特許第5963181号(P5963181)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963181
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】ガス警報器
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/16 20060101AFI20160721BHJP
   G01N 27/16 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   G08B21/16
   G01N27/16 Z
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-10495(P2015-10495)
(22)【出願日】2015年1月22日
(62)【分割の表示】特願2009-258730(P2009-258730)の分割
【原出願日】2009年11月12日
(65)【公開番号】特開2015-84255(P2015-84255A)
(43)【公開日】2015年4月30日
【審査請求日】2015年1月22日
(31)【優先権主張番号】特願2009-98907(P2009-98907)
(32)【優先日】2009年4月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(72)【発明者】
【氏名】大橋 洋隆
(72)【発明者】
【氏名】豊田 和男
(72)【発明者】
【氏名】高島 裕正
(72)【発明者】
【氏名】小澤 尚史
(72)【発明者】
【氏名】高林 亘
【審査官】 永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−003831(JP,A)
【文献】 特開2008−282201(JP,A)
【文献】 特開2002−074546(JP,A)
【文献】 特開2009−026280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00−27/24
G08B 17/02−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象ガスのガス濃度を検出するガスセンサと、前記ガスセンサにより検出されたガス濃度が警報値以上になったときに警報を発生する警報発生手段と、を備えたガス警報器において、
前記ガスセンサにより検出されたガス濃度が警報値以上になってから前記ガスセンサにより検出されたガス濃度が低下して前記警報値よりも大きい閾値以下になるまでの第1警報発生期間と、前記第1警報発生期間後であって前記ガスセンサにより検出されたガス濃度が前記警報値よりも大きい閾値以下になった後から前記ガスセンサにより検出されたガス濃度が警報解除値未満となるまでの第2警報発生期間と、に発生する警報が異なるように、前記警報発生手段が設けられ、
前記第1警報発生期間中は前記警報発生手段が、スピーカから音声を出力させる場合は、同一の文言の音声を繰り返し出力させ、ブザーを鳴動させる場合は同一の鳴動を繰り返させ、発光素子を点灯させる場合は同一の点灯を繰り返させる
ことを特徴とするガス警報器。
【請求項2】
前記警報発生手段が、前記第2警報発生期間中に前記ガスセンサにより検出されたガス濃度が再び上昇したときに前記第1警報発生期間と同じ警報に戻すように、設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のガス警報器。
【請求項3】
前記警報発生手段が、前記第1警報発生期間中に警報音を間欠鳴動又は発光素子を間欠点灯させ、前記第2警報発生期間中に前記第1警報発生期間中よりも長い間隔で前記警報音を間欠鳴動させ又は前記発光素子を間欠点灯させるように、設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のガス警報器。
【請求項4】
前記警報発生手段が、前記第2警報発生期間中に前記ガスセンサにより検出されたガス濃度の低下に応じて前記警報音の鳴動間隔又は前記発光素子の点灯間隔が変化するように設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載のガス警報器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス警報器に係り、特に、検出対象ガスのガス濃度を検出するガスセンサと、前記ガスセンサにより検出されたガス濃度が警報値以上になったときに警報を発生する警報発生手段と、を備えたガス警報器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述したガス警報器としては、LPガス及び都市ガス(検出対象ガス)のガス濃度を検出して警報を発生するガス漏れ警報器や、不完全燃焼時に発生する一酸化炭素ガス(検出対象ガス)のガス濃度を検出して警報を発生する不完全燃焼警報器などが提案されている。上記ガス漏れ警報器は、LPガス又は都市ガスのガス濃度が警報値以上になったときに警報を開始し、その後、警報値以下になったときに警報を停止するように設けられている。なお、ガス漏れ警報器の警報値は、1/4LEL(爆発下限界)以下の値に設定されている。また、不完全燃焼警報器も同様に、一酸化炭素ガスのガス濃度が警報値以上になったときに警報を開始し、その後、警報値以下になったときに警報を停止するように設けられている。
【0003】
上記LPガス又は都市ガスが漏洩してガス漏れ警報器が警報を発生した場合は、ドアや窓を開け換気を行い、ガス栓、器具栓を閉める処置を行うように指導している。また、一酸化炭素ガスが発生して不完全燃焼警報器が警報を発生した場合は、ドアや窓を開け換気を行い、ガス器具の使用を停止する処置を行うように指導している。しかしながら、換気を行ってもLPガス、都市ガス、一酸化炭素ガスのガス濃度はすぐに警報値以下になることはなく、ガス濃度を警報値以下にするためにはある程度時間をかけて換気を行う必要がある。このため、換気を行った後もガス警報器からはしばらく警報が発生する。このように、換気を行ってもすぐにガス警報器からの警報が停止しないと、換気そのものに効果が出ているのか不明であり、ユーザに対して不安感を募らせる、という問題がある。また、警報が止まらないとしてユーザからガス警報器が返却されるケースもある。
【0004】
また、点検時に点検ガスをガス警報器に吹き付けたり、誤って殺虫剤などのスプレーをガス警報器に吹き付けて、ガス警報器が誤動作して警報が発生した場合も同様に、換気を行ってもすぐには警報が停止されず、同様にユーザに対して不安感を募らせる、などの問題が生じる。ところで、最近のほとんどの都市ガス用のガス漏れ警報器には、誤動作防止用の活性炭フィルターが装着されている。この活性炭フィルターを装着したガス漏れ警報器は、警報発生後、換気を行っても活性炭フィルターに吸着したガスが徐々に離脱するためガス濃度の低下が遅く、一度警報が発生すると、警報が停止するのが遅い傾向にあり、特に問題となっている。
【0005】
そこで、例えば、特許文献1に記載されているようなガス警報器が知られている。このガス警報器は、点検モードにおいて、警報発生後、検出されたガス濃度が2回連続して前回検出値以下となった場合に強制的に警報を停止するものである。しかしながら、通常モードにおいても同様に、警報発生後、ガス濃度が2回連続して前回検出値以下となったときに強制的に警報を停止するようにガス警報器を動作させた場合、ガス濃度が警報値を下回っていないにもかかわらず警報が停止されてしまう。このため、ユーザが十分な換気を行われていない状態で警報停止に応じて換気を止めてしまう、という恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−12094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、警報発生後の換気に効果があるのかをユーザに伝えることで、ユーザの不安感を解消することができるガス警報器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、検出対象ガスのガス濃度を検出するガスセンサと、前記ガスセンサにより検出されたガス濃度が警報値以上になったときに警報を発生する警報発生手段と、を備えたガス警報器において、前記ガスセンサにより検出されたガス濃度が警報値以上になってから前記ガスセンサにより検出されたガス濃度が低下して前記警報値よりも大きい閾値以下になるまでの第1警報発生期間と、前記第1警報発生期間後であって前記ガスセンサにより検出されたガス濃度が前記警報値よりも大きい閾値以下になった後から前記ガスセンサにより検出されたガス濃度が警報解除値未満となるまでの第2警報発生期間と、に発生する警報が異なるように、前記警報発生手段が設けられ、前記警報発生手段が、前記第1警報発生期間中は前記警報発生手段が、スピーカから音声を出力させる場合は、同一の文言の音声を繰り返し出力させ、ブザーを鳴動させる場合は同一の鳴動を繰り返させ、発光素子を点灯させる場合は同一の点灯を繰り返させることを特徴とするガス警報器に存する。
【0010】
請求項記載の発明は、前記警報発生手段が、前記第2警報発生期間中に前記ガスセンサにより検出されたガス濃度が再び上昇したときに前記第1警報発生期間と同じ警報に戻すように、設けられていることを特徴とする請求項に記載のガス警報器に存する。
【0012】
請求項記載の発明は、前記警報発生手段が、前記第1警報発生期間中に警報音を間欠鳴動又は発光素子を間欠点灯させ、前記第2警報発生期間中に前記第1警報発生期間中よりも長い間隔で前記警報音を間欠鳴動させ又は前記発光素子を間欠点灯させるように、設けられていることを特徴とする請求項に記載のガス警報器に存する。
【0013】
請求項記載の発明は、前記警報発生手段が、前記第1警報発生期間中に警報音を間欠鳴動又は発光素子を間欠点灯させ、前記第2警報発生期間中に前記第1警報発生期間中よりも長い間隔で前記警報音を間欠鳴動させ又は前記発光素子を間欠点灯させるように、設けられていることを特徴とする請求項に記載のガス警報器に存する。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように請求項記載の発明によれば、ガス濃度が警報値以上になって警報が発生した後に換気が行われるとガス濃度が低下して閾値以下となり警報値に近づく。このガス濃度が閾値以下となり警報値に近づいた時点で第1警報発生期間から第2警報発生期間になり警報が変わるので、警報発生後の換気に効果があることをユーザに伝えることができ、ユーザの不安感を解消することができる。また、ガス濃度が低下して閾値以下となった後も警報を発生し続けることができるため、換気が十分に行われていない状態でユーザが換気を止めてしまう恐れもない。
【0017】
請求項記載の発明によれば、ガス濃度が閾値以下となり第2警報発生期間になった後にガス濃度が再び上昇すると、第1警報発生期間に戻るので、ユーザに再びガス濃度が上昇した旨を知らせることができる。
【0018】
請求項記載の発明によれば、警報音又は発光素子を用いて簡単に警報を異ならせることができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、換気の効果がどの程度なのかをより細かくユーザに伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1第1参考例におけるガス警報器の構成を示すブロック図である。
図2図1に示すガス警報器を構成するCPUの処理手順を示すフローチャートである。
図3】(A)〜(D)はそれぞれ、第1参考例におけるガス濃度、図1に示すガスセンサの出力、警報ブザーの鳴動状態、警報ランプの点灯状態、を示すタイムチャートである。
図4】ガス濃度と、図1に示す警報ブザーの鳴動間隔及び警報ランプの点灯間隔と、の関係を示すグラフである。
図5第2参考例における本発明のガス警報器の構成を示すブロック図である。
図6】(A)〜(D)はそれぞれ、第2参考例におけるガス濃度、図5に示すガスセンサの出力、警報スピーカの出力状態、警報ランプの点灯状態を示すタイムチャートである。
図7】(A)〜(E)はそれぞれ、第1実施形態におけるガス濃度、ガスセンサの出力、警報ブザーの鳴動状態、警報スピーカの出力状態、警報ランプの点灯状態を示すタイムチャートである。
図8第2実施形態におけるガス警報器を構成するCPUの処理手順を示すフローチャートである。
図9】(A)〜(C)はそれぞれ、第2実施形態における図1に示すガスセンサの出力、警報ランプの点灯状態、警報ブザーの鳴動状態、を示すタイムチャートである。
図10】(A)〜(C)はそれぞれ、第2実施形態における図1に示すガスセンサの出力、警報ランプの点灯状態、警報ブザーの鳴動状態、を示すタイムチャートである。
図11】(A)〜(C)はそれぞれ、第2実施形態における図1に示すガスセンサの出力、警報ランプの点灯状態、警報ブザーの鳴動状態、を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1参考例)
以下、第1参考例におけるガス警報器を図1図4に基づいて説明する。同図に示すように、ガス警報器1は、ガスセンサ2と、マイクロコンピュータ3(以下μCOM)と、警報ブザー4と、警報ランプ5と、を備えている。上記ガスセンサ2は、接触燃焼式や半導体式の公知のセンサであり、都市ガス、LPガス、一酸化炭素ガスなどの検出対象ガスのガス濃度を検出する。μCOM3は、ガス警報器1全体の制御を司るコンピュータであり、ガスセンサ2によって検出されたガス濃度を監視し、ガス濃度が警報値以上になったときに後述する警報ブザー4及び警報ランプ5を制御して警報を発生する。
【0023】
上記μCOM3は、プログラムに従って各種の処理を行う中央処理ユニット(CPU)31と、CPU31が行う処理のプログラムなどを格納した読み出し専用のメモリであるROM32と、CPU31での各種の処理過程で利用するワークエリア、各種データを格納するデータ格納エリアなどを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM33と、を有している。上記警報ブザー4は、μCOM3の制御に従ってブザー音(警報音)を発生する装置である。上記警報ランプ5は、μCOM3の制御に従って発光する発光素子である。
【0024】
次に、上述した構成のガス警報器1の動作について図2及び図3を参照して以下説明する。ガス警報器1の電源オンに応じて、CPU31は図2に示す動作を開始する。まず、CPU31は、ガスセンサ2を制御して検出対象ガスのガス濃度を検出させ、そのガス濃度を取り込む(ステップS1)。その後、CPU31は、取り込んだガス濃度が警報値以上か否かを判断する(ステップS2)。図3(A)及び(B)に示すように、ガス漏れ、不完全燃焼などが発生してガス警報器1周辺の雰囲気中の検出対象ガスのガス濃度が上昇し、これに応じてガスセンサ2により検出されたガス濃度が警報値以上になると(ステップS2でY)、CPU31は、警報ブザー4を連続鳴動(ブー)させると共に警報ランプ5を連続点灯させて警報を発生する(ステップS3)。この警報により、ユーザにガス濃度が警報値以上になったことを報知することができる。
【0025】
その後、CPU31は、再びガスセンサ2を制御して検出対象ガスのガス濃度を検出させ、そのガス濃度を取り込む(ステップS4)。次に、CPU31は、ステップS4で取り込んだガス濃度に基づいてガス濃度が低下しているか否かを判断する(ステップS5)。上記低下判断としては、例えばステップS4で取り込んだガス濃度が2回連続して前回のステップS4で取り込んだガス濃度以下となった場合にガス濃度が低下していると判断する。ステップS3の警報に従ってユーザがドアや窓を開けて換気を行うと、図3(A)及び(B)に示すように、ガス警報器1周辺の雰囲気中の検出対象ガスのガス濃度が低下する。
【0026】
これに応じて、CPU31が、ガスセンサ2により検出されるガス濃度が低下していると判断すると(ステップS5でY)、直前に検出されたガス濃度に応じて警報ブザー4の鳴動間隔、警報ランプ5の点灯間隔を設定して(ステップS6)、設定した鳴動間隔で警報ブザー4を間欠鳴動(ブー、ブー)させると共に設定した点灯間隔で警報ランプ5を間欠点灯させる(ステップS7)。なお、鳴動間隔及び点灯間隔は、図4に示すように、ガス濃度が低くなるに従って遅くなるように設定される。このように連続鳴動及び連続点灯から間欠鳴動及び間欠点灯に変わることにより、ユーザに換気の効果がありガス濃度が低下し始めたことを報知することができる。
【0027】
その後、CPU31は、再びガスセンサ2を制御して検出対象ガスのガス濃度を検出させ、そのガス濃度を取り込む(ステップS8)。そして、ステップS8で取り込んだガス濃度が警報値以下でなければ(ステップS9でN)、再びステップS6に戻る。このとき、ステップS6においては、ステップS8で取り込んだガス濃度に応じた鳴動間隔及び点灯間隔が新たに設定される。よって、換気が進んでガス濃度が低下していれば警報ブザー4の鳴動間隔及び警報ランプ5の点灯間隔はだんだん遅くなる。また、さらに換気が進んでガス濃度が警報値以下となると(ステップS9でY)、CPU31は、警報ブザー4及び警報ランプ5による警報を停止させた後(ステップS10)、再びステップS1に戻る。
【0028】
以上のことから明らかなように、CPU31は請求項中の警報発生手段として働く。また、上述した動作によれば、図3に示すように、ガスセンサ2により検出されたガス濃度が警報値以上になってからガスセンサ2により検出されたガス濃度が低下し始める第1警報発生期間T1中は警報ブザー4が連続鳴動すると共に警報ランプ5が連続点灯する。また、第1警報発生期間T1後であってガスセンサ2により検出されたガス濃度が低下し始めてからガスセンサ2により検出されたガス濃度が警報値以下になるまでの第2警報発生期間T2中は警報ブザー4が間欠鳴動すると共に警報ランプ5が間欠点灯する。即ち、第1警報発生期間T1と第2警報発生期間T2とで警報を異ならせることができる。
【0029】
よって、ガス濃度が低下し始めた時点で第1警報発生期間T1から第2警報発生期間T2になり警報が連続鳴動及び連続点灯から間欠鳴動及び間欠点灯に変わるので、警報発生後の換気に効果があることをユーザに伝えることができ、ユーザの不安感を解消することができる。また、ガス濃度が低下し始めた後も警報を発生し続けることができるため、換気が十分に行われない状態でユーザが換気を止めてしまう恐れもない。
【0030】
また、上述したガス警報器1によれば、第1警報発生期間T1中に警報ブザー4を連続鳴動させると共に警報ランプ5を連続点灯させ、第2警報発生期間T2中に警報ブザー4を間欠鳴動させると共に警報ランプ5を間欠点灯させている。これにより、警報ブザー4及び警報ランプ5を用いて簡単に警報を異ならせることができる。
【0031】
また、上述したガス警報器1によれば、第2警報発生期間T2中にガスセンサ2により検出されたガス濃度の低下に応じて警報ブザー4の鳴動間隔及び警報ランプ5の点灯間隔が遅くなる(変化する)。これにより、換気の効果がどの程度なのかをより細かくユーザに伝えることができる。
【0032】
(第2参考例)
次に、第2参考例におけるガス警報器を図5及び図6を参照して説明する。なお、図5において、図1について上述した第1参考例で既に説明したガス警報器1と同等の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。上記第1実施形態と第2実施形態とで異なる点は、警報ブザー4に代えて音声出力回路6及び警報スピーカ7を設けた点である。音声出力回路6は、μCOM3の制御に従って音声信号を後述する警報スピーカ7に対して出力する回路である。警報スピーカ7は、音声出力回路6から出力される音声信号に応じた音声を出力する。
【0033】
上述した第1参考例では、図3に示すように、CPU31は、第1警報発生期間T1において警報ブザー4を連続鳴動させ、第2警報発生期間T2において警報ブザー4を間欠鳴動させていた。これに対して、第2参考例では、図6に示すように、CPU31は、音声出力回路6を制御して、第1警報発生期間T1において警報スピーカ7から「ガスが漏れていませんか」との音声を繰り返し出力させ、第2警報発生期間T2において警報スピーカ7から「換気の効果がでています。そのまま換気をしてください」との音声を繰り返し出力させる。このように音声を用いることでより確実に換気に効果があることをユーザに伝えることができる。
【0034】
(第1実施形態)
次に、第1実施形態における本発明のガス警報器を図7を参照して説明する。第1実施形態のガス警報器1の構成は第1又は第2参考例と同様である為、ここでは詳細な説明は省略する。上述した第1及び第2参考例では、図3及び図6に示すように、ガス濃度が警報値以上になってからガス濃度が低下し始めるまでを第1警報発生期間T1、第1警報発生期間T1後であってガス濃度が低下し始めてからガス濃度が警報値以下になるまでを第2警報発生期間T2としていた。これに対して、第1実施形態においては、図7に示すように、ガス濃度が警報値以上になってからガス濃度が低下し始めて警報値よりも大きい閾値以下になり警報値に近づくまでを第1警報発生期間T1、第1警報発生期間T1後であってガス濃度が閾値以下となってからガス濃度が警報値以下になるまでを第2警報発生期間T2としてもよい。
【0035】
この場合も、第1及び第2参考例と同様に、図7に示すように、第1警報発生期間T1と第2警報発生期間T2とに発生する警報を異ならせる。第1実施形態も同様に、ガス濃度が低下して閾値以下となった時点で第1警報発生期間T1から第2警報発生期間T2になり警報が変わるので、警報発生後の換気に効果があることをユーザに伝えることができ、ユーザの不安感を解消することができる。また、ガス濃度が低下して閾値以下となった後も警報を発生し続けることができるため、換気が十分に行われていない状態でユーザが換気を止めてしまう恐れもない。
【0036】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における本発明のガス警報器を図8図11を参照して説明する。第2実施形態のガス警報器1の構成は第1、第2参考例及び第1実施形態と同じである為、ここでは詳細な説明は省略する。第2実施形態におけるガス警報器1の動作について図8を参照して以下説明する。ガス警報器1の電源オンに応じて、CPU31は図8に示す動作を開始する。まず、CPU31は、ガスセンサ2を制御して検出対象ガスのガス濃度を検出させ、そのガス濃度を取り込む(ステップS11)。
【0037】
その後、CPU31は、取り込んだガス濃度が警報値以上か否かを判断する(ステップS12)。図9(A)に示すように、ガス漏れ、不完全燃焼などが発生してガス警報器1周辺の雰囲気中の検出対象ガスのガス濃度が上昇し、これに応じてガスセンサ2により検出されたガス濃度が警報値以上になると(ステップS12でY)、CPU31は、警報状態となり、警報ブザー4を間隔T31で間欠鳴動させると共に同じく間隔T31で警報ランプ5を間欠点灯させて警報を発生する(ステップS13)。
【0038】
その後、CPU31は、再びガスセンサ2を制御して検出対象ガスのガス濃度を検出させ、そのガス濃度を取り込み(ステップS14)、取り込んだガス濃度が警報値+600mV以上にまで上昇していれば(ステップS15でY)、ガス濃度の検出を繰り返し(ステップS16)、ガス濃度が警報値+550mV(閾値)未満まで低下したか否かを判断する(ステップS17)。ステップS13の警報に従ってユーザがドアや窓を開けて換気を行うと、図9(A)に示すように、ガス警報器1周辺の雰囲気中の検出対象ガスのガス濃度が低下する。
【0039】
これに応じて、CPU31が、ガスセンサ2により検出されるガス濃度が警報値+550mV未満に低下していると判断すると(ステップS17でY)、警報状態から鳴り止み2段に遷移して、警報ブザー4の鳴動間隔及び警報ランプ5の点灯間隔を上記間隔T31よりも長い間隔T32に変更する(ステップS18)。その後、CPU31は、再びガス濃度の検出を行い(ステップS19)、ガス濃度が警報値+600mV以上に再び上昇してしまったか否かの判断(ステップS20)、ガス濃度が上昇することなく警報値+200mV未満に低下したか否かの判断を行う(ステップS21)。
【0040】
図9に示すように、ガス濃度が警報値+600mV以上に上昇することなく警報値+200mV未満まで低下すると(ステップS20でN、かつ、ステップS21でY)、CPU31は、鳴り止み2段から鳴り止み1段に遷移して、警報ブザー4の鳴動間隔及び警報ランプ5の点灯間隔を上記間隔T32よりも長い間隔T33に変更する(ステップS22)。その後、CPU31は、再びガス濃度の検出を行い(ステップS23)、ガス濃度が警報値+250mV以上に再び上昇してしまったか否かの判断(ステップS24)、ガス濃度が上昇することなくさらに解除値未満に低下したか否の判断を行う(ステップS25)。
【0041】
図9に示すように、ガス濃度が警報値+250mV以上に上昇することなく解除値未満まで低下すると(ステップS24でN、かつ、ステップS25でY)、CPU31は、鳴り止み1段から監視状態に遷移し、警報ブザー4及び警報ランプ5による警報を停止させた後(ステップS26)、再びステップS11に戻る。
【0042】
これに対して、図10に示すように、警報値+600mV以上のガス濃度のガスが発生し(ステップS15でY)、その後、換気を行った結果、ガス濃度が警報値+550mV未満まで低下したにも係わらず(ステップS17でY)、何らかの原因で警報値+600mV以上のガス濃度の上昇が再び発生すると(ステップS20でY)、CPU31は、鳴り止み2段から警報状態に遷移し、警報ブザー4及び警報ランプ5の鳴動間隔、点灯間隔を間隔T32から間隔T31に戻した後(ステップS27)、再びステップS16に戻る。
【0043】
その後、図10に示すようにガス濃度が再上昇することなく、警報値+550mV未満(ステップS17でY)、警報値+200mV未満(ステップS21でY)、解除値未満(ステップS24でY)に低下する毎に、ガス警報器1は、警報状態(ステップS13)→鳴り止み2段(ステップS22)→鳴り止み1段(ステップS23)→監視状態(ステップS26)に遷移する。
【0044】
また、図11に示すように、警報値+600mV以上のガス濃度のガスが発生し(ステップS15でY)、その後、換気を行った結果、警報状態→鳴り止み2段→鳴り止み1段に遷移して、ガス濃度が警報値+200mV未満まで低下したにも係わらず(ステップS21でY)、何らかの原因で警報値+250mV以上のガス濃度の上昇が再び発生すると(ステップS24でY)、CPU31は、鳴り止み1段から警報状態に遷移し、ステップS13に戻って、警報ブザー4及び警報ランプ5の鳴動間隔、点灯間隔を間隔T33から間隔T31に戻す。
【0045】
警報状態に戻った後に、ガス濃度が警報値+600mVを越えなければ(ステップS15でN)、ガス濃度が低下しても鳴り止み2段、鳴り止み1段に戻ることなく、ガス濃度が解除値未満になると(ステップS28でY)、警報状態から監視状態に遷移して、警報ブザー4及び警報ランプ5による警報を停止させた後(ステップS26)、ステップS11に戻る。
【0046】
さらに、ガス濃度が警報値以上となっても(ステップS12でY)、ガス濃度が警報値+600mV以上になっていなければ(ステップS15でN)、CPU31は、ガス濃度が低下しても鳴り止み2段、鳴り止み1段に遷移することなく、ガス濃度が解除値未満になると(ステップS28でY)、警報状態から監視状態に遷移して、警報ブザー4及び警報ランプ5による警報を停止させた後(ステップS26)、ステップS11に戻る。
【0047】
この場合も、第1、第2参考例及び第1実施形態と同様に、第1警報発生期間T1と第2警報発生期間T2とに発生する警報を異ならせる。第2実施形態も同様に、ガス濃度が低下して警報値+550mV未満となった時点で第1警報発生期間T1から第2警報発生期間T2になり警報が変わるので、警報発生後の換気に効果があることをユーザに伝えることができ、ユーザの不安感を解消することができる。また、ガス濃度が低下して警報値+550mV以下となった後も警報を発生し続けることができるため、換気が十分に行われていない状態でユーザが換気を止めてしまう恐れもない。
【0048】
また、上述したガス警報器1によれば、第1警報発生期間T1中に警報ブザー4を間欠鳴動させると共に警報ランプ5を間欠点灯させ、第2警報発生期間T2中に第1警報発生期間T1よりも長い間隔T32、T33(>T31)で警報ブザー4を間欠鳴動させると共に警報ランプ5を間欠点灯させている。これにより、警報ブザー4及び警報ランプ5を用いて簡単に警報を異ならせることができる。
【0049】
また、上述したガス警報器1によれば、第2警報発生期間T2中にガスセンサ2により検出されたガス濃度の低下に応じて警報ブザー4の鳴動間隔及び警報ランプ5の点灯間隔が段階的に遅くなる(変化する)。これにより、換気の効果がどの程度なのかをより細かくユーザに伝えることができる。
【0050】
また、上述したガス警報器1によれば、第2警報発生期間T2中にガスセンサにより検出されたガス濃度が再び上昇したときに第1警報発生期間T1に戻す。これにより、ユーザに再びガス濃度が上昇した旨を知らせることができる。
【0051】
なお、上述した第1〜第2実施形態によれば、音声による警報とブザー音による警報との何れか一方を行っていたが、本発明はこれに限ったものではない。音声による警報とブザー音による警報との両方を行うようにしてもよい。
【0052】
また、本発明は、第1警報発生期間T1と、第2警報発生期間T2と、で発生する警報が異なるようにすればよく、警報を異ならせる方法としては、上述した第1〜第2実施形態で説明したものに限定されるものではない。
【0053】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0054】
2 ガスセンサ
5 警報ランプ(発光手段)
31 CPU(警報発生手段)
T1 第1警報発生期間
T2 第2警報発生手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11