(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963280
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】高さ調整スタンドを備えた表示装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20160721BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
H04N5/64 581K
G09F9/00 351
G09F9/00 312
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-523496(P2014-523496)
(86)(22)【出願日】2012年7月5日
(86)【国際出願番号】JP2012067196
(87)【国際公開番号】WO2014006719
(87)【国際公開日】20140109
【審査請求日】2014年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】300016765
【氏名又は名称】NECディスプレイソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】春日 宏行
【審査官】
鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/053108(WO,A1)
【文献】
特開2008−272165(JP,A)
【文献】
特開2003−158813(JP,A)
【文献】
特開2008−148028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/64
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有する表示部と、該表示部に接続されていて高さ調整可能な高さ調整スタンドとを備えた表示装置であって、
前記高さ調整スタンドは、ベース部に設けられた固定部と、前記表示部に接続されていて固定部内を昇降可能な可動部と、前記固定部及び可動部の内部に設けられた配線ケーブルとを備え、該配線ケーブルは固定部及び/または可動部の内部で伸縮可能な湾曲部が設けられていると共に前記固定部内の端部と可動部内の端部とに接続されていることを特徴とする高さ調整スタンドを備えた表示装置。
【請求項2】
前記配線ケーブルの湾曲部はS字状湾曲部または螺旋状湾曲部である請求項1に記載された高さ調整スタンドを備えた表示装置。
【請求項3】
前記配線ケーブルは、前記可動部が固定部に対して最大長さまで引き出された状態で、前記湾曲部を残すことができる長さに設定されている請求項1または2に記載された高さ調整スタンドを備えた表示装置。
【請求項4】
前記配線ケーブルの前記固定部内の端部と前記可動部内の端部は、コネクタである請求項1乃至3のいずれか1項に記載された高さ調整スタンドを備えた表示装置。
【請求項5】
前記固定部と可動部は定荷重バネによって連結して高さ調整可能とした請求項1乃至4のいずれか1項に記載された高さ調整スタンドを備えた表示装置。
【請求項6】
前記定荷重バネは、バネ体を巻回可能なドラムを固定部に係止させると共にバネ体の端部を可動部に係止させてなる請求項5に記載された高さ調整スタンドを備えた表示装置。
【請求項7】
前記固定部及び可動部の内部で、前記定荷重バネは複数設けられていると共に、前記配線ケーブルは複数の定荷重バネの間に配設されている請求項5または6に記載された高さ調整スタンドを備えた表示装置。
【請求項8】
前記可動部の端部は表示装置に電気的に接続された第一のケーブルを備え、固定部の端部は電源または信号供給源に電気的に接続された第二のケーブルを備えている請求項1乃至7のいずれか1項に記載された高さ調整スタンドを備えた表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶パネル等の高さ調整機能を備えた表示装置用のスタンドであって、スタンドの内部に電気的接続部材である配線ケーブルを備えた高さ調整スタンドを有する表示装
置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置をはじめとする多くのIT機器は、小型化と軽量化が近年の一つの流れになっている。高さ調整機能付きのスタンドを有する液晶表示装置は、特に液晶表示部に接続するケーブルの設置が小型化と軽量化の阻害要因になっていた。現在、市販されている多くの液晶表示装置では、高さ調整スタンドが昇降機構のみを備え、電源用や信号伝送用の複数のケーブルはスタンドの外部に別途配線されているため、これらのケーブルをスタンド等の内部に組み込んでより効率的に外部空間を利用できる液晶表示装置が求められている。
液晶表示装置は、一般の事務所等に留まらず、客の目に触れ易い受付のカウンターやレジ等でも用いられてきている。また、事務所等ではパーテーション等の囲いをなくして配置の自由度を高める傾向がある。そのため、液晶表示装置の裏面が人目につきやすくなり、表示部の裏面から外部に露出するケーブルは美観を損ねることがあった。
このような外観上の美観の点からもケーブルを液晶表示装置の外部に露出させない高さ調整スタンドの製品化が望まれていた。
【0003】
例えば、従来、市販されている高さ調整スタンドを備えた液晶表示装置として、特許文献1に開示されたものが提案されている。この液晶表示装置では、高さ調整スタンドとしてスタンドベースに設けた支持筒に摺動部材が昇降可能に設けられ、摺動部材と表示パネルとの連結部に表示パネルを縦長画面と横長画面に回転切替可能な機構が開示されている。しかしながら、表示パネルと電源を電気的に接続する電源ケーブルや信号伝送ケーブル等は開示されていない。
【0004】
また、特許文献2に記載された画像表示用装置では、テレビや周辺機器を収納した画像表示用装置用スタンドに貫通孔を複数設けて、これらの貫通孔にケーブルを通してテレビと周辺機器やコネクタとを互いに接続している。しかし、この画像表示装置のスタンドは表示画面と電源や各種の信号用コネクタとを内蔵するボックス型であり、表示画面を有する表示部を支持するスタンドが昇降する機構ではないため、ケーブルもボックス内に予め内蔵されたものであり、ケーブルが外部に露出する悪影響は生じない。
【0005】
これ対し、
図9に示すような従来の高さ調整スタンドを備えた液晶表示装置は、表示パネル100を設けた支柱からなる高さ調整スタンド101を昇降可能に設置しているため、上述した従来の機器と同様に、表示パネル100に接続される電源ケーブルや信号伝送ケーブル等のケーブル102は高さ調整スタンド101の外部に設置されている。
【0006】
また、他の液晶表示装置では、見栄えを良くするために、
図10に示すようにケーブル102を高さ調整スタンド101に取り付けたカバー105内に挿入して貫通させて露出部分を少なくするようにしている。この高さ調整スタンド101ではケーブル102を露出させないよう隠すためにカバー105を別途設置している。
【0007】
また、特許文献3に記載されたヘッドマウントディスプレイでは、表示部の基板からイヤーパッドに信号を伝達するケーブルが接続され、このケーブルは回動部内のA室から仕切り板を介して重なるB室に配設されている。そして、配線の緩みが発生してケーブルがA室内に収納された場合にはスプリングによる配線巻取り機構によって、配線は螺旋状に巻き取られる。これによって、配線が絡まることなくA室内に収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−301117号公報
【特許文献2】特開2006−195217号公報
【特許文献3】特開2008−148028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、
図9に示す液晶表示装置は、高さ調整スタンド101を昇降させた際、外部に露出するケーブル102がたるんで美観を損ねたり、表示パネル100の昇降時にケーブル102が表示パネル100やスタンドベース103に接触等するため、操作性を害するという欠点があった。
【0010】
また、
図10に示す高さ調整スタンドでは、スタンド101にケーブル収納用のカバー105を別途設置する必要がある上に、ケーブル102はカバー105内を単純に貫通しているだけであるため、スタンド101が昇降作動すると、外部に露出しているケーブル102が弛んだり引っ張られたりするため外観上の美観を損ねたり、ケーブル102が機器に接触して昇降時の操作性に悪影響を与えたりする等の欠点が依然としてあった。
また、特許文献3に記載されたヘッドマウントディスプレイでは、配線のゆるみが発生してA室内で螺旋状に巻き取られて弛みを吸収できるとしても、A室内で螺旋状に巻き取られた配線がA室やB室の仕切り部と干渉し易く配線の巻き取りと繰り出しがスムーズにできないという欠点があった。
【0011】
本発明は、このような課題に鑑みて、昇降させても配線ケーブルが他の部材と干渉せずに操作性が良く、外観の見栄えも良好な高さ調整スタンドを備えた表示装
置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による高さ調整スタンドを備えた表示装置は、表示画面を有する表示部と、該表示部に接続されていて高さ調整可能な高さ調整スタンドとを備えた表示装置であって、
高さ調整スタンドは、ベース部に設けられた固定部と、表示部に接続されていて固定部内を昇降可能な可動部と、固定部及び可動部の内部に設けられた配線ケーブルとを備え、配線ケーブルは固定部及び/または可動部の内部で伸縮可能な湾曲部が設けられていると共に前記固定部内の端部と可動部内の端部とに接続されていることを特徴とす
る。
本発明によれば、表示部を備えた可動部を上昇させると高さ調整スタンドが伸張し、配線ケーブルが可動部と固定部内の各端部に接続されているために、可動部の上昇に沿って配線ケーブルが伸張して湾曲部が延びるため可動部の上昇に追従できる。また、可動部を降下させると高さ調整スタンドが収縮し、可動部の降下に沿って配線ケーブルが湾曲部でより湾曲させられて長さを調整できるため可動部の降下に追従できる。このように高さ調整スタンドの昇降に従って、内部に設けた配線ケーブルが両端部間で湾曲部における引き出しと湾曲の促進による長さの吸収とを行って追従できる。そのため、高さ調整スタンドを昇降させても、配線ケーブルの湾曲部が緩衝部となって長さ調整を行えるため他の部材と干渉することなく操作性を良好に維持でき、配線ケーブルが外部に露出しないので外観上の見栄えが良い。
【0013】
また、配線ケーブルの湾曲部はS字状湾曲部または螺旋状湾曲部であることが好ましい。
高さ調整部を昇降させる際、配線ケーブルは湾曲部がS字状湾曲部であるとS字形状の長さが長短に変動することで追従でき、また配線ケーブルの湾曲部が螺旋状湾曲部であると螺旋の巻回部が繰り出されたり多重に巻き込まれたりすることで追従できる。
【0014】
また、配線ケーブルは、可動部が固定部に対して最大長さまで引き出された状態で、湾曲部を残すことができる長さに設定されていることが好ましい。
これによって高さ調整スタンドが最も上昇した際、これに追従する配線ケーブルが直線状の緊張状態にならずに湾曲部の余裕があるため、昇降を繰り返しても湾曲形状が消耗して寿命が短くなることを防止できる。
【0015】
また、配線ケーブルの固定部内の端部と可動部内の端部は、コネクタであることが好ましい。
これによって配線ケーブルの外部に接続する他のケーブルの長さが、高さ調整スタンドの昇降に限らず変化しないようにできるため、他のケーブルが他の部材と干渉したり外観上の美観を損ねることを防止できる。しかも、高さ調整スタンドの内部は両端部のコネクタに配線ケーブルを連結したので、高さ調整スタンドの昇降による、高さ調整スタンド内の配線の電気的接続に悪影響を与えない。
【0016】
また、固定部と可動部は定荷重バネによって連結して高さ調整可能としてもよい。
固定部と可動部を定荷重バネによって連結することで、高さ調整スタンドの昇降に定荷重バネを追従させて伸縮することができると共に任意の高さ位置で静止できる。
【0017】
また、定荷重バネは、バネ体を巻回可能なドラムを固定部に係止させると共にバネ体の端部を可動部に係止させてもよい。
高さ調整スタンドの昇降に定荷重バネを追従させてドラムからバネ体を繰り出したり、バネ体をドラムに巻き込むことで、表示部と可動部の重量とバネ力を任意の高さ位置でバランスさせて静止できる。
【0018】
また、固定部及び可動部の内部で、定荷重バネは複数設けられていると共に、配線ケーブルは複数の定荷重バネの間に配設されていてもよい。
これによって、高さ調整スタンドの昇降に従って、配線ケーブルの両側で定荷重バネのバネ体が引き出しまたは巻き込みされて安定して荷重が可動部に働くので、その間に配設された配線ケーブルが捩れたり傾いたりすることなく安定して伸縮する。
【0019】
また、可動部の端部は表示部に電気的に接続された第一のケーブルを備え、固定部の端部は外部の電源及び/または信号供給源に電気的に接続された第二のケーブルを備えていることが好ましい。
高さ調整スタンドの昇降によるケーブルの伸縮調整は、湾曲部を備えた配線ケーブルで引き受けるため、高さ調整スタンドの外部に位置する第一及び第二のケーブルは、高さ調整スタンドの昇降によって伸縮しないので他の機器に干渉することなく美観がよい。
【発明の効果】
【0020】
上述したように、本発明による高さ調整スタンドを備えた表示装
置によれば、次の効果を奏する。
(1)配線ケーブルを高さ調整スタンドの内部に設けたことにより、高さ調整スタンドの外側にケーブルを配設する必要がないので、高さ調整スタンドを小型化できる。また、配線ケーブルを収納したり隠したりするカバーなどの別部品が不要であり、美観が向上する。
(2)高さ調整スタンドの昇降時に、配線ケーブルは湾曲部で引き出しまたは湾曲促進によって伸縮することで追従し、表示部や高さ調整スタンド等と干渉することがなく、表示部や高さ調整スタンドの昇降動作と操作性が阻害されることがない。
(3)高さ調整スタンドの昇降時に高さ調整スタンドの可動部の上側から露出して表示部に連結される第一のケーブルと固定部の下側から露出する第二のケーブルとの長さや位置が、高さ調整スタンドの高さ変化に関わらず一定に維持されるため、美観を損ねることなく安定した昇降動作を行える。
(4)高さ調整スタンド内の配線ケーブルの両端を可動部の端部と固定部の端部とに接続させたから、高さ調整スタンドの高さ調整時に配線ケーブルがよじれたりせず、高さ調整スタンド内の配線ケーブルの昇降時の伸縮や移動軌跡が安定するので、ケーブルガイドなどの追加部品が必要なく、シンプルな構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】本発明の第一実施形態による高さ調整スタンドを備えた液晶表示装置の側面図であって、高さ調整スタンドを上昇位置に保持した状態の図である。
【
図1B】第一実施形態による液晶表示装置の高さ調整スタンドを降下位置に保持した状態の側面図である。
【
図2】降下位置にある高さ昇降スタンドの正面図と上面図である。
【
図3A】
図2に示す高さ調整スタンドのA−A線断面図である。
【
図3B】
図2に示す高さ調整スタンドのB−B線断面図である。
【
図4A】上昇位置にある高さ調整スタンドの
図3Aと同様な断面図である。
【
図4B】上昇位置にある高さ調整スタンドの
図3Bと同様な断面図である。
【
図6A】本発明の第二実施形態による液晶表示装置において降下位置にある高さ調整スタンドの
図3Aと同様な断面図である。
【
図6B】第二実施形態による液晶表示装置において降下位置にある高さ調整スタンドの
図3Bと同様な断面図である。
【
図7A】上昇位置にある高さ調整スタンドの
図3Aと同様な断面図である。
【
図7B】上昇位置にある高さ調整スタンドの
図3Bと同様な断面図である。
【
図8】変形例による高さ調整スタンドの降下状態を示す断面図である。
【
図9】従来の表示装置の一例について上昇位置と降下位置を示す図である。
【
図10】従来の表示装置の他の例について上昇位置と降下位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
本発明の第一実施形態による液晶表示装置1について
図1A〜
図5Bにより説明する。
図1A及び
図1Bに示す液晶表示装置1は、液晶表示画面を備えた液晶表示部2と、高さ調整機能を有する高さ調整スタンド3と、この高さ調整スタンド3を支持するスタンドベース4とを有している。高さ調整スタンド3は、スタンドベース4に連結された固定部6と、固定部6に対して昇降可能で液晶表示部2を支持する可動部7とを備えている。
図2に示すように、固定部6と可動部7はいずれも筒状、例えば角筒状で可動部7は固定部6の内部を摺動可能とされている。
【0023】
また、
図3A,3B及び
図4A、4Bに示す
図2の縦断面図において、高さ調整スタンド3の固定部6の内面における下端部には下部コネクタ8が固定され、可動部7の内面における上端部には上部コネクタ9が固定されている。そして、固定部6の下部コネクタ8と可動部7の上部コネクタ9には少なくとも中間部分にS字状に形成されたS字状湾曲部11を備えたフラットケーブル10が連結されている。
そして、
図1Bに示すように、上部コネクタ9は電源及び信号を伝送するための第一のケーブル12によって液晶表示部2に電気的に接続されている。下部コネクタ8は電源及び信号を伝送するための第二のケーブル13によって図示しない電源、コンピュータ、キーボード等の信号供給源に電気的に接続されている。
【0024】
ここで、フラットケーブル10は弾性を有していて、高さ調整スタンド3内に組み込まれていない状態では1本の長い帯状であり、組み込まれた状態でS字状湾曲部11を形成してS字による伸縮性を有する範囲内で昇降するようになっている。即ち、フラットケーブル10は
図3A,3Bに示すように可動部7が下端位置に降下した位置である降下位置と、
図4A,4Bに示すように可動部7が上端位置に上昇した位置である上昇位置との範囲で、S字状湾曲部11を維持するように上昇位置にある高さ調整スタンド3の最大長さより長く形成されている。そのため、高さ調整スタンド3を昇降させる際に、フラットケーブル10はS字形状湾曲部11が大小に変化する範囲内で伸縮する。フラットケーブル10は、伸縮方向とは垂直な方向に複数の線が配列された構造であるので、伸縮する際に伸縮方向に垂直な方向に拠れることがない。つまり、高さ調整スタンド3は昇降によってS字形状の構造が乱れたり崩れたりすることがない。
【0025】
ここで、フラットケーブル10は、
図4Bに示す可動部7が上昇位置(上端位置)にある状態で、固定部6と可動部7が重なった範囲と同程度のS字状湾曲部11の長さ寸法を有するように形成されている。例えば、高さ調整スタンド3の最大長さをLとして、フラットケーブル10のS字状湾曲部11の長さ寸法mは最大長さLの約20%とする。つまり、フラットケーブル10は、可動部7が固定部6に対して最大長さまで引き出された状態で(高さ調整スタンド3が伸びきった状態で)、S字状湾曲部11が存在する長さに設定されている。よって、このような状態から高さ調整スタンド3を縮める場合、S字形状湾曲部11の長さが変化するに留まり、S字形状湾曲部11は他の形状に変わったりしない。
また、可動部7が
図3Bに示すように降下位置(下端位置)にある状態で、フラットケーブル10は互いに接触しない程度にS字状湾曲部11を形成し、好ましくはS字を形成する3本のラインが互いに平行な形状を維持する。
なお、
図3B,
図4Bに示す上昇及び降下位置において、S字状湾曲部11は固定部6の内壁と若干の間隙を有し、可動部7の内壁と若干の間隙を有するように非接触とされている。これによって、可動部7の昇降に連動してフラットケーブル10がS字状湾曲部11で相互に干渉せず、また固定部6や可動部7の内壁に干渉することなくスムーズに追従して昇降する。
【0026】
また、高さ調整スタンド3において、
図2に示すように固定部6と可動部7は平面視で例えば角筒形状であり、固定部6の一の面に開口部6aを有しており、その内側に摺動可能に嵌挿させた可動部7は固定部6の開口部6aと反対側の面に開口部7aが形成されている。そして、固定部6の開口部6aに対向する面には、一対のガイド部15が固定され、各ガイド部15は可動部7の開口部7aを通して可動部7内に突出している。
図2に示す例では、フラットケーブル10の両側に一対のガイド部15が配設されている。
そして、各ガイド部15には弾性部材として、定荷重バネ(コンストンスプリング)16が支持され、定荷重バネ16によって可動部7及び液晶表示部2を固定部6に対して任意の高さ位置に静止保持して高さ調整機能を発揮することができる。
【0027】
定荷重バネ16はドラム17に例えば帯状のバネ体18が巻回されており、ドラム17がガイド部15に支持されている。巻回されたバネ体18の一端部はドラム17から繰り出されて可動部7の一端部、例えば下端部に連結され、バネ体18のドラム17からの繰り出し量に応じて可動部7及び液晶表示部2を任意の高さ位置に保持できる。
図3A及び
図4Aに示すように、定荷重バネ16は固定部6内の上端に近い位置に支持されている。
【0028】
本第一実施形態による高さ調整スタンド3付きの液晶表示装置1は上述の構成を備えており、次にその作用を説明する。
図1B,
図3A,3Bにおいて、液晶表示装置1の高さ調整スタンド3は最も高さの低い降下位置に保持されている。高さ調整スタンド3における可動部7のほとんどは固定部6内に収納され、その内部でフラットケーブル10はS字状湾曲部11が長くなるよう撓んで保持される。また、この状態で、定荷重バネ16はバネ体18が最も繰り出された位置にある。
【0029】
この状態から液晶表示部2や可動部7を上方に引き上げると、フラットケーブル10はS字状湾曲部11の長さが短くなるように引き出されていき、これと同時に定荷重バネ16のバネ体18がドラム17に巻き取られていく。定荷重バネ16は、任意の位置で液晶表示部2と可動部7の重量とバランスして液晶表示部2と可動部7を支えて保持することができる。
そして、液晶表示部2や可動部7を上端まで引き上げると、
図4A、
図4Bに示すように、液晶表示装置1の高さ調整スタンド3は最も高さの高い上昇位置に上昇させられて保持される。この位置で、高さ調整スタンド3における可動部7の大部分は固定部6から外側に突出し、固定部6の内部でフラットケーブル10はS字状湾曲部11が最も長さが短く撓んで保持されている。また、この状態で、定荷重バネ16はバネ体18が最も巻き取られた位置にある。
【0030】
そして、
図5A、
図5Bに示すように、フラットケーブル10は、その上下端部が上部コネクタ9と下部コネクタ8に電気的に接続されているので、高さ調整スタンド3の高さを上端と下端の間で調整した場合でも、フラットケーブル10のS字状湾曲部11の長さが長短に変化することで高さの変化に追従し、電気的な接続が保持される。
また、可動部7の上部コネクタ9と液晶表示部2を接続する第一のケーブル12と、下部コネクタ8と電源等を接続する第二のケーブル13とは、高さ調整スタンド3の高さの変化に関わらず伸縮しないので、操作性が良く高さ変化による影響を受けず外観上の見栄えがよい。
【0031】
上述のように本第一実施形態による高さ調整スタンド3付きの液晶表示装置1は、高さ調整スタンド3の内部にS字形湾曲部11を有するフラットケーブル10を設けて高さ調整スタンド3の高さの変化に応じてS字状湾曲部11の長さを変化させて追従できるようにしたから、高さ調整スタンド3の外部にケーブルを設ける必要がなく、ケーブルを覆うカバー等の別部品を設ける必要もなく、高さ調整スタンド3を小型化できる。
しかも、高さ調整スタンド3内に設けたフラットケーブル10の両端を上下部コネクタ9,8で連結したから、高さ調整時にフラットケーブル10が捩れたりせずS字状を維持するため、形状が安定すると共に高さの変化に追従して電気的接続を維持できる。そのため、ケーブルガイド等の追加部品が必要なくシンプルな構造を実現できる。
【0032】
また、ケーブルを高さ調整スタンド3の外側に設けると高さ調整する際にケーブルが液晶表示装置1と干渉することがあるが、本実施形態による液晶表示装置1では高さ調整スタンド3の外部に設けた液晶表示部2に接続する第一のケーブル12や電源等に接続する第二のケーブル13の長さが一定であるから、各ケーブル10,12,13が液晶表示装置1と干渉することがなく、高さ調整スタンド3の操作性がよく、外観の美観がよい。
【0033】
なお、本発明は上述の実施形態による高さ調整スタンド3を備えた表示装置1に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限り適宜の変更を採用することができる。
以下に、本発明の他の実施形態や変形例について第一実施形態と同一または同様な部分、部材には同一の符号を用いて説明を行う。
図6A、6B、
図7A,7Bは本発明の第二実施形態による表示装置1の高さ調整スタンド20を示す断面図である
【0034】
本第二実施形態による高さ調整スタンド20では、フラットケーブル10の湾曲部の形状において第一実施形態によるS字状湾曲部11と相違し、その余の構成で一致する。
図6A,
図7Aに示すように、高さ調整スタンド20は、第一実施形態と同様に一対の定荷重バネ16の間にフラットケーブル10が配設されている。
フラットケーブル10の上下部コネクタ9,8間の長さ方向の中間点は、
図7A、7Bに示すように折り曲げられまたは略U字状に湾曲させられた折り曲げ部21aが形成されて電気的に連通している。そして、フラットケーブル10は、この折り曲げ部21aを内側端部としてその両側を二重の螺旋状に湾曲させた螺旋状湾曲部21を有している(
図6B参照)。
【0035】
そのため、
図6Bに示すように、可動部7が最も降下してその大部分が固定部6内に収容された下降位置では、上部コネクタ9と下部コネクタ8が最も近接するために、フラットケーブル10はその弾性により折り曲げ部21aを内側にして螺旋状湾曲部21として巻回されている。一方、
図7Bに示すように、可動部7が固定部6から最も上昇した上昇位置では、上部コネクタ9と下部コネクタ8が最も離間するために、フラットケーブル10は上下コネクタ9,8で引っ張られて折り曲げ部21a付近でのみ例えば半周以下の長さで湾曲する形状とされている。
【0036】
本第二実施形態による表示装置1の高さ調整スタンド20が最も高さの低い降下位置において、
図6Aに示すように、高さ調整スタンド20の可動部7のほとんどは固定部6内に収納され、その内部でフラットケーブル10は折り曲げ部21aを内側にして螺旋状湾曲部21が巻回形成されている。この位置で、
図6Aに示す定荷重バネ16はバネ体18が最も繰り出された位置にある。
【0037】
この状態から液晶表示部2や可動部7を上方に引き上げると、フラットケーブル10は螺旋状湾曲部21の巻回部分が上側と下側に引き出され、螺旋状湾曲部21の巻き数が少なくなる。これと同時に定荷重バネ16のバネ体18がドラム17に巻き取られていき、定荷重バネ16は、任意の位置で液晶表示部2及び可動部7の重量とバランスして液晶表示部2と可動部7を静止させることができる。
液晶表示部2や可動部7を上昇位置まで引き上げると、
図7A、
図7Bに示すように、液晶表示装置1の高さ調整スタンド20は上端に上昇させられて保持される。この位置で、可動部7の大部分は固定部6から外側に突出し、その内部でフラットケーブル10は螺旋状湾曲部21の折り曲げ部21aが最も巻き数の少ない引き出し状態に保持されている。この状態で、定荷重バネ16はバネ体18が最も巻き取られた位置にある。
【0038】
フラットケーブル10は、その上下端が上部コネクタ9と下部コネクタ8に電気的に接続されているので、高さ調整スタンド3の高さを調整した場合でもフラットケーブル10の折り曲げ部21aを中心とした螺旋状湾曲部21の巻き数が変化することで高さの変化に追従し、電気的な接続が保持される。
可動部7の上部コネクタ9と液晶表示部2を接続する第一のケーブル12と下部コネクタ8と電源等を接続する第二のケーブル13とは、高さ調整スタンド20の高さの変化に関わらず伸縮しないので、高さ変化による影響を受けず外観上の見栄えがよい。
【0039】
なお、上述した各実施形態による高さ調整スタンド3,20を備えた表示装置では液晶表示装置1を例にとって説明したが、本発明は液晶表示装置1に限定されることなく、プラズマ表示装置や有機LED表示装置等、各種の表示装置に高さ調整スタンド3,20を採用できる。
また、上述した各実施形態では、高さ調整スタンド3,20を任意の高さ位置に保持する定荷重バネ16を、フラットケーブル10の両側に一対内蔵したが、定荷重バネ16は1つだけ設けてもよい。
【0040】
また、上述の各実施形態等では、配線ケーブルとして、高さ調整スタンド3,20内で上部コネクタ9と下部コネクタ8に連結されたフラットケーブル10を用いたが、本発明の配線ケーブルはフラットケーブル10に限定されるものではなく、線状ケーブル等、適宜の断面形状の電源ケーブルや信号伝送ケーブル等を採用できる。
【0041】
また、配線ケーブルであるフラットケーブル10のS字状湾曲部11は高さ調整スタンド3,20の昇降方向(高さ方向)に直交する方向にS字形状湾曲部11が形成されているが、これに代えて
図8に変形例として示すように、高さ調整スタンド3、20内の昇降方向にS字形状湾曲部11が1または複数設けられたフラットケーブル10を採用してもよい。この場合、固定部6や可動部7の内径寸法が小さいので、S字状湾曲部11を複数形成することで、高さ調整スタンド3の昇降変化に追従してそれぞれ部分的に伸縮できるようにするとよい。
また、フラットケーブル10を含む配線ケーブルは、その湾曲部が上述したS字状湾曲部11や螺旋状湾曲部21に限定されるものではなく、アコーディオン形状やその他の適宜の湾曲または屈曲形状に形成してもよい。
また、上述した各実施形態では、S字状湾曲部11や螺旋状湾曲部21等は固定部6と可動部7の重複領域に配設されているが、この重複領域をはみ出して固定部6と可動部7のいずれか一方の領域に亘って形成されていてもよいし、固定部6と可動部7のいずれか一方の領域にのみ形成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、液晶画面等の表示部を支持する高さ調整スタンド内にフラットケーブルを設けてその上端と下端を上部コネクタと下部コネクタに連結し、フラットケーブルの長さ方向の中間部分にS字状湾曲部または螺旋状湾曲部等の湾曲部を設けたことで、高さ調整スタンドの高さの変化にフラットケーブルが無理なく伸縮して追従し、電気的導通を維持できるようにした高さ調整スタンドを備えた表示装置を提供する。
【符号の説明】
【0043】
1 液晶表示装置
2 表示部
3、20 高さ調整スタンド
6 固定部
7 可動部
8 下部コネクタ
9 上部コネクタ
10 フラットケーブル
11 S字状湾曲部
12 第一のケーブル
13 第二のケーブル
15 ガイド部
16 定荷重バネ
17 ドラム
18 バネ体
21 螺旋状湾曲部
21a 折り曲げ部