(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定長のオイルパームの幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて形成した剥離板または所定長のオイルパームの幹から所定の幅及び厚み、長さの板取りを行った製材板において、
前記剥離板及び/または前記製材板を、複数枚圧密加工した後の各板の厚みを1mm以上の厚みとし、前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合したことを特徴とするオイルパーム板材料。
【背景技術】
【0002】
一般に、オイルパームの成木は単一の幹からなり高さ10〜20m以上に達する。葉は羽状で長さ3〜5m程度、若木で年間に約30枚、樹齢10年以上の木では約20枚が新しく生えている。花は3枚の花弁と3枚のがく(萼)からなり、個々には小さいが密集した集団を形成し、受粉してから果実が成熟するまでは約6ヶ月を要する。果実は油分の多い多肉質の果肉(中果皮)と、同じく油分に富んだ1つの種子からなり、果実の重さは1房あたり40〜50kg程度になる。
【0003】
19世紀後半から東南アジアのプランテーションで栽培されるようになり、オイルパームから採れる植物性油脂のヤシ油(palm oil)は、大豆や菜種等他の植物性油脂よりも生産性が良く、安価であることから、マーガリン、揚げ物用の油等の食用に使用されている。また、石鹸、化粧品等にも多用されている。近年、ヤシ油(palm oil)は、マレーシやインドネシア等の東南アジアから日本へ輸入される量も増大している。したがって、一般的にオイルパームといえば、果肉と種子から取れる油脂の意味と、油椰子の幹木を指す場合もある。
【0004】
通常、学術的にはオイルパームは、ヤシ科アブラヤシ属に分類される植物の総称で、西アフリカを原産とするギニアアブラヤシ(Elaeis guineensis)と、中南米原産のアメリカアブラヤシ(Elaeis oleifera)の2種類が有名であり、栽培品種の中にはギニアアブラヤシとアメリカアブラヤシの交配品種も存在する。特に、植物性油脂の原料となる椰子の一種であるアブラヤシ(油椰子)を「オイルパーム」と呼ぶ場合もある。
即ち、オイルパームは、果肉と種子から油脂が取れ、単位面積当たり得られる油脂の量は他の植物を群を抜いていることから、商業作物としてマレーシア等の東南アジア諸国を中心に大規模なプランテーション農業が行われているので、油脂の方を「オイルパーム」と呼ぶ方が著名になりつつあるかもしれない。
しかし、本発明においては、果肉と種子から取れる油脂のオイルパームを意味するものではなく、油椰子の幹自体または植物の個体全体をオイルパームと呼ぶこととする。
【0005】
このオイルパームを扱った特許出願には、特許文献1(空果房を扱った発明)に掲載のものがある。特許文献1では、オイルパームを利用した建築材料の製造方法を開示している。具体的には、パーム繊維を洗滌した後乾燥油が95%になるように乾燥する段階と、前記乾燥したパーム繊維を1〜1.5cm単位で破送・切断してパーム繊維チップを製造する段階と、前記乾燥したパーム繊維を200メッシュの粒経で粉碎する段階と、竹を200メッシュの粒経で粉碎する段階と、前記パーム繊維チップ、前記パーム繊維粉末、前記竹粉末、バイオセラミック粉末を1:1:1:1の比率で混合して主原料を製造する段階と、石炭の炭化物から200メッシュの粒経を有するフライアッシュを抽出する段階と、火炎防止剤と耐熱性樹脂である硬化用難燃樹脂を1:1の比率で混合・溶融してバインダーを製造する段階と、前記製造されたバインダー20〜30重量%、前記混合した主原料50〜60重量%、フライアッシュ20〜25重量%の粉末を混合して高液状で練る段階と、前記ねりを150〜200℃の温度を発散する成形部間を通過させて1次で焼く段階と、前記焼かれた成形物を多数の上部ローラー群と下部ローラー群が後側に行くほどその間隔が徐徐に細くなるように配置された圧延部の間を通過させて徐徐に薄い厚さで圧延する段階と、前記成形物を多数の上部ローラー群と下部ローラー群からなった冷却部を通過させながら0〜4℃で冷凍させる段階と、切断シリンダーによって昇降する刃により前記成形物を一定な長さ単位で切断する段階との工程から成り立っている。
【0006】
この特許文献1では、パーム繊維を主原料として利用することにより人体に無害であるだけではなく、パーム繊維を1〜1.5cmで切断したものをパーム繊維粉末とともに使用するので、パーム繊維が周辺の他の内容物との仮橋役を成して堅固な建築材料となり、竹とバイオセラミックにより抗菌及び脱臭機能を具現化することができる。また、カビが発生しないで、遠赤外線、陰イオンの発生が期待できる。そして、不燃性廃材をリサイクルすることができ、製作コストが安くなる。更に、全ての組成物から有毒性ガスが発生しないので建築材料として安全性が高いとされている。
【0007】
また、特許文献2(空果房を扱った発明)では、板状体または成形体は、油ヤシの空果房を解繊して得た油ヤシ繊維にゴム状弾性を示す樹脂を付着し、圧縮成形することにより得られた板状体または成形体である。
したがって、オイルパームの空果房を解繊して得た油ヤシ繊維は、例えば、ココヤシ繊維等の他のヤシ繊維に比して、繊維表面にパームオイルが付着しているために繊維の撥水性が優れていると共に、繊維中に含まれるセルロース及びリグニンの量が相対的に多いので、耐水性に優れる。加えて、油ヤシ繊維は、ココヤシ繊維等の他のヤシ繊維に比して、繊維強度が大であると共に、繊維径が大きく、かつ、繊維長が長いので、寸法安定性が優れている。また、油ヤシ繊維は、その表面の凹凸が大きいと共に屈曲の強度が大きくて繊維同士のからみあいが大きいから、このことによっても寸法安定性が高められる。そのため、この板状体または成形体は、吸水、吸湿時における寸法安定性が優れている。
そして、油ヤシ繊維表面の凹凸が大きいので、ゴム状弾性を示す樹脂が油ヤシ繊維の表面の空隙に侵入して固化又は硬化し、これが釘または楔のように作用して、所謂、アンカー効果を発揮するから、油ヤシ繊維はゴム状弾性を示す樹脂により強く結合する。このことも吸水、吸湿時における寸法安定性の向上に寄与していると考えられる。
【0008】
油ヤシ繊維は、例えば、ココヤシ繊維等の他のヤシ繊維に比して、繊維の剛性及び強度が大であると共に、繊維径が大きく、かつ、繊維長が長いので、弾性回復性に優れている。また、油ヤシ繊維は、繊維の屈曲の強度が大きくて繊維同士のからみあいが大きいので、弾性回復性が高められる。そして、ゴム状弾性を示す樹脂は弾性回復性が高い。そのため、油ヤシ繊維がゴム状弾性を示す樹脂により連結されている板状体または成形体は、優れた弾性回復性を示し、歩行感及びクッション性が良く、しかも、遮音性が良い。
この板状体または成形体では、油ヤシ繊維を使用するから、他の種類のヤシ繊維に比して解繊等に要する労力が少なく、そのため、製造コスト及びエネルギーが節減でき、製品が安価となる。例えば、ココヤシ繊維では、ヤシ殻を軟化させるために長期間水中に浸漬し、その後に機械的に繊維状に解繊するために長期間多大のエネルギーを必要とする。これに対してオイルパームは、もともと繊維状のままで集合体となっている空果房を解繊するから、水中浸漬の必要はなく、解繊のために要するエネルギーも非常に少なくて済む。また、油ヤシ繊維はココヤシ繊維に比して発塵性が少なく、その取り扱いにおいて作業環境の悪化が避けられる。
更に、油ヤシ繊維の繊維間に大きな隙間が形成されるので、噴霧または浸漬によりゴム状弾性を示す樹脂を供給したときには、樹脂が上記隙間を介して全繊維に均等に付着し、強度分布が均一になるという板状態が得られる。
【0009】
そして、特許文献3(オイルパーム幹の発明)では、接着剤で貼り合わされた複数の単板の表面に露出している繊維に接着剤を浸透させた合板の技術を開示している。
特許文献3に係るパーム合板は、樹脂接着剤で貼り合わされた複数の単板を備え、複数の単板のうちの最も外側の少なくとも1枚の単板は、パーム単板であり、パーム単板の表面に露出しているパーム繊維に樹脂接着剤が浸透させたものである。これにより、品質が比較的良好な樹木の単板をフェイスとバックとして使用せずに、安価な廃棄材のヤシの幹から製造可能なパーム単板を使用して表面を樹脂接着剤で処理することで、低コストで合板を製造する。
また、特許文献3のパーム合板は、複数の単板を全てパーム単板とし、安価な廃棄材のヤシの幹から製造可能なパーム単板のみを使用し、互いを樹脂接着剤で接着してもよい。このときのパーム繊維に浸透させてある樹脂接着剤は、複数の単板を貼り合わせる樹脂接着剤と同系のものである。樹脂接着剤が同系であるため、安価に合板を製造することができる。なお、ここで、同系とは、同一の樹脂接着剤、配合(例えば、配合比率)を変えたものを含む。
【0010】
そして、特許文献3のパーム合板は、パーム繊維に樹脂接着剤を浸透させる面を研磨した後に、パーム繊維に樹脂接着剤を浸透させ、合板表面から突出するパーム繊維を少なくし、パーム繊維に樹脂接着剤を浸透させるものである。この合板製造方法は、複数の単板を接着剤で貼り合わせる工程と、複数の単板の表面であり、露出している繊維に接着剤を浸透させる面を研磨する工程と、研磨した面に接着剤を塗布して繊維に接着剤を浸透させる工程と、接着剤を乾燥させる工程とを備え、これにより、品質が比較的良好な樹木の単板をフェイスとバックとして使用することなく、低いコストで合板を製造することができる。
このように、特許文献3によれば、品質が比較的良好な樹木の単板をフェイスとバックとして使用せずに、低いコストで製造が可能な合板及びパーム合板、合板製造方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このように、特許文献1及び特許文献2は、何れもオイルパームの果実の空果房を解繊して得た油ヤシ繊維の利用であり、直接的にオイルパームの幹を利用するものではない。しかし、オイルパームの幹は成木で20m以上となり、全体の90〜95%を占める容積率であることからその利用が望まれていた。
特に、マレーシア等の東南アジア等では、パームオイルの生産のためにオイルパームが栽培されているが、パームオイル採取後の空果房には繊維等が多く含まれていることから、その空果房は繊維ボード等種々の用途に活用されている。しかし、毎年伐採されているヤシの幹は有効に活用されておらず、廃棄処分されているのが現状である。
また、特許文献3には、最も外側の少なくとも1枚の単板がパーム単板を複数樹脂接着剤で貼り合わせる工程と、パーム単板の表面であり、露出しているパーム繊維に樹脂接着剤を浸透させる面を研磨する工程と、研磨した面に樹脂接着剤を塗布してパーム繊維に樹脂接着剤を浸透させる工程と、樹脂接着剤を乾燥させる工程とを備えた合板製造方法を開示している。しかし、パーム単板に如何に樹脂接着剤を塗布するか、露出しているパーム繊維に樹脂接着剤を浸透させるかについては説明されておらず不明であり、具体的な合板の製造方法が不明である。少なくとも、パーム単板を複数樹脂接着剤で貼り合わせるという樹脂接着剤の使用を前提としている。
【0013】
そこで、本発明は、オイルパームの幹を使用し、オイルパーム自体が本来的に有している成分と異なる成分を付加することなく、外周から所定の厚みに剥いた剥離板または所定の幅及び厚み、長さの板取りを行った製材板を接合してなるオイルパーム圧密材の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明にかかるオイルパーム圧密材において、所定長のオイルパームの幹をその外周からロータリーレースで所定の厚みに剥いてなる剥離板または所定長のオイルパームの幹から所定の幅及び厚み、長さの木材と同様に板取りを行った製材板によって複数枚の前記剥離板及び/または前記製材板を重ねて圧密加工され、各厚みが1mm以上とすることで、前記オイルパームの幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分が部分的に欠乏することのないようにして接合したものである。
ここで、所定長のオイルパームの幹、即ち、オイルパーム幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで所定の厚みに剥いて剥離板を形成するのは、薄い板としてロータリーレースで所定の厚みに剥いて剥離した板を使用することを意味する。
また、前記剥離板の温度を上昇させ、かつ、前記剥離板を前記剥離板の面に対して直角方向の圧縮力を加えて圧縮し、前記合板に一体に接合する際の前記剥離板の温度上昇は、スチーム加熱または熱板加熱の何れでもよいし、両者の同時使用も可能であり、また、圧縮圧力は、接合面に前記オイルパーム幹自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類を導くことができればよい。
なお、ここにおける接合には、オイルパーム幹の剥離板は凹凸面に対して逆の凸凹面に成型する能力があることから、その成形能力を利用した機械的接合も含まれている。
本発明を実施する場合、複数の前記剥離板及び/または前記製材板を重ねて圧密加工して、柱状または板状のオイルパーム圧密材とすることができる。
【0015】
特に、前記剥離板及び/または前記製材板の温度及び圧縮力の制御によって前記剥離板及び/または前記製材板を前記オイルパーム幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって複数枚接合し、一体に合板として形成するものである。このとき、前記剥離板及び/または前記製材板の温度及び圧縮力の制御によって、前記オイルパームの幹自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の作用によって前記剥離板及び/または前記製材板の複数枚を一体に接合するものである。特に、ヘミセルロースはリグニンとセルロースとの結び付ける機能を有しており、堅固に接合できる。
例えば、圧縮前の厚みが2.5mmで圧縮率65%とすると、圧密加工された材料は0.88mmとなる。しかし、この状態では、オイルパームの繊維が直径0.2〜1.0mmと太く、かつ、強く接合面積に空隙が形成される等の要因により、長寿命のオイルパーム圧密材とならない。しかし、これを圧縮前の厚みが3mmで圧縮率65%とすると、圧密加工された材料は1.05mmとなる。この状態になると、オイルパームの繊維が直径0.2〜1.0mmと太く、かつ、強くても、圧密加工前の厚みが3mmの剥離板側から接合面積にリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類が供給され、空隙が形成されることがなくなり、長寿命のオイルパーム圧密材となる。したがって、前記剥離板及び/または前記製材板の厚みは、圧密加工された状態で1mm以上の厚みからなるものであればよい。
なお、ここで圧密加工とは、前記剥離板及び/または前記製材板を所定の温度で圧縮し、その圧縮状態を維持させるように冷却して固定化したものを意味し、圧縮は単に圧力を加える状態を意味する。
【0016】
請求項2の発明にかかるオイルパーム圧密材は、温度を120度以上の環境で1〜100kg/cm
2以上の圧縮力で、前記剥離板及び/または前記製材板の圧密加工後の厚みが1mm以上として前記剥離板及び/または前記製材板を接合したものである。
特に、圧縮する環境温度は、120〜210℃の範囲で、圧縮力は最終厚さを設定し、それ以上の圧縮限界を設定したものであれば、その圧縮速度のみの制御でよい。例えば、圧縮速度は、圧密加工開始から終了までを5〜40〔min〕の範囲として使用できる。オイルパームの樹齢、乾燥度、その厚み等によってその処理時間が変化する。しかし、一般的にオイルパーム圧密材では、5〜20〔min〕の範囲で処理可能である。これに、冷却を行って圧縮状態を維持する固定化する固定工程が5〜10〔min〕付加される。
【発明の効果】
【0017】
請求項1のオイルパーム圧密材は、所定長のオイルパーム幹をその周方向に回転させながら外周からロータリーレースで所定の厚みに剥いてなる剥離板、所定長のオイルパーム幹から所定の幅及び厚み、長さの板取りを木材と同様に行った製材板において、前記剥離板及び/または前記製材板を複数枚、前記オイルパーム幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合したものである。
したがって、所定の厚みに剥いた前記剥離板の面を、接着機能を有する接合面とし、前記剥離板及び/または前記製材板の温度及び圧縮力の制御によって前記複数枚の剥離板を前記オイルパーム幹自体が含有する圧密加工で1mm以上の厚み程度まで圧密加工して得られるリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類成分で接合したものである。
【0018】
したがって、オイルパーム幹は節、年輪がないからロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて剥離板を作成する場合、所定長のオイルパーム幹から所定の幅及び厚み、長さの板取りを行った製材板を作成する場合、何れも均質な剥離板、製材板が得られ、結果的に、その前記剥離板及び/または前記製材板の複数枚からなる合板は均質なものとなる。また、加える温度と圧縮力によって前記オイルパーム幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によってその接合力を変化させるから、加える温度と圧縮力の制御によって任意の接着力が得られる。そして、前記複数枚の剥離板を前記オイルパーム幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合して前記合板を形成するものであるから、他の合成樹脂、合成ゴムを接着材として使用していないから、自然に戻すことができ公害問題を引き起こすことがない。更に、前記オイルパーム幹自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合されるときの圧縮力によって、前記剥離板の空隙が殆どなくなり、緻密な組織になるから、耐水性があり、かつ、防水、防虫性に富み、建築材料として使用しても耐用年数が長くなる。
また、広い平面板を形成する場合も、前記剥離板及び/または前記板材を横に接続することにより、広い板が得られる。
そして、前記剥離板の温度を上昇させ、かつ、前記剥離板及び/または前記板材の面に対して直角方向の圧縮力を加えて圧縮し、前記積層合板に一体に接合する際の前記剥離板の温度上昇は、スチーム加熱または熱板加熱の何れでもよいし、両者の同時使用も可能であり、また、圧縮圧力は、接合面に前記オイルパームの幹自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類を導くことができればよいので製造自由度が高い。
なお、ここにおける接合には、オイルパーム幹の剥離板は凹凸面に対して逆の凸凹面に成型する能力があることから、その成形能力を利用した機械的接合も含まれている。
【0019】
請求項2のオイルパーム圧密材は、前記剥離板及び/または前記製材板において、温度を120度以上の環境で1〜100kg/cm
2以上の圧縮力で、前記剥離板及び前記板材の圧密加工後の厚みが1mm以上として接合されているものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、前記剥離板及び/または前記製材板の温度及び圧縮力の制御によって、前記オイルパーム幹自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の作用によって前記剥離板及び/または前記製材板を複数枚接合して合板とすることを意味する。特に、ヘミセルロースはリグニンとセルロースとの結び付ける機能を有しており、堅固に接合できる。また、記剥離板及び前記製材板の圧密加工後の厚みが1mm以上として前記剥離板及び/または前記製材板を接合したものであるから、オイルパームの繊維が強くても、圧縮前の厚みが3mm以上のオイルパーム剥離板側から接合面積にリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類が供給されるから、空隙が形成されることがなくなり、長寿命のオイルパーム圧密材となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図中の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0022】
[実施の形態]
まず、本発明の実施の形態で使用するオイルパーム幹は、
図8に示すように、木材の板目と柾目を製材するように板取りを行うと、何れも柾目状に繊維が並ぶ面になる。即ち、国産材の桧や杉のように年輪がなく、畳表の藺草のように繊維が、直径0.2〜1.0mmと太く、かつ、強度的に強く、オイルパーム幹の長さ方向に延びている。
【0023】
オイルパーム幹の成分は産地によって差があるが、その差は僅かであり、一般に、セルロース30.6重量%、ヘミセルロース33.2重量%、リグニン(総リグニン28.5重量%=クラーソンリグニン24.7重量%+酸可溶性リグニン3.8重量%)、抽出成分3.6重量%、灰分4.1重量%といわれている。Characterization in Chemical Composition of the Oil Palm (Elaeis guineensis) (Journal of the Japan Institute of Energy,87,383-388(2008))にも記載がある。
視認できる直径0.2〜1.0mmの繊維と繊維の間は、リグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類、空孔等によって形成されている。
【0024】
本実施の形態にかかる合板を構成するオイルパーム剥離板の形成について
図1を用いて説明する。
オイルパーム剥離板Wは、20年から30年以上の成長した単一の幹を所定長のオイルパーム幹WDとして切断し、それを大根のかつら剥きと同様の周方向の剥きを行うロータリーレースと呼ばれる装置にセットする。そして、オイルパーム幹WDを回転させ刃物CTによって周方向の剥きを行う。これは、所定長のオイルパーム幹WDをその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて複数枚の剥離板Wに形成する剥離板工程となる。
【0025】
即ち、
図1に示すように、オイルパーム幹WDの中心を軸芯となるように回転させ、その外周側に所定幅の刃物CTを当て、所謂、かつら剥き同様の剥きにより連続剥離板UWDが形成される。即ち、オイルパーム幹WDは大根のかつら剥きのように所定の厚みで連続した剥離板、即ち、連続剥離板UWDが削り出される。この連続剥離板UWDを所定の長さにカットし、乾燥させることで所定の面積、所定の厚みの剥離板Wが作られる。
なお、オイルパームの葉、空果房、根等は、チップ状に裁断され、好気性細菌処理によってコンポスト化(堆肥化)する有機廃棄物発酵処理方法によって処理される。特に、空果房は他の実用性のある処理を行ってもよい。また、細かく破砕し、セルロース、ヘミセルロース、リグニン等の成分抽出を行ってもよい。
【0026】
通常、連続剥離板UWDが剥かれた時点でその乾燥が開始される。しかし、所定の面積、厚みの剥離板Wが得られ、所定の合板を作る単位の枚数の切断の後に乾燥を行ってもよい。一般に、切断は流れ作業で行われるので、オイルパーム幹WDから連続剥離板UWDが形成された時点で乾燥開始するのが乾燥時間の確保からは望ましい。この乾燥工程は、合板PWに重ね合わせるように5枚の所定面積、所定厚さの剥離板W1,・・・,W5が切断されてからの乾燥であると、連続剥離板UWDの切断時にその端部の切りくずが出にくくなるので望ましいが、オイルパーム幹WDから連続剥離板UWDが形成された時点以降であれば大きな差異はない。何れにせよ、これらの剥離板Wを乾燥する工程は、乾燥工程となる。
【0027】
所定の面積、所定の厚みの剥離板Wは、
図2に示すように、更に切断され、5枚の所定面積、所定厚さの剥離板W1,・・・,W5が切断される。なお、本実施の形態では、所定の面積、所定の厚みの剥離板Wを5枚積層して用いる合板PWの事例で説明する。
この切断は、
図2(a)に示すかつら剥きされた連続剥離板UWDの供給方向に短い辺の剥離板W1,W3,W5と、
図2(b)に示す連続剥離板UWDの供給方向に長い辺の剥離板W2,W4が形成される。
この5枚の所定面積、所定厚さの剥離板W1,・・・,W5は、裁断によって形成してもよいし、鋸の切断によって形成してもよい。オイルパームの性質上何れでもよいが、裁断の方が作業性からみると効率的である。
【0028】
本実施の形態では、かつら剥きされた連続剥離板UWDの供給方向に短い辺の剥離板W1,W3,W5と、連続剥離板UWDの供給方向に長い辺の剥離板W2,W4を2種類のロータリーレースで形成しているが、連続剥離板UWDの供給方向の幅で5枚の剥離板W1,・・・,W5を得られるように設定してもよい。何れにせよ、
図3に示すように、連続剥離板UWDの供給方向に短い辺の剥離板W1,W3,W5と、連続剥離板UWDの供給方向に長い辺の剥離板W2,W4を互いの繊維の長さ方向が直角になるように積載するものであればよい。
勿論、
図3に示す連続剥離板UWDの供給方向に短い辺の剥離板W1,W3,W5と、連続剥離板UWDの供給方向に長い辺の剥離板W2,W4を繊維の長さ方向が直角になるように積載すれば、連続剥離板UWDの供給方向に短い辺の剥離板W1,W3,W5を2枚、連続剥離板UWDの供給方向に長い辺の剥離板W2,W4を3枚の組み合わせとすることもできる。
【0029】
遅くとも、5枚の所定面積、所定厚さの剥離板W1,・・・,W5が切断され、それを
図3のように加圧前多層材NWの積載状態に位置合わせを行うまでに、湿度の低い温風を所定面積、所定厚さの剥離板W1,・・・,W5の両面に当てて乾燥させる必要がある。加圧前多層材NWとして5枚の剥離板W1,・・・,W5を積層する生産ラインに送るまでには、5枚の剥離板W1,・・・,W5の乾燥が進行するので、その乾燥状態で
図4(a)に示すように、加圧前多層材NWとして積層することができる。この積層を行うときには、5枚の剥離板W1,・・・,W5の各辺を位置決めする
図7に示す枠体20または
図5に示す位置決め孔18等の設定が望ましい。
このように、前記乾燥工程で乾燥させた剥離板Wを所定の状態に複数枚積層する工程を、ここでは積層工程と呼ぶ。
【0030】
そこで、加圧前多層材NWとして積層したものに、所定の温度条件下で所定の圧縮力を加えて圧密化し、所定の時間経過した後、温度を所定の温度まで降下した後、解圧し、合板PWとしたものである。
即ち、加熱工程によって加熱した積層された剥離板Wに、その剥離板Wの面に対して直角方向の圧縮力を加える押圧工程を行い、その押圧工程で所定の温度で所定時間押圧した後、加熱工程で供給していた温度を降下させる固定工程を経て、合板PWを得るものである。
【0031】
ここで、前記積層工程以降で前記積層された剥離板Wの温度を上昇させるべく加熱する工程を加熱工程と呼び、また、加熱工程によって加熱され、積層された剥離板Wに、剥離板Wの面に対して直角方向の圧縮力を加える工程を、押圧工程と呼ぶ。そして、前記押圧工程で所定時間押圧した後、前記加熱工程で供給していた温度を降下させる工程を、圧密化した状態を固定化する意味で固定工程と呼ぶこととする。
【0032】
図5において、本実施の形態の合板PWを製造する圧密加工材製造装置MCは、主として、上プレス盤10Aと下プレス盤10Bとの2分割された構造体によって内部空間IS及び位置決め孔18を形成するプレス盤10と、下プレス盤10Bの周縁部10bに対向する上プレス盤10Aの周縁部10aに配設され、下プレス盤10Bには加圧前多層材NWの位置を定め規制する位置決め孔18が形成され、上プレス盤10Aの所定の上下動の範囲で内部空間IS及び位置決め孔18を密閉状態とするシール部材11と、上プレス盤10Aの上面側から内部空間IS内に連通され、内部空間IS及び位置決め孔18内に蒸気を供給するための配管口12aを有する配管12と、その上流側のバルブV4と、下プレス盤10Bの側面側から内部空間IS及び位置決め孔18内に連通され、内部空間IS内から水蒸気を排出するための配管口13aを有する配管13と、配管13内の蒸気圧を検出する圧力計P2と、その下流側のバルブV5と、バルブV5に接続されたドレン配管14等から構成されている。
【0033】
また、プレス盤10の上プレス盤10A及び下プレス盤10B内には、それらを高温の水蒸気を通すことによって所望の温度に昇温するための配管路15,16が形成されており、これら配管路15,16には蒸気供給側の配管ST1から分岐された配管ST2,ST3、蒸気排出側の配管ET1,ET2がそれぞれ接続されている。そして、蒸気供給側の配管ST1,ST2,ST3の途中にはバルブV1,V2,V3、配管ST1内の蒸気圧を検出する圧力計P1が配設されており、蒸気排出側の配管ET1,ET2は、バルブV6を介してドレン配管14に接続されている。
【0034】
なお、配管ST1に水蒸気を供給するボイラ装置、また、プレス盤10の固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aを上昇/下降させ加圧するための油圧機構を含むプレス昇降装置は省略されている。
本実施の形態1では、プレス盤10の上プレス盤10A及び下プレス盤10Bで形成される内部空間IS及び位置決め孔18内を加熱するためにバルブV4に接続された配管12を用いて高温の水蒸気を導入しているが、この他、高周波加熱、マイクロ波加熱等を用いることも可能である。特に、木材に対する高周波加熱は、マイクロ波による誘電過熱よりも、マイクロ波よりも若干周波数の低い高周波で、木材の中心から加熱する方法が好適である。
【0035】
更に、プレス盤10には、上プレス盤10A及び下プレス盤10B内に形成された配管路15,16に水蒸気に換えて低温の冷却水を通すことによって所望の温度に冷却する冷却水供給側の配管ST11から分岐された配管ST12,ST13が、上記配管ST2,ST3にそれぞれ接続されている。また、冷却水供給側の配管ST11,ST12,ST13の途中にはバルブV11,V12,V13が配設されている。なお、配管ST11に冷却水を供給する冷却水供給装置は省略されている。
勿論、本発明を実施する場合には、プレス盤10にてプレス圧縮される方向は、加圧前多層材NWの5枚の剥離板W1,・・・,W5の面に対して直角方向に圧縮力が加えられる。
【0036】
そして、このように構成される圧密加工材製造装置MCによって加圧前多層材NWから合板PWを製造するにあたり、まず、
図6(a)に示すように、圧密加工材製造装置MCにおけるプレス盤10の固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aが上昇され、予め所定の条件に乾燥させた加圧前多層材NWが、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bで形成される内部空間IS及び位置決め孔18内に載置される。
ここで、本実施の形態においては、合板PWの原材料となる加圧前多層材NWは、所定の寸法(厚み・幅・長さ)に形成されたものであり、5枚の剥離板W1,・・・,W5の面側をプレス盤10の上プレス盤10A及び下プレス盤10Bに対向させ、下プレス盤10Bの位置決め孔18に載置した。
【0037】
続いて、
図6(b)に示すように、固定側の下プレス盤10Bの位置決め孔18上に載置された加圧前多層材NWに対して上プレス盤10Aを所定圧力にて下降させて加圧前多層材NWの上面、即ち、本実施の形態においては、剥離板W1,・・・,W5の面に対して垂直方向に当接させる。そして、上プレス盤10Aの配管路15及び下プレス盤10Bの配管路16に所定温度(例えば、110〜180〔℃〕)の水蒸気が通され、内部空間IS及び位置決め孔18内が所定温度(例えば、110〜180〔℃〕)に保持される。
【0038】
次に、固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aの圧縮力が所定圧力(例えば、20〜50kg/cm
2)に設定され、加圧前多層材NWが上プレス盤10A及び下プレス盤10Bにて所定時間(例えば、5〜40〔min〕)加熱圧縮される。なお、このときの圧縮力は、割れを防止するために、加圧前多層材NWの温度上昇、即ち、加圧前多層材NWの内部の温度の伝達状態に応じて徐々に大きくするのが望ましく、加熱圧縮の時間も伝達時間を考慮して設定するのが好ましい。
【0039】
更に、
図6(c)に示すように、上プレス盤10Aの周縁部10aが下プレス盤10Bの周縁部10bに当接すると上プレス盤10Aの周縁部10aに配設されたシール部材11によって、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bにて形成される内部空間IS及び位置決め孔18が密閉状態となる。そして、内部空間IS及び位置決め孔18の密閉状態で上プレス盤10A及び下プレス盤10Bによる圧縮力が保持されたまま、所定温度(例えば、150〜210〔℃〕)まで上昇される。
【0040】
なお、本実施の形態において、プレス盤10の上プレス盤10A及び下プレス盤10Bによって形成される内部空間IS及び位置決め孔18がシール部材11を介して密閉状態となったときにおける内部空間IS及び位置決め孔18の上下方向の寸法間隔は、プレス盤10によって加圧前多層材NWが気乾比重0.7以上の合板PWとなるときの厚み方向の仕上がり寸法に設定されている。このため、加圧前多層材NWの厚み全体の圧縮率、即ち、加圧前多層材NWの圧縮による板厚の変化は、上プレス盤10Aの周縁部10aが下プレス盤10Bの周縁部10bに当接することで決まることとなる。
【0041】
そして、
図6(c)に示す内部空間IS及び位置決め孔18の密閉状態で、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bの圧縮力が維持され、かつ、内部空間IS及び位置決め孔18が所定温度(例えば、150〜210〔℃〕)のまま、所定時間(例えば、30〜120〔min〕)保持され、この後の冷却圧縮を解除したときに、戻りのない合板PWを形成するための加熱処理が行われる。このとき、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bで密閉状態とされている内部空間IS及び位置決め孔18を介して、加圧前多層材NWの周囲面とその内部とでは高温高圧の蒸気圧が出入り自在となっている。
なお、このように、本実施の形態においては、加圧前多層材NWの表裏面に上プレス盤10A及び下プレス盤10Bが面接触し、密閉状態の内部空間IS及び位置決め孔18に保持されるため、加圧前多層材NWは、厚み全体が十分に加熱され、効率よく圧縮変形されることになる。
【0042】
次に、
図6(d)に示すように、内部空間IS及び位置決め孔18の密閉状態で加熱圧縮処理が行われているときに、蒸気圧制御処理として圧力計P2で内部空間IS及び位置決め孔18の蒸気圧が検出され、バルブV5が適宜、開閉される。これにより、配管口13a、配管13を通って内部空間IS及び位置決め孔18からドレン配管14側に高温高圧の水蒸気が排出されることで、特に、加圧前多層材NWの外層部分の含水率に基づく余分な内部空間IS及び位置決め孔18内の水分が除去され、内部空間IS及び位置決め孔18内が所定の蒸気圧となるように調節される。また、必要に応じて、バルブV4に接続された配管12、配管口12a(
図5)を介して内部空間ISに所定の蒸気圧を供給することができる。これらにより、木材の加熱圧縮処理の定着、所謂、木材の固定化がより促進されることとなる。
【0043】
更に、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bによる加熱圧縮から冷却圧縮へと移行する直前に、蒸気圧制御処理としてバルブV5が開状態とされることで配管口13a、配管13を通って内部空間IS及び位置決め孔18からドレン配管14側に高温高圧の水蒸気が排出される。
【0044】
続いて、
図6(e)に示すように、上プレス盤10Aの配管路15及び下プレス盤10Bの配管路16に常温の冷却水が通されることによって、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bが常温前後まで冷却され、材料によって異なる所定時間(例えば、10〜120〔min〕)保持される。なお、このときの固定側の下プレス盤10Bに対する上プレス盤10Aの圧縮力は、加熱圧縮の際の圧力と同じ所定圧力(例えば、20〜50kg/cm
2)に保持されたまま、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bが冷却される。
そして、最後に、
図6(f)に示すように、固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aを上昇させ、内部空間IS及び位置決め孔18から仕上がり品である合板PWが取出されることで一連の処理工程が終了する。
【0045】
本実施の形態の積層合板PWを製造する圧密加工材製造装置MCは、主として、上プレス盤10Aと下プレス盤10Bとの2分割された構造体によって内部空間IS及び位置決め孔18を形成するプレス盤10を具備しているが、本発明を実施する場合の加圧前多層材NWの外周の移動規制は枠体20とすることもできる。この加圧前多層材NWの外周の移動規制を行う枠体20は、上プレス盤10Aの寸法によって、上下動自在な構造とするか、固定構造とする必要がある。
【0046】
図7に示す枠体20は、上下動自在な構造としたもので、
図5及び
図6の下プレス盤10Bに配設されるものである。
下プレス盤10Bのベース板25に同一高さの外側下プレス盤10Ba及び内側下プレス盤10Bbを配設し、その間に枠体溝21を形成する。枠体溝21のベース板25側には複数のコイルスプリング22が配設され、その上部に四角の可動枠23が配設されている。可動枠23の内面には、切欠きが形成されていて加圧前多層材NWの側面からの水蒸気等の流体を導く流体路24となっている。四角の可動枠23の内周は加圧前多層材NWの外周に略等しくなっており、四角の可動枠23に加圧前多層材NWが入ると各剥離板W1,・・・,W5に位置ずれが生じないようになっている。したがって、上プレス盤10Aが下降した時、それが下プレス盤10Bの寸法以上の広さを有していても、可動枠23と当接すると、可動枠23が複数のコイルスプリング22の弾性に抗して下降し、加圧前多層材NWの圧縮に応答する。そして、複数のコイルスプリング22の移動限界で加圧前多層材NWの圧縮が終了する。勿論、下プレス盤10Bの可動枠23に対して上プレス盤10Aが挿入される構造である場合には、下プレス盤10Bに可動枠23を固定配置とすることができる。
【0047】
このようにして、剥離板W1,・・・,W5の繊維の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、剥離板W1,・・・,W5の厚みが加熱圧縮され、圧密加工されて気乾比重を0.7以上とした合板PWが製造される。
なお、本実施の形態においては、蒸気圧を制御した後、徐々に解圧して内部蒸気圧を開放し、また、冷却によって加圧前多層材NW内の水蒸気圧を下げて定着させるので、冷却圧縮を解除したときに膨らみ変形やパンクと呼ばれる表面割れのない合板PWを形成できる。即ち、本実施の形態で製造した合板PWは、圧縮解除後に膨らみ変形や表面割れを生じることがなく、安定した品質が確保されている。本実施の形態では、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bを用いて圧縮し、定着して合板PWを得ているが、本発明を実施する場合には、通常の電子レンジが使用するマイクロ波の周波数帯域よりも若干周波数の低い高周波で誘電加熱して加圧前多層材NWを加熱圧縮し、定着しても、合板PWを得ることができる。
【0048】
本実施の形態における5枚の剥離板W1,・・・,W5は、その厚みを1.5mm,2.0mm,2.5mm,3.0mm,3.5mm,4.0mm,4.5mm,5.0mm,5.5mm,6.0mmのものを、その繊維長が直角に交差するように各同一厚さの5枚の剥離板W1,・・・,W5を配置した加圧前多層材NWから圧縮して合板PWを製造した。
【0049】
基本的に圧縮前の加圧前多層材NWの厚み7.5〜30mmに対して、3〜10mmの圧密加工を行った合板PWを得た。供給する水蒸気の温度は、110〜210度に上昇させ、その間に加えた圧縮力は20〜50kg/cm
2である。ここで、1.5mmの剥離板Wは5枚積層することにより、7.5mmの加圧前多層材NWとなるが、実験室レベルでの所定の圧縮率で圧縮した場合の圧縮誤差及び解圧後の膨張によって1割以下であるが誤差が介在している。
【0050】
また、念のため、本実施の形態における5枚の剥離板W1,・・・,W5は、その厚みを1.5mm,2.0mm,2.5mm,3.0mm,3.5mm,4.0mm,4.5mm,5.0mm,5.5mm,6.0mmのものを、その繊維長が平行になるように各同一厚さの5枚の剥離板W1,・・・,W5を配置した加圧前多層材NWから圧縮して積層合板PWを製造した。
前者と同様に、基本的に圧縮前の加圧前多層材NWの厚み7.5〜30mmに対して、3〜10mmの圧密加工を行った合板PWを得た。供給する水蒸気の温度は、110℃から210度に上昇させ、その間に加えた圧縮力は20〜50kg/cm
2である。
【0052】
表1では、繊維長が直角に交差するように各同一厚さの5枚の剥離板W1,・・・,W5を配置した加圧前多層材NWを「交差接合状態」と示し、繊維長が平行する加圧前多層材NWを「平行接合状態」として示した。表1は耐久試験の結果であり、4月〜6月の3か月間太陽光が使用者される場所に置き、自然の天候条件下で、晴れの日には10時と4時に水を30分間噴霧したものである。「交差接合状態」の1.5mmと2.0mmの積層合板PWでは、部分的に表面が面一でなくなり、内部で気泡の発生、剥離等が発生している可能性があった。即ち、使用環境条件の拘束を受けることが判明した。この試験では、自然界の温度の急変に対する対応を検討したものである。ここで、「交差接合状態」よりも「平行接合状態」の方が互いの結合が容易であり、良好な強度が得られることを証明している。しかし、繊維方向が特定方向に定まっているから、板としての平面性には欠けるが、逆に、合板PWを巻回して搬送すること、特定の弧状のコンクリート枠等として使用することもできる。
【0053】
しかし、他の試料は、ヘミセルロースはリグニンとセルロースとの結び付ける機能を有しているから、オイルパーム幹WDの自然栽培されている状態では、互いにどれだけ干渉し合っているかは不明であるが、所定の温度(140度以上)、例えば、リグニンの反応開始温度の80度以上に温度を上げることにより、ヘミセルロースの反応開始温度の60度以上となり、互いに反応し、接合力が強くなり、堅固な材料となることが判明した。
「交差接合状態」の1.5mmと2.0mmの積層合板PWでは、直径0.2〜1.0mmの繊維が交差すると、その交差位置では、ヘミセルロースがリグニンとセルロースとの結び付きを行っても、所定の温度及び圧縮力で得られる絶対的ヘミセルロース及びリグニン、セルロースの総量が少なく、接合が完全に行われていないと推定される。
【0056】
また、発明者らは、過酷な使用条件として表2の試験を行った。なお、多くの試料を使用したが、今回提出の試料は、顕著な特徴が表れているところを抽出したものである。
合板Aは4枚の剥離板Wからなり、その剥離板Wの厚みを3.0mmとしたものである。また、合板Bは4枚の剥離板Wからなり、その剥離板Wの厚みを2.5mm+3.0mm+2.5mm+3.0mmとしたものである。合板Cは3枚の剥離板Wからなり、その剥離板Wの厚みを2.5mm+3.0mm+2.5mmとしたものである。合板Dは3枚の剥離板Wからなり、その剥離板Wの厚みを3.0mm+3.0mm+3.0mmとしたものである。
加圧前多層材NWと積層合板PWの圧縮率は、式
(加圧前多層材NWの厚み−合板PWの厚み)/加圧前多層材NWの厚み
で算出した。
【0057】
ここで、30℃の湯と、60℃の湯につけるという過酷な試験を行った。合板A及び合板Bは30℃の湯につけても90分以内に変化は見られなかった。しかし、60℃の湯につけると45分で積層面が軟化した。
また、合板Cでは、30℃の湯につけても30分で積層面が軟化した。即ち、これはヘミセルロースの反応開始温度の60℃以上の問題ではなく、圧縮力の影響が出ていると推定できる。圧縮力を大きくすると合板Cの内部の空気がなくなり、緻密な接合が行われるものの、圧縮力が弱いと繊維を潰すことなく形式的な接合が行われているに過ぎないので、そこに湯が入り全体が軟化したものと推定される。当然、60℃の湯につけても15分で積層面が軟化した。
【0058】
そして、合板Dは、剥離板Wの厚みを増加させ、圧縮力を増加させることにより、30℃の湯に45分間は問題なく着けられており、また、60℃の湯でも15分間は耐えている。したがって、圧縮力を大きくすることが必要であり、圧縮率からいえば65%以上の圧縮率が望ましい。特に、70%以上の圧縮率が安全性が高くなる。また、圧縮率が低い場合には、表面に撥水性のコーティング剤の塗布が望ましい。
【0059】
即ち、試験的には、圧縮率が65%以上であると、剥離板W1,・・・,W5を互いに繊維長が直角に交差するように配置してなる加圧前多層材NWとし、しかも、剥離板Wの厚みは2.5mmに境界線があるから、2.5mm以上であることが望ましい。
特に、自然界で30℃の湯中に積層合板PWが浸漬される条件は皆無であるが、それでも、剥離板Wの厚みは2.5mm、圧縮率が65%以上であれば、使用できることを示している。
また、60℃の湯中に合板PWが浸漬される条件は、ヘミセルロースがリグニンとセルロースとの結付きを阻害する可能性を確認するものであるが、圧縮率が65%以上であれば、それも現れ難いことを示している。
しかし、圧縮率の境界線が65%程度にあることを意味するものであるから、大量生産する場合には、望ましくは65%以上であり、また、剥離板Wの厚みも3.0mm以上が望ましい。
【0062】
上記実施の形態では、所定長のオイルパーム幹WDをその周方向に回転させながらロータリーレースで刃物CTを当てて、所定の厚みに剥いて薄板とした剥離板Wを用いている。しかし、オイルパーム幹WDの繊維を積極的に意匠面側に配置することもできる。
図10は所定長のオイルパーム幹WDから、
図8に示す所定の幅及び厚み、長さの板取りを行った製材板Zを説明するものである。
オイルパーム幹WDから木材の製材同様に柾目及び板目を得られるように切断しても、
図8(c)のように、年輪がなく、
図8(b)のように、オイルパーム幹WDの長さ方向に繊維の束が形成されているだけであるから、何れで板取りしても、
図8(c)のように、柾目状の製材板Z(Z1,・・・Z5)となる。この種の製材板は、意匠面として露出面に使用されるので、通常、圧密加工前の厚み3mm以上に形成される。ここでも、圧縮率が65%以上で圧縮することが望ましいが、繊維方向に乱れが入っていないから、圧縮率が60%以上であれば、接合が良好に行われる。
【0063】
このように形成した製材板Z1及び製材板Z2は、
図9に示すように隣接する製材板Z1及び製材板Z2間を接合することもできる。
図9は、製材板Zは、製材板Z1と製材板Z2の互いの端部を傾斜させた傾斜部M2と、その端部位置に形成した数mm程度の段差部M1と段差部M3から形成されている。ここで製材板Z1及び製材板Z2の面に対して垂直方向の圧縮力を加えると、傾斜部M2相互間及び段差部M1と段差部M3相互間が接合し、一枚ものになる。特に、オイルパーム幹WDの色は乾燥状態、加熱温度等で若干の違いがあるが、成長年数及び加熱温度を揃えるだけで接続部分のない一枚板が形成される。
【0064】
このとき、加圧前多層材NWの上面に載置した状態で一体に圧力を加えて、合板PWとして一体に形成してもよいし、
図9のように一体に接続したものでは繊維方向が一定方向であるから、巻回して持ち運びを行い、特定の面に接合することができる。
また、
図10はその他の例で、
図10(a)は合板PWの片側上面の剥離板W1の位置で、製材板ZUを接合したもの、
図10(b)は合板PWの両側の面の剥離板W1に製材板ZUと剥離板W5の位置で製材板ZDとを接合したものである。これによって、製材板ZUと製材板ZDの一方を意匠性の良いものとし、他方を機械的強度等の物性を異にして使用することができる。
【0065】
上記のように、本実施の形態のオイルパーム剥離板Wの接合を行う組成物は、所定長のオイルパーム幹WDをその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から刃物CTを当てて、所定の厚みに剥いて剥離板Wを形成し、所定の厚みで剥いた剥離板Wを乾燥させて、所定枚数積層し、剥離板Wの温度を上昇させ、かつ、前記積層された剥離板Wを剥離板Wの面に対して直角方向の圧縮力を加えて圧縮し、合板PWとして接合するオイルパーム剥離板Wの接合において、剥離板Wを一体に接合する前記接合は、所定の厚みに剥いた剥離板Wの面を接着機能を有する接合面とし、複数枚の剥離板Wの温度及び圧縮力の制御によって前記複数枚の剥離板Wをオイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類成分としたものである。
【0066】
したがって、オイルパーム幹WDは節、年輪がないからロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて剥離板Wを作成する場合、均質な剥離板Wが得られ、結果的に、その剥離板Wからなる合板PWは均質なものとなる。また、加える温度と圧力によってオイルパーム幹WD自体が含有する樹脂成分及び糖成分によってその接合力を変化させるから、加える温度と圧力の制御によって任意の接着力が得られる。そして、複数枚の剥離板Wをオイルパーム幹WD自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合して合板PWを形成するものであるから、他の合成樹脂、合成ゴムを接着材として使用していないから、自然に戻すことができ公害問題を引き起こさない。
【0067】
更に、オイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の作用によって接合されるときの圧縮力によって、剥離板Wの空隙が殆どなくなり、緻密な組織になるから、耐水性があり、かつ、防水、防虫性に富み、建築材料として使用しても耐用年数が長くなる。
特に、ヘミセルロースはリグニンとセルロースとの結び付ける機能を有しており、オイルパーム幹WDの自然栽培されている状態では、互いにどれだけ干渉し合っているかは不明である。しかし、所定の温度、例えば、リグニンの反応開始温度の80度以上に温度を上げることにより、ヘミセルロースの反応開始温度の60度以上となり、互いに反応し、堅固な特性となることが確認された。
【0068】
本実施の形態のオイルパーム圧密材は、所定長のオイルパーム幹WDをその周方向に回転させながら外周からロータリーレースで所定の厚みに剥いてなる剥離板W、所定長のオイルパーム幹WDから所定の幅及び厚み、長さの板取りを木材と同様に行った製材板Zにおいて、剥離板W及び/または製材板Zを複数枚、オイルパーム幹WD自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合したものである。
したがって、所定の厚みに剥いた剥離板Wの面を、接着機能を有する接合面とし、剥離板W及び/または製材板Zの温度及び圧縮力の制御によって複数枚の剥離板Wをオイルパーム幹WD自体が含有する圧密加工で1mmの厚み程度まで圧密加工して得られるリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類成分で接合したものである。
【0069】
オイルパーム幹WDは節、年輪がないからロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて剥離板Wを作成する場合、所定長のオイルパーム幹WDから所定の幅及び厚み、長さの板取りを行った製材板Z(Z1,・・・Z5)を作成する場合、何れも均質な剥離板W、製材板Z(Z1,・・・Z5)が得られ、結果的に、その剥離板W及び/または製材板Zの複数枚からなる合板PWは均質なものとなる。また、加える温度と圧縮力によってオイルパーム幹WD自体が含有する樹脂成分及び糖成分によってその接合力を変化させるから、加える温度と圧縮力の制御によって任意の接着力が得られる。そして、前記複数枚の剥離板Wをオイルパーム幹WD自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合して合板PWを形成するものであるから、他の合成樹脂、合成ゴムを接着材として使用していないから、自然に戻すことができ公害問題を引き起こすことがない。更に、オイルパーム幹WD自体が含有する樹脂成分及び糖成分によって接合されるときの圧縮力によって、前記剥離板の空隙が殆どなくなり、緻密な組織になるから、耐水性があり、かつ、防水、防虫性に富み、建築材料として使用しても耐用年数が長くなる。
【0070】
また、広い平面板を形成する場合も、剥離板W及び/または製材板Zを横、即ち、オイルパーム幹WDの長さに直角な幅方向に接続することにより、広い板が得られる。
そして、剥離板Wの温度を上昇させ、かつ、剥離板W及び/または製材板Zの面に対して直角方向の圧縮力を加えて圧縮し、合板PWに一体に接合する際の剥離板Wの温度上昇は、スチーム加熱または熱板加熱の何れでもよいし、両者の同時使用も可能であり、また、圧縮圧力は、接合面に前記オイルパームの幹自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類を導くことができればよいので製造自由度が高い。
【0071】
更に、本実施の形態のオイルパーム圧密材は、剥離板W及び/または製材板Zにおいて、温度を120度以上の環境で1〜100kg/cm
2以上の圧縮力で、剥離板W及び製材板Zの圧密加工後の厚みが1mm以上として接合されているものであるから、剥離板W及び/または製材板Zの温度及び圧縮力の制御によって、オイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の作用によって剥離板W及び/または製材板Zを複数枚接合して合板とすることを意味する。特に、ヘミセルロースはリグニンとセルロースとの結び付ける機能を有しており、堅固に接合できる。また、剥離板W及び製材板Zの圧密加工後の厚みが1mm以上として剥離板W及び/または製材板Zを接合したものであるから、オイルパームの繊維が直径0.2〜1.0mmと太く、かつ、強くても、圧縮前の厚みが3mm以上のオイルパーム剥離板W側から接合面積にリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類が供給されるから、空隙が形成されることがなくなり、長寿命のオイルパーム圧密材となる。
【0072】
本実施の形態のオイルパーム圧密材は、所定長のオイルパーム幹WDをその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から刃物CTで所定の厚みに剥いて剥離板Wを形成し、前記所定の厚みで剥いた剥離板Wを乾燥させて、所定枚数積層し、剥離板Wの温度を上昇させ、かつ、前記積層された剥離板Wを剥離板Wの面に対して直角方向の圧縮力を加えて圧縮し、合板PWとして接合するオイルパーム剥離板Wの接合組成物において、剥離板Wを一体に接合するのは、複数枚の剥離板Wの温度及び圧縮力の制御によって前記複数枚の剥離板Wをオイルパーム幹WD自体が含有する樹脂成分及び糖成分としたものである。
【0073】
したがって、オイルパーム幹WDは節、年輪がないからロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて剥離板Wを作成する場合、均質な剥離板Wが得られ、結果的に、その剥離板Wからなる合板PWは均質なものとなる。また、加える温度と圧力によってオイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類成分によってその接合力を変化させるから、加える温度と圧力の制御によって任意の接着力が得られる。そして、複数枚の剥離板Wをオイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類成分によって接合して合板PWを形成するものであるから、他の合成樹脂、合成ゴムを接着材として使用していないから、自然に戻すことができ公害問題を引き起こさない。更に、オイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の作用によって接合されるときの圧縮力によって、剥離板Wの空隙が殆どなくなり、緻密な組織になるから、耐水性があり、かつ、防水、防虫性に富み、建築材料として使用しても耐用年数が長くなる。
【0074】
上記実施の形態のオイルパーム剥離板Wの接合組成物における前記オイルパーム剥離板Wを一体に接合してなる合板PWは、前記複数枚積層した剥離板Wの1枚をオイルパーム剥離板W以外の製材板Zを、
図10(a)のように、片側の露出面に配設することにより、当該製材板ZUをオイルパーム剥離板Wの接着能力で接合することができる。また、それら片側の露出面に配設した木目を生かした意匠とすることができる。また、オイルパーム剥離板Wを一体に接合してなる合板PWの1枚をオイルパーム剥離板W以外の木材、例えば、ラワン材の幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いた薄板からなる剥離板W(ベニヤ板の1層相当)とすることができる。したがって、合板PWの片側の面のみを他の材料からなる薄い木材、竹材とすることができる。特に、化粧板として使用するのに好適である。
【0075】
上記実施の形態のオイルパームの接合組成物における前記オイルパーム剥離板Wを一体に接合してなる合板PWは、複数枚積層した剥離板Wの両端面の2枚をオイルパーム剥離板W以外の製材板ZUを、
図8(b)のように、片側の露出面に配設することにより、当該製材板ZUをオイルパーム剥離板Wの接着能力で接合することができる。この片側の露出面に配設した製材板ZUは、木目を生かした意匠とすることができる。また、反対面の露出面に配設した薄い板材WDは、耐湿度、耐震動、耐防虫性等の木材の性質を利用した特性とすることができる。また、剥離板Wを一体に接合してなる合板PWの1枚をオイルパーム剥離板W以外の木材、例えば、ラワン材の幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いた剥離板W(ベニヤ板の1層相当)を露出面側の1枚または両露出面側の2枚とすることができる。したがって、合板PWの片側の面のみを他の材料からなる薄い木材、竹材とすることができる。特に、化粧板として使用するのに好適である。
【0076】
上記実施の形態のオイルパーム剥離板Wの接合は、所定長のオイルパーム幹WDをその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに刃物CTで剥いて剥離板Wに形成する工程を剥離板工程とすることができる。また、剥離板Wを乾燥する剥離板Wの乾燥工程は、剥離板Wに形成する工程と同一行程であっても、別工程であってもよく、これを乾燥工程とすることができる。
そして、乾燥させた剥離板Wを所定の状態に複数枚加圧前多層材NWとして積層する工程は、通常、2枚乃至5枚の単位で積層して使用されるが、原理的には、2枚以上の積層であればよく、これを積層工程とすることができる。
【0077】
更に、積層工程以降で積層された剥離板Wの温度を上昇させるべく加熱する工程で、水蒸気または電熱を導入して加熱または熱板で加熱する工程は、加熱エネルギを供給するから加熱工程とすることができる。更にまた、前記加熱工程によって加熱された前記積層された剥離板Wに対して、剥離板Wの面に直角方向の圧縮力を加える工程は、所定の圧縮率で剥離板Wの圧縮、即ち、加圧前多層材NWの圧縮が行えればよい。この工程は、押圧工程とすることができる。
加えて、前記押圧工程で所定時間押圧した後、前記加熱工程で供給していた温度を降下させ、合板PWの圧縮状態を固定し、所定の圧縮率で圧縮していた圧縮力を解圧するものであり、これを積層合板PWから捉えて固定工程とすることができる。
【0078】
このように、上記実施の形態のオイルパーム剥離板Wの接合方法は、所定長のオイルパーム幹WDをその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに刃物CTで剥いて複数枚の剥離板Wに形成する剥離板工程と、その剥離板Wを乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程で乾燥させた剥離板Wを所定の状態に複数枚積層する積層工程と、前記積層工程以降で前記積層された剥離板Wの温度を上昇させるべく加熱する加熱工程と、前記加熱工程によって加熱された前記積層された剥離板Wに、剥離板Wの面に対して直角方向の圧縮力を加える押圧工程と、前記押圧工程で所定時間押圧した後、前記加熱工程で供給していた温度を降下させる固定工程を具備するものである。
【0079】
したがって、これらの工程で使用されるオイルパーム幹WDは節、年輪がないからロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いて剥離板Wを作成する場合、均質な剥離板Wが得られ、結果的に、その剥離板Wからなる合板PWは均質なものとなる。また、加える温度と圧縮力によってオイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の作用によってその接合力を変化させることができるから、加える温度と圧縮力の制御によって任意の接着力が得られる。そして、前記複数枚の剥離板Wをオイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の作用によって接合して積層合板PWを形成するものであるから、他の合成樹脂、合成ゴムを接着材として使用していないから、自然に戻すことができ公害問題を引き起こさない。更に、オイルパーム幹WD自体が含有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類の作用によって接合されるときの圧縮力によって、剥離板Wの空隙が殆どなくなり、緻密な組織になるから、耐水性があり、かつ、防水、防虫性に富み、建築材料として使用しても耐用年数が長くなる。
【0080】
上記実施の形態の前記乾燥工程で乾燥させた剥離板Wを所定の状態に積層する積層工程の5枚の剥離板W1,・・・,W5の各辺を位置決めする枠体20または位置決め孔18は、所定の積載面を規制する枠体20または位置決め孔18であり、複数枚の剥離板Wの面の上下及び左右を規制するものである。したがって、その圧縮力を加える面に対して直角方向に剥離板Wが伸びることが防止され、合板PWの位置によって厚い個所と薄い個所が生じることがない。
【0081】
上記実施の形態の剥離板Wを所定の状態に複数枚積層する積層工程では、前記複数枚積層した剥離板Wの1枚をオイルパーム剥離板W以外の製材板Zとし、オイルパーム剥離板W以外の製材板Zを含めて積層合板PWに一体に接合したものである。このように、オイルパーム剥離板Wの接合組成物におけるオイルパーム剥離板Wを一体に接合してなる合板PWは、前記複数枚積層した剥離板Wの1枚をオイルパーム剥離板W以外の製材板Zからなる製材板ZUを、
図10(a)のように、片側の露出面に配設することにより、当該製材板ZUをオイルパーム剥離板Wの接着能力で接合することができる。また、それら片側の露出面に配設した木目を生かした意匠とすることができる。したがって、合板PWの片側の面のみを他の材料からなる薄い木材、竹材とすることができる。特に、化粧板として使用するのに好適である。
【0082】
上記実施の形態の剥離板Wを所定の状態に複数枚積層する積層工程では、前記複数枚積層した剥離板Wの両端面の2枚をオイルパーム剥離板W以外の薄板とし、オイルパーム剥離板W以外の製材板Zを含めて合板PWに一体に接合したものである。この実施の形態の合板PWは、複数枚積層した剥離板Wの両端面の2枚をオイルパーム剥離板W以外の製材板Zとした製材板ZUを、
図10(b)のように、片側の露出面に配設することにより、当該製材板ZUをオイルパーム剥離板Wの接着能力で接合することができる。この片側の露出面に配設した製材板ZUは、木目を生かした意匠とすることができる。また、反対面の露出面に配設した製材板ZDは、耐湿度、耐震動、耐防虫性等の木材の性質を利用した特性とすることができる。したがって、合板PWの片側の面のみを他の材料からなる薄い木材、竹材とすることができる。特に、化粧板として使用するのに好適である。
【0083】
上記実施の形態の剥離板W1,・・・,W5を、所定の状態に複数枚積層する積層工程では、前記複数枚積層した剥離板W1,・・・,W55の片側の面の1枚または両端面の2枚をオイルパーム剥離板W1または剥離板W5以外の木材等からなる製材板ZU及び/または製材板ZVとし、オイルパーム剥離板W1,・・・,W5以外の薄板を含めて合板PWとして一体に接合したものである。ここでは、剥離板Wを1枚以上とすることができる。
勿論、オイルパーム剥離板W1,・・・,W5以外の木材等からなる製材板ZU及び/または製材板ZDをラワン材とすることもできる。また、ベニヤ板と同様に、所定長のラワン材の幹をその周方向に回転させながらロータリーレースで外周から所定の厚みに剥いた剥離板Wをオイルパーム剥離板W以外の木材からなる製材板ZU及び/または製材板ZDとすることができる。
なお、ここにおける接合には、オイルパーム幹の剥離板は凹凸面に対して逆の凸凹面に成型する能力があることから、その成形能力を利用した機械的接合も含まれている。
【0084】
本実施の形態で説明している圧密加工とは、前記オイルパーム薄板W等を所定の温度条件下で所定の圧縮力を加えて圧縮し、所定の時間経過後、前記温度を所定の温度まで降下させて解圧する固定化によって、基材を所定の圧縮率で圧縮する加工である。
このとき、前記オイルパーム幹WDの維管束Aは、
図12(a)に示すように、ほぼ円形で(最大長+最小長)/2で算出した維管束Aの平均径(相加平均=算術平均)は、0.4〜1.2mmの太さであり、その中に導管Bも形成されている。維管束Aの太さは、オイルパーム幹WDの位置によって大きく変化し、
図11に示すように一般に、上側では細く、根元側では太くなっている。また、オイルパーム幹WDの切断面の位置からすれば、外周側の維管束Aの断面は細く、中心に向かって徐々に太くなっている。
このオイルパーム薄板Wの維管束Aが破壊されると、ささくれた(棘が刺さり易い)表面となり、表面的には圧密加工しない状態の表面との違いがなくなる。特に、維管束Aの破壊は通常よりも硬いささくれが立つので、その取扱いが危険になる。そこで、硬いささくれが立たない状態を
図12(b)に示すような1mm以上と特定したものである。
【0085】
圧密加工においては、圧縮力の方向に対して、直角方向の伸びを規制している。即ち、オイルパーム薄板Wに対して特定方向から圧縮力を加える。その加える圧縮力に対して、オイルパーム薄板Wは軟化して垂直方向に流動する。圧縮力の方向に対して直角方向の伸びを規制しない場合には、オイルパーム薄板Wの全体が、圧縮力を受けている位置から流れ出し、圧縮力が加わっていない所に集まってしまう。そこで、オイルパーム薄板Wの外周に対して圧縮力が加わっても軟化しているオイルパーム薄板Wが流れ出さないように、圧縮力の方向に対して直角方向の伸びを規制している。
【0086】
維管束Aの周囲はシリカ結晶が付着して硬く、導管Aが圧密加工によって変形しても、0.4〜1.2mmの太さの1/10〜2/10程度の変形にすぎない。圧密加工では、維管束Aを除く柔細胞Cの変形となって変化する。しかし、維管束Aに直接外力が及ぶように圧縮しても、機械的強度が変化しないか、逆に、降下するので、オイルパーム幹WDから製材したオイルパーム薄板Wは圧密加工された厚みが1mm以上の厚みであることが望ましい。
【0087】
オイルパーム幹WDの維管束Aが1.2mmの太さのとき、圧密加工された維管束Aは0.8〜0.9mm程度となり、維管束Aを除く柔細胞Cの存在は0.1〜0.2mm程度であるから、その圧密加工状態の機械的強度が大きくなっている。
しかし、維管束Aが破壊される圧力で圧縮したときには、機械的強度が変化しないか、或いは、機械的強度が降下するので圧密加工したオイルパーム薄板Wの厚みは、少なくとも1.0mmは必要となる。例えば、圧密加工したオイルパーム薄板Wの厚みが0.8mm以下の厚みでは、0.4mmの維管束Aは安全であるが、維管束Aの1.2mmのものが多少縮径されたとしても破壊される可能性がある。そこで、圧密加工したオイルパーム薄板Wの厚みが1.0mm以上とすれば、維管束Aが多少は縮径されることは当然であるから、破壊されたり、切断されたりすることがなくなる。
このようにして、圧密加工したオイルパーム薄板Wの厚みは1.0mm以上としたものである。
【0088】
上記のように、本実施の形態のオイルパーム基材Wの圧密化に寄与する組成物は、所定長のオイルパーム幹WDから製材したオイルパーム基材Wが有するリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類成分としたものである。なお、発明者らの分析ではリグニン等の樹脂成分及びセルロース、ヘミセルロース等の糖類成分が主となる組成物と認識しているが、分析能力が向上すると他の成分の関与が否定できなくなる可能性がある。少なくても、圧密化に寄与する成分が他にも存在する可能性は否定できない。