特許第5963351号(P5963351)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963351
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】高周波加熱装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/04 20060101AFI20160721BHJP
【FI】
   H05B6/04 301
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-126325(P2012-126325)
(22)【出願日】2012年6月1日
(65)【公開番号】特開2013-251199(P2013-251199A)
(43)【公開日】2013年12月12日
【審査請求日】2015年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】591195994
【氏名又は名称】株式会社ミヤデン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英司
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−014845(JP,A)
【文献】 特開2009−224684(JP,A)
【文献】 特開2002−213738(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0056622(US,A1)
【文献】 特開2005−352006(JP,A)
【文献】 実開昭63−074080(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/04
H05B 6/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体スイッチング素子、出力トランス及び冷却水供給装置を有して高周波電流を出力可能な高周波電源と、該高周波電源の出力端子に接続されて被加熱物の加熱部位に近接配置された銅パイプからなる加熱コイルと、熱電素子と一対の伝熱性のセラミック基板を有し低温側のセラミック基板の外面に冷却パイプが固着されて、前記被加熱物の加熱部位の近傍に配置され被加熱物の加熱時に発生する熱を電力に変換可能な熱電変換器と、該熱電変換器で変換された電力を蓄電する蓄電手段と、前記高周波電源を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段により、前記冷却水供給装置から前記加熱コイルの銅パイプ内と前記熱電変換器の冷却パイプ内に冷却水が循環供給されると共に、前記蓄電手段に蓄電された電力が前記冷却水供給装置の冷却水冷却用の電力として利用可能に構成されていることを特徴とする高周波加熱装置。
【請求項2】
前記熱電変換器は、高温側のセラミック基板の外面に蓄熱材が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波加熱装置。
【請求項3】
前記熱電変換器は、前記加熱部位の上方に熱収集部材を介して配置されて、加熱部位周囲の雰囲気の熱を利用して熱電変換することを特徴とする請求項1または2に記載の高周波加熱装置。
【請求項4】
前記熱電変換器は、前記被加熱物を支持するワーク台に配置されて、該ワーク台を介して伝熱された熱を利用して熱電変換することを特徴とする請求項1または2に記載の高周波加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば高周波の誘導加熱を利用して金属等の被加熱物を加熱するために使用されるエコタイプの高周波加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、誘導加熱を利用した高周波加熱装置は、トランジスタ式のインバータ回路と、このインバータ回路の出力端子に接続された出力トランスを有する高周波電源と、この高周波電源に接続された加熱コイル等を備えている。そして、加熱コイルを被加熱物としてのワークの加熱部位の周囲に所定間隔で配置すると共に、この加熱コイルに高周波電源から所定周波数の高周波電流を供給することにより、加熱コイルから発生する磁束によりワークの表面に渦電流を誘起させ、ワークを所定温度まで誘導加熱して例えば焼き入れや焼き鈍し等の熱処理をしたり、あるいは対になったワークをロー付けするようにしている。なお、この種の加熱装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−252076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような高周波加熱装置にあっては、ワークが例えば900度程度まで誘導加熱されて、その周囲の温度(雰囲気)が例えば200度程度になる場合があるが、この誘導加熱時の発生する熱は、現在においては何等利用されていない。つまり、高温とされる例えばワークを支持するためのワーク台や、加熱コイル周囲の筐体等への熱対策は考慮されているものの、熱自体を利用して加熱装置に節電対策を施すという技術的思想はないのが実情である。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、高周波加熱時に発生する熱を電力に変換して蓄電することで、加熱装置の電力として使用できて節電対策等が可能な高周波加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、半導体スイッチング素子、出力トランス及び冷却水供給装置を有して高周波電流を出力可能な高周波電源と、該高周波電源の出力端子に接続されて被加熱物の加熱部位に近接配置された銅パイプからなる加熱コイルと、熱電素子と一対の伝熱性のセラミック基板を有し低温側のセラミック基板の外面に冷却パイプが固着されて、前記被加熱物の加熱部位の近傍に配置され被加熱物の加熱時に発生する熱を電力に変換可能な熱電変換器と、該熱電変換器で変換された電力を蓄電する蓄電手段と、前記高周波電源を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段により、前記冷却水供給装置から前記加熱コイルの銅パイプ内と前記熱電変換器の冷却パイプ内に冷却水が循環供給されると共に、前記蓄電手段に蓄電された電力が前記冷却水供給装置の冷却水冷却用の電力として利用可能に構成されていることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、前記熱電変換器の高温側のセラミック基板の外面に蓄熱材が配設されていることを特徴とする。また、前記熱電変換器は、請求項3に記載の発明のように、前記加熱部位の上方に熱収集部材を介して配置されて、加熱部位周囲の雰囲気の熱を利用して熱電変換するか、あるいは請求項4に記載の発明のように、前記被加熱物を支持するワーク台に配置されて、該ワーク台を介して伝熱された熱を利用して熱電変換することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1または2に記載の発明によれば、高周波電源、加熱コイル、高周波加熱時の熱を電力に変換する熱電変換器及び熱電変換された電力を蓄電する蓄電手段等を備え、制御手段により蓄電手段に蓄電された電力が加熱装置の電力として利用可能に構成されているため、加熱時に発生する熱を有効利用することで、加熱装置の節電対策が可能となり、従来にない新規な高周波加熱装置を提供することができる。
【0009】
また、制御手段により、蓄電手段に蓄電された電力が冷却水供給装置の冷却水冷却用として利用可能に構成されているため、蓄電手段の電力を比較的小電力の各種冷却等に有効利用できて、コスト的に有利な加熱装置を得ることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、熱電変換器が加熱部位の上方に熱収集部材を介して配置されて、加熱部位周囲の雰囲気の熱を利用して熱電変換するため、加熱部位から上昇する加熱時の熱を熱収集部材で収集しつつ熱電変換器で電力に変換できて、熱電変換器による変換効率を高めることができる。
【0011】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、熱電変換器が被加熱物を支持するワーク台に配置されて、このワーク台を介して伝熱された熱を利用して熱電変換するため、加熱されたワークの熱をワーク台を介して伝熱させることで、熱電変換器の変換効率を高めることができると共に、熱電変換器の配置を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係わる高周波加熱装置の一実施形態を示すブロック構成図
図2】同その熱電変換器の断面図
図3】同その斜視図
図4】同動作の一例を示すフローチャート
図5】本発明に係わる高周波加熱装置の他の実施形態を示すブロック構成図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1図4は、本発明に係わる高周波加熱装置の一実施形態を示している。図1に示すように、高周波加熱装置1は、高周波電源2と、この高周波電源2に接続された加熱コイル3と、高周波電源2等を制御する制御手段4と、被加熱物としてのワークWを支持するワーク台5と、このワーク台5を移動(例えば上下動)させるワーク台移動装置6と、ワークWの上方に配置された熱電交換器7と、この熱電交換器7で熱電変換された電力を蓄電する蓄電手段8等を備えている。
【0015】
前記高周波電源2は、例えばトランジスタ、IGBT、サイリスタ等の半導体スイッチング素子を使用したインバータ回路と、このインバータ回路の出力端子に接続された出力トランス(変流器)と、冷却水供給装置(いずれも図示せず)等を有している。そして、所定周波数の高周波電流を、出力トランスの二次側に出力ケーブル2aを介して接続された加熱コイル3に供給するようになっている。この高周波電源2の半導体スイッチング素子の近傍には、冷却ファン等の冷却器9が設けられ、この冷却器9が作動することで、半導体スイッチング素子の発熱が抑えられるようになっている。
【0016】
前記加熱コイル3は、例えば銅パイプを巻回すること等によりコイル型もしくは馬蹄型に形成され、ワーク台5にセットされたワークWの加熱部位Waの周囲に所定の間隔を有して配置されると共に、その銅パイプ内には、前記冷却水供給装置から冷却水が循環供給されて、加熱(通電)時の加熱コイル3自体の発熱が抑えられるようになっている。
【0017】
また、前記ワーク台5は、熱伝導に優れた金属材で形成され、その上面にはワークWの下端を支持する凹部5aが形成されている。そして、このワーク台5は、制御手段4に接続されたワーク台移動装置6が、制御手段4の制御信号で作動することにより、例えば下降してワークWを加熱コイル3内から待避させ、ワーク台5からのワークWの取り出しや新たなワークWのセットを可能にすると共に、上昇することによりワーク台5上のワークWを加熱位置である加熱コイル3内にセット可能となっている。
【0018】
また、前記熱電変換器7は、図2に示すように、熱電素子11と一対の伝熱性のアルミナ・セラミック基板(セラミック基板という)12、13を有した熱電モジュール10で構成されている。すなわち、熱電モジュール10は、図3に示すように、n型半導体11aとp型半導体11bとを一対の金属板11c、11dで接合した熱電素子11を有し、この熱電素子11を前後及び左右方向に多数配置して金属板11c、11dで電気的に直列接続することにより全体形状が板状に形成されている。このとき、一対の金属板11c、11dは、後述する蓄電手段8の+、−端子に一対の電線等の導体で接続されている。また、各熱電素子11として使用される半導体材料としては、Bi−Te系、Pb−Te系、Si−Ge系等が使用される。
【0019】
この熱電変換器7は、図1に示すように、前記加熱コイル3の上方、すなわちワークWの加熱部位Waの上方に所定間隔で配置された熱収集部材14に取り付けられている。この熱収集部材14は、熱伝導性と耐熱性に優れた所定板厚の金属板で形成され、下方に拡がった傾斜部14aと、この傾斜部14aの上面に形成された平面部14bを有して、傘形状に形成されている。そして、ワークWの加熱部位Waから発生した熱を傾斜部14aで集めつつ平面部14b方向に上昇させるようになっている。この平面部14bの外面側に前記熱電変換器7の熱電モジュール10の高温側のセラミック基板12が例えば密着状態で取り付けられている。
【0020】
前記蓄電手段8は、例えば充電可能な車両用のバッテリィ、鉛蓄電器、アルカリ蓄電器、あるいは電気二重層コンデンサ等が使用され、熱電変換器7で変換された電力を蓄電するようになっている。そして、この蓄電手段8に蓄電されている電力は、該蓄電手段8が接続された電圧制御部15で、直流電圧が交流電圧に変換されたり、所定の電圧値に制御されるようになっている。
【0021】
また、前記制御手段4は、図示しないマイクロコンピュータや記憶部等を有し、その入力側には、前記熱収集部材14の傾斜部14aの内面(もしくは外面)に取り付けられた温度センサ16が接続されると共に、所定の入出力端子には、前記高周波電源2、電圧制御部15、ワーク台移動装置6、冷却器9等が接続されている。そして、この制御手段4により、高周波電源2やワーク移動装置6の作動が制御されると共に、制御手段4の制御信号により電圧制御部15の電圧を、冷却器9に供給したり、制御手段4内の各種制御状態を表示するためのLED(図示せず)等に供給するようになっている。
【0022】
次に、このように構成された高周波加熱装置1の動作の一例を図4のフローチャートに基づいて説明する。なお、図4に示すフローチャートは、制御手段4内の記憶部に予め記憶されたプログラムによって自動的に実行される。先ず、図4(a)に示すように、高周波加熱装置1の電源が投入されてプログラムがスタート(S01)すると、待避(下降)位置にあるワーク台5上にワークWが載置されると共にワーク台5が加熱位置まで上昇して加熱コイル3内にワークWがセット(S02)される。
【0023】
このセット状態で、高周波電源2が作動(S03)して、ワークWの材質や熱処理形態に応じて予め設定してある所定周波数で所定出力の高周波電流が加熱コイル3に供給され、この高周波電流でワークWの加熱部位Waに渦電流が誘起されて誘導加熱される。この誘導加熱時に、加熱コイル3の銅パイプ内には前記冷却水供給装置から冷却水が循環供給される。高周波電源2が作動すると、熱電変換器7が作動(S04)して熱電変換される。このとき、誘導加熱により例えば100〜200度程度の高温となった加熱部位Wa周囲の高温の空気(熱)が上昇して熱収集部材14の傾斜部14aを介して平面部14bに集められ、この平面部14bが熱せられることで、熱電変換器7により熱が電力に変換されることになる。
【0024】
そして、この熱電変換された電力は蓄電手段8に蓄電(S05)され、所定時間の誘導加熱が終了すると高周波電源2が停止(S06)し、その後に、ワーク台5が待避位置まで下降してワーク台5上のワークWがアンセット(S07)されて、エンド(S08)となる。つまり、ワークWの加熱部位Waの誘導加熱時に発生する熱を、熱収集部材14で収集することで、熱電交換器7の熱電素子11に、例えば高温側が200度程度で低温側が50度程度の大きな温度差を生じさせることができ、この温度差による熱電素子11のゼーベック効果で所定の電力が得られ、これが蓄電手段8に蓄電(充電)されることになる。
【0025】
ところで、熱電変換器7の作動は、図4(b)に示すようにして行われる。すなわち、熱電変換のプログラムがスタート(S101)すると、前記温度センサ16で検出された検出温度Tiが所定温度Ts以上が否かが判断(S102)され、この判断S102は「YES」になるまで繰り返され、「YES」となった時点で、熱電変換器7が作動すると共に蓄電手段8に蓄電(S103)される。
【0026】
そして、温度センサ16の検出温度Tiが所定温度Ts未満か否かが判断(S104)され、この判断S104で「NO」の場合、すなわち検出温度Tiが所定温度Ts以上の場合は、ステップS103に戻り熱電変換と蓄電を継続する。また、判断S104「NO」の場合、すなわち高周波電源2が停止してワークWの誘導加熱が終了して加熱部位Wa周囲の温度が所定温度Ts未満下がった場合は、エンド(S105)となる。つまり、熱収集部材14に設けた温度センサ16の検出温度Tiが、予め設定した所定温度Ts以上の場合にのみ、熱電変換と蓄電が行われることになる。
【0027】
このように、前記実施形態の高周波加熱装置1においては、高周波電源2、加熱コイル3、高周波加熱時の熱を電力に変換する熱電変換器7及び熱電変換された電力を蓄電する蓄電手段8等を備え、制御手段4により蓄電手段8に蓄電された電力が加熱装置1に利用可能に構成されているため、蓄電手段8に蓄電された電力を高周波加熱装置1の各種電力として使用することができ、該加熱装置1の節電対策が可能になると共に、加熱装置1自らの動作で発生させた熱を有効利用できる。その結果、加熱装置1全体の消費電力をその出力電圧に対して少なくすることができる等、時代背景に適したエコタイプの従来にない新規な高周波加熱装置1を提供することが可能となる。
【0028】
また、熱電変換器7が加熱部位Waの上方に熱収集部材14を介して配置されて、加熱部位Wa周囲の雰囲気の熱を利用して熱電変換するため、加熱部位Waから上昇する加熱時の熱を熱収集部材14で収集しつつ熱電変換器7で熱電変換できて、熱電変換器7による変換効率を高めることができる。さらに、制御手段4が蓄電手段8に蓄電された電力を、当該制御手段8の表示用電力や高周波電源2の半導体スイッチング素子の冷却用電力等として利用するため、蓄電手段8の電力を比較的小電力の表示や冷却に利用できて、コスト的に有利な高周波加熱装置1を得ることができる。
【0029】
また、熱電変換器7が多数のn型半導体11aとp型半導体11bを金属板11c、11dで接合した熱電素子モジュール10で構成されているため、例えば一方の金属板11dの冷却効率を高めることでゼーベック効果により熱を電力に効果的に変換できると共に、熱電変換器7自体の取り扱いを容易に行うことができる。
【0030】
図5は本発明に係わる高周波加熱装置の他の実施形態を示すブロック構成図である。以下、前記実施形態と同一部位には、同一符号を付して説明する。この実施形態の高周波加熱装置1の特徴は、熱電変換器7の熱電変換を加熱部位Wa上方の雰囲気熱の利用によるものではなく、前記ワーク台5を介した熱伝導を利用したもので、熱電変換器7を前記ワーク台5の例えば下面5bに取り付けるようにしたものである。
【0031】
すなわち、誘導加熱で加熱されたワークWの熱は、伝熱性に優れた金属材からなるワーク台5の下面5bまで伝熱されるため、この熱を下面5bの全域に取り付けた熱電変換器7で熱電変換させ、この熱電変換された電力を蓄電手段8に蓄電させる。この例の場合、熱電変換器7のワーク台5への取付位置は下面5bに限らず、例えばワーク台5を角柱形状として各側面5cに取り付けることも勿論可能である。
【0032】
なお、この実施形態の場合は、ワーク台5に熱電変換器7が取り付けられることから、ワーク台5は固定とし、図5の二点鎖線で示すように、加熱コイル3を制御手段4の制御信号により上下動させるコイル移動装置17を設けることが好ましい。この実施形態の高周波加熱装置1においても、前記実施形態と同様の作用効果が得られる他に、熱電変換器7の低温側が誘導加熱時に発生する上昇熱の影響を受け難いため、ワーク台5の形状や材質の選定により熱電変換器7の熱電効率を高めることができる等の作用効果を得ることができる。
【0033】
また、前記実施形態において、熱電変換器7の熱電モジュール10の一対のセラミック基板12、13の外面に、図2の二点鎖線で示すように、冷却パイプ18と蓄熱材19を配置するようにしても良い。すなわち、熱電モジュール10の低温側のセラミック基板13の外面に前記冷却水供給装置から冷却水が循環供給される銅パイプからなる冷却パイプ18を固着する。また、高温側のセラミック基板12の外面に密閉したカバー20を取り付け、このカバー20内に例えば相変化蓄熱材等の蓄熱材19を充填する。
【0034】
この構成によれば、熱電素子11の低温側を冷却水で冷却できて高温側との温度差を一層大きくできると共に、蓄熱材19で熱電素子11の高温側の温度の急激な低下を防止でき、所定の温度差を長時間維持できる等、熱電変換器7による熱電変換効率を高めること等が可能になる。この例の場合は、冷却パイプ18と蓄熱材19の少なくとも一方を使用する構成としても良い。
【0035】
なお、前記各実施形態における、熱電変換器7の構成やその設置箇所、蓄電された電力の使用形態及び高周波加熱装置1のブロック構成図等は一例であって、例えば熱電変換器7を図1の二点鎖線で示すように熱収集部材14の傾斜部14aにも設けたり、あるいはワークWの加熱部位Wa周囲の筐体に設けて筐体等の熱を利用するようにして良い。また、蓄電された電力を冷却水供給装置の冷却水冷却用や熱電変換器7の低温側冷却用のファンの電力として使用したり、ワーク台移動装置6のモータ等の作動用電力として使用することもできる。さらに、電圧制御部15の機能を制御手段4に持たせたり、熱電変換器として熱電素子以外の構成を採用する等、本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、高周波の誘導加熱によってワークを加熱する加熱装置に限らず、高周波の誘電加熱によってワークを加熱する加熱装置等の各種の高周波加熱装置に適用できる。
【符号の説明】
【0037】
1・・・高周波加熱装置、2・・・高周波電源、2a・・・出力ケーブル、3・・・加熱コイル、4・・・制御手段、5・・・ワーク台、6・・・ワーク台移動装置、7・・・熱電変換器、8・・・蓄電手段、9・・・冷却器、10・・・熱電モジュール、11・・・熱電素子、11a・・・n型半導体、11b・・・p型半導体、11c、11d・・・金属板、12、13・・・アルミナ・セラミック基板、14・・・熱収集部材、14a・・・傾斜部、14b・・・平面部、15・・・電圧制御部、16・・・温度センサ、17・・・コイル移動装置、18・・・冷却パイプ、19・・・蓄熱材、20・・・カバー。
図1
図2
図3
図4
図5