(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963249
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20160721BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20160721BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
G01C21/36
G09B29/00 A
G09B29/10 A
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-135612(P2012-135612)
(22)【出願日】2012年6月15日
(65)【公開番号】特開2014-1944(P2014-1944A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2015年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097205
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 正樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 元
【審査官】
田中 純一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−281591(JP,A)
【文献】
特開2011−102732(JP,A)
【文献】
特開平07−146351(JP,A)
【文献】
特開2004−301589(JP,A)
【文献】
特開2010−286373(JP,A)
【文献】
特開2008−196857(JP,A)
【文献】
特開2006−337248(JP,A)
【文献】
特開2005−114535(JP,A)
【文献】
特開2010−266383(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0082640(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 − 21/36
G01C 23/00 − 25/00
G08G 1/00 − 99/00
G09B 23/00 − 29/14
G06T 1/00 − 1/40
G06T 3/00 − 5/50
G06T 7/00 − 7/60
G06T 9/00 − 9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般道路及び高速道路を含む目的地までの経路を設定し、車両の現在位置のマークとともにその設定経路を表示部に表示させて、当該車両の経路案内を行うナビゲーション装置であって、
車両が走行中の一般道路における道路標識に表されるインターチェンジの名称を取得するインターチェンジ名取得手段と、
前記インターチェンジ名取得手段にて取得された名称で表されるインターチェンジが、前記設定経路に含まれる高速道路のインターチェンジであって、かつ、前記設定経路に従っては案内されないインターチェンジであるか否かを判定する判定手段と、
該判定手段にて前記取得されたインターチェンジ名で表されるインターチェンジが、前記設定経路に含まれる高速道路のインターチェンジであって、かつ、前記設定経路に従っては案内されないインターチェンジであると判定されたときに、前記インターチェンジが案内されないことに係る所定の情報を報知する報知手段とを有するナビゲーション装置。
【請求項2】
前記インターチェンジ名取得手段は、一般道路上に設置された道路標識を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された前記道路標識から前記インターチェンジの名称を抽出するインターチェンジ名抽出手段とを有する請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記所定の情報として、前記判定手段によって前記設定経路に従って案内されるインターチェンジの有効性を報知する請求項1または2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記報知手段は、前記インターチェンジが案内されないことに係る所定の情報を前記表示部に表示させる表示制御手段を有する請求項1または2記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記設定経路に従って案内されるインターチェンジまでの距離である設定距離と、前記設定経路に従っては案内されないインターチェンジまでの距離である非設定距離とを算出するインターチェンジ距離算出手段を有し、
前記所定の情報は、前記インターチェンジ距離算出手段にて算出された設定距離及び非設定距離を対比させる情報を含む請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記インターチェンジ距離算出手段にて算出された前記設定距離及び非設定距離に基づいて、現在地から前記設定経路に従って案内されるインターチェンジに到達するまでに必要な時間である予測走行時間を演算する予測走行時間取得手段を有し、
前記所定の情報は、前記設定距離、非設定距離、及び前記予測走行時間に関する情報を含む請求項5記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記設定距離、非設定距離及び前記予測走行時間に関する情報を含む地図情報を生成する簡易地図情報生成手段を有し、
前記所定の情報は、前記簡易地図情報生成手段にて生成された簡易地図情報を含む請求項6記載のナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般道路及び高速道路を含む目的地までの経路を設定し、車両の現在位置のマークとともにその設定経路を表示部に表示させて、当該車両の経路案内を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲータにおいて固定した方面名称の表示が交差点でなされるためにドライバーに生じる不安を防止する経路誘導装置が提案されている(特許文献1)。この経路誘導装置では、目的地に到達するまでの経路上に存在する分岐点に隣接するたびに、案内図を表示して経路方向を示すとともに、分岐点から見た経路方向を示す方面の名称を表示する際に、方面の名称を分岐点と目的地との位置関係に応じて変更するようになっているので、変更された方面の名称をドライバーが視認することにより、安心感を得た状態で車両を運転することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−210713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1記載の経路誘導装置では、方面の名称を各分岐点によって変更することで、ドライバーに安心感を抱かせるようになっている。
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の経路誘導装置のナビゲーション機能にて設定された誘導経路に高速道路が含まれている場合において、車両が一般道路を走行中に、設定案内経路に含まれる高速道路にあるインターチェンジの名称が道路標識に表れているにもかかわらず、車両がそのインターチェンジの方向に案内されない場合、乗員がナビゲーション装置の経路案内機能について瞬間的に疑問に思う可能性がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車両が一般道路を走行中に設定案内経路に含まれる高速道路にあるインターチェンジの名称が道路標識に表れているにもかかわらず、車両がそのインターチェンジの方向に案内されない場合であっても、乗員が疑問に思うことなく経路案内に従って車両の運転を継続することのできるナビゲーション装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るナビゲーション装置は、一般道路及び高速道路を含む目的地までの経路を設定し、車両の現在位置のマークとともにその設定経路を表示部に表示させて、当該車両の経路案内を行うナビゲーション装置であって、車両が走行中の一般道路における道路標識に表されるインターチェンジの名称を取得するインターチェンジ名取得手段と、前記インターチェンジ名取得手段にて取得された名称で表されるインターチェンジが、前記設定経路に含まれる高速道路のインターチェンジであって、かつ、前記設定経路に従っては案内されないインターチェンジであるか否かを判定する判定手段と、該判定手段にて前記取得されたインターチェンジ名で表されるインターチェンジが、前記設定経路に含まれる高速道路のインターチェンジであって、かつ、前記設定経路に従っては案内されないインターチェンジであると判定されたときに、前記インターチェンジが案内されないことに係る所定の情報を報知する報知手段とを有する構成となる。
【0008】
このような構成によれば、一般道路及び高速道路を含む目的地までの経路を設定し、車両の現在位置のマークとともにその設定経路を表示部に表示させて、当該車両の経路案内を行う際に、インターチェンジ名取得手段によって車両が走行中の一般道路における道路標識に表されるインターチェンジの名称を取得し、判定手段によって当該取得された名称で表されるインターチェンジが、設定経路に含まれる高速道路のインターチェンジであって、かつ、設定経路に従っては案内されないインターチェンジであるか否かを判定し、報知手段によって取得されたインターチェンジ名で表されるインターチェンジが、設定経路に含まれる高速道路のインターチェンジであって、かつ、設定経路に従っては案内されないインターチェンジであると判定されたときに、前記インターチェンジが案内されないことに係る所定の情報を報知するので、当該所定の情報を得たユーザは道路標識に表されるインターチェンジから高速道路に進入することが好ましくないことを瞬時に判断することが可能となる。
【0009】
また、報知手段によって道路標識に表されるインターチェンジが案内されないことに係る所定情報を報知することで、設定経路に従って案内されるインターチェンジがユーザにとって好ましいことを瞬時に判断することも可能となる。
【0010】
本発明に係るナビゲーション装置において、前記インターチェンジ名取得手段は、一般道路上に設置された道路標識を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された前記道路標識から前記インターチェンジの名称を抽出するインターチェンジ名抽出手段とを有する構成とすることができる。
【0011】
このような構成によれば、撮影手段によって一般道路上に設置された道路標識を撮影し、インターチェンジ名取得手段によって撮影された道路標識からインターチェンジの名称を抽出することで、インターチェンジの名称を取得することが可能となる。
【0012】
本発明に係るナビゲーション装置において、前記報知手段は、前記所定の情報として、前記判定手段によって前記設定経路に従って案内されるインターチェンジの有効性を報知する構成とすることができる。
【0013】
このような構成によれば、報知手段が判定手段によって所定経路に従って案内されるインターチェンジの有効性を報知することから、当該報知された情報を得たユーザは、より設定経路が正しいものであると再認識することが可能となる。
【0014】
本発明に係るナビゲーション装置において、前記報知手段は、前記インターチェンジが案内されないことに係る所定の情報を前記表示部に表示させる表示制御手段を有する構成とすることができる。
【0015】
このような構成によれば、表示制御手段によってインターチェンジが案内されないことに係る所定の情報を表示部に表示させるので、ユーザは表示部に表示された所定の情報をより容易に認識することが可能となる。
【0016】
本発明に係るナビゲーション装置において、前記表示制御手段は、前記設定経路に従って案内されるインターチェンジまでの距離である設定距離と、前記設定経路に従っては案内されないインターチェンジまでの距離である非設定距離とを算出するインターチェンジ距離算出手段を有し、前記所定の情報は、前記インターチェンジ距離算出手段にて算出された設定距離及び非設定距離を対比させる情報を含む構成とすることができる。
【0017】
このような構成によれば、インターチェンジ距離算出手段によって、設定経路に従って案内されるインターチェンジまでの距離である設定距離と、設定経路に従っては案内されないインターチェンジまでの距離である非設定距離とを算出し、算出された設定距離及び非設定距離を対比させる情報を所定の情報として表示部に表示させるので、表示部に表示された情報を得たユーザは道路標識に表されるインターチェンジから高速道路に進入することが好ましくないことをより瞬時に判断することが可能となる。
【0018】
本発明に係るナビゲーション装置において、前記表示制御手段は、前記インターチェンジ距離算出手段にて算出された前記設定距離及び非設定距離に基づいて、現在地から前記設定経路に従って案内されるインターチェンジに到達するまでに必要な時間である予測走行時間を演算する予測走行時間取得手段を有し、前記所定の情報は、前記設定距離、非設定距離、及び前記予測走行時間に関する情報を含む構成とすることができる。
【0019】
このような構成によれば、予測走行時間取得手段によってインターチェンジ距離算出手段にて算出された設定距離及び非設定距離に基づいて、現在地から設定経路に従って案内されるインターチェンジに到達するまでに必要な時間である予測走行時間を演算し、設定距離、非設定距離、及び前記予測走行時間に関する情報を所定の情報として表示部に表示させるので、表示部に表示された情報を得たユーザは道路標識に表されるインターチェンジから高速道路に進入することが好ましくないことをより瞬時に判断することが可能となる。
【0020】
本発明に係るナビゲーション装置において、前記表示制御手段は、前記設定距離、非設定距離及び前記予測走行時間に関する情報を含む地図情報を生成する簡易地図情報生成手段を有し、前記所定の情報は、前記簡易地図情報生成手段にて生成された簡易地図情報を含む構成とすることができる。
【0021】
このような構成によれば、簡易地図情報生成手段によって、設定距離、非設定距離及び予測走行時間に関する情報を含む地図情報を生成し、当該生成された簡易地図情報を所定の情報を表示部に表示させるので、表示部に表示された情報を得たユーザは道路標識に表されるインターチェンジから高速道路に進入することが好ましくないことをより瞬時に判断することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るナビゲーション装置によれば、一般道路及び高速道路を含む目的地までの経路を設定し、車両の現在位置のマークとともにその設定経路を表示部に表示させて、当該車両の経路案内を行う際に、インターチェンジ名取得手段によって車両が走行中の一般道路における道路標識に表されるインターチェンジの名称を取得し、判定手段によって当該取得された名称で表されるインターチェンジが、設定経路に含まれる高速道路のインターチェンジであって、かつ、設定経路に従っては案内されないインターチェンジであるか否かを判定し、報知手段によって前記取得されたインターチェンジ名で表されるインターチェンジが、設定経路に含まれる高速道路のインターチェンジであって、かつ、前記設定経路に従っては案内されないインターチェンジであると判定されたときに、前記インターチェンジが案内されないことに係る所定の情報を報知することから、当該所定の情報を得たユーザは道路標識に表されるインターチェンジから高速道路に進入することが好ましくないことを瞬時に判断することができるので、車両が一般道路を走行中に設定案内経路に含まれる高速道路にあるインターチェンジの名称が道路標識に表れているにもかかわらず、車両がそのインターチェンジの方向に案内されない場合であっても、乗員が疑問に思うことなく経路案内に従って車両の運転を継続することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示すナビゲーション装置における処理ユニットが実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【
図3】
図1に示すナビゲーション装置の表示部での表示例(その1)を示す図である。
【
図4】
図1に示すナビゲーション装置のカメラユニットが撮影した画像(その1)を示す図である。
【
図5】
図1に示すナビゲーション装置の表示部での表示例(その2)を示す図である。
【
図6】
図1に示すナビゲーション装置の表示部での表示例(その3)を示す図である。
【
図7】
図1に示すナビゲーション装置のカメラユニットが撮影した画像(その2)を示す図である。
【
図8】
図1に示すナビゲーション装置の表示部での表示例(その4)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0025】
本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置100は、
図1に示すように構成される。
【0026】
図1において、このナビゲーション装置100は、コンピュータユニット(例えば、CPU)によって構成される処理ユニット11を有している。処理ユニット11には、各種音源及び映像源(例えば、CD、DVD等)の再生処理が可能なAVユニット17、及び自車両のルート案内等のナビゲーション処理を行うナビゲーションユニット18が接続されている。また、処理ユニット11には、スピーカ16と接続される出力回路15が接続されており、処理ユニット11の制御のもと、AVユニット17及びナビゲーションユニット18の処理に基づいた音声信号が出力回路15を介してスピーカ16から出力される。加えて、処理ユニット11には、AVユニット17及びナビゲーションユニット18にて利用される楽曲情報や地図情報等の各情報が記憶される記憶部14(例えば、ハードディスク)と、LCD等によって構成され、映像等の各種情報を表示する表示部13と、表示部13上のタッチパネルや操作ボタン等にて構成され、処理に対する指示や各種情報を入力するために用いられる操作部12とが接続されている。
【0027】
また、ナビゲーション装置100の処理ユニット11には、カメラユニット19が接続されている。カメラユニット19は、車両の前方に取り付けられており、車両が走行する際にその前方を撮影するようになっている。これにより、車両が一般道路走行している際に、道路上に設けられた道路標識を認識することが可能となっている。また、道路標識内に高速道路のインターチェンジを表わす表示がある際には、その標識の色(高速道路のインターチェンジを表わす表示は、一般的には緑色で示されている。)を基に、その表示が高速道路のインターチェンジを示す表示であることを認識し、その表示に係るインターチェンジの名称を抽出することができるようになっている。
【0028】
ナビゲーション装置100の処理ユニット11は、
図2に示す手順に従って、インターチェンジ認識表示処理を実行する。
【0029】
例えば、車両の電源がON状態になると、処理ユニット11は、
図2に示す手順に従って、ナビゲーション処理におけるインターチェンジ認識表示処理を実行する。
図2において、処理ユニット11は、ナビゲーションユニット18によるナビゲーション処理が開始されることを監視する(S11)。そして、ユーザの操作部12の操作等により目的地が設定され、当該目的地までの設定経路を表示部13に表示させるナビゲーション処理が開始されると(S11でYES)、処理ユニット11は、カメラユニット19(撮影手段)をON状態に制御する(S12)。そして、処理ユニット11は、カメラユニット19がON状態で車両が設定経路(一般道路)を走行する際に、高速道路のインターチェンジの名称を表示する道路標識があるか否かを監視する(S13:判定手段)。具体的には、処理ユニット11は、カメラユニット19によって撮影された映像を取得しつつ、撮影された映像の中にインターチェンジの名称を表示する緑色の標識があるか否かを判定している。例えば、車両が
図3に示すP1地点に差し掛かった際、カメラユニット19によって撮影された映像は、
図4に示すようになる。このとき、カメラユニット19によって撮影された映像には、信号機の左側にインターチェンジA(IC(A))を表わす表示がされている。この映像から処理ユニット11は、インターチェンジの名称(IC(A))を表示する道路標識K1があること、及び、道路標識からインターチェンジの名称を抽出するようになっている。
【0030】
このように、高速道路のインターチェンジの名称(IC(A))を表示する道路標識K1があると判定されると(S13でYES)、処理ユニット11は、道路標識K1に表されたインターチェンジ名称を抽出する(S14:インターチェンジ名抽出手段:インターチェンジ名取得手段)。また、インターチェンジの名称の抽出は、カメラユニット19によって撮影された映像から抽出するようになっているが、例えば、道路標識が設置されている交差点ごとに対応付けられて記憶部14に記憶された所定の情報(インターチェンジ情報等)を取得し、その取得した情報からインターチェンジの名称を抽出するようにしてもよい。
【0031】
そして、処理ユニット11は、抽出されたインターチェンジの名称で表されるインターチェンジが設定経路に含まれる高速道路のインターチェンジか否かを判定する(S15:判定手段)。これによって、抽出されたインターチェンジの名称で表されるインターチェンジが設定経路に含まれる高速道路のインターチェンジであると判定されると(S15でYES)、処理ユニット11は、抽出されたインターチェンジの名称で表されるインターチェンジが設定経路に従って案内されるべきインターチェンジであるのか否かを判定する(S16:判定手段)。これによって、抽出されたインターチェンジの名称で表されるインターチェンジであると判定されると(S16でYES)、処理ユニット11はナビゲーションユニット18による経路案内を継続する(S17)。同じく、抽出されたインターチェンジの名称で表されるインターチェンジが設定経路に含まれる高速道路のインターチェンジでないと判定されたときも(S15でNO)、処理ユニット11は、ナビゲーションユニット18による経路案内を継続する。
【0032】
一方、抽出されたインターチェンジの名称で表されるインターチェンジが設定経路に従って案内されるべきインターチェンジでないと判定されると(S16でNO)、処理ユニット11は、設定経路に従って案内されるインターチェンジまでの距離である設定距離と設定経路に従っては案内されないインターチェンジまでの距離である非設定距離を算出する(インターチェンジ距離算出手段)。さらに、処理ユニット11は、設定距離及び非設定距離に基づいて、現在地から設定経路に従って案内されるインターチェンジまでに到達するまでに必要な時間である予測走行時間をそれぞれ演算し、取得する(S18:予測走行時間取得手段)。
【0033】
ステップS18の処理を具体的に説明する。例えば、ナビゲーション装置100を搭載した車両が
図3に示すP1地点に差し掛かった際に、処理ユニット11は、設定経路に従って案内されるインターチェンジB(IC(B))までの距離を設定距離として算出し、道路標識K1に表され、設定経路に従って案内されないインターチェンジA(IC(A))までの距離を非設定距離として算出する。そして、処理ユニット11は、設定距離及び非設定距離に基づいて、車両の現在位置から設定経路に従って案内されるインターチェンジBに到達するまでに必要な時間である予測走行時間をそれぞれ演算する。例えば、
図5において、現在地P1からインターチェンジAまでの非設定距離(8.2km)に基づいて、予測走行時間が19分と演算する。また、処理ユニット11は、インターチェンジAからインターチェンジBまでの距離(10km)に基づいて予測走行時間が8分と演算する。従って、インターチェンジAを経由してインターチェンジBに到達するまでに必要な時間(予測走行時間)は、27分となる。なお、処理ユニット11は、インターチェンジAからインターチェンジBまでの距離及び予測走行時間を記憶部14に記憶された高速道路情報を基に算出するようになっている。一方、処理ユニット11は、現在地P1からインターチェンジBまでの設定距離(13.6km)に基づいて、予測走行時間が21分と演算する。
【0034】
図2に戻って、処理ユニット11は、ステップS18において取得した設定距離、非設定距離、及び予測走行時間に関する情報から簡易地図情報を生成し(S19:簡易地図情報生成手段)、生成した簡易地図情報を表示部13に表示させる(S20:表示制御手段、報知手段)。具体的には、
図5に示すように、処理ユニット11は、記憶部14に記憶された地図情報から簡易地図情報を生成するために必要な地図情報の一部(国道A、高速道路H1に関する情報)を取得し、取得した地図情報とともに前述したステップS18において取得した設定距離(13.6km)、非設定距離(8.2km)、及び予測走行時間(19分、21分)を表示させた簡易地図情報を生成し、表示部13に表示させる。これにより、現在地P1からインターチェンジAを経由して走行する場合とインターチェンジBを経由して走行する場合とにおける走行距離及び予測走行時間を対比させて認識することが可能となる。さらに、処理ユニット11は、生成された地図情報に設定経路に従って案内されるインターチェンジBの有効性を報知するメッセージ(例えば、「高速道路H1の入口は、IC(B)が有効です。」)を表示する(報知手段)。
【0035】
そして、処理ユニット11は、ステップS17により経路案内が継続され、もしくは、ステップS20により簡易地図情報が表示部13に表示されると、車両がナビゲーションユニット18により設定された目的地に到着したか否かを確認する(S21)。これにより、車両がナビゲーションユニット18により設定された目的地に到着していないときに(S21でNO)、処理ユニット11は、前述したステップS13〜S20までの処理を繰り返す。一方、車両が目的地に到着すると(S21でYES)、処理ユニット11は、ナビゲーション処理におけるインターチェンジ認識表示処理を終了する。
【0036】
前述したように、ナビゲーション装置100では、処理ユニット11のナビゲーションユニット18により、一般道路及び高速道路を含む目的地までの経路を設定し、車両の現在位置のマークとともにその設定経路を表示部13に表示させて、車両の経路案内を行う際に、車両に取り付けられたカメラユニット19によって車両が走行中の一般道路における道路標識を撮影し、その撮影された映像からインターチェンジ名を抽出し、取得された名称で表されるインターチェンジが、設定経路に含まれる高速道路のインターチェンジであって、かつ、設定経路に従っては案内されないインターチェンジであると判定されたときに、当該インターチェンジを経由して経路案内に従って案内されるインターチェンジまでの距離及予測走行手段と、経路案内に従って案内されるインターチェンジまでの距離及び予測走行時間とを演算し、これらの情報をもとに簡易地図情報を生成し表示部13に表示することから、簡易地図情報を見たユーザは道路標識に表されるインターチェンジから高速道路に進入することが好ましくないことを瞬時に判断することができるようになる。
【0037】
このように、前述したナビゲーション装置100によれば、車両が一般道路を走行中に設定案内経路に含まれる高速道路にあるインターチェンジの名称が道路標識に表れているにもかかわらず、車両がそのインターチェンジの方向に案内されない場合であっても、乗員が疑問に思うことなく経路案内に従って車両の運転を継続することができるようになる。
【0038】
また、ナビゲーション装置100の処理ユニット11によるナビゲーション処理におけるインターチェンジ認識表示処理について、前述した実施例と異なる実施例について説明する。なお、特に異なる部分についてのみ詳しく説明する。
【0039】
ナビゲーション装置100の処理ユニット11は、カメラユニット19がON状態で車両が設定経路(一般道路)を走行する際に、高速道路のインターチェンジの名称を表示する道路標識があるか否かを監視する(S13:判定手段)。例えば、車両が
図6に示すP2地点に差し掛かった際、カメラユニット19によって撮影された映像は、
図7に示すようになる。このとき、カメラユニット19によって撮影された映像には、インターチェンジC(IC(C))を表わされた道路標識K2が含まれている。この映像から処理ユニット11は、インターチェンジの名称(IC(C))を表示する道路標識K2があること、及び、道路標識からインターチェンジの名称を抽出するようになっている。
【0040】
このように、高速道路のインターチェンジの名称(IC(C))を表示する道路標識K2があると判定されると(S13でYES)、処理ユニット11は、道路標識K2に表されたインターチェンジ名称を抽出する(S14:インターチェンジ名抽出手段:インターチェンジ名取得手段)。そして、処理ユニット11は、抽出されたインターチェンジの名称で表されるインターチェンジが設定経路に含まれる高速道路のインターチェンジか否かを判定する(S15:判定手段)。これによって、抽出されたインターチェンジの名称で表されるインターチェンジが設定経路に含まれる高速道路のインターチェンジであると判定されると(S15でYES)、処理ユニット11は、抽出されたインターチェンジの名称で表されるインターチェンジが設定経路に従って案内されるべきインターチェンジであるのか否かを判定する(S16:判定手段)。
【0041】
これによって、抽出されたインターチェンジの名称で表されるインターチェンジが設定経路に従って案内されるべきインターチェンジでないと判定されると(S16でNO)、処理ユニット11は、設定経路に従って案内されるインターチェンジを経由した目的地までの距離である設定距離と、設定経路に従っては案内されないインターチェンジを経由した目的地までの距離である非設定距離を算出する(インターチェンジ距離算出手段)。さらに、処理ユニット11は、設定距離及び非設定距離に基づいて、現在地から目的地に到達するまでに必要な時間である予測走行時間をそれぞれ演算し、取得する(S18:予測走行時間取得手段)。前述した処理においては、設定距離及び非設定距離は、設定経路に従って案内されるインターチェンジまでの距離を算出することとしたが、例えば、高速道路が環状線である場合に、インターチェンジまでの距離のみでは、いずれのインターチェンジを利用することがユーザにとって有効であるのかを図ることが難しいため、目的地までの距離及び予測走行時間を演算するようにしている。
【0042】
この際、処理ユニット11は、ステップS19、S20に代えて、
図8に示すように、ステップS18において取得した設定距離、非設定距離、及び予測走行時間に関する情報をもとに、いずれのインターチェンジを利用することがユーザにとって有効であるのかをわからせるためのメッセージ情報(「首都高速道路へは、IC(C)入口よりIC(D)入口が有効です。」等)を表示させる。すなわち、設定距離及び予測走行時間が含まれる簡易地図情報が表示部13に表示されない場合であっても、ユーザに設定経路に従って誘導されるインターチェンジの有効性が示されるようになっている。
【0043】
このように、ナビゲーション装置100では、処理ユニット11のナビゲーションユニット18により、一般道路及び高速道路を含む目的地までの経路を設定し、車両の現在位置のマークとともにその設定経路を表示部13に表示させて、車両の経路案内を行う際に、車両に取り付けられたカメラユニット19によって車両が走行中の一般道路における道路標識を撮影し、その撮影された映像からインターチェンジ名を抽出し、取得された名称で表されるインターチェンジが、設定経路に含まれる高速道路のインターチェンジであって、かつ、設定経路に従っては案内されないインターチェンジであると判定されたときに、当該インターチェンジを経由した目的地までの距離及予測走行手段と、経路案内に従って案内されるインターチェンジを経由した目的地までの距離及び予測走行時間とを演算し、これらの情報をもとにいずれのインターチェンジを選択することが有効であるのかを示す情報を表示部13に表示することから、有効性の示された情報を見たユーザは道路標識に表されるインターチェンジから高速道路に進入することが好ましくないことを瞬時に判断することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上、説明したように、本発明に係るナビゲーション装置は、車両が一般道路を走行中に設定案内経路に含まれる高速道路にあるインターチェンジの名称が道路標識に表れているにもかかわらず、車両がそのインターチェンジの方向に案内されない場合であっても、乗員が疑問に思うことなく経路案内に従って車両の運転を継続することができるという効果を有し、ナビゲーション装置として有用である。
【符号の説明】
【0045】
11 処理ユニット
12 操作部
13 表示部
14 記憶部
15 出力回路
16 スピーカ
17 AVユニット
18 ナビゲーションユニット
19 カメラユニット
100 ナビゲーション装置