特許第5963359号(P5963359)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963359
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】トランスユニット取付構造
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/28 20060101AFI20160721BHJP
   H01F 30/10 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   H01F27/28 H
   H01F30/10 S
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-252569(P2012-252569)
(22)【出願日】2012年11月16日
(65)【公開番号】特開2014-103168(P2014-103168A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年4月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100129403
【弁理士】
【氏名又は名称】増井 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】野口 昭一
(72)【発明者】
【氏名】大葉 育
【審査官】 久保田 昌晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−105164(JP,A)
【文献】 特開2012−160616(JP,A)
【文献】 特開2011−014669(JP,A)
【文献】 特開2009−147041(JP,A)
【文献】 特開昭63−050007(JP,A)
【文献】 特開2000−173844(JP,A)
【文献】 米国特許第03500273(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/00−19/08、27/08−27/22
H01F 27/24−27/30、30/00−38/12
H01F 38/16、38/42
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻線部と、該巻線部の外周面の一部が露出するように配置されたコア部とを有するトランスと、前記巻線部の径方向外側から挟み込むように対向配置され、前記巻線部の外周面を覆う一対のヒートシンクと、を備えるトランスユニットと、
該トランスユニットが搭載されるベースプレートと、
前記ヒートシンクをネジ止めにより前記ベースプレートとの間に挟み込むネジ止め部、及び前記コア部を前記ベースプレートに付勢するバネ部を有する固定部材と、を備えることを特徴とするトランスユニット取付構造
【請求項2】
前記巻線部と前記一対のヒートシンクとの間には、放熱シートが介在していることを特徴とする請求項1に記載のトランスユニット取付構造
【請求項3】
前記トランスユニットが、前記コア部を跨ぐように配置され、前記一対のヒートシンクを相互に固定する金属板を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトランスユニット取付構造
【請求項4】
前記ベースプレートには、前記ヒートシンクが取り付けられる取付面から窪む凹部が形成されており、
該凹部が、前記巻線部の径方向に延びる溝状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のトランスユニット取付構造。
【請求項5】
前記ベースプレートと前記固定部材とが、前記巻線部の軸方向から前記ヒートシンクを挟み込んでいることを特徴とする請求項4に記載のトランスユニット取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスユニット取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベースプレート上に、巻線部とコア部とを有するトランスを搭載したトランス取付構造が知られている。例えば、特許文献1には、ベースプレートと、このベースプレートに搭載され巻線部及びコア部を有するトランスと、コア部を囲むように配置されコア部をベースプレート側に押圧する押さえ部材とを備えたトランス取付構造が開示されている。このトランス取付構造においては、コア部が押さえ部材によってベースプレートに接触するように固定されており、コア部に発生する熱をベースプレート側へと放散することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−252122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したトランス取付構造では、トランスの巻線部においても熱が発生する。この熱が滞留するとトランスの性能が損なわれるため、熱を効率良く外方へと放散することが求められる。しかしながら、特許文献1に記載のトランス取付構造では、コア部に発生する熱をベースプレートから放散することができるものの、巻線部に発生する熱を放散することは困難であった。
特に最近では、車載用のトランスは過酷な条件下で使用されることが多いため、トランスから発生する熱をさらに効率良く放散することが求められている。
【0005】
この発明は前述した事情に鑑みてなされたものであって、トランスの巻線部に発生する熱を効率よく放散することが可能なトランスユニット取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するために、本発明のトランスユニット取付構造は、巻線部と、該巻線部の外周面の一部が露出するように配置されたコア部とを有するトランスと、前記巻線部の径方向外側から挟み込むように対向配置され、前記巻線部の外周面を覆う一対のヒートシンクと、を備えるトランスユニットと、該トランスユニットが搭載されるベースプレートと、前記ヒートシンクをネジ止めにより前記ベースプレートとの間に挟み込むネジ止め部、及び前記コア部を前記ベースプレートに付勢するバネ部を有する固定部材と、を備えることを特徴としている。
【0007】
本発明のトランスユニット取付構造によれば、巻線部を一対のヒートシンクで挟み込んでいるため、巻線部の熱を効率良くヒートシンク側に伝えることができる。さらに、ヒートシンクをベースプレートに固定することで、巻線部の熱をヒートシンクからベースプレートに効率良く逃がすことが可能である。
また、本発明のトランスユニット取付構造によれば、バネ部によってコア部をベースプレートに付勢するので、コア部をベースプレートに確実に接触させコア部の熱をベースプレートへ放散できる。
また、ネジ止め部によってヒートシンクをベースプレートとの間に挟み込む構成とされているので、巻線部から伝達されたヒートシンクの熱をベースプレート側へと逃がすことができる。
さらに、トランスの巻線部はヒートシンクを介してベースプレートに一体に固定され、トランスのコア部は固定部材のバネ部によってベースプレートに付勢されることでベースプレートに一体に固定される。すなわち、トランスのコア部と巻線部とがベースプレートを介して一体に固定されているので、コア部と巻線部とのがたつきを抑制可能である。
【0008】
さらに、本発明のトランスユニット取付構造において、前記巻線部と前記一対のヒートシンクとの間には、放熱シートが介在していることが好ましい。
この場合、上記放熱シートは柔軟性を有するため、一対のヒートシンクを巻線部側に押圧すれば、巻線部と一対のヒートシンクとを容易に密着させることができる。すなわち、放熱シートによって巻線部と一対のヒートシンクとの間に隙間が生じることを防いでいる。したがって、放熱シートを介して巻線部の熱をさらに効率よくヒートシンク側へと逃がすことが可能である。
【0009】
さらに、本発明のトランスユニット取付構造において前記トランスユニットは、前記コア部を跨ぐように配置され、前記一対のヒートシンクを相互に固定する金属板を備えていても良い。
この場合、一対のヒートシンクの間にコア部を配置した状態を維持するように、一対のヒートシンクを確実に固定することができる。また、金属板を介してコア部の熱をヒートシンク側へと逃がすことができる。
【0012】
また、本発明のトランスユニット取付構造において、前記ベースプレートには、前記ヒートシンクが取り付けられる取付面から窪む凹部が形成されており、該凹部が、前記巻線部の径方向に延びる溝状に形成されていることが好ましい。
巻線部の引出配線は、巻線部の軸方向の端部から引き出される。上記構成では、巻線部の軸方向がベースプレートの取付面に直交するようにヒートシンクを取付面に設けても、巻線部のベースプレート側の端部から引き出される巻線部の引出配線を凹部内に収容し、引出配線を外方に引き出すことができる。したがって、引出配線に阻害されることなくトランスを安定した状態でベースプレートに取り付けることが可能となる。
【0013】
さらに、本発明のトランスユニット取付構造において、前記ベースプレートと前記固定部材とが、前記巻線部の軸方向から前記ヒートシンクを挟み込んでいることが好ましい。
この場合、巻線部をベースプレートから浮かせた状態でコア部をベースプレートに押し付けることができるので、巻線部に過剰な応力がかかることを防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、トランスの巻線部に発生する熱を効率よく放散することが可能なトランスユニット取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るトランスユニット取付構造の斜視図である。
図2図1におけるトランス、放熱シート、ヒートシンクの分解斜視図である。
図3】一実施形態に係るトランスユニットにおける金属板の取付方法を示す図である。
図4】一実施形態に係るトランスユニットをベースプレートに取り付ける方法を示す図である。
図5】一実施形態に係るトランスユニット取付構造の側面図である。
図6】一実施形態に係るトランスユニットの金属板の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
図1に本発明の実施形態に係るトランスユニット取付構造1を示す。トランスユニット取付構造1は、図1に示すように、トランスユニット30と、このトランスユニット30が搭載されるベースプレート10と、トランスユニット30をネジ止めするネジ止め部21、及びトランスユニット30をベースプレート10側に付勢するバネ部22を有する固定部材20と、を備えている。
【0017】
トランスユニット30は、図1及び図2に示すように、トランス40と、一対のヒートシンク50、50と、巻線部41とヒートシンク50との間に介在された放熱シート31とを備えている。本実施形態においてトランスユニット30は、図1及び図3に示すように、さらに金属板32を備えている。
【0018】
トランス40は、入力された電圧を所定の電圧に変換して出力する電気部品であり、巻線部41とコア部42とを有している。
巻線部41は、例えば巻芯(図示なし)と、この巻芯に巻回された巻線(図示なし)とを有しており、円筒形状とされている。
コア部42は、EI型のコアとされており、巻線部41の上下面の一部及び外周面の一部を覆うように配置されている。すなわち、巻線部41の外周面の一部が露出するようにコア部42が配置されている。
【0019】
一対のヒートシンク50、50は、巻線部41及びコア部42で発生した熱を外部に逃がすために配置されるものである。この一対のヒートシンク50、50は、巻線部41の径方向外側から挟み込むように相互に対向配置され、巻線部41の外周面を覆っている。この一対のヒートシンク50、50は、例えば、純アルミニウムや純銅などの熱伝導性の良好な材質で構成されることが好ましい。
【0020】
放熱シート31は、巻線部41の熱を効率よく一対のヒートシンク50、50側へ逃がすために配置されるものである。この放熱シート31は、巻線部41の外周面を覆うように配置され、巻線部41とヒートシンク50とによって挟み込まれている。放熱シート31は、例えばシリコーンゴムなどのように、良好な熱伝導性及び柔軟性を有する材質で構成されることが好ましい。
【0021】
金属板32は、コア部42を跨ぐように一対のヒートシンク50、50を相互に固定している。本実施形態においては、図1及び図3に示すように、金属板32が、各ヒートシンク50のうち一対のヒートシンク50、50の配列方向に平行な面に、ネジ60によってネジ止めされている。このとき、一対のヒートシンク50、50の外側からコア部42側に向かって押圧した状態で、一対のヒートシンク50、50と金属板32とをネジ止めすることで、巻線部41と一対のヒートシンク50、50とが放熱シート31に密着するように固定されている。
【0022】
図4に示すように、ネジ止め部21は、ネジ止めによりヒートシンク50をベースプレート10に固定するためのものであり、一対のヒートシンク50、50がベースプレート10とネジ止め部21の間に挟み込まれ、ネジ60により固定されている。本実施形態では、ベースプレート10と固定部材20とが、巻線部41の軸方向からヒートシンク50を挟み込んでいる。
バネ部22は、コア部42をベースプレート10側に付勢する弾性体であり、ネジ止め部21がヒートシンク50にネジ止めされることによって、バネ部22がコア部42を押圧し、コア部42をベースプレート10側へ付勢している。
【0023】
ベースプレート10は、トランスユニット30が配置される領域に一段高く形成された取付面11を有し、この取付面11にヒートシンク50が載置されている。本実施形態においては、取付面11から窪む凹部12Aと、コア部42を配置するために取付面11から窪む凹部12Bとが形成されている。
巻線部41の引出配線33は、巻線部41の軸方向の端部から引き出される。本実施形態では、凹部12Aは巻線部41の径方向に延びる溝状に形成されており、巻線部41のベースプレート10側の端部から延びる引出配線33を凹部12Aから外方に引き出せるようになっている(図1及び図5参照)。
【0024】
また、本実施形態のベースプレート10において、コア部42が配置される領域には、放熱シート13が配置されている。この放熱シート13は、柔軟性を有しており、コア部42がバネ部22によって付勢されることで放熱シート13がコア部42及びベースプレート10に密着している。すなわち、放熱シート13がコア部42とベースプレート10との間に隙間が生じることを防いでいる。
【0025】
以上のような構成とされた本実施形態に係るトランスユニット30によれば、巻線部41を一対のヒートシンク50、50で挟み込んでいるため、巻線部41の熱を効率良くヒートシンク50側に伝えることができる。さらに、一対のヒートシンク50、50をベースプレート10に固定することで、巻線部41の熱を一対のヒートシンク50、50からベースプレート10に効率良く逃がすことが可能である。
【0026】
さらに、トランスユニット30において、巻線部41と一対のヒートシンク50、50との間には、放熱シート31が介在しているので、仮に巻線部41の外周面に凹凸があっても巻線部41と一対のヒートシンク50、50との間に隙間が生じることを防止できる。したがって、放熱シート31を介して巻線部41の熱をさらに効率よく一対のヒートシンク50、50側へと逃がすことが可能である。
【0027】
さらに、トランスユニット30は、コア部42を跨ぐように配置され、一対のヒートシンク50、50を相互に固定する金属板32を備えているので、一対のヒートシンク50、50の間にコア部42を配置した状態を維持するように、一対のヒートシンク50、50を確実に固定することができる。また、金属板32を介してコア部42の熱を一対のヒートシンク50、50側へと逃がすこともできる。
【0028】
また、本実施形態に係るトランスユニット取付構造1によれば、バネ部22によってコア部42をベースプレート10に付勢するので、コア部42をベースプレート10に確実に接触させコア部42の熱をベースプレート10へ放散できる。本実施形態においては、コア部42とベースプレート10の間に放熱シート13が配置され、コア部42とベースプレート10とが隙間なく放熱シート13に密着しているので、さらに効率よくコア部42の熱をベースプレート10へ逃がすことができる。
【0029】
また、ネジ止め部21によってヒートシンク50をベースプレート10との間に挟み込む構成とされているので、巻線部41から伝達されたヒートシンク50の熱をベースプレート10側へと逃がすことができる。
さらに、トランス40の巻線部41はヒートシンク50を介してベースプレート10に一体に固定され、トランス40のコア部42は固定部材20のバネ部22によってベースプレート10に付勢されることでベースプレート10に一体に固定される。すなわち、トランス40のコア部42と巻線部41とがベースプレート10を介して一体に固定されているので、コア部42と巻線部41とのがたつきを抑制可能である。
【0030】
また、ベースプレート10には、ヒートシンク50が取り付けられる取付面11から窪む凹部12Aが形成されており、この凹部12Aが、巻線部41の径方向に延びる溝状に形成されているので、巻線部41の軸方向がベースプレート10の取付面11に直交するようにヒートシンク50を取付面11に設けても、巻線部41の下側からベースプレート10に向けて引き出される巻線部41の引出配線33を凹部12A内に収容した上で、引出配線33を外方に引き出すことができる(図5参照)。したがって、引出配線33に阻害されることなくトランス40を安定した状態でベースプレート10に取り付けることが可能となる。
さらに、ベースプレート10と固定部材20とが、巻線部41の軸方向からヒートシンク50を挟み込んでいるので、巻線部41に過剰な応力がかかることを防止できる。
【0031】
以上、本発明の実施形態であるトランスユニット及びトランスユニット取付構造について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0032】
例えば、図6に示すように、ヒートシンク50がコア部42を押圧するように、一対のヒートシンク50、50の配列方向に直交して外側に露出する面から、金属板132をネジ止めして一対のヒートシンク50、50を相互に固定する構成としても良い。この場合、ネジ止めの力によって巻線部41とヒートシンク50とを放熱シート31に確実に密着させることができ、巻線部41の熱をより効率的にヒートシンク50側へと逃がすことができる。
【0033】
また、金属板132の幅寸法(図6においてtで示される寸法)をトランス40の幅寸法(一対のヒートシンク50、50の配列方向における寸法)よりも若干狭くして、金属板132の弾性力によりヒートシンク50を巻線部41側に押圧する構成としても良い。この場合には、金属板132を、図6に示す方向からネジ止めする必要はなく、例えば図3に示す方向(一対のヒートシンク50、50の配列方向に直交する方向)からネジ止めしても良い。
【符号の説明】
【0034】
1 トランスユニット取付構造
10 ベースプレート
11 取付面
12A 凹部
13 放熱シート
20 固定部材
21 ネジ止め部
22 バネ部
30 トランスユニット
31 放熱シート
32、132 金属板
40 トランス
41 巻線部
42 コア部
50 ヒートシンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6