【文献】
瀬戸口 久雄 外3名,ユーザ属性に応じた生活支援情報提示を行うエージェントシステム ,インタラクション2011予稿集 [online],日本,一般社団法人情報処理学会,2011年 3月10日,2SCL-5,p.1-4
【文献】
高橋 麻美 外2名,利用者単位の消費電力量測定手法と家庭における節電指標の提案,情報処理学会論文誌 論文誌ジャーナル,日本,一般社団法人情報処理学会 ,2012年 7月15日,第53巻第7号,p.1711-1720
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ユーザ属性推定手段は、前記ユーザ属性テーブルにおいて、当該ユーザに係る電力消費データに対して所定条件を満たす類似度を有する電力消費パターンに対応付けられたユーザ属性を、当該ユーザのユーザ属性と推定することを特徴とする請求項1に記載の電力消費関連支援装置。
前記ユーザ属性推定手段は、前記ユーザ属性テーブルに含まれる、複数の時間帯の各々における電力消費量を要素とする電力消費パターンとしての代表ベクトルと、当該複数の時間帯を含む時間での蓄積された電力消費データから形成される電力消費データベクトルとの類似度が所定条件を満たす際、当該代表ベクトルに対応付けられたユーザ属性を、当該ユーザのユーザ属性と推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力消費関連支援装置。
前記支援情報決定手段は、前記支援情報テーブルにおける推定された当該ユーザのユーザ属性の部分において、当該ユーザに係る生活関連データ若しくは該生活関連データから生成される支援情報選定条件と一致する、又は当該ユーザに係る生活関連データに対して所定条件を満たす類似度を有する、予め設定された当該生活関連データのうちの少なくとも1つにおける値、値の範囲又は条件に対応付けられた支援情報を、当該ユーザに対する支援情報に決定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電力消費関連支援装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に提示されたような従来技術では、ユーザ属性に適した内容のアドバイスやメッセージを、ユーザの状況に合わせて提示することは困難である。ここで、ユーザ属性とは、ユーザの生活上での特徴であり、例えば、単身世帯である、夫婦のみ世帯である等の世帯上の特徴、または、例えば、未就学児がいる、高齢者がいる等の家族(世帯)構成員の特徴を指す。
【0007】
例えば、特許文献1に開示された技術では、対象となる電気設備の利用に関するアドバイスが作成されるので、対象設備の節電を実現することは可能となる。しかしながら、ユーザ属性や、世帯又は家族全体での電力使用は考慮されないので、ユーザ属性に適した内容のアドバイスを、家庭全体の状況に合わせて提示することは困難である。
【0008】
また、特許文献2に開示された技術では、家庭内設備の環境負荷量が一括して扱われている。従って、家庭全体の状況に合わせて省エネルギー化に有効な生活行動を促進するメッセージが、確かに提示可能となっている。しかしながら、特許文献1と同じく、ユーザ属性を考慮してユーザの世帯・家族状況に合わせたメッセージを選択することは何ら想定されていない。
【0009】
そこで、本発明は、ユーザの電力消費に関連した支援情報を、ユーザ属性に適した内容をもってユーザの状況に合わせた形で提供することができる電力消費関連支援装置、携帯端末、プログラム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、ユーザの電力消費についての支援情報を提供する電力消費関連支援装置であって、
ユーザの生活行動又は生活環境に関連する生活関連量であって、電力消費量を含む少なくとも1つの生活関連量の計測値から生成される生活関連データを蓄積する生活関連データ蓄積手段と、
電力消費パターン毎に、予め設定されたユーザ属性を対応付けて記録したユーザ属性テーブルを有し、生活関連データ蓄積手段に蓄積されたユーザに係る電力消費データに基づき、ユーザ属性テーブルを用いて、ユーザのユーザ属性を推定するユーザ属性推定手段と、
ユーザ属性毎に、予め設定された支援情報と、予め設定された生活関連データのうちの
支援情報決定に係る所定期間での電力消費データを含む少なくとも1つ
の生活関連データにおける値、値の範囲又は条件であって、この支援情報に該当すると判定される条件になる値、値の範囲又は条件とを対応付けて記録した支援情報テーブルを有し、推定された当該ユーザのユーザ属性と、生活関連データ蓄積手段に蓄積されたユーザに係る
所定期間での電力消費データを含む生活関連データとに基づき、支援情報テーブルを用いて、ユーザに対する支援情報を決定する支援情報決定手段と
を有する電力消費関連支援装置が提供される。
【0011】
この本発明による電力消費関連支援装置における一実施形態によれば、ユーザ属性推定手段は、ユーザ属性テーブルにおいて、ユーザに係る電力消費データに対して所定条件を満たす類似度を有する電力消費パターンに対応付けられたユーザ属性を、ユーザのユーザ属性と推定することも好ましい。
【0012】
さらに、ユーザ属性推定手段は、ユーザ属性テーブルに含まれる、複数の時間帯の各々における電力消費量を要素とする電力消費パターンとしての代表ベクトルと、これらの複数の時間帯を含む時間での蓄積された電力消費データから形成される電力消費データベクトルとの類似度が所定条件を満たす際、この代表ベクトルに対応付けられたユーザ属性を、ユーザのユーザ属性と推定することも好ましい。
【0013】
また、本発明による電力消費関連支援装置における他の実施形態によれば、支援情報決定手段は、
支援情報テーブルにおける推定されたユーザのユーザ属性の部分において、ユーザに係る生活関連データ若しくはこの生活関連データから生成される支援情報選定条件と一致する、又はユーザに係る生活関連データに対して所定条件を満たす類似度を有する、予め設定された生活関連データのうちの少なくとも1つにおける値、値の範囲又は条件に対応付けられた支援情報を、ユーザに対する支援情報に決定する
ことも好ましい。
【0014】
さらに、本発明による電力消費関連支援装置において、少なくとも1つの生活関連データは、ユーザに係る電力計の出力から生成される電力消費データ
に加えて、ユーザの所持する携帯端末に内蔵された端末センサの出力から生成される携帯端末データ、ユーザに係る宅内センサの出力から生成される宅内センサデータ、及び気象情報サーバから取得される気象データ、のうちの少なくとも1つを
更に含むことも好ましい。
【0015】
さらにまた、本発明による電力消費関連支援装置によれば、電力消費量を含む少なくとも1つの生活関連量を計測する計測器の出力情報を受信する通信インタフェースを更に有し、
生活関連データ蓄積手段は、通信インタフェースを介して生活関連量の計測値を入力し、生活関連データとして蓄積することも好ましい。
【0016】
さらに、この通信インタフェースを備えた実施形態において、この通信インタフェースは、ユーザの所持する携帯端末に搭載された端末センサから出力される端末センサ測定値情報を受信し、
生活関連データ蓄積手段は、通信インタフェースを介して入力した端末センサ測定値情報から形成される、携帯端末の現在位置又は滞在地を含む携帯端末データを、生活関連データとして蓄積することも好ましい。
【0017】
さらにまた、この通信インタフェースを備えた実施形態において、ユーザによって所持される携帯端末に係る加入者情報を蓄積する加入者情報蓄積手段を更に有し、
通信インタフェースは、携帯端末に係る加入者情報を蓄積する加入者情報管理サーバから、ユーザに係る加入者情報を入力し、
加入者情報蓄積手段は、入力された加入者情報を蓄積し、
支援情報決定手段は、ユーザ属性毎に、予め設定された支援情報と、予め設定された生活関連データのうちの
支援情報決定に係る所定期間での電力消費データを含む少なくとも1つ
の生活関連データにおける値、値の範囲又は条件であって、支援情報に該当すると判定される条件になる値、値の範囲又は条件と、予め設定された加入者情報のうちの住所及び年齢を含む加入者データのうちの少なくとも1つにおける条件であって、この支援情報に該当すると判定される条件になる条件とを対応付けて記録した支援情報テーブルを有し、推定されたユーザのユーザ属性と、生活関連データ蓄積手段に蓄積されたユーザに係る
所定期間での電力消費データを含む生活関連データと、加入者情報蓄積手段に蓄積されたユーザに係る加入者データとに基づき、支援情報テーブルを用いて、ユーザに対する支援情報を決定する
ことも好ましい。
【0018】
本発明によれば、さらに、ユーザの電力消費に関連する支援情報を提供する携帯端末であって、
ユーザの生活行動又は生活環境に関連する生活関連量であって、電力消費量を含む少なくとも1つの生活関連量を計測する計測器の出力情報を受信する通信インタフェースと、
電力消費量を含む少なくとも1つの生活関連量の計測値から生成される生活関連データを蓄積する生活関連データ蓄積手段と、
電力消費パターン毎に、予め設定されたユーザ属性を対応付けて記録したユーザ属性テーブルを有し、生活関連データ蓄積手段に蓄積されたユーザに係る電力消費データに基づき、ユーザ属性テーブルを用いて、ユーザのユーザ属性を推定するユーザ属性推定手段と、
ユーザ属性毎に、予め設定された支援情報と、予め設定された生活関連データのうちの
支援情報決定に係る所定期間での電力消費データを含む少なくとも1つ
の生活関連データにおける値、値の範囲又は条件であって、支援情報に該当すると判定される条件になる値、値の範囲又は条件とを対応付けて記録した支援情報テーブルを有し、推定されたユーザのユーザ属性と、生活関連データ蓄積手段に蓄積されたユーザに係る
所定期間での電力消費データを含む生活関連データとに基づき、支援情報テーブルを用いて、ユーザに対する支援情報を決定する支援情報決定手段と
を有する携帯端末が提供される。
【0019】
この本発明による携帯端末において、位置、加速度、方位又は進行向きの少なくとも1つを計測する端末センサを更に有しており、
生活関連データ蓄積手段は、端末センサの計測値から生成される現在位置又は滞在地を含む携帯端末データを生活関連データとして蓄積することも好ましい。
【0020】
本発明によれば、さらにまた、ユーザの電力消費についての支援情報を提供する支援装置に搭載されたコンピュータを機能させる電力消費関連支援プログラムであって、
上記支援装置は、ユーザの生活行動又は生活環境に関連する生活関連量であって、電力消費量を含む少なくとも1つの生活関連量の計測値から生成される生活関連データを蓄積する生活関連データ蓄積手段を有しており、
電力消費パターン毎に、予め設定されたユーザ属性を対応付けて記録したユーザ属性テーブルを用いて、生活関連データ蓄積手段に蓄積されたユーザに係る電力消費データに基づき、ユーザのユーザ属性を推定するユーザ属性推定手段と、
ユーザ属性毎に、予め設定された支援情報と、予め設定された生活関連データのうちの
支援情報決定に係る所定期間での電力消費データを含む少なくとも1つ
の生活関連データにおける値、値の範囲又は条件であって、この支援情報に該当すると判定される条件になる値、値の範囲又は条件とを対応付けて記録した支援情報テーブルを有し、推定されたユーザのユーザ属性と、生活関連データ蓄積手段に蓄積されたユーザに係る
所定期間での電力消費データを含む生活関連データとに基づき、支援情報テーブルを用いて、ユーザに対する支援情報を決定する支援情報決定手段と
してコンピュータを機能させる電力消費関連支援プログラムが提供される。
【0021】
本発明によれば、さらに、ユーザの電力消費についての支援情報を提供する
支援装置に搭載されたコンピュータによって実行される電力消費関連支援方法であって、
ユーザの生活行動又は生活環境に関連する生活関連量であって、電力消費量を含む少なくとも1つの生活関連量の計測値から生成される生活関連データを蓄積する第1のステップと、
電力消費パターン毎に、予め設定されたユーザ属性を対応付けて記録したユーザ属性テーブルを用いて、生活関連データ蓄積手段に蓄積されたユーザに係る電力消費データに基づき、ユーザのユーザ属性を推定する第2のステップと、
ユーザ属性毎に、予め設定された支援情報と、予め設定された生活関連データのうちの
支援情報決定に係る所定期間での電力消費データを含む少なくとも1つ
の生活関連データにおける値、値の範囲又は条件であって、支援情報に該当すると判定される条件になる値、値の範囲又は条件とを対応付けて記録した支援情報テーブルを有し、推定されたユーザのユーザ属性と、生活関連データ蓄積手段に蓄積されたユーザに係る
所定期間での電力消費データを含む生活関連データとに基づき、支援情報テーブルを用いて、ユーザに対する支援情報を決定する第3のステップと
を有する電力消費関連支援方法が適用される。
【発明の効果】
【0022】
本発明の電力消費関連支援装置、携帯端末、プログラム及び方法によれば、ユーザの電力消費に関連した支援情報を、ユーザ属性に適した内容をもってユーザの状況に合わせた形で提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0025】
[電力消費関連支援装置]
図1は、本発明による電力消費関連支援装置における一実施形態の機能構成図である。
【0026】
図1に示した電力消費関連支援装置1は、電力消費データからユーザの「ユーザ属性」を推定し、推定された「ユーザ属性」に基づいて、ユーザの生活関連データ(及び加入者データ)から、ユーザの電力消費についての支援情報、例えば節電アドバイス、を提供する装置である。
【0027】
ここで、ユーザ属性とは、ユーザの生活上での特徴であり、以下に示す実施形態では、
(a)ユーザの属する世帯の特徴(例えば単身世帯である、夫婦のみ世帯である等)と、
(b)ユーザの属する家族の構成員の特徴(例えば未就学児がいる、高齢者がいる等)と
を含む。
【0028】
また、生活関連データとは、ユーザの生活行動又は生活環境に関連する「生活関連量」の計測値から生成されるデータである。「生活関連量」は、電力消費量を含み、さらに、気象情報サーバで生成される気象情報(を数値化した量)、ユーザの所持する携帯端末に内蔵された端末センサの出力から算出されるユーザの現在位置及び滞在地(を数値化した量(例えば緯度・経度))、ユーザの自宅に設置された宅内センサでの計測値、移動手段(を数値化した量)、又は移動手段所持情報(を数値化した量)等を含む。
【0029】
さらに、「生活関連データ」は、ユーザに係る電力計の出力から生成される電力消費データ、ユーザの所持する携帯端末に内蔵された端末センサの出力から生成される携帯端末データ、ユーザに係る宅内センサの出力から生成される宅内センサデータ、又は気象情報サーバから取得される気象データを含む。
【0030】
同じく
図1によれば、電力消費関連支援装置1は、事業者通信網(例えば携帯電話網)3内に設置されており、通信インタフェース部100と、生活関連データ蓄積部11と、加入者データ蓄積部120と、プロセッサ・メモリとを有する。ここで、プロセッサ・メモリは、プログラムを実行することによってその機能を実現させる。このプロセッサ・メモリは、機能構成部として、ユーザ属性推定部13と、支援情報決定部14とを有する。
【0031】
通信インタフェース部100は、
(a)ユーザの自宅に設置された電力計、例えばスマートメータ、タップ型電力計、クランプメータ(架線電流計)等、によって計測された電力消費量計測値を、事業者通信網3を介して受信し、
(b)携帯端末2に搭載された端末センサ、例えば、GPS(Global Positioning System)測位部、加速度センサ、地磁気センサ、ジャイロセンサ等、によって測定された端末位置を含む端末センサ測定値を、事業者通信網3を介して受信し、
(c)ユーザの自宅に設置された宅内センサ、例えば人感センサ、ドアセンサ、温度センサ、照度センサ、気圧センサ、Webカメラ等、によって測定された宅内センサ測定値を、事業者通信網3を介して受信し、
(d)気象情報サーバ5から、天気、湿度、照度、降雨量等の過去、現在又は未来(予報)における気象情報を、インターネット4及び事業者通信網3を介して受信し、さらに、
(e)加入者管理装置6から、ユーザによって所持される携帯端末2の通信契約の加入者情報を、事業者通信網3を介して受信する
ことができる。通信インタフェース部100は、これらの受信した情報を、生活関連データ蓄積部11又は加入者データ蓄積部120に出力する。
【0032】
生活関連データ蓄積部11は、電力消費量を含む少なくとも1つの生活関連量の計測値から生成される生活関連データを蓄積する。本実施形態において生活関連データ蓄積部11は、具体的に、
(a)入力した電力消費量計測値から生成される電力消費データを生活関連データとして蓄積する電力消費データ蓄積部110と、
(b)入力した端末センサ測定値から生成される携帯端末データを生活関連データとして蓄積する携帯端末データ蓄積部111と、
(c)入力した宅内センサ測定値から生成される宅内センサデータを生活関連データとして蓄積する宅内センサ蓄積部112と、
(d)入力した気象情報から生成される気象データを生活関連データとして蓄積する気象データ蓄積部113と
を含む。また、加入者データ蓄積部120は、
(e)入力した加入者情報を加入者データとして蓄積する。
【0033】
ユーザ属性推定部13は、生活関連データ蓄積部11に蓄積された対象ユーザに係る電力消費データに基づき、ユーザ属性テーブル130tを用いて、対象ユーザのユーザ属性を推定する。この際、ユーザ属性テーブル130tにおいて、対象ユーザに係る電力消費データに対して所定条件を満たす類似度を有する電力消費パターンに対応付けられたユーザ属性を、対象ユーザのユーザ属性と推定することも好ましい。ここで、ユーザ属性テーブル130tは、電力消費パターン毎に予め設定されたユーザ属性を対応付けて記録したテーブルである。
【0034】
ユーザ属性推定部13は、ユーザ属性テーブル130tを記憶したユーザ属性テーブル記憶部130と、類似度算出部131と、ユーザ属性選択部132とを有する。
【0035】
このうち、類似度算出部131は、ユーザ属性テーブル130tから複数の時間帯(例えば、朝、昼及び夜)の各々における電力消費量を要素とする電力消費パターンとしての代表ベクトルを入力し、この代表ベクトルと、これら複数の時間帯を含む時間での蓄積された電力消費データとの類似度、例えばコサイン類似度、を算出する。
【0036】
ユーザ属性選択部132は、類似度算出部131で算出された類似度が所定条件を満たす際、この代表ベクトルに対応付けられたユーザ属性を、対象ユーザのユーザ属性と推定する。ここで、類似度が満たすべき所定条件は、例えば、類似度が所定閾値以上であること、又はユーザ属性テーブル130tに予め設定された全てのユーザ属性の各々について算出された類似度の中で最も高いものであること等、とすることができる。ユーザ属性選択部132は、このように推定された対象ユーザのユーザ属性を、支援情報決定部14に出力する。
【0037】
支援情報決定部14は、推定された対象ユーザのユーザ属性と、生活関連データ蓄積部11に蓄積された対象ユーザに係る生活関連データとに基づき、支援情報テーブル140tを用いて、対象ユーザに対する支援情報、例えば節電アドバイス、を決定する。ここで、支援情報テーブル140tは、予め設定された支援情報と、予め設定された生活関連データのうちの少なくとも1つにおける値、値の範囲又は条件であって、この支援情報に該当すると判定される条件になる値、値の範囲又は条件とを対応付けて記録したテーブルである。
【0038】
この際、支援情報テーブル140tにおける推定された対象ユーザのユーザ属性の部分において、対象ユーザに係る生活関連データ若しくはこの生活関連データから生成される支援情報選定条件と一致する、又は対象ユーザに係る生活関連データに対して所定条件を満たす類似度を有する、予め設定された生活関連データの値、値の範囲又は条件に対応付けられた支援情報を、対象ユーザに対する支援情報に決定することも好ましい。
【0039】
この支援情報決定部14は、具体的に、支援情報テーブル140tを記憶した支援情報テーブル記憶部140と、選定条件抽出部141と、支援情報選定部142とを有する。
【0040】
このうち、選定条件抽出部141は、時間帯別消費量算出部141aと、滞在地判定部141bと、在宅者判定部141cと、移動状態判定部141dと、在宅状況判定部141eと、在室状況判定部141fとを含む。
【0041】
時間帯別消費量算出部141aは、電力消費データから時間帯別の電力消費量を算出し、各時間帯での電力消費量を要素とした代表ベクトルを決定する。
【0042】
滞在地判定部141bは、携帯端末データのうち、対象ユーザに関する位置情報であって、GPS測位方式又は複数基地局測位方式に基づいて、又は無線LANアクセスポイントの位置情報に基づいて導出された位置情報を取り出す。次いで、これらの位置情報を、例えばk−means法を用いてクラスタリングすることによって、ユーザの滞在地を、予め保持した地図情報を利用して特定する。ここで、滞在地とは、ユーザが日常生活で所在する頻度の高い場所を指す。具体的には、クラスタリングによって生成されたクラスタとしての滞在地(所在する頻度が高い位置)を、保持した地図情報を参照して、自宅、勤務先、学校、スーパーマーケット等の買い物場所、又は駅等として特定し、後に支援情報を選定する際の条件となる支援情報選定条件に決定する。さらに、この滞在地に滞在することが(最も)多い時間帯を同時に特定することも好ましい。
【0043】
在宅者判定部141cは、携帯端末データのうちの対象ユーザに関する位置情報に基づいて、自宅付近に居るか否かの判定を行い、自宅付近に居る又は居ないとの情報を支援情報選定条件に決定する。
【0044】
移動状態判定部141dは、携帯端末データのうち、対象ユーザに関する加速度データ、又はGPS測位結果に基づいて算出される速度データに基づき、現時点で又はある時間帯においてユーザが利用する移動手段を判定する。具体的には、ある時間帯において徒歩相当の、自転車相当の、又は自動車相当の速度又は加速度の値を検出した際、当該時間帯における移動手段としてそれぞれ、徒歩、自転車、又は自動車を使用しているとの情報を支援情報選定条件に決定する。
【0045】
在宅状況判定部141eは、宅内センサデータのうち、人感センサ又はドアセンサ等のイベント出力データに基づき、現時点で又はある時間帯において対象ユーザが在宅か否かを判定し、この判定結果を支援情報選定条件に決定する。または、携帯端末データのうちのGPS測位結果と自宅の緯度・経度とを基にして、対象ユーザが在宅か否かを判定し、この判定結果を支援情報選定条件に決定することも可能である。また、在室状況判定部141fは、宅内センサデータのうち、特定の部屋に設置された人感センサのイベント出力データに基づき、現時点で又はある時間帯において対象ユーザがこの部屋に居るのか否かを判定し、この判定結果を支援情報選定条件に決定する。
【0046】
さらに、選定条件抽出部141は、電力消費データ又は電力消費データから算出された代表ベクトルを支援情報選定条件に決定し、さらに、気象データを支援情報選定条件に決定することも好ましい。
【0047】
支援情報選定部142は、ユーザ属性推定部13から入力された対象ユーザのユーザ属性と、選定条件抽出部141によって決定された支援情報選定条件とに基づき、支援情報テーブル140tを用いて、対象ユーザに適した支援情報(節電アドバイス等)を選定する。具体的には、支援情報テーブル140tにおける推定された対象ユーザのユーザ属性の部分において、対象ユーザに係る生活関連データ若しくはこの生活関連データから生成された支援情報選定条件と一致する、又は対象ユーザに係る生活関連データに対して所定条件を満たす類似度を有する、予め設定された生活関連データの値、値の範囲又は条件に対応付けられた支援情報を、対象ユーザに対する支援情報として選定する。
【0048】
さらに、変更態様として、支援情報決定部14は、推定された対象ユーザのユーザ属性と、生活関連データ蓄積部11に蓄積された対象ユーザに係る生活関連データ若しくはこの生活関連データから生成される支援情報選定条件と、加入者情報蓄積部120に蓄積された対象ユーザに係る加入者データとに基づき、支援情報テーブル140tを用いて、対象ユーザに対する支援情報を決定することも好ましい。
【0049】
尚、この場合の支援情報テーブル140tは、ユーザ属性毎に、予め設定された支援情報と、予め設定された生活関連データのうちの少なくとも1つにおける値、値の範囲又は条件と、予め設定された加入者情報のうちの住所及び年齢を含む加入者データのうちの少なくとも1つにおける条件であって、支援情報に該当すると判定される条件になる条件とを対応付けて記録したテーブルとなる。
【0050】
支援情報決定部14は、このように決定された支援情報を、通信インタフェース部100を介して、例えばユーザの所持する携帯端末2、又は自宅に設置された所定の受信装置に宛てて送信する。送信された支援情報は、電子メール、プッシュ(push)配信、アプリケーション、又はWebサイト等の画面に表示されることも好ましい。
【0051】
[携帯端末]
図2は、本発明による携帯端末における一実施形態の機能構成図である。
【0052】
図2に示した携帯端末7は、電力消費関連支援装置1(
図1)と同じく、電力消費データからユーザの「ユーザ属性」を推定し、推定された「ユーザ属性」に基づいて、ユーザの生活関連データ(及び加入者データ)から、ユーザの電力消費についての支援情報、例えば節電アドバイス、を提供する装置である。
【0053】
ここで、事業者通信網3には、情報管理装置8が設置されている。情報管理装置8は、ユーザの自宅からの(a)電力消費量計測値及び(b)宅内センサ測定値を、事業者通信網3を介して受信し、気象情報サーバ5からの(c)気象情報をインターネット4及び事業者通信網3を介して受信し、さらに、加入者管理装置6からの(d)加入者情報を事業者通信網3を介して受信する。さらに、受信したこれらの情報を、対象ユーザの携帯端末7に宛てて送信する。
【0054】
携帯端末7は、通信インタフェース部700と、生活関連データ蓄積部71(電力消費データ蓄積部710、携帯端末データ蓄積部711、宅内センサデータ蓄積部712及び気象データ蓄積部713)と、加入者データ蓄積部720と、プロセッサ・メモリとを有する。このプロセッサ・メモリは、機能構成部として、ユーザ属性テーブル730tを有するユーザ属性推定部73と、支援情報テーブル740tを有する支援情報決定部74とを有する。これらの構成部分はいずれも、電力消費関連支援装置1と同様の機能を発動する。
【0055】
以下、携帯端末7の機能構成について、電力消費関連支援装置1(
図1)とは異なる機能構成部分を中心に説明する。
【0056】
携帯端末7は、さらに、端末センサである測位部702と、加速度センサ703、地磁気センサ704及びジャイロセンサ705と、表示部706と、機能構成部としての位置・移動軌跡算出部750とを有している。尚、端末センサとして、必ずしも上述した全ての測位・センサ部を備える必要はなく、例えば、測位部702若しくは加速度センサ703のみ、又は測位部702及び加速度センサ703のみが備えられていてもよい。
【0057】
測位部702は、受信したGPS衛星からの測位電波を解析し、携帯端末7の現在位置を測位する。この測位によって得られた端末センサ測定値としての位置情報は、例えば、緯度、経度及び高度の組となる。
【0058】
加速度センサ703は、端末センサとしての加速度測定部であり、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて形成された、例えば静電容量方式又はピエゾ抵抗方式による、3軸タイプの加速度計測計とすることができる。また、地磁気センサ704は、例えば、磁気抵抗(AMR、GMR又はTMR)効果、磁気インピーダンス(MI)効果、フラックスゲート(FG)方式又はホール効果を利用して地磁気を測定する3軸タイプの地磁気計測計とすることができる。ここで、この地磁気センサ703と加速度センサ704とを組み合わせて、携帯端末7の方位を測定する方位測定部とすることも可能である。
【0059】
ジャイロセンサ705は、端末センサとしての角速度センサであり、携帯端末7の向きの転換(変化)を検知・測定する向き転換測定部である。例えば、振動したアームに作用するコリオリ力による構造体の変形から角速度を検出する振動ジャイロセンサとすることができる。
【0060】
表示部706は、例えばディスプレイであり、支援情報決定部74から出力された支援情報を、例えば、節電アドバイス提供アプリケーション等における画面として表示する。
【0061】
位置・移動軌跡算出部750は、測位部702からの、又は速度センサ703、地磁気センサ704若しくはジャイロセンサ705からの端末センサ測定値を入力し、携帯端末7(を所持するユーザ)の位置情報、又は移動量(速度)及び移動方位(向き)の時系列からなる移動軌跡を算出する。ここで、加速度センサ703を用いて歩数から移動量を算出することが可能である。また、加速度センサ703及び地磁気センサ704の組合せを方位センサとして用いて、各時点での移動方位を算出することも可能である。さらに、ジャイロセンサを用いて、移動の向きの転換量を算出することも可能となる。さらに、位置・移動軌跡算出部750は、予め地図情報を保持していて、算出した位置情報及び/又は移動軌跡から、現在の又は所定時刻(時間帯)での所在地を特定することも好ましい。
【0062】
[ユーザ属性テーブル]
図3は、本発明に係るユーザ属性テーブルの一実施形態を示す概略図である。
【0063】
ユーザ属性テーブル130t(
図1)及び730t(
図2)は、本実施形態において、世帯属性テーブル130ta(
図3(A))と家族属性テーブル130tb(
図3(B))とから構成される。
【0064】
図3(A)に示した世帯属性テーブル130taでは、電力消費量の代表ベクトル毎に、予め設定された世帯属性(ユーザ属性)が対応付けられて記録されている。ここで、電力消費量の代表ベクトルは、複数の時間帯の各々における電力消費量を要素とするベクトル量であり、使用時間帯に関する電力消費パターンに相当する。また、世帯属性とは、ユーザの属する世帯の特徴(例えば単身世帯である、夫婦のみ世帯である等)を指す。
【0065】
世帯属性テーブル130taでは、例えば、朝時間帯(0時〜12時)、昼時間帯(12時〜18時)、及び夜時間帯(18時〜24時)の各々における電力消費量が、
(0.2kWh、0.8kWh、0.5kWh)
である場合、これら電力消費量を要素とする代表ベクトルを規定する。世帯属性テーブル130taは、この代表ベクトルに、世帯属性、例えば「夫婦のみ世帯」、を対応付けて記録したものの集合となっている。即ち、このような代表ベクトルで代表される電力消費パターン(に類似するパターン)を示す世帯は、所定の世帯属性(「夫婦のみ世帯」等)を有する可能性が高い、との規定の集合となっている。
【0066】
一方、
図3(B)に示した家族属性テーブル130tbでは、電力消費量の代表ベクトル毎に、予め設定された家族属性(ユーザ属性)が対応付けられて記録されている。ここで、家族属性とは、ユーザの属する家族の構成員の特徴(例えば未就学児がいる、高齢者がいる等)を指す。
【0067】
家族属性テーブル130tbでは、連続する3つの一定時間を有する時間帯、例えば、平日の8時〜9時、9時〜10時、10時〜11時の3つの時間帯の各々における電力消費量が、
(0.05kWh、0.03kWh、0.1kWh)
である場合、これら電力消費量を要素とする代表ベクトルを規定する。家族属性テーブル130tbは、この代表ベクトルに、家族属性、例えば「未就学児がいる」、を対応付けて記録したものの集合となっている。即ち、このような代表ベクトルで代表される電力消費パターン(に類似するパターン)を示す世帯は、所定の家族属性(「未就学児がいる」等)を有する可能性が高い、との規定の集合となっている。
【0068】
尚、世帯属性テーブル130ta及び家族属性テーブル130tbにおけるユーザ属性毎の電力消費パターンの設定値は、例えば、種々の異なるユーザ属性を有する世帯の各々における電力消費パターンのデータを実測して収集し、統計処理によって所定時間帯における電力消費量の平均値又は最頻度値等を求めることにより、決定可能である。
【0069】
また、ユーザ属性は、本実施形態で採用された項目に限定されるものではない。ユーザ属性として、他の項目、例えば対象ユーザの世帯収入、を推定することも可能である。この場合、ユーザ属性テーブル130tのユーザ属性の列内、及び対応する支援情報テーブル140tの推定されるユーザ属性の列内に、例えば世帯収入額(の範囲)が挙げられる。
【0070】
以上に説明したようなユーザ属性テーブル130tを利用することによって、例えば、膨大な数のユーザから個別に属性情報を収集する手間をかけることなく、対象ユーザのユーザ属性を推定することが可能となる。これにより、単に電気設備の電力消費量や環境負荷量に沿ってアドバイスを選択するのではなく、ユーザの属性に合った形の、的外れでない適切な支援情報を選定できる確度が向上する。
【0071】
[支援情報テーブル]
図4は、本発明に係る支援情報テーブルの一実施形態を示す概略図である。
【0072】
図4に示した支援情報テーブル140tでは、推定されるユーザ属性毎に、予め設定された支援情報(節電アドバイス)と、予め設定された生活関連データのうちの少なくとも1つにおける値、値の範囲又は条件であって、この支援情報に該当すると判定される条件になる値、値の範囲又は条件とが対応付けて記録されている。
【0073】
ここで、支援情報テーブル140tでは、予め設定された生活関連データとして、
(a)電力消費パターン、(b)使用電力割合、(c)天候、(d)季節・曜日・時間帯、(e)行動パターン、(f)在宅状況、(g)日常の移動手段、及び(h)自動車・免許情報が採用されている。
【0074】
このうち、
(a)電力消費パターンは、現在使用量として1時間毎の電力消費量のうちの直近の電力消費量を逐次更新した値、又は前日使用量として前日の朝、昼及び夜の時間帯のそれぞれにおける電力消費量を要素とする代表ベクトルであり、
(b)使用電力割合は、1時間毎の電力消費量のうちの直近の電力消費量が許容使用電力量に占める割合であり、
(c)天候は、晴れ、曇り、曇り/雨、雨等の情報、さらには「夕方に雨予報」等の予測情報、である。また、
【0075】
(d)季節・曜日・時間帯は、季節(春、夏、秋、冬)、曜日(月、火、・・・、日)、及び時間帯(例えば朝、昼、夜)の情報であり、
(e)行動パターンは、例えば、何時(例えば平日、土曜、日曜)、誰と(例えば家族全員で、一人で)、何処へ(例えばスーパー、公園、遠方)移動することが多い、との情報を、「何時」、「誰と」、及び「何処へ」のセットにしたルール情報であり、
(f)在宅状況は、現在、在宅であるか又は外出しているかの情報(を数値化したもの)であり、
(g)日常の移動手段は、日常最も使用する(実行する)頻度の難い移動手段(徒歩、自転車、自動車、バス等)の情報(を数値化したもの)であり、
(h)自動車・免許情報は、自動車免許を有するか否か、又は自動車を所有しているか否かの情報(を数値化したもの)である。
【0076】
さらに、支援情報は、推定されるユーザ属性と、予め設定された上述したような生活関連データの値、値の範囲又は条件とに応じて、対象ユーザに提供されるのが適切とされる、電力消費についてのコメント・アドバイスである。例えば、節電のための節電アドバイスであってもよい。
【0077】
変更態様として、図示されていないが、支援情報テーブル140tは、推定されるユーザ属性毎に、予め設定された支援情報と、予め設定された生活関連データの値、値の範囲又は条件とに合わせて、予め設定された加入者情報のうちの住所及び年齢を含む加入者データのうちの少なくとも1つにおける条件であって、この支援情報に該当すると判定される条件になる条件とを対応付けて記録したものであってもよい。例えば、支援情報テーブル140tにおいて、加入者(ユーザ)の年齢の列が、他の生活関連量の列と並行して設けられていてもよい。
【0078】
尚、支援情報テーブル140tにおけるユーザ属性及び生活関連量の設定値(範囲)毎の支援情報は、例えば、種々の異なるユーザ属性を有する世帯の各々における該当する生活関連量全てのデータを実測して収集し、ユーザ属性と得られたデータ群とを合わせて勘案して更なる節電に貢献する改善行動を導出し、その改善行動を推奨するアドバイスとして決定可能である。
【0079】
例えば、平日当日に、「夕方から雨の予報です。買い物は早めに済ませましょう。」とのアドバイスを選定するための条件としては、
(a)日常の移動手段が、「徒歩」であり、
(b)行動パターンとして、「平日夕方に」「スーパーマーケットへ」外出する頻度が高く、
(c)当日の天候が、「夕方に(予報)」「雨」であり、
(d)現在の在宅状況が、「在宅」である
ことが挙げられる。
【0080】
以上に説明したような支援情報テーブル140tを利用することによって、支援情報を、ユーザ属性に適した内容をもってユーザの状況に合わせた形で提供することができる。特に、携帯端末データを利用してユーザの宅外行動(習慣)にも着目した支援情報を選定することも可能であるので、例えば、節電アドバイスの内容を、より具体的な且つ適切なものに、さらにはより広範囲をカバーするバラエティに富んだものにすることができる。
【0081】
[電力消費関連支援方法]
図5は、本発明による電力消費関連支援方法の一実施形態を説明するための概略図である。
【0082】
[ユーザ属性推定]
図5によれば、最初に、電力消費データ蓄積部110に蓄積された対象ユーザに係る所定の1日分(例えば前日)の「電力消費データ」を抽出する。次いで、この所定の1日分の「電力消費データ」から、朝時間帯(0時〜12時)、昼時間帯(12時〜18時)、及び夜時間帯(18時〜24時)の各々における電力消費量を要素とする電力消費データベクトルを生成する。
【0083】
次いで、生成された電力消費データベクトルV
dと、世帯属性(ユーザ属性)テーブル130taに含まれる電力消費量の代表ベクトルV
qn(n=1,2,・・・,n
tot(テーブルに挙げられた代表ベクトル数))の各々とのコサイン類似度を算出する。このコサイン類似度cos(V
d,V
qn)は、V
d及びV
qnのそれぞれの要素をV
di及びV
qniとして、
(1) cos(V
d,V
qn)
=Σ
i(V
di・V
qni)/((Σ
i(V
di)
2)
0.5)・(Σ
i(V
qni)
2)
0.5)
によって算出される。ここで、Σ
iは、要素iについての総和(summation)である。
【0084】
例えば、世帯属性テーブル130taに、電力消費量の代表ベクトルV
qn→世帯属性として、
(a)(朝0.2kWh,昼0.08kWh,夜0.5kWh)→「夫婦のみ世帯」、及び
(b)(朝0.6kWh,昼0.01kWh,夜0.8kWh)→「4人世帯」
が記録されており、電力消費データベクトルV
dが、(朝0.25kWh,昼0.05kWh,夜0.6kWh)と算出された場合、コサイン類似度はそれぞれ、
(a)約0.9974、(b)約0.9671
となり、この電力消費データベクトルV
dの下では、(a)「夫婦のみ世帯」の方において類似度がより高いことが分かる。
【0085】
このようにして、電力消費データベクトルV
dと、代表ベクトルV
qnの各々とのコサイン類似度を算出した後、世帯属性テーブル130taにおいて、対象ユーザに係る電力消費データに対して所定条件を満たすコサイン類似度を有する代表ベクトルV
qnに対応付けられた世帯属性を、対象ユーザのユーザ属性と推定する。
【0086】
ここで、この所定条件として、例えば、コサイン類似度が所定閾値C
th(例えば0.7)以上であること、又は世帯属性テーブル130taに列挙された代表ベクトルV
qnの中で最も高いコサイン類似度を有すること等、を採用することができる。
【0087】
次いで、上記の方法と同様にして、家族属性(ユーザ属性)テーブル130tbを用いることによって家族属性を推定する。最初に、テーブル130tbに定義されている各家族属性に関する電力消費量の代表ベクトルの要素に対応する時間帯の電力消費量を、抽出された所定の1日分の「電力消費データ」から算出し、これらの時間帯毎の電力消費量の各々を要素とする電力消費データベクトルV
d’を生成する。
【0088】
次いで、生成された電力消費データベクトルV
d’と、世帯属性(ユーザ属性)テーブル130taに含まれる電力消費量の代表ベクトルV
qm’(m=1,2,・・・,m
tot(テーブルに挙げられた代表ベクトル数))の各々とのコサイン類似度を算出する。
【0089】
このようにして、電力消費データベクトルV
d’と、代表ベクトルV
qm’の各々とのコサイン類似度を算出した後、家族属性テーブル130tbにおいて、対象ユーザに係る電力消費データに対して所定条件を満たすコサイン類似度を有する代表ベクトルV
qm’に対応付けられた家族属性を、対象ユーザのユーザ属性と推定する。
【0090】
[支援情報決定]
次に、推定されたユーザ属性(世帯属性、家族属性)を用いて、対象ユーザに適した支援情報(節電アドバイス)を決定する。最初に、生活関連データ蓄積部11に蓄積された対象ユーザに係る「生活関連データ」を抽出する。次いで、これらの「生活関連データ」から「支援情報選定条件」を生成する。
【0091】
次いで、支援情報テーブル140tにおいて、推定された対象ユーザのユーザ属性に相当する部分(行)を特定する。次いで、支援情報テーブル140tにおける推定されたユーザ属性の部分において、対象ユーザに係る「生活関連データ」若しくはこの「生活関連データ」から生成された「支援情報選定条件」と、支援情報テーブル140tにおける予め設定された生活関連データのうちの少なくとも1つにおける値、値の範囲又は条件とを比較する。
【0092】
ここで、この比較方法としてルールベースのマッチングを実施することも好ましい。具体的には、「生活関連データ」としての携帯端末データのうちの直近の1ヶ月における位置及び時間帯情報から、例えばk−means法を用いたクラスタリングによって、例えば「土曜日夜間(所定の時間帯)にレストラン(所定の滞在地)へ外出する頻度が所定以上(例えば1ヶ月の土曜日のうち3日以上)」との「支援情報選定条件」を生成する。
【0093】
一方、支援情報テーブル140tにおける推定されたユーザ属性に相当する部分には、例えば、「電力需給が逼迫しています。外食へ出かけるのはいかがですか?」との節電アドバイス(支援情報)に、「土曜夜間」ならば「家族で」及び「レストラン」とのルールが対応付けられて設定されている。
【0094】
この場合、「土曜日夜間(時間帯)にレストラン(滞在地)へ外出する頻度が所定以上」との「支援情報選定条件」と、支援情報テーブル140tにおける予め設定された複数のルールとのマッチングを行い、その結果として、当該「支援情報選定条件」と、「土曜夜間」ならば「家族で」及び「レストラン」とのルールとが一致すると判定する。次いで、この一致したルールに対応付けられた節電アドバイスを支援情報として選定する。
【0095】
このような比較は、生活関連データ蓄積部11から取り出された他の「生活関連データ」又は「支援情報選定条件」についても同様に実施される。例えば、上記の「土曜日夜間(時間帯)にレストラン(滞在地)へ外出する頻度が所定以上」との条件に合わせて、さらに、気象データから「晴れ」との条件が挙げられている場合、「晴れ」且つ「土曜日夜間(時間帯)にレストラン(滞在地)へ外出する頻度が所定以上」との「支援情報選定条件」と、支援情報テーブル140tに設定された生活関連データの条件としてのルールの各々とを比較し、一致するか否かを判定する。
【0096】
また、「生活関連データ」としての電力消費データから算出された各時間帯での電力消費量を要素とした電力消費データベクトルと、支援情報テーブル140tにおける予め設定された電力消費パターンとしての代表ベクトルとを比較する場合、上述したユーザ属性を推定する際に使用したコサイン類似度を求めて、所定以上の類似度の場合に両者はマッチングすると判定することも好ましい。
【0097】
さらに、「生活関連データ」としての電力消費データから算出された使用電力割合(例えば88%)と、支援情報テーブル140tにおける予め設定された使用電力割合の値の範囲(例えば85%以上)とを比較する場合、算出された使用電力割合が支援情報テーブル140tにおける使用電力割合の値の範囲に含まれる場合、両者は一致すると判定することも好ましい。
【0098】
さらにまた、図示されていないが、加入者データ蓄積部120から取り出された対象ユーザの加入者データから生成された「支援情報選定条件」と、支援情報テーブル140tとのマッチングを行うことも好ましい。例えば、加入者データのうちの対象ユーザの住所情報と、携帯端末データのうちの位置情報とから、ユーザが自宅(加入者データにおける住所)に所在しているか否か、即ち在宅か否かの判定結果を得ることができる。この判定結果を「支援情報選定条件」とすることも可能である。
【0099】
以上、詳細に説明したように、本発明の電力消費関連支援装置、携帯端末、プログラム及び方法によれば、電力消費データからユーザのユーザ属性を推定し、推定されたユーザ属性に基づいて、ユーザの生活関連データ(及び加入者データ)から、ユーザの電力消費についての支援情報、例えば節電アドバイス、を決定する。その結果、ユーザの電力消費に関連した支援情報を、ユーザ属性に適した内容をもってユーザの状況に合わせた形で提供することができる。
【0100】
さらに、携帯端末データを利用してユーザの宅外行動(習慣)にも着目した支援情報を選定することも可能となるので、例えば、節電アドバイスの内容を、より具体的な且つ適切なものに、さらにはより広範囲をカバーするバラエティに富んだものにすることができる。さらに、このように提供可能な節電アドバイスのパターンを増加させることができるので、ユーザによって実行可能である多種多様の節電行動を促すことができ、結果的に、より進展した省エネルギー化を実現することも可能となる。
【0101】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。