(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963179
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】粉砕体ミルの稼動方法及びその稼動方法を用いた粉砕体ミル
(51)【国際特許分類】
B02C 17/18 20060101AFI20160721BHJP
B02C 17/16 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
B02C17/18 E
B02C17/16 B
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-249389(P2014-249389)
(22)【出願日】2014年12月9日
(65)【公開番号】特開2015-120151(P2015-120151A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2015年1月23日
(31)【優先権主張番号】10 2013 021 756.3
(32)【優先日】2013年12月20日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509107781
【氏名又は名称】ネッチュ トロッケンマールテヒニク ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】591166857
【氏名又は名称】ローランド・ニード
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】ローランド ニード
(72)【発明者】
【氏名】ラース−ピーター ウェイランド
【審査官】
今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0127108(US,A1)
【文献】
特開2004−298834(JP,A)
【文献】
実開昭60−155937(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 17/00 − 17/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕体(6)が中に備えられ、通常稼動の間では、粉砕されるべき粉砕ストック(5)を粉砕する目的のために作動する粉砕チャンバ(3)を覆うハウジング(2)を有する粉砕体ミル(1)において、前記ハウジングが、製品入口(4)と製品出口(11)とを含み、前記製品入口(4)と前記製品出口(11)との間で、移動する前記粉砕体(6)の間を粉砕されるべき前記粉砕ストック(5)が流れ、前記粉砕体ミル(1)の通常稼動の間、前記製品出口(11)の上流に置かれた分離装置(9)によって、粉砕体(6)が前記粉砕チャンバ(3)から前記製品出口(11)に出ることが妨げられている粉砕体ミル(1)の稼動方法であって、
前記分離装置(9)とその先の前記製品出口(11)を通過した粉砕体(6)は、上方に傾いた排出管(14)に前記分離装置(9)及び前記製品出口(11)から移行し、前記粉砕体ミル(1)が休止している場合には、前記粉砕体(6)が前記排出管(14)から前記製品出口(11)を介して前記分離装置(9)のローター体(12)に向かい、前記粉砕体ミル(1)が再稼動した場合には、前記粉砕体(6)が前記ローター体(12)の回転により前記粉砕チャンバ(3)に運び戻されることを特徴とする粉砕体ミル(1)の稼動方法。
【請求項2】
前記排出管(14)は、水平方向に対し2°から15°まで傾いていることを特徴とする請求項1に記載の粉砕体ミル(1)の稼動方法。
【請求項3】
前記排出管(14)は、水平方向に対し3°から10°まで傾いていることを特徴とする請求項2に記載の粉砕体ミル(1)の稼動方法。
【請求項4】
前記排出管(14)は、水平方向に対し4°から6°まで傾いていることを特徴とする請求項3に記載の粉砕体ミル(1)の稼動方法。
【請求項5】
前記粉砕体ミル(1)は、攪拌ボールミルであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の粉砕体ミル(1)の稼動方法。
【請求項6】
粉砕体(6)が中に備えられ、通常稼動の間では、粉砕されるべき粉砕ストック(5)を粉砕する目的のために作動する粉砕チャンバ(3)を覆うハウジング(2)を有する粉砕体ミル(1)において、前記ハウジングが、製品入口(4)と製品出口(11)とを含み、前記製品入口(4)と前記製品出口(11)との間で、移動する前記粉砕体(6)の間を粉砕されるべき前記粉砕ストック(5)が流れ、前記製品出口(11)の上流に分離装置(9)が置かれ、分離装置(9)は、前記粉砕体ミル(1)の通常稼動の間、粉砕体(6)が前記粉砕チャンバ(3)から前記製品出口(11)に出ることを妨げるように構成されている粉砕体ミル(1)であって、
前記製品出口(11)の下流には、水平方向に対し上方に傾いた排出管(14)が置かれ、
前記分離装置(9)は、前記製品出口(11)の上流に置かれており、稼働中には回転することにより粉砕体(6)を放射状に外側へ押し出すローター体(12)を含むことを特徴とし、
前記粉砕体ミル(1)が休止している場合には、前記排出管(14)の水平方向に対する上方への傾きにより、前記排出管(14)に移行した粉砕体(6)が、前記排出管(14)から前記製品出口(11)を介して前記ローター体(12)に向かい、前記粉砕体ミル(1)が再稼動した場合には、前記粉砕体(6)が前記ローター体(12)の回転により前記粉砕チャンバ(3)に運び戻されるような粉砕体ミル(1)。
【請求項7】
前記排出管(14)は、水平方向に対し2°から15°まで傾いていることを特徴とする請求項6に記載の粉砕体ミル(1)。
【請求項8】
前記排出管(14)は、水平方向に対し3°から10°まで傾いていることを特徴とする請求項7に記載の粉砕体ミル(1)。
【請求項9】
前記排出管(14)は、水平方向に対し4°から6°まで傾いていることを特徴とする請求項8に記載の粉砕体ミル(1)。
【請求項10】
前記粉砕体ミル(1)は、攪拌ボールミルであることを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の粉砕体ミル(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部のとおり、例えば攪拌ボールミルといった粉砕体ミルの稼動方法、及び、請求項6の前提部のとおり、その稼動方法を実行する粉砕体ミルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から攪拌ボールミルが知られている。攪拌ボールミルは一般的に粉砕体ミル1の一例である。粉砕体ミル1は、
図2の断面図に概略的に示されている。粉砕体ミル1は、ハウジング2により覆われた粉砕チャンバ3を含んでいる。粉砕チャンバ3の中に、製粉されるべき粉砕ストック5が製品入口4を介してつぎ込まれる。粉砕チャンバ3には、ローター8を備えた攪拌器7と粉砕体6とが含まれている。ローター8の回転は粉砕体6を激しく動かす役割を果たす。これにより、製粉されるべき粉砕ストック5は製粉される。ローター8の軸端には、共回転する特別な分離装置9が位置している。分離装置9は、一方ではまだ残存する製粉されるべき粉砕ストック5と粉砕体6を、他方では完全に粉砕された粉砕ストック10も分離する役割を果たす。分離装置9は、ハウジング2の製品出口11の上流に置かれている。
【0003】
分離装置9は、例えば羽根付きローター体12によって形成されている。羽根付きローター体12はローター8と一緒に回転する。羽根付きローター体12は、分離装置9を介した粉砕体6の通過を妨げる意図をもって構成され、かつ稼動する。分離装置9のおかげで、特に羽根付きローター体12の羽根13同士の間にある中間スペースのサイズと羽根付きローター体12の回転動作によって、羽根付きローター体12は粉砕体6をそらし、それゆえ、分離装置9を介した粉砕チャンバ3から製品出口11への粉砕体6の通過を妨げる。一方、ミルが通常稼動している間、分離装置9単独の回転は、確かに、粉砕体6が分離装置9を通過して、粉砕体ミル1又はその粉砕チャンバ3から製品出口11を介して出て行くことを主として確実に妨げるが、とりわけ、ローター8のブレーキ局面では、ローター8、即ち分離装置9の羽根付きローター体12の回転速度が相対的に低いため、個々の粉砕体6は粉砕チャンバ3から後者にある製品出口11を通過する場合がある。粉砕体6の大きさが磨耗を受けて減少した場合には、これは通常稼動の間であっても発生し得る。
【0004】
粉砕チャンバ3から漏れ出たこのような粉砕体は、一方において、完全に粉砕された粉砕体10から別途に取り除かれなければならず、特に、できる限り粉砕ストックの継続的な流れを妨げずに取り除かれなければならない。粉砕体に損失が生じるにもかかわらず、粉砕チャンバ3で予め定めた量の粉砕体を維持するためには、他方において、粉砕体の補充を繰り返し行うことも必要になり、これらの目的のためには、手間のかかる規則と粉砕体の相当量を監視することが必要になる。この全てにおいて、粉砕体ミルの稼動にはさらなる支出が伴う。
【0005】
粉砕体の再循環はDE 27 44 802 A1及びUS 2 332 701 Aに開示されているが、かなりの支出を伴う。
【0006】
DE 24 46 341 A1及びDE 31 31 370 A1は概して攪拌ボールミルに関係している。このミルの全ては、製品出口の上流で共回転する分離装置を欠いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
製品出口での粉砕体の損失を簡単な方式で減らすか、又は防ぐように粉砕体ミルを改良することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1のとおり、粉砕体ミルの稼動方法を用いた発明、及び請求項6のとおり、粉砕体ミルを用いた発明に従って達成される。
【0009】
それに応じて、本発明は、粉砕体が中に備えられ、通常稼動の間では、粉砕されるべき
粉砕ストックを粉砕する目的のために作動する粉砕チャンバを覆うハウジングを有する粉砕体ミルにおいて、前記ハウジングが、製品入口と製品出口とを含み、前記製品入口と前記製品出口との間で、移動する前記粉砕体の
間を粉砕されるべき前記
粉砕ストックが流れ、前記粉砕体ミルの通常稼動の間、前記製品出口の上流に置かれた分離装置によって、粉砕体が前記粉砕チャンバから前記製品出口に出ることが妨げられている粉砕体ミルの稼動方法であって、前記分離装置とその先の前記製品出口を通過した粉砕体は、上方に傾いた排出管に前記分離装置及び前記製品出口から移行し、前記粉砕体ミルが休止している場合には、前記粉砕体が前記排出管から前記製品出口を介して前記分離装置のローター体に向かい、前記粉砕体ミルが再稼動した場合には、前記粉砕体が前記ローター体の回転により前記粉砕チャンバに運び戻されることを特徴とする粉砕体ミルの稼動方法を提供する。
【0010】
前記排出管は、水平方向に対し2°から15°まで、特に3°から10°まで傾いていることが好ましく、4°から6°まで傾いていることが特に好ましい。
【0011】
その上、更なる好ましい構成は、前記粉砕体ミルが攪拌ボールミルであることにある。
【0012】
また、本発明は、粉砕体が中に備えられ、通常稼動の間では、粉砕されるべき
粉砕ストックを粉砕する目的のために作動する粉砕チャンバを覆うハウジングを有する粉砕体ミルにおいて、前記ハウジングが、製品入口と製品出口とを含み、前記製品入口と前記製品出口との間で、移動する前記粉砕体の
間を粉砕されるべき前記
粉砕ストックが流れ、前記製品出口の上流に分離装置が置かれ、分離装置は、前記粉砕体ミルの通常稼動の間、粉砕体が前記粉砕チャンバから前記製品出口に出ることを妨げるように構成されている粉砕体ミルであって、前記製品出口の下流には、水平方向に対し上方に傾いた排出管が置かれ、前記分離装置は、前記製品出口の上流に置かれており、稼働中には回転することにより粉砕体を放射状に外側へ押し出すローター体を含むことを特徴とし、前記粉砕体ミルが休止している場合には、前記排出管の水平方向に対する上方への傾きにより、前記排出管に移行した粉砕体が、前記排出管から前記製品出口を介して前記ローター体に向かい、前記粉砕体ミルが再稼動した場合には、前記粉砕体が前記ローター体の回転により前記粉砕チャンバに運び戻されるような粉砕体ミルも提供する。
【0013】
前記粉砕体ミルの好ましい改良点は、前記排出管が水平方向に対し2°から15°まで、特に3°から10°まで傾いていることが好ましく、4°から6°まで傾いていることが特に好ましいことにある。
【0014】
好ましくは、前記粉砕体ミルが攪拌ボールミルであってもよい。
【0015】
本発明及びその個々の態様の更なる好ましい、及び/又は、有利な改良点は、従属請求項の組合せ、及び本願書面からこれら全体として明らかになる。
【0016】
以下、図面を参照しながら、単なる一例を目的とするにすぎない、典型的実施形態に基づいて本発明をより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、粉砕体ミルの第1の典型的実施形態の概略的な断面図を示している。
【
図2】
図2は、先行技術に係る粉砕体ミルの概略的な断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に記載し、かつ、図面に示される構成例及び使用例に基づく単なる一例によって、本発明をより詳しく説明する。すなわち、本発明はこれら構成例及び使用例に制限されるものではない。方法及び装置の特徴は、それぞれの場合において装置及び方法に関する記載からも同様に明らかになる。
【0019】
特定の典型的実施形態に関連して特定され、及び/又は示される個々の特徴は、その典型的実施形態、又は、その典型的実施形態の他の特徴との組み合わせに制限されるものではないが、技術的可能性の範囲内において、他のあらゆる変形形態と組み合わせてもよいし、たとえそうした変形形態が本書面に独立して扱われない場合でも、組み合わせてもよい。
【0020】
図面の個々の図表及び図柄では、同一の若しくは類似の部材、又は、同一の若しくは類似の機能をもつ部材を示すために、同一の参照符号が使用されている。図面の図から、参照符号によって示されていない特徴も、このような特徴が以下に記載されているか否かに関わらず、明らかになる。他方、本明細書の記載に含まれているが、図面から視認できない、又は図面に示されていない特徴もまた当業者に直ちに理解可能である。
【0021】
図1のとおり、第1の典型的実施形態の粉砕体ミル1は、
図2の先行技術に係る粉砕体ミル1と同様に、かつこれにも従って、ハウジング2により覆われた粉砕チャンバ3を含んでいる。粉砕チャンバ3の中に、製粉されるべき粉砕ストック5が製品入口4を介してつぎ込まれる。粉砕チャンバ3には、ローター8を備えた攪拌器7と粉砕体6とが含まれている。ローター8の回転は粉砕体6を激しく動かす役割を果たす。これにより、製粉されるべき粉砕ストック5は製粉される。ローター8の軸端には、共回転する特別な分離装置9が位置している。分離装置9は、一方ではまだ残存する製粉されるべき粉砕ストック5と粉砕体6を、他方では完全に粉砕された粉砕ストック10も分離する役割を果たす。分離装置9は、ハウジング2の製品出口11の上流に置かれている。
図1及び
図2の粉砕体ミル1は、いずれの場合にも攪拌ボールミルである。攪拌ボールミルが本発明の特に好ましい使用であるが、本発明はこれに制限されない。
【0022】
このタイプの攪拌ボールミル1の場合、典型的に分離装置9が羽根付きローター体12によって形成されている。羽根付きローター体12はローター8と一緒に回転する。羽根付きローター体12は、分離装置9を介して粉砕体6が通過することを妨げる意図で構成され、かつ稼動する。分離装置9のおかげで、特に羽根付きローター体12の羽根13同士の間にある中間スペースのサイズと羽根付きローター体12の回転動作によって、羽根付きローター体12は粉砕体6をそらし、それゆえ、分離装置9を介した粉砕チャンバ3から製品出口11への粉砕体6の通過を妨げる。一方、ミルが通常稼動している間、分離装置9単独の回転は、確かに、粉砕体6が分離装置9を通過して、粉砕体ミル1又はその粉砕チャンバ3から製品出口11を介して出て行くことを主として確実に妨げるが、とりわけ、ローター8のブレーキ局面では、ローター8、即ち分離装置9の羽根付きローター体12の回転速度が相対的に低いため、個々の粉砕体6は粉砕チャンバ3から後者にある製品出口11を通過する場合がある。粉砕体6の大きさが磨耗を受けて減少した場合には、これは通常稼動の間であっても発生し得る。
【0023】
先行技術に係る粉砕体ミル1の場合、一方においては、粉砕チャンバ3から排出されたこのような粉砕体を完全に粉砕された粉砕体10から別途に取り除かれなければならず、特に、できる限り粉砕ストックの継続的な流れを妨げずに取り除かれなければならない。粉砕体に損失が生じるにもかかわらず、粉砕チャンバ3で予め定めた量の粉砕体を維持するためには、他方において、粉砕体の補充を常に行うことも必要になり、これらの目的のためには、手間のかかる規則と粉砕体の相当量を監視することが必要になる。この全てにおいて、粉砕体ミルの稼動にはさらなる支出を伴う。
【0024】
本発明は、水平方向に対して傾いている排出管14を製品出口11の下流に置くことによりこれを改善している。排出管14の傾きは、第1の典型的実施形態の粉砕体ミル1の場合、
図1のとおり、上向きである。排出管14は、水平方向に対し2°から15°、特に3°から10°上方に傾いていることが好ましく、4°から6°上方に傾いていることが特に好ましい。
【0025】
図1のとおり、第1の典型的実施形態の粉砕体ミル1の場合には、排出管14が水平方向に対し頂点方向又は上方に傾けられており、かつ、分離装置9が、製品出口11の上流に置かれ、稼働中には回転することにより粉砕体6を放射状に外側へ押し出すローター体12を含んでいるので、粉砕体ミル1が休止している場合には、排出管14が水平方向に対して上方に傾いているために、排出管14に移行した粉砕体6が排出管14から製品出口11を介してローター体12に向かい、粉砕体ミル1が再稼動した場合には、粉砕体がローター体12の回転により粉砕チャンバ3に運び戻されるということを提供している。
【0026】
言い換えれば、
図1のとおり、第1の典型的実施形態の粉砕体ミル1の稼動方法は、分離装置9とその先の製品出口11を介して通過した粉砕体が、上方に傾けられた排出管14にこれらから移行し、粉砕体ミル1が休止している場合には、その粉砕体が排出管14から製品出口11を介して分離装置9のローター体12に向かい、粉砕体ミル1が再稼動した場合には、その粉砕体がローター体12の回転により粉砕チャンバ3に運び戻されるということを提供している。
【0027】
上方に傾けられた排出管14を有する第1の典型的実施形態の粉砕体ミル1の構成特有の利点は、粉砕体ミル1の稼動が停止した場合、さらなる装置や手段なしに、上方に傾けられた排出管14内の重力の利用を通じて簡単に、少なくとも製品出口11を介した移送の流れが遅くなり最終的に停止するときにはいつでも、粉砕チャンバ3から製品出口11を介して排出管14に誤って漏れた粉砕体6が、製品出口11を介して自動的に分離装置9に滑り落ちるか、又は押し戻されるということである。少なくとも粉砕体ミル1が再始動するときにはいつでも、分離装置9とその先の製品出口11を介して完全に粉砕された粉砕体10がまだ十分に激しく流れていかない限り、分離装置9に集まった粉砕体6が、分離装置9の回転運動により再び粉砕チャンバ3に運び戻されるか、又は遠心分離される場合がある。この実施形態では、このようにして、戻された粉砕体6が排出端、即ち製品出口11の領域で再び粉砕チャンバ3に入り、それゆえ粉砕処理に戻り、そのとき以降から、再び粉砕処理に参加する。
【0028】
粉砕体ミル、特に攪拌ボールミルの粉砕処理に関する更なる詳細を、ここでこれ以上詳しく説明することはない。なぜなら、当業者が異なる構成と稼動に関する変形形態に対するその詳細に精通していると考えられるからであり、粉砕処理に関するそのような詳細は本発明に寄与しないからである。
【0029】
本発明は、明細書及び図面における典型的実施形態に基づく単なる一例によって表されたものであり、これに制限されるものでなく、本書面、特に請求項、この明細書の導入部にある一般的な説明及び典型的実施形態の記載から当業者にとって明らかな全ての変形、変更、代替及び組み合わせを含むものであり、当業者が自己の専門知識及び先行技術とこれらを組み合わせることもできる。特に本発明の個々の特徴及び構成上の選択は、その全てが組合せ可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 粉砕体ミル
2 ハウジング
3 粉砕チャンバ
4 製品入口
5 製粉/粉砕されるべき粉砕ストック
6 粉砕体
7 攪拌器
8 ローター
9 分離装置
10 完全に粉砕された粉砕ストック
11 製品出口
12 羽根付きローター体
13 羽根
14 排出管