【実施例】
【0036】
(実施例1)
(生物学的材料)
新規な蛍光タンパク質を、Anthozoaのいくつかの属から同定した。これらの属は、いかなる生物発光も示さないが、通常の白色光または紫外光の下で観察した場合に、蛍光色を有する。6つの種を選択した(表1を参照のこと)。
【0037】
【表1】
(実施例2)
(cDNAの調製)
全RNAを、ChomczynskiおよびSacchi(Chomczynski P.ら、Anal.Biochem.162(1987)、156〜159)のプロトコルに従って、目的の種から単離した。第1鎖cDNAを、SMART PCR cDNA合成キット(CLONTECH)を提供されたプロトコルに従って使用して、1〜3μgの全RNAから開始して合成したが、唯一、このキット中に提供された「cDNA合成プライマー」をプライマーTN3(5’−CGCAGTCGACCG(T)
13、配列番号1)(表2)で置き換える変更を行った。次いで、増幅されたcDNAサンプルを、提供されたプロトコルに記載されたように調製したが、ただし、PCRに使用した2つのプライマーがTSプライマー(5’−AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGT、配列番号2)(表2)およびTN3プライマー(表2)であった(ともに、0.1μMの濃度)ことが異なる。20〜25回のPCRサイクルを実施して、cDNAサンプルを増幅した。この増幅されたcDNAを水で20倍希釈し、そしてこの希釈物のうちの1μlを、続く手順にて使用した。
【0038】
(表2)
cDNA合成およびRACEにて使用したオリゴ
【0039】
【表2】
(実施例3)
(オリゴの設計)
新規な蛍光タンパク質のcDNAのフラグメントを単離するために、縮重プライマーを使用するPCRを実施した。縮重プライマーは、蛍光タンパク質のファミリー中で最も変化しないと予測された領域におけるmRNAの配列と一致するように設計した。このような4つのストレッチを選択し(表3)、そして縮重プライマーの変異体を設計した。このようなプライマーはすべて、mRNAの3’末端に関した。すべてのオリゴを、使用前にゲル精製した。表2は、cDNA合成およびRACEにおいて使用したオリゴを示す。
【0040】
(表3)
(重要なアミノ酸ストレッチおよび蛍光タンパク質の単離のために使用した対応縮重プライマー)
【0041】
【表3】
(実施例4)
(nFPの3’−cDNAフラグメントの単離)
3’−RACEの改変型ストラテジーを使用して、標的フラグメントを単離した(
図1を参照のこと)。このRACEストラテジーは、連続する2つのPCR工程を含んだ。第1のPCR工程は、第1の縮重プライマー(表4)およびcDNA合成のために使用されたTN3プライマーと同一の3’部分を有する、T7−TN3プライマー(配列番号17)(T7−TN3の配列については、表2)を含んだ。このPCR工程において長い方であるT7−TN3プライマーを置き換えた理由は、短い方であるTN3プライマーを使用した場合、特にT7−TN3プライマーを低濃度(0.1μM)にて使用した場合に、生じるバックグラウンド増幅が効果的に抑制されたことである(Frohmanら(1998)PNAS USA、85、8998〜9002)。第2のPCR工程は、TN3プライマー(配列番号1、表2)および第2の縮重プライマー(表4)を含んだ。
【0042】
(表4)
(nFP cDNAの3’フラグメントの特異的増幅を生じる、第1および第2のPCRのための縮重プライマーの組み合わせ)
【0043】
【表4】
第1のPCR反応を、以下のように実施した:増幅されたcDNAサンプルの20倍希釈物1μlを反応混合物に添加した。この反応混合物は、提供された緩衝液を含む1× Advantage KlenTaq Polymerase Mix(CLONTECH)、200μM dNTP、0.3μMの第1の縮重プライマー(表4)および0.1μMのT7−TN3(配列番号17)プライマーを、総量20μlにて含んでいた。サイクルのプロフィールは、以下の(Hybaid OmniGene Thermocycler、チューブコントロールモード)であった:95℃で10秒、55℃で1分、72℃で40秒を1サイクル;95℃で10秒、62℃で30秒、72℃で40秒を24サイクル。次いで、この反応物を水で20倍希釈し、そしてこの希釈物のうちの1μlを第2のPCR反応物に添加した。この第2のPCR反応物は、製造業者により提供された緩衝液を含む1× Advantage KlenTaq Polymerase Mix(CLONTECH)、200μM dNTP、0.3μMの第2の縮重プライマー(表4)および0.1μMのTN3プライマーを含んでいた。サイクルのプロフィールは、以下の(Hybaid OmniGene Thermocycler、チューブコントロールモード)であった:95℃で10秒、55℃(GEG/GNGまたはPVMに関して)または52℃(NFPに関して)で1分、72℃で40秒を1サイクル;95℃で10秒、62℃(GEG/GNGまたはPVMに関して)または58℃(NFPに関して)で30秒、72℃で40秒を13サイクル。PCRの産物を、製造業者のプロトコルに従って、PCR−Scriptベクター(Stratagene)中にクローニングした。
【0044】
縮重プライマーの異なる組み合わせを、各種由来のDNAに対する第1および第2のPCR反応において試し続けて、特異的増幅を生じるプライマーの組み合わせを見出した。この特定の増幅とは、予期されるサイズの顕著なバンド(NGHおよびGEG/GNGについて約650〜800bp、そしてNFPおよびPVMについて約350〜500bp(時に、少数の弱いバンドを伴う))が、2つのPCR反応後にアガロースゲル上で検出されたことを意味する。Anthozoa綱の異なる種についてのプライマーの選り抜きの組み合わせを、表4に列挙する。プライマーの他のいくつかの組み合わせもまた、正確なサイズのフラグメントの増幅を生じたが、これらのフラグメントの配列は、同定された他の蛍光タンパク質またはAequorea victoria GFPに対して、相同性を示さなかった。
【0045】
(実施例5)
(全長cDNAのコピーの取得)
得られた新規な蛍光タンパク質cDNAの3’フラグメントを配列決定する際に、2つの5’指向性(directed)入れ子(nested)プライマーをcDNAについて合成し(表5)、次いでこのcDNAの5’末端を、連続する2つのPCRを使用して増幅した。その次のPCR反応において、「ステップアウトPCR」という新規なアプローチを使用して、バックグラウンドの増幅を抑制した。このステップアウト反応混合物は、製造業者により提供された緩衝液を用いる1× Advantage KlenTaq Polymerase Mix(CLONTECH)、200μM dNTP、0.2μMの第1の遺伝子特異的プライマー(表5を参照のこと)、0.02μMのT7−TSプライマー(配列番号18)、0.1μMのT7プライマー(配列番号19)および増幅されたcDNAサンプルの20倍希釈物1μlを、総容量20μlにて含んでいた。サイクルのプロフィールは、以下の(Hybaid OmniGene Thermocycler、チューブコントロールモード)であった:95℃で10秒、60℃で30秒、72℃で40秒を23〜27サイクル。増幅の産物を水で50倍希釈し、そしてこの希釈物のうちの1μlを、第2の(入れ子)PCRに添加した。この反応は、提供された緩衝液を含む1× Advantage KlenTaq Polymerase Mix(CLONTECH)、200μM dNTP、0.2μMの第2の遺伝子特異的プライマーおよび0.1μMのTSプライマー(配列番号2)を、総容量20μlにて含んでいた。サイクルのプロフィールは、以下の(Hybaid OmniGene Thermocycler、チューブコントロールモード)であった:95℃で10秒、60℃で30秒、72℃で40秒を12サイクル。次いで増幅の産物を、製造業者のプロトコルに従って、pAtlasベクター(CLONTECH)中にクローニングした。
【0046】
(表5)
(5’−RACEに使用した遺伝子特異的プライマー)
【0047】
【表5】
(実施例6)
(E.coliにおけるnFPの発現)
新規な蛍光タンパク質発現のためのDNA構築物を調製するために、以下の2つのプライマーを各DNAについて合成した:そのcDNAの3’−UTRに位置するアニーリング部位を有する5’指向性「下流」プライマー、および翻訳開始部位(最初のATGコドンを含まない)の部位に対応する3’指向性「上流」プライマー(表6)。両方のプライマーは、制限エンドヌクレアーゼについての部位をコードする5’−ヒール(heel)を有した;さらに、この上流プライマーは、そのPCR産物をpQE30ベクター(Qiagen)中に、このベクターにコードされる6×HisタグとnFPのリーディングフレームの融合が生じるような様式でクローニングすることを可能にするように設計した。PCRを以下のように実施した:増幅されたcDNAサンプルの20倍希釈物1μlを反応混合物に添加した。この反応混合物は、製造業者により提供された緩衝液を含む1× Advantage KlenTaq Polymerase Mix(CLONTECH)、200μM dNTP、0.2μMの上流プライマーおよび0.2μMの下流プライマーを、最終容量20μlにて含んでいた。サイクルのプロフィールは、以下の(Hybaid OmniGene Thermocycler、チューブコントロールモード)であった:95℃で10秒、60℃で30秒、72℃で40秒を23〜27サイクル。この増幅工程の産物を、フェノール−クロロホルム抽出およびエタノール沈殿により精製し、次いで標準的プロトコルに従ってこのプライマーの配列に対応する制限エンドヌクレアーゼを使用して、pQE30ベクター中にクローニングした。
【0048】
すべてのプライマーを、XL−1 blue E.coli中にて増幅し、そしてプラスミドDNAミニプレップキット(CLONTECH)によって精製した。この組換えクローンを、コロニーの色によって選択し、そして3mlのLB培地(100μg/mlのアンピシリンを補充)中にて37℃で一晩増殖させた。この一晩培養物100μlを、100μg/mlのアンピシリンを含む新鮮なLB培地200mlに移し、そして37℃、200rpmにて、OD
6000.6〜0.7まで増殖させた。次いで、1mM IPTGをこの培養物に添加し、そしてインキュベーションを、37℃でさらに16時間進行させた。この細胞を収集し、そして組換えタンパク質(N末端に6×Hisタグを組み込んでいる)を、製造業者のプロトコルに従って、TALON
TM金属アフィニティー樹脂(CLONTECH)を使用して精製した。
【0049】
(表6)
(発現構築物へとクローニングするためにnFPの全長コード領域を得るために使用したプライマー)
【0050】
【表6】
(実施例7)
(新規な蛍光タンパク質およびこのタンパク質をコードするcDNA)
蛍光タンパク質をコードする7つの全長cDNAを得(配列番号45〜51)、そして7つの新規な蛍光タンパク質を産生した(配列番号53〜59)。これらの単離された新規な蛍光タンパク質のスペクトル特性を表7に示し、そしてこれらの新規なタンパク質についての発光スペクトルおよび励起スペクトルを、表3〜11に示す。
【0051】
(表7)
(単離したNFPのスペクトル特性)
【0052】
【表7】
*相対量子収率は、A.victoria GFPの量子収率と比較して決定した。
**相対輝度は、励起係数に量子収率を掛けて、A.victoria GFPについての量子収率で割ったものである。
【0053】
蛍光タンパク質の多重整列を
図2Aに示す。番号付けは、Aequorea victoriaのグリーン蛍光タンパク質(GFP、配列番号54)に基づく。これらの新規な蛍光タンパク質のアミノ酸配列に、配列番号55〜63と名付ける。Zoanthus由来の2つのタンパク質およびDiscosoma由来の4つのタンパク質を、互いの間で比較する:このシリーズの第1のタンパク質中の対応残基と同一である残基を、ダッシュによって示す。導入されたギャップを、点によって示す。A.victoria GFPの配列において、βシートを形成するストレッチに下線を付す:側鎖がこのβ−canの内側を形成する残基に影を付ける。
図2Bは、cFP484のN末端部分を示す、この部分は、他のタンパク質との相同性を有さない。推定シグナルペプチドに下線を付す。
【0054】
以下の参考文献を、本明細書中に引用した。
1.Ormoら(1996)Science 273:1392〜1395。
2.Yang,F.ら(1996)Nature Biotech 14:1246〜1251。
3.Cormackら(1996)Gene 173、33〜38。
4.Haasら(1996)Current Biology 6.315〜324。
5.Yangら(1996)Nucleic Acids Research 24、4592〜4593。
6.Ghodaら(1990)J.Biol.Chem.265:11823〜11826。
7.Prasher D.C.ら(1992)Gene 111:229〜33。
8.Kainら(1995)Biotechniques 19(4)650〜55。
9.Chomczynski P.ら(1987)Anal.Biochem.162、156〜159。
10.Frohmanら(1998)PNAS USA、85、8998〜9002。
【0055】
本明細書中で言及されるいずれの特許または刊行物も、本発明が属する分野の当業者レベルの指標である。これらの特許および刊行物は、各個々の刊行物が参考として援用されると詳細かつ個別に示されたのと同じ程度に、参考として本明細書中で援用される。
【0056】
本発明が、言及された対象を実行しそして目的および利益を得るため、ならびに本発明に固有の対象を実行しそして目的および利益を得るために、十分に適合されることを、当業者は容易に理解する。これらの実施例は、本明細書中に記載の方法、手順、処理、分子、および特定の化合物とともに、好ましい実施形態の現在の代表であり、例示であり、そして本発明の範囲に対する限定としては意図されない。特許請求の範囲の範囲によって規定されるような本発明の意図内に包含される、本発明における変化および他の使用は当業者が思い付く。