(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有するスクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定する測定部と、
前記測定部によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定し、前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理を実行する制御部とを具備し、
前記制御部は、前記半田の測定データに基づいて、前記半田の体積重心及び面積重心を算出し、前記半田の体積重心及び面積重心の位置に基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定する
印刷検査装置。
スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有するスクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定する測定部と、
前記測定部によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定し、前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理を実行する制御部とを具備し、
前記制御部は、前記半田の測定データに基づいて、前記半田の高さの傾きを算出し、前記半田の高さの傾きに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定する
印刷検査装置。
スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有するスクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定し、
測定によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定し、
前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理を実行し、
前記スキージの摺動方向の判定では、前記半田の測定データに基づいて、前記半田の体積重心及び面積重心を算出し、前記半田の体積重心及び面積重心の位置に基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定する
検査データの統計方法。
スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有するスクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定し、
測定によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定し、
前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理を実行し、
前記スキージの摺動方向の判定では、前記半田の測定データに基づいて、前記半田の高さの傾きを算出し、前記半田の高さの傾きに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定する
検査データの統計方法。
スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有するスクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定し、
測定によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定し、
前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理を実行し、
前記スキージの摺動方向別に統計された前記検査データに基づいて、前記スクリーン印刷装置による前記半田の印刷不良原因を特定し、
特定された前記スクリーン印刷装置の印刷不良原因を除去し、
前記印刷不良原因が除去された前記スクリーン印刷装置によって前記基板上に半田を印刷し、
前記半田が印刷された基板上に電子部品を実装し、
前記スキージの摺動方向の判定では、前記半田の測定データに基づいて、前記半田の体積重心及び面積重心を算出し、前記半田の体積重心及び面積重心の位置に基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定する
基板の製造方法。
スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有するスクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定し、
測定によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定し、
前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理を実行し、
前記スキージの摺動方向別に統計された前記検査データに基づいて、前記スクリーン印刷装置による前記半田の印刷不良原因を特定し、
特定された前記スクリーン印刷装置の印刷不良原因を除去し、
前記印刷不良原因が除去された前記スクリーン印刷装置によって前記基板上に半田を印刷し、
前記半田が印刷された基板上に電子部品を実装し、
前記スキージの摺動方向の判定では、前記半田の測定データに基づいて、前記半田の高さの傾きを算出し、前記半田の高さの傾きに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定する
基板の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、スクリーン印刷装置では、スクリーン上での摺動方向が異なる2つのスキージが設けられる場合がある。この場合、基板上に印刷された半田は、2つのスキージのうちのどちらか一方のスキージによって印刷されることになる。
【0007】
しかしながら、従来においては、2つのスキージのうち、どちらのスキージによって印刷された半田であるかを識別することができない。従って、半田印刷不良が発生した場合に、半田印刷不良の原因の特定が困難であるといった問題がある。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、容易に半田印刷不良の原因の特定することができる印刷検査装置等の技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術に係る印刷検査装置は、測定部と、制御部とを具備する。
前記測定部は、スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有するスクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定する。
前記制御部は、前記測定部によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定し、前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理を実行する。
【0010】
この印刷検査装置では、スキージの摺動方向別に、半田の検査データの統計処理が実行されるので、オペレータ(又は、コンピュータ)は、容易に半田の印刷不良の原因を特定することができる。例えば、複数のスキージのうち、1つのスキージについて動作不良が発生した場合、そのスキージについての半田の検査データに異常が表れる。従って、オペレータ(又は、コンピュータ)は、そのスキージに異常があることを容易に特定することができる。
【0011】
上記印刷検査装置において、前記制御部は、前記半田の測定データに基づいて、前記半田の体積重心及び面積重心を算出し、前記半田の体積重心及び面積重心の位置に基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定してもよい。
【0012】
これにより、半田の測定データに基づいて、正確にスキージの摺動方向を判定することができる。
【0013】
上記印刷検査装置において、前記制御部は、前記半田の測定データに基づいて、前記半田の高さの傾きを算出し、前記半田の高さの傾きに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定してもよい。
【0014】
これにより、半田の測定データに基づいて、正確にスキージの摺動方向を判定することができる。
【0015】
上記印刷検査装置において、前記スキージは、前記基板上に複数の半田を印刷し、前記測定部は、前記基板上に印刷された前記複数の半田のうち少なくとも2以上の半田を測定し、前記制御部は、測定部によって得られた前記2以上の半田の測定データに基づいて、前記スキージの摺動方向を判定してもよい。
【0016】
これにより、半田の測定データに基づいて、正確にスキージの摺動方向を判定することができる。
【0017】
上記印刷検査装置において、前記スキージの摺動方向別に統計された前記検査データを表示する表示部をさらに具備していてもよい。
【0018】
この印刷検査装置では、オペレータは、表示部の画面上に表示された、スキージの摺動方向別に統計された半田の検査データを視認することで、半田の印刷不良の原因を特定することができる。
【0019】
上記スクリーン印刷装置は、前記スクリーン印刷装置と通信する通信部をさらに具備していてもよい。
この場合、前記制御部は、前記スキージの摺動方向別に統計された前記検査データを示す情報を前記通信部を介して前記スクリーン印刷装置へ出力してもよい。
【0020】
スクリーン印刷装置は、スキージの摺動方向別に統計された検査データを受信して、例えば、スクリーン印刷装置が有する表示部の画面上に検査データを表示させることができる。
【0021】
上記印刷検査装置において、前記制御部は、前記検査データに基づいて、前記スクリーン印刷装置による前記半田の印刷不良を検知し、前記半田の印刷不良が検知された場合に、前記スキージの摺動方向別に統計された前記検査データに基づいて、印刷不良の原因と推定される1以上の候補を特定してもよい。
【0022】
上記印刷検査装置は、前記制御部によって特定された前記印刷不良原因の1以上の候補を画面上に表示する表示部をさらに具備していてよい。
【0023】
この印刷検査装置では、オペレータは、表示部の画面上に表示された印刷不良原因の1以上の候補を視認することで、さらに容易に半田の印刷不良の原因を特定することができる。
【0024】
上記印刷検査装置が前記スクリーン印刷装置と通信する通信部をさらに具備する場合、前記制御部は、特定された前記印刷不良原因の1以上の候補を示す情報を前記通信部を介して前記スクリーン印刷装置へ出力してもよい。
【0025】
上記印刷検査装置において、
前記制御部は、印刷不良原因を前記スクリーン印刷装置により自動的に除去させるために、前記印刷不良原因の1以上の候補を示す情報を前記通信部を介して出力してもよい。
【0026】
これにより、スクリーン印刷装置によって、半田の印刷不良原因を自動的に除去することができる。
【0027】
本技術に係る印刷検査システムは、スクリーン印刷装置と、印刷検査装置とを具備する。
前記スクリーン印刷装置は、スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有する。
前記印刷検査装置は、測定部と、制御部とを有する。
前記測定部は、前記スクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定する。
前記制御部は、前記測定部によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定し、前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理を実行する。
【0028】
本技術に係る検査データの統計方法は、スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有するスクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定することを含む。
測定によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向が判定される。
前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理が実行される。
【0029】
本技術に係るプログラムは、印刷検査装置に、スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有するスクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定するステップを実行させる。
また、印刷検査装置に、測定によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定するステップを実行させる。
また、印刷検査装置に、前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理を実行するステップを実行させる。
【0030】
本技術に係る基板の製造方法は、スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有するスクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定することを含む。
測定によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向が判定される。
前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理が実行される。
前記スキージの摺動方向別に統計された前記検査データに基づいて、前記スクリーン印刷装置による前記半田の印刷不良原因が特定される。
特定された前記スクリーン印刷装置の印刷不良原因が除去される。
前記印刷不良原因が除去された前記スクリーン印刷装置によって前記基板上に半田が印刷される。
前記半田が印刷された基板上に電子部品が実装される。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本技術によれば、容易に半田印刷不良の原因の特定することができる印刷検査装置等の技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
[印刷検査システム300の構成]
図1は、本技術の一実施形態に係る印刷検査システム300を示す図である。
図1に示すように、印刷検査システム300は、スクリーン印刷装置100と、スクリーン印刷装置100の下流側に配置された印刷検査装置200とを有する。
【0034】
スクリーン印刷装置100は、スクリーン印刷装置100の上流側に配置された基板投入装置(図示せず)から受け渡された基板1上にクリーム半田2(以下、単に半田2)を印刷する。そして、スクリーン印刷装置100は、半田2が印刷された基板1を印刷検査装置200に受け渡す。
【0035】
印刷検査装置200は、スクリーン印刷装置100によって基板1上に印刷された半田2の印刷状態を検査する。スクリーン印刷装置100と印刷検査装置200とは、通信ケーブルを介して相互に通信可能に接続されている。スクリーン印刷装置100と、印刷検査装置200とは、無線により通信可能であってもよい。
【0036】
印刷検査装置200は、半田2の印刷状態の良/不良を判定し、印刷状態が「良」と判定された基板1を、印刷検査装置200の下流側に配置された実装装置(図示せず)に受け渡す。一方、印刷検査装置200は、「不良」と判定された基板1を破棄する。実装装置は、印刷検査装置200から受け渡された、半田2が印刷された基板1(良品)上に電子部品を実装する。
【0037】
[スクリーン印刷装置100の構成]
まず、スクリーン印刷装置100の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係るスクリーン印刷装置100を示す正面図であり、
図3は、スクリーン印刷装置100を示す側面図である。
図4は、スクリーン印刷装置100が有するスクリーン3を示す上面図であり、
図5は、スクリーン印刷装置100がスキージ13によって基板1上に半田2を印刷しているときの様子を示す側面図である。
【0038】
これらの図に示すように、スクリーン印刷装置100は、スクリーン3と、スクリーン3をスクリーン印刷装置100の所定位置に固定する固定部6と、スクリーン3の上方に配置されたスキージ部10を備えている。また、スクリーン印刷装置100は、スクリーン3の下方に配置された位置決め部20と、撮像部30と、クリーニング部40とを備えている。さらに、スクリーン印刷装置100は、スクリーン印刷装置100の背面側で、スキージ部10、撮像部30及びクリーニング部40を移動可能に支持する支持ベース50を備えている。
【0039】
スクリーン3は、印刷パターンに応じたパターン孔4を有している(
図4参照)。スクリーン3は、ステンレス鋼などの金属により構成され、スクリーン3には、スクリーン3の四辺に沿って、スクリーン3にテンションを付与する枠体5が設けられる。
【0040】
スクリーン3の下面には、基板1との位置合わせ用のアライメントマークが2箇所に設けられる。これに対応して、基板1上にもスクリーン3との位置合わせ用のアライメントマークが2箇所に設けられる。
【0041】
スクリーン3を固定する固定部6は、取り付けフレーム7と、取り付けフレーム7に設けられ、スクリーン3の枠体5を上下方向から挟み込んで固定する4つのスクリーンクランプ8とを有する。取り付けフレーム7は、支持ベース50や、図示しない支持体などにより支持されている。
【0042】
支持ベース50の上部側には、Y軸方向に沿って一対の案内レール51、52が設けられる。また、支持ベース50下部側には、Y軸方向に沿って一対の案内レール53、54が設けられる。
【0043】
案内レール51、52には、スキージ部10を支持するキャリッジ55が移動可能に取り付けられている。キャリッジ55とキャリッジ55に支持されたスキージ部10とは、例えば、ボールネジ及びモータ等で構成される駆動機構の駆動により、支持ベース50に対してY軸方向に沿って移動される。
【0044】
スキージ部10は、第1のスキージ機構11と、第1のスキージ機構11と対称に配置される第2のスキージ機構12とを有する。第1のスキージ機構11及び第2のスキージ機構12は、それぞれ、スキージ13と、スキージ保持部材14と、連結用ブラケット15と、支持部材17と、エアシリンダ18とを含む。
【0045】
スキージ13は、半田2が供給されたスクリーン3上を摺動されて、スクリーン3に設けられたパターン孔4を介して基板1上に複数の半田2を印刷する。本明細書中では、各スキージ機構11、12が有するスキージ13を特に区別する場合には、第1のスキージ機構11のスキージ13を第1のスキージ13Lと呼び、第2のスキージ機構12のスキージ13を第2のスキージ13Rと呼ぶ。第1のスキージ13Lは、スクリーン印刷装置100の正面側から見て左向きに摺動され、第2のスキージ13Rは、右向きに摺動される。
【0046】
スキージ13は、スキージ保持部材14によって保持されている。スキージ保持部材14は、連結用ブラケット15を介して支持部材17に取り付けられている。連結用ブラケット15及び支持部材17は、ネジ16によるネジ止めによって螺着されている。支持部材17は、エアシリンダ18の可動部に取り付けられており、エアシリンダ18は、可動部の駆動により、支持部材17、連結用ブラケット15、スキージ保持部材14及びスキージ13を一体的に上下方向に移動させる。
【0047】
図5を参照して、第1のスキージ13L及び第2のスキージ13Rは、スクリーン3上でそれぞれ異なる摺動方向(右向き方向及び左向き方向)に摺動され、それぞれ異なる基板1上に半田2を印刷する。第1のスキージ13Lがスクリーン3上を摺動されて基板1上に半田2を印刷しているとき、第2のスキージ13Rは、上方に位置しており、スクリーン3には当接しない状態とされる。一方、第2のスキージ13Rがスクリーン3上を摺動されて基板1上に半田2を印刷しているとき、第1のスキージ13Lは、上方に位置しており、スクリーン3には当接しない状態とされる。スクリーン3上を摺動されるスキージ13は、交互に切り替えられる。
【0048】
位置決め部20は、スクリーン印刷の対象となる基板1をスクリーン3に対して位置決めする。この位置決め部20は、基板1を搬送するコンベアや、基板1を吸着保持する吸着ステージ、吸着ステージを昇降させる昇降機構、吸着ステージをX軸、Y軸、θ軸方向に移動させるテーブル機構など(いずれも図示せず)を含む。
【0049】
位置決め部20は、吸着ステージにより基板1を保持し、基板1を保持した状態の吸着ステージをテーブル機構によりX、Y、θ軸方向に移動させて基板1の位置をスクリーン3に対して正確に位置合わせする。その後、位置決め部20は、昇降機構により基板1を保持した状態の吸着ステージを上方に移動させて、基板1をスクリーン3の下側に当接させる。この状態で、第1のスキージ13L及び第2のスキージ13Rのうち、一方のスキージ13がスクリーン3上を摺動される。これにより、スクリーン3に設けられたパターン孔4に応じた半田2が基板1上に印刷される。
【0050】
基板1上に半田2が印刷されると、位置決め部20は、昇降機構により吸着ステージを下方に移動させて、基板1をスクリーン3の下面から離す。その後、位置決め部20は、コンベアにより基板1を搬送して、スクリーン印刷装置100の下流側に配置された印刷検査装置200に基板1を受け渡す。
【0051】
支持ベース50の下部側に設けられた案内レール53、54には、撮像部30を支持するキャリッジ56と、クリーニング部40を支持するキャリッジ57とがY軸方向に移動可能に取り付けられている。
【0052】
キャリッジ56と、キャリッジ56に支持された撮像部30とは、ボールネジ及びモータ等の駆動機構の駆動により支持ベース50に対してY軸方向に沿って移動される。撮像部30は、キャリッジ56に対してX軸方向に移動可能に取り付けられており、ボールネジ及びモータ等の駆動機構の駆動によりキャリッジ56に対してX軸方向に沿って移動される。これにより、撮像部30は、Y軸方向及びX軸方向に沿って移動可能とされる。
【0053】
撮像部30は、下側に向けて配置された第1の撮像部31と、上側に向けて配置された第2の撮像部32とを含む。下側に向けて配置された第1の撮像部31は、基板1上に設けられたアライメントマークを撮像する。上側に向けて配置された第2の撮像部32は、スクリーン3の下面側に設けられたアライメントマークを撮像する。第1の撮像部31及び第2の撮像部32により撮像されたアライメントマークの画像に基づいて、スクリーン3と基板1との位置合わせが行なわれる。
【0054】
第1の撮像部31及び第2の撮像部32は、それぞれ、CCDセンサ(CCD:Charge Coupled Device)、あるいはCMOSセンサ(CMOS:Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子と、結像レンズ等の光学系とを含む。
【0055】
キャリッジ57と、キャリッジ57に支持されたクリーニング部40とは、ボールネジ及びモータ等の駆動機構の駆動により支持ベース50に対してY軸方向に沿って移動される。クリーニング部40は、ローラ41と、クリーニングテープを送り出す送り出しローラ42と、クリーニングテープを巻き取る巻き取りローラ43とを有する。
【0056】
クリーニング部40がY軸方向に沿って移動されると、それに連動して、ローラ41、送り出しローラ42及び巻き取りローラ43が回転される。送り出しローラ42から送り出されたクリーニングテープは、スクリーン3の下面に当接しながらローラ41の周囲を回転し、巻き取りローラ43によって巻き取られる。これにより、スクリーン3の下面がクリーニングされる。
【0057】
図6は、スクリーン印刷装置100の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、スクリーン印刷装置100は、上記したスキージ部10、位置決め部20、撮像部30、クリーニング部40などの他に、制御部60、記憶部61、表示部62、入力部63及び通信部64を有している。
【0058】
制御部60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、スクリーン印刷装置100の各部を統括的に制御する。記憶部61は、制御部60の作業用の領域として用いられる不揮発性のメモリと、制御部60の処理に必要な各種のプログラムが記憶された不揮発性のメモリとを含む。上記各種のプログラムは、光ディスク、半導体メモリ等の可搬性の記録媒体から読み取られても構わない。
【0059】
表示部62は、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。入力部63は、キーボード、マウス、タッチパネル等により構成され、ユーザからの指示を入力する。通信部64は、印刷検査装置200や、実装装置等の他の装置へ情報を送信したり、印刷検査装置200や、実装装置等の他の装置から情報を受信したりする。
【0060】
[印刷検査装置200の構成]
次に、印刷検査装置200の構成について説明する。
図7は、印刷検査装置200の構成を示す図である。
【0061】
この印刷検査装置200は、半田2を3次元測定することによって半田2の印刷状態を検査する。本実施形態では、半田2を3次元測定する方式の一例として、位相シフト法が用いられる場合について説明する。なお、半田2を3次元測定する方式は、位相シフト法に限られず、レーザ光走査法、レーザ光切断法、合焦法等の他の方法が用いられても構わない。
【0062】
図7に示すように、印刷検査装置200は、ステージ70と、ステージ移動機構71と、測定部80と、制御部90と、記憶部91と、表示部92と、入力部93と、通信部94とを備えている。
【0063】
ステージ70は、スクリーン印刷装置100によって半田2が印刷された基板1を載置する。ステージ移動機構71は、制御部90に電気的に接続されており、制御部90からの駆動信号に応じて、ステージ70をXYZ方向に移動させる。
【0064】
測定部80は、基板1上に正弦波状の縞を投影する投影部81と、縞が投影された基板1を撮像する撮像部87と、基板1に対して光を照射する照明部88とを有し、基板1上に印刷された半田2の測定を行なう。
【0065】
投影部81は、光源82と、光源82からの光を集光する集光レンズ83と、集光レンズ83により集光された光を回折する回折格子84と、回折格子84により回折された光を基板1に投影する投影レンズ85とを有する。
【0066】
回折格子84は、複数のスリットを有しており、光源82からの光を回折させて、正弦波状に輝度が変化する縞を基板1に投影させる。回折格子84には、スリットが形成された方向と直交する方向に回折格子84を移動させる格子移動機構86が設けられている。この格子移動機構86は、制御部90の制御に応じて、回折格子84を移動させ、基板1に投影される縞の位相をシフトさせる。
【0067】
照明部88は、基板1に対して光を照射する。この照明部88は、例えば、環状の2つの照明を含む。
【0068】
撮像部87は、CCDセンサ、CMOSセンサ等の撮像素子と、基板1からの光を撮像素子の撮像面に結像させる結像レンズ等の光学系とを含む。
【0069】
制御部90は、例えば、CPUにより構成され、記憶部91に記憶された各種のプログラムに基づき、印刷検査装置200を統括的に制御する。記憶部91は、印刷検査装置200の処理に必要な各種のプログラムが記憶される不揮発性のメモリと、制御部90の作業領域として用いられる揮発性のメモリとを有する。上記各種のプログラムは、光ディスク、半導体メモリ等の可搬性の記録媒体から読み取られても構わない。
【0070】
表示部92は、例えば、液晶ディスプレイ等により構成され、制御部90の制御に応じて、半田2の検査データ等を表示する。入力部93は、キーボード、マウス、タッチパネル等により構成され、ユーザからの指示を入力する。通信部94は、スクリーン印刷装置100や、実装装置等の他の装置へ情報を送信したり、スクリーン印刷装置100や、実装装置等の他の装置から情報を受信したりする。
【0071】
(3次元測定方法)
次に、半田2の3次元測定方法について説明する。
【0072】
制御部90は、スクリーン印刷装置100から受け渡された基板1をステージ70上に載置させる。次に、制御部90は、ステージ移動機構71によりステージ70を移動させて基板1を所定の位置に位置決めする。次に、制御部90は、投影部81を制御して、正弦波状に輝度が変化する縞を基板1上に投影させ、縞が投影された基板1を撮像部87により撮像する。
【0073】
制御部90は、撮像部87により縞が投影された基板1を撮像すると、次に、格子移動機構86を制御して、基板1上に投影される縞の位相をπ/2[rad]シフトさせる。そして、制御部90は、再び、撮像部87により縞が投影された基板1を撮像する。制御部90は、縞の位相をπ/2[rad]シフトさせて撮像部87により撮像する動作を、この後に2回繰り返す。これにより、縞の位相が、0、π/2、π、3π/2である合計で4枚の画像が取得される。
【0074】
制御部90は、取得された4枚の画像から各画素の輝度値を抽出し、基板1上の各座標(x、y)での位相φ(x、y)を求める。位相φ(x、y)を求めることができれば、位相φ(x、y)に基づいて三角測量の原理により、基板1上の各座標での高さを得ることができる。制御部90は、この基板1上での各座標の高さに基づいて、半田2の位置、高さ、面積、体積等を求めることができる。
【0075】
このような方法により、制御部90は、4枚の画像(測定部80によって得られた半田2の測定データ)に基づいて、半田2の検査データ(半田2の位置、高さ、面積、体積)を得ることができる。
【0076】
(スキージ13の摺動方向の判定方法)
制御部90は、上記処理のほかに、4枚の画像(測定部80によって得られた半田2の測定データ)に基づいてスキージ13の摺動方向を判定する処理を実行したり、スキージ13の摺動方向別に、検査データの統計処理を実行したりする。以降では、これについて説明する。
【0077】
ここでは、まず、スキージ13の摺動方向の判定方法について説明する。
図8は、スキージ13の摺動方向の判定方法を説明するための図である。
図8(A)に示すように、摺動方向が左向きである第1のスキージ13Lによって、半田2が基板1上に印刷された場合について考える。この場合、
図8(A)に示すように、半田2は、右側の高さが最も低く、右側から左側に向けて徐々に高さが高くなり、左側の高さが最も高くなる。このため、摺動方向が左向きの第1のスキージ13Lによって印刷された半田2は、体積重心の位置が面積重心の位置よりも左側にずれる。
【0078】
一方、
図8(B)に示すように、摺動方向が右向きである第2のスキージ13Rによって、半田2が基板1上に印刷された場合について考える。この場合、
図8(B)に示すように、半田2は、左側の高さが最も低く、左側から右側に向けて徐々に高さが高くなり、右側の高さが最も高くなる。このため、摺動方向が右向きの第2のスキージ13Rによって印刷された半田2は、体積重心の位置が面積重心の位置よりも右側にずれる。
【0079】
本技術では、この関係が利用されて、基板1上に半田2を印刷したスキージ13の摺動方向が判定される。
【0080】
制御部90がスキージ13の摺動方向を判定するときの処理を具体的に説明する。
【0081】
まず、制御部90は、測定部80によって取得された測定データ(4枚の画像)に基づいて算出された半田2の検査データに基づき、半田2の面積重心の位置と、半田2の体積重心の位置とを算出する。この場合、制御部90は、半田2の検査データ(半田2の位置、高さ、面積、体積)のうち、半田2の面積データに基づいて、半田2の面積重心の位置を求め、半田2の体積データに基づいて、体積重心の位置を求める。
【0082】
そして、制御部90は、体積重心の位置及び面積重心の位置に基づいて、その半田2を印刷したスキージ13の摺動方向を判定する。このとき、制御部90は、面積重心の位置と、体積重心の位置との差を算出し、体積重心の位置が、面積重心の位置の右側及び左側のうちどちらにずれているかを判定することにより、スキージ13の摺動方向を判定することができる。すなわち、制御部90は、体積重心の位置が面積重心よりも左側にずれている場合には(
図8(A)参照)、スキージ13の摺動方向は、左向きであると判定することができる。一方、制御部90は、体積重心の位置が面積重心よりも右側にずれている場合には(
図8(B)参照)、スキージ13の摺動方向は、右向きであると判定することができる。
【0083】
なお、
図8(A)及び
図8(B)に示すように、スキージ13の摺動方向による半田2の特徴の差は、面積重心に対する体積重心の位置以外にも、半田2の高さの傾きに現れる。制御部90は、この半田2の高さの傾きに基づいて、スキージ13の摺動方向を判定しても構わない。この場合、制御部90は、半田2の高さに基づいて、半田2の傾きを算出し、傾きが左上がりである場合には、スキージ13の摺動方向が左向きである判定し、傾きが右上がりである場合には、スキージ13の摺動方向が右向きであると判定する。
【0084】
基板1上には、複数の半田2が形成されている。スキージ13の摺動方向を判定するとき、制御部90は、複数の半田2のうちの1つの半田2の測定により、スキージ13の摺動方向を判定してもよいし、2つ以上の半田2の測定により、スキージ13の摺動方向を判定してもよい。
【0085】
本発明者らは、パターン孔4のサイズが0.5×0.5mm〜2.0×2.0mm程度であるスクリーン3を用意し、このスクリーン3を使用して、基板1上に半田2を印刷した。そして、本発明者らは、基板1上に印刷された半田2(0.5×0.5mm〜2.0×2.0mm程度)について、印刷検査装置200によりスキージ13の摺動方向を判定した。
【0086】
このとき、1つの半田2の測定によってスキージ13の摺動方向が判定されたが、スキージ13の摺動方向に基づく半田2の特徴の差は、スキージ13の摺動方向別に顕著に現れるために、誤判定が発生することはほとんどなかった。つまり、半田2の数は、1つであっても、スキージ13の摺動方向を正確に判定することができる。従って、典型的には、複数の半田2のうちの1つの半田2の測定により、スキージ13の摺動方向を判定する処理を実行するのが効率的である。
【0087】
一方、例えば、スクリーン3上のパターン孔4のサイズがさらに小さいなどの理由で、スキージ13の摺動方向に基づく半田2の特徴の差が小さくなる場合が考えられる。このような場合には、基板1上に形成された複数の半田2のうち、2以上の半田2の測定によって、スキージ13の摺動方向が判定されてもよい。これにより、スキージ13の摺動方向判定の精度を向上させることができる。
【0088】
(スキージ13の摺動方向別に検査データを統計する統計方法、及びスキージ13の摺動方向別に統計された検査データの活用方法)
次に、スキージ13の摺動方向別に検査データを統計する統計方法、及びスキージ13の摺動方向別に統計された検査データ(スキージ13の摺動方向別の統計データ)の活用方法について説明する。
【0089】
図9及び
図10は、スキージ13の摺動方向が考慮されずに統計された半田2の検査データ(比較例)と、スキージ13の摺動方向が考慮されて統計された半田2の検査データ(本実施形態)との比較図である。
図9(A)及び
図10(A)には、スキージ13の摺動方向が考慮されずに、第1のスキージ13L及び第2のスキージ13Rによって印刷された半田2の検査データが混合して統計された場合の一例が示されている。
図9(B)、(C)、
図10(B)、(C)には、スキージ13の摺動方向が考慮され、第1のスキージ13Lによって印刷された半田2の検査データと、第2のスキージ13Rによって印刷された半田2の検査データとが、別々に統計された場合の一例が示されている。
【0090】
なお、
図9及び
図10に示す統計データでは、横軸が半田2の体積(量)を示しており、縦軸が半田2の数を示している。破線で示す曲線は、半田2の体積の理想とされる分布を示している。また、xバーは、半田2の体積の平均値を示し、σは、標準偏差を示し、UCL(Upper Control Limit)は、上方管理限界線を示し、LCL(Lower Control Limit)は、下方管理限界線を示している。
【0091】
図9(A)、
図10(A)(比較例)では、半田2の体積の分布が全体的に左側にシフトしていることと、体積がLCLを下回る半田2が存在していることが分かる。このことから、基板1上に印刷された半田2の体積の不足による印刷不良が発生していることが分かる。また、
図9(A)では、半田2の体積のばらつき(標準偏差σ)が大きくなっていることも分かる。しかしながら、
図9(A)、
図10(A)に示す比較例では、半田2についての検査データがスキージ13の摺動方向別に統計されていないので、半田2の不足の原因の特定が困難である。
【0092】
一方、
図9(B)、(C)、
図10(B)、(C)に示すように、本実施形態では、スキージ13の摺動方向別に半田2の体積(検査データ)が統計されている。すなわち、スクリーン3上を左向きに摺動される第1のスキージ13Lによって基板1上に印刷された半田2の体積(
図9(B)、
図10(B))と、スクリーン3上を右向きに摺動される第2のスキージ13Rによって基板1上に印刷された半田2の体積(
図9(C)、
図10(C))とが別々に統計されている。
【0093】
図9(B)、(C)、
図10(B)、(C)に示すようなスキージ13の摺動方向別の統計処理を実行するために、印刷検査装置200の制御部90は、上記した判定方法によって判定されたスキージ13の摺動方向別に、半田2の検査データの統計処理を実行している。半田2の検査データの統計処理は、複数の基板1についての半田2の検査データを蓄積することで実行される。ここで、基板1上には、複数の半田2が印刷されている。従って、典型的には、制御部90は、基板1上に印刷されている全て半田2についての検査データを統計データに反映させる。
【0094】
検査データは、上記3次元測定によって測定された半田2の位置、高さ、面積、体積等のデータを含む。
図9(B)、(C)、
図10(B)、(C)では、これらの検査データのうち、半田2の体積がスキージ13の摺動方向別に統計された場合の一例が示されている。制御部90は、半田2の体積をスキージ13の摺動方向別に統計し、
図9(B)、(C)、
図10(B)、(C)に示すようなスキージ13の摺動方向別の統計データを表示部92の画面上に表示させる。
【0095】
図9(B)を参照して、この
図9(B)では、半田2の体積の分布が全体として左側にシフトしていることと、体積がLCLを下回る半田2が存在することが分かる。従って、オペレータは、
図9(B)に示す統計データ(表示部92に表示されている)を視認することで、スクリーン3上を左向きに摺動される第1のスキージ13Lによって印刷された半田2の体積が不足していると判断することができる。
【0096】
一方、
図9(C)では、半田2の体積の分布に異常はみられない。従って、オペレータは、
図9(C)に示す統計データ(表示部92に表示されている)を視認することで、スクリーン3上を右向きに摺動される第2のスキージ13Rによって印刷された半田2の体積は、正常であると判断することができる。
【0097】
これらの統計データから、まず、オペレータは、印刷不良の原因は、第2のスキージ13Rに起因するものではなく、第1のスキージ13Lに起因するものであると判断することができる(これは、比較例に係る
図9(A)では、判断ができない)。さらに、オペレータは、
図9(B)に示すように、半田2の体積の分布が全体として左側にシフトしている場合、これに基づいて、印刷不良の原因の候補を具体的に特定することができる。一般的に、スキージ13の印圧過剰である場合、
図9(B)に示すように、半田2の体積の分布が全体として左側にシフトする場合が多い。従って、オペレータは、スキージ13の印圧過剰が印刷不良(半田2の体積の不足)の原因の候補の一つであると判断することができる。
【0098】
このような解析の基、オペレータは、第1のスキージ13Lの印圧を弱めるように第1のスキージ13Lの印圧調整を行なう。これにより、印刷不良の原因が適切に除去される。スキージ13の印圧は、例えば、スキージ13を上下方向に移動させるエアシリンダ18の制御を変更することで調整することができる。
【0099】
図10(B)を参照して、この
図10(B)では、体積がLCLを下回る半田2は存在しないものの、半田2の体積の分布が全体として左側にシフトしていることが分かる。従って、オペレータは、第1のスキージ13Lに起因する半田2の体積の不足による印刷不良が発生していると判断することができ、この印刷不良の原因がスキージ13の印圧過剰であると特定することができる。この場合、オペレータは、
図9(B)の場合と同様に、第1のスキージ13Lの印圧を弱めるように、第1のスキージ13Lの印圧調整を行なえばよい。
【0100】
図10(C)では、半田2の体積のばらつきが大きいことと、半田2の体積の平均値が理想の平均値よりも左側にシフトしており半田2の体積が不足していることが分かる。これらのことから、まず、オペレータは、第2のスキージ13Rに起因する印刷不良が発生していることとが分かる。さらに、オペレータは、
図10(C)に示すように、半田2の体積のばらつきが大きい場合には、これに基づいて、印刷不良の原因の候補を具体的に特定することができる。
【0101】
一般的に、スキージ13がスクリーン3上を摺動されるときの印圧が強くなったり弱くなったりして、スキージ13の印圧がばらつく(不安定である)場合に、
図10(C)に示すように、半田2の体積のばらつきが大きくなる場合が多い。このようなスキージ13の印圧のばらつきは、スキージ13を上下方向に移動させるエアシリンダ18の動作不良が原因である場合が多い。従って、このような場合には、オペレータは、エアシリンダ18の動作不良が、印刷不良の原因の候補の一つであると判断することができる。
【0102】
このような解析の基、オペレータは、エアシリンダ18を新しいエアシリンダ18に交換したり、エアシリンダ18をサーボモータに交換したりすればよい。これにより、印刷不良の原因が適切に除去される。
【0103】
図9(B)、
図10(B)では、半田2の体積の分布が全体として左側にシフトしており、半田2が不足している場合について説明した。一方、例えば、
図9(B)、
図10(B)において、半田2の体積の分布が全体として右側にシフトしており、半田2の体積が過剰となっている場合も想定される。このような場合、オペレータは、第1のスキージ13Lの印圧不足が印刷不良(半田2の体積の過剰)の原因の候補の一つであると判断することができる。この場合、オペレータは、エアシリンダ18の制御を変更することで、第1のスキージ13Lの印圧を強めるようにスキージ13の印圧調整を行なう。これにより、印刷不良の原因が適切に除去される。
【0104】
図11及び
図12は、スキージ13の摺動方向が考慮されずに統計された半田2の検査データ(比較例)と、スキージ13の摺動方向が考慮されて統計された半田2の検査データ(本実施形態)との比較図である。
図11(A)及び
図12(A)には、スキージ13の摺動方向が考慮されずに、第1のスキージ13L及び第2のスキージ13Rによって印刷された半田2の検査データが混合して統計された場合の一例が示されている。
図11(B)、(C)
図12(B)、(C)には、スキージ13の摺動方向が考慮され、第1のスキージ13Lによって印刷された半田2の検査データと、第2のスキージ13Rによって印刷された半田2の検査データとが、別々に統計された場合の一例が示されている。
【0105】
上述の
図9及び
図10では、3次元測定による検査データのうち、半田2の体積がスキージ13の摺動方向別に統計された場合の一例について説明した。一方、ここで説明する
図11及び
図12では、3次元測定による検査データのうち、半田2の位置(正規の半田2の位置に対する実際の半田2の位置)がスキージ13の摺動方向別に統計された場合の一例が示されている。
【0106】
図11及び
図12に示す統計データでは、円の中心が半田2の理想の位置を示しており、一点差線で表された円が管理値を示している。また、
図11及び
図12において、プロットは、実際の半田2の位置(半田2の位置ずれ量)を表している。図中に示されている1つのプロットは、1枚の基板1上に印刷された全ての半田2の実際の位置の平均値に対応する。すなわち、1枚の基板1について、1つのプロットがプロットされる。
【0107】
図11(A)、
図12(A)(比較例)では、半田2の位置の分布が全体的に右側にシフトしていることと、位置が管理値(一点鎖線)を超える半田2が存在していることが分かる。このことから、基板1上に印刷された半田2の位置ずれによる印刷不良が発生していることが分かる。しかしながら、
図9(A)、
図10(A)に示す比較例では、半田2についての位置データがスキージ13の摺動方向別に統計されていないので、半田2の位置ずれの原因の特定が困難である。
【0108】
一方、
図11(B)、(C)、
図12(B)、(C)に示すように、本実施形態では、スキージ13の摺動方向別に半田2の位置が統計されている。すなわち、スクリーン3上を左向きに摺動される第1のスキージ13Lによって基板1上に印刷された半田2の位置(
図11(B)、
図12(B))と、スクリーン3上を右向きに摺動される第2のスキージ13Rによって基板1上に印刷された半田2の位置と(
図11(C)、
図12(C))が別々に統計されている。
【0109】
図11(B)、(C)、
図12(B)、(C)に示すようなスキージ13の摺動方向別の統計処理を実行するために、印刷検査装置200の制御部90は、上記した判定方法によって判定されたスキージ13の摺動方向別に、半田2の位置の統計処理を実行している。そして、制御部90は、
図11(B)、(C)、
図12(B)、(C)に示すようなスキージ13の摺動方向別の半田2の位置データを表示部92の画面上に表示させる。
【0110】
図11(B)を参照して、この
図11(B)では、半田2の位置の分布が全体として右側にシフトしていることと、位置が管理値を超える半田2が存在することが分かる。従って、オペレータは、
図11(B)に示す統計データ(表示部92上に表示される)を視認することで、スクリーン3上を左向きに摺動される第1のスキージ13Lによって印刷された半田2の位置が、右側にずれていると判断することができる。
【0111】
一方、
図11(C)では、半田2の位置の分布が、許容範囲に収まっていることが分かる。従って、オペレータは、
図11(C)に示す統計データ(表示部92上に表示される)を視認することで、スクリーン3上を右向きに摺動される第2のスキージ13Rによって印刷された半田2の位置は、正常であると判断することができる。
【0112】
オペレータは、
図11(B)に示すように、半田2の位置の分布が全体として右側にシフトしている場合、これに基づいて、印刷不良(印刷位置ずれ)の原因の候補を具体的に特定することができる。例えば、第1のスキージ13Lによって印刷が行なわれるときに、基板1の位置決めが不正確であり、基板1の位置がスクリーン3に対して左側にシフトしている場合、
図12(B)に示すように、半田2の位置の分布が全体として右側にシフトする場合が多い。従って、オペレータは、基板1の位置決めの不正確さが印刷不良(半田2の位置ずれ)の原因の候補の一つであると判断することができる。
【0113】
このような解析の基、オペレータは、第1のスキージ13Lによって基板1上に半田2を印刷するときの基板1の位置を右側に修正する調整を行なう。この修正は、第1のスキージ13Lによって半田2が印刷されるときのオフセット値を調整することで実行される。
【0114】
ここで、第1のスキージ13Lによって基板1上に半田2が印刷されるときのスクリーン3に対する基板1の位置と、第2のスキージ13Rによって基板1上に半田2が印刷されるときのスクリーン3に対する基板1の位置とは異なっている。これは、右向きに摺動される第1のスキージ13Lによって基板1上に印刷される半田2の位置は右側に少しずれ、左向きに摺動される第2のスキージ13Rによって基板1上に印刷される半田2の位置は左側に少しずれるためである。この半田2のずれ量を考慮して、第1のスキージ13Lによって半田2が印刷される場合と、第1のスキージ13Lによって半田2が印刷される場合とで、それぞれ、センターからのオフセット値が設定されている。上記スクリーン3に対する基板1の位置の修正は、このオフセット値を修正することで調整することができる。
【0115】
図12(B)を参照して、この
図12(B)では、半田2の位置の分布が全体として右側にシフトしていることとが分かる。同様に、
図12(C)も半田2の位置の分布が全体として右側にシフトしていることが分かる。オペレータは、
図12(B)、(C)に示す統計データ(表示部92上に表示される)を視認することで、第1のスキージ13Lと、第2のスキージ13Rとの両方で、半田2の位置ずれが発生していることと判断することができる。また、オペレータは、
図12(B)、(C)に示す統計データから、第1のスキージ13Lによって印刷された半田2の位置の分布と、第1のスキージ13Lによって印刷された半田2の位置の分布との間に有意的な差が無いと判断することができる。
【0116】
第1のスキージ13L及び第2のスキージ13Rの両方で半田2の位置ずれが発生していて、かつ、これらのスキージ13によって印刷された半田2の分布に差がないような場合、オペレータは、以下の3つの候補を印刷不良の原因として特定することができる。
【0117】
(1)スクリーン印刷装置100の固定部6によるスクリーン3の固定に問題があったり、スクリーン3にテンションを付与する枠体5に問題があったりするなどの理由により、半田印刷時にスクリーン3が動いてしまう。(2)スクリーン印刷装置100の基板吸着ステージの吸着力が弱く、基板1の位置決め時や半田2印刷時などに、基板1の位置がずれてしまう。(2)スクリーン印刷装置100の撮像部30に問題が生じていて、スクリーン3と基板1との位置合わせが不正確となっている。
【0118】
例えば、オペレータは、これら3つの候補について、発生率が高い候補から順番に印刷不良原因を調査して、印刷不良原因を特定する。そして、オペレータは、特定された印刷不良原因を除去すればよい。例えば、固定部6のスクリーンクランプ8がスクリーン3を挟み込む力が弱く、半田印刷時にスクリーン3が動いてしまっているような場合を想定する。この場合、オペレータは、スクリーンクランプ8よりスクリーン3を強固に固定したり、スクリーンクランプ8が壊れている場合には、スクリーンクランプ8を交換したりする。スクリーン3にテンションを付与する枠体5に異常がある場合には、その枠体5を新たな枠体5に交換する。基板吸着ステージの吸着力が弱い場合には、オペレータは、基板吸着のためのエアコンプレッサなどの機構を調整することで、吸着ステージの吸着力を上げる。撮像部30に異常がある場合には、オペレータは、撮像部30を修理したり、新たな撮像部30に交換したりする。
【0119】
以上の説明では、スキージ13の摺動方向別に統計された検査データが表示部92上に表示され、オペレータがこの検査データを視認して、印刷不良が発生しているかを判断したり、印刷不良の原因の候補を判断したりする場合について説明した。一方、印刷不良が発生したかを判断するステップや、印刷不良原因の候補を特定するステップを自動化することも可能である。以降では、このときの制御部90の処理について説明する。
【0120】
図13は、印刷検査装置200の制御部90の処理を示すフローチャートである。なお、ここでの説明では、
図9を参照しつつ、制御部90の処理を具体的に説明する。
【0121】
まず、印刷検査装置200の制御部90は、スキージ13の摺動方向別に、半田2の検査データの統計処理を実行する(ステップ101)。次に、制御部90は、半田2の検査データに基づいて、印刷不良が発生したかを判定する(ステップ102)。例えば、制御部90は、
図9に示すような半田の統計データ(スキージの摺動方向別の統計データである必要はない)に基づいて、半田2の印刷不良が発生したかを判定する。
【0122】
例えば、
図9に示す例では、制御部90は、体積の平均値(xバー)が中央値(c xバー)からどの程度ずれているかを判定したり、体積がLCL、UCLの値から外れる半田2が存在するかを判定したりする。制御部90は、これらの判定結果に応じて、半田2の印刷不良が発生したかを判定する。
【0123】
印刷不良が検知された場合(ステップ102のYES)、制御部90は、次のステップ103へ進む。ステップ103では、制御部90は、スキージ13の摺動方向別の統計データに基づいて、印刷不良の原因と推定される1以上の候補を特定する。
【0124】
例えば、
図9(B)、
図9(C)に示す例では、これらの統計データから、まず、制御部90は、印刷不良の原因は、第2のスキージ13Rに起因するものではなく、第1のスキージ13Lに起因するものであると判断する。さらに、制御部90は、
図9(B)に示すように半田2の体積の分布が全体として左側にシフトしている場合、第1のスキージ13Lの印圧過剰が印刷不良の原因の候補の一つであると判断する。なお、印刷不良の原因と推定される候補が複数ある場合(例えば、
図12の説明箇所参照)、制御部90は、複数の候補を特定する。
【0125】
制御部90は、印刷不良の原因の1以上の候補を特定すると、次に、印刷不良原因の1以上の候補を表示部92の画面上に表示させる(ステップ104)。
図9(B)、
図9(C)に示す例では、例えば、表示部92の画面上に「第1のスキージ13Lよって印刷された半田2の不足による印刷不良が発生しています。この印刷不良の原因としては、第1のスキージ13Lの過剰印圧が考えられます。」と表示される。
【0126】
例えば、印刷不良原因と推定される候補が複数ある場合には、制御部90は、印刷不良原因である可能性が高い候補を上から順番に画面上に表示する処理を実行してもよい。また、制御部90は、印刷不良の原因とともに、スキージ13の摺動方向別の統計データを表示部92の画面上に表示させてもよい。
【0127】
オペレータは、表示部92の画面上に表示される文字を見て、印刷不良原因を除去する。例えば、第1のスキージ13Lの過剰印圧が印刷不良原因として挙げられている場合には、オペレータは、第1のスキージ13Lの印圧を弱めるように、エアシリンダ18の制御を変更する。
【0128】
なお、ここでの説明では、印刷不良原因の除去がオペレータによって実行される場合について説明したが、印刷不良原因の除去を自動化することも可能である。この場合、例えば、印刷検査装置200の制御部90は、1以上の印刷不良の原因を特定した後、特定された1以上の候補を示す情報を通信部94を介して、スクリーン印刷装置100へ出力する。スクリーン印刷装置100の制御部60は、通信部64を介して印刷不良の原因の候補を受信すると、印刷不良の原因を除去する処理を実行する。
【0129】
例えば、印刷不良原因が第1のスキージ13Lの過剰印圧であると判断された場合、印刷検査装置200の制御部90は、第1のスキージ13Lの印圧過剰を示す情報を通信部94を介して、スクリーン印刷装置100に出力する。スクリーン印刷装置100の制御部60は、第1のスキージ13Lの印圧過剰を示す情報を受信すると、第1のスキージ13Lの印圧を弱めるように、エアシリンダ18の制御を変更する。このように、スクリーン印刷装置100によって、半田2の印刷不良原因を自動的に除去することができる。
【0130】
以上説明したように、本実施形態に係る印刷検査装置200では、スキージ13の摺動方向別に、半田2の検査データの統計処理が実行されるので、オペレータ(又はコンピュータ)は、容易に印刷不良の原因を特定することができる。
【0131】
<各種変形例>
以上の説明では、印刷検査装置200が有する表示部92の画面上に、スキージ13の摺動方向別の統計データ、印刷不良の原因の候補などが表示される場合について説明した。一方、スキージ13の摺動方向別の統計データ、印刷不良原因の候補は、スクリーン印刷装置100が有する表示部62の画面上に表示されても構わない。印刷不良は、スクリーン印刷装置100側で生じているためである。
【0132】
この場合、例えば、印刷検査装置200の制御部90は、スキージ13の摺動方向別の統計データ、印刷不良原因の候補を通信部94を介して、スクリーン印刷装置100へ出力すればよい。スクリーン印刷装置100の制御部60は、スキージの摺動方向別の統計データ、印刷不良原因の候補を受信すると、それらのデータを表示部62の画面上に表示させる。
【0133】
図9、
図10では、半田2の検査データのうち、半田2の体積がスキージ13の摺動方向別に統計される場合について説明した。また、
図11、
図12では、半田2の検査データのうち、半田2の位置がスキージ13の摺動方向別に統計される場合について説明した。一方、半田2の検査データのうち、半田の高さや、面積がスキージ13の摺動方向別に統計されても構わない。
【0134】
以上の説明では、スキージ13の数が2つである場合について説明したが、スキージ13の数は、3つ以上であってもよく、スキージ13の数は、特に限定されない。以上の説明では、スキージ13の摺動方向が右向き、左向きである場合について説明したが、スキージ13の摺動方向は、前向き、後ろ向きなどであっても構わない。
【0135】
本技術は、以下の構成をとることもできる。
(1) スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有するスクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定する測定部と、
前記測定部によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定し、前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理を実行する制御部と
を具備する印刷検査装置。
(2) 上記(1)に記載の印刷検査装置であって、
前記制御部は、前記半田の測定データに基づいて、前記半田の体積重心及び面積重心を算出し、前記半田の体積重心及び面積重心の位置に基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定する
印刷検査装置。
(3) 上記(1)に記載の印刷検査装置であって、
前記制御部は、前記半田の測定データに基づいて、前記半田の高さの傾きを算出し、前記半田の高さの傾きに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定する
印刷検査装置。
(4) 上記(1)乃至(3)のうち、いずれか1つに記載の印刷検査装置であって、
前記スキージは、前記基板上に複数の半田を印刷し、
前記測定部は、前記基板上に印刷された前記複数の半田のうち少なくとも2以上の半田を測定し、
前記制御部は、測定部によって得られた前記2以上の半田の測定データに基づいて、前記スキージの摺動方向を判定する
印刷検査装置。
(5) 上記(1)乃至(4)のうち、いずれか1つに記載の印刷検査装置であって、
前記スキージの摺動方向別に統計された前記検査データを表示する表示部をさらに具備する
印刷検査装置。
(6) 上記(1)乃至(5)のうち、いずれか1つに記載のスクリーン印刷装置であって、
前記スクリーン印刷装置と通信する通信部をさらに具備し、
前記制御部は、前記スキージの摺動方向別に統計された前記検査データを示す情報を前記通信部を介して前記スクリーン印刷装置へ出力する
印刷検査装置。
(7) 上記(1)乃至(6)のうち、いずれか1つに記載の印刷検査装置であって、
前記制御部は、前記検査データに基づいて、前記スクリーン印刷装置による前記半田の印刷不良を検知し、前記半田の印刷不良が検知された場合に、前記スキージの摺動方向別に統計された前記検査データに基づいて、印刷不良の原因と推定される1以上の候補を特定する
印刷検査装置。
(8) 上記(7)に記載の印刷検査装置であって、
前記制御部によって特定された前記印刷不良原因の1以上の候補を画面上に表示する表示部をさらに具備する
印刷検査装置。
(9) 上記(7)又は(8)に記載の印刷検査装置であって、
前記スクリーン印刷装置と通信する通信部をさらに具備し、
前記制御部は、特定された前記印刷不良原因の1以上の候補を示す情報を前記通信部を介して前記スクリーン印刷装置へ出力する
印刷検査装置。
(10) 上記(9)に記載の印刷検査装置であって、
前記制御部は、印刷不良原因を前記スクリーン印刷装置により自動的に除去させるために、前記印刷不良原因の1以上の候補を示す情報を前記通信部を介して出力する
印刷検査装置。
(11) スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有するスクリーン印刷装置と、
前記スクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定する測定部と、前記測定部によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定し、前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理を実行する制御部とを有する印刷検査装置と
を具備する印刷検査システム。
(12) スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有するスクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定し、
測定によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定し、
前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理を実行する
検査データの統計方法。
(13) 印刷検査装置に、
スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有するスクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定するステップと、
測定によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定するステップと、
前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理を実行するステップと
を実行させるプログラム。
(14) スクリーン上でそれぞれ異なる摺動方向に摺動され、それぞれ異なる基板上に半田を印刷する複数のスキージを有するスクリーン印刷装置のスキージによって前記基板上に印刷された前記半田を測定し、
測定によって得られた前記半田の測定データに基づいて、前記半田を印刷した前記スキージの摺動方向を判定し、
前記スキージの摺動方向別に、前記半田の測定データに基づく前記半田の検査データの統計処理を実行し
前記スキージの摺動方向別に統計された前記検査データに基づいて、前記スクリーン印刷装置による前記半田の印刷不良原因を特定し、
特定された前記スクリーン印刷装置の印刷不良原因を除去し、
前記印刷不良原因が除去された前記スクリーン印刷装置によって前記基板上に半田を印刷し、
前記半田が印刷された基板上に電子部品を実装する
基板の製造方法。