特許第5963205号(P5963205)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963205
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】炭素系材料膜の成膜方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/12 20060101AFI20160721BHJP
   H05K 3/20 20060101ALI20160721BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20160721BHJP
   B05D 1/28 20060101ALI20160721BHJP
   H01M 4/1393 20100101ALN20160721BHJP
【FI】
   H05K3/12 610B
   H05K3/20 C
   B05D1/26 Z
   B05D1/28
   !H01M4/1393
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-136458(P2013-136458)
(22)【出願日】2013年6月28日
(65)【公開番号】特開2015-12134(P2015-12134A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2015年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】391052622
【氏名又は名称】株式会社都ローラー工業
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(72)【発明者】
【氏名】町田 成司
【審査官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−80272(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/124518(WO,A1)
【文献】 特開昭51−101836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/12
B05D 1/26
B05D 1/28
H05K 3/20
H01M 4/1393
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素系微粉末を基材に成膜する成膜方法において、
少なくともSiOを含む無機質系微粉末をベースとし、それに、少なくとも、グラフェン、カーボンナノチューブ、グラファイトのいずれか一又は二以上の炭素系微粉末と、接着剤と、水分が含まれた混合無機質系微粉末を混練し、前記水分で粘性を付与して粘性のあるペースト状の練り生地にする工程と、
前記練り生地を、走行中の基材の片面に薄く略均一厚で供給する工程と、
供給された練り生地を、前記基材に接触回転するロールで圧延する工程と、
前記練り生地圧延後の基材を一対の押しロールで挟んで、当該練り生地を圧延して、基材に数nm〜数μmの厚さの膜を成膜する工程を備えた、
ことを特徴とする炭素系材料膜の成膜方法。
【請求項2】
炭素系微粉末を基材に成膜する成膜方法において、
少なくともSiOを含む無機質系微粉末をベースとし、それに、少なくとも、グラフェン、カーボンナノチューブ、グラファイトのいずれか一又は二以上の炭素系微粉末と、接着剤と、水分が含まれた混合無機質系微粉末を混練し、前記水分で粘性を付与して粘性のあるペースト状の練り生地にする工程と、
前記練り生地を、走行中の基材に接触回転するロールに供給する工程と、
前記ロールの回転により、当該ロールに供給された前記練り生地を基材に転写しながら圧延する工程と、
前記練り生地圧延後の基材を一対の押しロールで挟んで、当該練り生地を圧延して、数nm〜数μmの厚の膜を成膜する工程を備えた、
ことを特徴とする炭素系材料膜の成膜方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の炭素系材料膜の成膜方法において、
基材に供給又は転写された練り生地の上にフィルムを被せ、そのフィルムの上から前記基材を一対の押しロールで挟んで前記練り生地を圧延して、数nm〜数μmの厚さの膜を成膜する工程を備えた、
ことを特徴とする炭素系材料膜の成膜方法。
【請求項4】
炭素系微粉末を基材に成膜する成膜方法において、
少なくともSiOを含む無機質系微粉末をベースとし、それに、少なくとも、グラフェン、カーボンナノチューブ、グラファイトのいずれか一又は二以上の炭素系微粉末と、接着剤と、水分が含まれた混合無機質系微粉末を混練し、前記水分で粘性を付与して粘性のあるペースト状の練り生地にする工程と、
前記練り生地をロールの回転により当該ロールの外周面に沿って引き出されるフィルムに供給する工程と、
前記ロールの回転により前記練り生地を基材に転写しながら圧延する工程と、
前記フィルムの上から前記基材を一対の押しロールで挟んで、前記練り生地を圧延して、数nm〜数μmの厚さの膜を成膜する工程を備えた、
ことを特徴とする炭素系材料膜の成膜方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の炭素系材料膜の成膜方法において、
混合無機質系微粉末が、金属性導電材、シリコン、酸化チタンのいずれか一又は二以上も混合されたものである、
ことを特徴とする炭素系材料膜の成膜方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の炭素系材料膜の成膜方法において、
練り生地を基材の両面に供給又は転写し、その練り生地を圧延して、基材の両面に成膜する、
ことを特徴とする炭素系材料膜の成膜方法。
【請求項7】
請求項4記載の炭素系材料膜の成膜方法において、
混練機から供給される練り生地を、ロールの外周に引き出されるフィルムで受け、
前記フィルムの上の練り生地を、前記ロールの回転により、走行中の基材に転写し、
前記基材の走行方向に多段に配置された回転中のロールで挟んで、当該基材に転写されている練り生地を圧延して成膜する、
ことを特徴とする炭素系材料膜の成膜方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炭素系材料を基材(例えば、フィルム、薄板、金属箔等)の成膜方法に関し、例えば、リチウム電池の負極、コンデンサ用フィルムをはじめとする各種電子デバイスとして使用できる導電性フィルムの製造に適するものである。
【背景技術】
【0002】
グラフェン、カーボンナノチューブ、グラファイトといった炭素系材料はその電子的特性から、リチウム電池の電極材料とか、他の電子デバイス材料として注目を浴びている。併せて、炭素系材料の一つであるカーボンナノチューブ(CNT)を用いた透明導電フィルムの研究が進んでいる。CNTは界面活性剤に分散され、スピンコート法やスプレー法等の手法でフィルムに成膜されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】月刊誌「コンバーテック」2013年6月号、No.483:株式会社加工技術研究会発行(www.ctiweb.co.jp)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のスピンコート法やスプレー法による成膜は成膜時に材料に無駄が多く、工程が複雑でロール・ツー・ロール法などの量産性の高い連続成膜法が困難である。
【0005】
前記課題を解決するため、分散剤として、前記界面活性剤に代えてマトリックスポリマーを使用し、それに、単層カーボンナノチューブ(SWNT)を分散し、それを基材の上に垂らし、ドクターブレードを一定速度で動かして、SWNT・ポリマーフィルムを成膜する方法が研究されている(非特許文献1:84頁)。
しかし、この成膜方法では、マトリックスポリマーが導電性で、高い電気抵抗を示すため、成膜したままの状態ではSWNT本来の導電性を得ることができない。そのため、成膜後にナノチューブ周りのマトリックスポリマーを除去しなければならないという難点があった(非特許文献1:85頁)。
【0006】
本発明の目的は、無機質系微粉末をベースとし、それに、グラフェン、カーボンナノチューブ、グラファイトといった炭素系材料が含まれている微粉末(以下「炭素系微粉末」という。)を、フィルム、金属箔、板材といった各種基材に成膜可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の炭素系材料膜の成膜方法は、炭素系微粉末を基材に成膜する成膜方法において、水分と炭素系微粉末を混練して粘性のあるペースト状の練り生地にする工程と、前記練り生地を基材の上に供給する工程と、供給された練り生地を基材に接触回転するロールで圧延して基材に成膜する工程を備えた方法である。
【0008】
本発明の炭素系材料膜の成膜方法は、炭素系微粉末を基材に成膜する成膜方法において、水分と炭素系微粉末を混練して粘性のあるペースト状の練り生地にする工程と、前記練り生地を基材に接触回転するロールに供給する工程と、前記ロールの回転により前記練り生地を圧延して基材に成膜する工程を備えた方法とすることもできる。
【0009】
本発明の炭素系材料膜の成膜方法は、前記炭素系材料膜の成膜方法において、練り生地の上にフィルムを被せ、そのフィルムの上から練り生地をロールで圧延して成膜することもできる。
【0010】
本発明の炭素系材料膜の成膜方法は、炭素系微粉末を基材に成膜する成膜方法において、水分と炭素系微粉末を混練して粘性のあるペースト状の練り生地にする工程と、前記練り生地をロールの外周面に沿って引き出されるフィルムに供給する工程と、前記ロールの回転により前記練り生地を基材に転写しながら、前記フィルムの上から前記練り生地を圧延して基材に成膜する工程を備えた方法とすることもできる。
【0011】
本発明の炭素系材料膜の成膜方法は、前記炭素系材料膜の成膜方法において、練り生地を基材の両面に供給して圧延して、基材の両面に成膜することもできる。
【0012】
本発明の炭素系材料膜の成膜方法は、前記炭素系材料膜の成膜方法において、練り生地を多段のロールで圧延することもできる。
【0013】
本発明の炭素系材料膜の成膜方法は、水分と炭素系微粉末を混練して粘性のあるペースト状の練り生地にする混練機と、混練機から基材に直に又は間接的に供給された練り生地を圧延するロールを備えた成膜装置で成膜することができる。
【0014】
本発明の炭素系材料膜の成膜方法は、混練機から基材に供給された練り生地の上に被せるフィルムを備えた成膜装置で成膜することができる。
【0015】
本発明の炭素系材料膜の成膜方法は、混練機から供給される練り生地を受けるフィルムを備えた成膜装置で成膜することができる。
【0016】
本発明の炭素系材料膜の成膜方法は、基材の走行方向先方に、ロールで圧延された練り生地を圧延する押しロールを備えた成膜装置で成膜することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の炭素系材料膜の成膜方法は次のような効果がある。
(1)炭素系粉末を練って粘性のあるペースト状の練り生地にしてから、基材に供給して圧延するので均一厚に、薄く成膜し易い。
(2)フィルムの外から圧延するので基材に圧延された成膜と圧延したロールが剥離し易く、ロールが基材上の成膜から離れるときに成膜に亀裂が入ったり、成膜が欠損したりしにくい。
(3)圧延するので、成膜内の炭素系材料の配向性が向上し、導電性も向上する。
【0018】
本発明の炭素系材料膜の成膜方法は次のような効果ある。
(1)混練機を備えた成膜装置で容易に混練できる。
(2)ロール・ツー・ロールで基板を走行させながら成膜できるので生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明において、練り生地を基材に供給して、ロールで圧延する場合の成膜方法及びそれに使用する成膜装置の説明図。
図2】本発明において、練り生地を基材の上のロールに供給して、ロールから基材に供給(転写)し、その練り生地をフィルムの上から圧延する場合の成膜方法及びそれに使用する成膜装置の説明図。
図3】本発明において、練り生地を基材に供給して、フィルムの上から圧延する場合の成膜方法及びそれに使用する成膜装置の説明図。
図4】本発明において、練り生地をロールに供給して、ロールから基材に供給(転写)し、その練り生地をフィルムの上から圧延する場合の成膜方法及びそれに使用する成膜装置の説明図。
図5】本発明において、練り生地をフィルムに供給し、フィルムから基材に供給(転写)し、その練り生地をフィルムの上から圧延する場合の成膜方法及びそれに使用する成膜装置の説明図。
図6】本発明において、基材の下面に成膜する場合の成膜方法及びそれに使用する成膜装置の説明図。
図7】本発明において、基材の上下両面に成膜する場合の成膜方法及びそれに使用する成膜装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施形態)
本発明の成膜方法及びそれに使用する成膜装置の実施例を、図面に基づいて説明する。図1図7に示した実施例は、フィルム状の基材3を巻取りロールで巻取りながら成膜するロール・ツー・ロール方式の場合であるが、本発明では、基材3が枚葉(一枚ずつ分離されている状態)のものであっても実施可能である。枚葉の場合は、例えば、基材を積層してストッカーにストックしておき、一枚ずつ自動的に供給されるようにするとか、一枚ずつ手差しする等することができる。
【0021】
本発明で使用する基材は、電子デバイスとして可能な基材、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)といった各種樹脂フィルム、ガラス薄板、金属箔等である。
【0022】
本発明で使用する炭素系微粉末は、無機質系微粉末(例えばSiO)をベースにし、それに、グラフェン、カーボンナノチューブ、グラファイトといった炭素系材料、接着剤等が含まれている微粉末であり、水分を数%程度含むものとか、無機質系微粉末とそれ以外の素材が混合されたものでもよく、例えば金属性導電材が混合されたもの、シリコン、酸化チタン等が混合されたものであってもよい。
【0023】
(実施形態1:図1
本発明の炭素系材料膜の成膜方法は、水分を含む炭素系微粉末Aを混練機1で混練して粘性のあるペースト状の練り生地(混練物)2にし、その練り生地2を基材3の片面(図1では上面)に薄く略均一厚で供給し、供給された練り生地2を、基材3を挟んで基材3に接触して回転する二つ一対のロール4a、4bで圧延して基材3の片面に成膜する方法である。図1では、ロール4a、4bよりも基材3の走行方向先方二箇所に、上下に対向配置して設けた一対の押しロール5a、5bで挟んで練り生地を圧延できるようにしてある。図示した押しロール5a、5bは基材3の走行方向に離して二段設けてあるが、押しロール5a、5bは一段でも三段以上の複数段設けてもよく、それらで練り生地2を所望厚に圧延することができる。
【0024】
前記混練機1には各種構造のものを使用することができ、例えば、小麦粉やうどん粉を練るのに使用されるような混練機を使用して炭素系微粉末Aを攪拌混練し、炭素系微粉末Aに含まれている水分で粘性を付与して、パン生地やうどん生地のような軟質のペースト状にすることができる。
【0025】
基材3に供給する練り生地2の厚さはできるだけ薄くするのが望ましく、例えば0.1〜1mm或いは数ミクロン(数μm)程度が望ましく、圧延後の成膜の厚さは、用途によっても異なるが、数ナノ(数nm)〜数ミクロン(数μm)単位の厚さが望ましい。
【0026】
図1は本発明で使用する成膜装置の側面図であるため、混練機1、基材3、ロール4a、4b、押しロール5a、5bの側方端面しか図示されていないが、実際、基材3は横幅があるため、混練機1、ロール4a、4b、押しロール5a、5bは基材3の横幅と同じ横幅にして、練り生地2を基材3の横幅全域に供給でき、横幅全域の練り生地2を圧延できる横幅或いは長さにしてある。図1の6は基材3の走行を案内する基材ガイドロールである。
【0027】
(実施形態2:図2
図1は基材3に直に供給した練り生地2をロール4a、4b、押しロ−ル5a、5bで直に圧延する方法であるが、本発明では図2のように、練り生地2をロール(転写ロール)4aに供給し、その練り生地2を転写ロール4aの回転により基材3に供給(転写)しながら圧延し、圧延された練り生地2を基材3の走行に伴って押しロール5a、5bで挟んで圧延する方法である。この実施形態2において、実施形態1と共通する構成は実施形態1と同様にする。以下の実施形態3以降においても実施形態1と共通する部分の構成は実施形態1と同様にする。
【0028】
(実施形態3:図3
本発明では図3のように、練り生地2を基材3に直に供給し、その練り生地2をロール4aの外周面に沿って引き出して、前記練り生地2を基材3の上を走行するフィルム7aの上からロール4aで圧延し、圧延された練り生地2をその上に被さっているフィルム7aの上から走行方向先方の押しロール5a、5bで更に圧延して所望厚に成膜する方法である。この場合、ロール状に巻かれている原反フィルム9aを巻取りロール9bで巻取り可能なフィルム供給装置10を設けることもできる。以下の実施形態においてもフィルム供給装置の構成は実施形態3と同様である。
【0029】
(実施形態4:図4
本発明では図4のように、練り生地2をロール(転写ロール)4aに直に供給し、その練り生地2を転写ロール4aの回転により、走行中の基材3に転写しながら圧延し、圧延された練り生地2の上にフィルム7aを引き出して被せ、その練り生地2をフィルム7aの上から押しロール5a、5bで圧延し、フィルム7aを後段上の押しロール5aに沿って巻き取って、練り生地2から剥離する方法である。図4の8はフィルム7a、7bの走行を案内するフィルムガイドロールである。
【0030】
図4は基材3の上面に練り生地2を成膜する方法であるが、本発明では、図4の混練機1、フィルム4を基材3の下側にも配置して、基材3の両面に練り生地2を成膜することも、混練機1、フィルム4を基材3の下側にのみ配置して基材3の下面のみに練り生地2を成膜することもできる。
【0031】
(実施形態5:図5
本発明では図5のように、練り生地2を、ロール(転写ロール)4aの外周面に沿って引き出したフィルム7aの上に供給し、その練り生地2を転写ロール4aの回転により、走行中の基材3の上面に転写しながら圧延し、その練り生地2をフィルム7aの上から押しロール5a、5bで圧延し、フィルム7aを後段上の押しロール5aに沿って巻き取って、練り生地2から剥離する方法である。
【0032】
(実施形態6:図6
本発明では図6のように、練り生地2を、基材3の下のロール(転写ロール)4bの外周面に沿って引き出したフィルム7bの上に供給し、その練り生地2を転写ロール4bの回転により、走行中の基材3の下面に転写しながら圧延し、その練り生地2をフィルム7bの上から押しロール5a、5bで挟んで圧延し、フィルム7bを後段下の押しロール5bに沿って巻き取って、練り生地2から剥離する方法である。
【0033】
(実施形態7:図7
本発明では図7のように、練り生地2を、基材3の上下のロール(転写ロール)4a、4bの外周面に沿って引き出した二枚のフィルム7a、7bの上に供給し、フィルム7aに供給された練り生地2を転写ロール4aの回転により、走行中の基材3の上面に転写しながら圧延し、同時に、フィルム7bに供給された練り生地2を転写ロール4bの回転により、走行中の基材3の下面に転写しながら圧延し、その練り生地2をフィルム7a、7bの上から押しロール5a、5bで挟んで圧延し、フィルム7aを後段上の押しロール5aに沿って巻き取って練り生地2から剥離し、フィルム7bを後段下の押しロール5bに沿って巻き取って練り生地2から剥離する方法である。
【0034】
前記実施形態はいずれも大気中で行う場合であるが、本発明は真空下又は減圧下で行うこともできる。
【符号の説明】
【0035】
1 混練機
2 練り生地(混練物)
3 基材
4a、4b (転写)ロール
5a、5b 押しロール
6 基材ガイドロール
7a、7b フィルム
8 フィルムガイドロール
9a 原反ロール
9b 巻取りロール
10 フィルム供給装置
A 炭素系微粉末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7