(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記直列接続された複数の発光素子における前記発光素子と、前記発光素子と、の間の電気的な接続において、それぞれの前記電極の位置が、前記第1の位置を中心として回転対称となっている請求項1記載の照明装置。
前記複数の配線パッドと、前記複数の電極と、の間の距離が、それぞれ最も短くなるような位置に、前記複数の発光素子がそれぞれ設けられている請求項1または2に記載の照明装置。
一端が前記配線パターンと電気的に接続され、他端が前記本体部の前記基板が設けられる側とは反対の側から露出する給電端子をさらに具備した請求項1〜4のいずれか1つに記載の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
第1の発明は、本体部と;前記本体部に設けられた基板と;前記基板の表面に設けられ、複数の配線パッドを有する配線パターンと;前記配線パターンの上に設けられ、前記配線パターンに設けられる側とは反対側の面の周縁の近傍に電極を有した複数の発光素子と;前記複数の配線パッドと、複数の前記電極と、をそれぞれ接続する複数の配線と;前記複数の発光素子を囲むように設けられ、環状形状を有した包囲壁部材と;前記包囲壁部材の内側を覆うように設けられた封止部と;を具備した照明装置である。
そして、前記複数の発光素子の少なくとも一部が直列接続されている。前記直列接続された複数の発光素子における前記発光素子と、前記発光素子と、の間の電気的な接続において、前記複数の電極が、第1の位置を中心とし前記直列接続された複数の発光素子の中心を通る円周上、または前記円周の内側にそれぞれ位置している。
【0009】
この照明装置によれば、配線と配線パターン(配線パッド)との接続位置を第1の位置に近づけることができる。そのため、包囲壁部材を小さくすることができ、ひいては封止部の体積を小さくすることができる。
また、さらに、発光素子の光の出射面である上面の上方を配線が横切る距離を短くすることができ、ひいては光の取り出し効率を向上させることができる。
【0010】
また、この照明装置においては、包囲壁部材を設けているので、封止部の体積(樹脂などを充填(注入)する容量)を小容量(小範囲)に規制することができる。これにより、大容量の封止部と比較して、封止部の応力や膨張・収縮を低く抑制することができる。その結果、封止部により封止されている複数の発光素子および配線の一部への影響、例えば、発光素子の剥離や配線の断線などを抑制することができる。
【0011】
また、この照明装置によれば、封止部の体積が小容量で済むので、大容量の封止部と比較して、封止部のクラックの発生を低く抑えることができる、その結果、封止部の封止性能を向上させることができるので、照明装置の製造の歩留まりを向上させることができる。
さらに、この照明装置によれば、封止部の体積が小容量で済むので、製造コストを低減できる。また、封止部の充填時間を短縮できるので、製造時間の短縮、ひいては製造コストの低減を図ることができる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記直列接続された複数の発光素子における前記発光素子と、前記発光素子と、の間の電気的な接続において、それぞれの前記電極の位置が、前記第1の位置を中心として回転対称となっている。
この照明装置によれば、封止部の体積をさらに小さくすることができ、且つ、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0013】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記複数の配線パッドと、前記複数の電極と、の間の距離が、それぞれ最も短くなるような位置に、前記複数の発光素子がそれぞれ設けられている。
この照明装置によれば、封止部の体積をさらに小さくすることができ、且つ、光の取り出し効率をさらに向上させることができる。
【0014】
第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記配線パターンは、前記複数の発光素子をそれぞれ接続するための複数の実装パッドをさらに有している。そして、前記複数の電極と、前記配線パッドと前記配線との接続部分と、が、前記第1の位置を中心とし、前記複数の実装パッドのそれぞれの最外周端を通る円周の内側に位置している。
この照明装置によれば、封止部の体積をさらに小さくすることができ、且つ、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0015】
第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明において、一端が前記配線パターンと電気的に接続され、他端が前記本体部の前記基板が設けられる側とは反対の側から露出する給電端子をさらに具備した照明装置である。
【0016】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1、
図2は、本実施の形態に係る照明装置1を例示するための模式斜視図である。
なお、
図1は照明装置1の模式斜視図、
図2は照明装置1の模式分解図である。
また、
図1においては、図を見やすくするために封止部27を省いて描いている。
【0017】
図1、
図2に示すように、照明装置1には、本体部10、発光部20、および給電部30が設けられている。
本体部10には、収納部11、フランジ部12、およびフィン13が設けられている。 収納部11は、円筒状を呈し、フランジ部12の一方の面から突出している。収納部11の内部には、発光部20が収納されている。また、収納部11の内部には、給電部30の給電端子31が突出している。
【0018】
収納部11の外側面には、複数の凸部11aが突出している。複数の凸部11aは、例えば、照明装置1を図示しない灯具などに取り付ける際に灯具側の取付部材と協働して、図示しない灯具などに照明装置1を保持させる。
また、複数の凸部11aとフランジ部12との間には、ゴムやシリコーンなどの材料からなるシール部材を設けることもできる。
【0019】
収納部11の内側面には、複数の凸部11bが突出している。複数の凸部11bは、収納部11の剛性を高めるために設けられている。
収納部11の内部のフランジ部12側には凹部11cが設けられている。凹部11cの内部には、発光部20の基板21が取り付けられる。また、凹部11cの底面から給電部30の給電端子31が突出している。
【0020】
フランジ部12は、円板状を呈し、一方の面には収納部11が設けられ、他方の面にはフィン13が設けられている。
フィン13は、フランジ部12の面から突出して複数設けられている。複数のフィン13は、板状を呈し、放熱フィンとして機能する。
【0021】
本体部10は、発光部20および給電部30などを収納する機能と、発光部20や給電部30で発生した熱を照明装置1の外部に放出する機能とを有する。
そのため、熱を外部に放出することを考慮して、本体部10を熱伝導率の高い材料から形成することができる。例えば、本体部10は、アルミニウム、アルミニウム合金、高熱伝導性樹脂などから形成することができる。
この場合、フィン13などの熱を外部に放出する部分を熱伝導率の高い材料から形成し、その他の部分を樹脂などから形成することもできる。
【0022】
発光部20には、基板21、発光素子22、制御素子23、配線パターン24、配線25、包囲壁部材26、および封止部27が設けられている。
基板21は、板状を呈し、表面に配線パターン24が設けられている。
基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどの無機材料(セラミックス)、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁体で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁体で被覆する場合には、絶縁体は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
【0023】
この場合、発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁体で被覆したものなどを例示することができる。
また、基板21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
【0024】
発光素子22は、配線パターン24の上に複数実装されている。
発光素子22は、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)の複数の角部のいずれかの近傍、または、複数の辺のいずれかの中央部の近傍に電極28を有している(
図3(b)、(c)を参照)。すなわち、発光素子22は、上面の周縁の近傍に1つの電極28を有している。なお、電極28に関する詳細は後述する。
発光素子22の下面に設けられた電極は、銀ペーストなどの導電性の熱硬化材を介して実装パッド24c(
図7(b)を参照)と電気的に接続されている。発光素子22の上面に設けられた電極28は、配線25を介して配線パッド24bと電気的に接続されている。
発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
【0025】
発光素子22の光の出射面は、照明装置1の正面側に向けられており、主に、照明装置1の正面側に向けて光を出射する。
発光素子22の数や大きさなどは、例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
なお、発光素子22の実装形態などに関する詳細は後述する。
【0026】
制御素子23は、配線パターン24の上に実装されている。
制御素子23は、発光素子22に流れる電流を制御する。すなわち、制御素子23は、発光素子22の発光を制御する。
【0027】
配線パターン24は、基板21の少なくとも一方の表面に設けられている。
配線パターン24は、基板21の両方の面に設けることもできるが、製造コストを低減させるためには、基板21の一方の面に設けるようにすることが好ましい。
配線パターン24には、入力端子24a、配線パッド24b、および実装パッド24cが設けられている。
【0028】
入力端子24aは、複数設けられている。入力端子24aには、給電部30の給電端子31が電気的に接続されている。そのため、発光素子22と制御素子23は、配線パターン24を介して、給電部30と電気的に接続されている。
配線パッド24bは、複数設けられている。配線パッド24bは、配線25の一端を接続するための部分である(
図7(b)を参照)。
実装パッド24cは、複数設けられている。実装パッド24cは、銀ペーストなどのペースト状の熱硬化材を用いて、発光素子22を接続するための部分である(
図7(b)を参照)。
【0029】
配線25は、発光素子22の上面に設けられた電極28と、配線パッド24bとを電気的に接続する。配線25は、例えば、金を主成分とする線とすることができる。ただし、配線25の材料は、金を主成分とするものに限定されるわけではなく、例えば、銅を主成分とするものや、アルミニウムを主成分とするものなどであってもよい。
配線25は、例えば、超音波溶着または熱溶着により、発光素子22の上面に設けられた電極28と、配線パッド24bとに電気的に接続される。配線25は、例えば、ワイヤボンディング法を用いて、発光素子22の上面に設けられた電極28と、配線パッド24bとに電気的に接続することができる。
【0030】
包囲壁部材26は、複数の発光素子22を取り囲むように設けられている。包囲壁部材26は、例えば、環状形状を有し、中央部26aに複数の発光素子22が露出するようになっている。
包囲壁部材26は、例えば、樹脂、セラミックス、アルミニウムなどの金属などから形成することができる。
包囲壁部材26の中央部26a側の側壁面は斜面となっている。発光素子22から出射された光の一部は、包囲壁部材26の中央部26a側の側壁面で反射されて、照明装置1の正面側に向けて出射される。
また、発光素子22から照明装置1の正面側に向けて出射された光の一部であって封止部27の天面(封止部27と外気との界面)で全反射した光は、包囲壁部材26の中央部26a側の側壁面で反射して、再び照明装置1の正面側に向けて出射される。
すなわち、包囲壁部材26は、リフレクタの機能を併せ持つものとすることができる。なお、包囲壁部材26の形態は、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0031】
封止部27は、包囲壁部材26の中央部26aに設けられている。封止部27は、包囲壁部材26の内側を覆うように設けられている。
封止部27は、透光性を有する材料から形成されている。封止部27は、例えば、シリコーン樹脂などから形成することができる。
封止部27は、例えば、包囲壁部材26の中央部26aに樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。
【0032】
包囲壁部材26の中央部26aに樹脂を充填すれば、発光素子22、包囲壁部材26の中央部26aに露出する配線パターン24、および配線25などに対する外部からの機械的な接触を抑制することができる。また、空気・水分などが、発光素子22、包囲壁部材26の中央部26aに露出する配線パターン24、および配線25などに付着することを抑制することができる。そのため、照明装置1に対する信頼性を向上させることができる。
また、包囲壁部材26の中央部26aに樹脂を充填すれば、発光素子22と、発光素子22の外部との間の屈折率差を小さくすることができる。そのため、発光素子22の図示しない発光層から出射した光の一部が、発光素子22の上面と、中央部26aに充填された樹脂との間の界面で全反射されるのを抑制することができる。
【0033】
また、封止部27には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。
例えば、発光素子22が青色発光ダイオード、蛍光体がYAG系蛍光体である場合には、発光素子22から出射した青色の光によりYAG系蛍光体が励起され、YAG系蛍光体から黄色の蛍光が放射される。そして、青色の光と黄色の光が混ざり合うことで、白色の光が照明装置1から出射される。なお、蛍光体の種類や発光素子22の種類は例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0034】
給電部30には、複数の給電端子31が設けられている。
複数の給電端子31は、収納部11およびフランジ部12の内部を延びている。複数の給電端子31の一方の端部は、収納部11の凹部11cの底面から突出し、配線パターン24の入力端子24aと電気的に接続されている。複数の給電端子31の他方の端部は、本体部10の基板21が設けられる側とは反対の側から露出している。
【0035】
なお、給電端子31の数、配置、形態などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
また、給電部30は、図示しない基板や、コンデンサや抵抗などの回路部品を備えたものとすることもできる。なお、図示しない基板や回路部品は、例えば、収納部11またはフランジ部12の内部に設けることができる。
【0036】
その他、給電端子31を外部の電源などと電気的に接続するための図示しないソケットなどを適宜設けることができる。なお、図示しないソケットなどは、例えば、フランジ部12のフィン13が設けられる側に設けることができる。
【0037】
次に、発光素子22の実装形態などに関してさらに説明する。
まず、発光素子22の上面に設けられた電極28の位置について例示する。
図3は、発光素子22の上面に設けられた電極の位置について例示するための模式図である。
図3(a)は、比較例に係る発光素子122の上面に設けられた電極128の位置を例示するための模式図である。
図3(b)、(c)は、本実施の形態に係る発光素子22の上面に設けられた電極28の位置を例示するための模式図である。
【0038】
図3(a)は、発光素子122の上面の中央部分に電極128を設けた構成である。発光素子122の上面の中央部分に電極128を設けるようにすれば、どの方向からも同じ長さの配線25を接続することができる。しかしながら、発光素子122の上面の中央部分に電極128を設けるようにすれば、発光素子122の光の出射面である上面の上方を配線25が横切る距離が長くなる。そのため、発光素子122から出射した光が配線25により遮られ、光の取り出し効率が悪くなるおそれがある。
【0039】
そこで、本実施の形態に係る発光素子22においては、
図3(b)に示すように、発光素子22の上面の複数の角部のいずれかの近傍に電極28を設けるようにしている。
また、
図3(c)に示すように、発光素子22の上面の複数の辺のいずれかの中央部の近傍に電極28を設けるようにしても良い。
なお、電極28の位置は、適宜変更することができる。すなわち、電極28は、発光素子22の上面の周縁の近傍に1つ設けられていればよい。
この様にすれば、
図3(a)の構成に対して、発光素子22の光の出射面である上面の上方を配線25が横切る距離を短くすることが可能となる。そのため、発光素子22から出射した光が配線25により遮られるのを少なくすることができ、光の取り出し効率を向上させることが可能となる。
【0040】
ここで、発光素子22の上面の複数の角部のいずれかの近傍、または、発光素子22の上面の複数の辺のいずれかの中央部の近傍に電極28を設けるようにすると、発光素子22を実装する際に方向性が生じる。
この場合、複数の発光素子22の電極28が同じ方向にあるように、複数の発光素子22を基板21の上に実装すれば、実装工程におけるコストを低減させることができる。
【0041】
図4(a)、(b)は、比較例に係る発光素子22の実装形態を例示するための模式図である。
なお、
図4(a)は、比較例に係る発光部120における実装形態を例示するための模式図である。
図4(b)は、
図4(a)におけるA部の拡大図である。
図5(a)、(b)は、配線25の接続形態を例示するための模式図である。
【0042】
図4(a)、(b)に示すように、複数の発光素子22の電極28が同じ方向にあるように、複数の発光素子22を基板21の上に実装すれば、実装工程におけるコストを低減させることができる。
ところが、
図4(b)に示すように、発光素子22の光の出射面である上面の上方を配線25が横切る距離が長くなる場合が生じる。
【0043】
図5(a)に示すように、発光素子22の上面の上方を配線25が横切る距離が短い場合には、発光素子22から出射した光Lが配線25により遮られるのを少なくすることができる。また、配線25と発光素子22の上面とが接触するおそれがないので、配線25の屈曲位置25aを低くすることができる。そのため、封止部27の高さ寸法を低くすることができ、ひいては封止部27の体積を小さくすることができる。
【0044】
これに対して、
図5(b)に示すように、発光素子22の上面の上方を配線25が横切る距離が長い場合には、発光素子22から出射した光Lが配線25により遮られる量が多くなる。そのため、光の取り出し効率が悪化するおそれがある。
また、
図5(b)中のB部において、配線25と発光素子22の上面とが接触するおそれがある。そのため、配線25の屈曲位置25aを高くする必要が生じる。その結果、封止部27の高さ寸法が高くなり、ひいては封止部27の体積が大きくなる。
【0045】
ここで、発光素子22の点灯と消灯により、封止部27には熱応力や膨張・収縮が発生する。この場合、封止部27の体積が大きくなると、熱応力や膨張・収縮の影響が大きくなり、封止部27により封止されている複数の発光素子22、および配線25の一部に不具合が生じるおそれがある。
例えば、発光素子22が基板21から剥離したり、配線25が断線したりするおそれがある。
また、封止部27の体積が大きくなれば、材料コストが増加することになる。
【0046】
この場合、配線パターン24を変更することで、発光素子22の上面の上方を配線25が横切る距離を短くすることができる。
図6(a)、(b)は、比較例に係る配線パターン224と、配線25の接続形態との関係を例示するための模式図である。
なお、
図6(a)は、比較例に係る配線パターン224が設けられた発光部220における実装形態を例示するための模式図である。
図6(b)は、
図6(a)におけるC部の拡大図である。
【0047】
図6(a)、(b)に示すように、発光部220においても、複数の発光素子22の電極28が同じ方向にあるように、複数の発光素子22が基板21の上に実装されている。
そして、配線パターン224を変更することで、発光素子22の上面の上方を配線25が横切る距離が短くなるようにしている。
この様にすれば、
図4、
図5において説明した問題を解決できるようにも思える。
【0048】
ところが、この様にすると、
図6(b)に示すように、配線25と配線パッド24bとの接続位置が、基板21の周縁側に移動することになる。
そのため、
図5(b)における占有領域(
図6(b)中の領域D1)に比べて、占有領域(
図6(b)中の領域D2)が大きくなる。
このことは、包囲壁部材226が大きくなるとともに、封止部27の体積が大きくなることを意味する。
そのため、光の取り出し効率を向上させることができても、封止部27の体積を小さくすることはできない。
【0049】
次に、本実施の形態に係る発光素子22の実装形態について例示する。
以下においては、一例として、電極28が上面の複数の角部のいずれかの近傍に設けられている場合について説明する。
なお、電極28が上面の複数の辺のいずれかの中央部の近傍に設けられている場合も同様とすることができる。すなわち、電極28が、発光素子22の上面の周縁の近傍に1つ設けられている場合も同様とすることができる。
図7(a)、(b)は、本実施の形態に係る発光素子22の実装形態を例示するための模式図である。
なお、
図7(a)は、発光部20における発光素子22の実装形態を例示するための模式図である。
図7(b)は、
図7(a)におけるE部の拡大図である。
【0050】
図7(a)、(b)に例示をする発光部20には、1個の発光素子22を中心として、互いに直交する方向に、4個の発光素子22がそれぞれ設けられている。また、中央に設けられた発光素子22の中心から、周囲に設けられた各発光素子22の中心までの距離が等しくなっている。
すなわち、発光部20は、第1の位置29に設けられた1個の発光素子22と、第1の位置29を中心とする円周上(仮想円40の円周上)に等配に設けられた4個の発光素子22とを有する。
また、周囲に設けられた4個の発光素子22は、直列接続されている。
【0051】
そして、直列接続された複数の発光素子22における発光素子22と発光素子22との間の電気的な接続において、それぞれの電極28の位置が、第1の位置29を中心として回転対称となっている。
【0052】
例えば、
図7(b)中の3個の発光素子22aにおける発光素子22aと発光素子22aとの間の電気的な接続において、それぞれの電極28の位置が第1の位置29を中心として回転対称となっている。
また、仮想円40の内側にそれぞれの電極28が設けられている。
【0053】
すなわち、本実施の形態においては、直列接続された複数の発光素子における発光素子22aと、発光素子22aと、の間の電気的な接続において、複数の電極28が、第1の位置29を中心とし直列接続された複数の発光素子22aの中心を通る円周の内側にそれぞれ位置している。
【0054】
なお、仮想円40は、第1の位置29を中心とし、各発光素子22aの中心を通る円である。
また、基板21上における第1の位置29は、任意の位置とすることができる。例えば、
図7(a)に例示をしたものの場合には、基板21の中心を第1の位置29としている。
また、複数の配線パッド24bと、複数の電極28との間の距離が、それぞれ最も短くなるような位置に、5個の発光素子22、22aがそれぞれ設けられている。
【0055】
図7(a)、(b)に例示をした実施形態によれば、配線25と配線パターン24(配線パッド24b)との接続位置を第1の位置29に近づけることができる。そのため、包囲壁部材26を小さくすることができ、ひいては封止部27の体積を小さくすることができる。
またさらに、発光素子22、22aの上面の上方を配線25が横切る距離を短くすることができ、ひいては光の取り出し効率を向上させることができる。
【0056】
また、照明装置1においては、包囲壁部材26を設けているので、封止部27の体積(樹脂などを充填(注入)する容量)を小容量(小範囲)に規制することができる。これにより、大容量の封止部と比較して、封止部27の応力や膨張・収縮を低く抑制することができる。その結果、封止部27により封止されている複数の発光素子22および配線25の一部への影響、例えば、発光素子22の剥離や配線25の断線などを抑制することができる。
また、照明装置1によれば、封止部27の体積が小容量で済むので、大容量の封止部と比較して、封止部27のクラックの発生を低く抑えることができる、その結果、封止部27の封止性能を向上させることができるので、照明装置1の製造の歩留まりを向上させることができる。
さらに、照明装置1によれば、封止部27の体積が小容量で済むので、製造コストを低減できる。また、封止部27の充填時間を短縮できるので、製造時間の短縮、ひいては製造コストの低減を図ることができる。
【0057】
図8(a)、(b)は、他の実施形態に係る発光素子22の実装形態を例示するための模式図である。
なお、
図8(a)は、発光部20aにおける発光素子22の実装形態を例示するための模式図である。
図8(b)は、
図8(a)におけるF部の拡大図である。
【0058】
図8(a)、(b)に例示をする発光部20aには、第1の位置29を中心として、互いに直交する方向に、4個の発光素子22がそれぞれ設けられている。また、第1の位置29から、各発光素子22の中心までの距離が等しくなっている。
すなわち、発光部20は、第1の位置29を中心とする円周上(仮想円40の円周上)に等配に設けられた4個の発光素子22を有する。
また、4個の発光素子22は、直列接続されている。
【0059】
そして、直列接続された複数の発光素子22における発光素子22と発光素子22との間の電気的な接続において、それぞれの電極28の位置が、第1の位置29を中心として回転対称となっている。
例えば、
図8(b)中の3個の発光素子22aにおける発光素子22aと発光素子22aとの間の電気的な接続において、それぞれの電極28の位置が、第1の位置29を中心として回転対称となっている。
なお、
図8(b)中の発光素子22(22a)は、
図7(b)中の周囲に設けられた発光素子22(22a)を発光素子22(22a)の中心に対してそれぞれ45°程度回転させた場合である。
【0060】
すなわち、本実施の形態においては、直列接続された複数の発光素子における発光素子22aと、発光素子22aと、の間の電気的な接続において、複数の電極28が、第1の位置29を中心とし直列接続された複数の発光素子22aの中心を通る円周上にそれぞれ位置している。
【0061】
また、複数の配線パッド24bと、複数の電極28との間の距離が、それぞれ最も短くなるような位置に、4個の発光素子22、22aがそれぞれ設けられている。
本実施の形態によれば、
図7(a)、(b)に例示をした実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0062】
図9(a)、(b)は、他の実施形態に係る発光素子22の実装形態を例示するための模式図である。
なお、
図9(a)は、発光部20bにおける発光素子22の実装形態を例示するための模式図である。
図9(b)は、
図9(a)におけるG部の拡大図である。
【0063】
図9(a)、(b)に例示をする発光部20bには、1個の発光素子22を中心として、互いに直交する方向に、4個の発光素子22がそれぞれ設けられている。
また、周囲に設けられた4個の発光素子22は、直列接続されている。
【0064】
なお、発光部20bにおける各発光素子22および各電極28の配設形態は、
図7(a)、(b)において例示をした発光部20における各発光素子22および各電極28の配設形態と同様である。
【0065】
すなわち、本実施の形態においては、直列接続された複数の発光素子における発光素子22aと、発光素子22aと、の間の電気的な接続において、複数の電極28が、第1の位置29を中心とし直列接続された複数の発光素子22aの中心を通る円周の内側にそれぞれ位置している。
【0066】
またさらに、
図9(a)、(b)に示すように、発光部20bにおいては、第1の位置29を中心とし、実装パッド24cの最外周端を通る仮想円41の内側に、電極28、配線パッド24bと配線25との接続部分、および実装パッド24cのすべてが設けられている。
また、複数の配線パッド24bと、複数の電極28との間の距離が、それぞれ最も短くなるような位置に、5個の発光素子22、22aがそれぞれ設けられている。
本実施の形態によれば、
図7(a)、(b)に例示をした実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0067】
図10(a)、(b)は、他の実施形態に係る発光素子22の実装形態を例示するための模式図である。
なお、
図10(a)は、発光部20cにおける発光素子22の実装形態を例示するための模式図である。
図10(a)においては、包囲壁部材26を省略して描いている。
図10(b)は、
図10(a)におけるH部の拡大図である。
【0068】
図10(a)、(b)に示すように、発光部20cは、第1の位置29を中心とする円周上(仮想円40の円周上)に等配に設けられた6個の発光素子22を有する。
また、6個の発光素子22は、直列接続されている。
【0069】
また、直列接続された複数の発光素子における発光素子22と発光素子22との間の電気的な接続において、それぞれの電極28が仮想円40の内側に設けられている。
また、複数の配線パッド24bと、複数の電極28との間の距離が、それぞれ最も短くなるような位置に、6個の発光素子22、22aがそれぞれ設けられている。
【0070】
すなわち、本実施の形態においては、直列接続された複数の発光素子における発光素子22と、発光素子22と、の間の電気的な接続において、複数の電極28が、第1の位置29を中心とし直列接続された複数の発光素子22の中心を通る円周の内側にそれぞれ位置している。
【0071】
本実施の形態によれば、
図7(a)、(b)に例示をした実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0072】
図11(a)、(b)は、他の実施形態に係る発光素子22の実装形態を例示するための模式図である。
なお、
図11(a)は、発光部20dにおける発光素子22の実装形態を例示するための模式図である。
図11(a)においては、包囲壁部材26を省略して描いている。
図11(b)は、
図11(a)におけるI部の拡大図である。
【0073】
図11(a)、(b)に示すように、発光部20dは、第1の位置29を中心とする円周上(仮想円40の円周上)に等配に設けられた8個の発光素子22を有する。
また、直列接続された4個の発光素子22a1と、直列接続された4個の発光素子22a2とが並列接続されている。
【0074】
また、直列接続された4個の発光素子22a1における発光素子22a1と発光素子22a1との間の電気的な接続において、それぞれの電極28が仮想円40の内側に設けられている。
また、直列接続された4個の発光素子22a2における発光素子22a2と発光素子22a2との間の電気的な接続において、それぞれの電極28が仮想円40の内側に設けられている。
【0075】
また、直列接続された4個の発光素子22a1における発光素子22a1と発光素子22a1との間の電気的な接続において、それぞれの電極28の位置が、第1の位置29を中心として回転対称となっている。
また、直列接続された4個の発光素子22a2における発光素子22a2と発光素子22a2との間の電気的な接続において、それぞれの電極28の位置が、第1の位置29を中心として回転対称となっている。
また、複数の配線パッド24bと、複数の電極28との間の距離が、それぞれ最も短くなるような位置に、8個の発光素子22、22aがそれぞれ設けられている。
【0076】
すなわち、本実施の形態においては、直列接続された複数の発光素子22a1、22a2における発光素子22a1、22a2と、発光素子22a1、22a2と、の間の電気的な接続において、複数の電極28が、第1の位置29を中心とし直列接続された複数の発光素子22a1、22a2の中心を通る円周の内側にそれぞれ位置している。
本実施の形態によれば、
図7(a)、(b)に例示をした実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0077】
図12(a)、(b)は、他の実施形態に係る発光素子22の実装形態を例示するための模式図である。
なお、
図12(a)は、発光部20eにおける発光素子22の実装形態を例示するための模式図である。
図12(a)においては、包囲壁部材26を省略して描いている。
図12(b)は、
図12(a)におけるJ部の拡大図である。
【0078】
図12(a)、(b)に示すように、発光部20eは、第1の位置29に設けられた1個の発光素子22b1と、第1の位置29を中心とする円周上(仮想円40の円周上)に等配に設けられた8個の発光素子22b1、22b2、22b3を有する。
また、直列接続された3個の発光素子22b1と、直列接続された3個の発光素子22b2と、直列接続された3個の発光素子22b3と、が並列接続されている。
【0079】
また、直列接続された3個の発光素子22b1における発光素子22b1と発光素子22b1との間の電気的な接続において、それぞれの電極28が仮想円40の内側に設けられている。
また、直列接続された3個の発光素子22b2における発光素子22b2と発光素子22b2との間の電気的な接続において、それぞれの電極28が仮想円40の内側に設けられている。
また、直列接続された3個の発光素子22b3における発光素子22b3と発光素子22b3との間の電気的な接続において、それぞれの電極28が仮想円40の内側に設けられている。
【0080】
また、直列接続された3個の発光素子22b2における発光素子22b2と発光素子22b2との間の電気的な接続において、それぞれの電極28の位置が、第1の位置29を中心として回転対称となっている。
また、直列接続された3個の発光素子22b3における発光素子22b3と発光素子22b3との間の電気的な接続において、それぞれの電極28の位置が、第1の位置29を中心として回転対称となっている。
【0081】
また、複数の配線パッド24bと、複数の電極28との間の距離が、それぞれ最も短くなるような位置に、9個の発光素子22b1、22b2、22b3がそれぞれ設けられている。
【0082】
すなわち、本実施の形態においては、直列接続された複数の発光素子22b2、22b3における発光素子22b2、22b3と、発光素子22b2、22b3と、の間の電気的な接続において、複数の電極28が、第1の位置29を中心とし直列接続された複数の発光素子22b2、22b3の中心を通る円周の内側にそれぞれ位置している。
本実施の形態によれば、
図7(a)、(b)に例示をした実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0083】
図13(a)、(b)は、他の実施形態に係る発光素子22の実装形態を例示するための模式図である。
なお、
図13(a)は、発光部20fにおける発光素子22の実装形態を例示するための模式図である。
図13(a)においては、包囲壁部材26を省略して描いている。
図13(b)は、
図13(a)におけるK部の拡大図である。
【0084】
図13(a)、(b)に示すように、発光部20fは、第1の位置29を挟んで設けられた2個の発光素子22c1と、第1の位置29を中心とする円周上(仮想円40の円周上)に等配に設けられた10個の発光素子22c1、22c2、22c3とを有する。
また、直列接続された4個の発光素子22c1と、直列接続された4個の発光素子22c2と、直列接続された4個の発光素子22c3と、が並列接続されている。
【0085】
また、直列接続された4個の発光素子22c1における発光素子22c1と発光素子22c1との間の電気的な接続において、それぞれの電極28が仮想円40の内側に設けられている。
また、直列接続された4個の発光素子22c2における発光素子22c2と発光素子22c2との間の電気的な接続において、それぞれの電極28が仮想円40の内側に設けられている。
また、直列接続された4個の発光素子22c3における発光素子22c3と発光素子22c3との間の電気的な接続において、それぞれの電極28が仮想円40の内側に設けられている。
【0086】
また、複数の配線パッド24bと、複数の電極28との間の距離が、それぞれ最も短くなるような位置に、12個の発光素子22c1、22c2、22c3がそれぞれ設けられている。
【0087】
すなわち、本実施の形態においては、直列接続された複数の発光素子22c2、22c3における発光素子22c2、22c3と、発光素子22c2、22c3と、の間の電気的な接続において、複数の電極28が、第1の位置29を中心とし直列接続された複数の発光素子22c2、22c3の中心を通る円周の内側にそれぞれ位置している。
本実施の形態によれば、
図7(a)、(b)に例示をした実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0088】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。