(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
地盤の改良工法の一つに固化処理杭造成工法がある。この固化杭造成工法は、例えば
図10に示すように、機械式撹拌装置100の先端を、施工する柱体の芯に合わせて回転軸101を回転させ、回転軸101の下部に放射状に設けた1以上の撹拌翼102a、102bの回転域の地盤中に、回転軸101の所定位置に付設された固化材吐出管口103から固化材を吐出させ、原位置土と撹拌混合しながら貫入を行い、設計深度に達したところで吐出を停止し、回転軸101をそのまま回転又は逆転して、更に撹拌混合しながら引き抜いて柱状体を造成する工法である。
図10中、符号121は掘削ビットである。
【0003】
また、特開2003−74049号公報には、地上の供給手段に接続される第1圧縮空気供給管及び液状物供給管と、前記液状物供給管から導入される液状物を、前記第1圧縮空気供給管から導入される圧縮空気に同伴させる、前記攪拌翼の外側端近傍に付設され吐出口を外側に向けた混合エジェクターを備える固化処理杭の造成装置が開示されている。該固化処理杭造成装置によれば、攪拌翼径の外側をも混合処理が可能となる。
【0004】
このような機械式撹拌装置に装着される回転駆動手段(以下「オーガモーター」とも言う。)は、使用する撹拌装置の撹拌能力から決められるものであり、小型施工機における撹拌装置の撹拌能力は一般に小さく、大型施工機における撹拌装置の撹拌能力は大きなオーガモーターが装備される。そして、このような機械式撹拌装置の撹拌能力の大小は、改良対象となる地盤の土性図等により決定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、地盤土性図等よる撹拌装置の選定において、掘削撹拌に支障がおきないよう、余裕を見て撹拌能力が大きな大型機械式撹拌装置を準備することは、不経済である。また、撹拌能力を抑えた機械式撹拌装置を用いる場合、地盤を掘削する負荷電流が全負荷電流を超えることがあり、この場合、機械式撹拌装置の貫入に支障をきたすという問題がある。
【0007】
このような問題を大掛りな施工装置を使用することなく解決する場合、従来、貫入工程において、高圧水ジェットを撹拌翼近傍から吐出し、原地盤土を緩めることにより、掘削撹拌抵抗を低減しながら、所定深度まで貫入を行っていた。この場合、高圧水ジェットの水量により原地盤土を含んだ排泥が多量に発生し、装置設置の足場が不安定となったり、排泥処分費が嵩み不経済となるという問題がある。
【0008】
従って、本発明の目的は、上記従来の問題点を解決したものであって、大掛かりな施工装置を使用することなく、地盤を掘削する負荷電流が全負荷電流を超える場合であっても、回転軸の貫入に支障をきたすことがない固化処理杭造成装置及び固化処理杭の造成方法を提供することにある。
【0009】
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、回転軸の負荷電流を監視し、撹拌装置の全負荷電流近傍で定められる上限値を超える場合、撹拌抵抗低減剤を吐出すれば、負荷電流が低減され、能力を超える地盤への貫入がスムーズに行われるため、小型機の能力でも大型機並の施工が可能となること等を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
また、本発明は、回転駆動手段により回転される中空の回転軸と、該回転軸の下方に放射状に設けた1以上の撹拌翼と、一端が地上の供給手段に接続される途中に切替弁を有する低減剤供給管から供給される撹拌抵抗を低減する低減剤を、一端が地上の供給手段に接続される第1圧縮空気供給管から導入される圧縮空気に同伴させる同伴装置と、該回転軸の中空部に配設され、一端が地上の供給手段に接続される地盤を改良する固化材を供給する固化材供給管と、該同伴装置で得られる低減剤混合噴流を吐出する又は該固化材供給管から導入される固化材を該圧縮空気に同伴させて吐出する該撹拌翼内に付設される第1混合エジェクターと、該回転駆動手段の負荷電流が所定の上限値を超える際、低減剤を吐出し、所定の下限値を下回る際、低減剤の吐出を停止する制御手段と、を備え、
該切替弁は、低減剤の供給と低減剤の供給停止を切り替えるものであることを特徴とする固化処理杭造成装置を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、該回転軸の中空部に配設され、一端が地上の供給手段に接続される固化材供給管及び一端が地上の供給手段に接続される第2圧縮空気供給管と、該固化材供給管から導入される固化材を、該第2圧縮空気供給管から導入される圧縮空気に同伴させて吐出する該撹拌翼内に付設される第2混合エジェクターを更に、有することを特徴とする前記固化処理杭造成装置を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、前記固化処理杭造成装置を用い、貫入工程は、該回転軸を回転させ原位置土を撹拌し、引き抜き工程は、該第1混合エジェクターから固化材を圧縮空気と共に吐出させ、原位置土と撹拌混合して地中に固化処理杭を造成する方法であって、該制御手段を作動させ、貫入工程は、該回転駆動手段の負荷電流が所定の上限値を超える場合、低減剤を吐出し、該負荷電流が所定の下限値を下回った場合、低減剤の吐出を停止し、引き抜き工程は、該回転駆動手段の負荷電流が所定の上限値を超える場合、低減剤を固化材と共に吐出し、該負荷電流が所定の下限値を下回った場合、低減剤の吐出を停止することを特徴とする固化処理杭の造成方法を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、前記固化処理杭造成装置を用い、貫入工程は、該回転軸を回転させ原位置土を撹拌し、引き抜き工程は、該第1混合エジェクター又は第2混合エジェクターから固化材を圧縮空気と共に吐出させ、原位置土と撹拌混合して地中に固化処理杭を造成する方法であって、該制御手段を作動させ、貫入工程は、該回転駆動手段の負荷電流が所定の上限値を超える場合、低減剤を吐出し、該負荷電流が所定の下限値を下回った場合、低減剤の吐出を停止し、引き抜き工程は、該回転駆動手段の負荷電流が所定の上限値を超える場合、該第1混合エジェクターから低減剤を固化材と共に吐出し、該負荷電流が所定の下限値を下回った場合、低減剤の吐出を停止することを特徴とする固化処理杭の造成方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明において、回転軸の貫入工程及び引き抜き工程において、地盤を掘削する負荷電流が、例えば全負荷電流を超える場合、これを感知して低減剤を圧縮空気と共に、噴出するため、原位置土の塊等を粉砕し、且つ粉砕した土や土粒子の粒子間に低減剤が作用することで流動性を高めることができる。このため、撹拌翼の抵抗が減り、回転軸の貫入に支障をきたすことがない。また、より大型の撹拌装置を必要とせず回転軸を容易に所定深度まで貫入することができる。また、低減剤を吐出後、負荷電流が、例えば所定の下限値を下回る場合、これを感知して低減剤の吐出を停止すれば、低減剤の無駄な使用を減らすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の第1の実施の形態における固化処理杭造成装置を
図1〜
図4を参照して説明する。固化処理杭造成装置10は、回転駆動手段により回転される中空の回転軸1と、回転軸1の下方に放射状に設けた1以上の撹拌翼2と、回転軸1の中空部に配設され、一端が地上の供給手段8aに接続される第1圧縮空気供給管3及び分岐の一端が地上の低減剤供給手段6に接続される撹拌抵抗を低減させる低減剤又は分岐の他端が地上の固化材供給手段7に接続される地盤を改良する固化材を供給する兼用供給管4と、兼用供給管4から導入される低減剤又は固化材を、第1圧縮空気供給管8aから導入される圧縮空気に同伴させて吐出する撹拌翼2内に付設される第1混合エジェクター5と、制御手段20とを備える。なお、低減剤及び固化材は共に、液状物として使用する。
【0018】
兼用供給管4の分岐点に設置される切替弁11は、切替えにより、兼用供給管4と低減剤供給手段6の接続、兼用供給管4と固化材供給手段7の接続及び兼用供給管4と低減剤供給手段6及び固化材供給手段7との接続を可能にしている。すなわち、切替弁11の切替えにより、兼用供給管4に、低減剤のみの供給、固化材のみの供給及び低減剤と固化材両方の供給と3通りの供給を可能にするものである。これにより、例えば、固化材のみを吐出中に、低減剤を吐出して、固化材と低減剤の双方の供給が可能となる。
【0019】
第1混合エジェクター5は、撹拌翼2内に設置されるが、特に、撹拌翼2の中央近傍に位置させ、且つ吐出口51を撹拌翼2の正回転方向前方に向けて付設することが、低減剤と圧縮空気の噴流物が撹拌翼の回転方向正面に位置する原位置土に高速でぶつけることができ、土の塊を粉砕する作用力が高まる点で好ましい。撹拌翼2の中央近傍とは、放射状に設けた撹拌翼2の放射方向(杭の径方向)における中央付近であり、多少の前後はあってもよい。また、第1混合エジェクター5は、上から見て撹拌翼内に納まる形状とすることが、撹拌翼2から突出する部分が無くなる点で好ましい。撹拌翼2から突出する部分があると、撹拌抵抗により損傷する恐れがでてくる。
【0020】
制御手段20は、回転駆動手段の負荷電流が所定の上限値を超える際、低減剤を吐出し、所定の下限値を下回る際、低減剤の吐出を停止する。所定の上限値は、撹拌装置の全負荷電流の70%〜100%、好ましくは全負荷電流の90%〜100%とすることが、低減剤の浪費にならず、且つ回転駆動手段の保護の点で好ましい。また、所定の下限値は、該所定の上限値の80%以上、100%未満、好ましくは、該所定の上限値の90%以上、100%未満とすることが、低減剤を節減できる点で好ましい。
【0021】
回転軸1の上端には不図示の回転駆動手段(オーガモーター)が設置され、これにより回転軸1は回転される。すなわち、施工時には、回転軸1が不図示のベースマシン側の支持リーダー及びウインチ等を介して移動可能に支持されて、地盤中へ貫入されたり、地表に引き抜かれたりする。回転駆動手段では、回転軸1を電動モーター及び減速装置を介して正転、逆転するもので、全体が回転軸1と共に、リーダーに沿って昇降される。
【0022】
本例に用いるオーガモーターの電流−トルク曲線を
図4に示す。電動機は通常4極(4Pと表す)と8極(8Pと表す)で示され、貫入時は8Pを選択し全負荷電流が大きく時間当たり少ない回転数で貫入を行う。また、引抜時は4Pを選択し全負荷電流は理論上8Pの79%となるが、時間当たり回転数は2倍とすることができる。次に、全負荷電流について説明する。全負荷電流とは、モーターの100%出力時の入力電流値を表し、全負荷電流で運転できればオーガー性能を安定的に出力し続けることができる。本例の所定の上限値を全負荷電流とした場合、上限値を
図4にて説明すると、当該オーガーは50Hz−8Pの場合、全負荷電流は375A(アンペア)のように求められ、50Hz−4Pでの全負荷電流は298Aが求められる。通常貫入過程では、定格トルクは50Hz−8Pを選択するので、この全負荷電流375Aが上限値として、演算部22に設定される。
【0023】
制御手段20は、具体的には、負荷電流センサー21、演算部22、低減剤制御部23、圧縮空気演算処理部24、低減剤演算処理部25及び固化材演算処理部26とから構成される。演算部22は、所定の上限値と負荷電流センサー21から送られる信号との比較演算、所定の下限値と負荷電流センサー21から送られる信号との比較演算を行い、当該演算の結果を低減剤制御部23に送信する機能を有する。低減剤制御部23は、比較演算の結果から低減剤吐出信号又は低減剤停止信号に基づき、低減剤の吐出又は停止を低減剤演算処理部25を通じて低減剤供給手段6に指示し、圧縮空気の供給又は停止を圧縮空気演算処理部24を通じて圧縮空気供給手段8aに指示する機能を有する。また、固化材の吐出又は停止は演算部の結果によらず施工条件で機能させることができるが、演算部22の信号を固化材演算処理部26に送ることで、施工条件に応じて、固化材の吐出量等を変更することもできる。なお、
図1中、符号12はスイベル管である。
【0024】
次に、固化処理杭造成装置10を用いた固化処理杭造成方法を説明する。貫入工程は、固化材を吐出せず、回転軸1を回転させ原位置土を撹拌する工程である。貫入工程において、回転軸1を正回転方向に回転させて、地盤中に貫入していくと、地盤と撹拌翼の抵抗から負荷電流が発生する。回転駆動手段の負荷電流が所定の上限値を超える場合、制御手段20から低減剤及び圧縮空気の吐出信号が発せられ、第1混合エジェクター5から低減剤を圧縮空気と共に吐出する。これにより、撹拌抵抗を高める原因となっている原位置土の塊等を粉砕すると共に、粉砕した土や土粒子の粒子間に低減剤が作用することで流動性を高めることができる。このため、撹拌翼の抵抗が減り、回転軸1の貫入が円滑に進む。なお、低減剤の吐出量は、予め実験室における模擬試験あるいは過去の種々のデータ等を含めて決定される。また、貫入工程において、第1混合エジェクター5から低減剤を吐出しない状態においては、圧縮空気を吐出させておくことが、吐出口を詰まらせることがない点で好ましい。
【0025】
低減剤吐出過程において、負荷電流が下限値を下回った場合、制御手段20から低減剤吐出停止信号が発せられ、第1混合エジェクター5からの低減剤と圧縮空気の吐出を停止する。低減剤吐出過程において、負荷電流は全負荷電流以下であるため、低減剤の吐出を停止しても問題はないと共に、低減剤の無駄な使用を抑制できる。低減剤の吐出を停止した後、負荷電流が上昇し、再び所定の上限値を超える場合、第1混合エジェクター5から低減剤を圧縮空気と共に吐出する。このように、負荷電流を全負荷電流以下であって、所定の上限値と下限値の間となるように監視し、低減剤の吐出及び吐出停止を繰り返すことで、回転軸1の円滑な貫入が可能となる。
【0026】
引き抜き工程は、回転軸1を逆回転させつつ、地上に引き上げる工程であって、第1混合エジェクター5から固化材(セメントミルク)が圧縮空気と共に、吐出される。固化材と圧縮空気の噴流物は、分散又は細分化された状態で原位置土に高速でぶつかるため、流動性が高まった地盤中に効率よく撹拌混合されるため撹拌地盤が高度に均一化される。均一化の程度が高まると固化材の使用量を低減でき、また、固化材の使用量を維持すれば、固化後の処理杭9の強度を高めることができる。引き抜き工程において、回転駆動手段の負荷電流が所定の上限値を超える場合、制御手段20から低減剤吐出信号が発せられ、第1混合エジェクター5から低減剤が固化材及び圧縮空気と共に吐出される。これにより、撹拌抵抗を高める原因となっている原位置土の塊等を粉砕すると共に、粉砕した土や土粒子の粒子間に低減剤が作用して流動性を高める。なお、貫入工程において、地盤は撹拌されており、引き抜き工程において、低減剤の吐出頻度は少ないものとなる。
【0027】
引き抜き工程であって、且つ低減剤吐出過程において、負荷電流が下限値を下回った場合、制御手段20から低減剤吐出停止信号が発せられ、第1混合エジェクター5からの低減剤の吐出を停止する。低減剤吐出過程において、負荷電流は全負荷電流以下であるため、低減剤の吐出を停止しても問題はなく固化処理杭を造成できると共に、低減剤の無駄な使用を抑制できる。低減剤の吐出を停止した後、負荷電流が上昇し、再び所定の上限値を超える場合、制御手段20から低減剤吐出信号が発せられ、第1混合エジェクター5から固化材と共に低減剤を吐出する。このように、引き抜き工程において、負荷電流を全負荷電流以下であって、所定の上限値と下限値の間となるように監視し、低減剤の吐出及び吐出停止を繰り返すことで、回転軸1の円滑な貫入が可能となる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施の形態における固化処理杭造成装置を
図5〜
図7を参照して説明する。
図5〜
図7において、
図1〜
図4と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、
図5〜
図7の固化処理杭造成装置10aにおいて、
図1〜
図4の固化処理杭造成装置10と異なる点は、第1圧縮空気供給配管3を、低減剤を圧縮空気に同伴させた低減剤混合噴流又は圧縮空気を供給する低減剤混合噴流供給配管3aとした点、兼用配管4を、固化材供給配管4aとした点である。すなわち、固化処理杭造成装置10aは、一端が地上の供給手段に接続される途中に切替弁11aを有する低減剤供給管61から供給される撹拌抵抗を低減する低減剤を、一端が地上の供給手段に接続される第1圧縮空気供給管81から導入される圧縮空気に同伴させる同伴装置201と、一端が地上の供給手段に接続される地盤を改良する固化材を供給する固化材供給管4aとを備えるものである。なお、切替弁11aは低減剤を吐出しない場合、切替ることで、圧縮空気のみを低減剤混合噴流供給配管3aに供給することができる。
【0029】
同伴装置201は、第1圧縮空気供給管81中に、低減剤供給管61の先端部を挿入し、部分的に二重配管にすると共に、低減剤供給管61の先端部の開口を吐出側に向けたものである。また、第1圧縮空気供給管81における二重配管より先の部分は、先細りとなっている。これにより、低減剤を圧縮空気に同伴させ噴流物として第1混合エジェクター5に供給することができる。
【0030】
また、
図7の制御部20aは、
図2の制御部20と同様であるものの、圧縮空気供給手段、低減剤供給手段及び固化材供給手段にそれぞれ接続される配管及び切替弁の位置が前述の通り異なるものである。
【0031】
次に、固化処理杭造成装置10aを用いた固化処理杭造成方法を、固化処理杭造成装置10を用いた固化処理杭造成方法と異なる点について主に説明する。貫入工程において、回転軸1を正回転方向に回転させて、地盤中に貫入していくと、地盤と撹拌翼の抵抗から負荷電流が発生する。回転駆動手段の負荷電流が所定の上限値を超える場合、制御手段20aから低減剤及び圧縮空気の吐出信号が発せられ、同伴装置201から低減剤混合噴流が配管3aに供給され、第1混合エジェクター5から低減剤を圧縮空気と共に吐出することになる。これにより、低減剤吐出効果は、固化処理杭造成装置10を用いた固化処理杭造成方法と同様である。
【0032】
低減剤吐出過程において、負荷電流が下限値を下回った場合、制御手段20aから低減剤吐出停止信号が発せられ、第1混合エジェクター5からの低減剤と圧縮空気又は低減剤の吐出を停止する。低減剤の吐出を停止し、配管3aから圧縮空気のみを供給する場合には、切替弁11aを切り替えればよい。低減剤の吐出を停止した後、負荷電流が上昇し、再び所定の上限値を超える場合、第1混合エジェクター5から低減剤を圧縮空気と共に吐出する。
【0033】
引き抜き工程は、固化材供給手段及び第1圧縮空気供給手段を稼働させ、第1混合エジェクター5から固化材が圧縮空気と共に、吐出される。引き抜き工程において、回転駆動手段の負荷電流が所定の上限値を超える場合、制御手段20aから低減剤吐出信号が発せられ、切替弁11aが切替えられ、低減剤が供給され、第1混合エジェクター5から低減剤と固化材が圧縮空気と共に吐出される。引き抜き工程であって、且つ低減剤吐出過程において、負荷電流が下限値を下回った場合、制御手段20aから低減剤吐出停止信号が発せられ、切替弁11aが切替えられ、第1混合エジェクター5からの低減剤の吐出を停止する。
【0034】
次に、本発明の第3の実施の形態における固化処理杭造成装置を
図8及び
図9を参照して説明する。
図8の固化処理杭造成装置10bにおいて、
図1の固化処理杭造成装置10と異なる点は、回転軸1の中空部に配設され、一端が地上の固化材供給手段9に接続される固化材供給管14及び一端が地上の圧縮空気供給手段8bに接続される第2圧縮空気供給管13と、固化材供給管14から導入される固化材を、第2圧縮空気供給管13から導入される圧縮空気に同伴させる、撹拌翼2内に付設される第2混合エジェクター15を更に、有するところにある。
【0035】
固化処理杭造成装置10bにおいて、第2混合エジェクター15は、撹拌翼2内であって、撹拌翼2のほぼ中央部に位置し、吐出口51を下向きに設置した以外は、第1混合エジェクター5と同様の構成を採る。また、第1混合エジェクター5が低減剤又は固化材のいずれか又は両方を吐出するのに対して、第2混合エジェクター15はセメントミルク(固化材)のみを吐出する点で両混合エジェクターは役割が異なる。なお、
図5中、第2混合エジェクター15は吐出口51を下側向きに設置されているが、これに限定されず、扁平開口を横置きとし、その吐出口を回転軸の回転方向とすることもできる。
【0036】
固化処理杭造成装置10bの制御部20bにおいて、固化処理杭造成装置10の制御部20と異なる点は、
図2の制御部20に、更に
図6の第2圧縮空気演算処理部27及び第2固化材演算処理部28を付加した点にある。すなわち、演算部22は所定の上限値又は下限値との演算結果を送信する機能の他に、第2圧縮空気演算処理部27を通じて第2圧縮空気供給手段8bに圧縮空気吐出信号を送信し、第2固化材演算処理部28を通じて第2固化材供給手段9の固化材吐出信号を送信する。
【0037】
次に、固化処理杭造成装置10bを用いた固化処理杭造成方法を説明する。貫入工程は、固化材を吐出せず、回転軸1を正回転させ原位置土を撹拌する工程である点で、固化処理杭造成装置10を用いた貫入工程と同じであり、その説明を省略する。なお、第2混合エジェクター15は、停止状態であるが、吐出口から圧縮空気を吐出しておくことが、吐出口を詰まらせることがない点で好ましい。
【0038】
引き抜き工程は、第2混合エジェクター15及び必要に応じて第1混合エジェクター5から固化材(セメントミルク)が圧縮空気と共に、吐出される。これにより、固化処理杭9が造成される。第1混合エジェクター5と第2混合エジェクター15を併用すれば、単独使用と同じ引き抜き速度であれば、単位体積当たりの固化材の注入量を多くでき、単独使用と同じ固化材の注入量であれば、引き抜き速度を格段に向上させることができる。
【0039】
引き抜き工程において、第1混合エジェクター5から固化材が吐出される場合、回転駆動手段の負荷電流が所定の上限値を超える場合、制御手段20bから低減剤吐出信号が発せられ、第1混合エジェクター5から低減剤が固化材及び圧縮空気と共に吐出される。この低減剤の吐出動作及び吐出停止動作については、固化処理杭造成装置10を用いた引き抜き工程と同じであり、その説明を省略する。
【0040】
引き抜き工程において、第1混合エジェクター5から固化材が吐出されていない場合、回転駆動手段の負荷電流が所定の上限値を超える場合、制御手段20bから低減剤吐出信号が発せられ、第1混合エジェクター5から低減剤が圧縮空気と共に吐出される。引き抜き工程における低減剤の吐出動作及び吐出停止動作については、固化処理杭造成装置10を用いた貫入工程と同じであり、その説明を省略する。引き抜き工程において、第1混合エジェクター5から固化材が吐出されていない場合であっても、第2混合エジェクター15から固化材が吐出しているため、所望の固化処理杭9は造成される。
【0041】
本発明に用いる低減剤は、粉砕した土や土粒子の粒子間に作用して流動性を高め、撹拌翼の掘削抵抗を低減するものであり、例えば、ポリカルボン酸又はポリアクリルアミドが挙げられ、共に水溶液として使用する。ポリアクリル酸ソーダの分子量は5,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜50,000である。ポリカルボン酸は、粘性土の場合、掘削撹拌抵抗低減効果がより顕著に表れ、ポリアクリル酸ソーダは砂質土の場合掘削撹拌抵抗低減効果がより顕著に表れる。ポリカルボン酸の使用量は、固化材としてのセメント比で0.1〜10%、原地盤土1m
3に対して0.15〜15kgであり、好ましくはセメント比で0.1〜5%、原地盤土1m
3に対して0.15〜7.5kgである。ポリアクリルアミドは、砂礫質土の場合、掘削撹拌抵抗低減効果がより顕著に表れる。ポリアクリルアミドの使用量は、固化材としてのセメント比で0.1〜10%、原地盤土1m
3に対して0.15〜15kgであり、好ましくはセメント比で0.1〜1%、原地盤土1m
3に対して0.15〜1.5kgである。ポリカルボン酸又はポリアクリルアミドは、これを併用してもよい。