【課題を解決するための手段】
【0004】
開示の実施形態は、プリプレグ層が工具のシンプルな又は複雑な形状、輪郭及び特徴に適合される間に、プリプレグ層を支持し、位置づけし、変形させる方法を提供する。本方法は、積層工程中に層を支持する変形可能な担体膜を用いて、層が積層される際に皺及び/又は座屈が発生しないようにする。単体膜を使用することにより、プリプレグ層が正確に位置づけされ、必要に応じて成形工具表面に適合するように均一に変形することが可能になる。担体膜はまた、ハンドリング及び輸送中に複合層を安定化させるのにも使用される。本方法により、スリットテープの使用だけでなく、層の積層中の広範囲の手作業、ダーティング、切断、及び分割の必要が除去され得る。本方法はまた、複合材料の設置速度を上げることが可能であり、積層工程の自動化を促進することができる。さらに、本方法は層の境界線の精度を向上させ、必要な時に層材料のさらに均一な変形を提供することができ、この結果、硬化複合パーツの強度及び外観の両方を向上させる。
【0005】
一実施形態によれば、複合パーツを工具上に積層する方法が提供されている。本方法は、変形可能な担体の上に複合プリプレグを適用し、担体を変形させることによってプリプレグを変形させることを含む。担体は、工具にプリプレグを適用するために使用される。本方法はさらに、変形したプリプレグから担体を取り外すことを含む。プリプレグの適用には、プリプレグ層を担体と向かい合わせに圧縮することを含む。担体は、プリプレグが工具に適用された後に、変形したプリプレグから取り外される。プリプレグの適用には、単向性のプリプレグテープのコースを担体上に隣り合わせの状態で適用することが含まれる。本方法はさらに、プリプレグが担体に適用される前に、担体上に除去膜および層ダブラーのうちの少なくとも一つを適用し、担体を使用して除去膜及びダブラーのうちの少なくとも一つを工具に適用することを含む。本方法はまた、担体の少なくとも一部を変形に対して強化することも含む。担体の変形は、プリプレグが工具に適用されているときに実行される。
【0006】
別の実施形態によれば、単向性プリプレグ繊維の結合度を変える方法が提供されている。本方法は、単向性プリプレグ繊維を変形可能な担体膜に接着して、膜を繊維の方向に対して横方向に変形させることによって、プリプレグ繊維の間の間隔を広げることを含む。
【0007】
さらに別の実施形態によれば、複合プリプレグを成形工具の上に積層する方法が提供されている。本方法は、プリプレグ材料を担体膜に配置し;担体膜を使用して、プリプレグ材料を工具に適用することを含む。担体膜を使用してプリプレグ材料を適用するステップは、プリプレグ材料が工具に適用されているときに、膜を変形させることによって、プリプレグ材料を変形させることを含む。プリプレグ材料を担体膜に配置するステップは、単向性プレプレグ繊維テープのコースを、担体膜上に隣り合わせの状態に設置し、テープのコースを担体膜に対して圧縮させることを含む。本方法は更に、プリプレグ材料が工具に適用された後で、プリプレグ材料から担体膜を取り外すことを含む。プリプレグ材料を担体膜に接着するステップは、プリプレグ材料を担体膜に対して圧縮することを含む。担体膜を変形させて、プリプレグ材料を工具の形状に適合させる。本方法はさらに、担体膜の少なくとも一部を変形に対して強化することを含むことができる。プリプレグ材料を担体膜に配置し、担体膜を使用してプリプレグ材料を工具に適用するステップを繰り返して、複合のパーツ積層体を形成する。
【0008】
本発明は:
複合プリプレグを変形可能な担体の上に適用し;
担体を変形させることによって、プリプレグを変形させ;
担体を使用してプリプレグを工具に適用し;
担体を変形したプリプレグから取り外す
ことを含む、複合パーツを工具上に積層する方法に関するものである。
【0009】
本発明はまた:
プリプレグを適用するステップが、プリプレグ層を担体と向かい合った状態で圧縮することを含み、
プリプレグが工具に適用された後で、担体を変形したプリプレグから取り外す、
上述した方法にも関するものである。
【0010】
本方法はまた、プリプレグを適用するステップが、
単向性プリプレグテープのコースを担体上で隣り合わせの状態で適用する
ことを含む、上述した方法のうちの一つに関するものである。
【0011】
本発明はまた、
プリプレグが担体に適用される前に、除去膜及び層ダブラーのうちの少なくとも一つを担体上に適用し、
担体を使用して、除去膜及びダブラーのうちの少なくとも一つを工具に適用する
ことをさらに含む、上述した方法のうちの一つに関するものである。
【0012】
本発明はまた、担体をプリプレグから取り外すステップが、プリプレグが工具に適用された後で実施される、上述した方法のうちの一つに関するものである。
【0013】
本方法はまた、
担体の一部を変形に対して強化する
ことをさらに含む、上述した方法のうちの一つに関するものである。
【0014】
本方法はまた、担体の一部を強化するステップが下記:
担体部分において担体の厚さを増加し、
担体部分において担体をエンボス加工し、
強化繊維を担体部分に組み入れる
のうちの少なくとも一つを含む、隣接して上記した方法に関するものである。
【0015】
本方法はまた、プリプレグが工具に適用されているときに、担体の変形が実施される、上述した方法のうちの一つに関するものである。
【0016】
本発明はまた、上述した方法のうちの一つによって複合パーツを積層することに関するものである。
【0017】
本方法はまた:
単向性プリプレグ繊維を変形可能な担体膜に接着し;
膜を、繊維の方向に対して横方向に変形させることによって、プリプレグ繊維の間の間隔を広げる
ことを含む、単向性プリプレグ繊維の結合度を変更する方法に関するものである。
【0018】
本発明はまた、繊維の結合度が隣接して上記した方法によって変更された、プリプレグ繊維層に関するものである。
【0019】
本方法はまた:
プリプレグ材料を担体膜上に配置し;
担体膜を使用してプリプレグ材料を工具に適用し、これには膜を変形させることによってプリプレグ材料を変形させることが含まれる
ことを含む、複合プリプレグを成形工具の上に積層する方法に関するものである。
【0020】
本発明はまた、プリプレグ材料を担体膜上に配置するステップが:
単向性プリプレグ繊維テープのコースを隣り合わせの状態で担体膜に設置し、
テープのコースを担体膜に対して圧縮する
ことを含む、隣接して上記した方法に関するものである。
【0021】
本発明はまた、
プリプレグ材料が工具に適用された後で、プリプレグ材料から担体膜を取り外す
ことをさらに含む、複合プリプレグを成形工具の上に積層する上述した方法のうちの一つに関するものである。
【0022】
本発明はまた、複合プリプレグを成形工具の上に積層し、プリプレグ材料を担体膜に接着するステップが、プリプレグ材料を単体膜に対して圧縮することを含む、上述した方法のうちの一つに関するものである。
【0023】
本発明はまた、担体膜を変形させて、プリプレグ材料を工具の形状に適合させる、複合プリプレグを成形工具の上に積層する、上述した方法のうちの一つに関するものである。
【0024】
本発明はまたさらに:
担体膜の少なくとも一部を変形に対して強化する
ことを含む、複合プリプレグを成形工具の上に積層する、上述の方法のうちの一つに関するものである。
【0025】
本発明はまた、担体膜のうちの少なくとも一つを強化するステップが下記:
担体膜部分において担体膜の厚さを増加させる、
担体膜部分において担体膜にエンボス加工を施す、
担体膜部分に強化繊維を組み入れる
のうちの一つを含む、複合プリプレグを成形工具の上に積層する、隣接して上記した方法に関するものである。
【0026】
本発明はまたさらに:
除去膜及びダブラーのうちの少なくとも一つを担体膜に適用することによって、除去膜及び層ダブラーのうちの少なくとも一つを工具上に適用し、担体膜を使用して、除去膜及びダブラーのうちの少なくとも一つを工具上に配置する
ことを含む、複合プリプレグを成形工具の上に積層する、上述した方法のうちの一つに関するものである。
【0027】
本方法はまた、プリプレグ材料を担体膜上に配置し、担体膜を使用してプリプレグ材料を工具に適用するステップを繰り返して複合のパーツ積層体を形成する、複合プリプレグを成形工具の上に積層する、上述した方法のうちの一つに関するものである。
【0028】
本発明はまた、
単向性プリプレグ繊維層を膜上に積層し、
層が上に載った状態で、膜を変形させる
ことを含む、プリプレグ繊維層を変形させる方法に関するものである。
【0029】
本方法はまた、膜を変形させるステップが、膜を層における繊維の配置方向に対して横方向に伸ばすことを含む、プリプレグ繊維層を変形させる、上述した方法に関するものである。
【0030】
本方法はまた、
膜の少なくとも一部を変形しないよう抑制する
ことをさらに含む、プリプレグ繊維層を変形させる、上述した方法のうちの一つに関するものである。
【0031】
本発明はまた、膜の少なくとも一部を変形しないよう抑制するステップが、膜の一部を強化することによって実施される、プリプレグ繊維層を変形させる、上述した方法のうちの一つに関するものである。
【0032】
本発明はまた、プリプレグ繊維層を変形させる、上述した方法のうちの一つによって変形したプリプレグ繊維層に関するものである。
【0033】
本発明はまた、積層体を適合させる成形面を有する工具上に多重層の複合パーツを積層する方法にも関し、この方法は:
変形可能な担体膜を提供し;
担体膜の一部を変形に対して強化し、これには担体膜部分に強化繊維を浸透させることが含まれ;
複合ダブラーを担体膜の表面上に配置し;
除去膜のストリップを担体膜の表面上に配置し;
複合層を、ダブラー及び除去膜のストリップを覆っている担体膜の表面上に配置し;これには、複数の単向性プリプレグ繊維テープのコースを担体膜表面上に隣り合わせの状態で設置することが含まれ;
層、ダブラー、及び除去膜のストリップを担体膜に対して圧縮し;
担体膜を使用して、層を積層工具に移し;
担体膜を使用して、ダブラー、除去膜のストリップ、及び層を工具上に積層し、これには担体膜を変形させて、層を工具の成形領域に適合させることによって層を変形させることが含まれ;
層が積層され工具に適合された時に、層から担体膜をはがす
ことを含む。