特許第5963222号(P5963222)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963222
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】DFMB誘導体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 235/10 20060101AFI20160721BHJP
   C07D 277/64 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   C07D235/10
   C07D277/64
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-556900(P2014-556900)
(86)(22)【出願日】2012年2月20日
(65)【公表番号】特表2015-506991(P2015-506991A)
(43)【公表日】2015年3月5日
(86)【国際出願番号】CN2012071346
(87)【国際公開番号】WO2013123634
(87)【国際公開日】20130829
【審査請求日】2015年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】508079739
【氏名又は名称】ローディア オペレーションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】チャン, タオ
(72)【発明者】
【氏名】メルシエ, クロード
(72)【発明者】
【氏名】ブイジーネ, オリヴィエ
【審査官】 清水 紀子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0244110(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/110685(WO,A1)
【文献】 米国特許第03890344(US,A)
【文献】 国際公開第2010/092962(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/016528(WO,A1)
【文献】 特開平10−045735(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0224953(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第1760185(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第1760184(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第101016274(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第101016276(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第101012204(CN,A)
【文献】 国際公開第2008/032077(WO,A1)
【文献】 国際公開第97/010219(WO,A1)
【文献】 Ge, Fenglian; Wang, Zengxue; Wan, Wen; Lu, Wencong; Hao, Jian,One-pot synthesis of 2-trifluoromethyl and 2-difluoromethyl substituted benzo-1,3-diazoles,Tetrahedron Letters,2007年,Vol.48, No.18,p.3251-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 235/10
C07D 277/64
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(III)
の化合物の製造方法であって、
芳香族系溶媒及び追加された酸の不存在下で式(I)の化合物を過剰量の式(II)の化合物と反応させる工程
(式中、
− nは0、1、2、3、又は4であり、
− XはNH、O、又はSであり、
− 各R基は同じでも異なってもよく独立に水素、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキル、カルボニル、カルボキシル、カルボン酸エステル基、アミド、シアノ、−CF、−CFCl、ニトロ、又はアミノ基からなる群から選択され、
− R基はヒドロキシル、Cl、F、Br、アミノ、又はアルコキシからなる群から選択される)を含む、製造方法。
【請求項2】
前記式(I)の化合物に対する式(II)のモル比が2〜10である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記式(I)の化合物に対する式(II)のモル比が2〜5である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各Rが独立に水素、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、カルボニル、カルボキシル、カルボン酸エステル基、アミド、シアノ、−CF、−CFCl、ニトロ、又はアミノ基からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのRが独立に水素、ニトロ、メトキシ基、又は−COOエチルからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記化合物(I)が1,2−フェニレンジアミン(オルトフェニレンジアミン)である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
がヒドロキシル、Cl、F、Br、アミノ、又は(C〜C)アルコキシからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
がエトキシである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記化合物(II)がジフルオロ酢酸エチルである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物(III)が2,2−ジフルオロメチル 1H−ベンズイミダゾールである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記式(I)の化合物が十分に反応し、前記式(III)の化合物である生成物が取り除かれた後、前記過剰量の式(II)の化合物を含有する反応媒体が少なくとも部分的にリサイクルされる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記式(I)の化合物が十分に反応し、前記式(III)の化合物である生成物が取り除かれた後、前記過剰量の式(II)の化合物を含有する反応物が完全にリサイクルされる、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DFMB(2−ジフルオロメチル−1H−ベンズイミダゾール)誘導体の製造方法に関し、特には溶媒として直接DFAE(ジフルオロ酢酸エチル)を用いたDFMBの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DFMB誘導体は、重要な新種の医薬品原料、特には医薬品中間体原料であり、また有力な抗HIV−1生理活性物質としての原料である。
【0003】
国際公開第2008032064号パンフレットには、出発物質としてピリミジン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を用いたDFMB(2−ジフルオロメチル−1H−ベンズイミダゾール)の合成方法が開示されている。この文献の99ページには、87℃で41時間、触媒の使用なしで収率が77%であるトルエン中でのDFMBの製造方法が記載されている。
【0004】
しかし、国際公開第2008032064号パンフレットに開示されている方法は、溶媒としてのトルエンと非常に長い反応時間を必要とし、これは環境に優しくなく、また比較的高いコストを要する。したがって、芳香族系溶媒なしに低コストでDFMB誘導体を合成するための新規な方法を開発する必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、芳香族系溶媒を使用することなしに低コストでDFMB誘導体を合成するための新規な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かくして、本発明は式(III)
の化合物の製造方法であって、
芳香族系溶媒の不存在下で式(I)の化合物を過剰量の式(II)の化合物と反応させる工程
(式中、
− nは0、1、2、3、又は4であり、
− XはNH、O、又はSであり、
− 各R基は同じでも異なってもよく独立に水素、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキル、カルボニル、カルボキシル、カルボン酸エステル基、アミド、シアノ、ハロゲン化脂肪族、ニトロ、又はアミノ基からなる群から選択され、
− R基はヒドロキシル、Cl、F、Br、アミノ、又はアルコキシからなる群から選択される)を含む製造方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
特に指示のない限り、用語「DFMB誘導体」には、式(III)で示されるようなDFMB及びその誘導体が含まれる。
【0008】
「式(I)の化合物を過剰量の式(II)の化合物と反応させる」は、(II)/(I)のモル比が1以上であることを、好ましくは2以上であることを意味する。いくつかの好ましい実施形態によれば、式(I)の化合物に対する式(II)の化合物のモル比は2〜10である。いくつかの好ましい実施形態によれば、式(I)の化合物に対する式(II)の化合物のモル比は2〜5である。
【0009】
いくつかの好ましい実施形態によれば、各Rは独立に水素、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、カルボニル、カルボキシル、カルボン酸エステル基、アミド、シアノ、ハロゲン化脂肪族基、ニトロ、又はアミノであってもよい。いくつかの好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのRは独立に水素、ニトロ、メトキシ基、又は−COOエチルであってもよい。いくつかの好ましい実施形態によれば、ハロゲン化脂肪族基は−CF又は−CFClなどのパーハロゲン化脂肪族基であってもよい。
【0010】
本発明のある好ましい実施形態では、化合物(I)は1,2−フェニレンジアミン(オルトフェニレンジアミン)である。
【0011】
本発明のある好ましい実施形態では、Rはヒドロキシル、Cl、F、Br、アミノ、又は(C〜C)アルコキシであってもよい。本発明の更に好ましい実施形態では、Rはエトキシである。
【0012】
本発明のある好ましい実施形態では、化合物(II)はジフルオロ酢酸エチル(DFAE)又はジフルオロ酢酸(DFA)である。
【0013】
本発明のある好ましい実施形態では、化合物(III)は2,2−ジフルオロメチル 1H−ベンズイミダゾール(DFMB)である。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、DFMBは、次の式に従って、1,2−フェニレンジアミンと過剰のDFAE(ジフルオロ酢酸エチル、溶媒としても機能)とから触媒なしで合成される。
1,2−フェニレンジアミン+DFAE−−>DFMB+EtOH+H
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、DFMBは、次の式に従って、1,2−フェニレンジアミンと過剰量のDFA(ジフルオロ酢酸、溶媒としても機能)とから触媒なしで合成される。
1,2−フェニレンジアミン+DFA−−>DFMB+2H
【0016】
特には平衡を速い方へ移動させ、それにより量産性を向上するために、反応中に生成した副生成物(水及び/又はアルコール)を連続的に又は不連続的に蒸留することもできる。
【0017】
本発明の方法では、芳香族系溶媒は使用されない。好ましくは、式(II)の化合物が溶媒として使用され、追加的な溶媒は添加されない。
【0018】
いくつかの好ましい実施形態によれば、式(I)の化合物が十分に反応し、式(III)の化合物である生成物が取り除かれた後、過剰の式(II)の化合物を含有する反応媒体は少なくとも部分的に、好ましくは完全にリサイクルされる。
【0019】
本方法によれば、反応を非常に短時間に完結させることができる。例えば、式(II)の化合物として、かつ反応系内の唯一の溶媒として、DFAEが使用される場合、90℃で2〜4時間以内にDFMBを合成することができる。
【0020】
本発明にかかる方法は、反応系を冷却して反応系からDFMB誘導体生成物を結晶化させることによるワンポット法で行うことができる。
【0021】
本発明の方法によって、出願人は驚くべきことに比較的単純かつ安価な方法でDFMB誘導体を製造できることを見出した。第1に、本方法は環境に優しくない芳香族系溶媒を必要としない。より驚くべきことには、本方法は反応物以外の追加的な溶媒なしで行うことができる。第2に、本方法は、本発明のいくつかの実施形態によれば、反応の完結に必要とされる反応時間を数時間へと、例えば2〜5時間へと驚くほど短縮できる。第3に、本方法は触媒を全く必要としないにもかかわらず、短時間でほぼ100%の変換率を達成することができる。第4に、反応系を冷却することによって純粋なDFMB誘導体を反応系から結晶化させることができる。したがって、DFMB誘導体生成物は、単純に濾過、洗浄、及び乾燥を行うことによって反応系から分離することで、高収率で高純度の生成物を得ることができる。更に、過剰の式(II)の化合物、例えばDFAE、を含有する母液を、新しいバッチにリサイクルすることができる。更に驚くべきことには、2〜5という式(I)の化合物に対する式(II)の化合物のモル比は、短時間で反応を完結するのに通常は十分である。
【0022】
本発明は、触媒が添加されず別途の試薬/活性化剤を必要としないことから、量産性(生成物のキログラム数/m/hrs)の観点で非常に生産的で、排出物がほとんど発生しないか全く発生しない方法を提供する。
【実施例】
【0023】
実験項
1.リサイクルDFAE法:
【0024】
【0025】
実施例1
74.4g(0.6mol)のDFAE(2,2−ジフルオロ酢酸エチル)を、窒素下、室温で21.6g(0.2mol)のベンゼン−1,2−ジアミンに添加した。その後、混合物を還流まで加熱し(94〜98℃)、窒素下で数時間維持した。混合物は次第に青色透明溶液へと変化した。5時間後、ベンゼン−1,2−ジアミンの変換率は>99%であった(ガスクロマトグラフィー(GC)により決定)。混合物を0℃まで冷却し、固体を析出させた。濾過後、得られた固体を冷DFAE(17.4g*3)で洗浄し、減圧下で乾燥した。99%のGC純度、53.56%の収率で18gの淡緑色固体が得られた。濾液(DFAE)とDFAEに可溶化したDFMBとが併せて70gリサイクルされ、実施例2で使用された。
【0026】
実施例2
70.0gのDFAE(実施例1からリサイクル)を、窒素下、室温で21.6g(0.2mol)のベンゼン−1,2−ジアミンに添加した。その後、混合物を還流まで加熱し(94〜98℃)、窒素下で数時間維持した。混合物は次第に青色透明溶液へと変化した。3時間後、ベンゼン−1,2−ジアミンの変換率は>99%であった(GC)。混合物を0℃まで冷却し、固体を析出させた。濾過後、得られた固体を冷DFAE(17.4g*3)で洗浄し、減圧下で乾燥した。99%のGC純度、110.68%の収率で37.2gの淡緑色固体が得られた。併せて71.4gの濾液(DFAE)とDFAEに可溶化したDFMBとが実施例3のためにリサイクルされた。
【0027】
実施例3
71.4gのDFAE(実施例2からリサイクル)を、窒素下、室温で21.6g(0.2mol)のベンゼン−1,2−ジアミンに添加した。その後、混合物を還流まで加熱し(98〜100℃)、窒素下で数時間維持した。混合物は次第に青色透明溶液へと変化した。3時間後、ベンゼン−1,2−ジアミンの変換率は>99%であった(GC)。混合物を0℃まで冷却し、固体を析出させた。濾過後、得られた固体を冷DFAE(17.4g*3)で洗浄し、減圧下で乾燥した。99%のGC純度、90.36%の収率で30.37gの淡緑色固体が得られた。全部で68.3gの濾液(DFAE)がリサイクルされた。
【0028】
実施例1〜3では、上述の3バッチの反応で全部で85.57gの生成物が得られ、各実施例の平均収率は85.0%であった。それぞれの生成物は162〜163℃の融点を有していた。生成物を1H−NMRで分析したところ、スペクトルは以下のとおりであった。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:7.16−7.42(m,3H),7.68(m,2H),13.3(s,1H)。19F NMR(282MHz,DMSO−d6)δ:−115.98。
【0029】
2.基質としてのDFA誘導体:
【0030】
【0031】
実施例4
28.8g(0.6mol)のDFA(2,2−ジフルオロ酢酸)を、窒素下、室温で10.8g(0.2mol)のベンゼン−1,2−ジアミンに添加した。その後、混合物を還流まで加熱し(94〜98℃)、窒素下で3時間維持した。混合物は次第に青色透明溶液へと変化した。3時間後、ベンゼン−1,2−ジアミンの変換率は>99%であった(GC)。混合物を室温まで冷却し、NaHCOでpH=7〜8まで中和した。いくらかの固体が析出し、これを濾過し、水で洗浄し、その後減圧下45℃で乾燥した。12.59gの白色固体が単離収率74.87%で得られた。
【0032】
実施例5
15.3g(0.11mol)のDFAipr(2,2−ジフルオロ酢酸イソプロピル)を、窒素下、室温で4.0g(0.037mol)のベンゼン−1,2−ジアミンに添加した。その後、混合物を還流まで加熱し(98〜100℃)、窒素下で3時間維持した。混合物は次第に青色透明溶液へと変化した。19時間後、ベンゼン−1,2−ジアミンの変換率は>99%であった(GC)。混合物を0℃まで冷却し、固体を析出させた。濾過後、得られた固体を冷DFAiprで3回洗浄し、減圧下で乾燥した。4gの淡青色固体が64.3%の単離収率で得られた。
【0033】
実施例6
33.0g(0.294mol)のDFAMe(2,2−ジフルオロ酢酸メチル)を、窒素下、室温で10.8g(0.1mol)のベンゼン−1,2−ジアミンに添加した。その後、混合物を還流まで加熱し(98〜100℃)、窒素下で3時間維持した。混合物は次第に青色透明溶液へと変化した。3時間後、ベンゼン−1,2−ジアミンの変換率は>99%であった(GC)。混合物を0℃まで冷却し、固体を析出させた。濾過後、得られた固体を冷DFAMeで3回洗浄し、減圧下で乾燥した。8.3gの淡緑色固体が50.3%の単離収率で得られた。
【0034】
実施例7
27.84g(0.294mol)のDFAN(2,2−ジフルオロアセトアミド)を、窒素下、室温で10.8g(0.1mol)のベンゼン−1,2−ジアミンに添加した。その後、混合物を還流まで加熱し(120℃)、窒素下で数時間維持した。混合物は次第に青色透明溶液へと変化した。3時間後、ベンゼン−1,2−ジアミンの変換率は87.23%であった(GC)。混合物を0℃まで冷却し、300mlのEAを添加した。有機相を100ml*4の水で洗浄し、次いで50ml*2の食塩水で洗浄した。NaSOで乾燥し、溶媒を除去すると、12.1gの橙色固体が73.5%の単離収率で得られた。
【0035】
3.基質としてのジアミン誘導体:
【0036】
【0037】
実施例8
37.2g(0.3mol)を、窒素下、室温で12.22g(0.1mol)の4−メチルベンゼン−1,2−ジアミンに添加した。その後、混合物を還流まで加熱し(98〜100℃)、窒素下で3時間維持した。混合物は次第に青色透明溶液へと変化した。3時間後、4−メチルベンゼン−1,2−ジアミンの変換率は94.5%であった(GC)。混合物を0℃まで冷却し、固体を析出させた。濾過後、得られた固体を冷DFAEで洗浄し、減圧下で乾燥した。9.32gの淡緑色固体が51.16%の単離収率で得られた。融点152〜153℃。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:2.48(s,3H),7.08−7.68(m,4H),13.16(s,1H)。19F NMR(282MHz,DMSO−d6)δ:−114.79。
【0038】
実施例9
18.61g(0.15mol)のDFAEを、窒素下、室温で7.13g(0.05mol)の4−クロロベンゼン−1,2−ジアミンに添加した。その後、混合物を還流まで加熱し(98〜100℃)、窒素下で4時間維持した。4時間後、4−クロロベンゼン−1,2−ジアミンの変換率は96.4%であった(GC)。混合物を0℃まで冷却し、固体を析出させた。濾過後、得られた固体を冷DFAEで洗浄し、減圧下で乾燥した。6.2gの淡褐色固体が、GC純度99%、単離収率61.62%で得られた。融点155〜157℃。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.16−7.42(m,2H),7.67−7.74(m,2H),13.53(s,1H)。19F NMR(282MHz,CDCl3)δ:−115.91。
【0039】
4.基質としての2−アミノベンゼンチオール:
【0040】
【0041】
実施例10
28.80g(0.3mol)のDFA(2,2−ジフルオロ酢酸)を、窒素下、室温で12.5g(0.1mol)の2−アミノベンゼンチオールに添加した。その後、混合物を還流まで加熱し(125〜130℃)、3時間維持した(GC−MSで追跡)。ディーン−スタークを用いて2.4gの水を分離した。その後、混合物を室温まで冷却し、氷浴中、NaHCOを用いてpH=7〜8まで中和し、溶液から灰色固体を析出させた。濾過により分離し、ケーキを水で洗浄し(20ml*3)、減圧下、室温で乾燥した。9.3gの青色固体が50.27%の収率(2−アミノベンゼンチオールのGC変換率:95.37%)で得られた。融点39〜41℃。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:7.38−7.70(m,3H),8.20(m,1H),8.26(m,1H)。19F NMR(282MHz,DMSO−d6)δ:−113.08。
【0042】
「発明を実施するための形態」で引用されている全ての文献は、関連部分について、参照により本明細書に包含される。
【0043】
本明細書中で示されている全ての数値範囲には、そのような広い数値範囲の中に含まれるより狭い数値範囲全てが本明細書に全て明示的に記載されているかの如く、そのようなより狭い数値範囲全てが含まれることを理解すべきである。
【0044】
本明細書、実施例、及び特許請求の範囲の中の全ての部数、比率、及びパーセンテージは重量基準であり、全ての数値限定は特段の定めがない限り当該技術分野で与えられる通常の精度で使用されている。
【0045】
本発明の特定の実施形態について例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正ができることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更形態及び修正形態は特許請求の範囲に包含されることが意図されている。