特許第5963244号(P5963244)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5963244ライブラリ装置及びライブラリ装置におけるマガジン開閉検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963244
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】ライブラリ装置及びライブラリ装置におけるマガジン開閉検出方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 15/68 20060101AFI20160721BHJP
   G11B 17/22 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   G11B15/68
   G11B17/22
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-79053(P2012-79053)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-211065(P2013-211065A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2015年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】小平 実
【審査官】 川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−283491(JP,A)
【文献】 特開2000−306086(JP,A)
【文献】 特開2009−217912(JP,A)
【文献】 特開2009−230839(JP,A)
【文献】 特開平08−263906(JP,A)
【文献】 特開2010−257525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B15/68
G11B17/22−17/30
G11B33/00−33/08
G11B33/12−33/14
G11B19/00−19/18
G11B23/00−23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マガジン設置部の所定位置に脱着自在に配置され、各マガジンセル内に記録媒体が内蔵された複数のカートリッジをそれぞれ格納するマガジンと、該マガジンのセル配置方向に沿って移動自在に設けられて該マガジンとの間で前記カートリッジを授受するアクセッサと、該アクセッサの移動を制御する制御部と、を具備するライブラリ装置であって、
前記アクセッサは、前記マガジンに設けられたターゲットマーク及び前記マガジン内に収納されるカートリッジ上の識別コードを読取る撮像手段を有し、
前記制御部は、前記撮像手段に対して前記ターゲットマークを読取らせ、該ターゲットマークの位置情報に基づき、前記マガジンが適正な閉位置にあるか否かを判別し、
前記ターゲットマークは、前記マガジンのマガジンセル内に収容される前記カートリッジの前部に係合するラッチレバー上に設置されていることを特徴とするライブラリ装置。
【請求項2】
前記マガジンをロックし、該ロックを前記アクセッサの移動により解除するマガジンロック機構を備え、
前記制御部は、前記アクセッサが前記マガジンのロックを解除したときから前記撮像手段に対して前記ターゲットマークを読み取らせ、該ターゲットマークの位置情報に基づき前記マガジンが適正な閉位置にあるか否かの判別を開始することを特徴とする請求項1に記載のライブラリ装置。
【請求項3】
前記ターゲットマークは、前記マガジン設置部内に収容されたマガジンにおいて、該マガジン設置部のフロント側開口部に近いマガジンセルに基準ターゲットマークとして設けられていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のライブラリ装置。
【請求項4】
前記ターゲットマークは、他のラッチレバーと異なる色又は形状等の特殊な形態を示すマガジン閉状態検出用の基準ターゲットマークであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のライブラリ装置。
【請求項5】
前記撮像手段に前記ターゲットマークを読取らせることによるマガジンの閉位置検知に際して、出荷時等に、基準となるターゲットマークの位置を予め定めて記憶させておき、その位置データに基づき前記アクセッサによるマガジンの閉位置検知を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のライブラリ装置。
【請求項6】
マガジン設置部の所定位置に脱着自在に配置され、各マガジンセル内に記録媒体が内蔵された複数のカートリッジをそれぞれ格納するマガジンと、該マガジンのセル配置方向に沿って移動自在に設けられて該マガジンとの間で前記カートリッジを授受するアクセッサと、を具備し、
前記アクセッサは、前記マガジンに設けられたターゲットマーク及び前記マガジン内に収納されるカートリッジ上の識別コードを読取る撮像手段を有し、
前記撮像手段に対して前記ターゲットマークを読取らせ、該ターゲットマークの位置情報に基づき、前記マガジンが適正な閉位置にあるか否かを判別し、
前記ターゲットマークは、前記マガジンのマガジンセル内に収容される前記カートリッジの前部に係合するラッチレバー上に設置されていることを特徴とするライブラリ装置におけるマガジン開閉検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数のカートリッジ(記録媒体)をマガジンに収納するライブラリ装置に係り、マガジンの開閉状態を確実に検出できる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の関連する技術として、特許文献1に示されるライブラリ装置が知られている。
このライブラリ装置は、カートリッジ内に収容された記憶媒体の読み書きを行うドライブ装置と、複数のカートリッジを収納する複数のセルが一方向に並べて設けられたマガジンと、該マガジンに対して、前記カートリッジの取り出し/収納を行うピッカ機構を搭載し、該ピッカ機構を複数のセルのうちの1つのセルの位置に選択的に位置決めするアクセッサ機構と、前記マガジンの各セルの位置を検出するためのマガジン位置検出手段と 、を備えた構成である。
【0003】
そして、このライブラリ装置のマガジン位置検出手段では、適正位置にセットされたときのマガジンの各セルの位置に対応して設けられた複数の位置決め用フラグと、マガジンに当接して変位するマガジン位置検出用フラグと、アクセッサ機構と一体となって移動してこれら位置決め用フラグ及びマガジン位置検出用フラグを検出する共通のポジションセンサと、を具備している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−209282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記に示す特許文献1では、専用に設けられたマガジン位置検出手段により、マガジンが適正な閉位置にあるか否かを検出しているので、該マガジン位置検出手段があることで、全体構成が複雑化するという問題があった。
また、マガジン位置検出手段のポジションセンサとして、光センサが用いられることがある。光センサは構成が単純という利点もあるが、劣化も早く、交換及びメンテナンスのためのコストが掛かるという問題があった。
また、光センサの検出信号はON/OFFで示されるので、該マガジンの適正な閉位置からずれて配置されていた場合、その位置ずれ量までは検出できず、マガジンの正確な収納検知には不向きであるという問題があった。
【0006】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、既存の構成要素を使ってマガジンの収納検知を行うことで、全体構成の簡略化を図るとともに、該マガジンの適正な閉位置からの位置ずれ量も検出することができる精度の高いライブラリ装置及びライブラリ装置におけるマガジン開閉検出方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。すなわち、本発明は、マガジン設置部の所定位置に脱着自在に配置され、各マガジンセル内に記録媒体が内蔵された複数のカートリッジをそれぞれ格納するマガジンと、該マガジンのセル配置方向に沿って移動自在に設けられて該マガジンとの間で前記カートリッジを授受するアクセッサと、該アクセッサの移動を制御する制御部と、を具備するライブラリ装置であって、前記アクセッサは、前記マガジンに設けられたターゲットマーク及び前記マガジン内に収納されるカートリッジ上の識別コードを読取る撮像手段を有し、前記制御部は、前記撮像手段に対して前記ターゲットマークを読取らせ、該ターゲットマークの位置情報に基づき、前記マガジンが適正な閉位置にあるか否かを判別することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のライブラリ装置におけるマガジン開閉検出方法では、マガジン設置部の所定位置に脱着自在に配置され、各マガジンセル内に記録媒体が内蔵された複数のカートリッジをそれぞれ格納するマガジンと、該マガジンのセル配置方向に沿って移動自在に設けられて該マガジンとの間で前記カートリッジを授受するアクセッサと、を具備し、前記アクセッサは、前記マガジンに設けられたターゲットマーク及び前記マガジン内に収納されるカートリッジ上の識別コードを読取る撮像手段を有し、前記撮像手段に対して前記ターゲットマークを読取らせ、該ターゲットマークの位置情報に基づき、前記マガジンが適正な閉位置にあるか否かを判別することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アクセッサ上の撮像手段に対して、マガジンのマガジンセルに設けられたターゲットマークを読取らせ、該ターゲットマークの位置情報に基づき、該マガジンが適正な閉位置にあるか否かを判別するようにした。すなわち、既存のアクセッサ上の撮像手段を使ってマガジンの収納検知を行うことで、全体構成の簡略化を図るとともに、撮像手段から出力される画像データに基づき、該マガジンの適正な閉位置からの位置ずれ量も検出することができ、該マガジンの閉位置検知を高い精度で行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明が適用されるライブラリ装置の概略を示す外観図である。
図2図1のライブラリ装置の内部構成を示す平面図である。
図3】ライブラリ装置内の収納スペース1へのカートリッジ収納動作を説明するための図であって、(a)はラッチレバー11が「カートリッジ係止位置」にある状態を示す平面図、(b)は(a)の正面図である。
図4】マガジン設置部50に収容されたマガジン4が適正な閉位置にある状態を示す平面図である。
図5】マガジン設置部50に収容されたマガジン4の前部が若干前方に飛び出した状態を示す平面図である。
図6】(A)はマガジン設置部50に収容されたマガジン4を前方側(図4に矢印VI方向)から視た図、(B)は図6(A)を下方から視た底面図である。
図7】コントロール装置51(制御部)に設定されたアクセッサAの制御プログラムを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態について、図1図7を参照して説明する。
図1及び図2は本発明が適用されるライブラリ装置の概略構成図、図3はマガジンセルの内部を示す平面図である。これら図1図3に示されるライブラリ装置では、複数の被収納物となるカートリッジC(記録媒体)を、所定の案内面1Aに案内させながら収納スペース1の開口部2から底部1Bへ向かって直列(z方向)に収容するマガジンセル3を開口部2の面方向(x−y方向)に複数並べてなるマガジン4と、マガジン4の各マガジンセル3に対してカートリッジCを出し入れするためのアクセッサAと、カートリッジCに対するデータ書き込み及び読み取りを行うドライブ装置5と、を有している。
また、図1ではマガジン4は1つであるが、通常は、ライブラリ装置本体Lのマガジン設置部50の底部50A内に、フロント側開口部50Bを通じて複数のマガジン4が脱着自在に設置されている。
【0012】
アクセッサAは、マガジン4と対向する位置にて、開口部2の面と平行に移動(x−y方向に移動)するものであって、コントロール装置51(制御部)からの制御信号に基づき、特定のマガジンセル3の開口部2にまで移動して収納スペース1に対して、図示しないピッカ機構によりカートリッジCを把持して出し入れする。また、複数のマガジンセル3の各収納スペース1内には、直列(z方向)に複数のカートリッジCが収容されるが、本例では、図3に示すように最大で2個のカートリッジCが収容可能となっている。
【0013】
また、マガジンセル3の各収納スペース1の底部1Bには、図3に示されるように、収納スペース1内に収容されたカートリッジCを、開口部2側へ付勢して押し出す押出手段10が設けられている。
この押出手段10は、例えばゼンマイ状に形成されたコプリングからなるものであって、マガジンセル3の収納スペース1内に挿入されたカートリッジCの奥側角部に接触して、該カートリッジCが収納スペース1に押し込まれると解けるように構成されている。そして、このようなゼンマイ状に形成されたコプリングの押圧によって、収納スペース1内に収容されたカートリッジCを、常時、開口部2側へ付勢する。
【0014】
また、マガジンセル3の各収納スペース1の開口部2外側には、該開口部2と交差する方向(本例ではx方向)に移動可能に設けられ、該開口部2と重なる方向へ図示しない板バネで付勢されたラッチレバー11が設けられている。
このラッチレバー11は、収納スペース1内にカートリッジCがない状態では、マガジンセル3の開口部2と重なるように突出した位置にある。また、このラッチレバー11は、アクセッサAにより収納スペース1内にカートリッジCが押し込まれる場合には、マガジンセル3の開口部2から退避した位置となる。また、このラッチレバー11は、該カートリッジCがマガジンセル3の開口部2を完全に通過した場合には、図3に示すように、該開口部2と重なるように突出する。
そして、図3に示されるように、ラッチレバー11が「カートリッジ係止位置」にある場合に、カートリッジCは、マガジンセル3の収納スペース1内において、該ラッチレバー11と押出手段10との間に挟まれる「カートリッジ適正閉位置」に配置される。
【0015】
また、アクセッサAには、マガジンセル3の開口部2にカートリッジCを出し入れする際に、一時的にラッチレバー11を、マガジンセル3の開口部2から退避した位置に押しやるための操作手段が設けられているが、図面上では省略されている。
【0016】
アクセッサAには、図3に示されるようにラッチレバー11の位置を検出するイメージセンサなどの撮像装置20(撮像手段)が設けられている。
この撮像装置20は、マガジンセル3の開口部2に対向するように配置されるものであって、マガジンセル3のラッチレバー11に設けられたターゲットマークMを読取る他、マガジンセル3内のカートリッジCの正面に貼付されたカートリッジ識別コード21、をそれぞれ読取る。
また、マガジン設置部50内にマガジン4が収容されたとき、マガジンセル3のラッチレバー11に設けられたターゲットマークMの中で、該マガジン設置部50のフロント側開口部50Bに近いマガジンセル3のラッチレバー11上のターゲットマークMが、マガジン閉状態検出用の基準ターゲットマークM-0としている。
【0017】
また、マガジン閉状態検出用の基準ターゲットマークM-0は、撮像装置20により読み取りが行われたとき、マガジン4が、マガジン設置部50内の適正な閉位置にあるか否かを判別するために設けられている。
また、図4及び図5に示されるように、このマガジン閉状態検出用の基準ターゲットマークM-0が、マガジン設置部50内にマガジン4が収容されたときフロント側開口部50Bに近いマガジンセル3のラッチレバー11上に設けられているのは、該マガジン4のおおよそがマガジン設置部50内にあり、あと僅かで該マガジン4が適正な閉位置となるか否かの位置判定を容易に行えるためである。
また、基準ターゲットマークM-0は、他のラッチレバーMと区別するために、該ラッチレバーMと異なる色又は形状等の特殊な形態に設定されている。
また、撮像装置20にターゲットマークMを読取らせることによるマガジン4の閉位置検知に際して、出荷時等に、基準となるターゲットマークM-0の位置を予め定めて記憶させておき、その位置データに基づきアクセッサAによるマガジン4の適正な閉位置検知を行なうようにする。
【0018】
また、ライブラリ装置本体Lには、図4図6に示されるように、マガジン設置部50内に収容されたマガジン4に係合して該マガジン4をロックするマガジンロック機構30が設けられている。
このマガジンロック機構30について、図6(A)(B)を参照して説明すると、ライブラリ装置本体Lでありかつマガジン4を収容するマガジン設置部50内には、ロックレバー31が設置されており、また、マガジン4の底部には、該ロックレバー31に係合されるレール32が固定されている。
ロックレバー31は、垂直な固定シャフト33を介してライブラリ装置本体Lに回動自在に設置されており、マガジン設置部50の底面50Aと略平行な水平面内で回転可能である。また、該ロックレバー31は、マガジン4を収容するマガジン設置部50の底面50Aとの間に設けられたスプリング34により矢印a方向に付勢されている。
【0019】
レール32は、図6(B)の底面図に示されるように、マガジン4の底部に固定されているものであって、ロックレバー31側の側面には、該ロックレバー31の先端と係合する複数の段部35が形成されている。
【0020】
そして、このようなマガジンロック機構30では、ライブラリ装置本体Lのマガジン設置部50のフロント側開口部50Bを通じて、マガジン4が収納された場合に、ロックレバー31の先端が該マガジン4のレール32を押圧することにより、該マガジン4が、ライブラリ装置本体Lのマガジン設置部50にロックされることになる。また、マガジン4のロックを解除する場合には、アクセッサAを矢印x(x1)方向に前進させることにより、スプリング34の付勢力に抗して、ロックレバー31を矢印b方向に回転させるようにする。これによりロックレバー31の先端によるレール32の押圧を解除し、これによってマガジン設置部50のフロント側開口部50Bを通じてマガジン4を前方に引出し可能とする。なお、このとき、アクセッサAによるロックレバー31の回動範囲によって、該ロックレバー31とレール32の段部35との係合とを段階的に行い、これによってマガジン設置部50からのマガジン4の引出し可能な範囲を調整する。なお、このマガジンロック機構30の詳細な構成について、例えば特開2009−230839号公報に詳細に記述されている。
【0021】
なお、本実施形態では、アクセッサAの動作によりマガジンロック機構30によるマガジン4のロックを解除するようにしているが、アクセッサAの動作に連動させず、ソレノイドのON・OFFによりロックレバー31を別途操作するようにしても良い。また、マガジン設置部50内にマガジン4が完全に収納された場合に、ロックレバー31の先端がレール32に係合するように該レール32の途中に段部を設けても良い。
【0022】
次に、図7のフローチャートを参照して、アクセッサAの動作について説明する。
なお、このアクセッサAの動作は、コントロール装置51に設定された制御プログラムによって行われるものであって、その詳細を以下にステップ(SP)毎に説明する。
また、アクセッサAが、マガジンロック機構30によるマガジン4のロックを解除したときから、撮像装置20によりターゲットマークMを読み取らせる処理が開始される。これと同時に、マガジンロック機構30によるロック解除後に、マガジン設置部50内に次に新たに収容されたマガジン4上のターゲットマークMの位置情報に基づき、該マガジン4が適正な閉位置にあるか否かの判別(以下のフローチャートのステップ1〜8)が開始される。
【0023】
〔ステップ1〕
アクセッサAを矢印x−y方向にアクセスする。
【0024】
〔ステップ2〕
ターゲットマークMの中のマガジン閉状態検出用の基準ターゲットマークM-0を読取らせる。
【0025】
〔ステップ3〕
マガジン閉状態検出用の基準ターゲットマークM-0を読取ったか否かを判定し、YESの場合に次のステップ4に進み、NOの場合にステップ6に進む。
【0026】
〔ステップ4〕
マガジン閉状態検出用の基準ターゲットマークM-0が、出荷時に予め定めた既定位置にあるか否かを判定し、YESの場合に次のステップ5に進み、NOの場合にステップ6に進む。
【0027】
〔ステップ5〕
ライブラリ装置本体Lのマガジン設置部50の適正な閉位置にマガジン4があると判定して、次のステップ8に進む。
【0028】
〔ステップ6〕
ライブラリ装置本体Lのマガジン設置部50の閉位置にマガジン4がなく、該マガジン4が開状態にあると判定して、先のステップ7に進む。
【0029】
〔ステップ7〕
作業者に対して、ライブラリ装置本体Lのマガジン設置部50の閉位置にマガジン4を収納させる旨の指示を出し、該マガジン4を収納させる動作を行わせた後、先のステップ1に戻る。なお、この指示は図示しない表示部に警告を出す等により行う。
【0030】
〔ステップ8〕
ライブラリ装置本体Lのマガジン設置部50の適正な閉位置にあるマガジン4に対して、矢印x−y方向にアクセッサAを移動させ、該マガジン4内に収納されたカートリッジCのカートリッジ識別コード21を読取らせる。これによってマガジン4内に収容されているカートリッジCに関する情報を収集して、本フローを終了する。
【0031】
以上詳細に説明したように本実施形態に示されるライブラリ装置及びライブラリ装置におけるマガジン開閉検出方法によれば、アクセッサA上の撮像装置20に対して、マガジン4のマガジンセル3に設けられたターゲットマークMを読取らせ(ステップ1〜2)、該ターゲットマークMの位置情報に基づき、該マガジン4が適正な閉位置にあるか否かを判別するようにした(ステップ3〜6)。すなわち、既存のアクセッサA上の撮像装置20を使ってマガジン4の収納検知を行うことで、全体構成の簡略化を図るとともに、撮像装置20から出力される画像データに基づき、該マガジン4の適正な閉位置からの位置ずれ量も検出することができ、該マガジン4の閉位置検知を高い精度で行うことが可能となる。
【0032】
なお、上記実施形態では、各マガジンセル3のラッチレバー11上に複数あるターゲットマークMの1つを基準ターゲットマークM-0としたが、これに限定されず、該基準ターゲットマークM-0をラッチレバー11上に設けることに限定されず、その設置箇所は、例えば、マガジンセル3を区画する枠上に設けても良い。
また、基準ターゲットマークM-0は、マガジン設置部50内にマガジン4が収容されたときフロント側開口部50Bに近いマガジンセル3のラッチレバー11上に設けられているが、該ラッチレバー11に限定されず、適宜特定したラッチレバー11であっても良い。
【0033】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、多数のカートリッジ(記録媒体)をマガジンに収納するライブラリ装置に係り、マガジンの開閉状態を確実に検出できる技術に関する。
【符号の説明】
【0035】
3 マガジンセル
4 マガジン(収納部)
20 撮像装置(撮像手段)
21 識別コード
50 マガジン設置部
50B フロント側開口部
51 コントロール装置(制御部)
A アクセッサ
C カートリッジ(記録媒体)
L ライブラリ装置本体
M ターゲットマーク
M-0 ターゲットマーク(基準ターゲットマーク)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7