特許第5963298号(P5963298)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963298
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】基板処理装置およびヒータ洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20160721BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20160721BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20160721BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20160721BHJP
   H01L 21/26 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   H01L21/304 651M
   H01L21/304 643Z
   H01L21/304 651L
   B08B3/02 F
   H01L21/30 567
   H01L21/306 J
   H01L21/26 Z
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-68083(P2012-68083)
(22)【出願日】2012年3月23日
(65)【公開番号】特開2013-201236(P2013-201236A)
(43)【公開日】2013年10月3日
【審査請求日】2014年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100087701
【弁理士】
【氏名又は名称】稲岡 耕作
(74)【代理人】
【識別番号】100101328
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 実夫
(74)【代理人】
【識別番号】100137062
【弁理士】
【氏名又は名称】五郎丸 正巳
(72)【発明者】
【氏名】村元 僚
【審査官】 井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−259734(JP,A)
【文献】 特開2010−003845(JP,A)
【文献】 特開平11−102884(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/074521(WO,A1)
【文献】 特開2003−332287(JP,A)
【文献】 特開平9−186127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B08B 3/02
H01L 21/027
H01L 21/26
H01L 21/306
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線ランプと、前記赤外線ランプを収容するハウジングとを有し、基板の主面に対向する処理位置で、その基板の主面を加熱するヒータと、
前記処理位置とは異なる洗浄位置に前記ヒータが位置する状態で、前記ハウジングの外表面に、洗浄液を供給する洗浄液供給手段と
前記ヒータを収容するとともに、当該ヒータから飛散する洗浄液を受け止める収容部材とを含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記洗浄位置が、前記ヒータが前記処理位置から退避して待機するときの待機位置である、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記収容部材は、底部に排出口を有し、液を溜めることが可能な有底容器状の貯留容器を含み、
前記洗浄液供給手段は、
前記貯留容器内に洗浄液を供給する洗浄液ノズルと、
前記貯留容器の前記排出口に接続されて、前記貯留容器に溜められた液を排出するための排液配管と、
前記排液配管に介装されて、前記排液配管を開閉する排液バルブとを含む、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記洗浄液供給手段は、前記ハウジングの外表面に向けて洗浄液を吐出する洗浄液吐出口を有する洗浄液ノズルを備えている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記ハウジングの外表面から洗浄液を除去させるために、前記ハウジングの外表面に向けて乾燥用ガスを吹き付ける乾燥用ガス吹付手段をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記ヒータを昇降させるヒータ昇降手段をさらに含み、
前記乾燥用ガス吹付手段は、前記ヒータの昇降方向と交差する方向に乾燥用ガスを吐出する乾燥用ガスノズルを含み、
前記基板処理装置は、前記乾燥用ガス吹付手段および前記ヒータ昇降手段を制御して、前記乾燥用ガスノズルから乾燥用ガスを吐出させるとともに、前記ヒータを昇降させることにより、前記ハウジングの外表面における乾燥用ガスの供給位置を昇降させる吹付乾燥制御手段をさらに含む、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記赤外線ランプから赤外線を前記ハウジングに照射させることにより、前記外表面に付着している洗浄液を加熱乾燥させる加熱乾燥制御手段をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
赤外線ランプと、前記赤外線ランプを収容するハウジングとを有し、基板の主面に対向する処理位置でその基板の主面を加熱するヒータを、洗浄するためのヒータ洗浄方法であって、
前記処理位置とは異なり、前記ヒータから飛散する洗浄液を受け止めるための収容部材に前記ヒータの少なくとも一部が収容されるように設定された洗浄位置に前記ヒータを配置するヒータ配置工程と、
前記洗浄位置に位置する前記ヒータの外表面に洗浄液を供給する洗浄液供給工程とを含む、ヒータ洗浄方法。
【請求項9】
前記洗浄液供給工程の終了後、前記ハウジングの外表面に付着している洗浄液が除去される乾燥工程をさらに含む、請求項に記載のヒータ洗浄方法。
【請求項10】
前記乾燥工程は、前記赤外線ランプから赤外線を前記ハウジングに照射して、前記外表面に付着している洗浄液を加熱乾燥させる加熱乾燥工程をさらに含む、請求項に記載のヒータ洗浄方法。
【請求項11】
前記乾燥工程は、
前記ヒータを昇降させるヒータ昇降工程と、
前記ハウジングの外表面に向けて、乾燥用ガスノズルから、前記ヒータの昇降方向と交差する方向に乾燥用ガスを吐出する乾燥用ガス吐出工程とを含む、請求項または10に記載のヒータ洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、赤外線ランプを有し、基板に加熱処理を施すためのヒータを備える基板処理装置、およびそのヒータを洗浄するためのヒータ洗浄方法に関する。加熱処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などの基板が含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程には、たとえば、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)の主面にリン、砒素、硼素などの不純物(イオン)を局所的に注入する工程が含まれる。この工程では、不要な部分に対するイオン注入を防止するため、ウエハの表面に感光性樹脂からなるレジストがパターン形成されて、イオン注入が不要な部分がレジストによってマスクされる。ウエハの表面上にパターン形成されたレジストは、イオン注入の後は不要になるから、イオン注入後には、そのウエハの表面上の不要となったレジストを除去するためのレジスト除去処理が行われる。
【0003】
このようなレジスト除去処理の代表的なものでは、ウエハの表面に酸素プラズマが照射されて、ウエハの表面上のレジストがアッシングされる。そして、ウエハの表面に硫酸と過酸化水素水の混合液である硫酸過酸化水素水混合液(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:SPM液)などの薬液が供給されて、アッシングされたレジストが除去されることにより、ウエハの表面からのレジストの除去が達成される。
【0004】
ところが、レジストのアッシングのための酸素プラズマの照射は、ウエハの表面のレジストで覆われていない部分(たとえば、レジストから露呈した酸化膜)にダメージを与えてしまう。
そのため、最近では、レジストのアッシングを行わずに、ウエハの表面にSPM液を供給して、このSPM液に含まれるペルオキソ一硫酸(HSO)の強酸化力により、ウエハの表面からレジストを剥離して除去する手法が注目されつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−93926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本件発明者は、基板の主面に供給された薬液のより一層の高温化を図るため、薬液処理時において、基板の主面に供給した薬液を加熱することを検討している。具体的には、赤外線ランプと、この赤外線ランプを収容するハウジングとを有するヒータを、基板の主面に間隔を空けて対向配置することにより、基板の主面に存在する薬液を加熱することを検討している。
【0007】
ところが、赤外線ランプによる薬液の加熱処理の際には、薬液が急激に温められ、基板の主面の周辺に、大量に発生した薬液ミストが発生する。加熱処理の際に発生した薬液ミストは、基板の主面に対向するヒータのハウジングの下面に付着する。ハウジングの下面に薬液ミストが付着したまま放置されると、ハウジングの下面の赤外線透過率の低下により、ハウジング外に放出される赤外線の照射光量が低下するだけでなく、薬液ミストが乾燥して結晶化することにより、ハウジングの下面がパーティクル源になるおそれがある。したがって、基板を1枚処理する毎に、ヒータのハウジングの下面に付着した薬液を洗い流す必要がある。
【0008】
ヒータのハウジングを洗浄する方策として、鉛直下方に向く複数個の吐出口が水平方向に沿って一列または複数列に配列されたバーノズルを設け、各吐出口からの処理液をヒータに対して上方から供給する方策が考えられる。しかしながら、このような方策では、ヒータのハウジングの下面全域に洗浄液を行き渡らせるのは困難である。
本発明は、このような背景の下になされたものであり、ヒータを良好に洗浄することができる基板処理装置およびヒータ洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、赤外線ランプ(38)と、前記赤外線ランプを収容するハウジング(40)とを有し、基板(W)の主面に対向する処理位置で、その基板の主面を加熱するヒータ(35)と、前記処理位置とは異なる洗浄位置に前記ヒータが位置する状態で、前記ハウジングの外表面に、洗浄液を供給する洗浄液供給手段(84,85,86,87,88;101;201)と、前記ヒータを収容するとともに、当該ヒータから飛散する洗浄液を受け止める収容部材(80;180;280)とを含む、基板処理装置(1;1A;1B)である。
【0010】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。
この構成によれば、加熱処理時の処理位置とは異なる洗浄位置にヒータが配置された状態で、ヒータのハウジングの外表面に洗浄液が供給される。これにより、ハウジングの外表面に付着している異物を、洗浄液を用いて洗い流すことができる。ゆえに、ハウジングの外表面を良好に洗浄することができる。
【0011】
ハウジングは、赤外線ランプによる基板に対する加熱処理時に、基板の表面に対向する対向面(52B)を有していてもよい。また、基板の主面に薬液が存在している状態で、基板に対して加熱処理が施されていてもよい。
この場合、加熱処理の際に、赤外線ランプにより薬液が急激に温められて基板の主面の周囲に大量の薬液ミストが発生し、この薬液ミストがハウジングの対向面に付着していることがある。
【0012】
しかしながら、このようなヒータの洗浄においてハウジングの対向面に付着している薬液が洗浄液により洗い流される。これにより、ハウジングの対向面を良好に洗浄することができる。ゆえに、ハウジング外に放出される赤外線の照射光量の低下を及ぼすことや、ハウジングがパーティクル源になって基板の処理に悪影響を及ぼすのを防止することができる。
【0013】
請求項2に記載のように、前記洗浄位置が、前記ヒータが前記処理位置から退避して待機するときの待機位置であってもよい。
この構成によれば、待機位置に待機するヒータに対し洗浄処理を施すので、ヒータが待機位置に位置していれば、基板処理装置の処理進行状況に拘わりなく、ヒータを洗浄することができる。
【0014】
また、請求項に記載のように、前記収容部材は、底部(82)に排出口(83)を有し、液を溜めることが可能な有底容器状の貯留容器(80)を含み、前記洗浄液供給手段は、前記貯留容器内に洗浄液を供給する洗浄液ノズル(86)と、前記貯留容器の前記排出口に接続されて、前記貯留容器に溜められた液を排出するための排液配管(84)と、前記排液配管に介装されて、前記排液配管を開閉する排液バルブ(85)とを含んでいてもよい。
【0015】
この構成によれば、排液バルブが閉じられることにより有底容器からの洗浄液の排出が阻止される。この状態で、洗浄液ノズルから洗浄液が供給されることにより、貯留容器に洗浄液が溜められる。貯留容器に溜められた洗浄液中に、ヒータのハウジングの外表面を浸漬させることにより、ハウジングの外表面を洗浄することができる。
請求項に記載のように、前記洗浄液供給手段は、前記ハウジングの外表面に向けて洗浄液を吐出する洗浄液吐出口(100;200)を有する洗浄液ノズル(101;201)を備えていてもよい。
【0016】
請求項記載の発明は、前記ハウジングの外表面から洗浄液を除去させるために、前記ハウジングの外表面に向けて乾燥用ガスを吹き付ける乾燥用ガス吹付手段(89,90,91)をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、乾燥用ガスノズルからの乾燥用ガスがヒータのハウジングに吹き付けられる。乾燥用ガスによって、ハウジングの外表面に付着している洗浄液が吹き飛ばされる。これにより、ハウジングの外表面を良好に乾燥させることができる。
【0017】
請求項6記載の発明は、前記ヒータを昇降させるヒータ昇降手段(37)をさらに含み、前記乾燥用ガス吹付手段は、前記ヒータの昇降方向と交差する方向に乾燥用ガスを吐出する乾燥用ガスノズル(89)を含み、前記基板処理装置は、前記乾燥用ガス吹付手段および前記ヒータ昇降手段を制御して、前記乾燥用ガスノズルから乾燥用ガスを吐出させるとともに、前記ヒータを昇降させることにより、前記ハウジングの外表面における乾燥用ガスの供給位置を昇降させる吹付乾燥制御手段(55)をさらに含む、請求項に記載の基板処理装置である。
【0018】
この構成によれば、乾燥用ガスノズルからの乾燥用ガスが横向きに吐出されつつ、その吐出口に対向する領域をヒータが昇降する。このため、ハウジングの外表面の全域に乾燥用ガスが吹き付けられるので、ハウジングの外表面の全域から洗浄液を除去することができる。これにより、ハウジングの外表面を良好に乾燥させることができる。
請求項に記載の発明は、前記赤外線ランプから赤外線を前記ハウジングに照射させることにより、前記外表面に付着している洗浄液を加熱乾燥させる加熱乾燥制御手段(55)をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
【0019】
この構成によれば、赤外線ランプからの赤外線の照射によりハウジングが加熱されて、ハウジングの外表面に付着している洗浄液が除去される。これにより、ハウジングの外表面を良好に乾燥させることができる。
前記の目的を達成するための請求項に記載の発明は、赤外線ランプ(38)と、前記赤外線ランプを収容するハウジング(40)とを有し、基板(W)の主面に対向する処理位置でその基板の主面を加熱するヒータ(35)を、洗浄するためのヒータ洗浄方法であって、前記処理位置とは異なり、前記ヒータから飛散する洗浄液を受け止めるための収容部材(80;180;280)に前記ヒータの少なくとも一部が収容されるように設定された洗浄位置に前記ヒータを配置するヒータ配置工程と、前記洗浄位置に位置する前記ヒータの外表面に洗浄液を供給する洗浄液供給工程(S21,S22,S23)とを含む、ヒータ洗浄方法である。
【0020】
この発明の方法によれば、請求項1に関連して説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
請求項に記載の発明は、前記洗浄液供給工程の終了後、前記ハウジングの外表面に付着している洗浄液が除去される乾燥工程(S26,S27,S28)をさらに含む、請求項に記載のヒータ洗浄方法である。
【0021】
この発明の方法によれば、ヒータの洗浄処理後に、ハウジングの外表面に残留する洗浄液が除去される。そのため、ハウジングの外表面から洗浄液が除去される。これにより、洗浄液がハウジングの外表面に残留して、基板の処理に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
請求項10に記載の発明は、前記乾燥工程は、前記赤外線ランプから赤外線を前記ハウジングに照射して、前記外表面に付着している洗浄液を加熱乾燥させる加熱乾燥工程(S28)をさらに含む、請求項に記載のヒータ洗浄方法である。
【0022】
この発明の方法によれば、請求項に関連して説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
請求項1記載の発明は、前記乾燥工程は、前記ヒータを昇降させるヒータ昇降工程(S27)と、前記ハウジングの外表面に向けて、乾燥用ガスノズル(89)から、前記ヒータの昇降方向と交差する方向に乾燥用ガスを吐出する乾燥用ガス吐出工程(S26)とを含む、請求項または10に記載のヒータ洗浄方法である。
【0023】
この発明の方法によれば、請求項7に関連して説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の構成を模式的に示す図である。
図2図1に示すヒータヘッドの図解的な断面図である。
図3図2に示す赤外線ランプの斜視図である。
図4図1に示す洗浄ポッドの構成を示す図である。
図5図1に示す基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
図6】本発明に係るレジスト除去処理の処理例を示す工程図である。
図7A】SPM液膜形成工程を説明するための図解的な図である。
図7B】SPM液膜加熱工程を説明するための図解的な図である。
図8】SPM液膜加熱工程におけるヒータヘッドの移動範囲を示す平面図である。
図9】ヒータヘッド洗浄乾燥工程の流れを示すフローチャートである。
図10A】ヒータヘッド洗浄乾燥工程中の一工程を説明するための図解的な図である。
図10B図10Aの次の工程を示す図解的な図である。
図10C図10Bの次の工程を示す図解的な図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る基板処理装置の洗浄ポッドの図である。
図12図11の切断面線A−Aから見た断面図である。
図13】本発明の第3実施形態に係る基板処理装置の洗浄ポッドの図である。
図14図13の切断面線B−Bから見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1の構成を模式的に示す図である。
基板処理装置1は、隔壁2Aにより区画された処理室2を備えている。処理室2の天井壁には、処理室2内に清浄空気(基板処理装置1が設置されるクリーンルーム内の空気を浄化して生成される空気)を送り込むためのファンフィルタユニット(図示しない)が設けられている。
【0026】
基板処理装置1は、処理室2内に、ウエハWを保持して回転させるウエハ回転機構(基板保持手段)3と、ウエハ回転機構3に保持されているウエハWの表面(上面)に対して、薬液としてのレジスト剥離液の一例としてのSPM液を供給するための剥離液ノズル(薬液供給手段)4と、ウエハ回転機構3に保持されているウエハWの表面に対向して配置され、ウエハWの表面上のSPM液を加熱するヒータヘッド(ヒータ)35とを備えている。
【0027】
ウエハ回転機構3は、モータ6と、このモータ6の駆動軸と一体化されたスピン軸7と、スピン軸7の上端にほぼ水平に取り付けられた円板状のスピンベース8と、スピンベース8の周縁部の複数箇所にほぼ等角度間隔で設けられた複数個の挟持部材9とを備えている。そして、複数個の挟持部材9は、ウエハWをほぼ水平な姿勢で挟持する。この状態で、モータ6が駆動されると、その駆動力によってスピンベース8が所定の回転軸線(鉛直軸線)Cまわりに回転され、そのスピンベース8とともに、ウエハWがほぼ水平な姿勢を保った状態で鉛直な回転軸線Cまわりに回転される。
【0028】
なお、ウエハ回転機構3としては、挟持式のものに限らず、たとえば、ウエハWの裏面を真空吸着することにより、ウエハWを水平な姿勢で保持し、さらにその状態で回転軸線Cまわりに回転することにより、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWを回転させる真空吸着式のものが採用されてもよい。
剥離液ノズル4は、たとえば、連続流の状態でSPM液を吐出するストレートノズルである。剥離液ノズル4は、その吐出口を下方に向けた状態で、ほぼ水平に延びる第1液アーム11の先端に取り付けられている。第1液アーム11は、鉛直方向に延びる所定の揺動軸線まわりに旋回可能に設けられている。第1液アーム11には、第1液アーム11を所定角度範囲内で揺動させるための第1液アーム揺動機構12が結合されている。第1液アーム11の揺動により、剥離液ノズル4は、ウエハWの回転軸線C上の位置(ウエハWの回転中心に対向する位置)と、ウエハ回転機構3の側方に設定されたホームポジションとの間で移動される。このホームポジションは、ヒータヘッド35がウエハWの上方から退避して待機するときの待機位置である。
【0029】
剥離液ノズル4には、SPM供給源からのSPM液が供給される剥離液供給管15が接続されている。剥離液供給管15の途中部には、剥離液ノズル4からのSPM液の供給/供給停止を切り換えるための剥離液バルブ23が介装されている。
また、基板処理装置1は、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面にリンス液としてのDIW(脱イオン化された水)を供給するためのDIWノズル24と、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面に対して洗浄用の薬液としてのSC1(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水混合液)を供給するためのSC1ノズル25と、ウエハ回転機構3の周囲を取り囲み、ウエハWから流下または飛散するSPM液やSC1、DIWを受け止めるためのカップ5とを備えている。
【0030】
DIWノズル24は、たとえば、連続流の状態でDIWを吐出するストレートノズルであり、ウエハ回転機構3の上方で、その吐出口をウエハWの回転中心付近に向けて固定的に配置されている。DIWノズル24には、DIW供給源からのDIWが供給されるDIW供給管26が接続されている。DIW供給管26の途中部には、DIWノズル24からのDIWの供給/供給停止を切り換えるためのDIWバルブ27が介装されている。
【0031】
SC1ノズル25は、たとえば、連続流の状態でSC1を吐出するストレートノズルである。SC1ノズル25は、その吐出口を下方に向けた状態で、ほぼ水平に延びる第2液アーム28の先端に取り付けられている。第2液アーム28は、鉛直方向に延びる所定の揺動軸線まわりに旋回可能に設けられている。第2液アーム28には、第2液アーム28を所定角度範囲内で揺動させるための第2液アーム揺動機構29が結合されている。第2液アーム28の揺動により、SC1ノズル25は、ウエハWの回転軸線C上の位置(ウエハWの回転中心に対向する位置)と、ウエハ回転機構3の側方に設定されたホームポジションとの間で移動される。
【0032】
SC1ノズル25には、SC1供給源からのSC1が供給されるSC1供給管30が接続されている。SC1供給管30の途中部には、SC1ノズル25からのSC1の供給/供給停止を切り換えるためのSC1バルブ31が介装されている。
ウエハ回転機構3の側方には、鉛直方向に延びる支持軸33が配置されている。支持軸33の上端部には、水平方向に延びるヒータアーム34が結合されており、ヒータアーム34の先端に、赤外線ランプ38を収容保持するヒータヘッド35が取り付けられている。また、支持軸33には、支持軸33を中心軸線まわりに回動させるための揺動駆動機構36と、支持軸33を中心軸線に沿って上下動させるための昇降駆動機構(ヒータ昇降手段)37とが結合されている。
【0033】
揺動駆動機構36から支持軸33に駆動力を入力して、支持軸33を所定の角度範囲内で回動させることにより、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの上方で、ヒータアーム34を、支持軸33を支点として揺動させる。ヒータアーム34の揺動により、ヒータヘッド35を、ウエハWの回転軸線C上を含む位置(ウエハWの回転中心に対向する位置)と、ウエハ回転機構3の側方に設定されたホームポジションとの間で移動される。また、昇降駆動機構37から支持軸33に駆動力を入力して、支持軸33を上下動させることにより、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面に近接する近接位置(後述する第1の近接位置および第2の近接位置の双方を含む。図1に二点鎖線で示す位置)と、そのウエハWの上方に退避する退避位置(図1に実線で示す位置)との間で、ヒータヘッド35を昇降させる。この実施形態では、近接位置は、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面とヒータヘッド35の下面52Bとの間隔がたとえば3mmになる位置に設定されている。
【0034】
ヒータヘッド35のホームポジションには、ヒータヘッド35を収容するための洗浄ポッド(貯留容器)80が配設されている。洗浄ポッド80は、有底円筒状の容器であり、ヒータヘッド35は、洗浄ポッド80に収容された状態で待機させられる。
図2は、ヒータヘッド35の図解的な断面図である。
ヒータヘッド35は、赤外線ランプ38と、上部に開口部39を有し、赤外線ランプ38を収容する有底容器状のランプハウジング(ハウジング)40と、ランプハウジング40の内部で赤外線ランプ38を吊り下げて支持する支持部材42と、ランプハウジング40の開口部39を閉塞するための蓋41とを備えている。この実施形態では、蓋41がヒータアーム34の先端に固定されている。
【0035】
図3は、赤外線ランプ38の斜視図である。図2および図3に示すように、赤外線ランプ38は、円環状の(円弧状の)円環部43と、円環部43の両端から、円環部43の中心軸線に沿うように延びる一対の直線部44,45とを有する1本の赤外線ランプヒータであり、主として円環部43が発光部として機能する。この実施形態では、円環部43の直径(外径)は、たとえば約60mmに設定されている。赤外線ランプ38が支持部材42に支持された状態で、円環部43は水平姿勢をなしている。換言すると、円環部43の中心軸線は、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面に垂直な軸線である。
【0036】
赤外線ランプ38は、フィラメントを石英配管内に配設して構成されている。赤外線ランプ38には、電圧供給のためのアンプ54が接続されている。赤外線ランプ38として、ハロゲンランプやカーボンヒータに代表される短・中・長波長の赤外線ヒータを採用することができる。
図2に示すように、蓋41は円板状をなし、ヒータアーム34に対して水平姿勢に固定されている。蓋41は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂材料を用いて形成されている。この実施形態では、蓋41はヒータアーム34と一体に形成されている。しかしながら、蓋41をヒータアーム34と別に形成するようにしてもよい。また、蓋41の材料として、PTFE等の樹脂材料以外にも、セラミックスや石英などの材料を採用することもできる。
【0037】
蓋41の下面49には、(略円筒状の)溝部51が形成されている。溝部51は水平平坦面からなる上底面50を有し、上底面50に支持部材42の上面42Aが接触固定されている。蓋41には、上底面50および下面42Bを、上下方向(鉛直方向)に貫通する挿通孔58,59が形成されている。各挿通孔58,59は、赤外線ランプ38の直線部44,45の各上端部が挿通するためのものである。
【0038】
ランプハウジング40は有底円筒容器状をなしている。ランプハウジング40は石英を用いて形成されている。
ランプハウジング40は、その開口部39を上方に向けた状態で、蓋41の下面49(この実施形態では、溝部51を除く下面)に固定されている。ランプハウジング40の開口側の周端縁からは、円環状のフランジ40Aが径方向外方に向けて(水平方向に)突出している。フランジ40Aがボルト等の固定手段(図示しない)を用いて蓋41の下面49に固定されることにより、ランプハウジング40が蓋41に支持されている。
【0039】
この状態で、ランプハウジング40の底板部52は、水平姿勢の円板状をなしている。底板部52の上面52Aおよび下面(対向面)52Bは、それぞれ水平平坦面をなしている。ランプハウジング40内において、赤外線ランプ38は、その円環部43の下部が底板部52の上面52Aに近接して対向配置されている。また、円環部43と底板部52とは互いに平行に設けられている。また、見方を変えると、円環部43の下方は、ランプハウジング40の底板部52によって覆われている。なお、この実施形態では、ランプハウジング40の外径は、たとえば約85mmに設定されている。また、赤外線ランプ38(円環部43の下部)と上面52Aとの間の上下方向の間隔はたとえば約2mmに設定されている。
【0040】
支持部材42は厚肉の板状(略円板状)をなしており、ボルト56等によって、蓋41にその下方から、水平姿勢で取付け固定されている。支持部材42は、耐熱性を有する材料(たとえばセラミックスや石英)を用いて形成されている。支持部材42は、その上面42Aおよび下面42Bを、上下方向(鉛直方向)に貫通する挿通孔46,47を2つ有している。各挿通孔46,47は、赤外線ランプ38の直線部44,45が挿通するためのものである。
【0041】
各直線部44,45の途中部には、Oリング48が外嵌固定されている。直線部44,45を挿通孔46,47に挿通させた状態では、各Oリング48の外周が挿通孔46,47の内壁に圧接し、これにより、直線部44,45の各挿通孔46,47に対する抜止めが達成され、赤外線ランプ38が支持部材42によって吊り下げ支持される。
アンプ54から赤外線ランプ38に電圧が供給されると、赤外線ランプ38が赤外線を放射し、ランプハウジング40を介して、ヒータヘッド35の下方に向けて出射される。
ランプハウジング40の底板部52を介して出射された赤外線が、SPM液を加熱する。
【0042】
また、蓋41内には、ランプハウジング40の内部にエアを供給するための給気経路60と、ランプハウジング40の内部の雰囲気を排気するための排気経路61とが形成されている。給気経路60および排気経路61は、蓋41の下面に開口する給気ポート62および排気ポート63を有している。給気経路60には、給気配管64の一端が接続されている。給気配管64の他端は、エアの給気源に接続されている。排気経路61には、排気配管65の一端が接続されている。排気配管65の他端は、排気源に接続されている。
【0043】
図4は、洗浄ポッド80の構成を示す図である。洗浄ポッド80は、有底円筒状の容器である。洗浄ポッド80の上面は開放されていて、ヒータヘッド35を受け入れる入口が形成されている。ヒータヘッド35は、この入口から洗浄ポッド80内に収容される。洗浄ポッド80は、円筒状の周壁81と、この周壁81の下端に結合された底部82とを含む。
【0044】
底部82の略中央部には、排液口83が形成されている。底部82の下面には、排液配管(洗浄液供給手段)84の一端が排液口83に接続されている。排液配管84の他端は、排液を処理するための排液設備へと接続されている。排液配管84には、排液配管84を開閉するための排液バルブ(洗浄液供給手段)85が介装されている。なお、排液バルブ85は、通常、開成されている。
【0045】
周壁81には、ヒータヘッド35の外表面に洗浄液の一例としてのDIWを供給するための洗浄液ノズル(洗浄液供給手段)86が配設されている。各洗浄液ノズル86には、洗浄液供給管(洗浄液供給手段)87を通じて洗浄液が供給される。各洗浄液供給管87には洗浄液バルブ(洗浄液供給手段)88が介装されている。洗浄液バルブ88が開かれることにより、対応する洗浄液ノズル86に洗浄液が供給され、洗浄液ノズル86の吐出口から洗浄液が吐出される。
【0046】
排液バルブ85が閉じられた状態で、洗浄液ノズル86から洗浄液が吐出されると、洗浄液は底部82へと導かれ、底部82に溜められる。また、洗浄ポッド80内に溜まった洗浄液は、排液バルブ85が開かれることにより排液口83から排液され、排液配管84を通して排液される。
周壁81の上端縁よりやや下方位置には、ヒータヘッド35の外表面に乾燥用ガスの一例としての窒素ガスを供給するための複数(たとえば一対)の乾燥用ガスノズル(乾燥用ガス吹付手段)89が配設されている。一対の乾燥用ガスノズル89は、たとえば、その吐出口が洗浄ポッド80の中心軸線を挟んで対向するように同じ高さで周壁81に配設されている。
【0047】
各乾燥用ガスノズル89には、乾燥用ガス供給管(乾燥用ガス吹付手段)90を通じて乾燥用ガスが供給される。各乾燥用ガス供給管90には乾燥用ガスバルブ(乾燥用ガス吹付手段)91が介装されている。乾燥用ガスバルブ91が開かれることにより、対応する乾燥用ガスノズル89に洗浄液が供給される。各乾燥用ガスノズル89からは、洗浄ポッド80の内側に向けて略水平に乾燥用ガスが吐出される。
【0048】
図5は、基板処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。基板処理装置1は、さらに、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置55を備えている。制御装置55には、モータ6、アンプ54、揺動駆動機構36、昇降駆動機構37、第1液アーム揺動機構12、第2液アーム揺動機構29、剥離液バルブ23、DIWバルブ27、SC1バルブ31、排液バルブ85、洗浄液バルブ88、乾燥用ガスバルブ91等が制御対象として接続されている。
【0049】
図6は、本発明に係るレジスト除去処理の処理例を示す工程図である。図7Aは、後述するSPM液膜形成工程を説明するための図解的な図である。図7Bは、後述するSPM液膜加熱工程を説明するための図解的な図である。図8は、後述するSPM液膜加熱工程におけるヒータヘッド35の移動範囲を示す平面図である。
以下、図1図8を参照しつつ、レジスト除去処理の処理例について説明する。
【0050】
レジスト除去処理に際しては、搬送ロボット(図示しない)が制御されて、処理室2(図1参照)内にイオン注入処理後のウエハWが搬入される(ステップS1:ウエハ搬入)。ウエハWは、その表面を上方に向けた状態でウエハ回転機構3に受け渡される。このとき、ウエハWの搬入の妨げにならないように、ヒータヘッド35、剥離液ノズル4およびSC1ノズル25は、それぞれホームポジションに配置されている。
【0051】
ウエハ回転機構3にウエハWが保持されると、制御装置55はモータ6を制御して、ウエハWを回転開始させる(ステップS2)。ウエハWの回転速度は、ウエハWをSPM液でカバレッジできる液盛り速度(30〜300rpmの範囲で、たとえば60rpm)まで上げられ、その後、その液盛り速度に維持される。また、制御装置55は、第1液アーム揺動機構12を制御して、剥離液ノズル4をウエハWの上方位置に移動させる。
【0052】
ウエハWの回転速度が液盛り速度に達した後、図7Aに示すように、制御装置55は、剥離液バルブ23を開いて、剥離液ノズル4からSPM液をウエハWの表面に供給する。ウエハWの表面に供給されるSPM液は、ウエハWの表面上に溜められていき、ウエハWの表面上に、その表面の全域を覆うSPM液の液膜70が形成される(ステップS3:SPM液膜形成工程)。
【0053】
図7Aに示すように、SPM液膜形成工程の開始時には、制御装置55は、第1液アーム揺動機構12を制御して、剥離液ノズル4をウエハWの回転中心上に配置させ、剥離液ノズル4からSPM液を吐出する。これにより、ウエハWの表面にSPM液の液膜70を形成するとともに、SPM液をウエハWの表面の全域に行き渡らせることができる。これにより、SPM液の液膜70でウエハWの表面の全域を覆うことができる。
【0054】
剥離液ノズル4からのSPM液の吐出開始から予め定める液膜形成期間が経過すると、制御装置55は、モータ6を制御して、ウエハWの回転速度を液盛り速度よりも小さい所定の加熱処理速度に下げる。これにより、ステップS4のSPM液膜加熱工程(加熱処理)が実行される。
加熱処理速度は、ウエハWへのSPM液の供給がなくても、ウエハWの表面上にSPM液の液膜70を保持可能な速度(1〜20rpmの範囲で、たとえば15rpm)である。また、モータ6によるウエハWの減速と同期して、図7Bに示すように、制御装置55は、剥離液バルブ23を閉じて、剥離液ノズル4からのSPM液の供給を停止するとともに、第1液アーム揺動機構12を制御して、剥離液ノズル4をホームポジションに戻す。ウエハWへのSPM液の供給が停止されるが、ウエハWの回転速度が加熱処理速度に下げられることにより、ウエハWの表面上にSPM液の液膜70が継続して保持される。
【0055】
また、図7Bおよび図8に示すように、制御装置55は、アンプ54を制御して、赤外線ランプ38から赤外線を放射させるとともに、揺動駆動機構36および昇降駆動機構37を制御して、ヒータヘッド35を、ヒータヘッド35を、ウエハWの回転中心と対向する第1の近接位置(図8に実線で示す位置)と、ウエハWの周縁部と対向する第2の近接位置(図8に二点鎖線で示す位置)との間で往復移動させる。赤外線ランプ38による赤外線の照射により、赤外線ランプ38直下のウエハWおよびSPM液が急激に温められ、ウエハWとの境界付近のSPM液が温められる。そして、ウエハWの表面における底板部52の下面52Bに対向する領域(赤外線ランプ38に対向する領域)が、ウエハWの回転中心を含む領域からウエハWの周縁を含む領域に至る範囲内を円弧帯状の軌跡を描きつつ往復移動する。これにより、ウエハWの表面の全域を加熱することができる。
【0056】
なお、赤外線ランプ38からの赤外線の照射により、赤外線ランプ38直下のSPM液が急激に温められる。そのため、ウエハWの表面の周囲に、大量のSPM液ミストが生じる。
なお、第2の近接位置は、ヒータヘッド35をその上方から見たときに、底板部52の下面52Bの一部、より好ましくは赤外線ランプ38の円環部43が、ウエハWの外周よりも径方向に張り出している位置である。
【0057】
ステップS4のSPM液膜加熱工程では、SPM液の液膜70がウエハWの表面との境界付近で温められる。この間に、ウエハWの表面上のレジストとSPM液との反応が進み、ウエハWの表面からのレジストの剥離が進行する。
その後、ウエハWの回転速度が下げられてから予め定める液膜加熱処理時間が経過すると、制御装置55は、アンプ54を制御して、赤外線ランプ38からの赤外線の放射を停止させる。また、制御装置55は、揺動駆動機構36および昇降駆動機構37を制御して、ヒータヘッド35をホームポジションに戻す。このとき、ヒータヘッド35のランプハウジング40の下面52Bには、大量のSPM液ミストが付着している。
【0058】
そして、制御装置55は、モータ6を制御して、ウエハWの回転速度を所定の液処理回転速度(300〜1500rpmの範囲で、たとえば1000rpm)に上げるとともに、DIWバルブ27を開いて、DIWノズル24の吐出口からウエハWの回転中心付近に向けてDIWを供給する(ステップS5:中間リンス処理工程)。ウエハWの表面に供給されたDIWは、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの表面上をウエハWの周縁に向けて流れる。これにより、ウエハWの表面に付着しているSPM液がDIWによって洗い流される。
【0059】
DIWの供給が所定の中間リンス時間にわたって続けられると、DIWバルブ27が閉じられて、ウエハWの表面へのDIWの供給が停止される。
ウエハWの回転速度を液処理回転速度に維持しつつ、制御装置55は、SC1バルブ31を開いて、SC1ノズル25からSC1をウエハWの表面に供給する(ステップS6)。また、制御装置55は、第2液アーム揺動機構29を制御して、第2液アーム28を所定角度範囲内で揺動させて、SC1ノズル25を、ウエハWの回転中心上と周縁部上との間で往復移動させる。これによって、SC1ノズル25からのSC1が導かれるウエハWの表面上の供給位置は、ウエハWの回転中心からウエハWの周縁部に至る範囲内を、ウエハWの回転方向と交差する円弧状の軌跡を描きつつ往復移動する。これにより、ウエハWの表面の全域に、SC1がむらなく供給され、SC1の化学的能力により、ウエハWの表面に付着しているレジスト残渣およびパーティクルなどの異物を除去することができる。
【0060】
SC1の供給が所定のSC1供給時間にわたって続けられると、制御装置55は、SC1バルブ31を閉じるとともに、第2液アーム揺動機構29を制御して、SC1ノズル25をホームポジションに戻す。また、ウエハWの回転速度が液処理回転速度に維持された状態で、制御装置55は、DIWバルブ27を開いて、DIWノズル24の吐出口からウエハWの回転中心付近に向けてDIWを供給する(ステップS7:リンス処理工程)。ウエハWの表面に供給されたDIWは、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの表面上をウエハWの周縁に向けて流れる。これにより、ウエハWの表面に付着しているSC1がDIWによって洗い流される。
【0061】
DIWの供給が所定のリンス時間にわたって続けられると、DIWバルブ27が閉じられて、ウエハWの表面へのDIWの供給が停止される。
リンス処理の開始から所定時間が経過すると、制御装置55は、DIWバルブ27を閉じて、ウエハWの表面へのDIWの供給を停止する。その後、制御装置55は、モータ6を駆動して、ウエハWの回転速度を所定の高回転速度(たとえば1500〜2500rpm)に上げて、ウエハWに付着しているDIWを振り切って乾燥されるスピンドライ処理が行われる(ステップS8)。
【0062】
スピンドライ処理が予め定めるスピンドライ処理時間にわたって行われると、制御装置55は、モータ6を駆動して、ウエハ回転機構3の回転を停止させる。これにより、1枚のウエハWに対するレジスト除去処理が終了し、搬送ロボットによって、処理済みのウエハWが処理室2から搬出される(ステップS9)。
ウエハWの搬出後、ヒータヘッド35が洗浄されるとともに、その洗浄後のヒータヘッド35が乾燥されるヒータヘッド洗浄乾燥工程が実行される(ステップS10)。ヒータヘッド洗浄乾燥工程では、ヒータヘッド35を洗浄するための洗浄処理が施され、その洗浄処理後のヒータヘッド35に対して乾燥処理が施される。
【0063】
ヒータヘッド35がホームポジションにあるときには、ヒータヘッド35は、洗浄ポッド80内に収容されている。すなわち、制御装置55により揺動駆動機構36が駆動されて、ヒータヘッド35が洗浄ポッド80の上面の鉛直上方に配置されるようにヒータアーム34が移動される。さらに、制御装置55により昇降駆動機構37が制御されて、ヒータヘッド35が、その全てが洗浄ポッド80内に収容されるような(少なくともランプハウジング40の全てが収容されるような)ホームポジションに達するまで、ヒータアーム34およびヒータヘッド35が鉛直下方に降下される。ヒータヘッド35がホームポジションに達すると、その位置で待機させられる。
【0064】
図9は、ヒータヘッド洗浄乾燥工程の流れを示すフローチャートである。図10Aは、ヒータヘッド洗浄乾燥工程の洗浄処理を説明するための図解的な図であり、図10Bおよび図10Cは、ヒータヘッド洗浄乾燥工程の乾燥処理を説明するための図解的な図である。
所定の洗浄タイミングになると、制御装置55は、排液バルブ85を閉じるとともに、洗浄液バルブ88を開く(ステップS21)。排液バルブ85が閉じられた状態で、洗浄液ノズル86から洗浄液が吐出されると、図10Aに示すように、洗浄液は洗浄ポッド80内を底部82へと導かれ、底部82に溜められる。洗浄液ノズル86からの洗浄液の吐出は、洗浄ポッド80内に溜められている処理液の液面高さが、予め定める洗浄高さに達するまで続行される。この洗浄高さは、ホームポジションにあるヒータヘッド35の下面52Bよりも上方位置に設定されている。したがって、洗浄ポッド80に溜められた洗浄液の液面が洗浄高さに達している場合には、ランプハウジング40の下部分の外表面(下面52Bおよびランプハウジング40の周壁の下部分の外周面)は洗浄液に浸漬されている状態にある。
【0065】
洗浄ポッド80に溜められている洗浄液の液面高さが洗浄高さに達すると(ステップS22でYES)、制御装置55は洗浄液バルブ88を閉じる(ステップS23)。これにより、洗浄液ノズル86からの洗浄液の供給が停止される。なお、液面センサ(図示しない)によって洗浄液の液面高さを検出し、この液面センサからの検出出力に基づき、制御装置55が洗浄高さに達したことを判断するようにしてもよいし、底部82に洗浄液が全く溜められていない状態から、洗浄ポッド80内の液面高さが洗浄高さに達するような液溜め時間が予め設定されており、洗浄液バルブ88の開成からそのような液溜め時間が経過したタイミングで、洗浄液バルブ88が閉じられるようになっていてもよい。
【0066】
ランプハウジング40の下面52Bの洗浄液への浸漬により、ランプハウジング40の下面52Bに付着しているSPM液ミストなどの異物が洗い流される。その後、底部82に溜められている洗浄液の量が維持されつつ、ランプハウジング40の下部分の外表面の洗浄液への浸漬は維持される。
洗浄液バルブ88が閉じられてから予め定める洗浄処理時間(浸漬時間)が経過すると(ステップS24でYES)、制御装置55は排液バルブ85を開く(ステップS25)。洗浄ポッド80内に溜められた洗浄液は、排液バルブ85が開かれることにより、排液口83から排液配管84を通して排液される。これにより、ランプハウジング40の下部分の外表面の洗浄液への浸漬が終了する。
【0067】
次いで、図10Bおよび図10Cに示す乾燥処理が実行される。
洗浄ポッド80内から洗浄液が抜かれた後、制御装置55は、各乾燥用ガスバルブ91を開く(ステップS26)。これにより、各乾燥用ガスノズル89の吐出口から、洗浄ポッド80の内側に向けて、略水平に乾燥用ガスが吐出される。
また、制御装置55は昇降駆動機構37を制御して、ヒータヘッド35を上昇させる。
【0068】
そして、ランプハウジング40の周壁外周面における乾燥用ガスノズル89の吐出口と対向する部分に、乾燥用ガスが吹き付けられる。
その後、制御装置55は昇降駆動機構37を制御して、ヒータヘッド35を、予め定める上位置と、上位置とホームポジションとの間に設定された予め定める中間位置(図10Bに二点鎖線で示す位置。また、図10C参照)との間を昇降させる(ステップS27)。ヒータヘッド35の上位置とは、ヒータヘッド35の下面52Bが乾燥用ガスノズル89の吐出口の側方に位置するような位置である。ヒータヘッド35の中間位置とは、ヒータヘッド35の外周面(ランプハウジング40の外周面)のうち、前記の洗浄処理において洗浄液に浸漬される部分が、乾燥用ガスノズル89の吐出口の側方の下方に位置するような位置である。
【0069】
ヒータヘッド35の昇降に伴って、ランプハウジング40の周壁外周面の下部分における乾燥用ガスの吹付け位置(供給位置)も上下動(昇降)する。そのため、ランプハウジング40の周壁外周面の広範囲に乾燥用ガスを吹き付けることができる。これにより、ランプハウジング40の周壁外周面の下部分に付着している洗浄液が吹き飛ばされて除去される。
【0070】
また、図10Bに示すように、ヒータヘッド35が上位置にあるときには、乾燥用ガスノズル89から吐出された乾燥用ガスは、ランプハウジング40の下面52Bのやや下方を、下面52Bに沿って流れる。このように流れる乾燥用ガスにより、下面52Bに付着している洗浄液が吹き飛ばされて除去される。ヒータヘッド35から飛散した洗浄液は、周壁81に受け止められる。そのため、洗浄液の液滴が洗浄ポッド80外に飛散するのを抑制または防止することができる。
【0071】
なお、ヒータヘッド35の昇降動作に関し、制御装置55は、ヒータヘッド35を上位置まで上昇させた後降下を開始する前に、昇降動作を一旦停止させて、ヒータヘッド35を上位置のまま所定時間維持させるように制御してもよい。この場合、ランプハウジング40の下面52Bから、洗浄液をより効果的に除去することができる。
さらに、制御装置55は、ステップS26の乾燥用ガスノズル89からの乾燥用ガスの吐出に並行して、アンプ54を制御して、赤外線ランプ38から赤外線を放射させる(ステップS28。加熱乾燥工程)。これにより、ランプハウジング40が温められて、ランプハウジング40の下部分に付着している洗浄液が蒸発除去される。
【0072】
乾燥用ガスノズル89からの乾燥用ガスの吐出、ならびに赤外線ランプ38からの赤外線の放射は、赤外線ランプ38からの赤外線の放射開始から、予め定める乾燥処理時間が経過するまで続行される。
乾燥処理時間が経過すると(ステップS29でYES)、制御装置55は、各乾燥用ガスバルブ91を閉じて(ステップS30)、乾燥用ガスノズル89からの乾燥用ガスの吐出を停止する。また、制御装置55は、アンプ54を制御して、赤外線ランプ38からの赤外線の放射を停止させる(ステップS30)。
【0073】
また、制御装置55は、昇降駆動機構37を制御して、ヒータヘッド35を降下させて、ホームポジションに戻す(ステップS31)。
ステップS10のヒータヘッド洗浄乾燥工程の終了により、一連のレジスト除去処理は終了する。
以上によりこの実施形態によれば、各レジスト除去処理において、ヒータヘッド35を洗浄するための洗浄処理が実行される。この洗浄処理の実行時には、ホームポジションにヒータヘッド35が配置される。また、排液バルブ85が閉じられるとともに洗浄液ノズル86から洗浄液が供給されることにより、洗浄ポッド80に洗浄液が溜められる。洗浄ポッド80中に溜められた洗浄液中に、ランプハウジング40の下部の外表面が浸漬されることにより、下面52Bを含むランプハウジング40の下部分の外表面を洗浄することができる。SPM液膜加熱工程(図6に示すステップS4)において発生した大量のSPM液ミストはランプハウジング40の下面52Bに付着していることがある。
【0074】
ランプハウジング40の下面52Bに供給される洗浄液により、ランプハウジング40の下面52Bに付着しているSPM液ミストを洗い流すことができるから、ランプハウジング40の下面52Bを良好に洗浄することができる。これにより、ランプハウジング40の下面52Bを清浄な状態に保つことができる。ゆえに、ランプハウジング40外に放出される赤外線の照射光量の低下を防止することができるとともに、ランプハウジング40の下面52Bがパーティクル源になるのを防止することができる。
【0075】
また、ヒータヘッド35の洗浄処理後に、下面52Bを含むランプハウジング40の下部分の外表面が乾燥される。これにより、洗浄液がランプハウジング40の下部分の外表面に残留して、ウエハWの処理に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
図11は、本発明の第2実施形態に係る基板処理装置1Aの洗浄ポッド(収容部材)180の図である。図12は、図11の切断面線A−Aから見た断面図である。基板処理装置1Aでは、図1等に示す洗浄ポッド80に代えて、洗浄ポッド180が搭載されている。
【0076】
図11等に示す洗浄ポッド180において、第1実施形態の洗浄ポッド80の各部に対応する部分には、図1等と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。第2実施形態の洗浄ポッド180が第1実施形態の洗浄ポッド80と相違する点は、洗浄ポッド180の円板状の底部182に複数(たとえば4つ)の洗浄液ノズル101が配設されている点、および各洗浄液ノズル101が、ヒータヘッド35の下面52Bに向けて洗浄液を吐出するための洗浄液吐出口100を有している点である。
【0077】
図11および図12に示すように、各洗浄液吐出口100は、底部182の周縁部において、周方向に等間隔に配設されている。各洗浄液吐出口100の吐出方向は、鉛直方向に所定角度(たとえば30°〜60°)傾斜し、かつ円筒状の洗浄ポッド180の中心軸線方向に向く方向である。各洗浄液ノズル101には、洗浄液供給管102を通じて洗浄液が供給される。各洗浄液供給管102には洗浄液バルブ103が介装されている。洗浄液バルブ103が開かれることにより、対応する洗浄液ノズル101に洗浄液が供給され、洗浄液ノズル101の洗浄液吐出口100から洗浄液が吐出される。
【0078】
第2実施形態の洗浄ポッド180では、第1実施形態の洗浄ポッド80における乾燥処理は異なる洗浄処理が実行される。一方、第2実施形態の洗浄ポッド180では、第1実施形態の洗浄ポッド80における乾燥処理と同等の乾燥処理が実行される。第2実施形態の洗浄ポッド180では、ヒータヘッド35はホームポジションよりもやや上方の洗浄位置(図11に示す位置)で洗浄処理を受ける。
【0079】
所定の洗浄タイミングになると、制御装置55により昇降駆動機構37が制御されて、ヒータヘッド35が上昇されて、ホームポジションよりもやや上方で、かつ中間位置(図10C等に示す位置)よりも下方に設定された洗浄位置に配置される。
また、各洗浄液バルブ103が開かれて、各洗浄液吐出口100から洗浄液が吐出される。各洗浄液吐出口100から吐出された洗浄液は、ヒータヘッド35の下面52Bに着液する。この実施形態では、各洗浄液吐出口100から吐出された洗浄液は、たとえば、円形の下面52Bにおける、平面視で見たときの洗浄液吐出口100と下面52Bの中心とを結ぶ中間位置に着液する。下面52Bに着液した洗浄液は、下面52Bを伝ってその周囲に広がる。その後、洗浄液ノズル101からの洗浄液の吐出開始から、予め定める洗浄処理期間が経過すると、洗浄液バルブ103が閉じられる。なお、洗浄処理の全期間を通じて、排液バルブ85は開成状態にある。そのため、底部182に導かれた洗浄液は、底部82に溜められずに、排液配管84を通して機外に排出される。
【0080】
この第2実施形態によれば、ランプハウジング40の下面52Bに供給される洗浄液により、ランプハウジング40の下面52Bに付着しているSPM液ミストなどの異物が洗い流される。これにより、ランプハウジング40の下面52Bを良好に洗浄することができる。
その後、図10Bおよび図10Cに示すのと同等の乾燥処理が実行される。
【0081】
図13は、本発明の第3実施形態に係る基板処理装置1Bの洗浄ポッド(収容部材)280の図である。図14は、図13の切断面線B−Bから見た断面図である。基板処理装置1Bでは、図1等に示す洗浄ポッド80に代えて、洗浄ポッド280が搭載されている。
図13等に示す洗浄ポッド280において、第1実施形態の洗浄ポッド80の各部に対応する部分には、図1等と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。第3実施形態の洗浄ポッド280が第1実施形態の洗浄ポッド80と相違する点は、洗浄ポッド180の円板状の底部282に複数(たとえば5つ。図13では3つのみ図示)の洗浄液ノズル201が配設されている点、および各洗浄液ノズル201が、ヒータヘッド35の下面52Bに向けて洗浄液を吐出するための洗浄液吐出口200を有している点である。また、洗浄液吐出口200が底部82の中央部にも配設されるために、底部82の周縁部に排液口283を配置した点も、第1実施形態と相違している。
【0082】
複数の洗浄液吐出口200は、ホームポジションに位置するヒータヘッド35の下面52Bの中心の下方に対向する1つの中央吐出口200Aと、その下面52Bの周縁部の下方に対向する複数(たとえば4つ)の周縁吐出口200Bとを備えている。各周縁吐出口200Bは、底部282の周縁部において、周方向に等間隔に配設されている。各洗浄液吐出口200A,200Bの吐出方向は、鉛直上方である。各洗浄液ノズル201には、洗浄液供給管202を通じて洗浄液が供給される。洗浄液供給管202には洗浄液バルブ203が介装されている。洗浄液バルブ203が開かれることにより、洗浄液ノズル201に洗浄液が供給され、洗浄液ノズル201の洗浄液吐出口200(200A,200B)から洗浄液が吐出される。
【0083】
第3実施形態の洗浄ポッド280では、第1実施形態の洗浄ポッド80における乾燥処理は異なる洗浄処理が実行される。一方、第3実施形態の洗浄ポッド280では、第1実施形態の洗浄ポッド80における乾燥処理と同等の乾燥処理が実行される。第3実施形態の洗浄ポッド280では、ヒータヘッド35は、第2実施形態の場合と同様、洗浄位置(図13に示す位置)で洗浄処理を受ける。
【0084】
ヒータヘッド35が洗浄位置に配置された後、各洗浄液バルブ103が開かれて、各洗浄液吐出口200(200A,200B)から洗浄液が吐出される。各洗浄液吐出口200から吐出された洗浄液は、ヒータヘッド35の下面52Bに着液し、下面52Bを伝ってその周囲に広がる。その後、洗浄液ノズル201からの洗浄液の吐出開始から、予め定める洗浄処理期間が経過すると、洗浄液バルブ203が閉じられる。なお、洗浄処理の全期間を通じて、排液バルブ85は開成状態にある。そのため、底部282に導かれた洗浄液は、底部82に溜められずに、排液配管84を通して機外に排出される。
【0085】
この実施形態によれば、ランプハウジング40の下面52Bに供給される洗浄液により、ランプハウジング40の下面52Bに付着しているSPM液ミストなどの異物が洗い流される。これにより、ランプハウジング40の下面52Bを良好に洗浄することができる。
その後、図10Bおよび図10Cに示すのと同等の乾燥処理が実行される。
【0086】
以上、この発明の3つの実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することも可能である。
たとえば、前述の各実施形態では、ヒータヘッド洗浄乾燥工程(図6に示すステップS10)を、処理室2からのウエハWの搬出後に行うものとしたが、ホームポジションで待機するヒータヘッド35に対して洗浄処理等を施すために、レジスト除去処理の進行状況に拘わりなく、ヒータヘッド35を洗浄することができる。具体的には、たとえばSPM液膜加熱工程(図6に示すステップS4)の終了後において、ホームポジションに戻されたヒータヘッド35に対して洗浄処理や乾燥処理を施すようにしてもよい(図6に二点鎖線で示すステップS20:ヒータヘッド洗浄乾燥工程)。また、SPM液膜加熱工程後であれば、その他のタイミングでヒータヘッド洗浄乾燥工程を実行させてもよい。
【0087】
また、第2および第3実施形態では、洗浄ポッド180,280に洗浄液を溜める必要はなく、そのため、洗浄ポッド180,280から排液バルブ85を取り除いた構成を採用してもよい。
また、乾燥用ガスノズル89の個数を2つとしたが、乾燥用ガスノズル89は3個以上の個数が設けられていてもよい。この場合に、複数の乾燥用ガスノズル89は同じ高さに配置されていることが望ましく、また、周方向に等間隔に配設されていることが望ましい。
【0088】
また、各乾燥用ガスノズル89の吐出方向は水平でなく、斜め下向きであってもよいし斜め上方であってもよい。
また、一対の乾燥用ガスノズル89が、洗浄ポッド80の周壁81に設けられる構成には限られず、洗浄ポッド80,180,280の上面よりも上方(すなわち洗浄ポッド外)に配置されていてもよい。
【0089】
また、ヒータヘッド35の乾燥処理において、乾燥用ガスノズル89からの乾燥用ガスを吹き付けて飛ばす吹き飛ばし乾燥と、赤外線ランプ38によりランプハウジング40を温める加熱乾燥との双方により、ランプハウジング40の外表面を乾燥させる場合を例に挙げて説明したが、乾燥用ガスによる吹き飛ばし乾燥は行わずに、赤外線ランプ38による加熱乾燥のみにより、ランプハウジング40の外表面を乾燥させるようにしてもよい。
【0090】
また、ヒータヘッド洗浄乾燥工程を処理室2からのウエハWの搬出後に行う場合には、ヒータヘッド洗浄乾燥工程の実行と併せて、ヒータアーム34の洗浄が行われてもよい。ヒータアーム34の洗浄は、たとえば処理室2内に別途配設されたバーノズル(図示しない)を用いて、ヒータアーム34を洗浄することができる。バーノズルは、鉛直下方に向く多数の吐出口が水平方向に沿って一列または複数列に配列されており、処理室2内の上部領域に配設されている。ヒータアーム34が、バーノズルの下方に対向配置された状態で、バーノズルの各吐出口から洗浄液が吐出され、この洗浄液がヒータアーム34の外表面に降り掛かり、ヒータアーム34の外表面が洗浄される。
【0091】
さらに、ヒータヘッド洗浄乾燥工程を処理室2からのウエハWの搬出後に行う場合には、ステップS10のヒータヘッド洗浄乾燥工程の実行と併せて処理室2内の洗浄(チャンバ洗浄)が行われてもよい。
また、洗浄処理に用いる洗浄液としてDIWを用いる場合を例に挙げて説明した。しかしながら、洗浄液は、DIWに限らず、希フッ酸水溶液、炭酸水、電解イオン水、オゾン水などを洗浄液として採用することもできる。さらに洗浄液として、希フッ酸水溶液等の薬液を用いる場合には、洗浄液をヒータヘッド35に供給した後に、DIWや炭酸水などを用いてヒータヘッド35から洗浄液を洗い流すためのリンス処理が施されてもよい。
【0092】
また、乾燥用ガスの一例として窒素ガスを挙げたが、清浄空気やその他の不活性ガスを乾燥用ガスとして用いることができる。
また、本発明を、燐酸などの高温のエッチング液を用いて基板の主面の窒化膜を選択的にエッチングする基板処理装置に備えられるヒータの洗浄方法に適用することもできる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0093】
1,1A,1B 基板処理装置
35 ヒータヘッド(ヒータ)
37 昇降駆動機構(ヒータ昇降手段)
38 赤外線ランプ
40 ランプハウジング(ハウジング)
52B 下面(対向面)
80 洗浄液ポッド(貯留容器)
82 底部
83 排出口
84 排液配管(洗浄液供給手段)
85 排液バルブ(洗浄液供給手段)
86 洗浄液ノズル(洗浄液供給手段)
87 洗浄液供給管(洗浄液供給手段)
88 洗浄液ノズル(洗浄液供給手段)
89 乾燥用ガスノズル
90 乾燥用ガス供給管(乾燥用ガス吹付手段)
91 乾燥用ガスバルブ(乾燥用ガス吹付手段)
100 洗浄液吐出口
101 洗浄液ノズル
180 洗浄液ポッド(収容部材)
200 洗浄液吐出口
201 洗浄液ノズル
280 洗浄液ポッド(収容部材)
W ウエハ(基板)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14