【実施例1】
【0027】
図1は、本発明の実施例1のミシンの布押え1の斜視図である。布押え1は、布押え本体部20と、布規制体40と、布規制体40に設けられた2つの板バネ部50(規制部)と、から構成される。
【0028】
図2は、本発明の実施例1の布押え本体部20で、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)はA−A断面図である。布押え本体部20には、押え棒バネ(図示せず)の押え圧力を布押え本体部20に伝える押えホルダ2(
図5)が設けられる。押えホルダ2は上下摺動可能な押え棒3(
図5)に固定され、布押え本体部20は押えホルダ2に回動ピン4(回動軸)により回動可能な状態で取り付けられる。
【0029】
布押え本体部20の底面21は、平面部22と前傾斜部23(傾斜部)と後傾斜部24(傾斜部)で構成され、
前傾斜部23と後傾斜部24の延長交差した仮想最深部25は、回動ピン4
の中心よりも後方に位置する。底面21には、布規制体40(
図3)の渡り部42(
図3)を格納する格納部27と、針孔周辺押え部41(
図3)を格納する格納部28が設けられ、布規制体40の揺動により、どちらか一方を格納し、布押え本体部20の底面21の形状が滑らかにつながるように構成される。また押えホルダ2の当接部5(
図13)との干渉を避けるための逃がし部31、32が設けられている。また布押え本体部20は、略中央は針6が貫通する針孔部33が設けられ、両側面には孔部26が設けられ、また回動ピン4が取り付く。
【0030】
図3は、本発明の実施例1の板バネ部50を備えた布規制体40で、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)はB−B断面図である。布規制体40には、針孔周辺押え部41と渡り部42が設けられており、両サイドには板バネ部50を備える。また布規制体40の両側には軸43が設けられる。布規制体40と板バネ部50は樹脂材料で一体成形される。
【0031】
図4は、本発明の実施例1の布押え本体部20と布規制体40を組み合わせた布押え1
のアッセンブリの状態で、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)はC−C断面図である。布規制体40と布押え本体部20は、軸43が孔部26と嵌合して
回動可能に組み付く。
【0032】
以下に、本発明の実施例1の布押え1の動作を
図5〜
図14を用いて詳細に説明する。
【0033】
図5は、布段部10に移行する前段階を示しており、布(3枚部)を布押え1が押えている状態を示している。布規制体40の板バネ部50の弾性力は、押え圧力と比較して十分に小さく設定されるため、押え圧力に負けて板バネ部50は弾性変形して
図5の上方に押し上げられる。また渡り部42についても、押え圧力により布押え本体部20の格納部27に格納される。さらに針孔周辺押え部41は、渡り部42が押え圧力により布へ押圧されるため、軸43を介して、針孔部33の周辺を押えた状態になる。この状態は、薄物地を裁縫する際も同様な状態であり、針孔部33の周辺の布を支えているため、目飛びの発生を防止できる。
【0034】
図6は、布押え1が布段部10への乗り上げを開始した状態を示しており、布押え1と布の間には略三角形の空間11が形成される。このとき、布規制体40に設けた板バネ部50の弾性力(復元力)により、布の遊びを規制する。よって布のバタつきによる針糸ループの不安定な形成を抑えることが可能になり、布段部10への上り途中の目飛びを防止できる。
【0035】
図7は、布押え1の前傾斜部23に布段部10が到達した状態を示している。布段部10の角部が布押え本体部20に当接し、布規制体40の渡り部42には押え圧力が加わらなくなり、板バネ部50の影響で針孔周辺押え部41が布押え本体部20の格納部28に格納される。
【0036】
図8は、布段部10がさらに回動ピン4に近づいた状態を示しており、板バネ部50は押え圧力に負けて弾性変形する。このときの本願発明の布押え1と従来の布押え60(
図34)とを比較すると、布押え1の傾きαは、布押え60の傾きβに対して約40%低減する。また、回動ピン4の高さh1は、従来の回動ピン4の高さh2に対して約10%低くなる。よって回動ピン4の直下まで布段部10が進入するまでに発生する布への抗力(布の送り方向と逆に作用する力)及び押え圧力の荷重変化を低減でき、布の進入をスムーズに行える。
【0037】
図9は、布段部10が回動ピン4の直下に到達した状態を示しており、押え圧力は布押え本体部20の前傾斜部23の全面に伝えられる。布押え本体部20の前傾斜部23
と後
傾斜部24
の延長交差した仮想最深部25が回動ピン4
の中心よりも後方に位置するため、テコの原理により
図9の状態になる。
【0038】
図10は、布段部10が回動ピン4の直下を通過する状態を示しており、布段部10の角部が、布押え本体部20の後傾斜部24に当接する。このとき、回動ピン4の高さは変動するが、変動量は微小であるため、布の送りを阻害することはない。
【0039】
図11は、回動ピン4が布の布段部10の終了部に到達した状態を示しており、布段部10を上るときと同様に、布段部10と布押え1との間に略三角形の空間11が形成される。しかし布規制体40の板バネ部50により布のバタつきを規制するため、目飛びの発生を抑えることができる。
【0040】
図12は、布押え本体部20の後端傾斜部29が布段部10を下る状態を示しており、布規制体40の板バネ部50が布押え本体部20と布段部10で形成される三角形の空間11にある布のバタつきを規制しつつ、布段部10を下る。針孔周辺押え部41は布段部10から外れた状態で、針孔周辺押え部41には荷重はかからない。押え圧力により渡り部42は布押え本体部20の格納部27に格納される。この状態から逆縫い(逆送り)をする場合、容易に布段部10を乗り越えられる。
【0041】
図13は、布押え本体部20の後端傾斜部29が布段部10にかかった状態を示している。
図35の従来の布押え60では、布押え60の前下がり角度が十分でないため、布押え60の前部が布を押えることができない。送り歯(図示せず)が針板面よりも下がった状態になると、後端傾斜部69が押え圧力により布段部10を後方へ押し出して、送り量が増大し、また押し出された布によって針6が曲がる虞がある。これに対し、本発明の実施例1の布押え1では、布押え本体部20に設置した押えホルダ2の当接部5との干渉を避けるための逃がし部31、32により、布押え本体部20の前下がり角度を大きくすることができ、布押え本体部20に格納された布規制体40の渡り部42を介して、布押え本体部20に加わった押え圧力で布を保持するため、布が押し出されるのを防止できる。
【0042】
図14は、布押え1が布段部10を乗り越えた状態で
図5と同様に、布規制体40の板バネ部50は弾性変形して
図14の上方へ押し上げられ、渡り部42は押え圧力により布押え本体部20の格納部27に格納される。
【0043】
本発明の実施例1のミシンの布押え1では、布規制体40に布段部10で布押え本体部20の底面21より突出する板バネ部50を備えるため、布押え1の前部が布段部10に掛かると、布段部10とミシンの布押え1の間に略三角形の空間11が形成されるが、板バネ部50が布を押して動きを規制するため、針糸ループが安定して形成され、目飛びの発生を防止する。この効果は、布段部10の上り時及び下り時ともに有効である。また、布押え1は、布押え本体部20と板バネ部50を備えた布規制体40の2部品から構成され、材料/工法ともに製造が容易である。また、ミシン本体には特別な構成が不要で、従来機種へも展開が可能で、オプションとして提供することができる。
【0044】
また、布規制体40と板バネ部50は樹脂材料で一体成形されるため、安価に製造、組み付けが可能になる。
【0045】
また、板バネ部50は、弾性力で布を押圧する弾性部材であるため、布規制体40を弾性付勢して、布段部10で板バネ部50を布押え本体部20の底面21より突出させる付勢部材(例えば圧縮コイルバネ)が不要となり、部品点数を低減できる。
【0046】
また、板バネ部50は、針孔部33を挟んで、布規制体40に2つ設けられるため、針孔部の布を2つの線で動きを規制することができ、針糸ループが安定して形成される。
【0047】
また、布押え本体部20の底面21は、
前傾斜部23と後傾斜部24の延長交差した仮想最深部25が回動ピン4
の中心後方に位置する前傾斜部23と後傾斜部24を備える構成のため、例えば厚物の段縫い(ジーンズの裾上げ時など)に対し、布の厚みに対する布段部10に乗り上げ時における布押え1の傾きが小さくなり、押え棒バネの荷重を伝える回動ピン4の上昇を少なくできる。また底面21の
前傾斜部23と後傾斜部24の延長交差した仮想最深部25が回動ピン4の
中心よりも後方に位置することで、回動ピン4の直下まで布段部10が入り込んでも、その布厚の分まで回動ピン4が上昇する必要がなく、布をミシンの布押え1にスムーズに送り込むことができる。さらに、布段部10が回動ピン4を通過すれば、布押え1の傾きは、布押え本体部20の底面21の前傾斜部23と後傾斜部24の形状に沿って布段部10を押えることができ、回動ピン4の後方に設けた底面21を容易に上ることができる。回動ピン4の上昇が緩やかに変化することで、布段部10の乗り越えが容易になる。また布押え本体部20は、針孔部まで前傾斜部23と後傾斜部24が設けられているため、布押え本体部20で薄物地を裁縫すると針孔部33の周辺の布が押えられないが、布規制体40と組み合わせることで、布規制体40が針孔部33の周辺の布を押えるため、目飛びの発生を防止できる。
【実施例2】
【0048】
図15は、本発明の実施例2のミシンの布押え101の斜視図で(a)は斜め上方から見た図で、(b)は斜め下方から見た図である。主な構成として、布押え101は布押え本体部120と布規制体140と圧縮コイルバネ151(
図18)とネジリコイルバネ152(
図18)である。
【0049】
図16は、本発明の実施例2の布押え本体部120で、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)はD−D断面図である。布押え本体には、押え棒バネ(図示せず)の押え圧力を布押え本体部120に伝える押えホルダ102(
図19)が設けられる。押えホルダ102は上下摺動可能な押え棒103(
図19)に固定され、布押え本体部120は押えホルダ102に回動ピン104(回動軸)により回動可能な状態で取り付けられる。
【0050】
布押え本体部120の底面121は、前側平面部122aと後側平面部122bと前傾斜部123(傾斜部)と後傾斜部124(傾斜部)で構成され、前傾斜部123と後傾斜部124の間の
前傾斜部123と後傾斜部124の延長交差した仮想最深部125aは、回動ピン104
の中心よりも後方に位置する。底面121には、布規制体140(
図17)の規制片141(規制部)(
図17)を格納する格納部128が設けられ、布規制体140の揺動により、規制片141を格納した場合は、布押え本体120の底面121の前傾斜部123と後傾斜部124の形状に合わせて、滑らかにつながるように構成される。また押えホルダ102の当接部105(
図26)との干渉を避けるための逃がし部131、132が設けられている。また布押え本体部120は、略中央は針106(
図19)が貫入する針孔部133が設けられ、両側面には布規制体140の軸143(
図17)が挿入される孔部126が設けられ、また回動ピン104が取り付く。さらに、圧縮コイルバネ151(
図18)を保持する凹部156を備え、ネジリコイルバネ152(
図18)を保持する嵌合溝157を備える。
【0051】
図17は、本発明の実施例2の規制片141(規制部)を備えた布規制体140で、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)はE−E断面図である。布規制体140には、規制片141と回動規制ピン142とコイルバネ保持部150が設けられており、また布規制体140の両側には、軸143が設けられる。また規制片141の断面形状としては、布押え本体120の格納部128に格納された状態で、前傾斜部123と後傾斜部124と同形状で設定されており、格納された状態での
前傾斜部123と後傾斜部124の延長交差した仮想最深部125aは、この規制片141に設定されている。
【0052】
図18は、本発明の実施例2の布押え本体部120と布規制体140及び圧縮コイルバネ151とネジリコイルバネ152を組み合わせた布押え101のアッセンブリの状態で、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図、(d)はF−F断面図である。布規制体140と布押え本体部120は、軸143が孔部126と嵌合して、
回動可能に組み付く。尚、布規制体140の
回動可能範囲は、回動規制ピン142と布押え本体部120の規制面127により決定される。また布規制体140は、
弾性部材である圧縮コイルバネ151
の弾性力により常に図示した方向から見て、軸143を中心に時計回り方向に荷重を受けている。この圧縮コイルバネ151の作用は、布規制体140の規制片141を布押え本体部120の底面121より突出させる方向に荷重を与えており、布のバタつきを規制する効果がある。またネジリコイルバネ152の作用は、押えホルダ102のバネ保持面105a(
図19)に対し、布押え101全体の傾きを回動ピン104を中心にして、後方下がりになるように荷重を与え、布段部110(
図19)を上る際の後方荷重の抜けによる送り不良を防止し、布段部110を上ることができるような効果が得られる。
【0053】
以下に、本発明の実施例2の布押え101の動作を
図19〜
図28を用いて詳細に説明する。
【0054】
図19は、布段部110に移行する前段階を示しており、布(3枚部)を布押え101が押えている状態を示している。布規制体140に荷重を加えている圧縮コイルバネ151の弾性力は押え圧力と比較して十分に小さく設定されているため、押え圧力に負けて布規制体140は軸143を中心に反時計回りに回動し、布に対して布押え本体部120の前側平面部122a/後側平面部122bと布規制体140の規制片141とで針孔部133の周辺を押えた状態になる。この状態は、薄物地を裁縫する際も同様な状態であり、針孔部133の周辺の布を支えているため、目トビの発生を防止できる。
【0055】
図20は、布押え101が布段部110への乗り上げを開始した状態を示しており、布押え101と布の間には略三角形の空間111が形成される。このとき、布規制体140に設けた規制片141が、圧縮コイルバネ151に作用により、布の遊びを規制する。よって、布のバタつきによる針糸ループの不安定な形成を抑えることが可能になり、布段部110への上り途中の目トビを防止できる。
【0056】
図21は、布押え101の前傾斜部123に布段部110が到達した状態を示している。布段部110の角部が布押え本体部120の前傾斜部123に至り、布規制体140が圧縮コイルバネ151の作用によって更に回動し、規制片141によって布のバタつきを抑制することができる。このとき、布規制体140の規制片141は最も突出した状態となるが、この突出量が大きすぎると、規制片141と針106が衝突してしまう虞があるため、布規制体140には突出量を規制する回動規制ピン142が設けられ、その回動規制ピン142が布押え本体部120に設けた規制面127に当接した状態で規制される。
【0057】
図22は、布段部110が更に回動ピン104に近づいた状態を示しており、布規制体140の側壁下面形状153が布段部110をなぞることによって、布規制体140が軸143を中心として反時計回りに回動し、規制片141は布押え本体部120の格納部128に格納される。このときの本願発明の布押え101と従来の布押え60(
図34)とを比較すると、布押え101の傾きαは、布押え60の傾きβに対して約40%低減する。また回動ピン104の高さh1は、従来の回動ピン4の高さh2に対して、約10%低くなる。よって、回動ピン104の直下まで布段部110が進入するまでに発生する布への抗力(布の送り方向と逆に作用する力)及び押え圧力の荷重変化を低減でき、布の進入をスムーズに行える。
【0058】
図23は、布段部110が回動ピン104の直下に到達した状態を示しており、押え圧力は布押え本体部120の前傾斜部123の全面に伝えられる。布押え本体部120の前傾斜部123
と後傾斜部124
の延長交差した仮想最深部125aが回動ピン104
の中心よりも後方に位置するため、テコの原理により図の状態になる。
【0059】
図24は、布段部110が回動ピン104の直下を通過した状態を示しており、布段部110の角部が、布押え本体部120の後傾斜部124に当接する。このとき、回動ピン104の高さは変動し始めるが、変動量は微小であるため、布の送りを阻害することはない。
【0060】
図25は、布押え本体部120の後側平面部122bが布段部110を下る状態を示しており、布規制体140の規制片141が布押え本体部120と布段部110で形成される三角形の空間111にある布のバタつきを規制しつつ、布段部110を下る。この状態から、逆縫い(逆送り)をする場合、布規制体140の後端形状155により、容易に布段部110を乗り越えられる。
【0061】
図26は、布押え本体部120の後端傾斜部129が布段部110にかかった状態を示している。
図32の従来の布押え60では、
図35に示すように押えホルダ2と布押え2の当接部2aの干渉により、布押え60の前下がり角度が十分でないため、布押え60の前部が布を押えることができない。送り歯(図示せず)が針板面よりも下がった状態になると、後端傾斜部69が押え圧力により布段部10を後方へ押し出して、送り量が増大し、また押し出された布によって針6が曲がる虞がある。これに対し、布押え101では、布押え本体部120に設置した押えホルダ102の当接部105との干渉を避けるための逃がし部131、132により、布押え本体部120の前下がり角度を大きくすることができ、布押え本体部120の導入湾曲部154に加わった押え圧力で布を保持するため、布が押し出されるのを防止できる。
【0062】
図27は、布押え101が布段部110を乗り越えた状態で、布規制体140は、布に対して布押え本体部120の前側平面部122a/後側平面部122bと布規制体140の規制片141とで針孔部133の周辺を押えた状態になる。この状態は、薄物地を裁縫する際も同様な状態であり、針孔部133の周辺の布を支えているため、目トビの発生を防止できる。
【0063】
本発明のミシンの布押え101では、布規制体140に布段部110で布押え本体部120の底面121より突出する規制片141を備えるため、布押え101の前部が布段部110に掛かると、布段部110とミシンの布押え101の間に略三角形の空間111が形成されるが、規制片141が布を押して布の動きを規制するため、針糸ループが安定して形成され、目トビの発生を防止する。この効果は、布段部110の上り時及び下り時ともに有効である。また、布押え101は、布押え本体部120と規制片141を備えた布規制体140と圧縮コイルバネ151とネジリコイルバネ152の4種類の部品から構成され、材料/工法ともに製造が容易である。また、ミシン本体には特別な構成が不要で、従来機種へも展開が可能で、オプションとして提供することができる。
【0064】
また、布規制体140と規制片141は樹脂材料で一体成型されるため、安価に製造及び組み付けが可能になる。
【0065】
また、布押え本体部120の底面121は、
前傾斜部123と後傾斜部124の延長交差した仮想最深部125aが回動ピン104の
中心よりも後方に位置し、前傾斜部123と後傾斜部124を備える構成のため、例えば厚物の段縫い(ジーンズの裾上げ時など)に対し、布段部110を乗り上げる際の布押え101の傾きが小さくなり、押え棒バネの荷重を伝える回動ピン104の上昇を少なくできる。また、底面121の
前傾斜部123と後傾斜部124の延長交差した仮想最深部125aが回動ピン104の
中心よりも後方に位置することで、回動ピン104の直下まで布段部110が入り込んでも、その布厚の分まで回動ピン104が上昇する必要がなく、布をミシンの布押え101にスムーズに送り込むことができる。さらに、布段部110が回動ピン104を通過すれば、布押え101の傾きは、布押え本体部120の底面121の前傾斜部123と後傾斜部124の形状に沿って布段部110を押えることができ、回動ピン104の
中心よりも後方に設けた底面121を容易に上ることができる。回動ピン104の上昇が緩やかに変化することで、布段部110の乗り越えが容易になる。また布押え本体部120は、針孔部まで前傾斜部123と後傾斜部124によって形成される空間が設けられているため、布押え本体部120で薄物地を裁縫すると針孔部133の周辺の布が押えられないが、布規制体140と組み合わせることで、布規制体140が針孔部133の周辺の布を押えるため、目トビの発生を防止できる。
【0066】
図28は、布押え101の変形例で布規制体140に補助規制体158を取り付けた状態を示す説明図である。布規制体140に板バネなどで補助規制体158を設け、針孔部133に対して真横の位置に腕部158a/158bを配置する。
図29は平面部を裁縫している状態を示す図であり、
図30は布段部110を上る状態を示す図であり、
図31は布段部110を下る状態を示す図である。
【0067】
布規制体140に補助規制体158を取り付けることで、針孔部133の真横で布を保持するため、針落ち直近の布のバタつきを抑えることが可能である。したがってより効率的に針糸ループを形成させることが可能となる。