特許第5963375号(P5963375)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特許5963375空気流が改善されたエアロゾル発生装置及びシステム
<>
  • 特許5963375-空気流が改善されたエアロゾル発生装置及びシステム 図000002
  • 特許5963375-空気流が改善されたエアロゾル発生装置及びシステム 図000003
  • 特許5963375-空気流が改善されたエアロゾル発生装置及びシステム 図000004
  • 特許5963375-空気流が改善されたエアロゾル発生装置及びシステム 図000005
  • 特許5963375-空気流が改善されたエアロゾル発生装置及びシステム 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5963375
(24)【登録日】2016年7月8日
(45)【発行日】2016年8月3日
(54)【発明の名称】空気流が改善されたエアロゾル発生装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20160721BHJP
   A61M 15/06 20060101ALI20160721BHJP
【FI】
   A24F47/00
   A61M15/06 C
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-550688(P2014-550688)
(86)(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公表番号】特表2015-504667(P2015-504667A)
(43)【公表日】2015年2月16日
(86)【国際出願番号】EP2012077065
(87)【国際公開番号】WO2013102609
(87)【国際公開日】20130711
【審査請求日】2015年11月19日
(31)【優先権主張番号】12150114.2
(32)【優先日】2012年1月3日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】12155245.9
(32)【優先日】2012年2月13日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】12183828.8
(32)【優先日】2012年9月11日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】プロジュー ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】グレム オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】デグモワ イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ルッシオ ダニー
【審査官】 豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−521123(JP,A)
【文献】 特表2005−517421(JP,A)
【文献】 特開平07−184627(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第02473264(GB,A)
【文献】 特開平03−232481(JP,A)
【文献】 特表2010−506594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基材と、ユーザが前記基材を通って空気を吸い込むことを可能にするマウスピース部とを含む、エアロゾル形成物品と、
エアロゾル発生装置と、
を備える、エアロゾル発生システムであって、
前記装置は、近位端及び遠位端を有し、少なくとも1つの外側面及び1つの内側面を含むハウジングを備え、前記内側面は、前記エアロゾル形成基材を収容する、前記ハウジングの近位端において開口したキャビティを規定し、前記キャビティは、その近位端と遠位端との間の長手方向の空間と、前記キャビティ内で前記キャビティに収容したエアロゾル形成基材を加熱するように構成された加熱要素と、空気入口とを有し、
前記システムは、前記空気入口から前記キャビティの遠位端まで延び、前記キャビティの前記長手方向空間の少なくとも一部に沿って、前記加熱要素と前記ハウジングの前記外側面との間に延びる第1の空気流チャンネルと、前記キャビティの前記遠位端から前記マウスピース部に延びる第2の空気流チャンネルとを備え、前記加熱要素は、前記基材の中に延びるピン又は刃の形態であり、前記第1の空気流チャンネルの遠位端及び前記第2の空気流チャンネルの遠位端は、前記加熱要素の基部の周りに位置付けられた空気出口で交わる、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記エアロゾル形成物品及び前記エアロゾル発生装置は、全体として前記第1及び第2の空気流チャンネルを通じて80mmH2Oから120mmH2Oの間の引き込み抵抗(RTD)をもたらす、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記エアロゾル発生装置は、前記第1及び第2の空気流チャンネルを通じて10%を超えるRTDをもたらす、請求項2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記第1の空気流チャンネルは、前記ハウジングの内側面と外側面との間に配置される、請求項1から3のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記空気入口は、前記キャビティの近位端又はその近くににある、請求項1から4のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
複数の空気入口を備える、請求項1から5のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記空気入口又は複数の空気入口の全断面積は、3から5mm2の間である、請求項1から6のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記第1の空気流チャンネルの少なくとも一部は、前記加熱要素の長手方向範囲に対して平行に延びる、請求項1から7のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記ハウジングは、本体及び基材保持部を備え、前記基材保持部は、前記本体から取り外し可能であり、前記キャビティを規定する内壁の少なくとも一部を構成し、前記空気入口は、前記基材保持部に形成されている、請求項1から8のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記ハウジングは、本体及び基材保持部を備え、前記基材保持部は、前記本体から取り外し可能であり、前記キャビティを規定する内壁を構成し、前記出口は、前記基材保持部に形成されている、請求項1から8のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記加熱要素は、前記装置の作動時に連続的にエアロゾル形成基材を加熱するように構成されている、請求項1から10のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記ハウジングは略円筒形であり、10から20mmの間の最大直径を有する、請求項1から11のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
近位端及び遠位端を有し、少なくとも1つの外側面及び1つの内側面を含むハウジングであって、前記内側面が、エアロゾル形成基材を収容する、前記ハウジングの近位端において開口したキャビティを規定し、前記キャビティが、その近位端と遠位端との間の長手方向の空間を有するようになった、前記ハウジングと、
前記キャビティ内で前記キャビティに収容した前記エアロゾル形成基材を加熱するように構成された加熱要素と、
空気入口と、
前記空気入口から前記キャビティの遠位端まで延び、前記キャビティの前記長手方向空間の少なくとも一部に沿って、前記ハウジングの前記内側面と前記外側面との間を延びる第1の空気流チャンネルと、
前記キャビティの前記遠位端から前記キャビティの近位端まで延びる第2の空気流チャンネルと、
を備え、
前記加熱要素は、前記基材の中に延びるピン又は刃の形態であり、前記第1の空気流チャンネルの遠位端及び前記第2の空気流チャンネルの遠位端は、前記加熱要素の基部の周りに位置付けられた空気出口で交わる、エアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記装置は、前記キャビティ内にエアロゾル形成基材が存在しない場合、前記第1及び第2の空気流チャンネルを通じて5mmH2Oから20mmH2Oの間の引き込み抵抗(RTD)をもたらす、請求項13に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、エアロゾル形成基材を加熱するように構成されたエアロゾル発生装置に関し、詳細には、装置を通る有用な空気流を保証するデザインに関する。本発明は、好都合には手持ち型加熱式喫煙システムに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル形成基材を加熱するための加熱器を備えた手持ち型エアロゾル発生装置は従来から知られている。電気加熱式喫煙装置はこの装置の一例である。電気加熱式喫煙装置のエアロゾル形成基材は、一般的にエアロゾルを形成することができる揮発性物質を放出するために摂氏数百度の温度まで加熱する必要がある。一般に、加熱器は、喫煙セッションの間に保持するのに最も自然な部位で装置のハウジング内に配置される。従って、ハウジングのこの部位は使用時に最も高温になる。
【0003】
消費者の立場からは、電気式喫煙装置は、小型で容易に保持でき、従来のシガレットとほぼ同じ寸法及び形状であることが望ましい。このような小径の装置を製作する1つの課題は、ハウジングが保持するのが不快になるほど高温にならないことを保証する点にある。例えば、装置が従来のシガレットとほぼ同じ寸法であるか又はエアロゾル形成基材を含むシガレットの大きさのロッドを受け入れることができるように適切に十分に大きい場合、装置は不快なほど高温になる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作動時に快適な最大ハウジング温度でもって手中に保持するのに適したエアロゾル発生装置を提供することが望ましい。また、装置のハウジングからの熱損失が最小である、エアロゾル形成基材を加熱するための加熱器を備えたエアロゾル発生装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様において、エアロゾル発生システムが提供され、本システムは、
エアロゾル形成基材と、ユーザが前記基材を通って空気を吸い込むことを可能にするマウスピース部とを含む、エアロゾル形成物品と、
エアロゾル発生装置と、
を備え、
該装置は、近位端及び遠位端を有し、少なくとも1つの外側面及び1つの内側面を含むハウジングを備え、内側面は、エアロゾル形成基材を収容するハウジングの近位端において開口したキャビティを規定し、キャビティは、その近位端と遠位端との間の長手方向の空間と、キャビティ内でキャビティに収容したエアロゾル形成基材を加熱するように構成された加熱要素と、空気入口とを有し、
該システムは、空気入口からキャビティの遠位端まで延び、キャビティの長手方向空間の少なくとも一部に沿って、加熱器とハウジングの外側面との間に延びる第1の空気流チャンネルと、キャビティの遠位端からマウスピース部に延びる第2の空気流チャンネルとを備える。
【0006】
エアロゾル発生システムは、手持ち型電気加熱式喫煙システムとすることができる。
【0007】
本明細書で用いる場合、「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基材と相互作用してエアロゾルを発生させる装置を意味する。エアロゾル形成基材は、エアロゾル発生物品の一部、例えば喫煙物品の一部とすることができる。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材と相互作用してユーザの口腔を通してユーザの肺に吸入されるエアロゾルを形成する喫煙装置とすることができる。エアロゾル発生装置は容器とすることができる。
【0008】
本明細書で用いる場合、用語「エアロゾル形成基材」は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出することができる基材を意味する。そのような揮発性化合物は、エアロゾル形成基材を加熱することによって放出させることができる。エアロゾル形成基材は、エアロゾル発生物品又は喫煙物品の一部とすることが好都合である。
【0009】
本明細書で用いる場合、用語「エアロゾル発生物品」又は「喫煙物品」は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出することができるエアロゾル形成基材を備える物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザの口腔を通してユーザの肺に吸入されるエアロゾルを形成する喫煙物品とすることができる。エアロゾル発生物品は、廃棄することができる。用語「喫煙物品」は、以下において一般に用いる。喫煙物品は、タバコスティックであり又はこれを含むことができる。
【0010】
本明細書で用いる場合、用語「エアロゾル発生システム」は、エアロゾル発生装置及び該装置と一緒に用いる1つ又はそれ以上のエアロゾル発生物品を組み合わせたものを指す。エアロゾル発生システムは、例えば、電気作動式又は電気式エアロゾル発生装置の搭載電源を再充電するための充電ユニット等の追加の構成要素を含むことができる。
【0011】
本明細書で用いる場合、用語「マウスピース部」は、エアロゾル発生物品又はエアロゾル発生装置で発生したエアロゾルを直接吸入するためにユーザの口腔内に入れられるエアロゾル発生物品の一部を指す。エアロゾルはマウスピースを通ってユーザの口腔に送られる。
【0012】
ハウジング内ではあるがエアロゾル形成基材が加熱されるキャビティの内部に沿って外気を引き込むことで、ハウジングの外面から流出するキャビティからの熱損失分が引き込まれる。実際には、流入する空気は、余剰な熱をハウジングの外部に到達する前に取り除くことでハウジングの外面を冷却する。これにより、システムの使用時にキャビティの領域のハウジング外部を快適に保持できるので好都合である。
【0013】
また、この構成は置内でエアロゾルを発生及び移送するために利用される空気の予加熱を可能にするので、加熱器に供給する必要があるエネルギ量が低減して、装置はさらに効率が良くなり、エアロゾル形成基材内の温度分布がさらに一様になる。この構成の別の利点は、空気を装置の外部から加熱キャビティに直接引き込むシステムと比べた場合、キャビティの少なくとも一部に沿って延びる第1の空気流チャンネルが、側流エアロゾル量を低減する点にある(ユーザに供給されずに装置から漏出するエアロゾル)。側流エアロゾルは、ユーザが入口チャンネル経由で空気を引き込まない期間の重要な問題点である。
【0014】
第1の空気流チャンネルは、内側面と外側面との間に配置することができる。代替的に又は追加的に、第1の空気流チャンネルは、内側面とエアロゾル形成基材との間とすることができる。
【0015】
装置は、複数の空気入口を備えることができる。空気流入口の数及び寸法は、装置を通じて所望の引き込み抵抗をもたらすように選択することができる。電気式喫煙装置において、装置及び基材を通じた引き込み抵抗(RTD)は、従来のシガレットの引き込み抵抗に近いことが望ましい。
【0016】
また、引き込み抵抗は、吸引抵抗、引き出し抵抗、吸煙抵抗、吸煙性として知られており、22℃及び760Torr(101kPa)における流量17.5ml/secでの試験の下で物品の全長を通って空気を送り込むのに必要な圧力である。一般に単位mmH2Oで表され、ISO6565:2011に基づいて測定される。好都合には、エアロゾル形成物品及びエアロゾル発生装置は一緒になって第1及び第2の空気流チャンネルを通じて80から120mmH2Oの間のRTDをもたらす。これは従来のシガレットのRTDに近い。好都合には、エアロゾル形成物品が接続されていないエアロゾル形成装置のRTDは5mmH2Oから20mmH2Oの間とすることができる。単独のエアロゾル形成物品のRTDは40mmH2Oから80mmH2Oの間とすることができる。
【0017】
好都合には、エアロゾル発生装置のRTDは、第1及び第2の空気流チャンネルを通じて10%を超えることができる。これにより、システムが全体として従来のシガレットに類似したRTDをもたらしながら、エアロゾル形成物品は、従来のシガレットよりも著しく低いRTDとすることができる。電気加熱式喫煙システムにおいて、一般に、同じ長さ及び数の吸煙をもたらすために従来の燃焼式シガレットよりもタバコ含有量の少ない基材が必要である。このことは、喫煙物品を短くできることを意味し、結果的に従来のシガレットよりも低いRTとなる。かなり大きなRTDをもたらす装置を用いることで、喫煙物品には喫煙物品のRTDを増大させるための追加の構成要素が不要となる。これにより各喫煙物品のコストを可能な限り低く維持できる。
【0018】
複数の空気入口を設ける場合、各空気入口はキャビティの外周の周りに間隔を置いて配置でき、ハウジング及び基材に関して均一な温度プロフィールをもたらすようになっている。空気入口の全断面積は3mm2から5mm2の間である。
【0019】
1つ又は複数の空気入口は、キャビティの近位端に又はその近くに配置することができる。これに関連して、近位端の近くとは、遠位端よりも近位端に近いことを意味する。次に、第1の空気流チャンネルはキャビティの長手方向空間の大部分に沿って延び、空気流チャンネルとキャビティとの間の強化された熱的接触が可能になる。空気入口をキャビティの近位端に位置決めする別の利点は、使用時にユーザの手で塞がれる可能性が低いことである。空気入口は、ユーザによって閉塞されるリスクを最小にするためにハウジングの近位面に設けることができる。第1の空気流チャンネルは、少なくともキャビティ内の加熱要素の長手方向範囲程度の長さだけ延びることができ、実質的にキャビティの全長にわたって延びることができる。これにより、キャビティ内の加熱要素の全範囲にわたってハウジングを冷却することが可能になる。
【0020】
第1の空気流チャンネルは直線状とすることができ、1つ又は複数の空気入口からキャビティの遠位端まで真っ直ぐ延びる。しかしながら、第1の空気流チャンネルは、らせん形状又は蛇行形状等の任意の形状とすることができる。異なる形状の空気流路を使用して異なる温度プロフィールをもたらすこと、及びキャビティ及び加熱器の形状等の装置の他の態様に適合することができる。例えば、加熱要素がキャビティの周りで延びるらせん状加熱要素として形成される場合、第1の空気流チャンネルは、加熱要素の外側で対応するらせん形状に形成することができる。第1の空気流チャンネルの一部は、少なくとも加熱要素の長手方向範囲に対して平行に延びることができる。
【0021】
複数の空気入口を備えた場合、実質的にキャビティを取り囲む単一の第1の空気流チャンネルと流体連通することができる。これは実質的に基材を取り囲む空気流をもたらすので、ハウジング外側で不均一な温度分布となる可能性が低くなる。単一の空気流チャンネルは、キャビティ遠位端の1つの空気出口又は複数の空気出口と流体連通することができる。
【0022】
第1の空気流チャンネルの遠位端及び第2の空気流チャンネルの遠位端は、空気出口で交わることができる。空気出口は、加熱要素の遠位端の周りに位置付けることができる。例えば、加熱要素は、エアロゾル形成基材の中に延びるピン形又は刃形の加熱器とすることができる。空気出口はピン又は刃の基部の周りに位置付けることができ、基材全体にわたって効率的に熱を対流するようになっている。出口及び基材は、通常の作動時に基材を通る層状空気流を生じさせるように構成することができる。
【0023】
ハウジングは、本体及び基材保持部を備えることができ、基材保持部は本体から分離可能であり、少なくとも内壁の一部を構成する。基材保持部は、装置に対するエアロゾル形成基材の挿入又は装置からのエアロゾル形成基材の取り外しを改善するために設けることができる。空気入口は基材保持部に形成することができる。空気出口は基材保持部に形成することができる。
【0024】
加熱要素は、装置の作動時に連続的にエアロゾル形成基材を加熱するよいに構成することができる。これに関連して「連続的に」は、加熱が装置を通る空気流に依存しないことを意味しており、空気流が装置を通過しない場合でも加熱要素に電力を供給することができる。加熱要素に電力を供給する際に空気が装置を通って引き込まれない場合にはハウジング温度が上昇するので、連続加熱システムでは装置のハウジングの冷却が特に望ましい。代替的に、装置は空気流を検出する手段を含むことができ、加熱要素は、ユーザが装置を吸い込んだことを示す空気流が閾値レベルを超えた場合にのみ、エアロゾル形成基材を加熱するように構成することができる。
【0025】
装置は空気入口調節要素を含むことができ、空気入口の寸法を調節することができる。例えば、調節機構は、開口を有するハウジングの外部に接続したシェルとすることができる。ハウジング上でシェルを回転又は平行移動させることで、1つ又は複数の空気入口を形成するハウジング上の1つ又はそれ以上の開口を閉塞(完全に又は部分的に)することができる。これにより、ユーザは嗜好に応じて装置を調節することができる。
【0026】
好ましくは、装置は携帯型又は手持ち型装置であり、片手の指の間に快適に保持できる。装置は実質的に円筒形であり、長さは70mmから120mmの間である。装置の最大径は10mmから20mmの間である。1つの実施形態において、装置は多角形断面であり、表面に形成された突出ボタンを有する。本実施形態において、装置の直径は、平坦面から反対側の平坦面で測定すると12.7mmから13.65mmの間であり、稜線から反対側の稜線(つまり、装置の片側の2つの面の交差点から対応する他方側の交差点まで)で測定すると13.4mmから14.2mmの間であり、ボタンの最上部から反対側の底面の平坦面で測定すると14.2mmから15mmの間である。
【0027】
加熱要素は、電気抵抗材料を含むことができる。適切な電気抵抗材料としては、限定されるものではないが、ドープセラミックスのような半導体、「導電性」セラミックス(例えば、二珪化モリブデン)、炭素、グラファイト、金属、金属合金、及びセラミック材料及び金属材料から作られる複合材料を挙げることができる。このような複合材料は、ドープ又は非ドープセラミックスを含むことができる。適切なドープセラミックスの例としては、ドープ炭化ケイ素を挙げることができる。適切な金属の例としては、チタニウム、ジルコニウム、タンタル、白金、金、及び銀を挙げることができる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル−、コバルト−、クロム−、アルミニウム−チタニウム−ジルコニウム−、ハフニウム−、ニオビウム−、モリブデン−、タンタル−、タングステン−、錫−、ガリウム−、マンガン、金−、及び鉄含有合金、及びニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼、Timetal(登録商標)、及び鉄−マンガン−アルミニウムベースの合金をベースにした超合金を挙げることができる。複合材料において、随意的にエネルギ伝達の動力学及び所要の外部物理化学的特性に基づいて、電気抵抗材料は、絶縁材料に埋め込むこと、封入すること、又はそれでコーティングすること、又はその逆とすることができる。代替的に、電気加熱器は、赤外線加熱要素、光学的ソース、又は誘導加熱要素を含むことができる。
【0028】
エアロゾル発生装置は、内部加熱要素又は外部加熱要素、又は内部及び外部加熱要素の両方を備えることができ、「内部」及び「外部」はエアロゾル形成基材を基準とする。内部加熱器は、任意の適切な形態とすることができる。例えば、内部加熱器は、加熱ブレードの形態とすることができる。代替的に、内部加熱器は、異なる導電性部分を有するケーシング又は基材、又は電気抵抗材料の管体の形態とすることができる。代替的に、内部加熱器は、エアロゾル形成基材の中心を貫通する1つ又はそれ以上の加熱ニードル又はロッドとすることができる。別の例として、例えば、Ni−Cr(ニッケル−クロム)、白金、タングステン、又は合金ワイヤ、又は加熱プレートを含む。随意的に、内部加熱要素は、硬質担体材料上に堆積させることができる。このような1つの実施形態において、電気抵抗加熱器は、温度と抵抗率との間で所定の関連性を有する金属を用いて形成することができる。このような例示的な装置において、ジルコニアのようなセラミック材料といった適切な絶縁材料上に金属のトラックを形成し、次にガラスのような他の絶縁材料でサンドイッチすることができる。このようにして形成された加熱器は、作動時に加熱器を加熱すると共に温度を監視するために使用することができる。
【0029】
外部加熱器は、任意の適切な形態とすることができる。例えば、外部加熱器は、ポリイミドなどの誘電体基材上の1つ又はそれ以上の可撓性加熱ホイルの形態とすることができる。可撓性加熱ホイルは、基材収容キャビティの外周と一致する形状とすることができる。代替的に、外部加熱器は、1つ又はそれ以上の金属グリッド、可撓性プリント回路基板、成形回路部品(MID)、セラミック加熱器、可撓性炭素繊維加熱器の形態とすること、又は適切な形状の基材上にプラズマ蒸着などのコーティング技術を用いて形成することができる。また、外部加熱器は、温度と抵抗との間に所定の関係を有する金属を用いて形成することができる。そのような例示的装置において、金属は、適切な絶縁材料の二層間にトラックとして形成することができる。このようにして形成された外部加熱器は、作動時に加熱器を加熱すると共に温度を監視するために使用することができる。外部加熱器は、誘電加熱器とすることができる。
【0030】
内部又は外部加熱器は、吸熱及び蓄熱して、後で経時的にエアロゾル形成基材に対して放熱することができる材料を備える、ヒートシンク又はヒートリザーバを備えることができる。ヒートシンクは、好適な金属又はセラミック材料等の何らかの好適な材料から形成することができる。1つの実施形態において、材料は、高い熱容量を有する(顕熱蓄熱材料)か、又は吸熱後に高温相変化のような可逆プロセスによって放熱することができる材料であることが好ましい。好適な顕熱蓄熱材料には、シルカゲル、アルミナ、炭素、ガラスマット、ガラス繊維、無機物、及びアルミニウム、銀、もしくは鉛等の金属又は合金、並びに紙などのセルロース材料が挙げられる。可逆的相変化によって放熱する他の好適な材料には、パラフィン、酢酸ナトリウム、ナフタレン、ワックス、ポリエチレンオキシド、金属、金属塩、共晶塩の混合物、又は合金が挙げられる。ヒートシンク又はヒートリザーバは、エアロゾル形成基材と直接接触して、蓄熱を直接エアロゾル形成基材に伝達できるように配置することができる。代替的に、ヒートシンク又はヒートリザーバに貯えられた熱は、金属管体のような熱伝導体によってエアロゾル形成基材に伝達することができる。
【0031】
加熱要素は、エアロゾル形成基材を熱伝導で加熱することができる。加熱要素は、少なくとも部分的に基材、又は基材が堆積された担体に接触することができる。代替的に、内部又は外部加熱器からの熱は、熱伝導要素によって基材に伝達することができる。
【0032】
エアロゾル形成基材は、喫煙物品とすることができる。作動時、エアロゾル形成基材を含む喫煙物品は、エアロゾル発生装置内に部分的に収容することができる。
【0033】
喫煙物品は、ほぼ円筒形とすることができる。喫煙物品は、ほぼ細長い形状とすることができる。喫煙物品は、全長及び該全長にほぼ直交する外周を有することができる。エアロゾル形成基材は、ほぼ円筒形とすることができる。エアロゾル形成基材は、ほぼ細長い形状とすることができる。また、エアロゾル形成基材は、全長及び該全長にほぼ直交する外周を有することができる。
【0034】
喫煙物品の全長は、約30mmから約100mmとすることができる。喫煙物品の外径は、約5mmから約12mmとすることができる。喫煙物品は、フィルタプラグを備えることができる。フィルタプラグは、喫煙物品の下流端に設けることができる。フィルタプラグは、セルロースアセテートフィルタプラグとすることができる。1つの実施形態において、フィルタプラグの長さは、約7mmであるが、約5mmから約10mmの長さをもつことができる。
【0035】
1つの実施形態において、喫煙物品の全長は、約45mmである。喫煙物品の外径は、約7.2mmとすることができる。さらに、エアロゾル形成基材の長さは、約10mmとすることができる。代替的に、エアロゾル形成基材の長さは、約12mmとすることができる。さらに、エアロゾル形成基材の外径は、約5mmから約12mmである。喫煙物品は、外側紙ラッパーを含むことができる。さらに、喫煙物品は、エアロゾル形成基材とフィルタプラグとの間に離隔距離を含むことができる。離隔距離は、約18mmとすることができるが、約5mmから約25mmの範囲とすることができる。
【0036】
エアロゾル形成基材は、固形のエアロゾル形成基材とすることができる。代替的に、エアロゾル形成基材は、固形及び液体成分を含むことができる。エアロゾル形成基材は、加熱時に基材から放出された揮発性タバコ香味化合物を含有する、タバコ含有材料を含むことができる。代替的に、エアロゾル形成基材は、非タバコ材料を含むことができる。エアロゾル形成基材は、高濃度で安定したエアロゾルの生成を助長するエアロゾル生成物をさらに含むことができる。適切なエアロゾル生成物の例は、グリセリン及びプロピレングリコールである。
【0037】
エアロゾル形成基材が固形エアロゾル形成基材である場合、固形エアロゾル形成基材は、例えば、1つ又はそれ以上の、粉体、粒体、ペレット、細断片、スパゲティ、ストリップ、又はシートを含むことができ、これらは1つ又はそれ以上のハーブ葉、タバコ葉、タバコ茎の断片、再構成タバコ、均質化タバコ、押し出しタバコ、キャストリーフタバコ、及び膨張タバコを含むことができる。固形エアロゾル形成基材は、容器に入っていない形態とすること、又は適切な容器又はカートリッジで提供することができる。随意的に、固形エアロゾル形成基材は、追加のタバコ又は非タバコ揮発性香味化合物を含むことができ、基材の加熱時に放出されることになる。また、固形エアロゾル形成基材は、例えば、追加のタバコ又は非タバコ揮発性香味化合物を含むカプセルを有することができ、このカプセルは、固形エアロゾル形成基材の加熱時に溶融することができる。
【0038】
本明細書で用いる場合、均質化タバコは、凝集粒子状タバコで形成された材料を指す。均質化タバコは、シートの形態とすることができる。均質化タバコ材料のエアロゾル生成物の含有量は、乾燥重量ベースで5%よりも多い。代替的に、均質化タバコ材料のエアロゾル生成物の含有量は、乾燥重量ベースで5%から30%の間とすることができる。均質化タバコ材料シートは、タバコ葉身及びタバコ葉柄の一方又は両方を破砕又は粉砕することで得られる凝集粒子状タバコで形成することができる。代替的に又は追加的に、均質化タバコ材料シートは、例えば、タバコの処理時、搬送時、及び配送時に生じる1つ又はそれ以上のタバコの灰、タバコの粉末、及び他の粒子状タバコ副生成物を含むことができる。均質化タバコ材料シートは、粒子状タバコの凝集を助けるために、タバコ内因性のバインダである1つ又はそれ以上の内因性バインダ、タバコ外因性のバインダである1つ又はそれ以上の外因性バインダ、又はこれらの組み合わせを含むことができる。代替的に又は追加的に、限定されるものではないが、均質化タバコ材料シートは、タバコ及び非タバコ繊維、エアロゾル生成物、湿潤剤、可塑剤、香味料、増量剤、水性溶媒又は非水溶媒、及びこれらの組み合わせを含む他の添加物を含むことができる。
【0039】
特に好ましい実施形態において、エアロゾル形成基材は、均質化タバコ材料のギャザー付き皺寄せシートを含む。本明細書で用いる場合、用語「皺寄せシート」は、複数のほぼ平行な隆起部又は皺部を有するシートを指す。好ましくは、エアロゾル発生物品が組み立てられた場合、ほぼ平行な隆起部又は皺部は、エアロゾル発生物品の長手方向軸に沿って又はそれに平行に延在する。これは、エアロゾル形成基材を形成するために、好都合に均質化タバコ材料の皺寄せシートのギャザー寄せを助長する。しかしながら、代替的に又は追加的に、エアロゾル発生物品内に包含する均質化タバコ材料の皺寄せシートは、エアロゾル発生物品が組み立てられた場合に、エアロゾル発生物品の長手方向軸線に対して鋭角又は鈍角でもって配置されるほぼ平行な複数の隆起部又は波形部を有することができることを理解されたい。特定の実施形態において、エアロゾル形成基材は、全表面上にほぼ均一に凹凸を付けた均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含むことができる。例えば、エアロゾル形成基材は、シートの幅を横切ってほぼ均一に離間した複数のほぼ平行な隆起部又は波形部を備える、均質化タバコ材料のギャザー付きの皺寄せシートを含むことができる。
【0040】
随意的に、固形エアロゾル形成基材は、熱的に安定した担体上に設けること又はそれに組み込むことができる。担体は、粉体、粒体、ペレット、細断片、スパゲティ、ストリップ、又はシートの形態とすることができる。代替的に、担体は、その内面、外面、又は内面及び外面の両面に堆積された薄層の固形基材を有する管状担体とすることができる。このような管状担体は、例えば、紙又は紙状材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の荒いメッシュの金属スクリーン、又は有孔金属箔、又は他のあらゆる耐熱性ポリマーマトリクスの形を成すことができる。
【0041】
固形エアロゾル形成基材は、例えば、シート、発泡体、ゲル、又はスラリーの形態で担体表面に堆積することができる。固形エアロゾル形成基材は、担体の全表面に堆積すること、又は代替的に使用時に不均一な香味送出をもたらすために所定のパターンで堆積することができる。
【0042】
前述の固形エアロゾル形成基材を参照したが、他の実施形態において当業者には他の形態のエアロゾル形成基材を利用できることは明らかである。例えば、エアロゾル形成基材は、液体エアロゾル形成基材とすることができる。液体エアロゾル形成基材を設ける場合、エアロゾル発生装置は、液体を保管する手段を備えることが好ましい。例えば、液体エアロゾル形成基材は、容器内に保管することができる。代替的に又は追加的に、液体エアロゾル形成基材は、多孔性担体材料内に吸収することができる。多孔性担体材料は、何らかの適切な吸収プラグ又は吸収体で作られており、例えば、発泡金属又はプラスチック材料、ポリプロピレン、テリレン、ナイロン繊維、又はセラミックである。液体エアロゾル形成基材は、エアロゾル発生装置の使用前に多孔性担体材内に保持すること、又は代替的に、液体エアロゾル形成基材材料は、使用中又は直前に多孔性担体材料内に放出することができる。例えば、液体エアロゾル形成基材は、カプセル内に設けることができる。カプセルの殻は、加熱されると溶けて液体エアロゾル形成基材を多孔性担体材料内に放出することが好ましい。随意的に、カプセルは、液体エアロゾル形成基材と一緒に固形エアロゾル形成基材を含むことができる。
【0043】
代替的に、担体は、タバコ成分が組み込まれた不織布又は繊維束とすることができる。不織布又は繊維束は、例えば、炭素繊維、天然セルロース繊維、又はセルロース誘導体繊維を含むことができる。
【0044】
エアロゾル発生装置は、内部及び外部加熱器に電力を供給する電源をさらに備えることができる。電源は、バッテリ等のDC電圧源等の任意の適切な電源とすることができる。1つの実施形態において、電源はリチウムイオンバッテリである。代替的に、電源は、ニッケル水素バッテリ、ニッケルカドミウムバッテリ、又は例えば、リチウムコバルト、リン酸鉄リチウム又はリチウムポリマーバッテリ等のリチウム系バッテリとすることができる。
【0045】
本開示の他の態様によれば、本発明の第1の態様のシステムの一部を構成するエアロゾル発生装置が提供される。特に、近位端及び遠位端を有し、少なくとも1つの外側面及び1つの内側面を含み、内側面が、エアロゾル形成基材を収容する、ハウジングの近位端において開口したキャビティを規定し、キャビティが、その近位端と遠位端との間の長手方向の空間を有するようになったハウジングと、キャビティ内でキャビティに収容したエアロゾル形成基材を加熱するように構成された加熱要素と、空気入口と、空気入口からキャビティの遠位端まで延び、キャビティの長手方向空間の少なくとも一部に沿って、ハウジングの内側面と外側面との間を延びる第1の空気流チャンネルと、キャビティの遠位端からキャビティの近位端まで延びる第2の空気流チャンネルとを備えた、エアロゾル発生装置が提供される。
【0046】
装置は、好都合にはキャビティ内にエアロゾル形成基材が存在しない場合、第1及び第2の空気流チャンネルを通じて5mmH2Oから20mmH2Oの間の引き込み抵抗(RTD)をもたらす。
【0047】
本開示の他の態様において、エアロゾル形成基材からエアロゾルを発生させる方法が提供され、本方法は、
エアロゾル形成基材を加熱する段階と、
空気を、基材の外側で基材の近位端から遠位端に延びる第1の空気流路に沿って引き込むと共に、第1の空気流路から基材の内部で基材の遠位端から近位端に延びる第2の空気流路に引き込む段階と、
を含む。
【0048】
本開示は別の態様を参照して説明されるが、本開示の1つの態様に関して説明される特徴要素は、本開示の他の態様に適用することができる。特に、本発明の1つの態様によるシステムの一部を成す装置の態様は、本発明の他の態様による装置に単独で適用することができる。
【0049】
本発明の実施例は、添付図面を参照して以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】エアロゾル発生装置の概略図である。
図2図1に示すタイプの装置の第1の実施形態の概略断面図であり、装置を通る空気流路を示す。
図3図2の装置の概略端面図であり、装置の端面の周りに位置決めされた空気入口を示す。
図4図1に示すタイプの装置の第2の実施形態の概略断面図であり、装置を通る空気流路を示す。
図5図4に示す基材抽出要素の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1において、電気加熱式エアロゾル発生システム100の実施形態の構成要素が簡略的に示されている。特に、図1おいて電気加熱式エアロゾル発生システム100の各要素は縮尺通りに示されていない。本実施形態を理解するのに関連のない要素は図1を単純化するために省略されている。
【0052】
電気加熱式エアロゾル発生システム100は、ハウジング10及び例えばシガレットであるエアロゾル形成基材12を備える。エアロゾル形成基材12は、ハウジング10の内部に押し込まれて、加熱器14と熱的に近接した状態になる。エアロゾル形成基材12は、種々の温度で様々な揮発性物質を放出することになる。電気加熱式エアロゾル発生システム100の最大作動温度を一部の揮発性物質の放出温度を下回るように制御することで、これらの煙成分の放出又は生成を阻止することができる。
【0053】
ハウジング10内には電気エネルギ供給装置16、例えば充電式リチウムイオンバッテリが存在する。コントローラ18は、加熱器14、電気エネルギ供給装置16、ユーザインタフェース20、例えばボタン又はディスプレイに接続される。コントローラ18は、加熱器14への電力供給を制御してその温度を調整するようになっている。一般に、エアロゾル形成基材は、摂氏250度から450度の間の温度に加熱される。
【0054】
エアロゾル形成基材は、エアロゾルを発生して放出するために熱源及び基材を通る空気流を必要とする。図2は、装置の前端部又は近位端部を通る空気流の概略図である。図2は、装置の構成要素、例えば入口チャンネルの相対的な大きさを正確に表していないことに留意されたい。エアロゾル形成基材12を備える喫煙物品102は、装置100のキャビティ22内に収容される。ユーザの喫煙物品102のマウスピース24での吸煙行為によって装置に引き込まれる。空気は、ハウジング10の近位面を形成する入口26を通って引き込まれる。空気は、キャビティ22の外側の周りの空気チャンネル28を通過して装置内に引き込まれる。引き込まれ空気は、キャビティ22に設けられた刃の形の加熱要素14の近位端に隣接した喫煙物品102の遠位端からエアロゾル形成基材12に流入する。引き込まれた空気は、基材12の中を進み、エアロゾルを取り込み、その後、喫煙物品102の唇側端部に進む。
【0055】
図3は空気入口26を概略的に示す。ハウジングの外周の周りで離間した複数の入口が存在する。入口26の各々は、キャビティ22を取り囲む同一の内部空気流チャンネル28と流体連通する。図3の入口は円形であるが、任意の形状とすることができる。入口26の寸法及び数は、設計者が選択することができ、装置を通って引き込むための所望の抵抗を与えるように選択することができる。更に、入口を部分的に閉鎖することで引き込み抵抗を調整するための手段を備えることができる。例えば、回転要素を近位面のハウジング19に結合することができ、回転要素の種々の回転位置は、異なる数の空気入口を閉鎖する。
【0056】
図2に示す実施形態において、装置及び基材を含むシステムの引き込み抵抗は、約95mmH2Oである。基材なしの装置単独の引き込み抵抗は約13mmH2Oである。引き込み抵抗は、SODIM圧力降下器具を用いて引き込み抵抗の測定基準を提示するISO 6565:2011に基づいて測定したが、この器具は、シガレット及びフィルタロッドの両端の圧力降下を測定するために特別に設計されたものである。SODIM圧力降下器具は、フランス国の48 Rue Danton, 45404 Fleury−les−Aubrais cedex所在のSODIM SASから入手した。基材なしの装置の引き込み抵抗を測定するために、エアロゾル形成物品の代わりに長さ24mmで直径7.8mmのシリコンチューブをキャビティに挿入した。エアロゾル形成物品がある場合及び無い場合の引き込み抵抗を複数回測定して平均結果を得た。
【0057】
空気入口はハウジングの正面又は近位面に設けられる。この位置では、使用時に偶発的にユーザの手によって塞がれる可能性が高い。しかしながら、ユーザが装置のハウジング上で直接吸煙するようになった装置では、該装置に十分な空気が確実に流入するように、空気入口は、使用時にユーザの口唇から離れて配置する必要がある。
【0058】
空気チャンネル28は、キャビティ22の周囲に延びてキャビティからの熱損失を捕らえるようになっている。従って、空気チャンネル28内の空気は、キャビティに流入して基材12を通る前に加熱される。この空気の予熱は、装置の効率を改善するだけでなく、基材内の温度プロフィールを確実に均一にする。空気チャンネル28は、互いに離間した複数の別個のチャンネルから構成すること、又はキャビティの周りを特定のパターンで流れるよう空気を送り込むように構成することができるが、本実施例は、単一の長手方向に延びるチャンバを備える。
【0059】
出口開口部30は、キャビティの遠位端において空気流チャンネル28とキャビティ22との間に設けられる。同様に、出口チャンネルの数、位置、及び寸法は、装置の特定の作動パラメータに応じて様々とすることができる。
【0060】
空気は、キャビティ22に流入すると、基材を貫通する刃の形をした加熱要素のそばを通って引き込まれ、空気はさらに加熱されて基材から形成されたエアロゾルを取り込む。空気流は、マウスピース24を通って喫煙物品から流出する。
【0061】
本実施例において、加熱要素は、単一の刃の形をした加熱器であり、基材12内に配置される。代替的に又は追加的に、1つ又はそれ以上の加熱要素をキャビティの外周つまり基材の外側に設けることができる。この場合、空気流チャンネルは、加熱要素とハウジング10の外面との間に配置される。
【0062】
喫煙物品102をキャビティ22に挿入した後、図1及び2の装置は、ユーザがユーザインタフェース20を用いて作動させる。作動すると加熱要素は、所定期間、例えば7分間にわたって基材を加熱する。この期間中、ユーザは喫煙物品上で吸煙して装置を通って空気を吸い込むことができ、ユーザにエアロゾルが送られる。作動期間中、加熱器は、ユーザが喫煙物品上で吸煙するか否かに関わりなく連続して加熱するように構成される。代替的に、装置は空気流センサを含むことができ、加熱器は、閾値レベルの空気流が装置を通過する場合にのみ基材を加熱するように構成することができる。
【0063】
使用時、キャビティ22の周りの空気流は、キャビティの遠位端においてハウジングを貫通して設けられた空気入口に比べて、キャビティの領域でハウジングの温度を数度(摂氏)だけ低減させる。このことは、ユーザが心地よく保持できる温度にハウジングを維持できるので好都合である。
【0064】
図2の空気流チャンネルはハウジング10内にある。しかしながら、代替的に又は追加的に、空気チャンネルは、ハウジングと挿入された基材との間に形成することができる。例えば、キャビティの内側面は、空気チャンネルを形成する1つ又はそれ以上の溝を含むことができる。もしくは、空気流チャンネルは、ハウジングの分離可能な部分に形成することができる。図4は、空気流チャンネルがハウジングの2つの分離可能な部分を通って延びる実施形態を示す。
【0065】
図4において、ハウジングは、本体10及び基材保持部40の2つの分離可能な部分を備える。図4において、基材保持部40は、本体10に結合して装置の近位端を形成する。基材保持部40は、使用後に喫煙物品を取り除く際に好都合である。単純に喫煙物品を引っ張ることで装置から喫煙物品を取り除くと、喫煙物品を破損してその一部がキャビティ22の後方に残る可能性があり、これを取り除くのは困難である。
【0066】
図5は、装置から分離した基材保持部40の概略図である。基材保持部は使用時に本体10内に位置決めされると共に使用時にエアロゾル形成基材が配置される遠位端42と、ハウジングの外面の一部を形成する近位端44とを有する。基材保持部はキャビティ22を定める円筒ボアを有する。
【0067】
基材保持部の遠位端42は、加熱要素14が通過できる開口46を有する。また、図示のように遠位端は窓部48を有することができ、エアロゾル形成基材と外部に配置された加熱要素との間の直接的な接触が可能になっている。もしくは、基材保持部の遠位端は、1つ又はそれ以上の加熱要素を含むことができる。
【0068】
基材保持部40の近位端44は、図3を参照して示して説明したような空気入口26を含む。空気流チャンネル28bは近位端44に形成され、入口26と連通している。空気流チャンネル28bは、本体10の対応する空気流チャンネル28aと一致してこれに接続している。基材保持部40の遠位端に形成された溝46により、空気は、本体内の空気チャンネル28aから開口46を通ってキャビティ22の内部に移動する。
【0069】
図4及び5は、ハウジングの分離可能な部分及びこの両部分の中を延びる空気流チャンネルの唯一の実施例を示す。ハウジングの各部分の任意の組み合わせを利用すると同時にユーザの吸煙によって装置を通って引き込まれる空気流をキャビティ22の周りに供給することができることは明らかである。
【0070】
分離可能な基材保持部40は、特定の用途又は特定の基材タイプに合わせて作ることができる。空気入口26が異なる寸法、形状、及び数の基材保持部40を準備することで、種々の引き込み抵抗をもたらすことができる。エアロゾル形成基材を備えた喫煙物品は何らかの引き込み抵抗をもたらし、異なる基材及びマウスピースは異なる引き込み抵抗をもたらすことになる。ハウジング上に異なる入口26を設けることで、異なる喫煙物品の間の差異を補うことができる。特定の基材に適合するように異なる基材保持部を設けることができる。もしくは、異なる基材保持部は、単純に異なるユーザ体験を満たすように設けることができる。
【0071】
前述の例示的な実施形態は例示であり限定的ではない。当業者には、前述の例示的な実施形態に鑑みて前述の例示的な実施形態と一貫性のある他の実施形態が明らかになるはずである。
【符号の説明】
【0072】
10 ハウジング
12 エアロゾル形成基材
14 加熱要素
22 キャビティ
24 マウスピース
26 空気入口
28 空気チャンネル
30 出口開口部
100 電気加熱式エアロゾル発生システム
102 喫煙物品
図1
図2
図3
図4
図5