気に含まれる一酸化炭素の濃度が閾値Aを越えている場合には、吸水による誤差が、閾値B以上であるか否かを判断する機会が無い。
【0072】
【表2】
【0073】
また続くステップで、排気ガスに含まれる一酸化炭素の真の濃度を演算し、この濃度が閾値C以下であるか否かを判断した。即ち以下の判断を行った。この工程についても順不同である。
【0074】
|Da−Db|=|Pdri −Pstd |−|Pbef −Paft |≦A ・・・式9
Pdri :稼働時検出値(電圧)
Pstd :ゼロ基準(電圧)
Pbef :処理前検出値(電圧)
Paft :処理後検出値(電圧)
【0075】
最後に各閾値A,B,Cの大小関係について説明する。
前記した閾値Aは、給気中に含まれることが許容される一酸化炭素濃度の限界値である。閾値Bは、COセンサー21が湿度影響によって誤動作したか否かを判定する判定基準である。閾値Cは排気ガスに含まれることが許容される一酸化炭素濃度の限界値である。
従って、閾値Bが最も小さく、次いで閾値Aが大きい。閾値Cは、これらよりも相当に大きい。
【0076】
具体的には、閾値Aは、50ppmから100ppm程度である。閾値Bは、100ppmから200ppm程度である。閾値Cは、300ppm以上から500ppm程度である。
【符号の説明】
【0077】
1 燃焼装置
2 建屋
3 給湯・暖房装置
5 筐体
6 給湯用缶体
7 暖房用缶体
10,11 送風機
15,16 バーナ
17,18 燃焼部
20 排気集合部
21 COセンサー
22 排気ダクト
図1
図2