(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態に係るコイル装置101について、図を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、
図1〜
図17に示す矢印X1方向を前方(前側)、矢印X2方向を後方(後側)、矢印Y1方向を左方(左側)、矢印Y2方向を右方(右側)、矢印Z1方向を上方(上側)および矢印Z2方向を下方(下側)とそれぞれ規定する。
【0021】
(コイル装置101の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るコイル装置101の斜視図である。
図2は、コイル装置101の平面図である。
図3は、後述するボビン102とフレーム103の斜視図である。
図1および
図2に示すように、コイル装置101は、被覆導線104が巻回されるコイル105と、コイル105の前後および左右を覆う枠状のフレーム103と、被覆導線104が電気的に接続される端子部材106と、2本のリード線107が取り付けられるプラグ108と、端子部材106とリード線107とを電気的に接続する接続部材109等を有する。端子部材106および接続部材109は、それぞれ、左右に一つずつ備えられている
【0022】
(コイル105の構成)
コイル105は、被覆導線104と、この被覆導線104が巻回されるボビン102と、ボビン102に巻回された被覆導線104の外周側を覆う外装テープ110とを有する。被覆導線104は、銅等の導電性の線材の周囲がエナメル等の絶縁被膜で覆われている被覆線である。
【0023】
図2および
図3に示すように、ボビン102は、被覆導線104が巻回される胴部111と、この胴部111の前端に設けられる前鍔部112と、胴部111の後端に設けられる後鍔部113と、前鍔部112の上端の左右に設けられる2つの端子部材固定部114とを有する。胴部111は、被覆導線104の巻回の軸115(
図2参照)を中心とする円筒体を呈している。前鍔部112および後鍔部113は、軸115方向から見た形状が、全体として正方形を呈している。
【0024】
被覆導線104の先端部104Aは、前鍔部112と外装テープ110の隙間から引き出され、左側の端子部材固定部114に取り付けられる端子部材106に接続されている。また、被覆導線104の後端部104Bは、前鍔部112と外装テープ110の隙間から引き出され、右側の端子部材固定部114に取り付けられる端子部材としての端子部材106に接続されている。
【0025】
なお、左側の端子部材106に接続される被覆導線104の端部が後端部であり、右側の端子部材106に接続される被覆導線104の端部が先端部であってもよい。先端部104Aおよび後端部104Bには、予め、予備ハンダが塗布されている。
【0026】
外装テープ110は、絶縁性を有する材料(たとえば、絶縁性の布)で形成された薄いテープである。この外装テープ110は、ボビン102を構成する胴部111に巻回された被覆導線104の全体を覆うように巻回されている。外装テープ110は、被覆導線104と、コイル105の外部の部材との電気的短絡を防止する機能を果たしている。
【0027】
(ボビン102の構成)
図3に示すように、ボビン102は、プランジャーが挿通される挿通孔102Aが形成された鍔付の円筒状部材である。このボビン102は、上述したように、円筒状の胴部111と、胴部111の軸方向の前端部に形成された角板状の前鍔部112と、胴部111の軸方向の後端部に形成された角板状の後鍔部113を備えている。胴部111、前鍔部112、後鍔部113および端子部材固定部114は絶縁性の樹脂材料によって一体で形成されている。
【0028】
前鍔部112の上端の左右には、端子部材固定部114が設けられている。そして、左側の端子部材固定部114には、被覆導線104の先端部104Aに接続される端子部材106が取り付けられている。また、右側の端子部材固定部114には、被覆導線104の後端部104Bに接続される端子部材106が取り付けられている。
【0029】
図1から
図3に示すように、端子部材固定部114は、前鍔部112の上端に形成され下方に凹む凹部116を挟んで左右に設けられている。また、端子部材固定部114は、前鍔部112の上端から前方に板状に突出する突出部にて形成されている。端子部材固定部114は、上下方向に扁平した直方体を呈している。左右に配置される端子部材固定部114の互いに対向する側面114A,114Aは、前後方向に沿って互いに平行に配置されている。
【0030】
各端子部材固定部114には、それぞれ後端面114Bから前端面114Cに貫通する2つの貫通孔117,118が設けられている。2つの貫通孔117,118は、互いに平行に左右に並設されている。また、貫通孔117,118の後端部は、溝部119を介して互いに連通している。つまり、端子部材固定部114の後端面114Bには、左右方向に伸びる溝部119が形成され、この溝部119の一端には前方に抜ける貫通孔117が連通し、溝部119の他端には、貫通孔118が連通している。
【0031】
(フレーム103の構成)
フレーム103は、磁性材料で形成された薄板状部材にて構成されている。フレーム103は、平板状に形成された第1フレーム103A(
図3参照)と、上下から見て後方から前方に向かう凹形状に形成された第2フレーム103B(
図3参照)とから構成されている。つまり、フレーム103は、上下が開口している枠状の形状を呈している。そのため、コイル105がフレーム103内に配置された状態では、後述する第1開口部120Aが上方に向かって開口し、下方には第2開口部120Bが開口している。フレーム103は、ボビン102の軸方向の両端に設けられる前鍔部112および後鍔部113に密接してボビン102を支持すると共にコイル105により発生する磁束の磁気回路を形成している。
【0032】
図3に示すように、第1フレーム103Aと第2フレーム103Bとは、かしめ部121をかしめることによりかしめ固定されている。このかしめ固定の結果、フレーム103は枠状の形状となり、
図3に示すフレーム103の上方および下方には四角形の開口面を有する第1開口部120Aおよび第2開口部120Bが形成されることになる。第1フレーム103Aには、プランジャー本体が挿入できる大径のフレーム穴103Cが設けられ、第2フレーム103Bの第1フレーム103Aと対向する前板部103Dには、プランジャーの移動を支持する小径のフレーム穴103Eが設けられている。
【0033】
(端子部材106の構成)
端子部材106は、ステンレス鋼あるいは銅材等の導電性の線部材により形成され、
図2,11等に示すように、互いに略平行な2本のピン部122,123とピン部122とピン部123の一端部とを繋ぐ連結部124とを有している。連結部124はピン部122およびピン部123に略直角に配置されている。つまり、端子部材106は、一本の線部材を、連結部124に相当する部分の両側において同方向に屈曲された形状であり、全体として略U字状を呈している。
【0034】
端子部材106は、連結部を溝部119に嵌合させ、ピン部122が貫通孔117に、そしてピン部123が貫通孔118にそれぞれ挿通される状態で、端子部材固定部114に取り付けられている。ピン部122,123は、貫通孔117,118の前後方向の長さよりも長く形成されている。したがって、端子部材106は、端子部材固定部114に取り付けられた状態で、ピン部122,123の先端部が端子部材固定部114の前端面114Cから前方に突出している。すなわち、ピン部122,123の先端部は、前鍔部112の前側の側面から前方に向けて突出している。
【0035】
凹部116の左右の両端には、端子部材固定部114と凹部116との境部に、端子部材固定部114に沿って前後方向に形成される溝部125が形成されている。前鍔部112と外装テープ110の隙間から引き出された先端部104A側の被覆導線104は、左側の溝部125を通され、前鍔部112の前側に引き出されている。左側の溝部125から前鍔部112の前側に引き出された先端部104A側の被覆導線104は、左側に配置される端子部材106のピン部123の前端面114C(端子部材固定部114)から前方に突出している部分に電気的に接続されている。
【0036】
また、前鍔部112と外装テープ110の隙間から引き出された後端部104B側の被覆導線104は、右側の溝部125を通され、前鍔部112の前側に引き出されている。右側の溝部125から前鍔部112の前側に引き出された後端部104B側の被覆導線104は、右側に配置される端子部材106のピン部123の前端面114C(端子部材固定部114)から前方に突出している部分に電気的に接続されている。
【0037】
なお、被覆導線104と各ピン部123との接続は、被覆導線104の先端部104Aおよび後端部104Bに予め塗付された予備ハンダにより固着することで行われる。
【0038】
(コイル105のフレーム103への保持)
ボビン102の胴部111に被覆導線104が巻回され、巻回された被覆導線104の全体を外装テープ110により覆ったコイル105は、
図3に示す矢印方向にフレーム103の枠内へと収容され、フレーム103に保持される。そして、後述するように、端子部材固定部114に取り付けられた端子部材106に被覆導線104の先端部104Aおよび後端部104Bを接続すると共に、プラグ108等を介してリード線107と被覆導線104とを接続することでコイル装置101として構成される。
【0039】
第2フレーム103Bの前板部103Dの上端縁には凹部126が形成されている。凹部126の左右方向の幅は、ボビン102がフレーム103の枠に収容されたとき、凹部126内に左右の端子部材固定部114が嵌ることができるように設定されている。また、凹部126の深さは、ボビン102がフレーム103の枠に収容され、凹部126に左右の端子部材固定部114が嵌合された状態で、前板部103Dの上端縁と端子部材固定部114の上面とが同一面上に配置されるように設定されている。すなわち、凹部126の深さと、端子部材固定部114の上下方向の厚さとは同一とされている。
【0040】
また、端子部材固定部114を凹部126に嵌合させた状態でボビン102がフレーム103の枠に収容されたとき、フレーム103の上端面127および下端面128から前鍔部112および後鍔部113が突出しないように、前鍔部112および後鍔部113の上下方向の幅が設定されている。したがって、ボビン102をフレーム103の上端面127および下端面128から突出しないようにフレーム103内に収容することができる。
【0041】
(プラグ108の構成)
図4から
図8は、
図1、
図2に示すプラグ108の構成を示す図である。
図4は、プラグ108の斜視図である。
図5は、プラグ108を上方から見た平面図であり、
図6は、プラグ108を前方から見た正面図であり、
図7は、プラグ108を後方から見た背面図であり、そして、
図8は、プラグ108を左方から見た左側面図である。
図9は、
図6における切断線A−Aにおける断面図を示す。
【0042】
図4等に示すように、プラグ108は、リード線保持部129と、カバー部130と、係合部131と係合部支持板132とを有する。リード線保持部129は、上下方向に扁平(上下方向の厚さが左右方向および前後方向の厚さに比べて薄い)した板状を呈している。また、リード線保持部129には、左右2つのリード線挿入孔133(
図6,7等参照)と、ピン挿入穴134,135(
図7等参照)とが形成されている。カバー部130は、リード線保持部129の上面の左右方向中央から後方に延設されている。また、係合部支持板132もリード線保持部129の下面の左右方向中央から後方に延設されている。リード線保持部129、カバー部130および係合部支持板132は絶縁性の樹脂材料によって一体で形成されている。
【0043】
カバー部130および係合部支持板132は、間隙Sを空けて上下方向において互いに対向する位置に配置されている。
図1,2に示すように、カバー部130および係合部支持板132の左右方向の幅は、凹部116(
図3参照)に隙間なく嵌合することができる幅に設定されている。
【0044】
係合部支持板132の後端部には係合部131が設けられている。カバー部130および係合部支持板132の左右に配置されるリード線保持部129の後端面136が端子部材固定部114の前端面114Cに当接する状態において係合部支持板132が凹部116に嵌合させられると、係合部131が凹部116の前鍔部112の後面に係合する。したがって、プラグ108は、係合部支持板132の前鍔部112の後面への係合と、リード線保持部129の後端面136と端子部材固定部114の前端面114Cとの当接により、前後方向に対して位置決めされる。
【0045】
また、係合部131が凹部116の下側の位置する前鍔部112の後面に係合された状態で、係合部支持板132と共にカバー部130も凹部116に嵌合する。係合部支持板132およびカバー部130が凹部116に嵌合することで、凹部116の左右に配置される端子部材固定部114によりプラグ108は左右方向に対して位置決めされる。
【0046】
カバー部130の上面とリード線保持部129の上面とは同一面に形成されている。また、プラグ108の上下方向の厚さは、端子部材固定部114の上下方向の厚さ、すなわち凹部116の深さL1と同一に設定されている。したがって、係合部131が凹部116の下側に位置する前鍔部112の後面に係合し、係合部支持板132およびカバー部130が凹部116に嵌合した状態で、プラグ108の上面と端子部材固定部114の上面とは同一面上に配置される。つまり、コイル105は、端子部材固定部114を含めてボビン102とプラグ108が、フレーム103の上端面127から突出しないように構成されている。
【0047】
なお、後述するように、ピン挿入穴134には、接続部材109が挿入される。そのため、ピン挿入穴134は、ピン挿入穴135の内径に比べて大きな内径に形成されている。したがって、リード線保持部129のピン挿入穴134が形成される部分の上方の肉厚を確保するため膨出部137が形成されている。しかしながら、この膨出部137は、コイル105が、たとえば、高さ2センチ程度であるに対し、フレーム103の上端面127よりも、たとえば、0.5mm程度、僅かに突出するものであり、コイル105の取り扱い上、大きな不便をきたす突出部となり難い。つまり、カバー部130の上面とリード線保持部129の上面とを同一面に形成し、また、プラグ108の上下方向の厚さを、凹部116の深さL1と同一に設定することで、ボビン102とプラグ108とが、フレーム103の上端面127から突出し難い構成とすることができる。
【0048】
(リード線挿入孔133の構成)
リード線挿入孔133は、左右一対設けられ、リード線保持部129を前後方向に貫通する孔部である。また、リード線挿入孔133は、左右方向において、カバー部130よりも内側に配置されている。したがって、リード線挿入孔133の前方の開口部からリード線107をリード線挿入孔133に挿入すると、カバー部130の下側、つまり、カバー部130と係合部支持板132との間の間隙Sに引き出すことができる。
【0049】
(ピン挿入穴134の構成)
左右に配置される2つのリード線挿入孔133の左側と右側にはそれぞれ、端子部材106のピン部123が挿入されるピン挿入穴134が形成されている。ピン挿入穴134は、リード線保持部129の後端面136から前方に向けて形成される有底の穴部であり、底部138(
図9参照)は、穴内に後述する接続部材109が収容されたときに、前方への移動を規制する移動規制部として機能する。
【0050】
ピン挿入穴134は、内部に接続部材109を収容できるように、ピン部123よりも大きな内径に形成されている。ピン挿入穴134の後端面136側の縁部には、ピン挿入穴134の内径よりも大きな内径であり、後述するワッシャ139(
図11、16等参照)を収容することができる内径の大径部140が形成されている。ピン挿入穴134と大径部140と間には、後方に面を向ける段部141が形成されている。リード線保持部129の後端面136には、大径部140とリード線挿入孔133とを連通する溝部142が形成されている。
【0051】
(ピン挿入穴135の構成)
左右に配置される2つのピン挿入穴134の左側と右側にはそれぞれ、端子部材106の突出ピン部としてのピン部122が挿入されるピン挿入穴135が形成されている。ピン挿入穴135もピン挿入穴134と同様に、リード線保持部129の後端面136から前方に向けて形成される有底の穴部である。ピン挿入穴135の内径は、ピン部122が圧入されるように、ピン部122の外径よりも僅かに小さく設定されている。
【0052】
なお、貫通孔117と、貫通孔118と、ピン挿入穴134と、ピン挿入穴135とは、プラグ108の係合部支持板132およびカバー部130が凹部116に嵌合するようにプラグ108をボビン102に取り付けた際、貫通孔117とピン挿入穴135とが対向し、また、貫通孔118とピン挿入穴134とが対向するように配置されている。したがって、端子部材106のピン部122を貫通孔117とピン挿入穴135とに挿入することができる。また、端子部材106のピン部123を貫通孔118とピン挿入穴134とに挿入することができる。
【0053】
(接続部材109の構成)
ピン挿入穴134の内部には、
図10に示す接続部材109が配置されている。接続部材109は、銅等の導電性の線材であって、外周面に被覆が行われていない裸導線により形成され、リード線107に電気的に接続される接続部としての接続端子143と、コイルスプリング部144とを有する。
【0054】
コイルスプリング部144の自然長L2は、ピン挿入穴134の深さL3よりも長く設定されている。コイルスプリング部144の内周径L4は、端子部材106のピン部123を挿入可能な範囲でピン部123の外径L5(
図11,12等参照)よりも小さく設定されている。また、コイルスプリング部144の外周径L6は、ピン挿入穴134の内周径L7よりも小さく設定されている。したがって、接続部材109のコイルスプリング部144は、ピン挿入穴134に挿入することができる。
【0055】
(被覆導線104とリード線107との接続)
次に、
図11〜16を参照しながら、ボビン102に巻回された被覆導線104とリード線107とが接続される構成について、両者を接続する工程に併せて説明する。
【0056】
(コイル105のフレーム103内への収容)
被覆導線104とリード線107との接続を行うに先立ち、
図11に示すように、ボビン102に被覆導線104が巻回され、被覆導線104の外周側が外装テープ110で覆われたコイル105を、フレーム103内に収容し、コイル105をフレーム103に保持させておく。被覆導線104の先端部104Aおよび後端部104Bは、前鍔部112と外装テープ110の隙間から引き出されている。
【0057】
コイル105は、フレーム103の凹部126(
図3参照)に左右の端子部材固定部114が嵌合された状態でフレーム103に保持される。凹部126の深さは、端子部材固定部114の上下方向の厚さと同一とされている。したがって、コイル105がフレーム103に保持された状態で、フレーム103の前板部103Dの上端縁と端子部材固定部114の上面とが同一面上に配置される。
【0058】
また、端子部材固定部114が凹部126に嵌合されるようにボビン102をフレーム103の枠に収容したときに、フレーム103の上端面127および下端面128(
図3参照)から前鍔部112および後鍔部113が上下方向に突出しないように、前鍔部112および後鍔部113の上下方向の幅が設定されている。したがって、コイル105は、フレーム103の上端面127および下端面128から突出しないようにフレーム103内に収容されている。
【0059】
(端子部材106の端子部材固定部114への固定)
図11に示すように、前鍔部112と外装テープ110の隙間から引き出されている被覆導線104の先端部104Aおよび後端部104Bを、凹部116の左右の両端に形成されている溝部125内に沿わせて、前鍔部112の前面側に引き出す。次いで、
図12に示すように、左右の端子部材106をそれぞれ端子部材固定部114に取り付ける。すなわち、端子部材106のピン部122を貫通孔117に、ピン部123を貫通孔118にそれぞれ挿入し、連結部124を溝部119に嵌合させる。端子部材106は、連結部124が溝部119に嵌合するようにピン部122,123が貫通孔117,118に挿入させられた状態で、ピン部122,123の先端部は、前鍔部112の前面側に突出する。
【0060】
貫通孔117の内周径はピン部122の外径よりもやや細く、また、貫通孔118の内周径もピン部123の外径よりもやや細い。したがって、ピン部122,123は、貫通孔117,118に圧入される状態で挿入される。ピン部122,123が、貫通孔117,118に圧入されることで、端子部材106は、端子部材固定部114に固定される。
【0061】
(被覆導線104とピン部123との接続)
そして、
図12に示すように、前鍔部112の前面側に突出した左右のピン部123に対して、それぞれ被覆導線104の先端部104Aと後端部104Bを電気的に接続する。左側のピン部123に先端部104Aを接続し、右側のピン部123に後端部104Bを接続する。被覆導線104の先端部104Aおよび後端部104Bと、各ピン部123との接続は、被覆導線104の先端部104Aおよび後端部104Bに予め塗付された予備ハンダにより固着することで行われる。
【0062】
被覆導線104とピン部123との接続部145が出来るだけ端子部材固定部114の前端面114C側に位置するように、被覆導線104の先端部104Aおよび後端部104Bは、ピン部123に接続される。すなわち、先端部104Aおよび後端部104Bは、貫通孔118の前端面114C側の開口部の近傍でピン部123に接続されている。このように、接続部145を出来るだけ端子部材固定部114の前端面114C側に位置させることで、後述するように、ピン部123を接続部材109のコイルスプリング部144の内周に挿入する際に、接続部145がコイルスプリング部144に干渉してしまうことを防止できる。
【0063】
(リード線107のプラグ108への取り付け)
次に、
図13に示すように、接続部材109を、プラグ108のピン挿入穴134にコイルスプリング部144の側から挿入すると共に、リード線107をプラグ108に取り付ける。そして、接続部材109の接続端子143とリード線107とを電気的に接続する。
【0064】
接続部材109をコイルスプリング部144の側からプラグ108のピン挿入穴134に挿入すると、コイルスプリング部144の前端部が底部138(
図9,16参照)に当接した状態となる。コイルスプリング部144の自然長L2はピン挿入穴134の深さL3よりも長い(
図10参照)。そのため、コイルスプリング部144の後端部および接続端子143がピン挿入穴134の後方に突出した状態で、接続部材109はピン挿入穴134に収容される。
【0065】
リード線107をプラグ108のリード線挿入孔133の前方から挿入し、リード線107の先端部をカバー部130と係合部支持板132との間の間隙Sに配置させる。リード線107の先端部は、予め、被覆部を除去し導線部107Aとして露出させておく。そして、接続部材109の接続端子143を間隙S内に通してリード線107側に配置し導線部107Aと電気的に接続する。接続端子143と導線部107Aとは、たとえば、接続端子143を導線部107Aに絡めハンダで接着することで互いに接続することができる。
【0066】
なお、リード線107をリード線挿入孔133に通し、先端部(導線部107A)を間隙Sの外側に引き出した状態で、接続部材109の接続端子143を導線部107Aに接続し、その後、先端部(導線部107A)が間隙S内に配置されるようにリード線107を前方に引きながら、接続部材109のコイルスプリング部144をピン挿入穴134に挿入するようにしてもよい。
【0067】
次いで、
図14に示すように、ピン部123にワッシャ139を通す。ワッシャ139は銅材等の導電材により形成されている。
【0068】
そして、
図15、16に示すように、プラグ108をコイル105に取り付ける。この取り付けは次のように行われる。端子部材106のピン部122がピン挿入穴135に、ピン部123がピン挿入穴134にそれぞれ挿入するように、かつ、カバー部130および係合部支持板132が凹部116に嵌合し、係合部131が前鍔部112の後面に係合するように、プラグ108をコイル105に取り付ける。
【0069】
ピン挿入穴135の内径は、ピン部122の外径よりも僅かに小さく設定されている。したがって、ピン部122がピン挿入穴135に挿入された状態では、ピン部122はピン挿入穴135に圧入されている状態であり、プラグ108はコイル105に固定された状態となる。係合部131が前鍔部112の後面に係合することで、プラグ108が前方へ移動しないようにコイル105に固定される。また、カバー部130および係合部支持板132が凹部116に嵌合することで、プラグ108が左右に移動しないようにコイル105に固定される。
【0070】
ピン部123をピン挿入穴134に挿入する際には、ピン部123をコイルスプリング部144の内周に挿入する。コイルスプリング部144の内周径L4は、ピン部123の外径L5よりも小さく設定されている(
図10,11等参照)。したがって、ピン部123は、コイルスプリング部144の内周に挿入された状態では、ピン部123はコイルスプリング部144の内周に圧入された状態となる。つまり、ピン部123とコイルスプリング部144とには密着部が形成される。上述したようにピン部123はコイルスプリング部144の内周に圧入されるものであるが、ピン部123をコイルスプリング部144の内周に挿入する際の作業性の観点から、圧入に要する力(挿入する力)が、人の手指を用いて容易に挿入できる程度となるように、コイルスプリング部144の内周径L4、ピン部123の外径L5およびコイルスプリング部144の弾性力等を設定することが好ましい。
【0071】
コイルスプリング部144は裸導電で形成されているため、ピン部123とコイルスプリング部144とは電気的に接続され、その結果、リード線107から被覆導線104が電気的に接続される。ピン部123が挿入されたコイルスプリング部144は、自身の弾性により内径を縮小する方向に付勢されている。そのため、ピン部123とコイルスプリング部144との接触は長期間に亘って安定的に維持される。なお、ピン部123の先端部については、コイルスプリング部144の内周径L4よりも細く形成され、ピン部123のコイルスプリング部144の内周への挿入がスームズに行えるようになっている。
【0072】
図10に示すように、コイルスプリング部144の自然長L2は、ピン挿入穴134の深さL3よりも長く設定されている。したがって、プラグ108をコイル105に取り付けた状態で、コイルスプリング部144は、ピン挿入穴134の底部138と端子部材固定部114の前端面114Cとの間で伸長する方向に付勢され圧縮状態となっている。つまり、コイルスプリング部144はワッシャ139を後方に付勢している。
【0073】
ワッシャ139の後側には、被覆導線104の先端部104Aおよび後端部104Bとピン部123との接続部145が配置されている。このため、コイルスプリング部144はワッシャ139を介して接続部145と電気的に接続されている。ピン部123とコイルスプリング部144との接続に加えて、ワッシャ139を介してコイルスプリング部144と接続部145とが接続されることで、リード線107と被覆導線104との電気的な接続がより確実なものとなっている。
【0074】
ピン挿入穴134の後端部には大径部140(
図7,9等参照)が形成されている。この大径部140の深さL8(後端面136から段部141までの深さ)は、ワッシャ139がコイルスプリング部144により接続部145側に付勢され接続部145に当接したときの、前端面114Cとワッシャ139の前面との間の距離よりも僅かに長く設定されている。
【0075】
したがって、プラグ108がコイル105に取り付けられ、端子部材固定部114の前端面114Cとプラグ108の後端面136とが当接あるいは接近した場合でも、ワッシャ139と接続部145を大径部140の内側に配置することができる。このため、ワッシャ139が前端面114Cと後端面136とに挟まれて圧迫されてしまうことを防止できる。圧迫された状態が長期間におよぶと接続部145のハンダに亀裂が発生し接続状態が劣化してしまう虞がある。コイルスプリング部144の付勢力による圧迫は弾性を有するものであり、また、ワッシャ139と接続部145の接続を良好に保つ程度のものであるため、ハンダに亀裂が生じるほど大きなものではない。
【0076】
図7等に示すように、リード線挿入孔133の大径部140とピン挿入穴134との間には、溝部142が形成されている。プラグ108がコイル105に取り付けられ、端子部材固定部114の前端面114Cとプラグ108の後端面136とが当接あるいは接近したときに、溝部142内に接続部材109の接続端子143およびピン部123に接続される被覆導線104が配置される。したがって、プラグ108がコイル105に取り付けられたときに、接続端子143および被覆導線104が前端面114Cと後端面136とに挟まれて圧迫されてしまうことを防止できる。接続端子143および被覆導線104が圧迫された状態が長期間におよぶと接続端子143および被覆導線104が切断されてしまう虞がある。
【0077】
(第1の実施の形態の主な効果)
上述したように、コイル装置101は、被覆導線104が巻回されるコイル105を有する。コイル105は、被覆導線104が巻回される胴部111と、この胴部111の前後方向となる被覆導線104の巻回の軸方向に配置される鍔部としての前鍔部112と後鍔部113とが設けられるボビン102を有する。また、コイル装置101は、端子部材106と、プラグ108と、接続部材109とを有する。端子部材106は、前鍔部112に取り付けられ、被覆導線104が電気的に接続される。また、端子部材106は、被覆導線104が巻回される胴部111が配置される側とは反対側となる前方に向けて、前鍔部112の前面から突出するコイルスプリング部挿入ピン部としてのピン部123を有する。プラグ108は、被覆導線104に電流を供給するためのリード線107が取り付けられている。接続部材109は、裸導線により形成され、プラグ108に取り付けられる。
【0078】
また、接続部材109は、一端にリード線107に電気的に接続される接続部としての接続端子143を有すると共に、端子部材106のピン部123を圧入状態で挿入可することができる内径の内周部が形成されるコイルスプリング部144を有し、端子部材106とリード線107との接続を行う。そして、接続部材109のコイルスプリング部144の内周部にピン部123が挿入されることで、被覆導線104とリード線107とが接続される。
【0079】
また、コイル装置101においては、接続部材109に、リード線107が接続され、端子部材106に、被覆導線104が接続されている。端子部材106は、前鍔部112の被覆導線104が巻回される側と反対側にピン部123が突出するように前鍔部112に取り付けられている。接続部材109は、プラグ108に取り付けられ、接続部材109のコイルスプリング部144の内周部に、前鍔部112から突出したピン部123が挿入される。
【0080】
このようにコイル装置101は構成されているため、接続部材109のコイルスプリング部144の内周部にピン部123が挿入されることで、被覆導線104とリード線107とを接続することができる。したがって、コイル装置101にリード線107を未接続の状態で、コイル装置101を電気機器装置に設置した後、リード線107をコイル装置101に接続することができる。つまり、リード線107をコイル装置101に後付けすることができ、コイル装置101を電気機器装置に設置する際にリード線107が邪魔になり難い。
【0081】
プラグ108は、接続部材109に対して、ピン部123の挿入方向への移動を規制する移動規制部としての底部138を有する。被覆導線104と端子部材106とはピン部123の接続部145において接続され、コイルスプリング部144と前鍔部112との間には、ピン部123に挿通される導電性を有するワッシャ139が配置されている。
【0082】
コイル装置101をこのように構成した場合には、底部138によりコイルスプリング部144の前方への移動が規制される。このため、コイルスプリング部144の付勢力によりワッシャ139が後方に付勢され、コイルスプリング部144と接続部145とがワッシャ139を介して電気的に接続される。したがって、ピン部123とコイルスプリング部144との接続に加えて、ワッシャ139を介してコイルスプリング部144と接続部145とが接続されるため、リード線107と被覆導線104との電気的な接続がより確実なものとなる。
【0083】
なお、ピン挿入穴134の底部138は、ピン挿入穴134の前方を完全に塞ぐ構成である必要はなく、接続部材109の前方への移動を規制できるように、穴部の内側に突出している構成であれば足りる。しかしながら、本実施の形態のように、ピン挿入穴134の前方を完全に塞ぐ構成とすることで、プラグ108の前方からの見栄えが良くなると共に、ピン挿入穴134内への塵埃等の侵入を防止できる。
【0084】
ピン部123が突出する前鍔部112には、前鍔部112の側面からピン部123と平行に突出する突出ピン部としてのピン部122が設けられている。プラグ108には、接続部材109のコイルスプリング部144の内周にピン部123が挿入された状態で、ピン部122が圧入状態で挿入される挿入穴としてのピン挿入穴135が設けられている。
【0085】
ピン部122がピン挿入穴135に圧入されることで、プラグ108をコイル105から脱落し難いものとすることができる。また、ピン部122がピン挿入穴135に挿入されることで、プラグ108の上下方向への移動が抑制される。また、プラグ108の重さによるピン部123への負荷も低減される。これにより、ピン部123の歪曲に起因するコイルスプリング部144とピン部123との接触不良やピン部123の破断等を防止できる。
【0086】
なお、ピン挿入穴135は、前方が完全に塞がれた構成である必要はなく、一部が塞がれている構成や、ピン挿入穴135の内径と同一の内径で開口している構成であってもよい。しかしながら、本実施の形態のように、ピン挿入穴135の前方を完全に塞ぐ構成とすることで、プラグ108の前方からの見栄えが良くなると共に、ピン挿入穴135内への塵埃等の侵入を防止できる。
【0087】
端子部材固定部114は、前鍔部112よりも前方に板状に突出する突出部にて形成されている。つまり、端子部材固定部114の前後方向、すなわち、ピン部122,123の挿入方向の厚さが、前鍔部112の前後方向の厚さよりも厚い。そのため、前鍔部112の厚さで端子部材106を支持する構成よりも安定して端子部材106を支持することができる。したがって、プラグ108の上下方向への移動をより抑制することができ、ピン部123の歪曲に起因するコイルスプリング部144とピン部123との接触不良やピン部123の破断等をより確実に防止できる。
【0088】
プラグ108には、接続部材109のコイルスプリング部144の内周にピン部123が挿入された状態で、ボビン102の前鍔部112に係合する係合部131が形成されている。
【0089】
係合部131が前鍔部112に係合することで、プラグ108の前方への移動が阻止される。つまり、プラグ108を前方へ引っ張る力が生じた場合にも、プラグ108の前方への移動が阻止される。そのため、ピン挿入穴134がピン部123から外れ、リード線107とピン部123との接続が破断してしまうことを防止できる。
【0090】
ピン部123は、
図17に示すように、先端、すなわち、コイルスプリング部144への挿入方向に向かって径が細くなるように形成してもよい。すなわち、ピン部123を先細りの形状としてもよい。
【0091】
ピン部123を先細りの形状とすることで、ピン部123をコイルスプリング部144に挿入する際に挿入し易くなる。ピン部123を先細りの形状とする場合には、ピン部123をコイルスプリング部144の内周に挿入し易いように、ピン部123のコイルスプリング部144に挿入される部分の先端部123Aの直径を、コイルスプリング部144の内周径L4よりも細くする。そして、先端部123Aより後方側123Bの部分の直径については、コイルスプリング部144の内周径L4よりも太くする。ピン部123の先端部123Aおよび後方側123Bの直径と、コイルスプリング部144の内周径L4とを上述のように設定することで、コイルスプリング部144の内周部に挿入されたピン部123の後方側123Bの部分にコイルスプリング部144が接触し易くなり、コイルスプリング部144とピン部123との接触面積を広くすることができる。
【0092】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係るコイル装置201について、図を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、
図18〜
図33に示す矢印X1方向を前方(前側)、矢印X2方向を後方(後側)、矢印Y1方向を左方(左側)、矢印Y2方向を右方(右側)、矢印Z1方向を上方(上側)および矢印Z2方向を下方(下側)とそれぞれ規定する。
【0093】
(コイル装置201の構成)
図18は、本発明の第1の実施の形態に係るコイル装置201の斜視図である。
図19は、コイル装置201の平面図である。
図20は、後述するボビン202とフレーム203の斜視図である。
図18および
図19に示すように、コイル装置201は、被覆導線204が巻回されるコイル205と、コイル205の前後および左右を覆う枠状のフレーム203と、被覆導線204が電気的に接続される接続部材209と、2本のリード線207が取り付けられるプラグ208と、接続部材209とリード線207とを電気的に接続する端子部材206等を有する。接続部材209および端子部材206は、それぞれ、左右に一つずつ備えられ、ピン部222と、ピン部223と、ピン部222とピン部223とを連結する連結部224とを有する。
【0094】
(コイル205)
コイル205は、被覆導線204と、この被覆導線204が巻回されるボビン202と、ボビン202に巻回された被覆導線204の外周側を覆う外装テープ210とを有する。被覆導線204は、銅等の導電性の線材の周囲がエナメル等の絶縁被膜で覆われている被覆線である。
【0095】
図19および
図20に示すように、ボビン202は、被覆導線204が巻回される胴部211と、この胴部211の前端に設けられる前鍔部212と、胴部211の後端に設けられる後鍔部213と、前鍔部212の上端の左右に設けられる端子部材固定部としての2つのプラグ取付部214とを有する。
【0096】
胴部211は、被覆導線204の巻回の軸215(
図19参照)を中心とする円筒体を呈している。前鍔部212および後鍔部213は、軸215方向から見た形状が、全体として正方形を呈している。被覆導線204の先端部204Aは、前鍔部212と外装テープ210の隙間から引き出され、左側のプラグ取付部214に取り付けられる接続部材209に接続されている。
【0097】
また、被覆導線204の後端部204Bは、前鍔部212と外装テープ210の隙間から引き出され、右側のプラグ取付部214に取り付けられる接続部材209に接続されている。なお、先端部204Aおよび後端部204Bには、予め、予備ハンダが塗布されている。
【0098】
外装テープ210は、絶縁性を有する材料(たとえば、絶縁性の布)で形成された薄いテープである。この外装テープ210は、ボビン202を構成する胴部211に巻回された被覆導線204の全体を覆うように巻回されている。外装テープ210は、被覆導線204と、コイル205の外部の部材との電気的短絡を防止する機能を果たしている。
【0099】
(ボビン202の構成)
図20に示すように、ボビン202は、プランジャーが挿通される挿通孔202Aが形成された鍔付の円筒状部材である。このボビン202は、上述したように、円筒状の胴部211と、胴部211の軸方向の前端部に形成された角板状の前鍔部212と、胴部211の軸方向の後端部に形成された角板状の後鍔部213を備えている。胴部211、前鍔部212、後鍔部213およびプラグ取付部214は絶縁性の樹脂材料によって一体で形成されている。
【0100】
前鍔部212の上端の左右には、プラグ208が配置される間隔を空けて2つのプラグ取付部214,214が設けられている。左側のプラグ取付部214(以下、プラグ取付部214Lと記載する。)と右側のプラグ取付部214(以下、プラグ取付部214Rと記載する。)との間は、プラグ208が嵌合する受け部214Dとして形成されている。なお、以下の説明において、プラグ取付部214L,214Rを共に示す場合は、プラグ取付部214と記載することとする。
【0101】
プラグ取付部214L,214Rは、全体として略直方体状を呈し、前鍔部212よりも前方に突出する突出部214Eを有している。プラグ取付部214には、前側の前端面214Cから後方に向かって有底の穴部217が挿入穴として形成されている。後端面214Bの一部が、穴部217の底部238として形成されている。接続部材209は、この穴部217に収容されることで、プラグ取付部214に取り付けられる。
【0102】
プラグ取付部214Lとプラグ取付部214Rとが左右方向において対向する部分は、対向する側に円弧状に突出する凸条部214Aに形成されている。凸条部214Aは、円弧状の凸部が前後方向に沿って形成され、凸条部214Aの条方向は前後方向に配置されている。プラグ取付部214L側の凸条部214Aとプラグ取付部214R側の凸条部214Aは、前後方向に沿って互いに平行な配置となっている。
【0103】
凸条部214Aには、穴部217に貫通するスリット218が凸条部214Aの条方向(前後方向)に沿って形成されている。スリット218は、プラグ取付部214の前端面214Cと後端面214Bとに貫けている(
図21、
図28〜
図31参照)。また、凸条部214Aには、凹部218A(
図31参照)が形成されている。凹部218Aは、スリット218から上方に向かって凹むと共に、前端面214Cから後方向に向かって凹んでいる。
【0104】
図20,21に示すように、前鍔部212には、受け部214Dの後方に当たる位置に上端面よりも下方に凹んだ凹部216が形成されている。凹部216の前面側には、
図21,28,29に示すように前方に突出する突出部219が形成されている。
図21の上段(A)は、前鍔部212を斜め前方からみた斜視図であり、下段(B)は、上段(A)における切断線A−Aにおける断面の概略図である。突出部219は、ボビン202がフレーム203内に収容された状態で、フレーム203の凹部226(
図20参照)の上端縁に重なる。つまり、凹部226の上縁部を突出部219により覆うことができる。
【0105】
(フレーム203の構成)
フレーム203は、磁性材料で形成された薄板状部材にて構成されている。フレーム203は、平板状に形成された第1フレーム203A(
図20参照)と、上下から見て後方から前方に向かう凹形状に形成された第2フレーム203B(
図20参照)とから構成されている。つまり、フレーム203は、上下が開口している枠状の形状を呈している。そのため、コイル205がフレーム203内に配置された状態では、後述する第1開口部220Aが上方に向かって開口し、下方には第2開口部220Bが開口している。フレーム203は、ボビン202の軸方向の両端に設けられる前鍔部212および後鍔部213に密接してボビン202を支持すると共にコイル205により発生する磁束の磁気回路を形成している。
【0106】
図20に示すように、第1フレーム203Aと第2フレーム203Bとは、かしめ部221をかしめることによりかしめ固定されている。このかしめ固定の結果、フレーム203は枠状の形状となり、
図20に示すフレーム203の上方および下方には四角形の開口面を有する第1開口部220Aおよび第2開口部220Bが形成されることになる。第1フレーム203Aには、プランジャー本体が挿入できる大径のフレーム穴203Cが設けられ、第2フレーム203Bの第1フレーム203Aと対向する前板部203Dには、プランジャーの移動を支持する小径のフレーム穴203Eが設けられている。
【0107】
(接続部材209の構成)
穴部217の内部には、
図28に示す接続部材209が収容されている。接続部材209は、銅等の導電性線材であって、外周面が被覆されていない裸導線により形成されている。接続部材209は、端子部材206のピン部222が内周部244Aに挿入されるコイルスプリング部244と、被覆導線204の一端あるいは他端が電気的に接続される接続部としての端子部244Bと、凹部218A(
図31参照)に配置される端部244Cとを有している。コイルスプリング部244の内周径は、ピン部222の外径よりも僅かに小さく設定されている。したがって、ピン部222は、コイルスプリング部244の内周部244Aに挿入されたとき、コイルスプリング部244の内周部に圧入された状態となる。
【0108】
また、前鍔部212と外装テープ210の隙間から引き出された被覆導線204の先端部204Aは、左側に配置される接続部材209の端子部244Bに電気的に接続され、後端部204Bは、右側に配置される接続部材209の端子部244Bに電気的に接続されている。なお、被覆導線204と接続部材209との接続は、被覆導線204の先端部204Aおよび後端部204Bに予め塗付された予備ハンダにより固着することで行われる。
【0109】
(プラグ208の構成)
図22〜
図27は、
図18、
図19に示すプラグ208の構成を示す図である。
図22は、プラグ208の斜視図である。
図23は、プラグ208を上方から見た平面図であり、
図24は、プラグ208を前方から見た正面図であり、
図25は、プラグ208を後方から見た背面図であり、そして、
図26は、プラグ208を左方から見た左側面図である。
図27は、
図24における切断線A−Aにおける断面図を示す。
【0110】
図22等に示すように、プラグ208は、受け部214Dに嵌合する嵌合部229と、端子ピン保持部232と、カバー部230とを有する。端子ピン保持部232は、嵌合部229の左右に形成されている。嵌合部229は、上下方向に扁平(上下方向の厚さが左右方向および前後方向の厚さに比べて薄い)した板状を呈している。
【0111】
嵌合部229には、リード線207が挿入されるリード線挿入孔233(
図24,25等参照)が左右の2箇所に形成されている。また、嵌合部229には、2つのリード線挿入孔233を挟んで左右にピン挿入孔234が形成されている。嵌合部229の左右に設けられている端子ピン保持部232には、それぞれピン挿入孔235が形成されている。
【0112】
ピン挿入孔234とピン挿入孔235は、互いに平行に左右に並設されている。また、ピン挿入孔234とピン挿入孔235の前端部は、溝部225を介して互いに連通している(
図24,27,28参照)。つまり、プラグ208の前端面237には、左右の二箇所に左右方向に伸びる溝部225が形成され、各溝部225の一端には前方に抜けるピン挿入孔234が連通し、他端にはピン挿入孔235が連通している。
【0113】
嵌合部229の左右の側面には、プラグ取付部214の凸条部214Aが嵌合する円弧状の凹条部239が形成されている。凹条部239は、円弧状の凹部が前後方向に沿って形成され、凹条部239の条方向は前後方向に配置されている。カバー部230は、嵌合部229の上面の後端から後方に延設されている。嵌合部229、端子ピン保持部232およびカバー部230は絶縁性の樹脂材料によって一体で形成されている。
【0114】
プラグ208は、カバー部230の側、すなわち、嵌合部229を後端側から受け部214D内に嵌合させる。凸条部214Aと凹条部239とは互いに嵌合可能な形状であり、凸条部214Aと凹条部239とが嵌合することで、嵌合部229は受け部214D内に嵌合される。
【0115】
凸条部214Aは、母線が前後方向に沿って配置される円柱の側面の一部の形状を呈し、また、凹条部239も、母線が前後方向に沿って配置される円柱の側面の一部の形状を呈している。そのため、プラグ208は、凹条部239が凸条部214Aに嵌合することで、上下方向について固定される。また、プラグ208は、凹条部239が凸条部214Aに左右方向で当接することで、左右方向について固定される。
【0116】
プラグ208がプラグ取付部214に取り付けられたときに、嵌合部229よりも後側の受け部214Dの上部をカバー部230により覆うことができるように、カバー部230は、嵌合部229の上面の後端から後方に延設されている。したがって、受け部214D内の前鍔部212の上端縁の上方をカバー部230によって覆うことができる。
【0117】
端子ピン保持部232の左右の側面には、フック部231が設けられている。一方、プラグ取付部214Lの左側面とプラグ取付部214Rの右側面には、それぞれフック係合部240が設けられている。端子ピン保持部232の後端面236がプラグ取付部214の前端面214Cに当接するように、プラグ208をプラグ取付部214に取り付けたときに、フック部231がフック係合部240に係合し、プラグ208は前方向に移動しないようにプラグ取付部214に固定される。
【0118】
カバー部230の上面と嵌合部229の上面とは同一面に形成されている。また、プラグ208の上下方向の厚さM1(
図22参照)と、プラグ取付部214の上下方向の厚さM2(
図21参照)は同一とされている。したがって、受け部214Dに、嵌合部229を嵌合させた状態で、プラグ208の上面とプラグ取付部214の上面とは同一面上に配置される。つまり、コイル205は、プラグ取付部214を含めてボビン202とプラグ208が、フレーム203の上端面227から突出しないように構成されている。
【0119】
(リード線挿入孔233の構成)
リード線挿入孔233は、左右一対設けられ、嵌合部229を前後方向に貫通する孔部である。また、リード線挿入孔233は、左右方向において、カバー部230よりも内側に配置されている。したがって、リード線挿入孔233の前方の開口部からリード線207をリード線挿入孔233に挿入すると、カバー部230の下側に引き出すことができる。
【0120】
(ピン挿入孔234の構成)
左右に配置される2つのリード線挿入孔233の左側と右側にはそれぞれ、端子部材206の突出ピン部としてのピン部223が挿入されるピン挿入孔234が形成されている。ピン挿入孔234は、プラグ208の前端面237から嵌合部229の後端面229Aに貫ける孔部である。ピン挿入孔234は、ピン部223が圧入される状態で挿入することができるように、ピン部223の外径よりも僅かに小さく設定されている。
【0121】
(ピン挿入孔235の構成)
左右に配置される2つのピン挿入孔234の左側と右側にはそれぞれ、端子部材206のコイルスプリング部挿入ピン部としてのピン部222が挿入されるピン挿入孔235が形成されている。ピン挿入孔235は、プラグ208の前端面237から端子ピン保持部232の後端面236に貫ける孔部である。ピン挿入孔235の内径は、ピン部222が圧入されるように、ピン部222の外径よりも僅かに小さく設定されている。
【0122】
なお、穴部217とピン挿入孔235とは、プラグ208の嵌合部229が受け部214Dに嵌合された状態で、互いに対向するように配置されている。したがって、端子部材206のコイルスプリング部挿入ピン部222をピン挿入孔235と穴部217に挿入することができる。
【0123】
(端子部材206の構成)
端子部材206は、銅等の導電部材により形成され、
図19,28等に示すように、互いに略平行な2本のピン部222,223とピン部222とピン部223の一端部とを繋ぐ連結部224とを有している。連結部224はピン部222およびピン部223に略直角に配置されている。つまり、端子部材206は、一本の線部材を、連結部224に相当する部分の両側において同方向に屈曲された形状であり、全体として略U字状を呈している。
【0124】
端子部材206は、プラグ208の前方からピン挿入孔234,235に挿入される。つまり、連結部224を溝部225に嵌合させ、ピン部222がピン挿入孔235に、そしてピン部223がピン挿入孔234にそれぞれ挿通される状態で、プラグ208に取り付けられている。ピン部222,223は、ピン挿入孔234,235の前後方向の長さよりも長く形成されている。したがって、端子部材206は、プラグ208に取り付けられた状態で、ピン部222の先端部は、端子ピン保持部232の後端面236から後方に突出し、ピン部223の先端部は、嵌合部229の後端面229Aから後方に突出する。
【0125】
(コイル205のフレーム203への保持)
ボビン202の胴部211に被覆導線204が巻回され、巻回された被覆導線204の全体を外装テープ210により覆ったコイル205は、
図20に示す矢印方向にフレーム203の枠内へと収容され、フレーム203に保持される。そして、後述するように、プラグ取付部214に取り付けられた接続部材209に被覆導線204の先端部204Aおよび後端部204Bを接続すると共に、プラグ208等を介してリード線207と被覆導線204とを接続することでコイル装置201として構成される。
【0126】
第2フレーム203Bの前板部203Dの上端縁には凹部226が形成されている。凹部226の左右方向の幅は、ボビン202がフレーム203の枠に収容されたとき、凹部226内に左右のプラグ取付部214が嵌ることができるように設定されている。また、凹部226の深さは、ボビン202がフレーム203の枠に収容され、凹部226に左右のプラグ取付部214が嵌合された状態で、前板部203Dの上端縁とプラグ取付部214の上面とが同一面上に配置されるように設定されている。すなわち、凹部226の深さと、プラグ取付部214の上下方向の厚さとは同一とされている。
【0127】
また、プラグ取付部214を凹部226に嵌合させた状態でボビン202がフレーム203の枠に収容されたとき、フレーム203の上端面227および下端面228から前鍔部212および後鍔部213が上下方向に突出しないように、前鍔部212および後鍔部213の上下方向の幅が設定されている。したがって、ボビン202がフレーム203の上端面227および下端面228から突出しないように、ボビン202をフレーム203内に収容することができる。
【0128】
(被覆導線204とリード線207との接続)
次に、ボビン202に巻回された被覆導線204とリード線207とが接続される構成について、両者を接続する工程に併せて説明する。
【0129】
(コイル205のフレーム203内への収容)
被覆導線204とリード線207との接続を行うに先立ち、
図20に示すように、ボビン202に被覆導線204が巻回され、被覆導線204の外周側が外装テープ210で覆われたコイル205を、フレーム203内に収容し、コイル205をフレーム203に保持させておく。被覆導線204の先端部204Aおよび後端部204Bは、前鍔部212と外装テープ210の隙間から引き出されている。
【0130】
コイル205は、フレーム203の凹部226(
図20参照)に左右のプラグ取付部214が嵌合された状態でフレーム203に保持される。凹部226の深さは、プラグ取付部214の上下方向の厚さと同一とされている。したがって、コイル205がフレーム203に保持された状態で、前板部203Dの上端縁とプラグ取付部214の上面とが同一面上に配置される。
【0131】
また、プラグ取付部214が凹部226に嵌合されるようにボビン202をフレーム203の枠に収容したときに、フレーム203の上端面227および下端面228(
図20参照)から前鍔部212および後鍔部213が上下方向に突出しないように、前鍔部212および後鍔部213の上下方向の幅が設定されている。したがって、コイル205は、フレーム203の上端面227および下端面228から突出しないようにフレーム203内に収容されている。
【0132】
(接続部材209のプラグ取付部214への固定)
図28〜31に示すように、接続部材209をプラグ取付部214に取り付ける。
図28は、コイル装置201の組み立て図である。
図29は、穴部217に接続部材209を挿入(収容)した状態を示す図である。
図30は、
図29に示すプラグ取付部214Lの後側部分を拡大した図であり、上下方向に切断した断面も示されている。
図31は、
図29に示すプラグ取付部214Lの前側部分を拡大した図である。
【0133】
接続部材209のプラグ取付部214への取り付けは、接続部材209の端子部244Bの側を後方に向け、プラグ取付部214の前端面214Cに形成される穴部217の前方の開口部217Aから穴部217内に挿入する。接続部材209の後端部が底部238(
図19,20,30参照)に当接するまで、接続部材209を穴部217内に挿入する。また、接続部材209を穴部217内に挿入する際、接続部材209の端子部244Bおよび端部244Cがスリット218内に配置された状態で、接続部材209を穴部217内に挿入する。
【0134】
端子部244Bは、コイルスプリング部244を構成する線材の端部が後方に軸215(
図19参照)に沿う方向に折り曲げられた部分である。接続部材209が穴部217内に収容された状態で、端子部244Bはスリット218の後端面214Bに貫ける部分から後方に突出する。また、端部244Cは、コイルスプリング部244の螺旋部の接線方向に直線的(略直線)に延ばされた部分であり、接続部材209が穴部217内に収容された状態で、スリット218から凹部218A内に配置される。
【0135】
(被覆導線204と接続部材209との接続)
接続部材209を穴部217に収容し、プラグ取付部214の後端面214Bから後方に突出している端子部244Bに被覆導線204を接続する。すなわち、プラグ取付部214Lに挿入された接続部材209の端子部244Bに被覆導線204の先端部204Aを接続し、プラグ取付部214Rに挿入された接続部材209の端子部244Bに被覆導線204の後端部204Bを接続する。被覆導線204と接続部材209との接続は、被覆導線204の先端部204Aおよび後端部204Bに予め塗付された予備ハンダを用いて行われる。
【0136】
(端子部材206およびリード線207のプラグ208への取り付け)
次に、
図18,19,28,32に示すように、端子部材206のピン部222,223をピン挿入孔234,235に挿入すると共に、リード線207をプラグ208に取り付ける。連結部224が溝部225に嵌合されるまで、ピン部222,223をピン挿入孔234,235に挿入した状態で、ピン部222は、プラグ取付部214の後端面214Bよりも後方に突出する。またピン部223は嵌合部229の後端面229Aの後方に突出する。また、リード線207は、プラグ取付部214の前端面214Cからリード線挿入孔233に、先端部204Aが嵌合部229の後端面229Aから突出するように挿入する。そして、嵌合部229の後端面229Aから後方に突出したピン部223とリード線207の導線部207Aとを半田等を用いて電気的に接続する。導線部207Aは、リード線207の先端部の被覆部を予め除去し導線部を露出させた部分である。
【0137】
そして、
図19,28に示すように、プラグ208をコイル205に取り付ける。プラグ208は、プラグ取付部214の前方から、端子部材206のピン部222が穴部217に挿入するように、かつ、嵌合部229が受け部214Dに嵌合するようにコイル205に取り付けられる。
【0138】
ピン部222が穴部217に挿入される際には、コイルスプリング部244の内周に挿入される。コイルスプリング部244の内周径は、ピン部222の外径M3(
図28参照)よりも細く設定されている。したがって、ピン部222は、コイルスプリング部244の内周に挿入された状態では、ピン部222はコイルスプリング部244の内周に圧入された状態となる。つまり、ピン部222とコイルスプリング部244とには密着部が形成される。上述したようにピン部123はコイルスプリング部144の内周に圧入されるものであるが、ピン部222をコイルスプリング部244の内周に挿入する際の作業性の観点から、圧入に要する力(挿入する力)が、人の手指を用いて容易に挿入できる程度となるように、コイルスプリング部244の内周径、ピン部222の外径およびコイルスプリング部244の弾性力等を設定することが好ましい。
【0139】
コイルスプリング部244は裸導線で形成されている。そのため、ピン部222とコイルスプリング部244とは電気的に接続される。ピン部222は、連結部224を介してピン部223に連結し、ピン部223は、リード線207の先端部204Aに接続されている。したがって、リード線207から被覆導線204が端子部材206および接続部材209を介して電気的に接続される。
【0140】
ピン部222が挿入されたコイルスプリング部244は、自身の弾性により内径を縮小する方向に付勢されている。そのため、ピン部222とコイルスプリング部244との接触は長期間に亘って安定的に維持される。なお、ピン部222の先端部については、コイルスプリング部244の内周径よりも細く形成され、ピン部222のコイルスプリング部244の内周への挿入がスームズに行えるようになっている。
【0141】
また、嵌合部229を受け部214Dに嵌合させると、凸部229Bが凹部218Aに嵌る。凹部218Aには、接続部材209の端部244Cが配置されている。したがって、嵌合部229を受け部214Dに嵌合する際に、凸部229Bが凹部218Aに嵌ることで、端部244Cが凹部218Aの底側に押され、これにより、コイルスプリング部244がピン部222を締め付ける力が僅かに大きくなる。そのため、ピン部222とコイルスプリング部244との密着状態が高められ、ピン部222とコイルスプリング部244との接触状態をより確実なものとすることができる。
【0142】
図28,29に示すように、ボビン202がフレーム203内に収容された状態で、突出部219は、フレーム203の凹部226の上端縁に重なり、凹部226の受け部214Dの後方に当たる部分の上縁部を覆う。したがって、カバー部230の下側に配置されるピン部223とリード線207がフレーム203に接触し、漏電や短絡を起こしてしまうことを防止できる。
【0143】
なお、嵌合部229側に凸条部が形成され、プラグ取付部214側に凹条部が形成されてもよい。また、凸条部214Aと凹条部239は、円弧状に限らない。たとえば、凸条部を
図33の上段(A)に示すように、四角柱状に突出する凸条部214Aとし、また、凹条部を
図33の下段(B)に示すように、凸条部214Aに対応して四角柱状に凹む凹条部239としてもよい。つまり、凸条部と凹条部は、プラグ208をプラグ取付部214に対して前後方向にガイドする構成を有すれば、円弧状あるいは四角柱状の条部に限らない。
【0144】
(第2の実施の形態の主な効果)
上述したように、コイル装置201は、被覆導線204が巻回されるコイル205を有する。コイル205は、被覆導線204が巻回される胴部211と、この胴部211の前後方向となる被覆導線204の巻回の軸方向に配置される鍔部としての前鍔部212と後鍔部213とが設けられるボビン202を有する。また、コイル装置201は、接続部材209と、端子部材206と、プラグ208とを有する。接続部材209は、裸導線が巻回されるコイルスプリング部244を有し、端子部244Bに被覆導線204が電気的に接続されている。端子部材206には、リード線207が電気的に接続される。また、端子部材206は、コイルスプリング部244の内周部244Aに圧入状態で挿入される直径のコイルスプリング部挿入ピン部としてのピン部222を有する。そして、接続部材209のコイルスプリング部244の内周部244Aにピン部222が挿入されることで、被覆導線204とリード線207とが接続される。
【0145】
また、コイル装置201においては、接続部材209に、被覆導線204が接続され、端子部材206に、リード線207が接続されている。接続部材209は、前鍔部212に取り付けられ、端子部材206は、プラグ208に取り付けられている。そして、接続部材209のコイルスプリング部244の内周部244Aに、プラグ208に取り付けられた端子部材206のピン部222が挿入される。
【0146】
コイル装置201がこのように構成されることで、接続部材209のコイルスプリング部244の内周部244Aにピン部222を挿入するすることにより、被覆導線204とリード線207とを接続することができる。したがって、コイル装置201にリード線207を未接続の状態で、コイル装置201を電気機器装置に設置した後、リード線207をコイル装置201に接続することができる。つまり、リード線207をコイル装置201に後付けすることができ、コイル装置201を電気機器装置に設置する際にリード線207が邪魔になり難い。
【0147】
コイル装置201の前鍔部212には、プラグ208が配置される間隔M4(
図28参照)を空けて配置されるプラグ取付部214が設けられている。このプラグ取付部214は、間隔M4を空けて左右に一対設けられ、接続部材209のコイルスプリング部244を軸部215の方向に挿入できる挿入穴としての穴部217が形成されている。一対のプラグ取付部214の互いに対向する側には、対向する側に突出し、軸215方向に条方向を向ける凸条部214Aが形成されている。また、プラグ208には、凸条部214Aに嵌合可能な凹条部239が形成される嵌合部229が設けられている。
【0148】
コイル装置201をこのように構成した場合には、凸条部214Aに凹条部239を嵌合させるという簡単な構成で、プラグ208を、前鍔部212、すなわち、ボビン202に対して、左右および上下方向に対して位置決めすることができる。
【0149】
なお、穴部217の底部238は、穴部217の後方を完全に塞ぐ構成である必要はなく、接続部材209の後方への移動を規制できるように、穴部の内側に突出している構成であれば足りる。しかしながら、本実施の形態のように、穴部217の後方を完全に塞ぐ構成とすることで、ピン部222およびコイルスプリング部244の外部への露出を無くすことができ、短絡の発生を防止できる。また、穴部217内への塵埃等の侵入を防止できる。
【0150】
プラグ取付部214は、前鍔部212よりも前方に板状に突出する突出部214Eにて形成されている。つまり、プラグ取付部214の前後方向、すなわち、ピン部222の挿入方向の厚さが、前鍔部212の前後方向の厚さよりも厚い。そのため、前鍔部212の厚さで端子部材206を支持する構成よりも安定して端子部材206を支持することができる。したがって、プラグ208の上下方向への移動をより抑制することができ、ピン部222の歪曲に起因するコイルスプリング部244とピン部222との接触不良やピン部222の破断等を防止できる。
【0151】
コイル装置201のプラグ取付部214には、プラグ208が取り付けられたときにプラグ208と対向する対向部分にスリット218が形成されている。スリット218は、プラグ取付部214の表面から穴部217に連通すると共に、凸条部214Aの条方向に沿って、穴部217の開口部217A側に配置される側の端面である前端面214Cからコイル205が配置される側の端面である後端面214Bに亘って形成されている。
【0152】
コイル装置201をこのように構成することで、接続部材209に端子部244Bが設けられる場合、端子部244Bをスリット218に通して接続部材209を穴部217内に収容することができる。
【0153】
コイル装置201に設けられる左右一対のプラグ取付部214R,214Lの対向部分には凹部218Aが形成されている。この凹部218Aは、スリット218から穴部217内に収容されているコイルスプリング部244の巻方向に凹むと共に、前端面214Cから後端面214Bに向かって凹む形状を呈している。接続部材209の接続部としての端子部244Bに対する他端部となる端部244Cは、凹部218Aに配置され、嵌合部229には、プラグ208がプラグ取付部214に取り付けられたときに、端部244Cを凹部218A側に押圧する凸部229Bが形成されている。
【0154】
コイル装置201をこのように構成することで、プラグ208がプラグ取付部214に取り付けられたときに、端部244Cが凸部229Bにより凹部218A側に押圧され、コイルスプリング部244がピン部222を締め付ける力が僅かに大きくなる。そのため、ピン部222とコイルスプリング部244との密着状態が高められ、ピン部222とコイルスプリング部244との接触状態をより確実なものとすることができる。
【0155】
第1の実施の形態で説明した
図17で示した構成と同様に、ピン部222は、先端、すなわち、コイルスプリング部244への挿入方向に向かって径が細くなるように形成してもよい。すなわち、ピン部222を先細りの形状としてもよい。
【0156】
ピン部222を先細りの形状とすることで、ピン部222をコイルスプリング部244に挿入する際に挿入し易くなる。ピン部222を先細りの形状とする場合には、ピン部222をコイルスプリング部244の内周に挿入し易いように、ピン部222のコイルスプリング部244に挿入される部分の先端部の直径を、コイルスプリング部244の内周径よりも細くする。そして、該先端部より後方側の部分の直径については、コイルスプリング部244の内周径よりも太くする。ピン部222の先端部および後方側の直径と、コイルスプリング部244の内周径とを上述のように設定することで、コイルスプリング部244の内周部に挿入されたピン部22の後方側の部分にコイルスプリング部244が接触し易くなり、コイルスプリング部244とピン部222との接触面積を広くすることができる。