(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、組織足場の作製方法を示すフローチャートである。
【
図2】
図2は、特定の実施形態による、欠損部への組織足場の移植を示す図である。
【
図3A】
図3Aは、実施例1に記載の、PCLを含む4週の皮下外植片をヘマトキシリン・エオジン染色した顕微鏡写真(倍率400倍)である。
【
図3B】
図3Bは、実施例1に記載の方法による、PCL、pADM、およびジオキサンを含む注射用組織足場から作製した4週の皮下外植片をヘマトキシリン・エオジン染色した顕微鏡写真(倍率400倍)である。
【
図3C】
図3Cは、実施例1に記載の方法による、PCL、pADM、およびNMPを含む注射用組織足場から作製した4週の皮下外植片をヘマトキシリン・エオジン染色した顕微鏡写真(倍率400倍)である。
【
図3D】
図3Dは、実施例1に記載の、P4HBを含む4週の皮下外植片をヘマトキシリン・エオジン染色した顕微鏡写真(倍率400倍)である。
【
図3E】
図3Eは、実施例1に記載の方法による、P4HB、pADM、およびジオキサンを含む注射用組織足場から作製した4週の皮下外植片をヘマトキシリン・エオジン染色した顕微鏡写真(倍率400倍)である。
【
図3F】
図3Fは、実施例1に記載の方法による、P4HB、pADM、およびNMPを含む注射用組織足場から作製した4週の皮下外植片をヘマトキシリン・エオジン染色した顕微鏡写真(倍率400倍)である。
【
図4A】
図4Aは、実施例1に記載の、PCLを含む12週の皮下外植片をヘマトキシリン・エオジン染色した顕微鏡写真(倍率400倍)である。
【
図4B】
図4Bは、実施例1に記載の方法による、PCL、pADM、およびジオキサンを含む注射用組織足場から作製した12週の皮下外植片をヘマトキシリン・エオジン染色した顕微鏡写真(倍率400倍)である。
【
図4C】
図4Cは、実施例1に記載の方法による、PCL、pADM、およびNMPを含む注射用組織足場から作製した12週の皮下外植片をヘマトキシリン・エオジン染色した顕微鏡写真(倍率400倍)である。
【
図4D】
図4Dは、実施例1に記載の、P4HBを含む12週の皮下外植片をヘマトキシリン・エオジン染色した顕微鏡写真(倍率400倍)である。
【
図4E】
図4Eは、実施例1に記載の方法による、P4HB、pADM、およびジオキサンを含む注射用組織足場から作製した12週の皮下外植片をヘマトキシリン・エオジン染色した顕微鏡写真(倍率400倍)である。
【
図4F】
図4Fは、実施例1に記載の方法による、P4HB、pADM、およびNMPを含む注射用組織足場から作製した12週の皮下外植片をヘマトキシリン・エオジン染色した顕微鏡写真(倍率400倍)である。
【
図5A】
図5Aは、実施例2に記載の方法による、BHA、pADM、およびNMPを含む注射用組織足場から作製した4週の大腿骨顆部外植片をヘマトキシリン・エオジン染色した顕微鏡写真(倍率20倍)である。
【
図5B】
図5Bは、実施例2に記載の方法による、BHA、pADM、およびNMPを含む注射用組織足場から作製した4週の大腿骨顆部外植片をヘマトキシリン・エオジン染色した顕微鏡写真(倍率100倍)である。
【
図5C】
図5Cは、実施例2に記載の方法による、BHA、pADM、およびNMPを含む注射用組織足場から作製した4週の大腿骨顆部外植片をヘマトキシリン・エオジン染色した顕微鏡写真(倍率400倍)である。
【
図6】
図6は、組織欠損部に、BHA、pADM、およびNMPを含む注射用組織足場を移植して12週間後の大腿骨顆部の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願では、単数形の使用は、特記しない限り、複数形を含む。本願では、「または」の使用は、特記しない限り、「および/または」を意味する。さらに、「含む(including)」という用語、ならびに「含む(includes)」および「含まれる(included)」などの他の形態の使用は、限定的ではない。
【0009】
本明細書で使用される節の見出しは、構成を目的とするに過ぎず、記載する内容を限定するものと解釈されるべきではない。以下に限定されるものではないが、特許、特許出願、論文、書籍および条約文書を含む、本願に引用される文献または文献の一部は全て、あらゆる目的でその内容全体が参照により本明細書に明示的に援用される。
【0010】
前述の便益および利点は、一実施形態に関する場合もあれば、幾つかの実施形態に関する場合もあることが分かるであろう。さらに、「1つ」のものに言及する場合、そのようなものの1つ以上に言及していることが分かるであろう。
【0011】
本明細書に記載の方法のステップは、適宜、任意の適切な順番で行われても、または同時に行われてもよい。
【0012】
適宜、本明細書に記載の実施例のいずれかの態様を、記載されている他の実施例のいずれかの態様と組み合わせて、同等のまたは異なる特性を有し、同じまたは異なる問題に対処するさらに他の実施例を形成してもよい。
【0013】
本明細書における好ましい実施形態の説明は単に例として記載されているに過ぎず、当業者により様々な変更がなされ得ることが分かるであろう。本明細書の詳細な説明、実施例およびデータにより、本発明の例示的実施形態の構造および使用を完全に説明する。本発明の様々な実施形態をある程度詳細に、または1つ以上の個々の実施形態を参照して本明細書に記載したが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、開示される実施形態に多くの変更を行うことができる。
【0014】
「無細胞組織マトリックス」(ATM)という用語は、本明細書で使用する場合、一般に、細胞および/または細胞成分を実質的に含まない任意の組織マトリックスを指す。皮膚、皮膚の一部(例えば、真皮)、および他の組織(血管、心臓弁、筋膜、軟骨、骨、神経および結合組織など)を使用して、本開示の範囲に入る無細胞マトリックスを作製してもよい(例えば、細胞および/または細胞成分を除去することにより)。無細胞組織マトリックスが細胞および/または細胞成分を実質的に含まないかどうかを判定するために、多くの方法で無細胞組織マトリックスの試験または評価を行うことができる。例えば、処理された組織を光学顕微鏡検査で検査して、細胞(生細胞もしくは死細胞)および/または細胞成分が残存するかどうかを判定することができる。さらに、特定のアッセイを使用して細胞または細胞成分の有無を確認することができる。例えば、DNAまたは他の核酸のアッセイを使用して、組織マトリックス中に残存する核物質を定量化することができる。一般に、残存するDNAまたは他の核酸がない場合、完全に脱細胞化されている(即ち、細胞および/または細胞成分が除去されている)ことが分かる。最後に、細胞特有の成分(例えば、表面抗原)を同定する他のアッセイを使用して、組織マトリックスが無細胞であるかどうかを判定することができる。
【0015】
本開示の組織足場は、組織再生を支援する生物学的能力を有するATMを含むことができる。幾つかの実施形態では、組織足場は細胞の侵入(ingrowth)と分化を支援することができる。例えば、足場は、組織の侵入、整形外科、歯周部への用途、組織再構築、または組織再建に使用することができる。一実施形態では、組織足場は、線維芽細胞様細胞および血管の存在により実証されるように、再生組織反応を生じさせる。
【0016】
様々な実施形態では、本組織足場は、多くの異なる解剖学的部位の治療に使用することができ、幅広い用途に使用することができる。特定の例示的用途としては、吸収性ドレッシング材、皮膚再生(例えば、あらゆる種類の潰瘍および熱傷の治療のため)、神経再生、軟骨再生、結合組織再生または修復、骨再生、創傷/フォームライニング、一体型の包帯ドレッシング材、植皮用支持体/基材、脈管再生、美容外科、金属および/またはポリマーインプラントコーティング(例えば、インプラントの癒合および生体適合性を向上させるため)、ならびに失われた組織の置換術(例えば、外傷、乳房減量術、乳房切除術、腫瘤摘出術、耳下腺摘出術、または腫瘍切除の後など)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
本組織足場は、動物に移植されたとき、1種類または複数種類のポリマーを使用して足場を単独で作製した場合と比較して、惹起される免疫反応または炎症反応を低減することができる。多くの方法を使用して宿主内での組織足場の効果を試験することができる。例えば、幾つかの実施形態では、移植された足場に対する免疫反応または炎症反応を測定することにより、宿主内での組織足場の効果を試験することができる。組織学的方法を含む多くの方法で、組織足場に対する免疫反応または炎症反応を測定することができる。例えば、以下に詳述するように、組織学的評価を行うために、外植された足場を染色し顕微鏡下で観察することができる。幾つかの実施形態では、炎症細胞(例えば、白血球)の数を測定することにより、足場に対する免疫反応または炎症反応を実証することができる。以下に詳述するように、足場に対する免疫反応または炎症反応の減弱化を、炎症細胞の数の減少と関連付けることができる。例えば、白血球、マクロファージ、および好中球を識別するように設計された免疫組織学的染色方法により炎症細胞を測定することができる。また、免疫組織学的染色方法を使用して、インターロイキン−1、TNF−α、およびTGF−βを含む、炎症性サイトカインの有無を判定してもよい。
【0018】
様々な実施形態では、本開示の組織足場を使用して、様々な障害のいずれかを治療することができる。組織欠損は、例えば、先天性奇形、外傷、感染、および腫瘍切除を含む多くの原因から生じ得る。組織足場は、筋骨格欠損の治療に、例えば、軟骨再生を支援する関節用移植片として使用することができる。組織足場はまた、任意の軟組織、例えば、身体の他の構造および器官を結合、支持または包囲する組織の欠損の治療に使用することもできる。軟組織は骨以外の任意の組織とすることができる。
【0019】
組織足場は、多くの異なる器官系の軟組織の治療に使用することができる。これらの器官系としては、筋肉系、尿生殖器系、消化器系、外皮系、循環器系、および呼吸器系が挙げられるが、これらに限定されるものではない。組織足場はまた、結合組織(胸壁および腹壁の筋膜、即ち、筋肉、骨および関節を取り囲む特殊な層を含む)の治療に、ならびに泌尿器科、婦人科および消化器科の解剖学的構造の組織脆弱部の修復および補強にも有用となり得る。幾つかの実施形態では、治療の必要がある組織または器官は、皮膚、骨、軟骨、半月板、真皮、心筋、骨膜、動脈、静脈、胃、小腸、大腸、横隔膜、腱、靭帯、神経組織、横紋筋、平滑筋、膀胱、尿道、尿管、および歯肉からなる群から選択することができる。
【0020】
図1は、組織足場の作製ステップを示す。足場は粒子状ATMを含むことができる(ステップ100)。幾つかの実施形態では、ATMは、例えば、真皮、軟骨、骨、脱灰骨、血管、心臓弁、筋膜、または神経結合組織に由来するものであってもよい。粒子状ATMの作製を以下に詳細に説明する。幾つかの実施形態では、粒子状ATMは均質なサイズの粒子を含む。粒子状ATMは真皮ATMを含んでもよい。幾つかの実施形態では、真皮ATMはヒト組織マトリックスである。幾つかの実施形態では、真皮ATMはブタ組織マトリックスである。幾つかの実施形態では、粒子状ATMは軟骨組織マトリックスであり、これはヒト軟骨に由来するものであってもよい。幾つかの実施形態では、軟骨組織マトリックスはブタ軟骨に由来する。幾つかの実施形態では、粒子状ATMは骨組織マトリックスを含む。幾つかの実施形態では、骨組織マトリックスはヒトの骨に由来する。幾つかの実施形態では、骨組織マトリックスはブタの骨に由来する。
【0021】
様々な異なる生物学的および力学的特性が付与されるようにATMを選択することができる。例えば、マトリックスが移植される部位に通常見られる組織の再生が可能となるように細胞の侵入および再構築を可能にするようにATMを選択することができる。例えば、ATMは、軟骨上または軟骨の中に移植する場合、過剰な線維化または瘢痕形成が起こることなく軟骨の再生が可能になるように選択されてもよい。さらに、ATMは、過剰な炎症反応を抑え、元の宿主組織と類似の組織が形成されるように選択されてもよい。幾つかの実施形態では、ATMはコラーゲン、エラスチン、および脈管チャネルを含む。ATMの例について以下にさらに詳細に記載する。
【0022】
さらに、組織足場は1種類以上のポリマー材料を含むことができ、それは多くの種類のポリマーから選択することができる。本明細書で使用する場合、ポリマー材料は、合成ポリマーおよび/または天然ポリマーを含むことができる。さらに、ポリマー材料は、個々のポリマーおよび/またはポリマー混合物(コポリマー)を含むことができる。幾つかの実施形態では、ポリマー材料は、ポリグリコリド、ポリラクチド、ポリジオキサン(または他のポリエーテルエステル)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、および/またはポリヒドロキシアルカノエートを含むことができる。例えば、特定の実施形態では、ポリマー材料は、例えば、ポリヒドロキシブチレート(例えば、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−4−ヒドロキシブチレート(P4HB))、ポリヒドロキシバレレート、ポリヒドロキシヘキサノエート、ポリヒドロキシオクタノエート、またはトリメチレンカーボネートなどのポリヒドロキシアルカノエートを含むことができる。代わりにまたはさらに、ポリマー材料は、ポリカプロラクトン(PCL)および/またはヒアルロン酸誘導体(例えば、エステル、酸無水物など)、例えば、ヒアルロン酸のベンジルエステル誘導体(BHA)などを含むことができる。特定の実施形態では、組織足場中のポリマー材料は、ATMに構造を提供することができる。構造は、インプラントの癒合性(integration)、生体適合性、および安定性を向上させることができ、インプラントが治療部位から移動することを防止してもよい。さらに、組織足場中にATMをポリマーと共に含むと、ポリマーだけを含むインプラントと比較して、免疫反応または炎症反応が減弱または低減することによりポリマーの許容性を向上させることができる。
【0023】
幾つかの実施形態では、好適な溶媒にポリマーを溶解して、ポリマー溶液を形成することができる(ステップ120)。本明細書で使用する場合、溶媒は、溶媒混合物を含むことができる。特定の実施形態では、望ましくない反応が起こらないように適切な反応性にするために、溶媒は、使用されるポリマー、および/またはそれが混合される環境もしくは送達元の(delivered from)環境に基づいて選択されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、特定のポリマーが可溶な任意の溶媒を使用してもよい。特定の実施形態では、生体適合性且つ水混和性となるように溶媒を選択してもよい。選択される溶媒はまた、低揮発性であってもよい。幾つかの実施形態では、溶媒は、例えば、ジオキサン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、および/またはジメチルスルホキシド(DMSO)を含んでもよい。ポリマーを溶媒に溶解することにより、粒子状ATMとの十分な混合を助け(accommodate)、その組み合わせの移植を容易にする(例えば、ある部位に注入、充填することなどにより)適切な粘度の溶液を得てもよい。混合物の粘度が上昇または低下するように、ポリマー濃度を操作してもよい。
【0024】
一例として、幾つかの実施形態では、PCLをジオキサンおよび/またはNMPに溶解してもよい。特定の実施形態では、ジオキサンおよび/またはNMPに溶解したPCLは、約5〜30%(w/v)であってもよい。別の実施形態では、ジオキサンおよび/またはNMPに溶解したPCLは、5%、8%、10%、12%、15%、18%、20%、25%、または30%(w/v);5%〜30%(w/v);または10%〜20%(w/v)、およびその間の任意の値であってもよい。
【0025】
他の実施形態では、P4HBをジオキサンおよび/またはNMPに溶解することができる。幾つかの実施形態では、ジオキサンおよび/またはNMPに溶解したP4HBは、約5〜40%(w/v)とすることができる。別の実施形態では、ジオキサンおよび/またはNMPに溶解したP4HBは、5%、8%、10%、12%、15%、18%、20%、25%、30%または40%(w/v);5%〜40%(w/v);または10%〜30%(w/v)、およびその間の任意の値であってもよい。
【0026】
他の実施形態では、BHAをDMSOおよび/またはNMPに溶解してもよい。幾つかの実施形態では、DMSOおよび/またはNMPに溶解したBHAは、約5〜50%(w/v)とすることができる。別の実施形態では、DMSOおよび/またはNMPに溶解したBHAは、5%、8%、10%、12%、15%、18%、20%、25%、30%、40%、または50%(w/v);5%〜50%(w/v);5%〜40%(w/v);10%〜40%(w/v);または10%〜30%(w/v)およびその間の任意の値とすることができる。
【0027】
これらの足場材料はそれぞれ、最終製品に異なる特性を付与することにより、in vivo代謝回転/維持、生体力学的特性、および全体的な生物学的反応の調節を可能にすることができる。
【0028】
次いで、ポリマー溶液を粒子状ATMと混合することができる(ステップ130)。幾つかの実施形態では、ポリマー溶液の容量は、粒子状ATMと組み合わせたとき、ポリマー全体の最終濃度が25%(w/w)となるように選択されてもよい。溶液と粒子状ATMとの混合方法は、組織足場を形成する目的の位置に基づいて選択されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、溶液は、任意の好適な容器内で粒子状ATMと混合されてもよい。他の実施形態では、溶液と粒子状ATMは、1つ以上のシリンジ内で混合されてもよい。例えば、粒子状ATMを第1のシリンジに入れてもよい。所望の容量のポリマー溶液を第2のシリンジに吸入してもよい。次いで、第1のシリンジと第2のシリンジを連結してもよく、材料をシリンジ間を通過させることにより、各シリンジ内の材料を混合してもよい。次いで、得られる最終混合物を1つのシリンジに移してもよい。次いで、混合物の注入を容易にするため、シリンジに針またはカニューレを取り付けてもよい。
【0029】
一実施形態では、組織足場混合物の成分の一部または全部が予備混合されても、または一緒に事前包装されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、既に所望の濃度で溶媒に溶解しているポリマーを、組織足場混合物の作製に提供してもよい。同様に、幾つかの実施形態では、ポリマーを溶媒に溶解した溶液を粒子状ATMと予備混合し、所望の量、包装し、後で使用するために貯蔵してもよい。従って、最終組織足場混合物は、組織足場を形成する前に、および/または貯蔵、出荷、または販売の前に作製されてもよい。
【0030】
次いで、粒子状ATMと、ポリマーと、溶媒との最終混合物を水性媒体と接触させ(ステップ140)、混合物から溶媒を拡散させて、ポリマーとATMから組織足場を形成してもよい。幾つかのin vivo実施形態では、最終混合物は、組織部位内、組織部位上、または組織部位に近接して配置されてもよい。前述のように、組織足場は、様々な用途に、および多くの異なる解剖学的部位の治療に使用することができる。例えば、幾つかの実施形態では、最終混合物は、軟組織の組織欠損部に入れられてもよい。混合物をin situに配置したとき、溶媒は周囲組織または間質空間に拡散することができる。
【0031】
ex vivo実施形態では、最終混合物を、移植する前に、水性媒体と接触させてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、最終混合物を、所望の形状を有する成形型に入れてもよい。成形型は、エッペンドルフ管、金属管、注入管、または、組織足場が移植される組織もしくは器官の欠損部の形状の成形型を含んでもよい。このような実施形態では、最終混合物および/または成形型は、混合物からの溶媒の拡散を促進するために、水性媒体に曝露されてもよい。例えば、最終混合物中の溶媒を一部または全部除去するために、最終混合物および/または成形型をすすいでも、洗浄しても、および/または浴に浸漬してもよい。
【0032】
溶媒の拡散後、ATMとポリマーが均一に分布した組織足場を得てもよい。得られた組織足場は、再生組織粒子がポリマー/合成支持足場に入った構成であってもよい。幾つかの実施形態では、組織足場は、機械的応力がかかっても安定な三次元形状を有してもよい。前述のように、足場材料は、特定の生体力学的特性を有する組織足場が達成されるように選択されてもよい。従って、目的の用途に応じて、組織足場は、硬質、弾性、弾力性、および/または粘弾性であってもよい。幾つかの実施形態では、足場材料は、剛性が標的位置の組織のものに実質的に類似している組織足場を形成するように選択されてもよい。さらに、幾つかの実施形態では、組織足場はまた、標的位置から移動しにくい場合がある。
【0033】
図2は、長骨500(例えば、大腿骨または上腕骨)の欠損505を治療するための、組織足場の移植を例示的に説明する。様々な実施形態では、足場180aは、欠損505の位置に移植することができる。幾つかの実施形態では、組織足場180aは、組織足場材料を提供するシリンジ515に連結された針またはカニューレ510を通して注入することにより移植することができる。
【0034】
無細胞組織マトリックス
「無細胞組織マトリックス」(ATM)という用語は、本明細書で使用する場合、一般に、細胞および/または細胞成分を実質的に含まない任意の組織マトリックスを指す。皮膚、皮膚の一部(例えば、真皮)、および他の組織(血管、心臓弁、筋膜、軟骨、骨、および神経結合組織など)を使用して、本開示の範囲に入る無細胞マトリックスを作製してもよい。無細胞組織マトリックスが細胞および/または細胞成分を実質的に含まないかどうかを判定するために、多くの方法で無細胞組織マトリックスの試験または評価を行うことができる。例えば、処理された組織を光学顕微鏡検査で検査して、細胞(生細胞もしくは死細胞)および/または細胞成分が残存するかどうかを判定することができる。さらに、特定のアッセイを使用して細胞または細胞成分の有無を確認することができる。例えば、DNAまたは他の核酸のアッセイを使用して、組織マトリックス中に残存する核物質を定量化することができる。一般に、残存するDNAまたは他の核酸がない場合、完全に脱細胞化されている(即ち、細胞および/または細胞成分が除去されている)ことが分かる。最後に、細胞特有の成分(例えば、表面抗原)を同定する他のアッセイを使用して、組織マトリックスが無細胞であるかどうかを判定することができる。皮膚、皮膚の一部(例えば、真皮)、および他の組織(血管、心臓弁、筋膜、軟骨、骨、および神経結合組織など)を使用して、本開示の範囲に入る無細胞マトリックスを作製してもよい。
【0035】
一般に、ATMの作製に必要なステップには、提供者(例えば、ヒトの死体または動物供給源)から組織を採取するステップと、生物学的および構造的機能を維持する条件で細胞を除去するステップとが含まれる。例えば、所望の生物学的および構造的機能には、細胞侵入および組織再生を支援する能力、(例えば、手術部位または欠損部を)機械的に支持する能力、および/または、過剰な免疫反応、炎症、線維化および/または瘢痕化を防止する能力が含まれる。特定の実施形態では、本方法は、細胞除去と共にまたはその前に、組織を安定化させ、生化学的および構造的分解が起こらないようにするための化学処理を含む。様々な実施形態では、安定化溶液は、浸透圧性、低酸素性、自己分解性およびタンパク質分解性の分解を抑制および防止し、微生物汚染から保護し、例えば、平滑筋成分(例えば、血管)を含む組織で起こり得る機械的損傷を低減する。安定化溶液は、適切な緩衝液、1種類以上の酸化防止剤、1種類以上の膠質浸透圧剤(oncotic agents)、1種類以上の抗生物質、1種類以上のプロテアーゼ阻害剤、および/または1種類以上の平滑筋弛緩剤を含有してもよい。
【0036】
次いで、組織を脱細胞化溶液に入れ、ATM(例えば、コラーゲンマトリックス)の生物学的および構造的完全性を損なわないように構造的マトリックスから生細胞(例えば、上皮細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、および線維芽細胞)を除去する。ATMの完全性は、多くの方法で試験することができる。例えば、示差走査熱量測定を使用して、架橋(転移温度の上昇)またはコラーゲンの分解(転移温度の低下)を示す熱的転移温度の変化を確認することができる。さらに、電子顕微鏡検査で正常なコラーゲンパターンの変化を実証することができ、酵素消化アッセイでコラーゲンの損傷を実証することができる。さらに、様々なグリコサミノグリカン(例えば、コンドロイチン硫酸およびヒアルロン酸)の損失は、組織マトリックスの望ましくない変化を示し得る。
【0037】
脱細胞化溶液は、適切な緩衝液、塩、抗生物質、1種類以上の界面活性剤(例えば、TRITON X−100(商標)、デオキシコール酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、架橋を防止する1種類以上の薬剤、1種類以上のプロテアーゼ阻害剤、および/または1種類以上の酵素を含有してもよい。ATMを作製する好適な方法は、例えば、H.Xu et al.,A Porcine−Derived Acellular Dermal Scaffold That Supports Soft Tissue Regeneration:Removal of Terminal Galactose−α−(1,3)−Galactose and Retention of Matrix Structure.Tissue Eng.Part A,Vol.15,1−13(2009)(以下「Xu」)に記載されている。特に、Xuの2頁の小見出し「Test materials」の下の段落は、ブタ皮膚からATMを作製する好適な方法を記載している。
【0038】
脱細胞化プロセスの後、組織サンプルを生理食塩水で十分に洗浄する。幾つかの例示的実施形態では、例えば、異種材料を使用する場合、脱細胞化された組織を終夜、室温でデオキシリボヌクレアーゼ(DNアーゼ)溶液で処理する。幾つかの実施形態では、組織サンプルを、DNアーゼ緩衝液(20mM HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)、20mM CaCl
2および20mM MgCl
2)中で作製されたDNアーゼ溶液で処理する。任意選択により、抗生物質溶液(例えば、ゲンタマイシン)をDNアーゼ溶液に添加してもよい。緩衝液が好適なDNアーゼ活性を付与する限り、任意の好適な緩衝液を使用することができる。
【0039】
ATMは、組織足場のレシピエントと同種の1つ以上の個体から作製されてもよいが、必ずしもこのように作製されるわけではない。従って、例えば、組織足場中のATMはブタ組織から作製されてもよい。ATMのレシピエント、およびATMを作製するための組織または器官のドナーの役割を果たすことができる種としては、ヒト、ヒト以外の霊長類(例えば、サル、ヒヒ、またはチンパンジー)、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、アレチネズミ、ハムスター、ラット、またはマウスなどの哺乳類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
ATMからGalα1−3Galβ1−(3)4GlcNAc−Rエピトープ(以下「α−galエピトープ」)を除去することで、ATMに対する免疫反応を低下させてもよい。α−galエピトープは、霊長類以外の哺乳類や新世界ザル(南米のサル)で、細胞外成分である糖タンパク質などの高分子に発現する。U.Galili et al.,J.Biol.Chem.263:17755(1988)。しかし、このエピトープは、旧世界霊長類(アジアやアフリカのサル、および類人猿)やヒトには存在しない。抗gal抗体は、ヒトや霊長類では、腸内細菌のα−galエピトープ糖鎖構造に対する免疫反応の結果として産生される。U.Galili et al.,Infect.Immun.56:1730(1988);R.M.Hamadeh et al.,J.Clin.Invest.89:1223(1992)。
【0041】
霊長類以外の哺乳類(例えば、ブタ)は、α−galエピトープを産生するため、ATMをこれらの哺乳類から霊長類に異種移植すると、ATM上のこれらのエピトープに霊長類の抗Gal抗体が結合するため、免疫活性化が起こることが多い。U.Galili et al.,Immunology Today 14:480(1993);M.Sandrin et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:11391(1993);H.Good et al.,Transplant.Proc.24:559(1992);B.H.Collins et al.,J.Immunol.154:5500(1995)。さらに、異種移植の結果、免疫系の著しい活性化が起こり、多量の高親和性抗gal抗体が産生される。従って、幾つかの実施形態では、α−galエピトープを産生する動物を組織供給源として使用する場合、細胞から、およびATMの細胞外成分からα−galエピトープを実質的に除去することにより、ならびに細胞α−galエピトープの再発現を防止することにより、α−galエピトープへの抗gal抗体の結合に伴うATMに対する免疫反応を低下させることができる。
【0042】
α−galエピトープを除去するため、組織を生理食塩水で十分に洗浄してDNアーゼ溶液を除去した後、組織サンプル中に特定の免疫原性抗原が存在する場合、それを除去するために、組織サンプルに1つ以上の酵素処理を施してもよい。幾つかの実施形態では、組織中にα−galエピトープが存在する場合、それを除去するために、組織サンプルをα−ガラクトシダーゼ酵素で処理してもよい。幾つかの実施形態では、100mMリン酸緩衝液(pH6.0)中で作製された300U/Lの濃度のα−ガラクトシダーゼで組織サンプルを処理する。他の実施形態では、採取した組織からα−galエピトープを十分除去するために、α−ガラクトシダーゼの濃度を400U/Lまで増加させる。抗原の十分な除去が達成される限り、任意の好適な酵素濃度および緩衝液を使用することができる。
【0043】
あるいは、組織を酵素で処理するのではなく、1つ以上の抗原性エピトープが欠損するように遺伝子操作された動物を組織供給源として選択してもよい。例えば、末端α−ガラクトース部分が欠損するように遺伝子操作された動物(例えば、ブタ)を組織供給源として選択することができる。適切な動物の説明については、同時係属中の米国特許出願第10/896,594号明細書および米国特許第6,166,288号明細書を参照されたい(これらの開示は、その内容全体が参照により本明細書に援用される)。さらに、α−1,3−ガラクトース部分が減量または欠損しているまたはしていない、無細胞マトリックスを作製するための特定の例示的組織処理方法が、Xuに記載されている。
【0044】
ATMを形成した後、任意選択により組織適合性生細胞をAMT中に播種して移植片を作製してもよく、それはさらに宿主により再構築され得る。幾つかの実施形態では、移植前に標準的なin vitro細胞共培養法により、または移植後にin vivo再増殖により組織適合性生細胞をマトリックスに添加してもよい。in vivo再増殖は、ATMの中に移動するレシピエント自身の細胞で行われても、またはレシピエントから得られた細胞もしくは別のドナーから得られた組織適合性細胞をin situでATMの中に注入もしくは注射することにより行われてもよい。胚性幹細胞、成人幹細胞(例えば、間葉系幹細胞)、および/または神経細胞を含む様々な種類の細胞を使用することができる。様々な実施形態では、これらの細胞を移植直前または移植後にATMの内部に直接付着させることができる。特定の実施形態では、移植されるATMに細胞を入れ、移植前に培養することができる。幾つかの実施形態では、溶媒が足場から拡散した後、所望の解剖学的部位の組織足場に生細胞を添加してもよい。
【0045】
特定の実施形態では、ATMは、それぞれヒトおよびブタ無細胞真皮マトリックスである、ALLODERM(登録商標)またはSTRATTICE(商標)(LifeCell Corporation,Branchburg,NJ)を含むことができる。このような材料の例は、米国特許第6,933,326号明細書および米国特許第7,358,284号明細書に記載されている。
【0046】
粒子状無細胞組織マトリックス
以下の手順を使用し、ALLODERM(登録商標)、STRATTICE(商標)または他の好適な無細胞組織マトリックスを使用して、粒子状無細胞組織マトリックスを作製することができる。包装から取り出した後、途切れのない「連続」回転刃(cutting wheel)を備えたZimmer mesherを使用して、ATMを細片に切断することができる。得られたATMの細長片を長さ約1cm〜約2cmの長さに切断してもよい。
【0047】
OMNI International(Warrenton,Va)から入手可能なLabTeck Macro homogenizerなどの、ホモジナイザーと滅菌したホモジナイザープローブを組み立てて、ホモジナイザータワーに注がれる滅菌液体窒素を使用して極低温に冷却してもよい。ホモジナイザーが極低温に達した後、前述のように予め細片に作製したATMを、滅菌液体窒素が入っているホモジナイジングタワーに加えることができる。次いで、ホモジナイザーを作動させてATMの細片を凍結破砕してもよい。凍結破砕ステップの回数と持続時間は、使用するホモジナーザー、ホモジナイジングチャンバのサイズ、ホモジナーザーの運転速度および回数に依存し、当業者は所望の結果が達成されるようにパラメータを単純に変化させることによりそれらを決定することができる。
【0048】
凍結破砕された粒子状ATM材料は、ホモジナイザーの生成物を液体窒素と共に、同様に液体窒素温度に冷却された一連の金属篩で篩分けすることにより、粒径選別されてもよい。前述のタイプのホモジナイジングタワー内で篩の組み合わせを使用してもよく、まず過大粒子を排除した後、過小粒子を排除するように粒子を篩分けし、選別する。
【0049】
単離後、滅菌液体窒素が蒸発した後、粒子状ATMを取り出し、バイアルに入れて凍結乾燥させてもよい。これにより、上記手順中に吸収された可能性のある残留水分を確実に除去することができる。
【0050】
最終生成物は、粒径約1ミクロン〜約900ミクロン、または粒径約30ミクロン〜約750ミクロンの粉末とすることができる。粒子は、約150〜300ミクロンを平均値として分布する。材料は、通常生理食塩水または他の類似の好適な再水和剤に懸濁することにより容易に再水和される。再水和されたATMは、通常生理食塩水または薬学的に適合性のある他の任意の好適な担体に再懸濁されてもよい。
【0051】
特定の実施形態では、粒子状ATMは、ALLODERM(登録商標)の注射用の形態であるCYMETRA(登録商標)(LifeCell Corporation,Branchburg,NJ)を含むことができる。このような材料の例は、米国特許第7,358,284号明細書および米国特許第6,933,326号明細書に記載されている。
【0052】
以下の実施例は、様々な実施形態をさらによく説明するために記載するものであり、決して本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【実施例】
【0053】
実施例1
ブタ真皮組織由来粒子状ATM(pADM)を有する再生組織足場の移植の効果を、後述の手順に従い、予備形成されたポリマー単独の移植と比較した。
【0054】
粒子状ATMから再生組織足場を作製した。ATMはブタ真皮組織から作製し、凍結乾燥した。乾燥ATMを約1cm
2片に切断し、凍結粉砕機用バイアルに入れた。次いで、液体窒素で予め冷却したSPEX6800フリーザーミルにバイアルを入れ、凍結破砕プロトコルを実施した。次いで、粒子状ATMをバイアルから取り出し、乾燥貯蔵条件で維持した。
【0055】
pADMと組み合わせたPCL、およびpADMと組み合わせたP4HBをそれぞれ、以下の手順に従い、ジオキサンとNMPのそれぞれに可溶化させた。選択されたポリマーを選択された溶媒に10%(w/v)の濃度で可溶化させた。次いで、この溶液0.5mlを1mlシリンジに吸入した。pADM150mgを3mlシリンジに添加した。コネクタを1mlシリンジに装着し、注射外筒から空気を全て抜いた。3mlシリンジのプランジャを2mlの目盛りまで引き戻し、シリンジを軽くたたいてpADM粉末を緩めた。次いで、3mlシリンジを1mlシリンジに接続した。1mlシリンジからの溶液を3mlシリンジにゆっくり注入し、pADMを濡らした。pADMが完全に濡れているように見えるまで、3mlシリンジを繰り返し軽くたたいた。材料を1mlシリンジと3mlシリンジとの間で約10回移してポリマー溶液とpADMを均一に混合し、終了時に材料が3mlシリンジ内にあるようにした。1mlシリンジを切り離し、3mlシリンジのプランジャを後退させた。3mlシリンジ軽くたたき、内容物がプランジャに当接するように充填した。プランジャをゆっくり押し下げて、3mlシリンジから空気を全て排出した。次いで、1mlシリンジ再接続し、ポリマー−pADM混合物を約2分間、2つのシリンジ間を繰り返し往復させた。ポリマー−pADM混合物を1mlシリンジに移し、送達するために針/カニューレを取り付けた。
【0056】
前述の様々なポリマー−pADM混合物、PCLだけを含む構成物、およびP4HBだけを含む構成物をそれぞれ、免疫適格ラット(シチロウネズミ(Rattus norvegicus);ルイスラット(Lewis Rat))の背側面の小さい切開を通して皮下位置に移植した。移植の4週後(
図3A〜F)および12週後(
図4A〜F)に、外植片を回収してPBSで洗浄し、10%ホルマリンで固定した。固定した組織をパラフィンに包埋し、組織マトリックスサンプルの切片を標準的な手順を使用してヘマトキシリン・エオシン(H&E)で染色した。D.C.Sheehan and B.B.Hrapchak,Theory and Practice of Histotechnology,2
nd edn.,Columbus,OH,Battelle Press(1987)。
【0057】
次いで、サンプルを顕微鏡で400倍の倍率(
図3A〜Fおよび
図4A〜F)で観察した。
図3A〜Cは、それぞれ、4週間後のPCL単独、pADMとジオキサン、およびpADMとNMPの結果を示す。
図3D〜Fは、それぞれ、4週間後のP4HB単独、pADMとジオキサン、およびpADMとNMPの結果を示す。同様に、
図4A〜Cは、それぞれ、12週間後のPCL単独、pADMとジオキサン、およびpADMとNMPの結果を示す。また、
図4D〜Fは、それぞれ、12週間後のP4HB単独、pADMとジオキサン、およびADMとNMPの結果を示す。外植体の組織学的分析から、ジオキサンまたはNMPに可溶化させた場合、PCLとP4HBはpADMが存在すると、PCLおよびP4HB単独の外植体と比較して炎症反応が減弱することが分かった。
【0058】
実施例2
ウサギの大腿骨顆部への再生組織足場の移植を評価した。実施例1に記載の手順に従って、BHA、pADM、およびNMPを含むインプラントを作製した。BHAを、NMP溶媒中のpADMと混合し、ウサギの大腿骨顆部に形成された約3.5×3mmの骨軟骨欠損部に注入した。4週間後にサンプルを取り出し、ヘマトキシリン・エオシンを用いた通常の組織学的染色を使用して、細胞の反応を評価した。サンプルを顕微鏡で20倍、100倍、および400倍の倍率(それぞれ、
図5a〜c)で観察した。また、組織足場インプラント180bを示す大腿骨顆部の写真を12週目に撮影した(
図6)。結果から、欠損部位のヒアリン様軟骨の付着により実証されるようにインプラントの持続性と再生組織反応が認められた。
【0059】
本明細書に開示される本発明の詳細な説明および実施を考慮することにより、本発明の他の実施形態が当業者には明らかになるであろう。詳細な説明および実施例は例示に過ぎないものと見なされるべきであり、本発明の真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲により示されるものとする。